JP5439957B2 - 車両用衝撃吸収構造体 - Google Patents

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Description

この発明は、軸方向の一方から荷重を受けた時に軸方向に圧縮変形することで衝撃を吸収する車両用衝撃吸収構造体に関する。
従来より、車両衝突時等により発生した衝撃を、軸方向の圧縮変形により吸収する衝撃吸収構造体について様々なものが提案されている。
例えば、下記特許文献1では、略蛇腹状をなして、軸方向の一方から荷重が作用した時には軸方向に伸縮することが可能な衝撃吸収部材(ディストオーションシェル)と、その内外両側の筒状体(テンションポスト)とからなる構造体が開示されている。
この場合、軸方向の一方から荷重が作用すると、上述した蛇腹状の衝撃吸収部材が前記荷重の方向に応じて伸長または収縮することにより、衝撃を吸収することができるようになっている。
また、下記特許文献2では、所定位置において軸方向と直交する方向に切断した時の垂直方向断面が正n角形をなすとともに、前記所定位置から所定距離軸方向両側に離れたそれぞれの位置での垂直方向断面が、前記所定位置での前記正n角形を軸周りに約180°/n回転させた正n角形をなし、各正n角形の各辺部と各頂部とを結ぶ線を谷折り部又は山折り部として、該谷折り部と山折り部との間に、略三角形の平面部を規則的かつ連続的に形成した筒状の構造体が開示されている。
このような多面構造をなす構造体の場合、多面構造を構成する最小構成単位としての平面部を規則的にかつ連続的に配置していることにより、軸方向の一方から荷重が作用すると、構造体の表面全体を略均等に潰すことが可能となる。このため、衝撃をより効率的に吸収することができるという利点がある。
下記特許文献2では、軸方向と直交する方向の幅(径)を同じに設定した多面構造を持たない筒状体に比べ、多面構造をなす構造体がより高い衝撃吸収性能を有することを実験により示している。
つまり、下記特許文献2に開示された構造体を採用することで、衝撃エネルギー吸収量を構造体の全体重量で除した数値、いわゆる性能重量効率を高めることができ、その結果、構造体の軽量化を図ることができる。
近年では、環境保護の観点から、燃費向上の要求が高まっており、これを実現すべく、車体の軽量化について様々な研究開発が進められている。このような理由から、衝撃吸収構造体においても、より軽量でありながら高い衝撃吸収性能を発揮するものが求められており、上述した性能重量効率は、衝撃吸収構造体を開発する上で極めて重要な要素となっている。
特開平7−81509号公報 特開2002−284032号公報
ところで、構造体の衝撃吸収性能の評価は、一般的に構造体の圧縮変形により吸収できる衝撃エネルギー吸収量と、荷重が作用してから軸方向に完全に圧縮変形するまでの耐久性とによってなされる。
ここで、前記特許文献1に開示された構造体について見てみると、これを構成する内外の筒状体は、衝撃吸収部材の端部のみに溶着された構造となっている。この場合、構造体の軸方向に荷重が作用した時、前記内外の筒状体は、衝撃吸収部材に対して相対的に軸方向に変位するだけで、圧縮変形を伴わないことになる。
つまり、この場合、前記内外の筒状体は衝撃吸収に寄与していないことになり、構造体全体としては、衝撃吸収部材のみが衝撃吸収機能を有していることになる。従って、前記特許文献1に開示された構造体は、衝撃吸収部材の他に2つの筒状体を備えているにも関わらず、高い衝撃吸収性能を得られないことから、上述した性能重量効率が低下したものとなってしまう。
さらに、前記特許文献1に開示された構造体では、前記内外の筒状体が上述したように衝撃吸収に寄与しないものとなっていることにより、軸方向に荷重が作用してから構造体(衝撃吸収体部材)が完全に圧縮変形するまでの耐久性を十分に高めることができないという問題もある。
一方、前記特許文献2に開示された構造体について、本発明者は、その衝撃吸収性能について、様々な解析、検討を行った。そして、鋭意研究の結果、確かに性能重量効率の向上を実現するものではあるが、軸方向に凹凸が連続する多面構造をなしているが故に、軸方向への変形が過剰に促進されてしまい、上述した耐久性がむしろ低下したものとなっていることを見出した。
この発明は、衝撃吸収性能に関し、高い性能重量効率を実現しつつ、荷重が作用してから軸方向に完全に圧縮変形するまでの耐久性を高めることができる車両用衝撃吸収構造体を提供することを目的とする。
この発明の車両用衝撃吸収構造体は、所定位置において軸方向と直交する方向に切断した時の垂直方向断面が、正n角形(n≧4)をなすとともに、前記所定位置から所定距離軸方向両側に離れたそれぞれの位置での垂直方向断面が、前記所定位置での前記正n角形を軸周りに約180°/n回転させた正n角形をなし、各正n角形の各辺部と各頂部とを結ぶ線を谷折り部又は山折り部として、該谷折り部と山折り部との間に、略三角形の平面部を規則的かつ連続的に形成してなる内筒体と、該内筒体の各正n角形の各頂部に外接する断面形状を有し、前記各頂部に内周部がそれぞれ当接して結合され、前記内筒体を覆う外筒体とからなるとともに、前記頂部と前記外筒体との結合部は、軸方向及び周方向に連続しているものである。
この構成によれば、軸方向の一方から作用する荷重を、内筒体と外筒体との協働によって、先ずは各結合部及びその周辺で局所的に受け止めることができる。その結果、荷重が作用してから構造体が完全に圧縮変形するまでの耐久性を向上させることができる。
さらに、内筒体、外筒体を頂部毎に結合することで、圧縮変形が進行した時には、内筒体、外筒体をともに軸方向及び周方向において略均等に変形させることができる。このため、構造体の略全体が衝撃吸収に寄与することになり、その結果性能重量効率(衝撃エネルギー吸収量/構造体の全体重量)を向上させることができる。
この発明の一実施態様においては、前記外筒体の垂直方向断面が正2n角形をなす多角形管であり、前記外筒体の正2n角形の辺部と、前記内筒体の頂部とが軸方向視で一致しているものである。
この構成によれば、内筒体の頂部と外筒体の平面部の内周部とを確実に当接させることができ、両者を確実に結合させることができる。
また、この発明の車両用衝撃吸収構造体は、所定位置において軸方向と直交する方向に切断した時の垂直方向断面が、正n角形(n≧4)をなすとともに、前記所定位置から所定距離軸方向両側に離れたそれぞれの位置での垂直方向断面が、前記所定位置での前記正n角形を軸周りに約180°/n回転させた正n角形をなし、各正n角形の各辺部と各頂部とを結ぶ線を谷折り部又は山折り部として、該谷折り部と山折り部との間に、略三角形の平面部を規則的かつ連続的に形成してなる外筒体と、該外筒体の各正n角形の各辺部に内接する断面形状を有し、前記各辺部に外周部がそれぞれ当接して結合され、前記外筒体に覆われる内筒体とからなるとともに、前記辺部と前記内筒体との結合部は、軸方向及び周方向に連続しているものである。
この構成によれば、軸方向の一方から作用する荷重を、内筒体と外筒体との協働によって、先ずは各結合部及びその周辺で局所的に受け止めることができる。その結果、荷重が作用してから構造体が完全に圧縮変形するまでの耐久性を向上させることができる。
さらに、内筒体、外筒体を辺部毎に結合することで、圧縮変形が進行した時には、内筒体、外筒体をともに軸方向及び周方向において略均等に変形させることができる。このため、構造体の略全体が衝撃吸収に寄与することになり、その結果性能重量効率(衝撃エネルギー吸収量/構造体の全体重量)を向上させることができる。
この発明の一実施態様においては、前記内筒体の垂直方向断面が正2n角形をなす多角形管であり、前記内筒体の正2n角形の辺部と、前記外筒体の辺部とが軸方向視で一致しているものである。
この構成によれば、内筒体の平面部の外周部と外筒体の辺部とを確実に当接させることができ、両者を確実に結合させることができる。
この発明の一実施態様においては、前記内筒体の正2n角形の辺部には、平面部が形成されており、該平面部が前記内筒体に結合されているものである。
この発明の一実施態様においては、前記正n角形が、正六角形(n=6)であり、前記谷折り部と前記山折り部との間に、略二等辺三角形の前記平面部を規則的かつ連続的に形成してなるものである。
この構成によれば、多角形管の垂直方向断面を正十二角形とすることができ、多角形管における、荷重に対する耐久性を最大限向上させることができる。
この発明の一実施態様においては、前記外筒体及び前記内筒体が、軸方向の一方に向かうほど、軸方向と直交する方向の幅が狭まるようにテーパ状をなしているものである。
この構成によれば、構造体の製造時において内筒体を外筒体の内側に挿入する時には、外筒体の拡幅された側から内筒体を挿入するようにすることで、この挿入工程における作業を容易にすることができる。
また、内筒体、外筒体の拡幅された側により、構造体に対して軸方向に荷重が作用した時には、軸方向と直交する方向に構造体が倒れ込むことを抑制できる。
この発明によれば、軸方向の一方から作用する荷重を、内筒体と外筒体との協働によって、先ずは各結合部及びその周辺で局所的に受け止めることができるため、荷重が作用してから構造体が完全に圧縮変形するまでの耐久性を向上させることができる。
さらに、内筒体、外筒体を頂部毎に結合することで、圧縮変形が進行した時には、内筒体、外筒体をともに軸方向及び周方向において略均等に変形させることができ、その結果性能重量効率を向上させることができる。
この発明の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体を示す斜視図。 (a)図1の車両用衝撃吸収構造体を構成する内筒体の斜視図、(b)同外筒体の斜視図、(c)外筒体と内筒体とを結合した状態を、外筒体を透過状態にして示した図。 車両用衝撃吸収構造体の平面図。 図3のA−A線矢視断面図。 図1に示す車両用衝撃吸収構造体に対し軸方向の一方から荷重を加えた時の挙動をCAEによりシミュレーション解析した結果を示す図であり、(a)圧縮荷重を付加する前の状態を示す図4相当の断面図、(b)圧縮荷重を付加した直後の状態を示す図4相当の断面図、(c)(b)の状態からさらに圧縮荷重を付加した時の状態を示す図4相当の断面図。 この発明の他の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体を示す斜視図。 (a)図6の車両用衝撃吸収構造体を構成する外筒体の斜視図、(b)同内筒体の斜視図、(c)外筒体と内筒体とを結合した状態を、外筒体を透過状態にして示した図。 車両用衝撃吸収構造体の平面図。 図8のB−B線矢視断面図。 この発明のさらに他の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体を示す断面図。 この発明のさらに他の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体を示す断面図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体を示す斜視図であり、図2(a)は、図1の車両用衝撃吸収構造体を構成する内筒体の斜視図、図2(b)は、同外筒体の斜視図、図2(c)は、外筒体と内筒体とを結合した状態を、外筒体を透過状態にして示した図である。図1、図2に示すように、車両用衝撃吸収構造体(以下、単に構造体と略記する。)1は、軸方向及び周方向において凹凸が規則的に連続した多面構造をなす内筒体2と、この内筒体2を覆い、軸方向に直交する方向の垂直方向断面が正多角形をなす多角形管の外筒体3とにより構成されている。
ここで、内筒体2及び外筒体3は、いずれも構造体1の軸方向と直交する方向の幅、すなわちこれらを巨視的に円筒体として見た時の径が軸方向において一定とされている。
図3は、構造体1の平面図である。内筒体2は、図3に示すように、所定位置において構造体1の軸方向と直交する方向に切断した時の垂直方向断面が正六角形をなしている。
そして、前記所定位置から所定距離軸方向両側に離れたそれぞれの位置での垂直方向断面は、前記所定位置での前記正六角形を軸周りに約30°(=180°/6)回転させた正六角形をなしている。
また、内筒体2では、図1〜図3に示すように、上述した各正六角形の各辺部21に谷折り部23、角部に対応する頂部22同士を結ぶ線に山折り部24が形成されており、これら谷折り部23と山折り部24との間に、略二等辺三角形の平面部25A、25A、…を規則的かつ連続的に形成している。
換言すれば、この内筒体2では、各正六角形の各頂部22を結ぶことにより、略四辺形(菱形)をなす構成単位面25が形成されている。そして、この構成単位面25の辺部に山折り部24を形成し、さらに、この構成単位面25の中央部(対角線上)に谷折り部23(辺部21)を形成することで、個々の構成単位面25には、最小構成単位をなす略二等辺三角形の平面部25A、25Aが2個形成されている。
これにより、平面部25A、25Aが辺部21(谷折り部23)で接続された(辺部21(谷折り部23)を共有する)構成となり、構成単位面25では、その断面がV字型をなしている。そして、この構成単位面25が、内筒体2の表面において、軸方向及び周方向に規則的に連続することで、内筒体2は、凹凸が規則的に連続した多面構造をなしている。なお、本明細書では、構造体1の表面側から見て谷状に成形されている部位を谷折り部23、山状に成形されている部位を山折り部24としている。
図4は、図3のA−A線矢視断面図である。内筒体2では、図1〜図4に示すように、各頂部22が略平面部をなしており、この各頂部22において、外筒体3が結合されている(図3、図4中×印で示す結合部P参照)。
外筒体3は、図1〜図3に示すように、垂直方向断面が正十二(2×6)角形をなしている。これにより、内筒体2の外周に外筒体3を配置した時には、内筒体2において軸周りに約30°ずれた前記正六角形の各頂部22に各辺部31が軸方向視で一致して外接するようになっている。
そして、内筒体2にて平面をなす頂部22と、外筒体3にて正十二角形の辺部31を形成する平面部32の内周とが当接した状態で両者が結合されている。本実施形態では、内筒体2の各平面部25Aの頂部22が外筒体3に結合されており、結合部Pは、平面部25Aに対応して軸方向及び周方向に連続している。なお、内筒体2の頂部22と外筒体3の平面部32との当接部分の結合は、スポット溶接等による溶接や、接着剤を用いた接着等によりなされる。
次に、図5を参照して、構造体1の衝撃吸収性能について説明する。図5は、構造体1に対し軸方向の一方から荷重を加えた時の挙動をCAE(Computer Aided Engineering)によりシミュレーション解析した結果を示す図である。
本発明者は、図1に示す構造体1の衝撃吸収性能を評価するにあたり、これに図5に示すような圧縮荷重Fを付加した時の挙動を解析した。この解析では、図5に示すように、軸方向が上下を向くように構造体1を台座X上に配置した状態で、上方から軸方向に圧縮荷重Fを付加した時の構造体1各部の変形量を算出した。
ここで、図5では、この解析結果を図4相当の断面図で示しており、図5(a)は、圧縮荷重Fを付加する前の状態を示し、図5(b)は、圧縮荷重Fを付加した直後の状態、図5(c)は、図5(b)の状態からさらに圧縮荷重を付加した時の状態を示している。また、図5では、各部の変形量の大小を色の濃淡で示しており、変形量が大きいほど濃い色で示している。
図5(b)によれば、構造体1に圧縮荷重Fが付加された時には、圧縮荷重Fが作用する側の各結合部P(図4参照)とその周辺部に大きな変形が発生していることが分かる(図中の変形箇所α参照)。
この時、図示のように、内筒体2の構成単位面25、25、…では、これが谷折り部23を折りしろにして内向きに突出して潰れるとともに、外筒体3では、その平面部32が結合部Pの間で外向きに突出して潰れている。
そして、さらに圧縮荷重Fを付加した時には、図5(c)に示すように、各変形箇所αにおける変形量及び変形領域が増大し、構成単位面25及び平面部32の突出量がよりさらに大きくなっている。
ここで、本発明者は、図5に示す解析結果から、内筒体2と外筒体3とを頂部22で結合することにより、構造体1に圧縮荷重Fが付加された時には、先ず圧縮荷重F側の結合部P及びその周辺で局所的に変形が生じることを見出した。そして、このように圧縮荷重Fを結合部P及びその周辺部で受け止めることで、圧縮変形の軸方向への伝播が抑制されることを見出した。
そして、構造体1が圧縮変形する時には、内筒体2が結合部P毎に規則的に変形することで、外筒体3も結合部P毎に規則的に変形させることができ、その結果、圧縮荷重Fを内筒体2と外筒体3との協働で受け止めつつ、構造体1を軸方向及び周方向において略均等に変形させることができることを見出した。
このように、軸方向に離間した正多角形(ここでは正六角形)の辺部21及び頂部22を結ぶ線を谷折り部23、山折り部24にして略二等辺三角形の平面部25Aを形成した多面構造をなす内筒体2と、垂直方向断面が正多角形(ここでは正十二角形)をなす外筒体3とを頂部22で結合した構造体1とすることにより、軸方向の一方から作用する圧縮荷重Fを、内筒体2と外筒体3との協働によって、先ずは各結合部P及びその周辺で局所的に受け止めることができる。その結果、圧縮荷重Fが作用してから構造体1が完全に圧縮変形するまでの耐久性を向上させることができる。
さらに、内筒体2、外筒体3を各平面部25Aの頂部22毎に結合することで、圧縮変形が進行した時には、上述したように内筒体2、外筒体3をともに軸方向及び周方向において略均等に変形させることができることから、構造体1の略全体が圧縮荷重Fの衝撃吸収に寄与することになり、その結果性能重量効率(衝撃エネルギー吸収量/構造体1の全体重量)を向上させることができる。
また、本実施形態のように、内筒体1を正n角形(n=6)とする一方で、外筒体2を正2n(=12)角形とし、内筒体2の頂部22と外筒体3の平面部32とを一致するように配置したことで、内筒体2の頂部22と外筒体3の平面部32の内周部とを確実に当接させることができ、両者を確実に結合させることができる。
ところで、垂直方向断面が正多角形をなす多角形管においては、前記断面を十二角形とした場合に、軸方向の荷重に対し最も高い耐久性を示すことが知られている(中澤嘉明、他3名、「薄肉多角形部材の塑性座屈挙動に及ぼす断面形状因子の影響」、日本機械学会論文集(A編)論文No.06−0899、2007年3月、73巻727号、331〜337頁参照)。
そこで、本実施形態のように、内筒体1を正六角形(n=6)として、外筒体3の垂直方向断面を正十二角形とすることにより、外筒体3における、圧縮荷重Fに対する耐久性を最大限向上させることができる。
次に、図6〜図9を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。図6は、本発明の他の実施形態に係る構造体を示す斜視図であり、図7(a)は、図6の構造体を構成する外筒体の斜視図、図7(b)は、同内筒体の斜視図、図7(c)は、外筒体と内筒体とを結合した状態を、外筒体を透過状態にして示した図である。
図6、図7に示すように、構造体1′は、構造体1における内筒体2と外筒体3との位置関係が内外において逆に配置された構成となっている。すなわち、軸方向及び周方向において凹凸が規則的に連続した多面構造をなす外筒体4と、この外筒体4に覆われ、垂直方向断面が正多角形をなす多角形管の内筒体5とにより構成されている。そして、外筒体4及び内筒体5は、いずれも構造体1′の軸方向と直交する方向の幅が軸方向において一定とされている。
図8は、構造体1′の平面図である。本実施形態において、外筒体4は、構造体1の内筒体2と同様、図8に示すように、所定位置において構造体1′の垂直方向断面が正六角形をなし、前記所定位置から所定距離軸方向両側に離れたそれぞれの位置での垂直方向断面は、軸方向から見て前記所定位置での前記正六角形を軸周りに約30°回転させた正六角形をなしている。
そして、外筒体4では、上述した各正六角形の各辺部41に谷折り部43、頂部42同士を結ぶ線に山折り部44が形成されている。このため、外筒体4では、頂部42を結ぶことにより、略四辺形をなす構成単位面45が形成され、さらには、谷折り部43と山折り部44との間に、略二等辺三角形の平面部45A、45A、…が規則的かつ連続的に形成されている。
図9は、図8のB−B線矢視断面図である。本実施形態では、構造体1の場合と異なり、図6〜図9に示すように、頂部42の先端が尖った角部とされる代わりに、辺部41において、その中央部に軸方向に平行な平面部43aが形成されている。そして、外筒体4では、この平面部43aにおいて内筒体5が結合されている(図8、図9中×印で示す結合部P参照)。
内筒体5は、図6〜図8に示すように、垂直方向断面が正十二(2×6)角形をなしている。これにより、外筒体4の内周に内筒体5を配置した時には、外筒体4において軸周りに約30°ずれた前記各正六角形の各平面部43aに各辺部51が軸方向視で一致して内接するようになっている。そして、外筒体4の平面部43aと、内筒体5にて正十二角形の辺部51を形成する平面部52の外周とが当接した状態で両者が結合されている。
本実施形態では、外筒体4の各平面部45Aの辺部41に形成された平面部43aが内筒体5に結合されており、結合部Pは、平面部45Aに対応して軸方向及び周方向に連続している。
このような構成をなす構造体1′であっても、構造体1の場合と同様、外筒体4と内筒体5との協働によって、荷重が作用してから構造体1′が完全に圧縮変形するまでの耐久性を向上させることができる。
そして、外筒体4、内筒体5を辺部41毎に結合することで、圧縮変形が進行した時には、内筒体4、外筒体5をともに軸方向及び周方向において略均等に変形させることができる。このため、構造体1′の略全体が衝撃吸収に寄与することになり、その結果性能重量効率を向上させることができる。
また、前記内筒体は、内筒体5の辺部51と、外筒体4の辺部41とが軸方向視で一致していることにより、内筒体5の平面部52の外周部と外筒体4の辺部41の平面部43aとを確実に当接させることができ、両者を確実に結合させることができる。
ところで、上述した各実施形態では、構造体1、1′を構成する内筒体2、5、外筒体3、4の、軸方向と直交する方向の幅がいずれも軸方向において一定とされているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図10、図11に示す構造体10、10′のように、内筒体6、9及び外筒体7、8の前記幅が軸方向の一方に向かうにつれて狭まるような(内筒体6、9及び外筒体7、8を巨視的に円筒体として見た時の径が軸方向において縮径されるような)テーパ状に形成してもよい。
図10は、構造体1(図1〜図5参照)に対応する構造体10であって、内筒体2、外筒体3にそれぞれ対応する内筒体6、外筒体7により構成されている。
図10では、内筒体6の辺部61(谷折り部63)の長さが軸方向の一方に向かうにつれて短くなっている。このため、頂部62の間隔が徐々に狭まり、かつ山折り部64の長さが徐々に短くなるように形成されている。そして、このような形状により、構成単位面65を構成する平面部65Aの面積が、軸方向の一方に向かうにつれて小さくなっている。このような構成により、内筒体6は、テーパ状をなしている。
そして、外筒体7では、辺部71(平面部72)の長さが軸方向の一方に向かうにつれて短くなっており、これによって外筒体7も、内筒体6に対応してテーパ状をなしている。
図11は、構造体2(図6〜図9参照)に対応する構造体10′であって、外筒体4、内筒体5にそれぞれ対応する外筒体8、内筒体9により構成されている。
図11では、外筒体8の辺部81(谷折り部83)の長さが、構造体10の内筒体6と同様、軸方向の一方に向かうにつれて短くなっている。このため、頂部82の間隔が徐々に狭まり、かつ山折り部84の長さが徐々に短くなるように形成されている。そして、このような形状により、構成単位面85を構成する平面部85Aの面積が、軸方向の一方に向かうにつれて小さくなっている。なお、図中符号83aで示す部位は、外筒体4の平面部43aに対応する平面部83aである。
そして、外筒体8に対応して、内筒体9では、辺部91(平面部92)の長さが軸方向の一方に向かうにつれて短くなっており、これによって、外筒体8及び内筒体9はテーパ状をなしている。
このように、内筒体6、9及び外筒体7、8をテーパ状に形成した場合、構造体10、10′の製造時において内筒体6、9を外筒体7、8の内側に挿入する時には、外筒体7、8の拡幅された側(大径側)から内筒体6、9を挿入するようにすることで、この挿入工程における作業を容易にすることができる。
また、内筒体6、9、外筒体7、8の拡幅された側により、構造体10、10′に対して軸方向に荷重が作用した時には、軸方向と直交する方向に構造体10、10′が倒れ込むことを抑制できる。
ところで、上述した構造体1、1′、10、10′は、車体構造をなす構成部材のうち、例えば、車両前方両側部にて車両前後方向に延設されたフロントサイドフレームの前端部に結合され、車両前突時等において軸方向に圧縮変形することで衝突荷重の衝撃を吸収する衝撃吸収部材(クラッシュカン)に適用することができる。
構造体1、1′、10、10′を上述した衝撃吸収部材に適用する場合には、例えば、図5に示す台座Xが、フロントサイドフレームの前端部に配設される結合用のプレート部材に対応する。
また、構造体10、10′を車体の構造部材に適用する場合には、軸方向と直交する方向の幅が拡幅された側(大径側)を車体に取付け、前記幅が狭い側(小径側)を車外側に向けて配設するのが好ましい。このような構成にすることで、幅が狭い側に対し軸方向の斜めから荷重が作用した時、該荷重により車体への取付け側となる根元部で最初に変形が生じて構造体全体が早期に倒れ込むことを抑制できる。
なお、上述した各実施形態では、筒体2、4、6、8の垂直方向断面を正六角形としているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、少なくとも多角形の角の数nが4以上であればよい。
また、筒体2、4、6、8と結合される筒体3、5、7、9では、その垂直方向断面の形状を正十二角形としているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、他の正多角形や円形としてもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の、略三角形の平面部を規則的かつ連続的に形成してなる内筒体は、内筒体2、6に対応し、
以下同様に、
前記内筒体を覆う外筒体は、外筒体3、7に対応し、
略三角形の平面部を規則的かつ連続的に形成してなる外筒体は、外筒体4、8に対応し、
前記外筒体に覆われる内筒体は、内筒体5、9に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
1、1′、10、10′…車両用衝撃吸収構造体
2、5、6、9…内筒体
3、4、7、8…外筒体
21、41、61、81…辺部
22、42、62、82…頂部
23、43、63、83…谷折り部
24、44、64、84…山折り部
31、51、71、91…辺部

Claims (7)

  1. 所定位置において軸方向と直交する方向に切断した時の垂直方向断面が、正n角形(n≧4)をなすとともに、
    前記所定位置から所定距離軸方向両側に離れたそれぞれの位置での垂直方向断面が、前記所定位置での前記正n角形を軸周りに約180°/n回転させた正n角形をなし、
    各正n角形の各辺部と各頂部とを結ぶ線を谷折り部又は山折り部として、該谷折り部と山折り部との間に、略三角形の平面部を規則的かつ連続的に形成してなる内筒体と、
    該内筒体の各正n角形の各頂部に外接する断面形状を有し、
    前記各頂部に内周部がそれぞれ当接して結合され、前記内筒体を覆う外筒体とからなるとともに、
    前記頂部と前記外筒体との結合部は、軸方向及び周方向に連続している
    車両用衝撃吸収構造体。
  2. 前記外筒体は、その垂直方向断面が正2n角形をなす多角形管であり、
    前記外筒体の正2n角形の辺部と、前記内筒体の頂部とが軸方向視で一致している
    請求項1記載の車両用衝撃吸収構造体。
  3. 所定位置において軸方向と直交する方向に切断した時の垂直方向断面が、正n角形(n≧4)をなすとともに、
    前記所定位置から所定距離軸方向両側に離れたそれぞれの位置での垂直方向断面が、前記所定位置での前記正n角形を軸周りに約180°/n回転させた正n角形をなし、
    各正n角形の各辺部と各頂部とを結ぶ線を谷折り部又は山折り部として、該谷折り部と山折り部との間に、略三角形の平面部を規則的かつ連続的に形成してなる外筒体と、
    該外筒体の各正n角形の各辺部に内接する断面形状を有し、
    前記各辺部に外周部がそれぞれ当接して結合され、前記外筒体に覆われる内筒体とからなるとともに、
    前記辺部と前記内筒体との結合部は、軸方向及び周方向に連続している
    車両用衝撃吸収構造体。
  4. 前記内筒体は、その垂直方向断面が正2n角形をなす多角形管であり、
    前記内筒体の正2n角形の辺部と、前記外筒体の辺部とが軸方向視で一致している
    請求項3記載の車両用衝撃吸収構造体。
  5. 前記内筒体の正2n角形の辺部には、平面部が形成されており、
    該平面部が前記内筒体に結合されている
    請求項4記載の車両用衝撃吸収構造体。
  6. 前記正n角形は、正六角形(n=6)であり、
    前記谷折り部と前記山折り部との間に、略二等辺三角形の前記平面部を規則的かつ連続的に形成してなる
    請求項2または4または5記載の車両用衝撃吸収構造体。
  7. 前記外筒体及び前記内筒体は、軸方向の一方に向かうほど、軸方向と直交する方向の幅が狭まるようにテーパ状をなしている
    請求項1〜のいずれか一項に記載の車両用衝撃吸収構造体。
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