JP5438309B2 - 信号送受信装置、nmrプローブおよび核磁気共鳴装置 - Google Patents

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Description

本発明は、信号送受信回路、信号送受信装置、NMRプローブおよび核磁気共鳴装置の技術に関する。
核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)における信号を検出するコイルを、送信側と受信側とで分離させたコイル(送受分離型コイル)がしばしば用いられる。
このような送受分離型コイルでは、送信側のコイルと、分離型のコイルとが、電気的、磁気的に結合してしまい、送信側のコイルと、分離型のコイルとに接続されている共振回路との整合をとることが困難となる。また、送信信号である振動磁場照射時に送信側のコイルから受信側のコイルへ磁場が漏れる場合があるが、このような場合、照射した振動磁場が受信コイルに接続されたプリアンプを飽和させ、このプリアンプを一時的、または恒久的に使用不可能な状態としてしまう。
このような問題を解決するために、送受分離型コイルにおける結合を低下させる必要がある。
このような送受分離型コイルの結合を低下させる技術として、特許文献1に記載の技術などがある。特許文献1には、スイッチ部としてのダイオードスイッチを用いて高周波送信状態と受信状態とを切り替える核磁気共鳴分光用送受信コイル(NMRプローブ)が開示されている。この技術は、高周波アンテナコイルを特定の周波数へ共振させる同調整合回路の中にダイオードスイッチを配置し、共振状態を変化させる回路である。
特開2008−89498号公報
NMRプローブは、強磁場中に設置される必要がある。しかしながら、磁場の強度が所定の強さを超えると、スイッチ部としてのダイオードスイッチの性能が低下する現象が知られている。特許文献1に記載の技術では、強磁場中に、高周波送受信回路の送信状態と受信状態を切り替えるためのダイオードスイッチを同調整合回路の内部、もしくは近傍に配置している。このため、ダイオードスイッチを正確に動作できる磁場中まで遠ざけて配置するような構成にすると、同調整合回路が巨大化してしまう。つまり、同調整合回路の回路長が長くなってしまい、同調整合回路のQ値が劣化してしまうという問題がある。
このような背景に鑑みて本発明は、使用時・非使用時を切り替えつつ、スイッチ部を確実に切り替えることができることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、核磁気共鳴を励起するための励起信号の送信を行う送信装置と、前記励起信号によって励起される核磁気共鳴信号の受信を行う受信装置とを有する信号送受信装置であって、前記受信装置は、磁場中に設置され、前記信号を送受信する同調整合回路と、前記核磁気共鳴に関する信号を伝達する信号伝達線と、前記信号の波長をλとしたとき、L=λ/4+(N・λ)/2(N=0,1,2,3,・・・)で規定される長さLによって長さが調節されているλ/4線と、接地された接続先および接地されていない接続先を切り替えるスイッチ部と、を有し、前記同調整合回路と、前記信号伝達線とは、互いに接続されており、前記λ/4線は、一方の端部が前記同調整合回路と前記信号伝達線との間に接続しており、他方の端部が、前記スイッチ部に接続され、前記λ/4線の長さLは、前記スイッチ部の動作が保証される磁場強度の領域に設置される長さであり、前記受信装置は、前記信号を受信するとき、前記スイッチ部を接地するよう切り替え、前記信号を受信しないとき、前記スイッチ部を接地しないよう切り替えることを特徴とする。
その他の解決手段については、実施形態中で適宜記載する。
本発明によれば、使用時・非使用時を切り替えつつ、スイッチ部を確実に切り替えることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る高周波送受信回路の模式図である。
高周波送受信回路100(信号送受信回路)は、サンプルに対し、振動磁場(送信信号)を照射したり、サンプル内で励起されるNMRの電磁波信号(受信信号)を受信したりする同調整合回路3と、一方が同調整合回路3に接続しており、他方が高周波端子5に接続されている信号伝達線4を有してなる。NMR測定で用いられる送受信信号は、100MHz以上の高周波信号であることが多いので、送受信信号を適宜、高周波信号と記載する。信号伝達線4は、送信信号や、受信信号を伝達する導線である。高周波コイル1を含む同調整合回路3は、高周波コイル1を所定の共振周波数に共振させ、信号伝達線4を用いて高周波コイル1と外部回路とで高周波信号の送受信を行う。なお、同調整合回路3は、高周波コイル1と可変コンデンサ2の組み合わせによる回路であるが、高周波コイル1と可変コンデンサ2の組み合わせは自由であるため、図1では、同調整合回路3の具体的な構成は図示していない。同調整合回路3の構成例は、図2および図3で後記する。
高周波送受信回路100は、同調整合回路3と、信号伝達線4との間に接続点10を有している。そして、一方が接続点10に接続され、他方がスイッチ部12に接続されているλ/4線11を有している。λ/4線11に接続されているスイッチ部12は、一方が接地され、他方は接地されていない(非接地)構成を有する。スイッチ部12は、ダイオード13(図2参照)が好適であるが、スイッチ部12に超電導体を用いたり、機械的なスイッチを用いたりしてもよい。
なお、本実施形態に係る高周波送受信回路100は、低周波信号の送受信回路としても用いることができるが、100MHz以上の高周波信号の送受信回路として用いることが好適である。
高周波コイル1は、可変コンデンサ2などで特定の共振周波数となるようなインピーダンスに同調・整合される。同調整合回路3にて送信される高周波信号は、高周波端子17(5)(図2参照)に接続されている外部回路(不図示)から信号伝達線4を経由して同調整合回路3に送られる。同様に、同調整合回路3で受信された高周波信号は、信号伝達線4を経由して高周波端子19(5)(図3参照)に接続されている外部回路(不図示)へ送られる。
λ/4線11の長さは、後記するように、高周波送受信回路100が設置される強磁場の影響を受けないような長さに調節される。ただし、長さLは以下の式(1)に従って調節される。なお、式(1)において、λは、高周波信号の波長である。
L = λ/4+(N・λ)/2(N = 0、 1、 2、 ・・・)・・・(1)
ここで、λ/4線11の機能について説明する。
λ/4線11は、波長がλの信号または波長がλの奇数倍の信号に対しては、λ/4線11の一端の電圧振幅がゼロの場合もう一端の電圧振幅は最大となる。逆に、一端の電圧振幅が最大の場合もう一端の電圧振幅はゼロとなる。
λ/4線11のスイッチ部12側の一端をスイッチ部12で非接地としている場合は、この一端の電圧振幅は最大となるため、反対側の一端、すなわち接続点10の電圧振幅はゼロとなる。これは、あたかも接続点がGNDになることと等しく、波長がλの信号または波長がλの奇数倍の信号は接続点10を通過できなくなる。よって本実施形態では、この状態を接続点10をBEF(Band Eliminated Filter)として働かせると記載する。
これに対し、λ/4線11のスイッチ部12側の一端をスイッチ部12で接地している場合は、この一端の電圧振幅はゼロとなるため、反対側の一端、すなわち接続点10の電圧振幅は最大となる。これは、あたかも接続点にはλ/4線11が接続されていないことと等しく、波長がλの信号または波長がλの奇数倍の信号は接続点10を自由に通過できる。よって本実施形態では、この状態を接続点10をBPF(Band Pass Filter)として働かせると記載する。
後記するように、本実施形態では、高周波送受信装置を送信専用の回路である送信側回路および受信専用の回路である受信側回路とに分けて、送信側回路および受信側回路に高周波送受信回路100を搭載する。
このとき、高周波送受信回路100は、送信側回路および受信側回路において共通の構造を有する。ただし、送信側回路と受信側回路では、使用するタイミングが異なる。送信側回路として用いる場合は、送信時が使用状態、受信時が非使用状態となる。受信側回路として用いる場合は逆になり、送信時が非使用状態、受信時が使用状態となる。
この切り替えは、スイッチ部12の切り替えによって行われる。高周波送受信回路100を、使用状態とする場合は、スイッチ部12を接地側に切り替え、接続点10をBPFとして働かせる。一方、非使用状態とする場合には、スイッチ部12を非接地側に切り替え、接続点10をBEFとして働かせる。
なお、同調整合回路3の可変コンデンサ2を変化させ、同調整合を調整するときには、スイッチ部12を接地側に切り替えた状態(接続点10をBPFとして働かせる状態)としておく。
前記したように送信側回路と受信側回路の同調整合回路における共振周波数は、ほぼ同一であるため、送信信号や受信信号が他方に漏れ、同調整合回路3や信号伝達線4などで消費されてしまい、送信信号や受信信号の損失が大きくなってしまう。
そこで、例えば受信時の送信側回路における損失を抑えるためには、受信時において、λ/4線11における一方の端部を強制的に非接地とすることで、同調整合回路3と信号伝達線4の接続点10を強制的に接地し、この接続点10をBEFとして働かせることで、少なくとも信号伝達線4における損失を防ぐことができる。これにより、受信時に送信側回路で発生する損失を防ぐことが可能となる。
同調整合回路3と信号伝達線4の接続点10をBEFとして働かせるためには、スイッチ部12を非接地側に切り替えればよい。
送信時には、λ/4線11の一端を接地することで、前記した理由により送信側回路101はλ/4線11が同調整合回路3に接続されていない回路と等価となり、送信回路のQ値はおよそλ/4線11が接続される前の回路のまま維持される。
送信時において、受信側回路102における損失を抑える場合も、送信側と受信側を入れ替えて同様の構成とすればよい。
なお、λ/4線11の一端を接地・開放するためには、例えばλ/4線11の一端にスイッチ部12部としてダイオード13(図2および図3)を含む回路を接続し、このダイオード13に制御信号を送ればよい。
また、λ/4線11が、同調整合回路3と、信号伝達線4との間の接続点10に接続することにより、非使用時における信号伝達線4での損失を防ぐことができる。
図2は、本実施形態に係る高周波送受信装置の構成例を示す図である。なお、図2において図1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
高周波送受信装置110a(110:信号送受信装置)、送信側回路101のみに高周波送受信回路100a(100)を搭載した例を示す。
高周波送受信装置110aは、高周波送受信対象9(サンプル)に対し、高周波信号を照射(送信)する送信側回路101(送信装置)と、高周波送受信対象9(サンプル)からの高周波信号を受信する受信側回路102(受信装置)とを備えている。同調整合回路3a(3)は、送信側回路101および受信側回路102ともに、高周波コイル1と、可変コンデンサ2が直列に接続された第1回路および可変コンデンサ2が備えられた第2回路が並列接続されている。第1回路および第2回路は、ともに接地されている。
なお、図2の同調整合回路3aでは、1つの高周波コイル1、および2つの可変コンデンサ2を有しているが、必要に応じて高周波コイル1や可変コンデンサ2を追加してもよい。
高周波端子17(5)は、図示しない送信信号生成回路などの外部回路が接続される端子である。
なお,図が煩雑になるのを防ぐため,高周波コイル1と高周波送受信対象9は別々に図示したが,実際には高周波コイル1の中に高周波送受信対象9が装填される形態となる。
また、高周波送受信回路100a(送信側回路101)は、ダイオード13を有している。ダイオード13に対し、送信側制御端子16からダイオード制御電圧が印加されるため、高周波送受信回路100a(100)は、直流成分カット用のコンデンサ14や電流調整用の抵抗15が必要に応じて接続される。つまり、コンデンサ14、抵抗15およびダイオード13が、図1のスイッチ部12に相当する。また、λ/4線11にはセミリジットケーブルなどの信号伝達路を用いるので、その長さLはセミリジットケーブルの絶縁体(誘電体でもよい)によって決まる波長短縮率を考慮し、式(1)によって規定される。
なお、λ/4線11における波長短縮率の代表的な値は66%〜70%である。
また、受信側回路102は、送信側回路101と同様の構成である同調整合回路3a(3)を有しており、この同調整合回路3aと、高周波端子18との間に信号伝達線4を有してなる。高周波端子18は、図示しない受信信号解析回路などの外部回路が接続される端子である。
送信側回路101の高周波送受信回路100aでは、高周波信号送信時(送信回路使用状態かつ受信回路非使用状態時)に送信側制御端子16に電圧を印加することでダイオード13がON状態となり、図1のスイッチ部12における接地状態と等価となる。また、送信側回路101の高周波送受信回路100aでは、高周波信号受信時(送信回路非使用状態かつ受信回路使用状態時)には送信側制御端子16に電圧を印加しないので、ダイオード13がOFF状態となり、図1のスイッチ部12における非接地状態と等価となる。
図3は、本実施形態に係る高周波送受信装置の別の構成例を示す図である。なお、図3において図1および図2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図3に示す高周波送受信装置110b(110)は、送信側回路101および受信側回路102bともに高周波送受信回路100aを有している構成となっている。
送信側回路101および受信側回路102bに搭載される高周波送受信回路100aの構成は、図2と同様であるので説明を省略する。さらに、送信側回路101における高周波送受信回路100aの動作は、図2と同様であるので説明を省略する。
また、受信側回路102bの高周波送受信回路100aでは、高周波信号受信時(送信回路非使用状態かつ受信回路使用状態時)に受信側制御端子20に電圧を印加することでダイオード13がON状態となり、図1のスイッチ部12における接地状態と等価となる。また、受信側回路102bの高周波送受信回路100aでは、高周波信号送信時(送信回路使用状態かつ受信回路非使用状態時)には受信側制御端子20に電圧を印加しないので、ダイオード13がOFF状態となり、図1のスイッチ部12における非接地状態と等価となる。
なお、高周波端子19(5)は、図示しない受信信号解析回路などの外部回路が接続される端子である。
図2に示す受信側回路102は常に使用状態であったが、図3に示す例では受信側回路102bも、使用状態と不使用状態とを切り替えることが可能となる。受信側回路102bを不使用状態とすることで、送信側回路101から漏れてくる高周波信号が受信側回路102bの外部回路(高周波端子19に接続している回路)へ伝わり、外部回路へ過電圧が印加されることを防ぐことができたり、送信側回路101から漏れてくる高周波信号が受信側回路102bの信号伝達線4で消費されるのを防いだりできる。これにより、送信側回路101の効率が高まるといった効果がある。
なお、受信側回路102に高周波送受信回路100を搭載し、送信側回路101には、高周波送受信回路100を搭載しない構成としてもよい。この場合、送信側回路101の構成は、例えば、図2の受信側回路102と同様の構成となる。
図4は、本実施形態に係るNMRプローブの例を示す図である。図4において、図1〜図3と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示すNMRプローブ200は、筐体201の中に高周波送受信回路100b(100)が内蔵されている。高周波送受信回路100bは、図1の高周波送受信回路100と同様の構成を有している。また、スイッチ部12として、ダイオード13が備えられた構成となっている。なお、図2および図3におけるコンデンサ14および抵抗15は記載を省略されている。
さらに、高周波コイルを含む同調整合回路3が冷却されると、熱雑音が低減され、NMR測定のシグナル対ノイズ比が向上する。このため、同調整合回路3を冷却するための図示しない熱交換器をNMRプローブ200の筐体201内に配置することにより、同調整合回路3の近辺を冷却することが可能である。温度の一例として、同調整合回路3の温度を20Kとし、ダイオード13の動作保証温度を120Kとする。本実施形態で示すように、λ/4線11を用いることにより同調整合回路3近辺の低温領域202からダイオード13を遠ざけることが可能である。これにより、ダイオード13を動作保証温度領域に配置することができる。なお、図4では、送信側回路のみを図示しているが、この裏側には受信側回路がセットとなって設置されている。送信側回路と、受信側回路の構成は、図2のように送信側回路のみ高周波送受信回路100を設けてもよいし、送信側回路101および受信側回路ともに高周波送受信回路100を設けてもよい。
図5は、本実施形態に係るNMR測定システムの例を示す図である。図5において、図1〜図4と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
NMR測定システム300(核磁気共鳴装置)は、静磁場発生用磁石301における測定用空間305に高周波送受信回路100bが挿入された構造となっている。測定用空間305はボア307によって区切られている。静磁場発生用磁石301は、冷媒中に設置されており、ボア307と、静磁場発生用磁石301との間(空間306)も、冷媒で満たされている。なお、ボア307と冷媒の間には,真空断熱層などが配置されるが、図5では省略している。
高周波送受信回路100bの構成は、図4で示した高周波送受信回路100bの構成と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。なお、図4と同様に高周波送受信回路100bにおいて信号伝達線4(図1)や、高周波端子5(図1)などが省略されている。また、高周波送受信回路100bは、図4で示すような筐体201で覆われたプローブ200内に設置されるが、図5〜図7では、煩雑になるのを避けるためプローブ200の構造は省略する。
一般的には、図5で示すように、静磁場発生用磁石301の軸と同軸状に測定用空間305が設けられている。なお、図5の例において、静磁場方向302は鉛直方向であるが水平方向でもよい。つまり、静磁場発生磁石301を横向きに設置してもよい。一例として静磁場中心(破線303で示される領域)における磁場強度を20テスラであるとする。使用するダイオード13の動作が保証される磁場強度が3テスラ以下であるとすると、最も磁場強度が大きい静磁場中心(領域303)に同調整合回路3を配置した場合、ダイオード13が磁場強度3テスラの領域(破線304で示される領域)の外に配置されるよう、λ/4線11の長さを調節する。なお、λ/4線11の長さは、式(1)で規定されることは、前記した通りである。また、ここで記載した静磁場中心における磁場強度と、ダイオード13の動作が保証される磁場強度は一例であって、ダイオード13を確実に動作する磁場強度領域まで磁場中心から遠ざけることができるようλ/4線11の長さを調節すればよい。つまり、λ/4線11を用いることによって、ダイオード13の動作が保証できる磁場強度の領域にダイオード13を設置することが可能となる。
なお、図5の例では、送信側回路101または受信側回路102の一方しか図示されていないが、実際には送信側回路101(図2および図3)および受信側回路102(図1および図3)はペアとなってNMRプローブ200(図4)に内蔵され、測定用空間305に設置されている。
図6および図7は、本実施形態に係るNMR測定システムの別の例を示す図である。図6においても、NMR測定システム300aは、静磁場発生用磁石301aにおける測定用空間404に高周波送受信回路100bが挿入された構造となっている。測定用空間404は、ボア406によって区切られている。静磁場発生用磁石301aは、冷媒中に設置されており、ボア406と、静磁場発生用磁石301aとの間(空間405)も、冷媒で満たされている。なお,ボア406と冷媒の間には,真空断熱層などが配置されるが,図6および図7では省略している。
ここで、NMR測定システム300aが、図5におけるNMR測定システム300と異なる点は、測定用空間404が十字形をしており、静磁場方向403に対して平行方向にも、垂直方向にも高周波送受信回路100bを挿入できるようになっていることである。
図6は、この十字形の測定用空間404に、静磁場に対して垂直方向に高周波送受信回路100bが挿入された図である。高周波送受信回路100bの構成は、図4における高周波送受信回路100bと同様であるため説明を省略する。また、高周波送受信回路100bは、筐体201(図4)で囲まれたNMRプローブ200(図4)の構成となっているが、図が煩雑になるのをさけるためNMRプローブ200の構成は省略してある。さらに、図6において送信側回路101または受信側回路102の一方しか図示されていないが、実際には送信側回路101(図2および図3)および受信側回路102(図1および図3)はペアとなってNMRプローブ200(図4)に内蔵され、測定用空間305に設置されている。
図6において、図5と同様、静磁場中心の磁場強度を20テスラ、ダイオード13の動作が保証される磁場強度を3テスラ以下とする。すると、磁場強度が最も大きい静磁場中心(破線401で示される領域)に同調整合回路3を設置した場合、ダイオード13を、ダイオード13の動作が保証される磁場領域(破線402で示される領域の外側)に配置するためには、鉛直方向の測定用空間か、水平方向の測定用空間に沿った方向に、静磁場中心(領域401)から遠ざかるよう、λ/4線11を用いてダイオード13を配置する。
図7におけるNMR測定システム300bは、図6におけるNMR測定システム300aにおいて、高周波送受信回路100bを静磁場方向403に対して水平方向に挿入したものである。それ以外の構成は、図6と同様であるため説明を省略する。
本実施形態で示した各例は、溶液状試料を測定対象とする溶液NMR測定システム、固体状試料を測定対象とする固体NMR測定システムの区別なく、双方に適用できる。
(効果)
本実施形態によれば、使用状態・非使用状態の切り替えが可能な高周波送受信回路100において、使用状態・非使用状態の切り替え手段として弱磁場中でしか確実に動作できないダイオード13を用いる場合でも、λ/4線11の先にこのダイオード13を接続することにより、確実に動作できる領域にダイオード13を設置することができる。これにより、強磁場中に配置された高周波送受信回路100の送信・受信を余分な損失を発生させずに切り替えることを可能としつつ、スイッチ部12としてのダイオード13を確実に動作させることが可能となる。すなわち、送受信を一つの高周波コイル1で行う高周波送受信回路100よりも送信能力や受信能力に優れた高周波送受信回路100を提供できることに加え、スイッチ部12としてのダイオード13を確実に動作させることが可能な高周波送受信回路100を提供することができる。
なお、図1などで示すように、λ/4線11を、同調整合回路3と、信号伝達線4との間の接続点10に接続することにより、非使用時における信号伝達線4での損失を防ぐことができる。
また、送信用回路101・受信用回路102のように、それぞれの役割に特化した回路となることで、溶液NMR、固体NMRにおける測定感度を総合的に上げることが可能となる。
本実施形態に係る高周波送受信回路の模式図である。 本実施形態に係る高周波送受信装置の構成例を示す図である。 本実施形態に係る高周波送受信装置の別の構成例を示す図である。 本実施形態に係るNMRプローブの例を示す図である。 本実施形態に係るNMR測定システムの例を示す図である。 本実施形態に係るNMR測定システムの別の例を示す図である(その1)。 本実施形態に係るNMR測定システムの別の例を示す図である(その2)。
符号の説明
3,3a 同調整合回路
4 信号伝達線
11 λ/4線
12 スイッチ部
13 ダイオード
100,100a,100b 高周波送受信回路
101 送信側回路
102,102b 受信側回路
110,110a,110b 高周波送受信装置
200 プローブ
300,300a,300b NMR測定システム(核磁気共鳴装置)

Claims (10)

  1. 核磁気共鳴を励起するための励起信号の送信を行う送信装置と、前記励起信号によって励起される核磁気共鳴信号の受信を行う受信装置とを有する信号送受信装置であって、
    前記受信装置は、
    磁場中に設置され、前記核磁気共鳴に関する信号を送受信する同調整合回路と、前記信号を伝達する信号伝達線と、前記信号の波長をλとしたとき、式(1)で規定される長さLによって長さが調節されているλ/4線と、接地された接続先および接地されていない接続先を切り替えるスイッチ部と、
    を有し、
    前記同調整合回路と、前記信号伝達線とは、互いに接続されており、
    前記λ/4線は、一方の端部が前記同調整合回路と前記信号伝達線との間に接続しており、他方の端部が、前記スイッチ部に接続され、
    前記λ/4線の長さLは、前記スイッチ部の動作が保証される磁場強度の領域に設置される長さであり、
    前記受信装置は、
    前記信号を受信するとき、前記スイッチ部を接地するよう切り替え、
    前記信号を受信しないとき、前記スイッチ部を接地しないよう切り替える
    ことを特徴とする信号送受信装置。
    L=λ/4+(N・λ)/2(N=0,1,2,3,・・・)・・・(1)
  2. 前記スイッチ部は、ダイオードを含む回路である
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号送受信装置
  3. 前記受信装置は、
    使用状態のとき、前記スイッチ部を接地するよう切り替え、
    非使用状態のとき、前記スイッチ部を接地しないよう切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号送受信装置
  4. 前記同調整合回路が冷却される場合、前記λ/4線の長さLは、前記スイッチ部の動作が保証される温度の領域に設置される長さである
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号送受信装置
  5. 前記信号は、100MHz以上の周波数を有する電磁波信号である
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号送受信装置
  6. 前記信号伝達線は、一方の端部が前記同調整合回路および前記λ/4線に接続され、他方の端部が出力端子または入力端子となっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号送受信装置
  7. 核磁気共鳴を励起するための励起信号の送信を行う送信装置と、前記励起信号によって励起される核磁気共鳴信号の受信を行う受信装置とを有するNMRプローブであって、
    前記受信装置は、
    磁場中に設置され、前記核磁気共鳴に関する信号を送受信する同調整合回路と、前記信号を伝達する信号伝達線と、前記信号の波長をλとしたとき、式(1)で規定される長さLによって長さが調節されているλ/4線と、接地された接続先および接地されていない接続先を切り替えるスイッチ部と、
    を有し、
    前記同調整合回路と、前記信号伝達線とは、互いに接続されており、
    前記λ/4線は、一方の端部が前記同調整合回路と前記信号伝達線との間に接続しており、他方の端部が、前記スイッチ部に接続され、
    前記λ/4線の長さLは、前記スイッチ部の動作が保証される磁場強度の領域に設置される長さであり、
    前記受信装置は、
    前記信号を受信するとき、前記スイッチ部を接地するよう切り替え、
    前記信号を受信しないとき、前記スイッチ部を接地しないよう切り替える
    ことを特徴とするNMRプローブ。
    L=λ/4+(N・λ)/2(N=0,1,2,3,・・・)・・・(1)
  8. サンプルに核磁気共鳴信号を励起するための信号を照射する送信装置と、前記信号によって前記サンプル内で励起される核磁気共鳴の信号を受信する受信装置と、前記サンプルに静磁場を与える静磁場発生用磁石と、を有する核磁気共鳴装置であって、
    記受信装置は
    磁場中に設置され、前記核磁気共鳴に関する信号を送受信する同調整合回路と、前記信号を伝達する信号伝達線と、前記信号の波長をλとしたとき、式(1)で規定される長さLによって長さが調節されているλ/4線と、接地された接続先および接地されていない接続先を切り替えるスイッチ部と、
    を有し、
    前記同調整合回路と、前記信号伝達線とは、互いに接続されており、
    前記λ/4線は、一方の端部が前記同調整合回路と前記信号伝達線との間に接続しており、他方の端部が、前記スイッチ部に接続され、
    前記λ/4線の長さLは、前記スイッチ部の動作が保証される磁場強度の領域に設置される長さであり、
    前記受信装置は、
    前記信号を受信するとき、前記スイッチ部を接地するよう切り替え、
    前記信号を受信しないとき、前記スイッチ部を接地しないよう切り替える
    ことを特徴とする核磁気共鳴装置。
    L=λ/4+(N・λ)/2(N=0,1,2,3,・・・)・・・(1)
  9. 前記静磁場発生用磁石は、前記静磁場の方向が鉛直方向または水平方向となるよう設置されている
    ことを特徴とする請求項に記載の核磁気共鳴装置。
  10. 前記送信装置および前記受信装置は、前記静磁場に対し、水平方向または垂直方向に挿入されているとともに、前記静磁場発生用磁石内側の空間を、測定空間と、前記測定空間以外の空間とに区切るためのボアが、前記静磁場に対し、水平方向および垂直方向に設置されている
    ことを特徴とする請求項に記載の核磁気共鳴装置。
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