JP5107753B2 - Nmr低温プローブの低温送受切替装置および方法 - Google Patents

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本発明は、有機物分子やタンパク質などの構造解析に有用な分析装置である核磁気共鳴(NMR)分光装置における低温プローブの低温送受切替装置および方法に関する。
核磁気共鳴(NMR)分光装置は、有機物分子やタンパク質などの構造解析に有用な分析装置である。NMRの信号強度は微弱であり、信号対雑音比を向上するためのいくつかの試みがなされてきた。その一つとして、検出するプローブアンテナや増幅回路を冷却して熱雑音を低減させた低温プローブが上げられる。現在、市販されている低温プローブでは、プローブアンテナを冷却しない常温プローブに対して3〜4倍程度の感度の向上が得られている。
低温プローブの基本的な構成は以下のようになっている。真空断熱のため真空容器となっているプローブ容器と、その中にまず、プローブアンテナ,アンテナ共振回路,送受切替器,前置増幅器,および伝送ケーブルなどの電気部品を備えている。次に、共振周波数調整機構などの機械部品,熱交換器(冷却ステージ),冷媒配管,熱輻射シールド,積層断熱材,および断熱支持部品などの冷却部品などを持つ。冷却は、専用の冷却装置により冷媒を供給するか、もしくは液体ヘリウムなどの寒剤を直接供給して行う。また、プローブ容器内を真空に保つため、信号の取り出しや共振調整のための回転の伝達は特殊なコネクタや回転導入機構が用いられる。これらの技術は、特許文献1や特許文献2などに詳細が開示されている。
特許第2947348号公報 特開2005−106633号公報
以上のような技術により、NMR計測において熱雑音を低減し信号対雑音比を向上することが可能となるが、より一層の感度向上のためには低温送受切替器部に更なる工夫が必要となっている。
熱雑音を低減するために最も効果的な方法は、より低い温度まで冷却することである。このとき、外部から混入する雑音は従来のシステムに対して相対的に大きくなる。
受信機へもっとも雑音が混入しやすいのが、プローブアンテナに対し受信機と送信機との切替を行う送受切替器部である。プローブアンテナと受信機を接続した状態とする受信モードでは送信機は切り離された状態となるが、電気的な切断が不完全であるため送信側から信号が漏れ入る。その大きさは、およそ1/100程度まで低減された信号強度である。
プローブアンテナや前置増幅器の熱雑音は室温の雑音の1/10以下に低減されているため、室温から漏れ入る雑音は無視できない量となっていた。
受信機の保護のため送信時の送受アイソレーションは、従来においても十分考慮されていたが、受信時の送受間アイソレーションなどは従来は考慮されていなかった問題である。また、受信機の一部を冷却し熱雑音を著しく低減したシステムにおいて顕在化した問題である。
本発明は、低温送受切替器の送信端子から漏れ入る雑音を低減し、NMRプローブの感度をより向上することを目的とする。
本発明はその一面において、受信時には、送信時に接続されていた送信機に代えて抵抗を接続するスイッチ回路を配置する。
本発明の他の一面においては、さらに、受信時には、送信機の出力端を短絡するスイッチ回路を配置する。
本発明の具体的実施形態においては、これらのスイッチ回路はPINダイオードを用いて構成され、送受切替えと同期して受信モードと送信モードを切替える。
本発明の望ましい実施態様においては、サンプルへの電磁波の照射とNMR信号の検出を行うプローブアンテナと、このプローブアンテナの共鳴周波数を微調整する同調回路と、前記プローブアンテナを送信機または受信機へ接続切替を行う送受切替器と、前記受信機の前置増幅器と、前記送受切替器,前記前置増幅器,前記プローブアンテナ,並びに前記同調回路を冷却する冷却機構を備えたNMR低温プローブの送受切替装置において、前記送信機と前記送受切替器を結ぶ信号ライン間に、送信または受信指令を受けてオフまたはオンするスイッチング素子と冷却抵抗との直列体を接続したことを特徴とする。
本発明の他の望ましい実施態様においては、前記直列体の接続点よりも前記送信機側に、受信指令を受けて前記送信機の出力端子間を短絡する短絡回路を備えたことを特徴とする。
送信機と切替えられた抵抗は、送受切替器と同じ温度まで冷却されており、室温水準の熱雑音を持つ送信機に代わって、より小さな熱雑音しか発生しない雑音源として働く。これによって、送信機側から受信機に漏れ入る雑音は1/10程度に低減され、低温プローブの感度向上が得られる。
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施形態の中で明らかにする。
以下に、図面を参照して、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
検出するプローブアンテナや増幅回路を冷却して熱雑音を低減させた低温プローブは、市販されているもので、常温プローブに対し3〜4倍程度の感度の向上が得られている。
送受切替器は、プローブアンテナとプリアンプの間に位置するため、低温プローブ内に配置され冷却されている。プローブアンテナと同調・整合回路は、概略10Kかそれ以下に冷却される。
送受切替器部では、送信モード時は送信機とプローブアンテナを接続し、受信モード時は受信機(前置増幅器)とプローブアンテナを接続するスイッチ回路として働く。送受切替器とプリアンプは概略100K以下に冷却される。あまり冷却しすぎると電子部品の特性を損ねる懸念があるので40K程度が好適である。その制御は、外部からの信号でON/OFF切替える能動方式と照射信号の大電力を利用して切替える受動方式がある。能動方式ではPINダイオードを用いたスイッチ回路が、受動方式ではダイオードを逆方向に組合せたクロスダイオードを用いたスイッチ回路が用いられる。
図1に本発明の実施例1による低温プローブの送受切替装置を用いたNMR装置を示す。NMR装置は、超電導マグネット2と計測装置3とプローブ1を主要部として持つ。低温プローブ1は、先端部にプローブアンテナ5を持ち、その近傍に同調・整合回路6を持つ。RF(Radio Frequency)信号の送受の効率をよくするために、プローブアンテナ5は同調・整合回路6によって整合されている。プローブアンテナ5は、サンプル(図示しない)の外周を覆うように配置され、サンプルにNMR信号を励起する照射(送信)とNMR信号の検出(受信)を行う。送信信号は送信機34により作成され、受信信号は受信機36により処理される。複数の核種を測定する場合には、プローブアンテナ5は複数の周波数に対して整合される。
送受信機34,36とプローブアンテナ5の間には、プローブアンテナ5を、送信の場合には送信機34と、受信の場合には受信機36と接続するため、送受切替器7が配置される。低温プローブ1では、熱雑音低減のため、受信機36の初段のプリアンプ(前置増幅器)29が冷却されており、その前段に位置する送受切替器7も冷却される。プリアンプ29や送受切替器7は、低温プローブ1の筐体内に配置される。プリアンプ29と送受切替器7は、それぞれ隣り合っており、共通の冷却ステージ上に配置される。冷却装置4から冷媒輸送路9を通して冷媒を輸送し、プローブアンテナ5や送受切替器7は冷却される。
送信機34と送受切替器7を結ぶ信号ライン(同軸ケーブル)8の途上に、スイッチ回路10−1および10−2が分割して配置されている。スイッチ回路の抵抗部10−1は、送受切替器7の本体の近傍に配置され、一方、スイッチ回路の短絡部10−2は、前記抵抗部10−1からλ/4の奇数倍の伝送ライン8の長さを隔てた位置に配置している。ここで、λとは観測する信号周波数における伝送路中の実効的な電磁波の波長である。また、スイッチ回路の抵抗部10−1は、送受切替器7と同一基板上に配置し、同じ温度に冷却することが望ましい。
計測装置3には、制御電源35を備えており、両スイッチ回路10−1,10−2を送受切替えに応じてON/OFFさせる。具体的には後述するが、送信機34と送受切替器7を結ぶ信号ライン間に、スイッチ回路10−1で冷却抵抗を接続したり、スイッチ回路10−2で短絡したりする。
図2は、本発明の実施例1における送信機,受信機,及び送受切替器の物理的配置と機能領域の関係を示す説明図である。送信機領域は、計測装置3中の送信機34のパワーアンプや波形制御器などである。低温プローブ容器1内のプリアンプ29は、受信機領域の一部に位置づけられる。低温送受切替器領域としては、プローブ容器1内部の送受切替器7の本体部分,スイッチ回路の抵抗部10−1,プローブ1と計測装置3の間にあるスイッチ回路の短絡部10−2,及び計測装置3中の制御電源35から成る。送信モードと受信モードの切替えは、制御電源35から、信号ライン(同軸ケーブル)8に与える正または負の直流電圧の極性(送受信指令)によって実行されるが、詳細は後述する。
図3は、本発明の実施例1によるスイッチ回路および制御電源の一部を含めた低温送受切替装置の電気回路図である。送受切替器7は、一般的にSPDT(Single Pole Double Throw)スイッチと呼ばれる構成となっている。送受切替器領域の送信ポート11、受信ポート12、アンテナポート13は、直流を遮断するためのキャパシタ21が配置されている。送信ポート11には送信機34が、受信ポート12には、受信機36のプリアンプ29が、アンテナポート13にはプローブアンテナ5が、それぞれ適切な長さのケーブルを介して接続される。制御ポート14は、キャパシタ22とインダクタ23からなり、RF信号を遮断するフィルタが設置されており、ステップ状の直流電圧である制御信号を導入するように、送信または受信指令を発生する制御電源が接続される。RF信号系の接続にはセミリジッドケーブルなどの低損失な同軸ケーブルを、制御信号系にはツイストペア線や同軸ケーブルなど雑音が混入しにくいケーブルを用いる。送信・受信・アンテナのそれぞれの線路の合流点15より受信ポート側には、合流点15からλ/4の奇数倍の線路長を隔てた位置に、伝送信号ライン間(一方は接地)にPINダイオード16が接続されている。また、合流点15よりも送信ポート11側には、合流点15の近傍に、信号ラインに対し直列に、PINダイオード17が接続されている。
このPINダイオード17よりも送信ポート11側には、スイッチ回路の抵抗部10−1として模擬負荷抵抗18とPINダイオード19の直列体が、信号ライン間に接続されている。さらに、スイッチ回路の抵抗部19−1から送信ポート11側に、λ/4の奇数倍の伝送路長を隔てた位置に、送信機34の出力を短絡するPINダイオード20がスイッチ回路の短絡部10−2として設置されている。
送受切替器7とスイッチ回路10からなる複合回路の動作を図4〜図7を用いて以下に説明する。
図4は、本発明の実施例1における送信モードでのRF信号及び制御信号の流れを示す説明図である。
図4において、送信モードを指令する制御信号24は、制御ポート14に正の電圧(順電流)を与えることで導入され、送受切替器7中の2つのPINダイオード16、17を通過してアースに落ちる。このとき、アンテナポート13に対し、送信ポート11は接続、受信ポート12は遮断されるため、RF信号25は送信ポート11からアンテナポート13に向かって流れる。
図5は、本発明の実施例1における送信モードでのRF信号に注目して書き直した模式的な電気回路図である。スイッチ回路10は、その抵抗部10−1および短絡部10−2内のPINダイオード19および20が、逆バイアスされて動作しないため、通常の線路31として働く。プローブアンテナ5と送信機34が接続され、プローブアンテナ5とプリアンプ29の間が遮断されている。しかしながら、図中の破線で示す不完全な遮断部30が存在するため、受信ポート12側へ僅かに信号が漏れる。送信信号は数十W以上時には数kWの電力となることがあるため、プリアンプ29を破壊から保護するためにλ/4の線路の調整や、PINダイオードによる短絡回路を増やすことなどで対策する。
図6は、本発明の実施例1における受信モードでのRF信号及び制御信号の流れを示す説明図である。
図6において、受信モードを指令する制御信号26は、制御ポート14に負の電圧−V(逆電流)を与えることで導入され、送受切替器領域中のスイッチ回路10の2つのPINダイオード19,20および模擬負荷抵抗18を通過してアースに落ちる。このとき、アンテナポート13に対し、送信ポート11は遮断、受信ポート12は接続されているため、RF信号27はアンテナポート13から受信ポート12に向かって流れる。
図7は、本発明の実施例1における受信モードでの電気回路を、RFに注目して書き直した模式的な電気回路図である。プローブアンテナ5と送信機34との間が遮断され、プローブアンテナ5と受信機36のプリアンプ29との間が接続されている。送受切替器7側は、スイッチ回路10の抵抗部10−1で接地され、送信機34側は、スイッチ回路10の短絡部10−2で短絡されている。このとき、図中の破線で示す2ヶ所32、33に不完全な遮断が存在するため、送信ポート11からの信号が受信ポート12に僅かに漏れる。このとき、送信ポート11から漏れてくる信号は雑音であるため、できうる限り除去しなければならない。スイッチ回路10の抵抗部10−1と短絡部10−2の間の遮断の不完全さは、PINダイオードのインピーダンスが完全にゼロとならないために発生する。しかしながら、スイッチ回路の抵抗部と短絡部の間の伝送路長をλ/4の奇数倍とすることで、抵抗部の抵抗に対し十分大きいインピーダンスと見えるように調整できる。抵抗部10−1の抵抗は、PINダイオードと抵抗素子の合計で50Ωとする。線路に直列のPINダイオードによる送受ポート11,12間の遮断はせいぜい−20dBのアイソレーションしか取れない。これは、PINダイオードのOFF時の特性が概ね1pF程度の容量を持つためである。しかしながら、本実施例のスイッチ回路により、アイソレーションを強化せずに漏れ雑音を低減させることが可能となった。送受切替器7側からスイッチ回路10を観測すると、40Kの温度で50Ωの抵抗と、室温で50Ωよりはるかに大きい抵抗の並列回路として観測され、実質上40Kで50Ωの抵抗として働く。
本実施例に比べ、従来の回路構成の場合は、PINダイオードによる不完全な遮断の前に、室温の雑音に相当する300Kの雑音源を持つ。したがって、直列のPINダイオードを通して受信機に漏れ入る熱雑音は、本実施例の場合、スイッチ回路を用いない従来技術と比較して、少なくとも2/15程度まで低減されている。
本実施例の効果をシミュレーションにより検討した。計算の際にプローブアンテナ5の雑音が20K、受信機36の雑音が20Kであり、理想的には40Kの雑音である系を仮定した。
まず、従来通り、スイッチ回路なしでは、44.2Kでの雑音であり、理想からの増分は4.2Kであった。
これに対して、本実施例のスイッチ回路によれば、40.3Kでの雑音となり、理想からの増分は0.3Kであった。
このように、本実施例のスイッチ回路の適用により、3.9Kの雑音の改善があり理想的な状態にごく近づくことが明らかになった。
この実施例では、NMR低温プローブ1の送受切替装置において、送信機34と送受切替器7を結ぶ信号ライン8間(一方は接地で良い)に、送信または受信指令を受けてオフまたはオンするスイッチング素子19と冷却抵抗18との直列体を接続している。具体的には、送受(切替)指令は、前記信号ライン8間に印加される正または負の直流電圧であり、前記スイッチング素子は、PINダイオード19である。
さらに、前記直列体の接続点よりも前記送信機34側に、受信指令を受けて前記送信機34の出力端子間を短絡する短絡回路10−2を備えている。具体的には、受信指令は、前記信号ライン8間(一方は接地で良い)に印加される負の直流電圧であり、前記スイッチング素子は、PINダイオード20である。
この実施例によれば、受信時に、送信機34と切替えられた抵抗18は、送受切替器7と同じ温度まで冷却されており、室温水準の熱雑音を持つ送信機34に代わって、より小さな熱雑音しか発生しない。このため、送信機34側から受信機36に漏れ入る雑音は、1/10程度に低減され、低温プローブの大幅な感度向上が得られる。
PINダイオードは、OFF→ONの切換りは非常に高速であるが、ON→OFFの切換りはそれほど高速でないため、高周波信号に対する通過特性が良好であることが特徴である。PINダイオードをON状態にするためには、PINダイオードの両端に閾値以上の電圧をかけて十分な電流を流す必要がある。また、OFF状態にするためには、PINダイオードの遮断を高めるため十分に大きい逆電圧をかける。一般的に、ONのために必要な電流は50mA程度で、OFFのために必要な電圧は10V以下程度である。
送受切替器の切替制御には、10μsec程度の高速で電流通電状態と電圧印加状態を切替できる制御電源が必要となる。
NMRの信号周波数の数百MHzの帯域で特性が特に良好であるのは、Si系半導体を用いたPINダイオードに限られる。特に、大電力を扱う点で化合物系(GaAs系など)の半導体はSi系半導体に及ばない。しかしながら、Si系半導体は低温で動作させるとキャリアが減少し特性が変化する。PINダイオードの場合には、ON状態にするため室温と比べると高い電圧と大きな電流が必要となる。室温の系統では送信機などと同期するためのトリガ信号を直接制御信号として用いることも可能であったが、PINダイオードを用いた低温送受切替器では、制御電源にずっと高性能で高価な電源が要求される。また、制御電源は外部からトリガ信号を受け取って高速に動作しなければならない。
本発明の実施例2による送受切替装置では、この種の問題が解決され電源のコストを抑えることができる。
図8は、本発明の実施例2による低温プローブの送受切替装置の電気回路図である。図では、図3に示した実施例1の電気回路図に対応して図示しているため、図3と異なる点のみについて説明する。本実施例における回路構成は、スイッチ回路短絡部10−2のPINダイオードを複数直列20−1および20−2とした点が特徴である。あるいは図示しないが、直列と並列を組合せた回路としても構わない。このスイッチ回路の狙いは、送信モードと受信モードで流れる電流および印加される電圧を同じとすることである。図8の回路では送信モード時にPINダイオードが2個直列となるので、短絡部10−2を2個直列とすることで、最も簡単に目的を達成できる。
本実施例における送受切替装置は、送信モードと受信モードを切替えるための制御方式が非常に簡略化されている。図8の送受切替装置を動作させるためには、図9に示す簡単な制御電源回路でよい。
図9は、本発明の実施例2に適用可能な制御電源図の回路は単一方向に電流を流す直流電源37と、正負の反転回路38により構成される。図8の回路は送信モードと受信モードでインピーダンスがほとんど変化しないので、図9中の直流電源そのものは高速動作を要求されない。
このような構成でも、実施例1の場合と同様に、送信端子側からの雑音が低減されているので、NMRの感度を向上することが可能である。
本発明の実施例1によるNMR装置の低温プローブの送受切替装置構成図である。 本発明の実施例1における送信機,受信機,及び送受切替器の物理的配置と機能領域の関係を示す説明図である。 本発明の実施例1によるスイッチ回路および制御電源の一部を含めた低温送受切替装置の電気回路図である。 本発明の実施例1における送信モードでのRF信号及び制御信号の流れを示す説明図である。 本発明の実施例1における送信モードでのRF信号に注目して書き直した模式的な電気回路図である。 本発明の実施例1における受信モードでのRF信号及び制御信号の流れを示す説明図である。 本発明の実施例1における受信モードでの電気回路を、RFに注目して書き直した模式的な電気回路図である。 本発明の実施例2による低温プローブの送受切替装置の電気回路図である。 本発明の実施例2で適用可能な制御電源の回路構成図である。
符号の説明
1…低温プローブ(容器)、2…超電導マグネット、3…計測装置、34…送信機、35…制御電源、36…受信機、4…冷却装置、5…プローブアンテナ、6…同調・整合回路、7…送受切替器、8…信号ライン(同軸ケーブル)、9…冷媒輸送路、10…スイッチ回路、10−1…抵抗部、10−2…短絡部、15…合流点、16,19,20,20−1,20−2…PINダイオード、18…模擬負荷抵抗、21,22…キャパシタ、23…インダクタ、24,26…制御信号(送受指令)、25,27…RF信号、29…プリアンプ(前置増幅器)、30,32,33…不完全遮断部、31…通常の線路、37…直流電源、38…正負の反転回路。

Claims (7)

  1. サンプルへの電磁波の照射とNMR信号の検出を行うプローブアンテナと、このプローブアンテナの共鳴周波数を微調整する同調回路と、前記プローブアンテナを送信機または受信機へ接続切替を行う送受切替器と、前記受信機の前置増幅器と、前記送受切替器,前記前置増幅器,前記プローブアンテナ,並びに前記同調回路を冷却する冷却機構を備えたNMR低温プローブの送受切替装置において、
    前記送信機と前記送受切替器を結ぶ信号ライン間に、送信または受信指令を受けてオフまたはオンするスイッチング素子と冷却した抵抗との直列体を接続し、
    前記直列体の接続点よりも前記送信機側に、受信指令を受けて前記送信機の出力端子間を短絡する短絡回路を備え、
    前記短絡回路は、前記直列体の接続点から前記送信機側へ(λ/4)×奇数の距離を置いて配置され、送信または受信指令を受けてオフまたはオンする第2のスイッチング素子を前記信号ライン間に接続した
    ことを特徴とするNMR低温プローブの送受切替装置。
  2. 請求項において、前記第2のスイッチング素子は、オンしたとき前記送信機からの送信信号を短絡することを特徴とするNMR低温プローブの送受切替装置。
  3. 請求項1または2において、前記送信または受信指令は、前記信号ライン間に印加される正または負の直流電圧であり、前記第2のスイッチング素子は、PINダイオードであることを特徴とするNMR低温プローブの送受切替装置。
  4. 請求項において、前記第2のスイッチング素子は、複数のPINダイオードの直列体であることを特徴とするNMR低温プローブの送受切替装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記送受切替器への送信または受信指令は、前記送信機と前記送受切替器を結ぶ信号ライン間に、同一の直流電圧の極性を正または負に切替えて印加する手段であることを特徴とするNMR低温プローブの送受切替装置。
  6. サンプルへの電磁波の照射とNMR信号の検出を行うプローブアンテナと、このプローブアンテナの共鳴周波数を微調整する同調回路と、プローブアンテナを送信機または受信機へ接続切替を行う送受切替器と、前記受信機の前置増幅器と、前記送受切替器,前記前置増幅器,前記プローブアンテナ,並びに前記同調回路を冷却する冷却機構を持つNMR低温プローブの送受切替装置において、前記送信機と前記送受切替器を結ぶ信号ライン間に接続され、正または負の直流電圧である送信または受信指令を受けて正または逆バイアスされる冷却されたPINダイオードと冷却した抵抗との直列体と、この直列体を接続した点から前記送信機側へ(λ/4)×奇数の距離を置いて前記信号ライン間に接続され、前記送信または受信指令を受けて正または逆バイアスされる第2のPINダイオードとを備えたことを特徴とするNMR低温プローブの送受切替装置。
  7. プローブアンテナによりサンプルへの電磁波の照射とNMR信号の検出を行い、前記プローブアンテナの共鳴周波数を同調回路で微調整し、前記プローブアンテナを送受切替器により送信機または受信機へ接続切替を行い、前記受信機の前置増幅器,前記送受切替器,前記プローブアンテナ,並びに前記同調回路を冷却するNMR低温プローブの送受切替方法において、前記送信機と前記送受切替器を結ぶ信号ライン間に、送受切替指令を受けてオン/オフするスイッチング素子と冷却した抵抗の直列体を接続し、この直列体を接続した点から前記送信機側へ(λ/4)×奇数の距離を置いた前記信号ライン間に、前記送受切替指令を受けてオン/オフする第2のスイッチング素子を接続することを特徴とするNMR低温プローブの送受切替方法。
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