JP3293754B2 - Nmr検出器 - Google Patents

Nmr検出器

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JP3293754B2
JP3293754B2 JP03447097A JP3447097A JP3293754B2 JP 3293754 B2 JP3293754 B2 JP 3293754B2 JP 03447097 A JP03447097 A JP 03447097A JP 3447097 A JP3447097 A JP 3447097A JP 3293754 B2 JP3293754 B2 JP 3293754B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴(NM
R)装置に関し、特に試料を保持して静磁場内に配置す
ると共に、試料への高周波パルスの照射及びそれに続く
NMR信号の検出を行うNMR検出器(NMRプロー
ブ)に関する。
【0002】
【従来の技術】NMR装置では、静磁場内に配置された
試料に高周波パルスを照射し、それに基づいて試料から
発生する微弱なNMR信号を検出し、フーリエ変換など
の処理を行ってNMRスペクトルを得ている。
【0003】NMR検出器は、NMR装置の重要な構成
要素の一つであり、試料を収容して静磁場内に配置する
役割、試料の近傍に配置される送受信コイル及びこのコ
イルと組み合わされる同調回路を介して高周波パルスの
照射及びその後のNMR信号の検出を行う役割、試料の
温度を変化させる役割などを果たしている。
【0004】図1はNMR検出器の外観を示す図、図2
は検出器内の構造を示す図で、(a)は断面図、(b)
はカバー18を取り外した実体図である。また、図3は
NMR検出器内に収容される電気回路の一例を示してお
り、この例は、検出コイル1で水素核( 1H核)と重水
素核( 2D核)の検出を行う 1H− 2Dダブル・チュー
ニング回路を示す。 2D核の検出信号は、磁場のドリフ
トを避けるために採用されるNMRロックのロック信号
として利用される。
【0005】図1〜図3において、共鳴周波数の高い1
H核に関しては、検出コイル(送受信コイル)1と同調
バリコン2、整合バリコン3、整合バリコン4によりL
C共振回路が構成される。整合バリコン3、整合バリコ
ン4は1H用同軸ケーブル13を介して高い効率でNM
R信号を外部に伝達するためインピーダンス変換を行
う。検出コイル1内に 試料17を入れると、その誘電
率のため共振周波数がずれるので、同調バリコン2、整
合バリコン3は、外部から容量を調整する必要があり、
そのため、それぞれ外部までのびた1H同調用シャフト
15、1H整合用シャフト16が取り付けられている。
【0006】一方、共鳴周波数の低い2D核に関して
は、コンデンサー5、コイル10、検出コイル1、コイ
ル11、コンデンサー6、 同調バリコン(2D)7、
整合バリコン(2D)8によりLC共振回路が構成され
る。1H核の場合と同様に、整合バリコン(2D)8に
よりインピーダンス変換が行われ、2D用同軸ケーブル
14で外部に信号を伝達する。
【0007】1H−2Dダブル・チューニング回路の場
合、1H核共鳴周波数の信号が 同軸ケーブル13(1
H用) から同軸ケーブル14(2D用)へ通過してし
まうと、1H核に関する検出感度の低下などの問題が発
生する。そこで、信号の通過を阻止する為にバリコン
9、コイル12により1H核共鳴周波数のトラップ回路
を構成している。
【0008】図1に示すように、検出器の大部分を占め
る超伝導磁石(SCM)の内部に挿入される部分には円
筒状のカバー18が被せられる。バリコンを調整するた
めのシャフト15,16、試料温度を制御するための温
度調整用エアー供給配管20などが下部に出ている。ま
た検出器のSCMへの取り付け、同軸ケーブル13,1
4の固定や、外部回路との接続のために必要なコネクタ
ーの固定などのため、金具19が底部に付けられてい
る。
【0009】検出器の内部は、図2(a),(b)に示
されているように、複数本の支柱21と円板22により
フレームを作り、このフレームに部品を保持させる構造
になっている。これら支柱21と円板22は、部品の保
持だけでなく、図3に示されている回路のアースとして
使用されるので導電性材料により形成されている。また
カバー18も、電磁シールドのため導電性材料である必
要があるので、金属で作られる。このカバー18をアー
スとして兼用するために、支柱21または 円板22に
金属製のスプリング23が取り付けられ、このスプリン
グ23をカバー18内側に押し付けることで、電気的に
接続させる。
【0010】絶縁物で形成された円筒形ボビンに取り付
けられた検出コイル1は、図2(a)に示すように最上
部の円板22の上に取り付けられ、SCMに検出器が挿
入された時、検出コイル1が磁場の中心に位置するよう
に検出器の長さが選ばれる。そして、検出コイルの内部
に入れられる試料17の温度制御を行うため、検出器下
部からエアー配管20がボビンの底部にまで延び、この
配管からボビン内の試料17に向けて温度制御されたエ
アーが吹き付けられる。そのエアー配管20としては、
周囲に配置され高周波電流が流れるバリコン、コンデン
サー、コイルへの電気的な悪影響を避けるため、通常、
ガラス製や樹脂製のものが用いられる。
【0011】また、外部から調整するためのシャフト1
5、16を検出器の18 カバーと平行に取り付けるた
め、同調バリコン2と整合バリコン3は、調整軸が下を
向くように円板に取り付けられる。また図3の回路図に
示すように電極の片方をアースに接続するため、同調バ
リコン2と整合バリコン3は円板22に一方の電極を電
気的に接触させて、固定される。コンデンサー5、6の
ような電気部品も同様に、アースに接続する必要がある
場合は、円板22または支柱21に直接半田付けされ
る。
【0012】バリコン7、8、9は、バリコン2、3と
の電気的な干渉をさけるため、離れた場所に付けられ
る。これらのバリコンは、外部からの調整の必要が少な
いので、この例ではシャフトが取り付けられていない。
【0013】同軸ケーブル13、14は、図3の回路図
に示すように、その外部導体を電気回路のアースに接続
する必要があるので、図4(a)、(b)に示すように
複数個の円板22に半田付けされる。
【0014】このように、従来のNMR検出器では、円
板、支柱などにより作られた複雑な形状のフレームに、
電気部品やその調整シャフト、試料の温度制御のための
エアー配管などが取り付けられ支持されていた。また電
磁シールドと、アースの確保のため、中空の金属製円筒
をカバーとしてフレームの周りに被せられていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】近年、感度を向上させ
るため、SCMが発生する磁場強度を強めNMR信号の
周波数を高くすることが行われている。そのことによ
り、NMR検出器に含まれる電気回路が従来よりも高い
周波数で電力損失が少なく動作することが求められる。
【0016】しかしながら、従来の構造では以下の理由
により、このような要求に応えることが困難であった。
その最大の理由は、使用している電気回路部品の定数に
比較して、無視できないアースインピーダンスが生じて
しまうからである。
【0017】(1)円板22支柱21によるフレームの
アース 図5(a)にフレームの一部の実体図を示す。円板22
が複数個の支柱21で接続支持されている。これらは、
導電性材料で作られ互いに電気的に接続されている。し
かし支柱21は検出器内部で電気部品を取り付ける必要
があるので、あまり太くはできない。高い周波数では、
バリコン、コンデンサー、コイルなど電気回路部品の定
数(キャパシタンス,インダクタンス)に比較して無視
できない大きさのインダクタンス(コイル)成分と抵抗
成分を持ってしまう。また、円板22も、配線や配管を
通すために切り欠きや穴が必要なことがあり、同様にコ
イル成分と抵抗成分を持ってしまう。 図5(a)の等
価回路を示す図5(b)から判るように、円板22、支
柱21は それぞれのコイル成分 30と抵抗成分31で
置き換えられる。図5(c),(d)に、図3のような
回路を製作するためフレームにバリコン32、コンデン
サー33を取り付けた場合の実体図と等価回路を示す。
それらの電気部品は先に述べたように片側の電極を円板
22と支柱21により構成されるフレームにアースとし
て接続される。しかし、等価回路は図5(d)に示すよ
うになり、もともとフレームへの接続点の間には、無視
できないインピーダンスがある。
【0018】(2)バネ23の接触によるアース 従来の場合、フレームのアースインピーダンスを避ける
ため 図2及び図4に示すように円板22または支柱2
1にバネ23を取り付けてアース電流をカバーに分岐す
ることが行われて来た。カバー18のような円筒は、表
面積が大きいため、表面付近しか流れない高周波電流の
場合でもインピーダンスが十分小さい。これに電流を分
岐させることで、インピーダンスを減らすことが期待で
きる。しかしながら、電気部品を取り付けられているの
は内部の円板22と支柱21で、アースの電流はそれら
を経由して流れるので、周波数が高まるほどインピーダ
ンス低減効果が期待できない。これは、バネの個数をふ
やしても、抜本的な対策にならない。また点接触である
ので、バネの部分に抵抗とインダクタンス成分をもって
しまう。かえって、このバネ23による接触のため、ア
ース電流が流れる経路が複雑になってしまい、アースの
インピーダンスをより大きくしてしまう危険がある。ま
た、バネの剛性の劣化による電気的接触不良も起こりや
すい。
【0019】(3)同軸ケーブルのアース 図3に示すように、同軸ケーブル13、14は、それぞ
れ整合バリコン3、4と整合バリコン8によりインピー
ダンス変換されて電力損失が最小になるように電気回路
に接続されている。この変換したインピーダンスが同軸
ケーブルの特性インピーダンスに整合していないと電力
損失が増加し、検出信号の低下の原因になる。それを防
ぐためには、それぞれの同軸ケーブルの外側導体と整合
バリコンのアースが低インピーダンスで接続されている
必要がある。また、同軸ケーブルは外部から検出器内の
電気回路部へ引き込まれている。電気回路付近で、同軸
ケーブルの外部導体がアースから離れている部分がある
と、高周波磁場が外部導体とアースの隙間を通過して、
誘導電流が外部導体を流れ電気回路とその外部導体が干
渉してしまうことが起こり得る。そのような状況では、
同軸ケーブルの外部導体がアンテナの働きをして外部へ
電磁波を輻射したり逆に外部の電磁波を検出器内の電気
回路に入れてしまい、検出信号にノイズを混入させたり
する原因となる。
【0020】従来技術によるケーブルの実装について、
図4(a)に断面図を、図4(b)に実体配線図を、図
4(c)に等価回路をそれぞれ示す。図4(a)、
(b)に示すように同軸ケーブル34のその外部導体
は、機械的な固定と電気的なアースに接続するために、
円板22に取り付けられている。その円板22はバネ2
3で、よりインピーダンスの小さいアースの働きをする
カバー18に電気的に接触されている。しかし、バネ2
3の数は、内部に電気部品などを入れるための空間を確
保するため、多くできない。その状態での同軸ケーブル
のアースの状態の等価回路は図4(c)に示すようにな
り、結局ケーブルの外部導体のアースに高周波回路では
無視できないインピーダンスが発生してしまう。
【0021】以上述べたように、従来の構造のまま取り
扱う周波数を高めた場合、(1)〜(3)で述べた原因
により、電気部品のアースの接続間には無視できない大
きさのインピーダンスが存在してしまうことは避けられ
ない。従来技術に基づいて図3に示した回路構成の検出
器を製作した場合の、現実を反映した等価回路を図6に
示す。従来技術の場合は図3でアース記号で示された部
分は、30 コイル成分、31 抵抗成分を持つアースで
互いに接続されていることと等価である。このため、以
下の問題が発生する。
【0022】(a)必要な高い共鳴周波数を得にくい 複雑なアース電流経路が余分なインピーダンスを発生さ
せる。そのため、LC共振回路に余分なコイル成分やコ
ンデンサー成分が付けられることになるので、高い共振
周波数を得にくい。
【0023】(b)NMR信号検出効率の低下 上記の余分なインピーダンスで消費される電力が大きい
ため、電気信号が減衰してしまう。
【0024】(c)不要な共振モードの発生によるNM
R信号の検出効率の低下 余分なインピーダンスのため不要な共振モードが発生
し、回路の効率を低下させる。この共振モードを消すた
めの回路を付加することも考えらるが、その付加された
電気回路部品のため電力の損失が発生する。そのため、
NMR信号の検出効率が低下してしまう。
【0025】(d)回路調整が困難 円筒形のカバーにバネなどで接触させてアースを補強し
ているので、調整時にカバーの取り付け方で、電気特性
が大きく変化してしまう。また、カバーを外すと共振周
波数が変化してしまうので、調整作業が面倒。
【0026】(e)アースの接触不良による電気回路動
作不良 完成後、時間の経過のためバネの剛性が低下すると、ア
ース接続の電気的接触不良が起こる。そのため、電力損
失が大きくなり感度が低下する。またアース電流の経路
変化して共振周波数がずれてしまい、NMR信号の検出
ができなくなる場合もある。
【0027】上記の電気的な問題以外にも、構成部品が
多い、電気部品、機械部品の配置するスペースが狭いた
め設計/組立が困難等の問題がある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の従来技
術の抱えた課題を解決するものであって、高い周波数に
おいても、アースのインピーダンスを小さくでき、NM
R信号の検出の向上を図ることができる等の優れた特性
を有するNMR検出器を提供することを目的とするもの
である。
【0029】この目的を達成するため、第1の本発明
は、NMR検出コイル及び該コイルと組み合わされて同
調回路を構成する少なくとも1つのコンデンサを備えた
NMR検出器において、検出器の外側を包囲する筒状ア
ース電極を設け、該筒状電極の内周面に直接前記コンデ
ンサの一方の電極を取り付けるようにしたことを特徴と
している。
【0030】さらに、第2の本発明のNMR検出器は、
NMR検出コイル及び該コイルと組み合わされて同調回
路を構成する可変コンデンサを備えたNMR検出器にお
いて、検出器の外側を包囲する筒状アース電極と、該筒
状電極の内周面に取り付けられる補助電極とを設け、該
補助電極に前記可変コンデンサの一方の電極を取り付け
ると共に、該可変コンデンサの容量を可変する駆動軸を
前記筒状電極の軸方向に延ばして検出器外部へ取り出す
ように構成したことを特徴としている。
【0031】さらに、第3の本発明は、NMR検出コイ
ル及び該コイルと組み合わされて同調回路を構成するコ
ンデンサを備えたNMR検出器において、検出器の外側
を包囲する筒状アース電極であって、その先端部にNM
R検出コイルを格納保持し、該NMR検出コイルの内部
へ検出器外部から測定対象試料を挿入するためにその先
端部に試料導入開口を有する筒状アース電極を設けると
共に、前記NMR検出コイルと組み合わされて同調回路
を構成するコンデンサであってその一方の電極がアース
に接続されるべきコンデンサを筒状アース電極の内周面
に直接前記コンデンサの一方の電極を取り付けるように
して固定したことを特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図7はフレームの構造を示す外
観図、図8(a)は断面図、図8(b)は実体配線図で
ある。図9はSCMへ検出器を挿入固定した状態を示す
図である。
【0033】図7において、導電性の良好な金属ででき
た中空の円筒電極50が部品を固定するフレーム兼電気
回路のアースとされ、その内部に図3に示された電気回
路が収容される。円筒電極50には、電気部品や検出コ
イルを外から内部に入れ、組み立てる作業を行うために
必要な最低限の大きさの窓51a,51bを開けてあ
る。組立調整完了後、窓51a,51bはカバー52で
塞がれる。従来技術と同様に、SCMへの取り付け、同
軸ケーブルの固定、必要なコネクターの固定などのため
金具19が検出器の底部に取り付けられている。また、
円筒電極50の先端は、中心に試料の挿入口が開けられ
ているキャップ40によって塞がれている。そして、図
9に示されているように、検出器は、SCM60の中に
設置されている超伝導コイル61の内部空間に、円筒電
極50の先端が届くようにして挿入固定される。
【0034】図8(a)に示すように、電気部品は円筒
電極50の内周面に直接取り付けられている。コンデン
サ5,6は、図3の回路に示されているように電極の片
側をアースに接続する必要がある。そこで図10
(a),(b)に示すように電気回路のアースである円
筒電極50の内側にコンデンサ5の一方の電極を直接半
田付けすることにより固定する。またバリコン2,3の
場合は、外部から調整を可能にするためシャフト15,
16を円筒の軸方向に取り付ける必要がある。そこで、
図10に示すようにバリコンを取り付けるための平坦部
53aを有する補助電極53が用いられる。補助電極5
3は、円筒電極50の内側の所定位置に平坦部53aが
円筒軸の方向に直交するように半田付などにより固定さ
れる。そして、この平坦部53aに、バリコン2,3が
その操作軸(シャフト)が円筒軸方向に向くように半田
付けされる。また、バリコン7の場合はシャフトを外部
に取り出す必要はないので、図10に示すように、円筒
電極50の内面の所定位置に一方の電極を半田付けして
固定される。
【0035】一方、同軸ケーブル13、14も、図11
(a),(b)に示すように、円筒電極50の内側に半
田付けにより固定される。特に検出器上部(先端)の電
気部品の付近では、円筒電極内壁と同軸ケーブルの外部
導体の間には隙間が形成されないように半田付けが行わ
れる。
【0036】ボビン41の表面に巻回された検出コイル
1は円筒電極の中心軸にその中心軸を合わせて配置する
必要がある。そのため、絶縁物製の円板22を円筒軸に
直交するように円筒電極50の内側に取り付けて、この
円板電極22の上にコイル中心軸が円筒軸に一致するよ
うにボビン41が固定される。
【0037】エアー配管20は、ガラス製または樹脂製
なので接地に関して配慮する必要はない。エアー配管2
0は、下部を金具19で支持され、上部が円板電極22
で支持されている。円板22には、エアー配管20で運
ばれたエアをボビン41内へ供給するための通路と、検
出コイル1と下側の電気回路とを接続するための配線を
通す穴が開けられている。
【0038】図12は、円筒電極50と電気部品32と
の間に発生する電気力線の分布を示している。図12に
おいて、バリコンなどの電気部品32が回路動作時に周
囲に発生する電気力線60が破線で示されている。窓5
1は大きい程、作業性が向上するが、適切な大きさ、位
置でないと、電気部品周辺に発生する高周波電場が窓5
1から外部へ漏れる。その状態でカバー52を窓51を
塞ぐように取り付けた場合、カバー52と円筒50の間
に高周波電流が流れることになり、カバー52と円筒5
0の接触抵抗が問題になる。これでは、円筒フレームを
採用した効果が減殺される。高周波磁場が漏れた場合も
同様の問題は発生する。
【0039】そのため、より高い周波数の信号が流れる
部品ほど、図12に示すように窓51から離れた位置に
配置することが必要である。これに対し、電気回路に関
係ないエアー配管20などの部品はどこに配置しても問
題ないので、窓51の付近に配置したほうが、スペース
を有効に利用できる。高周波の電場(電気力線)の漏れ
を例にしたが、コイル部品などの実装の場合は、発生す
る磁場(磁力線)の漏れについて同様の考慮をする必要
があり、やはり窓51から離れた位置、即ち、円筒電極
50の窓51と反対側に配置することが好ましい。
【0040】カバー52は、検出器の機能には関係ない
が、内部からの電磁波の漏洩及び内部への電磁波の漏れ
込みに関する遮蔽対策と部品の保護のため必要である。
遮蔽のためには、カバー52と円筒電極50の間を低抵
抗で接続することが望ましい。その場合、半田付けが最
も容易な接続方法である。
【0041】以上の様な構成による検出器では、円筒5
0は部品の取り付け作業のため小さな窓51が開けられ
ているが、十分な表面積を持っているので、高周波領域
での十分小さなインピーダンスのアースの役割を果た
す。電気部品はその円筒50をアースとして図3の回路
を構成している。そのため、図6の等価回路で示した、
アース間の抵抗成分30,コイル成分31が十分小さく
なる。そのため電気回路が図3に示した回路図通りの動
作をする。
【0042】本発明は、上述した実施の形態に限定され
ることなく、変形が可能である。例えば、円筒電極50
は円筒に限らず、中空で内部に部品が収容できる筒状で
あればよく、断面は多角形でも良い。
【0043】また、検出器全体について本発明の構成を
採用する必要はなく、電気回路を収容する先端部分のみ
について本発明の構成を採用しても十分な効果が得られ
る。バリコンを取り付けるために円筒電極50の内側に
取り付けられる補助電極53は、形状、大きさを適宜選
定できる。比較的大きなものを用いれば、複数個のバリ
コンを1つの補助電極に取り付けることも可能である。
【0044】円筒電極50の電気部品取り付け位置に内
部まで貫通する穴を開けておけば、電気部品の半田付け
作業を外側から行うことが可能である。ケーブルの場合
には、適宜な間隔で複数の穴を開けておけば良い。
【0045】磁場勾配コイルを検出器内に実装する場
合、この勾配コイルを直流電源と接続するため等に必要
なDCケーブルの配線のシールドパイプを、前述した同
軸ケーブルと同様に円筒電極内壁に半田付けなどにより
取り付けると、電磁波の遮蔽能力が向上する。
【0046】カバー52は分割しても良い。図12で示
したように窓51から離して電気部品を実装すること
は、電気回路が複雑になり、電気部品が多くなると実現
しにくい。窓51の近くに電気部品を実装する必要があ
る場合は、カバー52を小さく分割して直接円筒50に
半田付けをして、外部に高周波磁場及び電場が漏れない
ようにすれば良い。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明ではNMR検
出器のフレームを円筒で製作したため以下の効果があ
る。 (a)高い共振周波数が得られる。 LC共振回路に余分なコイル成分やコンデンサー成分が
付けられないので、高い共振周波数を得ることができ
る。 (b)NMR信号検出効率の向上 余分なインピーダンスで消費される電力が減少するの
で、検出信号の減衰を防ぐことができ、検出効率が向上
する。余分なインピーダンスのため不要な共振モードが
発生し、回路の効率を低下させることがない。 (c)アースの接触不良による電気回路動作不良の低減 コンデンサを含む電気部品が、アースである円筒電極に
直接半田付けにて固定接続されるので、接触不良が減
り、共振周波数の変化も極めて少なくできる。そのた
め、調整作業も容易になる。 (d)部品点数の削減 従来技術の複雑な構造のフレームが円筒電極に置き換え
られたため、部品点数が大幅に削減される。加えて、電
気部品,機械部品を配置するスペースが拡大される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NMR検出器の外観を示す図である。
【図2】 カバーを取り外した検出器内の構造を示す図
である。
【図3】 NMR検出器の電気回路の一例を示す図であ
る。
【図4】 (a)は同軸ケーブルの取り付け方を示す断
面図、(b)はその実体図、(c)はその等価回路を示
す図である。
【図5】 (a)はフレームの一部の実体図、(b)は
その等価回路を示す図、(c)は部品を取り付けたフレ
ームを示す実体図、(d)はその等価回路を示す図であ
る。
【図6】 従来技術に基づいて図1に示した回路構成の
検出器を製作した場合の、現実を反映した等価回路を示
す図である。
【図7】 本発明の検出器のフレームの構造を示す外観
図である。
【図8】(a)は本発明の検出器の断面図、(b)は実
体配線図である。
【図9】SCMへ検出器を挿入固定した状態を示す図で
ある。
【図10】(a)は円筒電極50の内面に取り付けられ
たコンデンサを示す実体図、(b)は取り付け方を示す
断面図である。
【図11】(a)は円筒電極50の内面に取り付けられ
た同軸ケーブルを示す実体図、(b)は取り付け方を示
す断面図である。
【図12】円筒電極50と電気部品32との間に発生す
る電気力線の分布を示す図である。
【符号の説明】
1:検出コイル 2,7:同調バリコン 3,4,8:
整合バリコン 5,6:コンデンサ 9:バリコン 10,11,1
2:コイル 13,14:同軸ケーブル 15,16: シャフト
17:試料 18:カバー 19:金具 20:エアー配管 21:
支柱 22:円板 30:コイル成分 31:抵抗成分 3
2:バリコン 33:コンデンサ 34:同軸ケーブル 50:円筒
51:窓 52:カバー 53:補助電極 60:電気力線

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NMR検出コイル及び該コイルと組み合
    わされて同調回路を構成する少なくとも1つのコンデン
    サを備えたNMR検出器において、検出器の外側を包囲
    する筒状アース電極を設け、該筒状電極の内周面に直接
    前記コンデンサの一方の電極を取り付けるようにしたこ
    とを特徴とするNMR検出器。
  2. 【請求項2】 前記筒状電極は検出器の内部と外部を連
    通させる窓を有することを特徴とする請求項1記載のN
    MR検出器。
  3. 【請求項3】 前記コンデンサの一方の電極を半田付け
    により直接筒状電極の内周面に取り付けるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のNMR検出器。
  4. 【請求項4】 前記コンデンサは容量固定のコンデンサ
    である請求項1乃至3のいずれかに記載のNMR検出
    器。
  5. 【請求項5】 前記コンデンサは可変コンデンサである
    請求項1乃至3のいずれかに記載のNMR検出器。
  6. 【請求項6】 前記同調回路と外部回路とを接続する同
    軸線路の外部導体を前記筒状電極の内周面に取り付けて
    固定したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載のNMR検出器。
  7. 【請求項7】 NMR検出コイル及び該コイルと組み合
    わされて同調回路を構成する可変コンデンサを備えたN
    MR検出器において、検出器の外側を包囲する筒状アー
    ス電極と、該筒状電極の内周面に取り付けられる補助電
    極とを設け、該補助電極に前記可変コンデンサの一方の
    電極を取り付けると共に、該可変コンデンサの容量を可
    変する駆動軸を前記筒状電極の軸方向に延ばして検出器
    外部へ取り出すように構成したことを特徴とするNMR
    検出器。
  8. 【請求項8】 NMR検出コイル及び該コイルと組み合
    わされて同調回路を構成するコンデンサを備えたNMR
    検出器において、検出器の外側を包囲する筒状アース電
    極であって、その先端部にNMR検出コイルを格納保持
    し、該NMR検出コイルの内部へ検出器外部から測定対
    象試料を挿入するためにその先端部に試料導入開口を有
    する筒状アース電極を設けると共に、前記NMR検出コ
    イルと組み合わされて同調回路を構成するコンデンサで
    あってその一方の電極がアースに接続されるべきコンデ
    ンサを筒状アース電極の内周面に直接前記コンデンサの
    一方の電極を取り付けるようにして固定したことを特徴
    とするNMR検出器。
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