以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施の形態におけるスピーカー内蔵アンプ1の電池収納構造について説明する。図1(a)は、本発明の第1実施の形態におけるスピーカー内蔵アンプ1の正面斜視図であり、図1(b)は、スピーカー内蔵アンプ1の背面斜視図である。図2は、スピーカー内蔵アンプ1における電池収納構造の分解斜視図である。なお、図2では、後述する格納端子板26a,26b及びケース端子板36の図示を省略している。
図1(a)及び図1(b)に示すように、スピーカー内蔵アンプ1は、楽器やマイク等の音源から入力された信号をアンプ(図示せず)により増幅し、増幅された信号をスピーカー(図示せず)により楽音として出力する音響機器であり、電池駆動可能に構成されている。
図2に示すように、スピーカー内蔵アンプ1(図1(b)参照)は、アンプ及びスピーカーが内部に配設される箱状の筐体10(図1(b)参照)と、その筐体10に取着されると共に一面が開口する箱状のケース格納部20と、そのケース格納部20と同方向に開口側を向けつつケース格納部20に格納されると共に一面が開口する箱状の電池ケース30と、その電池ケース30の一面を閉塞する蓋部40と、電池ケース30をケース格納部20に着脱自在に締付固定する第1螺子部材51と、蓋部40を電池ケース30に着脱自在に締付固定する第2螺子部材52とを備えている。なお、電池ケース30の寸法は、電池ケース30がケース格納部20に格納された状態において、ケース格納部20の内側面と電池ケース30の外側面との間に、所定間隔の隙間S1(図9参照)が形成されているように設定されている。
第1螺子部材51及び第2螺子部材52は、外周面におねじが螺刻された棒状のおねじ部51a,52aと、そのおねじ部51a,52aの一端側に配設される頭部51b,52bとをそれぞれ備えている。頭部51b,52bは、所定の厚みを有している。使用者は、頭部51b,52bの外側面を指で挟持しつつ、電池ケース30の一面側から第1螺子部材51又は第2螺子部材52の取付け又は取外しを行うことができる。よって、第1螺子51及び第2螺子52の仮締め及び取外しを効率的に行うことができる。なお、使用者は、頭部51b,52bに、ドライバー等の工具により、第1螺子部材51又は第2螺子部材52の本締め又は取外しを行う。これにより、第1螺子部材51又は第2螺子部材52をより強固に締付固定することができる。但し、使用者の指により第1螺子部材51及び第2螺子部材52の本締め又は取外しを行ってもよい。
次に、図3及び図4を参照して、ケース格納部20の詳細構成について説明する。図3(a)は、ケース格納部20の上面図であり、図3(b)は、ケース格納部20の底面図である。図4は、図3(a)のIV−IV線におけるケース格納部20の断面図である。
図3(a)に示すように、ケース格納部20は、電池ケース30を格納するための部材であり、上述のように、一面(図3(a)手前側)が開口する箱状に形成され、ケース格納部20の底を形成する矩形状の格納底板21と、その格納底板21の縁端に立設される4つの格納側壁22とにより構成されている。また、ケース格納部20には、ケース格納部20の開口を形成する格納側壁22の端部から、格納側壁22の外側面側へ延設される延設部23が形成されている。また、延設部23には、ケース格納部20を筐体10(図1(b)参照)にねじ止めするためのねじ孔23aが複数箇所に穿設されている。
4つの格納側壁22のうち、格納底板21の幅方向(図3(a)上下方向)両側の縁端に立設される2つの第1格納側壁22aは、第1格納側壁22aの内側面に凹設される第1凹部22a1と、第1格納側壁22aの内側面に凹設されると共に第1格納側壁22aの内側面からの凹設深さが第1凹部22a1の内側面からの凹設深さよりも小さい複数の溝部22a2とを備えている。また、4つの格納側壁22のうち、格納底板21の長手方向(図3(a)左右方向)両側の縁端に立設される2つの第2格納側壁22bの一方(図3(a)左側)は、その一方の第2格納側壁22bの内側面に凹設される第2凹部22b1を備えている。また、第1凹部22a1、溝部22a2及び第2凹部22b1は、格納底板21と格納側壁22との連設部分からケース格納部20の一面側まで延設されている(図4参照)。
図3(a)及び図3(b)に示すように、格納底板21は、格納底板21の長手方向両側に配設される凸設部24と、格納底板21の長手方向一側(図3(a)右側)に穿設されると共に格納底板21の幅方向(図3(a)上下方向)に並設される2つの格納端子孔25a,25bと、格納端子孔25a,25bに貫設される格納端子板26a,26bと、格納端子孔25a,25bを閉塞すると共にケース格納部20と筐体10(図1(b)参照)の内部との間で空気が流通することを制限するスポンジ状の閉塞部材27とを備えている。
図4に示すように、凸設部24は、格納底板21の内底面から、ケース格納部20の一面側(図4上側)へ凸設される中空円錐台形状の部位であり、第1螺子部材51(図2参照)が螺合されるめねじが螺刻された第1ナット部材28が内嵌されている。また、凸設部24を中空に形成することにより、ケース格納部20の板厚の変化を回避することができるので、ケース格納部20を成形する際の成形不良を防止できる。
また、凸設部24は、凸設部24の凸設先端の先端面周縁部分から凸設部24の凸設方向(図4上側)へ突出すると共に凸設部24の凸設先端の先端面側(図3(a)手前側)から視て円環状に形成される突出部24aと、凸設部24の外側面から突出すると共に凸設部24の凸設方向に沿って延設される突条状のリブ24bとを備えている。なお、突出部24aの先端面の面積は、凸設部24の凸設先端の先端面の面積よりも小さく形成されている。また、本実施の形態では、凸設部24には、リブ24bが4つ形成されている。
格納端子板26a,26bは、スピーカー内蔵アンプ1(図1(b)参照)内部の電気回路と電池ケース30(図2参照)に収納された電池2(図11参照)とを電気的に接続するための部材である。格納端子板26a,26bは、格納端子板26a,26bの一側(図4右側)を構成すると共に正面視において略V字状に屈曲した屈曲板26a1,26b1と、格納端子板26a,26bの他側(図4左側)を構成する平面状の平面板26a2,26b2とを備えている。格納端子板26a,26bは、屈曲板26a1,26b1が、格納端子孔25a,25bに貫設されつつ屈曲突端が格納底板21の内底面から突出すると共に、平面板26a2,26b2が、格納底板21の外底面にねじ止めされている。
次に、図5及び図6を参照して、電池ケース30の詳細構成について説明する。図5(a)は、ケース格納部30の上面図であり、図5(b)は、ケース格納部30の側面図である。図6は、図5(a)のVI−VI線におけるケース格納部30の断面図である。
図5(a)に示すように、電池ケース30は、電池2(図11参照)を収納するための部材である。電池ケース30は、上述のように、一面(図5(a)手前側)が開口する箱状に形成され、電池ケース30の底を形成する矩形状のケース底板31と、そのケース底板31の幅方向(図5(a)上下方向)両側の縁端に立設される2つのケース側壁32と、ケース底板31の長手方向一側(図5(a)右側)の縁端に連設される第1固定部33と、ケース底板31の長手方向他側(図5(a)左側)の縁端に連設される第2固定部34とにより構成されている。また、ケース底板31と第1固定部33との連設部分には、後述する係合爪部41(図8(a)参照)が係合される蓋係止部30aが形成されている。
図5(a)及び図5(b)に示すように、電池ケース30は、ケース底板31及びケース底板31の長手方向(図5(a)左右方向)に沿ってケース底板31に立設される3本の仕切り板31a及びケース底板31の幅方向(図5(a)上下方向)の略中央部分でケース底板31に立設される仕切り壁31bにより電池2が収納可能に形成される8つの電池室35と、電池室35に電池2が収納された状態において電池2の正端子または負端子と接触するケース端子板36と、ケース底板31及びケース側壁32に穿設されるケース放熱孔37とを備えている。なお、ケース放熱孔37は、電池2の形状を模して形成され、電池2を電池室35に格納する際における電池2の向きを示している。
ケース底板31のうち、電池ケース30の長手方向一側(図5(a)右側)、かつ、電池ケース30の幅方向一端側および他端側(図5(a)上端側および下端側)に形成される電池室35である接続電池室35a,35bを構成する部分には、平面視略矩形状のケース端子孔38a,38bが穿設されている。
第1固定部33は、ケース側壁32よりも蓋部40(図2参照)の板厚の分だけ高さ方向(図5(b)上方向)に突出して形成されている。第2固定部34は、電池ケース30の幅方向(図5(a)上下方向)両側に内嵌されると共に第2螺子部材52(図2参照)に螺合されるめねじが螺刻された第2ナット部材34aと,電池ケース30の長手方向一方側(図5(b)左側)から突出すると共にケース側壁32よりも蓋部40の板厚の分だけ高さ方向に突出したケース突起部34bとを備えている。即ち、第1固定部33及びケース突起部34bは、同等の高さに構成されている。
図6に示すように、第1固定部33及びケース突起部34bは、第1固定部33及びケース突起部34bの外底面に、電池ケース30の一面側(図6上側)へ凹設された凹設部39をそれぞれ備えている。また、凹設部39は、各凹設部39の凹設基部から第1固定部33の一側(図6上側)又はケース突起部34bの一側(図6上側)にかけて穿設されると共に第1螺子部材51のおねじ部51a(図2参照)が挿入可能なケース挿入孔39aを備えている。
凹設部39の寸法は、凹設部39に凸設部24(図4参照)が緩挿された状態において、凸設部24の外側面に形成されるリブ24b(図4参照)と凹設部39の内側面との間に、所定間隔の隙間S3(図10参照)が形成される大きさに設定されている。また、凹設部39は、第1固定部33の外底面又はケース突起部34bの外底面からの凹設深さが、格納底板21(図4参照)の内底面からの、凸設部24の凸設高さよりも小さく形成されている。さらに、第1固定部33の外底面又はケース突起部34bの外底面からの、凹設部39の凹設深さと、格納底板21の内底面からの、凸設部24の凸設高さとの差は、格納底板21の内底面からの、屈曲板26a1,26b1(図4参照)の突出高さよりも小さく形成されている。
ケース端子板36は、電池2とスピーカー内蔵アンプ1(図1(b)参照)とをケース格納部20(図2参照)を介して電気的に接続するための部材であり、電池室35の長手方向(図6(a)左右方向)両端側に配設されている。また、ケース端子板36のうち、接続電池室35a,35bの一端側(図6右端側)に配設される接続ケース端子板36a,36bは、ケース端子孔38a,38bを閉塞しつつ、ケース底板31の外底面に固定されている。
なお、ケース端子孔38a,38bは、電池ケース30がケース格納部20に格納された状態において、格納端子孔25a,25b(図3(a)参照)と対向する位置に形成されている。また、電池ケース30には、全ての電池室35に電池2が収容されることにより、全ての電池2と全てのケース端子板36とが電気的に接続されるようにケース端子板36が配設されている。
次に、図7及び図8を参照して、蓋部40の詳細構成について説明する。図7は、蓋部40の分解斜視図である。図8(a)は、蓋部40の裏面図であり、図8(b)は、図7のVIIIb−VIIIb線における蓋部40の断面図である。
図7に示すように、蓋部40は、電池ケース30(図2参照)に格納された電池2(図11参照)が、電池ケース30から脱落することを防止する板状の部材である。蓋部40は、ABS樹脂等の樹脂材料から構成される本体部40aと、エラストマー等の弾性材料から構成される弾性部40bとにより構成され、本体部40aに弾性部40bが接合されることにより一体に構成されている。
図8(a)及び図8(b)に示すように、蓋部40は、本体部40aの長手方向一側(図8(a)右側)の端部から外方(図8(a)右方向)へ突出する係合爪部41と、本体部40a及び弾性部40bの長手方向他側(図8(b)左側)に穿設されると共に第2螺子部材52のおねじ部52a(図2参照)が挿入可能な蓋挿入孔42と、弾性部40bに形成されると共に弾性部40bが接合される側(図8(a)上側)から突出する蓋突起部43と、本体部40a及び弾性部40bに穿設される蓋放熱孔44とを備えている。
弾性部40bの厚さ方向(図8(b)上下方向)の寸法は、弾性部40bが接合される側を電池ケース30(図6参照)に対向させつつ蓋部40により電池ケース30の一面側(図6上側)が閉塞された状態において、弾性部40bと電池2とが互いに当接される厚みに設定されている。さらに、弾性部40bと本体部40aとが接合される面の反対側(図8(b)上側)の底面からの、蓋突起部43の突出高さは、弾性部40bが接合される側を電池ケース30に対向させつつ電池ケース30の一面側(図6上側)を蓋部40で閉塞した状態において、蓋突起部43とケース端子板36(図6参照)とが互いに当接される高さに位置している。
次に、図9から図11を参照して、スピーカー内蔵アンプ1(図1(b)参照)の電池収納構造の使用状態について説明する。図9は、スピーカー内蔵アンプ1の電池収納構造の上面図である。図10は、図9のX−X線におけるスピーカー内蔵アンプ1の電池収納構造の断面図である。図11は、図9のXI−XI線におけるスピーカー内蔵アンプ1の電池収納構造の断面図である。なお、図9から図11では、筐体10の図示を省略している。
図9に示すように、ケース格納部20は、延設部23に形成された8つのねじ孔23a(図3(a)参照)をねじ止めすることにより、筐体10に装着される(図1(b)参照)。
電池ケース30には、電池ケース30の長手方向一方側(図9左側)からケース突起部34bが突出すると共に、ケース格納部20には、長手方向一方側(図9左側)の第2格納側壁22bに第2凹部22b1が凹設されている。よって、電池ケース30のケース突起部34bが形成される側を一の方向(図9左側)に向けることにより、電池ケース30をケース格納部20に格納することができるので、電池ケース30が誤った方向に向けられた状態でケース格納部20に格納されることを防止できる。
また、ケース格納部20には、2つの格納側壁22aのそれぞれに第1凹部22a1が凹設されているので、電池ケース30をケース格納部20に着脱する際、第1凹部22a1に指を挿入しつつ電池ケース30を着脱することができる。よって、電池ケース30をケース格納部20に着脱する作業を効率よく行うことができる。
ここで、筐体10の内部に配設されるスピーカーから出力される楽音が特定の周波数になると、筐体10の共振が発生する。ケース格納部20は筐体10にねじ止めされているので、筐体10が共振することにより、ケース格納部20も振動する。
これに対し、上述のように、電池ケース30がケース格納部20に格納された状態において、ケース格納部20の内側面と電池ケース30の外側面との間、即ち、格納側壁22の内側面とケース側壁32、第1固定部33、第2固定部34及びケース突起部34bの外側面との間には、所定間隔の隙間S1が形成されている。よって、筐体10の共振によりケース格納部20が振動した場合であっても、ケース格納部20の振動が、格納側壁22の内側面からケース側壁32、第1固定部33、第2固定部34及びケース突起部34bの外側面へ伝達されることを回避できる。
図10に示すように、電池ケース30をケース格納部20に格納するには、電池ケース30の長手方向両側(図10左側および右側)に形成された凹設部39を、ケース格納部20の第1固定部33及びケース突起部34bに形成された凸設部24に緩挿させる。これにより、凹設部39は凸設部24に案内されるので、電池ケース30をケース格納部20の適切な位置に配置することができる。
電池ケース30がケース格納部20に格納された後、第1螺子部材51のおねじ部51aを、凹設部39に穿設されたケース挿入孔39aに挿入させつつ、凸設部24に内嵌された第1ナット部材28に螺入させる。これにより、電池ケース30をケース格納部20に着脱自在に装着することができる。
よって、例えば、アンプ内蔵スピーカー1を電池2で駆動させている最中に電池2が消耗した場合に、ケース格納部20に装着されている電池ケース30と、予め電池2が収納された予備の電池ケース30とを、電池ケース30ごと交換することができる。よって、複数の電池2を一つずつ取り替えるよりも、電池2を交換する作業を効率的に行うことができるので、電池2でアンプ内蔵スピーカー1を駆動させている最中に電池交換をする必要がある場合でも、アンプ内蔵スピーカー1の電源が切れている時間を短縮することができる。
また、電池ケース30がケース格納部20に着脱自在に装着されているので、アンプ内蔵スピーカー1をAC電源で駆動させる際に、電池ケース30を取り外しておくことで、電池ケース30の振動による騒音の発生を回避することができる。
凹設部39は、第1固定部33の外底面またはケース突起部34bの外底面からの凹設深さが、格納底板21の内底面からの、凸設部24の凸設高さよりも小さく形成されているので、電池ケース30がケース格納部20に格納された状態において、ケース格納部20の内底面と電池ケース30の外底面との間、即ち、格納底板21の内底面とケース底板31の外底面との間には、所定間隔の隙間S2が形成される。よって、筐体10の共振に伴うケース格納部20の振動が、格納底板21の内底面からケース底板31の外底面へ伝達されることを回避できる。
さらに、凸設部24には、凸設部24の凸設先端の先端面から突出する突出部24aが形成されているので、凹設部39が凸設部24に格納されると、突出部24aの先端面を凹設部39の凹設基部に当接させることができる。よって、凸設部24の凸設先端の先端面全体が凹設部39の凹設基部に当接される場合と比べ、凸設部24と凹設部39との接触面積を小さくすることができるので、ケース格納部20の振動が電池ケース30へ伝達されることを確実に抑制することができる。
また、電池ケース30がケース格納部20に格納されると、凸設部24の外側面に形成されるリブ24bと凹設部39の内側面との間に所定間隔の隙間S3が形成される。よって、ケース格納部20の振動が、凸設部24の外側面から凹設部39の内側面へ伝達されることを抑制できる。特に、凸設部24の外側面には4つのリブ24bが形成されているので(図4参照)、ケース格納部20又は電池ケース30の振動により凸設部24と凹設部39とが接触した場合に、リブ24bを凹設部39の内側面に接触させることができる。
従って、凸設部24の外側面と凹設部39の内側面とが接触する場合と比べ、凸設部24と凹設部39とが接触する際の接触面積を小さくすることができるので、ケース格納部20から電池ケース30へ伝達される振動を低減させることができる。一方、リブ24bは、凸設部24の凸設方向(図10上下方向)に沿って延設されているので(図4参照)、凹設部39が凸設部24に案内されるという効果がリブ24bによって阻害されることを防止できる。
また、上述のように、電池ケース30は、第1螺子部材51に締付固定されるので、凸設部24と凹設部39との接触面積を小さくしつつ、凸設部24と凹設部39とを確実に固定することができる。よって、ケース格納部20の振動に伴う電池ケース30の振動を抑制することができる。
このように、筐体10の共振によるケース格納部20の振動が電池ケース30へ伝達されることを抑制することができるので、電池ケース30の振動により発生する騒音を低減させることができる。これにより、スピーカーからの楽音を聴く際に、筐体10の共振による騒音が耳触りになることを防止できる。さらに、電池ケース30の振動を抑制することで、電池ケース30に収納される電池2とケース端子板36(図11参照)との接触不良、短絡および電池2の液漏れが発生することを抑制できる。
図11に示すように、電池2が収納される電池室35には、複数のケース放熱孔37が形成されると共に、蓋部40には、蓋放熱孔44が形成されている。よって、スピーカー内蔵アンプ1(図1参照)を電池駆動させる際に、電池2から発生する熱を、ケース放熱孔37及び蓋放熱孔44を介して、電池ケース30の外部へ放出することができる。また、電池ケース30がケース格納部20に格納された状態において、各ケース放熱孔37と対向する位置には、格納底板21及び格納側壁22が配置されている。これにより、ケース放熱孔37と筐体10(図1(b)参照)の内部との間が格納底板21及び格納側壁22により遮断されるので、電池ケース30から放出された熱が、筐体10の内部へ侵入することを防止しつつ、ケース格納部20と電池ケース30との間に形成された隙間S1,S2により、電池ケース30から放出された熱を筐体10の外部へ排出することができる。
さらに、第1格納側壁22aには、第1凹部22a1及び溝部22a2が形成されているので、第1格納側壁22aの内側面とケース側壁32との外側面との間に形成される隙間S1をより広く確保して、電池ケース30から放出された熱を筐体10の外部へ排出しやすくすることができる(図9参照)。なお、電池ケース30がケース格納部20に格納された状態において、ケース側壁32に形成された複数のケース放熱孔37の少なくとも一部が、第1凹部22a1又は溝部22a2と対向する位置に配置されるので、電池ケース30の内部から放出された熱を筐体10の外部へ効率よく排出することができる。
電池ケース30の一面(図11上側)を蓋部40で閉塞する際、まず、弾性部40bが接合される側を電池ケース30に対向させる。次に、長手方向一側(図11右側)に形成された係合爪部41を、電池ケース30に形成された蓋係止部30aに係合させる。最後に、第2螺子部材52のおねじ部52aを、長手方向他側(図11左側)に形成された蓋挿入孔42に挿入させつつ、第2固定部34に内嵌された第2ナット部材34aに螺入させる。これにより、蓋部40を電池ケース30に着脱自在に装着することができる。よって、蓋部40は、電池ケース30に固定されるので、電池ケース30がケース格納部20に装着された状態のまま、蓋部40のみを着脱することができる。
蓋部40は、上述のように、電池ケース30の一面を閉塞した状態において、弾性部40bと電池2とが互いに当接される厚みに設定されている。よって、電池ケース30の一面を蓋部40で閉塞することにより、弾性部40bが電池2に押し当てられるので、電池2を確実に固定することができる。よって、電池ケース30に収納される電池2とケース端子板36との接触不良、短絡および電池2の液漏れが発生することを抑制することができる。
さらに、電池ケース30の一面を蓋部40で閉塞することにより、電池室35の長手方向両側(図11左側および右側)に配設されるケース端子板36に、弾性部40bで構成される蓋突起部43の突端を当接させることができる。このとき、蓋突起部43を構成する弾性部40bの弾性を利用することで、ケース端子板36を確実に固定することができる。よって、ケース端子板36の振動を規制することができ、その結果、ケース端子板36の振動により発生する騒音を低減させることができる。
上述のように、電池ケース30がケース格納部20に格納された状態において、ケース端子孔38a,38bが格納端子孔25a,25bと対向する位置に形成されると共に、第1固定部33の外底面またはケース突起部34bの外底面からの、凹設部39(図10参照)の凹設深さと、格納底板21の内底面からの、凸設部24(図10参照)の凸設高さとの差が、格納底板21の内底面からの、屈曲板26a1,26b1の屈曲突端の突出高さよりも小さく形成されている。即ち、屈曲板26a1,26b1の屈曲突端の突出高さは、電池ケース30がケース格納部20に格納された状態において、格納底板21の内底面とケース底板31の外底面との間に形成される隙間S2の高さ寸法よりも大きく形成されている。
よって、電池ケース30がケース格納部20に格納されると、ケース底板31の外底面に固定される接続ケース端子板36a,36bが、屈曲板26a1,26b1と接触する。よって、電池ケース30をケース格納部20に格納すると同時に、電池2とスピーカー内蔵アンプ1内部の電気回路とが電気的に接続されるので、格納端子板26a,26bと接続ケース端子板36a,36bとをコネクタで接続する等の作業を不要とすることができる。その結果、電池2でアンプ内蔵スピーカー1を駆動させている最中に電池交換をする必要がある場合でも、アンプ内蔵スピーカー1の電源が切れている時間を短縮することができる。
また、屈曲板26a1,26b1の一側(図11右側)が自由端であると共に屈曲板26a1,26b1の他側(図11左側)が格納底板21の外底面に固定される固定板26a2,26b2に連設されている。このため、電池ケース30がケース格納部20に格納されると、屈曲板26a1,26b1の屈曲突端は、接続ケース端子板36a,36bに押し下げられると共に屈曲板26a1,26b1の自由端側(図11右側)へ弾性変形し、屈曲板26a1,26b1が格納端子孔25a,25bの内壁面に当接される。よって、電池ケース30をケース格納部20に格納すると同時に、格納端子板26a,26bを固定することができるので、格納端子板26a,26bの振動を規制することができ、その結果、格納端子板26a,26bの振動により発生する騒音を低減させることができる。
さらに、格納端子板26a,26bが閉塞部材27に貫設されているので、格納端子板26a,26bの振動を閉塞部材27により減衰することができる。よって、格納端子板26a,26bの振動による騒音の発生をより確実に抑制することができる。
また、 また、格納端子孔25a,25bは、スポンジ状の閉塞部材27により、ケース格納部20と筐体10(図1(b)参照)の内部との間で空気が流通することを制限されているので、スピーカーから出力される楽音により筐体10の内部の空気が格納端子孔25a,25bを通過する際に、異音(笛吹音)が発生することを防止できる。
次に、図12及び図13を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、凸設部24及び凹設部39を2つずつ備えると共に、2つの第1螺子部材51により電池ケース30がケース格納部20に着脱自在に締付固定される場合を説明したが、第2実施の形態では、凸設部224及び凹設部239を1つずつ備えると共に、電池ケース230及び蓋部240が1つの第1螺子部材251により同時にケース格納部220に締付固定されている。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図12は、第2実施の形態におけるスピーカー内蔵アンプ200の電池収納構造の分解斜視図である。図13(a)は、スピーカー内蔵アンプ200の電池収納構造の上面図であり、図13(b)は、図13(a)のXIIIb−XIIIb線におけるスピーカー内蔵アンプ200の電池収納構造の部分断面図である。なお、図12では、格納端子板26a,26b及びケース端子板36の図示を省略し、図13では、筐体10の図示を省略している。
図12に示すように、スピーカー内蔵アンプ200は、一面が開口する箱状のケース格納部220と、そのケース格納部220と同方向に開口側を向けつつケース格納部220に格納されると共に一面が開口する箱状の電池ケース230と、その電池ケース230の一面を閉塞する蓋部240と、電池ケース230及び蓋部240をケース格納部220に着脱自在に締付固定する第1螺子部材251とを備えている。
ケース格納部220は、電池ケース230を格納するための部材であり、上述のように、一面(図12上側)が開口する箱状に形成され、ケース格納部220の底を形成する矩形状の格納底板221と、その格納底板221の縁端に立設される4つの格納側壁222とにより構成されている。
格納底板221の長手方向(図12左下および右上方向)両側の縁端に立設される2つの第2格納側壁222bのうち、格納底板221の長手方向一側(図12左下側)に立設される第2格納側壁222bは、その一側の第2格納側壁222bに貫通形成される2つのケース係止部222b1を備えている。また、格納底板221の長手方向他側(図12右上側)に立設される第2格納側壁222bは、その他側の第2格納側壁222bの外側面から外方(図12右上側)へ凸設される格納突起部222b2を備えている。さらに、格納底板221は、各ケース係止部222b1の近傍に位置する格納底板221の内底面から突出する2つの係止突起221aを備えている。
ケース係止部222b1及び係止突起221aは、電池ケース230がケース格納部220に格納された状態において、後述する係合突起233aが係合される部位である。また、格納突起部222b2は、後述する凸設部224を立設するための部位である。
電池ケース230は、一面(図12上側)が開口する箱状に形成され、電池ケース230の底を形成する矩形状のケース底板231と、そのケース底板231の幅方向(図12左上および右下方向)両側の縁端に立設される2つのケース側壁232と、ケース底板231の長手方向一側(図12左下側)の縁端に立設される第1固定部233と、ケース底板231の長手方向他側(図12右上側)の縁端に連設される第2固定部234とにより構成されている。
第1固定部233は、電池ケース230がケース格納部220に格納された状態において、電池ケース230の長手方向一側(図12左下側)で、蓋部240を係止しつつ、ケース格納部220に係合される部位であり、第1固定部233に貫通形成される2つの蓋係止部230aと、第1固定部233の外側面から凸設される係合凸部233aとを備えている。
第2固定部234は、電池ケース230がケース格納部220に格納された状態において、電池ケース230の長手方向他側(図12右上側)で、ケース格納部220に固定される部位であり、電池ケース230の長手方向他側から突出するケース突起部234bを備えている。
蓋部240は、電池ケース230に格納された電池2(図11参照)が、電池ケース230から脱落することを防止する板状の部材である。蓋部240は、蓋部240の長手方向一側(図12左下側)の端部から外方(図12右下方向)へ突出する係合爪部241と、蓋部240の長手方向他側(図12右上側)の端部から長手方向(図12右上方向)へ凸設される蓋突出部242と、その蓋突出部242に穿設されると共に後述する第1螺子部材251のおねじ部251aが挿入可能な蓋挿入孔242aとを備えている。
第1螺子部材251は、おねじが螺刻された棒状のおねじ部251aと、そのおねじ部251aの一端側に配設される頭部251bとを備えている。
図13(a)又は図13(b)に示すように、格納突起部222b2は、格納突起部222b2の内底面からケース格納部220の一面側(図13(b)上側)へ凸設される中実円錐体形状の凸設部224を備えると共に、ケース突起部234bは、ケース突起部234bの外底面に、電池ケース230の一面側(図13(b)上側)へ凹設される凹設部239を備えている。また、凹設部239は、凹設部239の凹設基部から電池ケース230の一面側(図12(a)上側)にかけて穿設されるケース挿入孔239aを備えている。
蓋係止部230aは、電池ケース230の一面を蓋部240で閉塞した状態において、係合爪部241が係合される部分である。係合凸部233aは、電池ケース230がケース格納部220に格納された状態において、ケース係止部222b1及び係止突起221aに係止される部分である。
電池ケース230及び蓋部240をケース格納部220に装着するには、まず、電池ケース230の長手方向一側(図13(b)左側)で、第1固定部233に形成された係合凸部233aを、ケース格納部220の長手方向一側(図13左側)に貫通形成されたケース係止部222b1及び係止突起221aに係合させつつ、電池ケース230の長手方向他側(図13(b)右側)で、ケース突起部234bに凹設された凹設部239を、格納突起部222b2に凸設された凸設部224に緩挿させる。次に、蓋部240の長手方向一側(図13(b)左側)から突出した係合爪部241を、第1固定部233に形成された蓋係止部230aに係合させる。最後に、第1螺子部材251のおねじ部251aを、蓋部240の長手方向他側(図13(b)右側)に形成された蓋挿入孔242及び電池ケース230の長手方向他側に形成されたケース挿入孔239aに挿入させつつ、凸設部224に内嵌されたナット部材28に螺入させる。
このように、1つの第1螺子部材251で、電池ケース230及び蓋部240をケース格納部220に締付固定することができるので、電池ケース230及び蓋部240が2つ以上の第1螺子部材251により締付固定される場合と比べ、電池ケース230に収納されている電池2(図11参照)が消耗した際の電池交換を効率よく行うことができる。また、第1螺子部材251の部品点数を少なく抑えることができるので、部品コストを削減することができる。
また、格納底板221には、格納底板221の内底面から突出する係止突起221aが形成されているので、係合凸部233aをケース係止部222b1及び係止突起221aに係合させることにより、格納底板221の内底面とケース底板231の外底面との間には所定間隔の隙間S2が形成される。よって、ケース格納部220が振動した場合であっても、ケース格納部220の振動が、格納底板221の内側面からケース底板231の外底面へ伝達されることを回避できる。
なお、ケース格納部220の内側面と電池ケース230の外側面との間、即ち、格納側壁222の内側面とケース側壁232、第1固定部233、第2固定部234及びケース突起部234bの外側面との間には、所定間隔の隙間S1が形成されている。また、凸設部224の外側面に形成されたリブ224b(図12参照)と凹設部239の内側面との間には、所定間隔の隙間S3が形成されている。
以上、各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態では、本発明の適用対象として、スピーカー内蔵アンプ1,200を例示したが、必ずしもこれに限られるものではなく、スピーカーが内蔵されたギター等の電子楽器に本発明を適用してもよい。
上記各実施の形態では、ケース格納部20,220が筐体10にねじ止めされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ケース格納部20,220が筐体10に一体に成形されていてもよい。これにより、ケース格納部20,220を筐体10に装着する作業を不要とすることができる。また、ケース格納部20,220が筐体10に一体に成形されることにより、ケース格納部20,220の剛性を確保することができるので、筐体10の共振によるケース格納部20,220の振動を抑制することができる。
上記各実施の形態では、凸設部24,224が中空または中実の円錐体形状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凸設部24,224が円柱形状または多角柱形状であってもよい。
上記各実施の形態では、凸設部24,224には、リブ24b,224bが周方向に4つ形成されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、リブ24b,224bを3つ以下または5つ以上備えていてもよい。
上記各実施の形態では、凸設部24,224が格納底板21又は格納突起部222bの内底面から、ケース格納部20,220の一面側へ凸設されると共に、凹設部39,239が第1固定部33又はケース突起部34b,234bの外底面に、電池ケース30,230の一面側へ凹設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凸設部24,224が第1固定部33又はケース突起部34b,234bの外底面から、電池ケース30,230の他面側へ凸設されると共に、凹設部39,239が格納底板21,221の内底面に、ケース格納部20,220の他面側へ凹設されていてもよい。
また、上記各実施の形態では、第1ナット部材28が凸設部24,224に内嵌されると共に凹設部39,239がケース挿入孔39a,239aを備え、第1螺子部材51,251のおねじ部51a,251aを、凹設部39,239に穿設されたケース挿入孔39a,239aに挿入させつつ、凸設部24,224に内嵌された第1ナット部材28に螺入することにより、凸設部24,224と凹設部39,239とが締付固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1ナット部材28が凹設部39,239に配設されると共に凸設部24,224がケース挿入孔39a,239aを備え、第1螺子部材51,251のおねじ部51a,251aを、凸設部24,224に穿設されたケース挿入孔に挿入させつつ、凹設部39,239に配設された第1ナット部材28に螺入することにより、凸設部24,224と凹設部39,239とが締付固定されてもよい。
上記各実施の形態では、凸設部24,224と凹設部39,239とが、第1螺子部材51,251により着脱自在に締付固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凸設部24,224と凹設部39,239とが接合(例えば、接着剤による接着、レーザ加工による溶着等)により固定されていてもよい。これにより、第1螺子部材51,251の締付が緩くなることによる凹設部39,239のガタつきを未然に防ぐことができる。
上記各実施の形態では、突出部24aが、凸設部24,224の凸設先端の先端面側から視て円環状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突出部24aの先端面の面積が、凸設部24,224の凸設先端の先端面の面積よりも小さく形成されていればよい。例えば、突出部24aが、凸設部24,224の凸設先端の先端面側から視て多角形状に形成されていてもよい。また、突出部24aが凸設部24,224の凸設先端から突出する複数の突起により形成されていてもよい。
上記各実施の形態では、凸設部24,224と凹設部39,239とが固定される際に、突出部24aが凹設部39,239の凹設基部に当接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凸設部24,224と凹設部39,239が固定される際に、突出部24aと凹設部39,239の凹設基部との間に、ゴム等の弾性体を介在させてもよい。これにより、突出部24aと凹設部39,239とをより確実に固定できると共に、突出部24aから凹設部39,239へ伝達される振動を減衰させることができる。
上記各実施の形態では、突出部24aが凸設部24,224の凸設先端から凸設部24,224の凸設方向へ突出する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突出部24aが凹設部39の凹設基部から凸設部24,224が緩挿される側へ向けて突出していてもよい。
上記各実施の形態では、電池ケース30,230がケース格納部20,220に格納されると、接続ケース端子板36a,36bが格納端子板26a,26bと接触し、電池ケース30,230に格納される電池2とスピーカー内蔵アンプ1,200内部の電気回路とが電気的に接続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、接続ケース端子板36a,36bに配設されたコネクタと、スピーカー内蔵アンプ1,200内部の電気回路に配設されたコネクタとを接続することにより、電池ケース30,230に格納される電池2とスピーカー内蔵アンプ1,200内部の電気回路とが電気的に接続されてもよい。
上記各実施の形態では、本発明の電池収納構造が1箇所のみに配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるのものではなく、2箇所以上に配設することは当然可能である。ここで、図14を参照して、本発明の電池収納構造が2箇所に配設されたスピーカー内蔵アンプ300について説明する。図14(a)は、変形例におけるスピーカー内蔵アンプ300の背面斜視図であり、図14(b)は、スピーカー内蔵アンプ300の電気的ブロック図である。
図14(a)に示すように、スピーカー内蔵アンプ300の裏面側には、本発明の電池収納構造が左右に並設されている。なお、各電池収納構造については、第1実施の形態における電池収納構造(即ち、ケース収納部20と、電池ケース30と、蓋部40とから構成される構造)と同様の構成であるので、その説明は省略する。
図14(b)に示すように、スピーカー内蔵アンプ300は、CPU371、ROM372及びRAM373を備え、これらはバスライン374を介して入出力ポート375に接続されている。また、入出力ポート375には、入力装置376等の複数の装置が接続されている。
CPU371は、バスライン374により接続された各部を制御する演算装置である。ROM372は、CPU371により実行される制御プログラムや固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリであり、RAM373は、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するためのメモリである。
入力装置376は、外部装置から入力される楽音信号を入出力ポート375へ出力する装置である。なお、外部装置としては、例えば、マイクやギターなどの音響機器が例示される。電子回路377は、楽音信号を増幅するアンプを含む電子回路であり、スピーカー378が接続されている。よって、外部装置から入力された楽音信号は、スピーカー378から放音される。
切り替えスイッチ379は、電子回路377へ供給する直流電圧の供給元(即ち、第1電池2aから供給するか第2電池2bから供給するか)を切り替える装置であり、CPU371からの命令(切り替え信号)に基づいて、直流電圧の供給元を切り替える。
D/Aコンバータ380,381は、第1電池2a及び第2電池2bの電圧値(アナログ値)をデジタルの電圧値に変換するコンバータである。CPU371は、この電圧値(デジタル値)を測定し、その測定値が所定のしきい値以下であるかを確認することで、供給元を決定し、切り替え信号を切り替えスイッチ379へ出力する。
第1電池2aは、2箇所に配設された電池収納構造の一方の電池収納構造(電池ケース30)に収容される乾電池であり、第2電池2bは、他方の電池収納構造(電池ケース30)に収容される乾電池である。なお、本実施の形態では、これら第1電池2a及び第2電池2bの初期電圧が12Vであり、上述した所定のしきい値が8Vとされている。
表示器382は、第1電池2aと第2電池2bとの電圧の切り替え状態を表示するものである。この表示器382は、例えば、次のように構成する。即ち、赤と緑との2色発光LEDをそれぞれの電池に対応して設け、電池電圧が十分な電圧である場合には緑のみを点灯し(第1態様)、電池電圧が10Vまで低下した場合には赤のみの点灯(第2態様)へと表示を切り替える。そして、電圧9Vを下回った場合には赤のみの点滅(第3態様)へと表示を切り替える。また、切り替えられていない電池(使われていない電池)については、第1態様、第2態様または第3態様のいずれか一の態様と、その切り替えられていない電池に対応する2色発光LEDの赤および緑を同時発光(橙に発光)させる第4態様とを、所定時間ごとに交互に表示する。なお、この場合には、使われていない電池の電池電圧に応じて、第1態様、第2態様または第3態様のいずれか一を表示する。このように、所定時間ごとに第4態様が表示されることで、第1電池2aと第2電池2bとのいずれが使われていない電池であるかを判別することができ、所定時間ごとに第1態様、第2態様または第3態様のいずれかが表示されることで、その使われていない電池の電圧を把握することができる。
このように構成されたスピーカー内蔵アンプ300によれば、CPU371は、電子回路377への電圧供給を行っている電池(図14(b)に示す状態においては第2電池2b)の電圧値を測定し、その電圧値が所定のしきい値(8V)以下であるかを確認する。その結果、電圧値が所定のしきい値以下であれば、供給元を切り替えるための切り替え信号を切り替えスイッチ379へ出力する。これにより、電子回路377へ直流電圧を供給する供給元が切り替わる(即ち、第2電池2bから第1電池2aに切り替わる)ので、楽音の放音を継続しつつ、電圧が降下した電池(電池ケース30)を交換することができる。