JP2010180167A - 抗がん剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】癌細胞又は異常細胞に対する増殖抑制効果を発揮することができる抗がん剤、及び抗がん剤の容易な製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る抗がん剤は、カフェ酸誘導体を有効成分として、癌細胞又は異常細胞の増殖を抑制する作用を有することを特徴とする。
ここで、異常細胞とは、ポリープや良性腫瘍等の前癌状態にある細胞が主に挙げられる。
また、このようなカフェ酸誘導体として、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)若しくは3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)が好適に使用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、癌細胞や異常細胞に対する増殖抑制作用を有する抗がん剤及びその製造方法に関する。
カフェ酸誘導体は、抗酸化剤として有用であるほか、強力なインシュリン分泌誘導能や糖質分解酵素阻害能があることから、糖尿病治療薬などの医薬品成分や糖尿病予防などの食品成分として有用であることが知られている。一方、従来から、カフェ酸誘導体を得る方法として、天然物からの抽出方法が知られているが、カフェ酸誘導体の天然物中の存在量が微量であることから工業的な生産は困難である。
また、化学的合成方法も知られているが、収率が悪く、環境に対しての問題もある。発明者らは、既に、イオン液体中でのエステル交換反応により、カフェ酸誘導体の酵素合成を簡便に効率よく行う方法を開発している。係る方法を用いることで、カフェ酸誘導体の工業量産が可能となっている。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、カフェ酸誘導体に、癌細胞に対する増殖抑制作用を見出したことによりなされたものである。本発明は、癌細胞又は異常細胞に対する増殖抑制効果を有する抗がん剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る抗がん剤は、カフェ酸誘導体を有効成分として、癌細胞又は異常細胞の増殖を抑制する作用を有することを特徴とする。
係るカフェ酸誘導体は、乳癌細胞、結腸癌および子宮癌に対して細胞増殖抑制作用があり、癌の縮小を介して癌の治療に有用である。
ここで、異常細胞とは、ポリープや良性腫瘍等の前癌状態にある細胞が主に挙げられる。
また、このようなカフェ酸誘導体として、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)が好適に使用できる。
係る2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)又は3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)のカフェ酸誘導体は、乳癌細胞、結腸癌および子宮癌に対して、優れた細胞増殖抑制作用があり、特に乳癌の縮小を介して癌の治療に有用である。
本発明によれば、癌細胞又は異常細胞に対する増殖抑制効果を発揮することができる抗がん剤、及び抗がん剤の容易な製造方法が提供される。
2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)およびカフェ酸の各種細胞の増殖に対する影響を示すデータ図 3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)およびカフェ酸の各種細胞の増殖に対する影響を示すデータ図
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではない。
先ず、カフェ酸誘導体として、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)の癌細胞又は異常細胞に対する増殖抑制機能について説明する。2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)は、イオン液体中でのエステル交換反応による酵素合成法で製造した。
より詳しくは、酵素合成は、カフェ酸ビニルエステル(Vinyl caffeate)44mM・20mgおよび2−シクロヘキサンエタノール(2−Cyclohexaneethanol)326mM・100μLを、疎水性のイオン液体[BMIM][NTf] 2.2mL中に添加し、固定化リパーゼ酵素(Novozyme435)21mgと共に55℃でインキュベートし、エステル交換反応を施して2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)を酵素合成した。
2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)の化学反応式を下記に示す。
酵素合成により製造された2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl
caffeate)のヒト腫瘍細胞4株に対するin vitro細胞増殖抑制試験を実施した。
(試験材料および方法)
ヒト腫瘍細胞としては、4株(HT−29(結腸癌)、MCF7(乳癌)、Hela S3(子宮癌)、K−562(白血病))を使用した。
そして、被験物質としては、製造された2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl
caffeate)、カフェ酸(ナカライテスク製)、および、5−フルオロウラシル(5−FU;SIGMA製)を使用した。
カフェ酸を除く、3つの化合物はdimethyl sulfoxide(DMSO;関東化学製)で、2×10−2 mol/Lに、カフェ酸は同様に2×10−1
mol/Lに溶解し保存液とした。DMSOの最終濃度は0.05%以下とした。
次に、各細胞の培養に用いた培養液を以下に説明する。
(1)HT−29・・・McCoys’s 5A培地にペニシリン-ストレプトマイシン(終濃度100units/mL ペニシリン,100μg/mLストレプトマイシン)および牛胎仔血清(終濃度10%;JRH Biosciences)を添加した。
(2)Hela S3・・・MEM培地にペニシリン-ストレプトマイシンおよび牛胎仔血清を添加した。
(3)MCF7・・・MEM培地に非必須アミノ酸液、ピルビン酸ナトリウム(終濃度1mM)、ペニシリン-ストレプトマイシンおよび牛胎仔血清を添加した。
(4)K−562・・・RPMI1640培地にHEPESバッファー(終濃度10mM)、ペニシリン-ストレプトマイシンおよび牛胎仔血清を添加した。
細胞増殖抑制試験は、Carmichaelらの MTT assay法に準じて実施した。すなわち、白血病細胞(K−562;浮遊培養)は培養中の細胞を遠心後、上清を取り除き、新たな培養液を加えて1×10
個/mLの細胞懸濁液とした。この細胞懸濁液を96穴マイクロプレートに135 μL/wellずつ播種後、化合物をwellあたり15 μL添加して、37℃、5%COの環境下にて72時間培養した。
白血病細胞を除く細胞(いずれも単層培養)は、培養中の細胞を0.05% トリプシン、0.35mM EDTA・4Na液で剥離し、1000rpm、3分間遠心後、上清を取り除き、新たな培養液を加えて、HT−29及びHela
S3は1×10 個/mLに、MCF7は3×10 個/mLに細胞数を調製した。この細胞懸濁液を96穴マイクロプレートの各wellに135μLずつ播種し、37℃、5%COの環境下にて培養した。
播種24時間後、各濃度の被験液15μLを各wellに添加して、さらに72時間培養した。なお、実験はtriplicateで実施した。
次に、細胞増殖抑制作用の測定方法について以下に説明する。
各細胞は72時間培養後、各wellにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で5mg/mLに溶解したMTT液(3−4,5−dimethylthiazol−2yl−2,5−diphenyl
tetrazolium bromide;ナカライテスク製) 15μLを添加して、37℃、5%COの環境下にて4時間培養した。
MTT−formazan形成後、浮遊培養した細胞は、3000rpm、10分間遠心し上清を吸引した。他方、単層培養した細胞は培養液を吸引した。
次に、各wellにDMSOを200μLずつ添加して5分間振盪後、マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス社製)を用いて、測定波長540nm、補正波長620nmでの吸光度を測定した。細胞培養液中のバックグラウンドを排除するため、測定波長から補正波長を引いた値を吸光度とし、細胞増殖率を算出した。
実験開始時に比べて生細胞数が増加した場合の細胞増殖率は、下記の数式1を用いて算出した。
一方、実験開始時に比べて細胞数が減少した場合の細胞増殖率は、下記の数式2を用いて算出した。
また、各被験物質の50% 細胞増殖抑制濃度(IC50)は、72時間後の各群における増殖率から最小二乗法を用いて算出した。
2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)の各種ヒト腫瘍細胞に対する上述の増殖抑制試験を各細胞につき2回実施した。
試験した2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)および対照薬の各種ヒト腫瘍細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)を下記の表1に、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)およびカフェ酸の増殖に与える影響を図1に示す。
2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)は、今回用いた4種類のヒト腫瘍細胞株(HT−29(結腸癌)、MCF7(乳癌)、Hela S3(子宮癌)およびK−562(白血病))に対して、2回の実験でいずれも50%増殖阻害濃度(IC50)が20μM以下の細胞増殖抑制作用を示していることが確認できた。
特に、MCF7(乳癌)及びK−562(白血病)に対しては、50%増殖阻害濃度(IC50)が10μM以下の強い増殖抑制作用を示した。一方、対照薬のカフェ酸は、K−562(白血病)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が100μM以下であったが、他の3株の細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)はいずれも100μM以上であり、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)は、カフェ酸に比べ各細胞に対する2回の実験の50%増殖阻害濃度(IC50)が5.8倍から89.2倍強い増殖抑制作用を示した。
また、抗癌作用の対照薬として使用した5-FUは、上記表1に示されるように、HT−29(結腸癌)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が2回の平均で21.0μM/L、Hela S3(子宮癌) が2回の平均で35.9μM/L、MCF7(乳癌) が2回の平均で24.9μM/L、K−562(白血病) が2回の平均で9.8μM/Lであった。
ここで、5−FUは、1957年にNature誌で抗腫瘍効果が報告された以後、50年以上の長期にわたり、大腸がん化学療法として活用され続けた薬剤である。
2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)は、上記表1に示されるように、HT−29(結腸癌)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が2回の平均で11.1μM/L、Hela S3(子宮癌) が2回の平均で16.4μM/L、MCF7(乳癌) が2回の平均で5.5μM/L、K−562(白血病) が2回の平均で9.7μM/Lであり、5−FUと同様以上の増殖抑制作用を示していることが確認できた。
すなわち、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)は、50%増殖阻害濃度(IC50)比較で、乳癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約4.5倍以上の増殖抑制作用、結腸癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約1.8倍以上の増殖抑制作用、子宮癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約2.1倍以上の増殖抑制作用を示していることが確認できる。
このことから、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)が、抗がん剤として有用であることが理解できるであろう。
上記の表1に示されるように、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl
caffeate)は、MCF7(乳癌)に対する作用がもっとも強く、K−562(白血病)>HT−29(結腸癌)>Hela S3(子宮癌)の順に増殖阻害作用が弱くなっているが、各細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)に大きな差は認められなかった。
一方、カフェ酸では、K−562(白血病)に対する作用がもっとも強く、Hela S3(子宮癌)>HT−29(結腸癌)>MCF7(乳癌)の順であり、K−562(白血病)とMCF7(乳癌)では50%増殖阻害濃度(IC50)に8.8倍の差が認められた。
実施例2では、カフェ酸誘導体として、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)の癌細胞又は異常細胞に対する増殖抑制機能について説明する。3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)は、イオン液体中でのエステル交換反応による酵素合成法で製造した。
より詳しくは、酵素合成は、カフェ酸メチルエステル(Methyl caffeate)50mM・20mgおよび3−シクロヘキサンエタノール(3−Cyclohexaneethanol)400mM・100μLを、疎水性のイオン液体[BMIM][NTf]中に添加し、固定化リパーゼ酵素(Novozyme435)と共に55℃でインキュベートし、エステル交換反応を施して3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)を酵素合成した。
3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)の化学反応式を下記に示す。
酵素合成により製造された3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl
caffeate)のヒト腫瘍細胞4株に対するin vitro細胞増殖抑制試験を実施した。
試験材料および方法については、上述の実施例1と同様であるので、説明は省略する。
3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)の各種ヒト腫瘍細胞に対する増殖抑制試験を各細胞につき2回実施した。
試験した3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)および対照薬の各種ヒト腫瘍細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)を下記の表2に、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)およびカフェ酸の増殖に与える影響を図2に示す。
3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)は、今回用いた4種類のヒト腫瘍細胞株(HT−29(結腸癌)、MCF7(乳癌)、Hela S3(子宮癌)及びK−562(白血病))に対して、2回の実験でいずれも50%増殖阻害濃度(IC50)が30μM以下の細胞増殖抑制作用を示していることが確認できた。
特に、MCF7(乳癌)及びK−562(白血病)に対しては、50%増殖阻害濃度(IC50)が10μM以下の強い増殖抑制作用を示した。一方、対照薬のカフェ酸は、K−562(白血病)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が100μM以下であったが、他の3株の細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)はいずれも100μM以上であり、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)は、カフェ酸に比べ各細胞に対する2回の実験の50%増殖阻害濃度(IC50)が5.5倍から92倍強い増殖抑制作用を示した。
また、抗癌作用の対照薬として使用した5-FUは、上記表2に示されるように、HT−29(結腸癌)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が2回の平均で33.2μM/L、Hela S3(子宮癌) が2回の平均で47.5μM/L、MCF7(乳癌) が2回の平均で41.8μM/L、K−562(白血病) が2回の平均で8.6μM/Lであった。
ここで、5−FUは、1957年にNature誌で抗腫瘍効果が報告された以後、50年以上の長期にわたり、大腸がん化学療法として活用され続けた薬剤である。
3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)は、上記表2に示されるように、HT−29(結腸癌)に対する50%増殖阻害濃度(IC50)が2回の平均で14.7μM/L、Hela S3(子宮癌) が2回の平均で22.9μM/L、MCF7(乳癌) が2回の平均で5.8μM/L、K−562(白血病) が2回の平均で9.3μM/Lであり、5−FUと同様あるいは同等以上の増殖抑制作用を示していることが確認できた。
すなわち、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)は、50%増殖阻害濃度(IC50)比較で、乳癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約7.2倍以上の増殖抑制作用、結腸癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約2.2倍以上の増殖抑制作用、子宮癌細胞に対して、5−フルオロウラシル(5−FU)の約2.0倍以上の増殖抑制作用を示していることが確認できる。
ここで、上述したように、5−FUは、1957年にNature誌で抗腫瘍効果が報告された以後、50年以上の長期にわたり、大腸がん化学療法として活用され続けた薬剤である。このことからも、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl
caffeate)が、抗がん剤として有用であることが理解できるであろう。
上記の表2に示されるように、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl
caffeate)は、MCF7(乳癌)に対する作用がもっとも強く、K−562(白血病)>HT−29(結腸癌)>Hela S3(子宮癌)の順に増殖阻害作用が弱くなっているが、各細胞に対する50%増殖阻害濃度(IC50)に大きな差は認められなかった。
一方、カフェ酸では、K−562(白血病)に対する作用がもっとも強く、Hela S3(子宮癌)=HT−29(結腸癌)>MCF7(乳癌)の順であり、K−562(白血病)とMCF7(乳癌)では50%増殖阻害濃度(IC50)に10.4倍の差が認められた。
(他の実施例)
上述した実施例は、以下に説明するように変更して具現化することもできる。
(1)上述の実施例のカフェ酸誘導体は、上述のような人為的に有機化学合成されたもの以外の植物(コーヒー豆、ヨモギ、カンショの葉など)又は動物から抽出することも可能である。
(2)飲食品や医薬品に用いる場合には、上述の実施例のカフェ酸誘導体に加え、ビタミン類やフラボノイド類を添加材として利用できる。
(3)上述の実施例のカフェ酸誘導体は、正常な血球系細胞に作用すると免疫賦活作用を発揮するため、免疫賦活剤として利用できる。
(4)上述の実施例のカフェ酸誘導体を利用して、それを含有する化粧品や医薬部外品を製造できる。
(5)上述の実施例のカフェ酸誘導体に、他の増殖抑制作用を有する2−カフェ酸フェネチルエステル(2−CAPE)、3−カフェ酸フェネチルエステル(3−CAPE)、又は4−カフェ酸フェネチルエステル(4−CAPE)を含めることでも構わない。
本発明は、抗がん剤など癌細胞又は異常細胞の増殖抑制作用を有する医薬品、癌細胞又は異常細胞の増殖抑制作用を有する飲食品として有用である。

Claims (6)

  1. カフェ酸誘導体を有効成分として含有し、腫瘍細胞もしくは異常細胞の増殖抑制作用を有する抗がん剤。
  2. 前記有効成分は、2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)、又は、3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の抗がん剤。
  3. 2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)を有効成分として含有し、乳癌細胞、結腸癌および子宮癌に対して、50%増殖阻害濃度(IC50)比較で、5−フルオロウラシル(5−FU)の1.8倍以上の増殖抑制作用を有する抗がん剤。
  4. 2−カフェ酸シクロヘキサエステル(2−Cyclohexyl caffeate)を有効成分として含有し、乳癌細胞に対して、50%増殖阻害濃度(IC50)比較で、5−フルオロウラシル(5−FU)の4倍以上の増殖抑制作用を有する抗がん剤。
  5. 3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)を有効成分として含有し、乳癌細胞、結腸癌および子宮癌に対して、50%増殖阻害濃度(IC50)比較で、5−フルオロウラシル(5−FU)の2倍以上の増殖抑制作用を有する抗がん剤。
  6. 3−カフェ酸シクロヘキサエステル(3−Cyclohexyl caffeate)を有効成分として含有し、乳癌細胞に対して、50%増殖阻害濃度(IC50)比較で、5−フルオロウラシル(5−FU)の7倍以上の増殖抑制作用を有する抗がん剤。
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