WO2010041712A1 - 核磁気共鳴装置用送受信切替回路および核磁気共鳴装置 - Google Patents

核磁気共鳴装置用送受信切替回路および核磁気共鳴装置 Download PDF

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Abstract

 検出コイル冷却式固体NMRプローブに用いて好適なNMR装置用送受信切替回路を提供する。  極低温に冷却し、熱雑音を下げて使用されるNMR装置用送受信切替回路において、NMR分光計の電力増幅器から送信されてくる高電力の高周波パルスを入力する第1の端子と、該第1の端子から入力された高周波パルスを、クロスダイオードを介してNMR検出器に送信・出力すると共に、該NMR検出器で検出された低電力のNMR信号を受信・入力する第2の端子と、該第2の端子から受信・入力されたNMR信号を前置増幅器に向けて送信・出力する第3の端子とを備え、第2の端子と第3の端子を結ぶ伝送線には、高周波の位相が90°ずれるごとにそれぞれシャントを設けた。

Description

核磁気共鳴装置用送受信切替回路および核磁気共鳴装置
 本発明は、核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)装置に用いられる送受信切替回路および該送受信切替回路を組み込んだNMR装置に関し、より詳しくは、検出コイル冷却式固体NMR測定装置に用いられる低雑音送受信切替回路および該送受信切替回路を組み込んだNMR装置に関する。
 NMR装置は、静磁場中に置かれた被測定試料にNMR周波数を有する高周波をパルス的に照射し、その後、被測定試料が発生する微弱な高周波信号(NMR信号)を検出し、その中に含まれている分子構造情報を抽出することによって分子構造を解析する装置である。
 図1はNMR装置の概略構成図である。高周波発振器(RF OSCILLATOR)1で発生された高周波は、位相制御器(PHASE CONTROLLER)2及び振幅制御器(AMPLITUDE CONTROLLER)3によって位相と振幅時間幅(パルス幅)を制御され、高周波パルスとして電力増幅器(パワーアンプ)(POWER AMPLIFIER)4に送られる。
 電力増幅器4で、NMR信号を励起するために必要な電力にまで増幅された高周波パルスは、デュプレクサ(DUPLEXER)5を介してNMRプローブ(NMR PROBE)6に送られて、NMRプローブ6内に置かれた図示しない検出コイル(DETECTOR COIL)から被測定試料に照射される。以下、NMRプローブ6を検出コイル6ともいう。
 高周波パルス照射後、被測定試料が発生する微弱なNMR信号は、前記検出コイルにより検出され、デュプレクサ5を介して前置増幅器(プリアンプ)(PREAMPLIFIER)7に送られ、受信器(RECEIVER)8で取り扱い可能な信号強度にまで増幅される。
 受信器8は、前置増幅器7で増幅された高周波のNMR信号を、デジタル信号に変換可能なオーディオ周波数に周波数変換し、同時に振幅の制御を行なう。受信器8でオーディオ周波数に周波数変換されたNMR信号は、アナログ-デジタルデータ変換器(A/D変換器)(ANALOG-TO-DIGITAL CONVERTER)9によってデジタル信号に変換され、制御コンピュータ(CONTROL COMPUTER)10に送られる。
 制御コンピュータ10は、位相制御器2及び振幅制御器3を制御すると共に、時間領域で取り込んだNMR信号をフーリェ変換処理し、フーリェ変換後のNMR信号の位相を補正した後、NMRスペクトルとして表示する。
 このようなNMR装置においては、高周波パルスをNMRプローブ6に送信する送信モードと、NMRプローブ6によって検出された微弱なNMR信号を前置増幅器7を介して受信器8に送る受信モードとの切替を、デュプレクサ5によって行なっている。
 一般的には、デュプレクサ5は、制御コンピュータ10から出力される制御信号に基づき駆動回路(DRIVER)11が出力する切替信号により、送信モードと受信モードの切替を行なう方式のものと、特許文献1に開示された、クロスダイオードを用いて送信モードと受信モードの切替を自動的に行なう方式のものが知られている。
 図2は、クロスダイオードを用いて送信モードと受信モードの切替を行なう方式の従来のデュプレクサの一例を示したものである。
 この回路では、高周波パルス送信時には、外側導体が接地され、高周波の波長λの4分の1(λ/4)に相当する長さを持つ同軸ケーブル12と、相互に逆接続された一対のダイオードから構成されるクロスダイオード13とで、高周波電流をアースに落とすことによって受信器(RECEIVER)8側への高周波リークを防止し、NMR信号受信時には、クロスダイオード14の絶縁性によって、NMR信号が電力増幅器(POWER AMPLIFIER)4へ行かないようになっている。
 これらは、クロスダイオードが所定のバイアス電圧以下の低電圧信号を通さず、所定のバイアス電圧以上の高電圧信号のみを通す性質を持つこと、すなわち、大きな電力が印加されるとONになって電気を通すが、小さな電力ではOFFのままとなって電気を通さない絶縁特性を利用したものである。
 すなわち、λ/4の長さのケーブル12を用いれば、検出コイル(DETECTOR COIL)6側端部aにおいてインピーダンスが最大、受信器8側端部bにおいてインピーダンスが最小となる。そこで電力増幅器4から出力される高電力の高周波パルスが検出コイル6に印加されると(クロスダイオード14は自動的にONになる)、受信器8側端部bにおいて最大となる高周波のリーク電力は、クロスダイオード13の透過特性を自動的にONにしてアースに流れる。これにより、受信器8に向かっては高周波パルスのリーク電力は流れず、受信器8は高電力から守られる。
 また、検出コイル6から微弱なNMR信号が出力される際には、クロスダイオード14および13の電気特性はともに絶縁状態(OFF)のままとなるので、電流が電力増幅器4側およびアースに流れることはなく、NMR信号は全て受信器8に向かって伝送される。
特開昭59-171842号公報 米国特許第7282919号公報 R. W. Vaughan et al., Review of Scientific Instruments, Vol.43, pp1356-1364.
 ところが、このようなデュプレクサを検出コイル冷却式固体NMR測定装置に用いることにした場合、次のような問題があった。
 第1の問題点は、低温で動作するデュプレクサが無いことである。すなわち、NMRスペクトルのS/Nに関する方程式は、以下の式で与えられる(ただし、試料との誘電性結合は無視している)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 ここで、各パラメータの定義は、下記のとおりである。
VS:検出される核スピンに由来するNMRシグナルの起電力(電圧単位)
VN:検出コイル~前置増幅器出力までの雑音起電力の総和(電圧単位)
M0:当該静磁場における核スピンの熱平衡磁化
θm:検出コイルの作る振動磁場と静磁場の為す角度
μ0:真空の透磁率
vs:試料体積
ω0:当該静磁場における核スピンのラーモア周波数
kB:ボルツマン定数
Δf:観測帯域幅
Qc:検出コイルのQ値
ηf:フィリングファクター。原則的には試料空間における磁場強度とコイルが感じる全体の磁場強度との比(ソレノイドコイルの場合、簡単に、試料体積とコイル内の円筒体積との比で表わす)
Tc:検出コイル導体温度
Ta:前置増幅器の雑音温度
 検出部を低温に冷却して熱雑音を低減したMAS(Magic Angle Spinning)プローブは、試料を室温~所望の温度範囲に温度制御しながら高速回転(現状で~8kHz)させ、かつ磁化検出コイル(高周波パルス送信コイルを兼ねる)を極低温下(現状で~20K以下)に置くことにより、以下の2項目、すなわち、
(1)検出コイル導体由来の熱雑音(導体温度Tcに依存)を低減すること。
(2)検出コイル導体自身の電気抵抗(導体温度Tcに依存)を低減し、高周波抵抗を下げることにより、コイルのQ(Qc)を向上させること。
について改善し、室温下に置かれた試料に対するNMRスペクトルの感度向上を目指すプローブである。
 高分解能NMRのように、小信号の検出を行なう場合は、A/D コンバータにとって十分な信号感度を得るために、受信器の前段に前置増幅器(プリアンプ)が必要となる。この前置増幅器のゲインが十分に大きければ、後段の増幅器に由来する付加的雑音は殆ど無視できる。そこで、一般的にNMRのS/Nにおける雑音は、下記の3項目に由来すると考えられる。
(1)検出コイル由来の熱雑音(Tcに由来する)。
(2)検出コイル~前置増幅器の間(デュプレクサを含む)の挿入損失。
(3)前置増幅器の雑音指数(Taに関連する)。
 雑音の大きさは、雑音温度に換算して表わすと便利である。というのは、系のトータルの雑音温度は、各素子における損失・付加的雑音強度などを雑音温度に換算した、その和で表わされるからである。したがって、雑音を大きく低減するには、以上3項目のうち、1項目だけでは不十分であり、全体の雑音温度の低減を同時に達成しなければならない。
 しかしながら、従来、固体NMR用のデュプレクサにおける素子として利用されてきたSiダイオード(たとえば1S955 など)は、~50K以下でマイノリティ・キャリアが消失することにより整流作用を果たすことができなくなり、デュプレクサとして機能し得なくなるという欠点があった(参考文献:B. Lengeler, Cryogenics, Vol. 14(8), 439-447 (1974))。
 これを回避するため、デュプレクサを50K以上の比較的に高温の領域に置くことが考えられ、実際に従来の検出コイル冷却式溶液プローブでは、そのような対応がなされている。この方式の問題は、さらなる感度向上を図るべくコイルおよび前置増幅器の設置温度を低下させたときに、
(1)比較的に高温下に置かれたデュプレクサにおける挿入損失が、全体の雑音に比べて無視できなくないほど大きくなること。
(2)デュプレクサの設置箇所からの熱流入のために、コイル・前置増幅器の設置温度の到達限界が決定されてしまうこと。
の2つである。
 以上に挙げた理由から、検出コイル冷却式のMASプローブに限らず、類似のストラテジー(送受信に同じ回路を利用し、かつ信号切替回路を伴う装置)をもって感度向上を図ろうとする装置にとっては、検出コイルと前置増幅器の中間にあるデュプレクサをできるだけ低温下で動作させることが望ましい。
 次に、第2の問題点は、クロスダイオード単独では、高出力パルスのリーク高周波電力から、前置増幅器(特にHEMT(High Electron Mobility Transistor))の入力保護ができないことである。
 固体NMRでは、広幅にわたるスペクトルの励起/照射のため、高出力パルスを使用することが多い。低温で低雑音な特性を広帯域に得るには、GaAs/AlGaAsのHEMTを用いることが有用である。
 しかし、これらはSi系のアンプ(通常のNMRに利用されている)に比べると入力耐圧が弱いため、デュプレクサには、大信号に対する前置増幅器の入力保護性能も必要とされる。にもかかわらず、保護用の素子(特にダイオード)は、十分な信号の低減を行なうには、その動作抵抗が高いという致命的な欠点があるため、HEMTの利用は非常に困難になるという問題点がある。
 本発明の第1の目的は、第1の問題点に対して、GaAsダイオードを利用した低温デュプレクサを開発することである。すなわち、GaAs半導体は、Si系(Si、Ge など)半導体と異なり、マジョリティ・キャリアにより整流作用を果たす。このため、半導体を低温下に置いても、クーパー対の減少による影響をほとんど受けず、4K でも利用可能である(参考文献:前出、およびG. A. Rinard et al., J. Magn. Reson. Vol. 136, 207-210 (1999))。
 本発明の第2の目的は、第2の問題点に対して、RF-MEMS(Radio Frequency-Micro Electro Mechanical System)を利用した、低温低雑音前置増幅器(HEMT利用)の入力保護である。すなわち、低雑音アンプ中のHEMT素子の入力上限は~ 0 dBm(実験値)とされるが、パルスの過渡応答の一瞬でもオーバーしてはいけないので、メーカーの仕様上限値よりも一桁低い-10 dBmを下回ることが望ましい。
 クロスダイオードの後段では、リーク電力の定在波が発生するため、その電力振幅が最大となる1/4波長の位置で、再びクロスダイオードを設置することにより、付加的な電力低減を行なうことができる。
 しかし、GaAs素子によるPINダイオードは、順方向電圧が大きい(動作時抵抗が大きい)ため、導通可能な電力が比較的に高く、クロスダイオード単独では、HEMT素子を保護するのに十分なリーク電力の低減は難しい。
 GaAs ショットキバリア(Schottky-Barrier)ダイオードの順方向電圧はGaAs PINダイオードよりも低いが、それでも現在のところ、導通可能な電力の下限は、ゼロバイアス・クロスダイオード方式で、13~15 dBm(実験値)程度である。
 本発明者は、このGaAsダイオードでのカットアウト可能な電力の下限よりも下の電力領域で付加的な電力低減を行なうために、RF-MEMSスイッチの利用を考案した。RF-MEMSスイッチは、GaAs ダイオードに比べてはるかに低抵抗で、導体を直接的に接触させる方式であるから、小電力でも電力の低減を行なうことができる。ただし、必ずしも大電力伝送に向いていないので、GaAsクロスダイオードの後段に配置することで、安定的に利用することが可能となる。
 RF-MEMSスイッチは、オムロン社等によって特に研究が進められている。近年ではその動作耐久回数は1億回を上回り、実用に供せるレベルとなっている(参考URL: http://www.omron.co.jp/ecb/products/rf/)。このRF-MEMSスイッチ は、極低温下(17K 以上)において動作することが実験的に確かめられている。RF-MEMSスイッチ によって作られたシャント(シャントとは、近道とかバイパスの意)は、ダイオードが動作しない電力値においても有効に電力を低減し得る。
 これら2つの解決策を組み合わせれば、検出コイル冷却式固体NMR測定装置に用いて好適な低雑音送受信切替回路を提供することが可能になる。
 この目的を達成するため、本発明のNMR装置用送受信切替回路は、熱雑音を下げるために低温に冷却されて使用されるNMR装置用送受信切替回路において、観測用の高電力の高周波パルスが入力される第1の端子と、高周波パルスを試料に照射すると共に試料からのNMR信号を検出するためのNMR検出器に接続される第2の端子と、NMR信号を外部の受信回路に向けて出力するための第3の端子と、前記第1の端子から入力された高周波パルスを前記前記第2の端子へ供給するクロスダイオードと、前記第2の端子から入力されるNMR信号を前記第3の端子へ伝送する伝送線路と、該伝送線路に介挿される直列接続された複数段の移相器であって、前記高周波パルスの高周波の位相を(90°+180°×n)(ただし、nは0または自然数)で表わされる角度ずつそれぞれ移相させる移相器と、前記複数段の移相器の各移相器の出力端と接地間にそれぞれ挿入されるシャントとを備え、観測用の高周波パルスが前記第1の端子に入力された場合には、前記クロスダイオードと前記シャントが導通状態になり高周波パルスが前記第1の端子から前記第2の端子を介して前記NMR検出器へ供給され、前記高周波パルスの照射後前記第2の端子から前記NMR信号が入力される場合には、前記クロスダイオードと前記シャントが遮断状態となってNMR信号が前記第2の端子から前記第3の端子へ伝送されるように構成されていることを特徴している。
 また、前記移相器は直列接続された3段移相器から成り、前記シャントとして、前記第2の端子側から前記第3の端子側に向けて、GaAsPINダイオードで構成されたクロスダイオード、GaAsショットキバリアダイオードで構成されたクロスダイオード、観測用の高周波パルスが前記第1の端子に入力された期間にオンになり、高周波パルスの照射後前記第2の端子から前記NMR信号が入力される期間にオフになるように制御されるRF-MEMSスイッチがこの順序で配設されていることを特徴としている。
 また、本発明にかかるNMR装置は、上記のようなNMR装置用送受信切替回路を組み込んだ検出コイル冷却式固体NMR装置であることを特徴としている。
 本発明にかかるNMR装置用送受信切替回路によれば、熱雑音を下げるために低温に冷却されて使用されるNMR装置用送受信切替回路において、観測用の高電力の高周波パルスが入力される第1の端子と、高周波パルスを試料に照射すると共に試料からのNMR信号を検出するためのNMR検出器に接続される第2の端子と、NMR信号を外部の受信回路に向けて出力するための第3の端子と、前記第1の端子から入力された高周波パルスを前記第2の端子へ供給するクロスダイオードと、前記第2の端子から入力されるNMR信号を前記第3の端子へ伝送する伝送線路と、該伝送線路に介挿される直列接続された複数段の移相器であって、前記高周波パルスの高周波の位相を(90°+180°×n)(ただし、nは0または自然数)で表わされる角度ずつそれぞれ移相させる移相器と、前記複数段の移相器の各移相器の出力端と接地間にそれぞれ挿入されるシャントとを備え、観測用の高周波パルスが前記第1の端子に入力された場合には、前記クロスダイオードと前記シャントが導通状態になり高周波パルスが前記第1の端子から前記第2の端子を介して前記NMR検出器へ供給され、前記高周波パルスの照射後前記第2の端子から前記NMR信号が入力される場合には、前記クロスダイオードと前記シャントが遮断状態となってNMR信号が前記第2の端子から前記第3の端子へ伝送されるように構成されているので、検出コイル冷却式固体NMRプローブに用いて好適なNMR装置用送受信切替回路を提供することが可能になった。
図1は従来のNMR装置の構成の一例を示す図である。 図2は従来のデュプレクサの一例を示す図である。 図3は本発明にかかる低温冷却式デュプレクサ(低温デュプレクサ)の一実施例を示す図である。(実施例1) 図4は本発明にかかる低温冷却式デュプレクサ(低温デュプレクサ)を組み込んだ検出コイル冷却式固体NMRプローブの一実施例を示す図である。 図5は本発明にかかる低温冷却式デュプレクサ(低温デュプレクサ)の送信モードでの動作を示す図である。 図6は本発明にかかる低温冷却式デュプレクサ(低温デュプレクサ)の受信モードでの動作を示す図である。 図7は本発明にかかる低温冷却式デュプレクサ(低温デュプレクサ)におけるRF-MEMSスイッチの動作を示す図である。 図8は本発明にかかる低温冷却式デュプレクサ(低温デュプレクサ)の別の実施例を示す図である。(実施例2)
1 高周波発振器
2 位相制御器
3 振幅制御器
4 電力増幅器
5 デュプレクサ
6 NMRプローブ(検出コイル)
7 前置増幅器
8 受信器
9 A/D変換器
10 制御コンピュータ
11 駆動回路
12 同軸ケーブル
13 クロスダイオード
14 クロスダイオード
20 送受信切替回路基板
21 対電力増幅器入力端子
22 対NMRプローブ入出力端子
23 対前置増幅器出力端子
24 クロスダイオード
25-1 移相器
25-2 移相器
25-3 移相器
26 クロスダイオード・シャント
27 クロスダイオード・シャント
28 RF-MEMSスイッチ・シャント
29 スイッチ駆動用端子
31 低温用デュプレクサ
32 前置増幅器
33 輻射シールド
34 コールドステージ
35 第2熱交換器
36 液体ヘリウム溜め(第1熱交換器)
37 送受信コイル
38 同調整合用バリコン
39 液体ヘリウム注入口
40 ヘリウムガス出口
41 前置増幅器の出力端子
42 対電力増幅器入力端子
43 スイッチ駆動用端子
44 液体ヘリウム送液パイプ
45 ヘリウムガス戻りパイプ
51 検出部
52 中継部
53 電気回路部
54 冷媒導入導出部
 本発明にかかるNMR装置用送受信切替回路が組み込まれるNMR装置は、図1に示した従来のNMR装置の概略構成図と基本的に同じである。通常、NMRプローブ6とデュプレクサ5と前置増幅器7はそれぞれ別々の装置であるが、検出コイル冷却式MASプローブでは、この3つの装置を一つの筐体内に据えつけて冷却することを必要とする。
 図3に、本発明にかかるNMR装置用送受信切替回路(低温デュプレクサ)の一実施例を示す。図3において、20は送受信切替回路基板(基板)であり、後述する冷却機構により、搭載する素子ともども45K程度の温度に冷却される。
 基板20には、電力増幅器から高周波パルスが入力される入力端子(対電力増幅器入力端子)21、NMRプローブと接続される入出力端子(対NMRプローブ入出力端子)22、前置増幅器へNMR信号を出力するための出力端子(対前置増幅器出力端子)23、スイッチ駆動信号が入力される入力端子(スイッチ駆動用端子)29を備えている。
 入力端子21からの伝送線には、直列にクロスダイオード24が接続される。クロスダイオード24の出力端Aは入出力端子22に接続され、また、90°移相器25-1(しばしばLC共振回路や1/4波長同軸ケーブルで代用される)により中継された端Bで、伝送線とグランドの間にGaAs PINダイオードによるクロスダイオード・シャント26が挿入される。
 さらに、この出力端Bから90°移相器25-2により中継された端Cに、GaAs ショットキバリアダイオードによるクロスダイオード・シャント27が挿入される。
 さらに、この出力端Cから90°移相器25-3により中継された端Dに、RF-MEMSスイッチによるRF-MEMSスイッチ・シャント28を挿入した上で、対前置増幅器出力端子23へ接続される。
 以下、クロスダイオード・シャント26、クロスダイオード・シャント27およびRF-MEMSスイッチ・シャント28を、それぞれ、単にシャント26、シャント27およびシャント28ともいう。
 尚、上記90°移相器の代わりに、270°移相器や450°移相器など、(90°+180°×n)(ただし、nは自然数)で表わされる角度で高周波を移相させる移相器を用いても良い。
 また、本実施例では、3つのシャント26、27、28は、入力端子21から出力端子23に向けて、入力端子21側に配置された、より耐入力性能の大きなシャントと、出力端子23側に配置された、よりリーク電力の小さなシャントとから構成される。
 図4に、検出コイル冷却式MASプローブの機械設計図(断面図)の一実施例を示す。低温用デュプレクサ31(図3のもの)および前置増幅器32は、プローブの下部にあって、輻射シールド33と熱的に接触したコールドステージ34上に設置される。
 したがって、当該箇所においては、強い静磁場の影響をほとんど受けることなく、低温用デュプレクサ31および前置増幅器32を利用できる。コールドステージ34には、熱伝導性の高い金属(アルミニウム、銅など)を用い、輻射シールド33と殆ど同じ温度(およそ50K)で用いられる。
 低温用デュプレクサ31および前置増幅器32の使用温度は、第2熱交換器35の冷却能力と、外部からの流入熱(同軸ケーブル由来の伝導熱および輻射熱)とのバランスで決定され、実験的には液体ヘリウム流量3~4リットル/時のときで45Kである。
 本検出コイル冷却式MASプローブは、大きく4つの部位に分けられる。1番目は、固体測定用試料管を高速回転させながら、試料に対して高周波磁場を印加するとともに、印加後、試料から放出されるNMR信号を検出する送受信コイル37を配置した検出部51である。
 2番目は、当該検出部51を図示しない超伝導磁石の縦穴(ボア)中の所定位置に配置させ、該超伝導磁石の強力な静磁場内に検出部51を設置するために長く延びた中継部52である。
 3番目は、該中継部52の下端に位置し、前記送受信コイル37で検出されたNMR信号を増幅する前置増幅器32や、前記送受信コイル37と図示しない外部高周波回路の同調整合を取る低温用デュプレクサ31などが納められた電気回路部53である。
 4番目は、前記送受信コイル37、前置増幅器32、低温用デュプレクサ31、同調整合用バリコン38等を極低温に冷却するための冷媒(液体ヘリウム)をMASプローブ内に導入したり、MASプローブ内から導出したりする冷媒導入導出部54である。
 尚、本MASプローブの内部は、気体の熱伝導が支配的でない10-7Torr程度の真空に保たれていて、MASプローブ内の構造物間は真空層により互いに断熱されている。また、真空層と外気との遮断壁には、ガラス繊維強化プラスチックが用いられている。
 冷却方法は、次の通りである。まず、液体ヘリウム注入口39から4Kの液体ヘリウムがMASプローブ内に注入される。
 注入された液体ヘリウムは、中継部52の液体ヘリウム送液パイプ44を通って、中継部最上段(検出部直下)の液体ヘリウム溜め(第1熱交換器)36に送られる。
 この液体ヘリウムが液体ヘリウム溜め36内で気化する際に気化熱を奪って、液体ヘリウム溜め36に熱接触している検出部51の送受信コイル37、同調整合用バリコン38を10K以下に冷却すると共に、コールドステージ34を介して電気回路部53内の低温用デュプレクサ31と前置増幅器32を45K付近まで冷却する。
 気化後の低温ヘリウムガスは、中継部52の液体ヘリウム送液パイプ44の外側を同軸状に真空層を介して取り囲むヘリウムガス戻りパイプ45を通ってヘリウムガス出口40に送られる。
 その途中、戻りヘリウムガスは、外界からの輻射熱を遮るために設けられ、液体ヘリウム送液パイプ44とヘリウムガス戻りパイプ45の周りを筒状に包囲する50K輻射シールド33を第2熱交換器35を介して45K付近まで冷却し、中継部52を通る液体ヘリウム送液パイプ44とコールドステージ34が外界からの輻射熱によって暖まることを防ぐ。
 尚、41は前置増幅器32の出力端子、42は対電力増幅器入力端子、43はスイッチ駆動用端子である。
 低温用デュプレクサ31の特徴は、低温下での高周波特性に優れ、逆方向耐圧の高いGaAsダイオードをゼロバイアスで交差させたクロスダイオード24を用いることである。クロスダイオード24は、大電力に対して導通し、小電力に対して絶縁体として働くので、電力増幅器からの大電力高周波パルスと、NMRプローブからの小電力NMR信号とを切り替えることができる。
 さらに、クロスダイオード24の出力端Aから前置増幅器の入力端Cへ至る伝送線は、移相器25-1により90°移相し、クロスダイオード・シャント26でグランドにシャントすることで、回路全体の整合に影響を及ぼすことなく、前置増幅器側への電力のリークを抑制することができる。さらに、移相器25-1の後段に90°移相器25-2による90°移相とクロスダイオード・シャント27によるシャント、および、移相器25-3による90°移相とRF-MEMSスイッチ・シャント28によるシャントを繰り返すことで、リーク高周波電力をさらに低減し、前置増幅器をリーク高周波電力から保護することができる。
 具体的な動作を模式的に図5~7に示す。
(1)高出力高周波(RF)照射時(図5の場合):このときは、全てのクロスダイオードが導通状態となる。また、シャント28のRF-MEMSスイッチは、スイッチ駆動用端子29への入力信号により、能動的に導通状態にさせる。
 すなわち、分岐点Aでインピーダンスが最大であるから、90°移相器25-1により90°移相した点Bではインピーダンスが最小となるので、GaAsPINダイオードによるクロスダイオード・シャント26でシャントすると定在波が立ち、ほとんど損失無く、入出力端子22を介して接続されるNMRプローブ側へ電力伝送ができる。
 しかしながら、GaAsPINダイオードによるクロスダイオード・シャント26の抵抗は一定の大きさを有するので、リーク高周波電力の一部は前置増幅器側に漏れる。この前置増幅器側へのリーク高周波電力を低減するため、次の90°移相器25-2により90°移相した点(インピーダンス最小点)Cにおいて、GaAs ショットキバリアダイオードによるクロスダイオード・シャント27でシャントする。
 さらに、GaAs ショットキバリアダイオードによるクロスダイオード・シャント27も、GaAsPINダイオードによるクロスダイオード・シャント26の抵抗に較べると小さいものの、一定の大きさの抵抗を有するので、リーク高周波電力の一部は、わずかながら前置増幅器側に漏れる。
 このわずかな前置増幅器側へのリーク高周波電力を低減するため、さらに次の90°移相器25-3により90°移相した点(インピーダンス最小点)Dにおいて、RF-MEMSスイッチ・シャント28でシャントして、HEMT素子の保護として十分な大きさになるまでにリーク高周波電力を低減する。
(2)試料磁化検出時(図6の場合):このときは、NMR信号が電力レベルとしてきわめて小さいため、全てのクロスダイオード24、26、27が絶縁状態となる。また、シャント28のRF-MEMSスイッチは、スイッチ駆動用端子29への入力信号を切ることによって、能動的に絶縁状態にさせる。
 電力増幅器からの高周波パルスの照射を終えると、試料中で励起された磁化は観測平面内で自由振動減衰を生じ、これが検出コイルによって誘導起電力としてピックアップされる。この誘導起電力(NMR信号)は、NMRプローブの検出コイルを信号源として、入出力端子22に伝送され、低温デュプレクサに入る。
 ただし、誘導起電力は、10W以上の励起用高周波パルス電力に比べてはるかに小さく、せいぜいμVの電圧オーダーであるから、クロスダイオード24を導通状態にすることはない。そのため、信号は対電力増幅器入力端子21方面には流れず、またシャント26,27,28のクロスダイオードやRF-MEMSスイッチをも流れないため、出力端子23までほぼ無損失に伝送され、効率よく信号を取得・増幅することができる。
(3)RF-MEMSスイッチ切替のタイミング
 本発明にかかる低温デュプレクサの上記(1)~(2)における動作の間、RF-MEMSスイッチがどのように切り替られるかを、図7のタイミング・チャートに示した。GaAs PINダイオード、GaAs ショットキバリアダイオードはピコ秒の切替速度を持つが、RF-MEMSスイッチの切替速度は機械的動作を伴うために、それよりもずっと遅い(10μs以内)。
 そこで、RFパルスを照射しはじめるよりも前に、制御信号TTLを分光計(図1の制御コンピュータ10相当)の論理出力端子からDCアンプ(図1の駆動回路11相当)を介して昇圧し低温デュプレクサのRF-MEMSスイッチ制御入力端子(図3のスイッチ駆動用端子29)に送信する。制御信号TTLのパルス幅は、実験的に得られるRF-MEMSスイッチの切替時間以上(10μs以上、図7の2.)を要する。さらに、NMRのRFパルスが照射されている間、論理出力TTLはRF-MEMSスイッチをONの状態に維持しており、前置増幅器をRFパルスの過大入力から保護する。
 そして、NMRのRFパルス出力が終わると同時に制御信号TTLはOFFにされ、低温デュプレクサ内のRF-MEMSスイッチは一定の切替時間(10μs以内、図7の3.)のあと完全にOFFの状態に戻り、低温デュプレクサにおける対NMRプローブ入出力端子(図3の入出力端子22)から対前置増幅器出力端子(図3の出力端子23)の間の損失は1dB以下に抑えられて、NMR信号をほとんど損なうことなく前置増幅器に伝送することができる。
 このとき、RF-MEMSスイッチの切替時間(図7の3.)は、NMR装置の過渡応答が収まる時間(NMR装置のデッドタイム、図7の1.)よりも短くなっている。
 実施例1において示した動作(図5および図6によって示された動作)は、以下に示す構成によっても実現することができる。
 図8に、図3のシャントを複数段にした低温デュプレクサの回路図を示す。対電力増幅器入力端子21からの線に、直列にクロスダイオード24を挿入する。クロスダイオード24の出力端Aから、磁化検出回路用に対NMRプローブ入出力端子22が分岐される。さらに、この分岐点Aから対前置増幅器出力端子23に向けて、複数段(この例では合計2段)の90°移相器25-1(しばしばLC回路や同軸ケーブルで代用される)とGaAs PINダイオードによるクロスダイオード・シャント26を接続する。そして、その出力端Bから対前置増幅器出力端子23に向けて、さらに複数段(この例では合計2段)の90°移相器25-2とGaAs ショットキバリアダイオードによるクロスダイオード・シャント27を接続する。さらに、その出力端Cから対前置増幅器出力端子23に向けて、さらに複数段(この例では合計3段)の90°移相器25-3とRF-MEMSスイッチによるシャント28を接続する。
 本発明にかかる低温デュプレクサは、検出コイル冷却式固体NMRプローブに広く利用できる。

Claims (10)

  1. 熱雑音を下げるために低温に冷却されて使用される核磁気共鳴装置用送受信切替回路において、
    観測用の高電力の高周波パルスが入力される第1の端子と、
    高周波パルスを試料に照射すると共に試料からの核磁気共鳴信号を検出するための核磁気共鳴検出器に接続される第2の端子と、
    核磁気共鳴信号を外部の受信回路に向けて出力するための第3の端子と、
    前記第1の端子から入力された高周波パルスを前記第2の端子へ供給するクロスダイオードと、
    前記第2の端子から入力される核磁気共鳴信号を前記第3の端子へ伝送する伝送線路と、
    該伝送線路に介挿される直列接続された複数段の移相器であって、前記高周波パルスの高周波の位相を(90°+180°×n)(ただし、nは0または自然数)で表わされる角度ずつそれぞれ移相させる移相器と、
    前記複数段の移相器の各移相器の出力端と接地間にそれぞれ挿入されるシャントと
    を備え、
    観測用の高周波パルスが前記第1の端子に入力された場合には、前記クロスダイオードと前記シャントが導通状態になり高周波パルスが前記第1の端子から前記第2の端子を介して前記核磁気共鳴検出器へ供給され、
    前記高周波パルスの照射後前記第2の端子から核磁気共鳴信号が入力される場合には、前記クロスダイオードと前記シャントが遮断状態となって核磁気共鳴信号が前記第2の端子から前記第3の端子へ伝送される
    ように構成されていることを特徴とする核磁気共鳴装置用送受信切替回路。
  2. 前記複数のシャントは、前記第1の端子から前記第3の端子に向けて、前記第1の端子側に配置された、より耐入力性能の大きなシャントと、前記第3の端子側に配置された、よりリーク電力の小さなシャントとから構成されることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴装置用送受信切替回路。
  3. 前記移相器は直列接続された複数段の移相器から成り、初段の移相器の後段に置かれたシャントとして、GaAsPINダイオードで構成されたクロスダイオードが配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の核磁気共鳴装置用送受信切替回路。
  4. 前記移相器は直列接続された複数段の移相器から成り、前記GaAsPINダイオードで構成されたクロスダイオードが配設された段の次段の移相器の後段に置かれたシャントとして、GaAsショットキバリアダイオードで構成されたクロスダイオードが配設されていることを特徴とする請求項3記載の核磁気共鳴装置用送受信切替回路。
  5. 前記移相器は直列接続された複数段の移相器から成り、前記GaAsショットキバリアダイオードで構成されたクロスダイオードが配設された段の次段の移相器の後段に置かれたシャントとして、観測用の高周波パルスが前記第1の端子に入力された期間にオンになり、高周波パルスの照射後前記第2の端子から核磁気共鳴信号が入力される期間にオフになるように制御されるRF-MEMSスイッチが配設されていることを特徴とする請求項4記載の核磁気共鳴装置用送受信切替回路。
  6. 請求項1記載の核磁気共鳴装置用送受信切替回路を組み込んだ検出コイル冷却式固体核磁気共鳴装置。
  7. 前記複数のシャントは、前記第1の端子から前記第3の端子に向けて、前記第1の端子側に配置された、より耐入力性能の大きなシャントと、前記第3の端子側に配置された、よりリーク電力の小さなシャントとから構成されることを特徴とする請求項6記載の検出コイル冷却式固体核磁気共鳴装置。
  8. 前記移相器は直列接続された複数段の移相器から成り、初段の移相器の後段に置かれたシャントとして、GaAsPINダイオードで構成されたクロスダイオードが配設されていることを特徴とする請求項6または7記載の検出コイル冷却式固体核磁気共鳴装置。
  9. 前記移相器は直列接続された複数段の移相器から成り、前記GaAsPINダイオードで構成されたクロスダイオードが配設された段の次段の移相器の後段に置かれたシャントとして、GaAsショットキバリアダイオードで構成されたクロスダイオードが配設されていることを特徴とする請求項8記載の検出コイル冷却式固体核磁気共鳴装置。
  10. 前記移相器は直列接続された複数段の移相器から成り、前記GaAsショットキバリアダイオードで構成されたクロスダイオードが配設された段の次段の移相器の後段に置かれたシャントとして、観測用の高周波パルスが前記第1の端子に入力された期間にオンになり、高周波パルスの照射後前記第2の端子から核磁気共鳴信号が入力される期間にオフになるように制御されるRF-MEMSスイッチが配設されていることを特徴とする請求項9記載の検出コイル冷却式固体核磁気共鳴装置。
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