JP2002207072A - Nmr装置の送受信回路 - Google Patents

Nmr装置の送受信回路

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JP2002207072A
JP2002207072A JP2001001641A JP2001001641A JP2002207072A JP 2002207072 A JP2002207072 A JP 2002207072A JP 2001001641 A JP2001001641 A JP 2001001641A JP 2001001641 A JP2001001641 A JP 2001001641A JP 2002207072 A JP2002207072 A JP 2002207072A
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detector
transmission
receiver
switch
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Junichi Matsukura
松倉順一
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力増幅器の出力を、その使用頻度にかかわら
ず常に熱的に安定化させ、しかも、電力増幅器で発生す
るノイズが受信系に洩れ込むことをも防止することがで
きるNMR装置の送受信回路を提供する。 【解決手段】電力増幅器を常時ブランキング・オフの状
態で使用すると共に、電力増幅器と送受信切替器との間
に、少なくとも受信器がNMR信号を受信する時間帯
に、電力増幅器と送受信切替器との間を遮断するスイッ
チ回路を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NMR装置の送受
信回路に関し、より詳しくは、高周波パルスを出力する
電力増幅器と、電力増幅器のパルス出力を受けて試料に
高周波磁界パルスを印加すると共に、試料から放出され
るNMR信号を検出する検出器と、検出器からのNMR
信号を受信する受信器と、電力増幅器と検出器と受信器
との間の接続のかなめに位置し、電力増幅器から高周波
パルスが出力される時間帯には、電力増幅器と検出器の
間を接続し、検出器と受信器の間、および電力増幅器と
受信器の間を遮断すると共に、試料からNMR信号が放
出される時間帯には、検出器と受信器との間を接続し、
電力増幅器と検出器の間、および電力増幅器と受信器の
間を遮断する送受信切替器とを備えたNMR装置の送受
信回路に関する。
【0002】
【従来の技術】NMR装置は、静磁場中に置かれた試料
内の所定の原子核にRFパルスを印加し、その所定時間
後に発生するNMR信号を検出する分析装置である。図
1に、NMR装置のRF系の概念図を示す。図中1は発
振器である。発振器1は、観測したい所定の原子核の共
鳴周波数に合わせた周波数の高周波信号を発振する。発
振器1から発振された高周波信号は、波形整形器2へ送
られ、連続波、あるいはパルス波形や関数波形など所定
の波形に整形される。また、レベル・コントロールも同
時に行なわれる。
【0003】波形整形器2によって整形された高周波信
号は、電力増幅器3へと入力される。電力増幅器3に
は、後段の検出器5の種類に応じて、数十ワット出力の
ものから数キロワット出力のものまでが用いられる。電
力増幅器3で増幅された高周波信号は、送受信切替器4
を通して、静磁場内(図示せず)に置かれた検出器5へ
と印加される。検出器5の内部には、図示しない測定試
料が置かれていて、電力増幅器3で増幅された高周波信
号の磁界成分が、測定試料内の所定の原子核の歳差運動
を励起する。
【0004】送受信切替器4は、電力増幅器3と検出器
5と受信器7との間の接続のかなめに位置し、電力増幅
器3から高周波パルスが出力される時間帯には、電力増
幅器3と検出器5との間を接続し、検出器5と受信器7
との間、および電力増幅器3と受信器7との間を遮断す
ると共に、試料からNMR信号が放出される時間帯に
は、検出器5と受信器7との間を接続し、電力増幅器3
と検出器5との間、および電力増幅器3と受信器7との
間を遮断する役割を果たしている。
【0005】検出器5へ印加された高周波電力が途切れ
た後、所定の時間が経過すると、測定試料から弱いNM
R信号が放出され、観測信号として検出器5によって検
出される。検出器5によって検出された観測信号は、送
受信切替器4を経て、前置増幅器6でいったん増幅され
た後、受信器7に到達する。その後、受信器7で充分に
増幅された観測信号は、AD変換器8でデジタル信号化
され、ホストコンピューター9でフーリエ変換などの処
理を経て、ディスプレイ上にNMRスペクトルとして表
示される。
【0006】パルス発生器10は、ホストコンピュータ
ー9で制御され、RF系全体の同期をとる役割を果たし
ている。例えば、発振器1から出力された連続波の高周
波信号を任意のパルス幅のパルス波形に波形整形する場
合、波形整形器2へ任意のパルス幅のゲート信号を送
り、連続波をパルス波形に整形する。また、電力増幅器
3から出力される高周波電力を検出器5に印加し、印加
後、所定時間後に放出されるNMR信号を前置増幅器6
側に取り出す際には、送受信切替器4の切替のタイミン
グを制御する。いわばNMRパルスシーケンスに応じ、
NMR分光計を制御する機能を有している。
【0007】通常、NMR装置に用いられる電力増幅器
3は、ブランキング機能を有している。ブランキング機
能とは、電力増幅器3内の能動素子(トランジスターや
FET)のバイアス電圧を制御して、増幅機能を停止さ
せる機能のことである。電力増幅器3が高周波信号の増
幅を行なう時間帯には、当然、ブランキング機能をオフ
にしているが、電力増幅器3が高周波信号の増幅を行な
わない時間帯には、このブランキング機能をオンにする
ことにより、電力増幅器3内の能動素子のバイアス電圧
を制御して、電力増幅器3の増幅機能を停止させてい
る。これは、送受信切替器4の入出力端子間のアイソレ
ーションが完全でないことが原因となって、電力増幅器
3で発生するノイズ成分が送受信切替器4を介して受信
器7に洩れ込むことを未然に防止するためである。
【0008】測定試料のNMR信号を受信する場合に
は、送受信切替器4は、検出器5と受信器7との間を接
続し、電力増幅器3と検出器5との間、および電力増幅
器3と受信器7との間を遮断する受信モードになるが、
実際には、電力増幅器3と検出器5との間、および電力
増幅器3と受信器7との間は、完全に遮断された訳では
なく、送受信切替器4の持っているアイソレーション量
だけ遮断されているに過ぎない。従って、電力増幅器3
の出力ノイズ量と送受信切替器4のアイソレーション量
の和がサーマルノイズ以上となれば、受信器7へのノイ
ズの洩れ込みが起きる。
【0009】実際、電力増幅器3の個々の性能にもよる
が、ブランキング機能を働かせた場合、電力増幅器3の
出力ノイズレベルは概ねサーマルノイズ+20dB程度
で済むが、ブランキング機能を働かさなければ、サーマ
ルノイズ+電力増幅器3の増幅度分のノイズが出力され
てしまう。従って、電力増幅器3のブランキング機能を
働かせなければ、受信器7へのノイズの洩れ込みを低減
させることはほとんど不可能であると言える。
【0010】このような、NMRパルスシーケンスに応
じたブランキング機能のオン/オフ制御もまた、パルス
発生器10により行なわれる。
【0011】図2は、簡単なシングルパルスの場合を例
にして、NMRパルスシーケンスとブランキングの関係
をタイムチャートに示したものである。図中、(a)
は、NMRパルスシーケンスのタイムチャートである。
時間1の高周波パルスで測定試料中の原子核の歳差運動
を励起させ、時間2で検出器5のデッドタイムを経て、
時間3で測定試料から放出されるNMR信号を検出器5
を介して取り込む。
【0012】また、(b)は、電力増幅器3のブランキ
ングの状態を示すタイムチャートである。時間1では、
波形整形器2から送られてくる高周波パルスを増幅し
て、検出器5に印加させなければならないため、当然、
ブランキング機能はオフとする。通常、ブランキング機
能のオフ制御は、電力増幅器3の入力端子に高周波信号
が入力される数μsec手前で行なうことで、パルス波
形の立ち上がり時間が遅れないようにしている。時間1
で高周波パルスを増幅した後は、ブランキング機能をオ
ンにして、電力増幅器3の増幅機能を停止させ、電力増
幅器3からの出力ノイズを低減させる。
【0013】また、(c)は、送受信切替器4の切替状
態を示すタイムチャートである。電力増幅器3から高周
波パルスが出力される時間1、および検出器5のデッド
タイム期間である時間2では、送受信切替器4は、電力
増幅器3と検出器5の間を接続し、検出器5と受信器7
との間、および電力増幅器3と受信器7との間を遮断す
る送信モードに設定される。また、検出器5からNMR
信号が出力される時間3では、送受信切替器4は、検出
器5と受信器7との間を接続し、電力増幅器3と検出器
5との間、および電力増幅器3と受信器7との間を遮断
する受信モードに設定される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電力増幅器
3のブランキング機能を頻繁にオン/オフ制御すると、
電力増幅器3の出力安定性が低下する場合がある。例え
ば、電力増幅器3が休んでいる時間(ブランキング・オ
ンの状態)が圧倒的に長く、電力増幅器3が働いている
時間(ブランキング・オフの状態)が圧倒的に短い場合
は、電力増幅器3が充分に冷えているため、熱的に安定
し、電力増幅器3の出力も恒常値を保つ。ところが、電
力増幅器3が頻繁に働くような使い方をすると、電力増
幅器3の内部の能動素子が発熱して、電力増幅器3全体
がしだいに熱を持ち、能動素子へのアイドリング電流が
変化して、電力増幅器3の出力電力値が徐々に低下する
といった問題が発生する場合がある。
【0015】本発明は、上述した点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、電力増幅器3の出力を、その使
用頻度にかかわらず常に熱的に安定化させ、しかも、電
力増幅器3で発生するノイズが受信系に洩れ込むことを
も防止することができるNMR装置の送受信回路を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明にかかるNMR装置の送受信回路は、高周波
パルスを出力する電力増幅器と、電力増幅器のパルス出
力を受けて試料に高周波磁界パルスを印加すると共に、
試料から放出されるNMR信号を検出する検出器と、検
出器からのNMR信号を受信する受信器と、電力増幅器
と検出器と受信器との間の接続のかなめに位置し、電力
増幅器から高周波パルスが出力される時間帯には、電力
増幅器と検出器との間を接続し、検出器と受信器との
間、および電力増幅器と受信器との間を遮断すると共
に、試料からNMR信号が放出される時間帯には、検出
器と受信器との間を接続し、電力増幅器と検出器との
間、および電力増幅器と受信器との間を遮断する送受信
切替器と、電力増幅器と送受信切替器との間に設けら
れ、少なくとも受信器がNMR信号を受信する時間帯
に、電力増幅器と送受信切替器の間を遮断するスイッチ
回路とを備えたことを特徴としている。
【0017】また、前記電力増幅器は、高周波パルスを
出力する時間帯のみならず、高周波パルスを出力しない
時間帯にも、ブランキング・オフの状態で使用されるこ
とを特徴としている。
【0018】また、前記スイッチ回路は、ダイオード、
コンデンサー、およびインダクターをその構成要素に含
むゲート制御回路であることを特徴としている。
【0019】また、前記スイッチ回路は、半導体スイッ
チをその構成要素に含むゲート制御回路であることを特
徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図3は、本発明にかかるNMR
装置の送受信回路の一実施例である。図3において、図
1と同一部分には同一符号を付している。図中1は発振
器である。発振器1は、観測したい所定の原子核の共鳴
周波数に合わせた周波数の高周波信号を発振する。発振
器1から発振された高周波信号は、波形整形器2へ送ら
れ、連続波、あるいはパルス波形や関数波形など所定の
波形に整形される。また、レベル・コントロールも同時
に行なわれる。
【0021】波形整形器2によって整形された高周波信
号は、電力増幅器3へと入力される。電力増幅器3に
は、後段の検出器5の種類に応じて、数十ワット出力の
ものから数キロワット出力のものまでが用いられる。電
力増幅器3で増幅された高周波信号は、電力増幅器3と
送受信切替器4の間を任意のタイミングで遮断できるス
イッチ回路11、および送受信切替器4を通して、静磁
場内(図示せず)に置かれた検出器5へと印加される。
検出器5の内部には、図示しない測定試料が置かれてい
て、電力増幅器3で増幅された高周波信号の磁界成分
が、測定試料内の所定の原子核の歳差運動を励起する。
【0022】送受信切替器4は、電力増幅器3と検出器
5と受信器(図示せず)との間の接続のかなめに位置
し、電力増幅器3から高周波パルスが出力される時間帯
には、電力増幅器3と検出器(図示せず)との間を接続
し、検出器5と受信器(図示せず)との間、および電力
増幅器3と受信器(図示せず)との間を遮断すると共
に、試料からNMR信号が放出される時間帯には、検出
器5と受信器(図示せず)との間を接続し、電力増幅器
3と検出器5との間、および電力増幅器3と受信器(図
示せず)との間を遮断する役割を果たしている。
【0023】尚、送受信切替器4および検出器5の後段
に位置する前置増幅器、受信器、AD変換器、およびホ
ストコンピューターについては、図1と全く同一である
ので、図3に書き示すこと、およびその説明を行なうこ
とを省略する。
【0024】さて、パルス発生器10は、ホストコンピ
ューター(図示せず)で制御され、RF系全体の同期を
とる役割を持っている。例えば、発振器1から出力され
た連続波の高周波信号を任意のパルス幅のパルス波形に
波形整形する場合、波形整形器2へ任意のパルス幅のゲ
ート信号を送り、連続波をパルス波形に整形する。ま
た、電力増幅器3から出力される高周波電力を検出器5
に印加し、印加後、所定時間後に放出されるNMR信号
を前置増幅器(図示せず)側に取り出す際には、送受信
切替器4の切替のタイミングを制御する。いわばNMR
パルスシーケンスに応じ、NMR分光計を制御する機能
を有している。
【0025】このような構成において、本発明の特徴
は、電力増幅器3に対して、パルス発生器10からのブ
ランキング機能のオン/オフ制御を取りやめ、電力増幅
器3を常にブランキング・オフの状態で使用するように
したことである。これにより、電力増幅器3の内部の能
動素子に、常にバイアス電圧が供給されるようになるの
で、電力増幅器3が熱的に恒温状態となって安定し、そ
の結果、能動素子へのアイドリング電流が変化したり電
力増幅器3の出力電力値が徐々に低下したりするといっ
た問題は解消される。
【0026】尚、電力増幅器3を常にブランキング・オ
フの状態で使用すると、波形整形器2や電力増幅器3の
サーマルノイズが増幅され、送受信切替器4を介して受
信系に洩れ込む恐れがある。そこで、電力増幅器3と送
受信切替器4との間に、電力増幅器3と送受信切替器4
との間の接続を任意のタイミングで遮断できるスイッチ
回路11を設け、少なくとも受信系がNMR信号を受信
する時間帯には、電力増幅器3と送受信切替器4との間
の接続を遮断するようにした。これにより、NMR信号
を受信中には、波形整形器2や電力増幅器3が送受信切
替器4から遮断されるので、送受信切替器4を介して波
形整形器2や電力増幅器3のノイズが受信系に洩れ込む
といった問題は解消される。
【0027】このような、NMRパルスシーケンスに応
じたスイッチ回路11のオン/オフ制御もまた、パルス
発生器10により行なわれる。
【0028】図4は、簡単なシングルパルスの場合を例
にして、本発明におけるNMRパルスシーケンスとブラ
ンキングの関係をタイムチャートに示したものである。
図中、(a)は、NMRパルスシーケンスのタイムチャ
ートである。時間1の高周波パルスで測定試料中の原子
核の歳差運動を励起させ、時間2で検出器5のデッドタ
イムを経て、時間3で測定試料から放出されるNMR信
号を検出器5を介して取り込む。
【0029】また、(b)は、電力増幅器3のブランキ
ングの状態を示すタイムチャートである。時間1では、
波形整形器2から送られてくる高周波パルスを増幅し
て、検出器5に印加しなければならないため、当然、ブ
ランキング機能はオフの状態である。しかし、本実施例
ではそれのみならず、高周波パルスの増幅が終了した時
間2および時間3においても、ブランキング機能をオフ
の状態のまま維持して、電力増幅器3の内部の能動素子
を熱平衡の状態に保ち、電力増幅器3からの出力レベル
を安定化させるようにする。
【0030】また、(c)は、スイッチ回路11の導通
状態を示すタイムチャートである。時間1では、電力増
幅器3から送られてくる高周波パルスを通過させて、検
出器5に印加させなければならないため、当然、導通状
態は通過モードとする。通常、スイッチ回路11の導通
状態は、電力増幅器3の出力端子から高周波信号が出力
される数μsec手前で通過モードにすることで、パル
ス波形の立ち上がり時間が遅れないようにする。時間1
で高周波パルスを通過させた後は、導通状態を遮断モー
ドにして、電力増幅器3からのサーマルノイズの通過を
遮断し、送受信切替器4への出力ノイズを低減させる。
【0031】また、(d)は、送受信切替器4の切替状
態を示すタイムチャートである。電力増幅器3から高周
波パルスが出力される時間1、および検出器5のデッド
タイム期間である時間2では、送受信切替器4は、電力
増幅器3と検出器5との間を接続し、検出器5と受信器
7との間、および電力増幅器3と受信器7との間を遮断
する送信モードに設定される。また、検出器5からNM
R信号が出力される時間3では、送受信切替器4は、検
出器5と受信器7との間を接続し、電力増幅器3と検出
器5との間、および電力増幅器3と受信器7との間を遮
断する受信モードに設定される。
【0032】さて、上記スイッチ回路11には、さまざ
まな回路が適用できる。図5は、電力増幅器3と送受信
切替器4の間の接続を任意のタイミングで遮断できるス
イッチ回路11の一実施例を示したものである。図中、
1とC2は、DC電流をカットするためのコンデンサー
である。また、D1、・・・・・・、Dnは、1個ないし複数個
のダイオードである。各ダイオードの一端は、コンデン
サーC1とコンデンサーC2によってDC的に遮断された
高周波線路側に接続され、他端はアース側に接続されて
いる。また、これらのダイオードは、それぞれアース側
に向けて順方向となるように接続されている。これらの
ダイオードとしては、高周波に対して低損失な特性を持
ったピンダイオードなどが、主に使用される。また、C
1は、チョークコイル(インダクター)である。一端
はダイオードD1とダイオードDnの接続点に、また他端
は図示しないバイアス回路に、それぞれ接続されてい
る。
【0033】このような構成において、検出器5からの
微弱なNMR信号を受信系が受信する時間帯には、波形
整形器2や電力増幅器3のサーマルノイズが送受信切替
器4のアイソレーションの壁を越えて受信系に洩れ込む
のを防止するために、図示しないバイアス回路からダイ
オードD1、・・・・・・、Dnに対して正のバイアス電圧を印
加して、ダイオードの導通状態をオンの状態にする。こ
れにより、波形整形器2や電力増幅器3のサーマルノイ
ズは、ダイオードを通ってアース側に流れ、送受信切替
器4側(RF out側)には流れない。結果的に、サーマル
ノイズが送受信切替器4のアイソレーションの壁を越え
て受信系に洩れ込むことはない。
【0034】また逆に、電力増幅器3から高周波パルス
を検出器5に印加する時間帯には、図示しないバイアス
回路からダイオードD1、・・・・・・、Dnに対して逆のバイ
アス電圧を印加して、ダイオードの導通状態をオフの状
態にする。これにより、電力増幅器3から出力された高
周波信号は、ダイオードを通ることなく送受信切替器4
側(RF out側)に流れ、アース側には流れない。結果的
に、高周波パルスは、送受信切替器4を介して検出器5
に効率良く印加され、検出器5内に設置された測定試料
中の所定の原子核の歳差運動を励起させることができ
る。
【0035】尚、上記バイアス回路の制御が、ホストコ
ンピューターによりタイミングを制御された図3のパル
ス発生器10からのパルス信号によって行なわれること
は、既に述べた通りである。
【0036】図5で示したスイッチ回路11には、さま
ざまな変形例が考えられる。例えば、図6に示すよう
に、ダイオードを複数個直列に配列しても良い。また、
入出力端子間のアイソレーションを向上させるために、
例えば、図7に示すように、図5のようなスイッチ回路
を複数段直列に結合させることも考えられる。
【0037】また、図8は、電力増幅器3と送受信切替
器4の間の接続を任意のタイミングで遮断できるスイッ
チ回路11の別の実施例を示したものである。図中、C
1とC2は、DC電流をカットするためのコンデンサーで
ある。また、D1、・・・・・・、Dnは、1個ないし複数個の
ダイオードである。これらのダイオードとしては、高周
波に対して低損失な特性を持ったピンダイオードなど
が、主に使用される。
【0038】図示しないバイアス回路から供給されるバ
イアス電圧は、チョークコイル(インダクター)CH1
を介してダイオードD1とダイオードDnの接続点に印加
されるようになっている。また、ダイオードD1は、こ
の接続点から高周波の入力端子側(RF in側)に向けて
順方向になるように接続され、ダイオードDnは、この
接続点から高周波の出力端子側(RF out側)に向けて順
方向になるように接続されている。
【0039】また、チョークコイル(インダクター)C
2は、一端がコンデンサーC1とダイオードD1との接
続点に接続され、他端はアースに接続されている。ま
た、チョークコイル(インダクター)CH3は、一端が
コンデンサーC2とダイオードD nとの接続点に接続さ
れ、他端はアースに接続されている。
【0040】このような構成において、検出器5からの
微弱なNMR信号を受信系が受信する時間帯には、波形
整形器2や電力増幅器3のサーマルノイズが送受信切替
器4のアイソレーションの壁を越えて受信系に洩れ込む
のを防止するために、図示しないバイアス回路からダイ
オードD1、・・・・・・、Dnに対して逆のバイアス電圧を印
加して、ダイオードの導通状態をオフの状態にする。こ
れにより、波形整形器2や電力増幅器3のサーマルノイ
ズは、チョークコイル(インダクター)を通ってアース
側に流れ、送受信切替器4側(RF out側)には流れな
い。結果的に、サーマルノイズが送受信切替器4のアイ
ソレーションの壁を越えて受信系に洩れ込むことはな
い。
【0041】また逆に、電力増幅器3から高周波パルス
を検出器5に印加する時間帯には、図示しないバイアス
回路からダイオードD1、・・・・・・、Dnに対して正のバイ
アス電圧を印加して、ダイオードの導通状態をオンの状
態にする。これにより、電力増幅器3から出力された高
周波信号は、ダイオードを通って送受信切替器4側(RF
out側)に流れ、アース側には流れない。結果的に、高
周波パルスは、送受信切替器4を介して検出器5に効率
良く印加され、検出器5内に設置された測定試料中の所
定の原子核の歳差運動を励起させることができる。
【0042】尚、上記バイアス回路の制御が、ホストコ
ンピューターによりタイミングを制御された図3のパル
ス発生器10からのパルス信号によって行なわれること
は、既に述べた通りである。
【0043】図8で示したスイッチ回路11には、さま
ざまな変形例が考えられる。例えば、図9に示すよう
に、ダイオードD1、・・・・・・、Dnを高周波入力端子(RF
in)に向けて順方向になるように配列されたもののみ
に限定しても良い。また逆に、図10に示すように、ダ
イオードD1、・・・・・・、Dnを高周波出力端子(RF out)
に向けて順方向になるように配列されたもののみに限定
しても良い。
【0044】また、図11に示すように、チョークコイ
ル(インダクター)CH1の一端とチョークコイル(イ
ンダクター)CH2の一端をそれぞれバイアス回路に接
続し、他端をコンデンサーC1とダイオードD1の接続点
およびコンデンサーC2とダイオードDnの接続点に接続
すると共に、チョークコイル(インダクター)CH3
一端をダイオードD1とダイオードDnの接続点に接続
し、他端をアースに接続しても良い。この場合は、ダイ
オードの向きが、図8の場合とは逆方向になる。
【0045】また、入出力端子間のアイソレーションを
向上させるために、例えば、図12に示すように、図8
のようなスイッチ回路を複数段直列に結合させることも
考えられる。
【0046】また、図13は、電力増幅器3と送受信切
替器4の間の接続を任意のタイミングで遮断できるスイ
ッチ回路11の更に別の実施例を示したものである。図
中、SW1は、外部からの切替信号によって動作する切
替スイッチで、例えば、高速で動作する半導体スイッチ
などが用いられる。また、R1は、一端をアースに接続
された終端抵抗器である。
【0047】このような構成において、検出器5からの
微弱なNMR信号を受信系が受信する時間帯には、波形
整形器2や電力増幅器3のサーマルノイズが送受信切替
器4のアイソレーションの壁を越えて受信系に洩れ込む
のを防止するために、切替スイッチSW1を終端抵抗器
1側へ導通するように、切替信号を制御する。これに
より、波形整形器2や電力増幅器3のサーマルノイズ
は、切替スイッチSW1と終端抵抗器R1とを通ってアー
ス側に流れ、送受信切替器4側(RF out側)には流れな
い。結果的に、サーマルノイズが送受信切替器4のアイ
ソレーションの壁を越えて受信系に洩れ込むことはな
い。
【0048】また逆に、電力増幅器3から高周波パルス
を検出器5に印加する時間帯には、切替スイッチSW1
を終端抵抗器R1とは反対の側へ導通するように、切替
信号を制御する。これにより、電力増幅器3から出力さ
れた高周波信号は、切替スイッチSW1を通って送受信
切替器4側(RF out側)に流れ、アース側には流れな
い。結果的に、高周波パルスは、送受信切替器4を介し
て検出器5に効率良く印加され、検出器5内に設置され
た測定試料中の所定の原子核の歳差運動を励起させるこ
とができる。
【0049】尚、上記切替スイッチSW1の制御が、ホ
ストコンピューターによりタイミングを制御された図3
のパルス発生器10からのパルス信号によって行なわれ
ることは、既に述べた通りである。
【0050】図13で示したスイッチ回路11には、さ
まざまな変形例が考えられる。例えば、図14に示すよ
うに、2つの切替スイッチSW1、SW2とフィルター回
路FL1とを備え、両スイッチを互いに同期させて切り
替えることにより、検出器5からの微弱なNMR信号を
受信系が受信する時間帯には、フィルター回路FL1
介して高周波入力端子(RF in)と高周波出力端子(RF
out)の間を導通させるようにし、逆に、電力増幅器3
から高周波パルスを検出器5に印加する時間帯には、フ
ィルター回路FL1を介さずに高周波入力端子(RF in)
と高周波出力端子(RF out)の間を直接導通させるよう
にしても良い。
【0051】これにより、検出器5からの微弱なNMR
信号を受信系が受信する時間帯には、波形整形器2や電
力増幅器3のサーマルノイズを送受信切替器4から遮断
することができ、電力増幅器3から高周波パルスを検出
器5に印加する時間帯には、高周波パルスを効率良く送
受信切替器4に向けて通過させることができる。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のNMR装置
の送受信回路によれば、電力増幅器を常時ブランキング
・オフの状態で使用すると共に、電力増幅器と送受信切
替器との間に、少なくとも受信器がNMR信号を受信す
る時間帯に、電力増幅器と送受信切替器との間を遮断す
るスイッチ回路を設けたので、電力増幅器の出力を、そ
の使用頻度にかかわらず常に熱的に安定化させることが
でき、しかも、電力増幅器で発生するノイズが受信系に
洩れ込むことをも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のNMR装置の送受信回路を示す図であ
る。
【図2】従来のNMR装置の送受信回路のタイムチャー
トを示す図である。
【図3】本発明にかかるNMR装置の送受信回路の一実
施例を示す図である。
【図4】本発明にかかるNMR装置の送受信回路のタイ
ムチャートを示す図である。
【図5】本発明に用いられるスイッチ回路の一実施例を
示す図である。
【図6】本発明に用いられるスイッチ回路の一実施例を
示す図である。
【図7】本発明に用いられるスイッチ回路の一実施例を
示す図である。
【図8】本発明に用いられるスイッチ回路の一実施例を
示す図である。
【図9】本発明に用いられるスイッチ回路の一実施例を
示す図である。
【図10】本発明に用いられるスイッチ回路の一実施例
を示す図である。
【図11】本発明に用いられるスイッチ回路の一実施例
を示す図である。
【図12】本発明に用いられるスイッチ回路の一実施例
を示す図である。
【図13】本発明に用いられるスイッチ回路の一実施例
を示す図である。
【図14】本発明に用いられるスイッチ回路の一実施例
を示す図である。
【符号の説明】
1・・・発振器、2・・・波形整形器、3・・・電力増幅器、4・
・・送受信切替器、5・・・検出器、6・・・前置増幅器、7・・
・受信器、8・・・AD変換器、9・・・ホストコンピュータ
ー、10・・・パルス発生器、11・・・スイッチ回路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波パルスを出力する電力増幅器と、電
    力増幅器のパルス出力を受けて試料に高周波磁界パルス
    を印加すると共に、試料から放出されるNMR信号を検
    出する検出器と、検出器からのNMR信号を受信する受
    信器と、電力増幅器と検出器と受信器との間の接続のか
    なめに位置し、電力増幅器から高周波パルスが出力され
    る時間帯には、電力増幅器と検出器との間を接続し、検
    出器と受信器との間、および電力増幅器と受信器との間
    を遮断すると共に、試料からNMR信号が放出される時
    間帯には、検出器と受信器との間を接続し、電力増幅器
    と検出器との間、および電力増幅器と受信器との間を遮
    断する送受信切替器と、電力増幅器と送受信切替器との
    間に設けられ、少なくとも受信器がNMR信号を受信す
    る時間帯に、電力増幅器と送受信切替器の間を遮断する
    スイッチ回路とを備えたことを特徴とするNMR装置の
    送受信回路。
  2. 【請求項2】前記電力増幅器は、高周波パルスを出力す
    る時間帯のみならず、高周波パルスを出力しない時間帯
    にも、ブランキング・オフの状態で使用されることを特
    徴とする請求項1記載のNMR装置の送受信回路。
  3. 【請求項3】前記スイッチ回路は、ダイオード、コンデ
    ンサー、およびインダクターをその構成要素に含むゲー
    ト制御回路であることを特徴とする請求項1または2記
    載のNMR装置の送受信回路。
  4. 【請求項4】前記スイッチ回路は、半導体スイッチをそ
    の構成要素に含むゲート制御回路であることを特徴とす
    る請求項1または2記載のNMR装置の送受信回路。
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US7609064B2 (en) 2006-06-05 2009-10-27 Hitachi, Ltd. Probe configured for NMR apparatus and NMR apparatus using the same

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