JP5439671B2 - 抗がん剤 - Google Patents

抗がん剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5439671B2
JP5439671B2 JP2009025595A JP2009025595A JP5439671B2 JP 5439671 B2 JP5439671 B2 JP 5439671B2 JP 2009025595 A JP2009025595 A JP 2009025595A JP 2009025595 A JP2009025595 A JP 2009025595A JP 5439671 B2 JP5439671 B2 JP 5439671B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caffeic acid
growth inhibitory
caffeate
cyclohexyl
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009025595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010180167A (ja
Inventor
憲明 岸本
友紀 北村
嘉明 赤井
志織 入江
直子 阪口
慎太郎 竹本
藤樹夫 藤田
泰司 福永
和也 岩井
奈々香 後藤田
雄志 紙谷
佳奈 北浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kinki University
Original Assignee
Kinki University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kinki University filed Critical Kinki University
Priority to JP2009025595A priority Critical patent/JP5439671B2/ja
Publication of JP2010180167A publication Critical patent/JP2010180167A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5439671B2 publication Critical patent/JP5439671B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

本発明は、癌細胞や異常細胞に対する増殖抑制作用を有する抗がん剤及びその製造方法に関する。
カフェ酸誘導体は、抗酸化剤として有用であるほか、強力なインシュリン分泌誘導能や糖質分解酵素阻害能があることから、糖尿病治療薬などの医薬品成分や糖尿病予防などの食品成分として有用であることが知られている。一方、従来から、カフェ酸誘導体を得る方法として、天然物からの抽出方法が知られているが、カフェ酸誘導体の天然物中の存在量が微量であることから工業的な生産は困難である。
また、化学的合成方法も知られているが、収率が悪く、環境に対しての問題もある。発明者らは、既に、イオン液体中でのエステル交換反応により、カフェ酸誘導体の酵素合成を簡便に効率よく行う方法を開発している。係る方法を用いることで、カフェ酸誘導体の工業量産が可能となっている。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、カフェ酸誘導体に、癌細胞に対する増殖抑制作用を見出したことによりなされたものである。本発明は、癌細胞又は異常細胞に対する増殖抑制効果を有する抗がん剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る抗がん剤は、カフェ酸誘導体を有効成分として、癌細胞又は異常細胞の増殖を抑制する作用を有することを特徴とする。
係るカフェ酸誘導体は、乳癌細胞、結腸癌および子宮癌に対して細胞増殖抑制作用があり、癌の縮小を介して癌の治療に有用である。
ここで、異常細胞とは、ポリープや良性腫瘍等の前癌状態にある細胞が主に挙げられる。
また、このようなカフェ酸誘導体として、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)が好適に使用できる。
係る2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)又は3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)のカフェ酸誘導体は、乳癌細胞、結腸癌および子宮癌に対して、優れた細胞増殖抑制作用があり、特に乳癌の縮小を介して癌の治療に有用である。
本発明によれば、癌細胞又は異常細胞に対する増殖抑制効果を発揮することができる抗がん剤、及び抗がん剤の容易な製造方法が提供される。
2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)およびカフェ酸の各種細胞の増殖に対する影響を示すデータ図 3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)およびカフェ酸の各種細胞の増殖に対する影響を示すデータ図
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではない。
先ず、カフェ酸誘導体として、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)の癌細胞又は異常細胞に対する増殖抑制機能について説明する。2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)は、イオン液体中でのエステル交換反応による酵素合成法で製造した。
より詳しくは、酵素合成は、カフェ酸ビニルエステル(Vinyl caffeate)44mM・20mgおよび2−シクロヘキサンエタノール(2−Cyclohexaneethanol)326mM・100μLを、疎水性のイオン液体[BMIM][NTf] 2.2mL中に添加し、固定化リパーゼ酵素(Novozyme435)21mgと共に55℃でインキュベートし、エステル交換反応を施して2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)を酵素合成した。
2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)の化学反応式を下記に示す。
酵素合成により製造された2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl
caffeate)のヒト腫瘍細胞4株に対するin vitro細胞増殖抑制試験を実施した。
(試験材料および方法)
ヒト腫瘍細胞としては、4株(HT−29(結腸癌)、MCF7(乳癌)、Hela S3(子宮癌)、K−562(白血病))を使用した。
そして、被験物質としては、製造された2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl
caffeate)、カフェ酸(ナカライテスク製)、および、5−フルオロウラシル(5−FU;SIGMA製)を使用した。
カフェ酸を除く、3つの化合物はdimethyl sulfoxide(DMSO;関東化学製)で、2×10−2 mol/Lに、カフェ酸は同様に2×10−1
mol/Lに溶解し保存液とした。DMSOの最終濃度は0.05%以下とした。
次に、各細胞の培養に用いた培養液を以下に説明する。
(1)HT−29・・・McCoys’s 5A培地にペニシリン-ストレプトマイシン(終濃度100units/mL ペニシリン,100μg/mLストレプトマイシン)および牛胎仔血清(終濃度10%;JRH Biosciences)を添加した。
(2)Hela S3・・・MEM培地にペニシリン-ストレプトマイシンおよび牛胎仔血清を添加した。
(3)MCF7・・・MEM培地に非必須アミノ酸液、ピルビン酸ナトリウム(終濃度1mM)、ペニシリン-ストレプトマイシンおよび牛胎仔血清を添加した。
(4)K−562・・・RPMI1640培地にHEPESバッファー(終濃度10mM)、ペニシリン-ストレプトマイシンおよび牛胎仔血清を添加した。
細胞増殖抑制試験は、Carmichaelらの MTT assay法に準じて実施した。すなわち、白血病細胞(K−562;浮遊培養)は培養中の細胞を遠心後、上清を取り除き、新たな培養液を加えて1×10
個/mLの細胞懸濁液とした。この細胞懸濁液を96穴マイクロプレートに135 μL/wellずつ播種後、化合物をwellあたり15 μL添加して、37℃、5%COの環境下にて72時間培養した。
白血病細胞を除く細胞(いずれも単層培養)は、培養中の細胞を0.05% トリプシン、0.35mM EDTA・4Na液で剥離し、1000rpm、3分間遠心後、上清を取り除き、新たな培養液を加えて、HT−29及びHela
S3は1×10 個/mLに、MCF7は3×10 個/mLに細胞数を調製した。この細胞懸濁液を96穴マイクロプレートの各wellに135μLずつ播種し、37℃、5%COの環境下にて培養した。
播種24時間後、各濃度の被験液15μLを各wellに添加して、さらに72時間培養した。なお、実験はtriplicateで実施した。
次に、細胞増殖抑制作用の測定方法について以下に説明する。
各細胞は72時間培養後、各wellにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で5mg/mLに溶解したMTT液(3−4,5−dimethylthiazol−2yl−2,5−diphenyl
tetrazolium bromide;ナカライテスク製) 15μLを添加して、37℃、5%COの環境下にて4時間培養した。
MTT−formazan形成後、浮遊培養した細胞は、3000rpm、10分間遠心し上清を吸引した。他方、単層培養した細胞は培養液を吸引した。
次に、各wellにDMSOを200μLずつ添加して5分間振盪後、マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス社製)を用いて、測定波長540nm、補正波長620nmでの吸光度を測定した。細胞培養液中のバックグラウンドを排除するため、測定波長から補正波長を引いた値を吸光度とし、細胞増殖率を算出した。
実験開始時に比べて生細胞数が増加した場合の細胞増殖率は、下記の数式1を用いて算出した。
一方、実験開始時に比べて細胞数が減少した場合の細胞増殖率は、下記の数式2を用いて算出した。
また、各被験物質の50% 細胞増殖抑制濃度(IC50)は、72時間後の各群における増殖率から最小二乗法を用いて算出した。
2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)の各種ヒト腫瘍細胞に対する上述の増殖抑制試験を各細胞につき2回実施した。
試験した2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)および対照薬の各種ヒト腫瘍細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)を下記の表1に、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)およびカフェ酸の増殖に与える影響を図1に示す。
2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)は、今回用いた4種類のヒト腫瘍細胞株(HT−29(結腸癌)、MCF7(乳癌)、Hela S3(子宮癌)およびK−562(白血病))に対して、2回の実験でいずれも50%増殖阻害濃度(IC50)が20μM以下の細胞増殖抑制作用を示していることが確認できた。
特に、MCF7(乳癌)及びK−562(白血病)に対しては、50%増殖阻害濃度(IC50)が10μM以下の強い増殖抑制作用を示した。一方、対照薬のカフェ酸は、K−562(白血病)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が100μM以下であったが、他の3株の細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)はいずれも100μM以上であり、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)は、カフェ酸に比べ各細胞に対する2回の実験の50%増殖阻害濃度(IC50)が5.8倍から89.2倍強い増殖抑制作用を示した。
また、抗癌作用の対照薬として使用した5-FUは、上記表1に示されるように、HT−29(結腸癌)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が2回の平均で21.0μM/L、Hela S3(子宮癌) が2回の平均で35.9μM/L、MCF7(乳癌) が2回の平均で24.9μM/L、K−562(白血病) が2回の平均で9.8μM/Lであった。
ここで、5−FUは、1957年にNature誌で抗腫瘍効果が報告された以後、50年以上の長期にわたり、大腸がん化学療法として活用され続けた薬剤である。
2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)は、上記表1に示されるように、HT−29(結腸癌)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が2回の平均で11.1μM/L、Hela S3(子宮癌) が2回の平均で16.4μM/L、MCF7(乳癌) が2回の平均で5.5μM/L、K−562(白血病) が2回の平均で9.7μM/Lであり、5−FUと同様以上の増殖抑制作用を示していることが確認できた。
すなわち、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)は、50%増殖阻害濃度(IC50)比較で、乳癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約4.5倍以上の増殖抑制作用、結腸癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約1.8倍以上の増殖抑制作用、子宮癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約2.1倍以上の増殖抑制作用を示していることが確認できる。
このことから、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)が、抗がん剤として有用であることが理解できるであろう。
上記の表1に示されるように、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl
caffeate)は、MCF7(乳癌)に対する作用がもっとも強く、K−562(白血病)>HT−29(結腸癌)>Hela S3(子宮癌)の順に増殖阻害作用が弱くなっているが、各細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)に大きな差は認められなかった。
一方、カフェ酸では、K−562(白血病)に対する作用がもっとも強く、Hela S3(子宮癌)>HT−29(結腸癌)>MCF7(乳癌)の順であり、K−562(白血病)とMCF7(乳癌)では50%増殖阻害濃度(IC50)に8.8倍の差が認められた。
実施例2では、カフェ酸誘導体として、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)の癌細胞又は異常細胞に対する増殖抑制機能について説明する。3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)は、イオン液体中でのエステル交換反応による酵素合成法で製造した。
より詳しくは、酵素合成は、カフェ酸メチルエステル(Methyl caffeate)50mM・20mgおよび3−シクロヘキサンエタノール(3−Cyclohexaneethanol)400mM・100μLを、疎水性のイオン液体[BMIM][NTf]中に添加し、固定化リパーゼ酵素(Novozyme435)と共に55℃でインキュベートし、エステル交換反応を施して3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)を酵素合成した。
3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)の化学反応式を下記に示す。
酵素合成により製造された3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl
caffeate)のヒト腫瘍細胞4株に対するin vitro細胞増殖抑制試験を実施した。
試験材料および方法については、上述の実施例1と同様であるので、説明は省略する。
3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)の各種ヒト腫瘍細胞に対する増殖抑制試験を各細胞につき2回実施した。
試験した3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)および対照薬の各種ヒト腫瘍細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)を下記の表2に、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)およびカフェ酸の増殖に与える影響を図2に示す。
3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)は、今回用いた4種類のヒト腫瘍細胞株(HT−29(結腸癌)、MCF7(乳癌)、Hela S3(子宮癌)及びK−562(白血病))に対して、2回の実験でいずれも50%増殖阻害濃度(IC50)が30μM以下の細胞増殖抑制作用を示していることが確認できた。
特に、MCF7(乳癌)及びK−562(白血病)に対しては、50%増殖阻害濃度(IC50)が10μM以下の強い増殖抑制作用を示した。一方、対照薬のカフェ酸は、K−562(白血病)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が100μM以下であったが、他の3株の細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)はいずれも100μM以上であり、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)は、カフェ酸に比べ各細胞に対する2回の実験の50%増殖阻害濃度(IC50)が5.5倍から92倍強い増殖抑制作用を示した。
また、抗癌作用の対照薬として使用した5-FUは、上記表2に示されるように、HT−29(結腸癌)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が2回の平均で33.2μM/L、Hela S3(子宮癌) が2回の平均で47.5μM/L、MCF7(乳癌) が2回の平均で41.8μM/L、K−562(白血病) が2回の平均で8.6μM/Lであった。
ここで、5−FUは、1957年にNature誌で抗腫瘍効果が報告された以後、50年以上の長期にわたり、大腸がん化学療法として活用され続けた薬剤である。
3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)は、上記表2に示されるように、HT−29(結腸癌)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が2回の平均で14.7μM/L、Hela S3(子宮癌) が2回の平均で22.9μM/L、MCF7(乳癌) が2回の平均で5.8μM/L、K−562(白血病) が2回の平均で9.3μM/Lであり、5−FUと同様あるいは同等以上の増殖抑制作用を示していることが確認できた。
すなわち、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)は、50%増殖阻害濃度(IC50)比較で、乳癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約7.2倍以上の増殖抑制作用、結腸癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約2.2倍以上の増殖抑制作用、子宮癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約2.0倍以上の増殖抑制作用を示していることが確認できる。
ここで、上述したように、5−FUは、1957年にNature誌で抗腫瘍効果が報告された以後、50年以上の長期にわたり、大腸がん化学療法として活用され続けた薬剤である。このことからも、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl
caffeate)が、抗がん剤として有用であることが理解できるであろう。
上記の表2に示されるように、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl
caffeate)は、MCF7(乳癌)に対する作用がもっとも強く、K−562(白血病)>HT−29(結腸癌)>Hela S3(子宮癌)の順に増殖阻害作用が弱くなっているが、各細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)に大きな差は認められなかった。
一方、カフェ酸では、K−562(白血病)に対する作用がもっとも強く、Hela S3(子宮癌)=HT−29(結腸癌)>MCF7(乳癌)の順であり、K−562(白血病)とMCF7(乳癌)では50%増殖阻害濃度(IC50)に10.4倍の差が認められた。
(他の実施例)
上述した実施例は、以下に説明するように変更して具現化することもできる。
(1)上述の実施例のカフェ酸誘導体は、上述のような人為的に有機化学合成されたもの以外の植物(コーヒー豆、ヨモギ、カンショの葉など)又は動物から抽出することも可能である。
(2)飲食品や医薬品に用いる場合には、上述の実施例のカフェ酸誘導体に加え、ビタミン類やフラボノイド類を添加材として利用できる。
(3)上述の実施例のカフェ酸誘導体は、正常な血球系細胞に作用すると免疫賦活作用を発揮するため、免疫賦活剤として利用できる。
(4)上述の実施例のカフェ酸誘導体を利用して、それを含有する化粧品や医薬部外品を製造できる。
(5)上述の実施例のカフェ酸誘導体に、他の増殖抑制作用を有する2−カフェ酸フェネチルエステル(2−CAPE)、3−カフェ酸フェネチルエステル(3−CAPE)、又は4−カフェ酸フェネチルエステル(4−CAPE)を含めることでも構わない。
本発明は、抗がん剤など癌細胞又は異常細胞の増殖抑制作用を有する医薬品、癌細胞又は異常細胞の増殖抑制作用を有する飲食品として有用である。

Claims (3)

  1. 2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)、又は、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)から選択される少なくとも1種のカフェ酸誘導体を有効成分として含有し、乳癌細胞に対して、50%増殖阻害濃度(IC 50 )比較で、5−フルオロウラシル(5−FU)の4倍以上の増殖抑制作用を有する乳癌用抗がん剤。
  2. 前記カフェ酸誘導体が、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl
    caffeate)であり、乳癌細胞に対して、50%増殖阻害濃度(IC50)比較で、5−フルオロウラシル(5−FU)の7倍以上の増殖抑制作用を有する請求項1に記載の乳癌用抗がん剤。
  3. 前記カフェ酸誘導体が、イオン液体中でのエステル交換反応による酵素合成法で製造されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の乳癌用抗がん剤。
JP2009025595A 2009-02-06 2009-02-06 抗がん剤 Expired - Fee Related JP5439671B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009025595A JP5439671B2 (ja) 2009-02-06 2009-02-06 抗がん剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009025595A JP5439671B2 (ja) 2009-02-06 2009-02-06 抗がん剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010180167A JP2010180167A (ja) 2010-08-19
JP5439671B2 true JP5439671B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=42761984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009025595A Expired - Fee Related JP5439671B2 (ja) 2009-02-06 2009-02-06 抗がん剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5439671B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012062292A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Uha Mikakuto Co Ltd 4−ビニルカテコール重合化合物又は薬学的に許容可能な塩の製造方法
US20200268700A1 (en) * 2017-10-20 2020-08-27 University Of New Brunswick Compositions and methods for inhibiting blood cancer cell growth

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003119169A (ja) * 2001-07-30 2003-04-23 Shigetoshi Kadota 細胞毒性活性を有する化合物およびそれを有効成分とする医薬組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010180167A (ja) 2010-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8686053B2 (en) Alginic acid with low molecular weight, its salts, uses, preparative methods, pharmaceutical compositions and foods
JP5207611B2 (ja) 糖化阻害剤
JP5128826B2 (ja) 新規なメチル化カテキン及びそれを含む組成
JP2011513308A (ja) キサントフモール−シクロデキストリン複合体を含有する新規な組成物
KR101561552B1 (ko) 리그난 화합물을 유효 성분으로 포함하는 암의 예방 또는 치료용 조성물
US20160279156A1 (en) Composition for preventing or treating colon cancer, containing 3,6-anhydrol-galactose
JP5439671B2 (ja) 抗がん剤
WO2018212362A1 (ja) 糖質の分解・吸収抑制剤
JP2009084266A (ja) エピガロカテキンガレートのアシル誘導体を利用した抗癌剤
WO2020250980A1 (ja) 経口剤、癌抑制補助剤及びペット療法食
JP2000217546A (ja) マンノース含有ヘテロオリゴ糖からなる甘味剤、病原菌感染抑制剤、整腸剤又は澱粉の老化抑制剤及び該剤からなる飲食品、医薬品又は飼料。
KR20170098170A (ko) 신규한 인돌 유도체 및 이를 포함하는 항암 조성물
WO2013172436A1 (ja) クロシンの新規糖付加化合物、その製造方法、及びその用途
JP2010195831A (ja) IκBキナーゼ阻害剤
JP4397991B2 (ja) 抗発癌プロモーター剤
JPWO2005027937A1 (ja) 糖脂質含有組成物、その用途およびその製造方法
KR20160040995A (ko) 세룰레닌 또는 세룰레닌 유도체를 유효성분으로 함유하는 염증 질환 예방 또는 치료용 약학 조성물
JP5392451B2 (ja) 抗腫瘍剤及び免疫賦活剤
JP7272882B2 (ja) フロレチン-4-α-グルコシドの結晶
JP7018531B1 (ja) Axl阻害剤
JP6188422B2 (ja) 抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、抗アレルギー剤
KR101537579B1 (ko) 곰팡이 아스퍼질러스 테레우스 추출물 또는 이의 분획물을 유효성분으로 함유하는 신경보호용 조성물
KR101059308B1 (ko) 불가사리 추출 분획물을 유효성분으로 함유하는 염증 또는알러지 질환의 예방 및 치료용 조성물
KR20170062017A (ko) 큰실말 추출물을 포함하는 암 치료 또는 예방용 조성물
JP2018104339A (ja) 美容組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120314

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees