JP5594008B2 - コネクタ - Google Patents
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一列に並べた複数対の端子金具を各対毎に個別に短絡させる場合には、複数のショート端子を個別に絶縁性のサブハウジングに保持し、この複数のサブハウジングを1つの収容室内へ順に挿入する。挿入された複数のサブハウジングは、絶縁性であって互いに当接させることができるので、収容室の最も奥側のサブハウジングを挿入方向において前止まりするとともに、最も着脱口に近いサブハウジングを抜止めすれば、全てのショート端子を、収容室に対する着脱方向において位置決めすることができる。
サブハウジングがショート端子の全体を収容する形態の場合には、サブハウジングが大型化するのであるが、本発明では、ショート端子のうち弾性接触片をサブハウジングの外部へ突出させたので、サブハウジングを小型化することができる。
サブハウジングを抜止めするための抜止部は、弾性接触片と並ぶように突出した形態となっているので、この抜止部により、弾性接触片に対する異物の干渉を防止することが可能である。
サブハウジングが収容室に対して不正な位置関係で挿入されようとした場合には、誤挿入規制部が嵌合せず、凸側の誤挿入規制部が相手側部材と干渉することにより、サブハウジングの挿入動作が規制される。これにより、サブハウジングが不正な姿勢で収容室内に挿入されることが防止される。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図24を参照して説明する。本実施形態のコネクタは、第1ハウジング10(本発明の構成要件であるハウジング)と第2ハウジング80とを嵌合させるようにしたものである。第1ハウジング10には、2つのサブハウジング30と、2つのショート端子40と、二対の第1端子金具50(本発明の構成要件である端子金具)と、リテーナ60とが取り付けられている。
第1ハウジング10は、合成樹脂製であり、図2,5に示すように、端子保持部11と、端子保持部11の前端外周縁から前方(図2,5における右方)へ片持ち状に突出した概ね角筒状をなすフード部12とを一体に形成したものである。端子保持部11は、フード部12の側面壁の後端に対して面一状に連なる側壁部13と、側壁部13の上端縁に対して直角に連なるとともにフード部12の上面壁に対して面一状に連なる上壁部14と、側壁部13の側縁に対して直角に連なる後壁部15と、側壁部13と後壁部15の下縁に対して直角に連なるとともにフード部12の下面壁に対して段差状に且つ平行に連なる下壁部16とから構成されている。
サブハウジング30は、合成樹脂製であり、図13〜17に示すように、全体としてブロック状をなしている。図14〜16に示すように、サブハウジング30内には、その一方の側面(左右方向において、収容室17の着脱口18側と同じ側の側面)に開放した形態の収容凹部31が形成されている。収容凹部31の前面のうち下端部を除いた領域は、サブハウジング30の前端面に開放されている。図16,17に示すように、サブハウジング30には、その底面から収容凹部31に連通する形態の係止孔32が形成されている。
図18〜20に示すように、ショート端子40は、略方形の水平な板状をなす基板部41(本発明の構成要件である連結部)と、係止片42と、左右一対の弾性接触片43と、治具当て部44と、補強部45とを備えて構成されている。係止片42は、基板部41の一部を切り起こした形態であって、斜め下側方へ片持ち状に延出した形態である。弾性接触片43は、基板部41の後端縁から斜め上前方へ延出した形態であり、上下方向(両ハウジング10,80の嵌合方向と交差する方向であり、第1端子金具50のタブ52に対する当接方向と平行に方向)に弾性撓みとなっている。左右一対の弾性接触片43は、その後端部において基板部41を介して連結されている。弾性接触片43の前端部は、山形に屈曲した形態の接点部46となっている。治具当て部44は、基板部41の一方の側縁の後端部から板状に立ち上がった形態である。補強部45は、基板部41の後端縁から立ち上がって治具当て部44に係止することで、治具当て部44の倒れ変形を規制するようになっている。
図2,5に示すように、第1端子金具50は、前後方向に細長く、角筒状をなす端子本体51と、端子本体51から前方へ突出した細長いタブ52と、端子本体51から後方へ突出したオープンバレル状の圧着部53とを備えた周知形態の雄形の端子である。第1端子金具50は、第1ハウジング10に取り付けられた状態では、端子保持部11によって保持されるとともに、タブ52がフード部12によって包囲される。
リテーナ60は、合成樹脂製であり、図21〜24に示すように、側板部61と、側板部61の上端縁に対し直角に連なる上板部62と、側板部61から側方(上板部62と平行な方向)へ突出する横長の枠状をなす抜止め用枠部63と、側板部61の下端部から側方(上板部62及び抜止め用枠部63と平行な方向)へ突出する下板部64とを備えている。図22に示すように、抜止め用枠部63には、前後方向に貫通する1つの端子貫通部65が形成されている。端子貫通部65は、全体として左右方向に長く大きく開口しており、端子貫通部65の孔縁部が第1端子金具50に係止されるようになっている。上板部62には、その後端縁に沿ったヒンジ部66を介して変位可能に連なる電線保持部67が形成されている。図23に示すように、下板部64には、左右方向に延びる案内溝68が形成されている。同じく下板部64には、図22に示すように、左右2つの係止溝69が形成されている。
第2ハウジング80は、合成樹脂製であり、図3〜5に示すように、ブロック状をなす端子収容部81と、端子収容部81を包囲する筒状嵌合部82とを一体に形成したものである。端子収容部81の外周と筒状嵌合部82の内周との間には、前方(図4,5における左方)へ開放された筒状の嵌合空間83が形成されている。端子収容部81内には、周知形態の雌形をなす二対の第2端子金具85が収容されている。二対の第2端子金具85は、左右方向(両ハウジング10,80の嵌合方向と直交する方向)に一列に並んで配置されている。また、端子収容部81の前端部のうち第2端子金具85よりも少し前方のリブ状の部分は、ショート端子40による第1端子金具50の短絡を解除するための短絡解除部84となっている。
第1ハウジング10側における組付け作業について説明する。組付けに際しては、まず、2つのサブハウジング30に、夫々、ショート端子40を1つずつ個別に組み付けておく。そして、この2つのサブハウジング30を、第1ハウジング10の側方から着脱口18を通過させて収容室17内へ順に挿入していく。このとき、図2,6,7に示すように、前後両ロック部36F,36Rを、夫々、前後2つのガイド溝20に嵌合させるとともに、規制リブ39を規制溝22に嵌合させる。
本実施形態のコネクタは、一列に並ぶ二対の第1端子金具50を、2つのショート端子40によって各対毎に短絡させるものであって、2つのショート端子40を第1端子金具50の並び方向(左右方向)と平行に取り付けることができるようになっている。その為の手段として、ショート端子40を1つずつ保持する絶縁性のサブハウジング30を2つ設け、第1ハウジング10内には、第1ハウジング10の一方の外側面のみにおいて着脱口18として開口した形態の1つの収容室17を形成し、この収容室17に、対をなす第1端子金具50の並び方向と略平行に2つのサブハウジング30を挿入するようにした。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、1つの収容室内に2つのサブハウジングを収容するようにしたが、本発明によれば、1つの収容室内に収容されるサブハウジングの数は、3つ以上でもよい。
(2)上記実施形態では、1つのハウジングに1つの収容室を形成したが、1つのハウジングに、隔壁で仕切られた2つの収容室を形成してもよい。この場合、各収容室に収容されるサブハウジングの数は、複数であってもよい。
(3)上記実施形態では、ショート端子のうち弾性接触片をサブハウジングの外部へ突出させたが、サブハウジングがショート端子の全体を収容する形態としてもよい。この場合、端子金具と弾性接触片との接触がサブハウジングの内部で行われることになる。
(4)上記実施形態では、サブハウジングを抜止めするための抜止部を、弾性接触片に対する異物の干渉防止手段として兼用させたが、抜止部とは別に、弾性接触片に対する異物の干渉を防止するための専用手段を設けてもよい。
(5)上記実施形態では、抜止部を弾性撓み可能な形態とし、係止部を弾性撓みしない形態としたが、抜止部を弾性撓みしない形態とし、係止部を弾性撓み可能な形態としてもよい。
(6)上記実施形態では、収容室の着脱口をリテーナで塞ぐようにしたが、着脱口は、リテーナ以外の部材で塞ぐようにしてもよい。
17…収容室
18…着脱口
21…係止部
22…規制溝(誤挿入規制部)
30…サブハウジング
36F,36R…ロック部(抜止部)
39…規制リブ(誤挿入規制部)
40…ショート端子
41…基板部(連結部)
43…弾性接触片
50…第1端子金具(端子金具)
Claims (4)
- 絶縁性のハウジングと、
前記ハウジング内に並列状に収容された複数対をなす端子金具と、
前記ハウジング内に取り付けられ、前記各対をなす端子金具を短絡させる複数のショート端子と、
前記ショート端子を保持する複数の絶縁性のサブハウジングと、
前記ハウジング内に形成されるとともに、前記ハウジングの外側面において着脱口として開口した形態であり、前記対をなす端子金具の並び方向と略平行に、前記各ショート端子を組み込んだ前記サブハウジングを順に挿入させる収容室とを備え、
前記収容室内に前記ショート端子を組み込んだ前記サブハウジングを順に挿入させる際に、一つ目の前記サブハウジングは前記収容室内の奥部の側壁に当接して前止まりされ、二つ目以降の前記サブハウジングはその直前に挿入された前記サブハウジングの側面に当接することによって、前記各ショート端子の位置決めがなされることを特徴とするコネクタ。 - 前記ショート端子は、前記対をなす端子金具に接触する一対の弾性接触片と、前記一対の弾性接触片を連結する連結部とを有しており、
前記連結部が前記サブハウジング内に収容されているとともに、前記一対の弾性接触片が前記サブハウジングの外部に突出した形態となっていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。 - 前記サブハウジングの外面には、前記収容室の係止部に係止することで前記収容室内の前記サブハウジングを抜止めする抜止部が、前記弾性接触片と並ぶように突出した形態で形成されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
- 前記収容室の内面と前記サブハウジングの外面には、前記収容室に対する前記サブハウジングの着脱方向と平行であって、前記収容室に対して前記サブハウジングが正しい位置関係で挿入されるときにのみ凹凸嵌合する誤挿入規制部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ。
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