JP4933323B2 - 高分解能nmrプローブ - Google Patents

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Description

本発明は、高分解能NMRプローブに関し、特に、従来よりも高感度で測定できる固体試料用高分解能NMRプローブに関する。
NMR装置は、静磁場中に置かれた被測定試料に高周波信号を照射し、その後、被測定試料から出る微小な高周波信号(NMR信号)を検出し、その中に含まれている分子構造情報を抽出することによって分子構造を解析する装置である。
図1はNMR装置の概略構成図である。高周波発振器1から発振された高周波信号は、位相制御器2及び振幅制御器3によって位相と振幅を制御され、電力増幅器4に送られる。
電力増幅器4で、NMR信号を励起するために必要な電力にまで増幅された高周波信号は、デュプレクサ5を介してNMRプローブ6に送られて、NMRプローブ6内に置かれた図示しない検出コイルから被測定試料に照射される。
高周波照射後、被測定試料から出る微小なNMR信号は、NMRプローブ6内に置かれた図示しない検出コイルにより検出され、再びデュプレクサ5を介した後、前置増幅器7に送られ、受信可能な信号強度にまで増幅される。
受信器8は、前置増幅器7で増幅された高周波のNMR信号を、デジタル信号に変換可能なオーディオ周波数に周波数変換し、同時に振幅の制御を行なう。受信器8でオーディオ周波数に周波数変換されたNMR信号は、アナログ−デジタルデータ変換器9によってデジタル信号に変換され、制御コンピュータ10に送られる。
制御コンピュータ10は、位相制御器2及び振幅制御器3を制御すると共に、時間領域で取り込んだNMR信号をフーリェ変換処理し、フーリェ変換後のNMR信号の位相を自動的に補正した後、NMRスペクトルとして表示する。
ところで、一般にNMR法は、ラジオ波領域の分光法であることから、可視光や紫外、赤外領域の分光法と比べてエネルギーの吸収放出量が極めて小さく、その結果、検出感度が極めて低いという問題がある。
この問題を解決するために、従来、取られてきた方法が、NMRプローブ内の送受信コイルや前置増幅器、同調整合回路などを極低温に冷却し、それらの電気的な熱雑音を取り除くことにより高感度化を図るというものであった(特許文献1〜10)。
特開平10−307175号公報 特開平10−332801号公報 特開2004−219361号公報 特開2004−233337号公報 特開2004−212354号公報 特開2004−325439号公報 特開2005−77416号公報 特開2005−172597号公報 特開2006−138851号公報 特開2006−189272号公報
ところが、従来の方法は、液体ヘリウムと液体窒素を併用して送受信コイルや前置増幅器、同調整合回路などを冷却するか(特許文献1)、多段式のGM冷凍機を用いて送受信コイルや前置増幅器、同調整合回路などを冷却する(特許文献2〜10)ものであったため、構造が複雑であり、高コストであった。
本発明の目的は、上述した点に鑑み、簡単な構成で低コストな高分解能NMRプローブを提供することにある。
この目的を達成するため、本発明にかかる高分解能NMRプローブは、常温大気圧領域に設けられ、試料を静磁場内に配置する試料部と、前記常温大気圧領域から隔離して、内側を真空に保つ筒状の隔壁と、前記隔壁内に置かれ、前記試料に対して高周波磁場を送信印加するとともに、印加後、試料から放出されるNMR信号を誘導起電力として受信検出する送受信コイルと、前記隔壁内に置かれ、前記送受信コイルで検出されたNMR信号を増幅する前置増幅器と、前記隔壁内に置かれ、外界からNMR測定部近傍に液体ヘリウムを輸送する送液管と、前記隔壁内に置かれ、前記送液管で送られた液体ヘリウムを溜める液体ヘリウム溜めを備え、該液体ヘリウム溜め内の液体ヘリウムが気化する際に奪う潜熱で前記送受信コイルと前記前置増幅器を冷却する第1の熱交換器と、前記隔壁内に置かれ、前記第1の熱交換器で気化したヘリウムをNMR測定部近傍から外界に戻す送気管と、前記隔壁内に置かれ、前記送液管、前記送気管、前記前置増幅器の周りを包囲し、外界からの輻射熱を遮断するように配置された輻射シールドと、前記隔壁内に置かれ、前記送気管の途中に設けられ、前記気化したヘリウムの温度が上昇する際に奪う顕熱で前記輻射シールドを冷却する第2の熱交換器と、を備え、前記試料部は、固体試料を収容した試料管を静磁場方向に対してマジック角だけ傾けて高速回転させる試料回転システムであって、前記試料管の両端を保持する空気軸受を備え、前記空気軸受は前記隔壁の常温大気圧領域側に取り付けられていることを特徴としている。
また、前記隔壁は、前記試料管を貫通させる筒状部を有し、前記送受信コイルが前記筒状部を取り巻くように前記隔壁内に配置されていることを特徴としている。
また、前記大気圧領域と真空領域を隔離する隔壁は、ガラス繊維強化プラスチック製であることを特徴としている。
また、前記送液管と送気管は、最も内側に送液管が配置され、真空層を挟んで最も外側に送気管が配置される3重管構造であることを特徴としている。
また、前記第1の熱交換器によって冷却できる温度は10K以下であることを特徴としている。
また、前記第2の熱交換器によって冷却できる温度は50Kまでであることを特徴としている。
また、前記送受信コイルは、前記第1の熱交換器とフレキシブル熱リンクを介して熱接触されていることを特徴としている。
また、前記前置増幅器は、前記第1の熱交換器と金属製の熱伝導部材を介して熱接触されていることを特徴としている。
また、前記真空は、気体の熱伝導が支配的でない10-7Torr程度の真空であることを特徴としている。
本発明にかかる高分解能NMRプローブによれば、常温大気圧領域に設けられ、試料を静磁場内に配置する試料部と、前記常温大気圧領域から隔離して、内側を真空に保つ筒状の隔壁と、前記隔壁内に置かれ、前記試料に対して高周波磁場を送信印加するとともに、印加後、試料から放出されるNMR信号を誘導起電力として受信検出する送受信コイルと、前記隔壁内に置かれ、前記送受信コイルで検出されたNMR信号を増幅する前置増幅器と、前記隔壁内に置かれ、外界からNMR測定部近傍に液体ヘリウムを輸送する送液管と、前記隔壁内に置かれ、前記送液管で送られた液体ヘリウムを溜める液体ヘリウム溜めを備え、該液体ヘリウム溜め内の液体ヘリウムが気化する際に奪う潜熱で前記送受信コイルと前記前置増幅器を冷却する第1の熱交換器と、前記隔壁内に置かれ、前記第1の熱交換器で気化したヘリウムをNMR測定部近傍から外界に戻す送気管と、前記隔壁内に置かれ、前記送液管、前記送気管、前記前置増幅器の周りを包囲し、外界からの輻射熱を遮断するように配置された輻射シールドと、前記隔壁内に置かれ、前記送気管の途中に設けられ、前記気化したヘリウムの温度が上昇する際に奪う顕熱で前記輻射シールドを冷却する第2の熱交換器と、を備え、前記試料部は、固体試料を収容した試料管を静磁場方向に対してマジック角だけ傾けて高速回転させる試料回転システムであって、前記試料管の両端を保持する空気軸受を備え、前記空気軸受は前記隔壁の常温大気圧領域側に取り付けられているので、簡単な構成で低コストな高分解能NMRプローブを提供することが可能になった。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図2は、本発明を固体試料用高分解能NMRプローブに適用した一実施例である。
固体試料用高分解能プローブは、大きく4つの部位に分けられる。1番目は、固体測定用試料管を高速回転させながら、試料に対して高周波磁場を印加するとともに、印加後、試料から放出されるNMR信号を検出する送受信コイル21を配置した検出部11、2番目は、該検出部11を図示しない超伝導磁石の縦穴(ボア)中の所定位置に配置し、該超伝導磁石の強力な静磁場内に検出部11を設置するために長く延びた中継部12、3番目は、該中継部12の下端に位置し、前記送受信コイル21で検出されたNMR信号を増幅する前置増幅器22や、前記送受信コイル21と図示しない外部高周波回路の同調整合を取る送受信切換回路23などが納められた電気回路部13、4番目は、前記送受信コイル21、前置増幅器22、送受信切換回路23、同調整合用バリコン24等を極低温に冷却するための冷媒(液体ヘリウム)をNMRプローブ内に導入したり、NMRプローブ内から導出したりする冷媒導入導出部14である。
尚、固体試料用高分解能プローブ内は、気体の熱伝導が支配的でない10-7Torr程度の真空に保たれていて、固体試料用高分解能プローブ内の構造物間は真空層により互いに断熱されている。また、真空層と外気との遮断壁には、ガラス繊維強化プラスチックが用いられている。
冷却方法は、次の通りである。まず、液体ヘリウム注入口15から4Kの液体ヘリウムがNMRプローブ内に注入される。注入された液体ヘリウムは、中継部12の液体ヘリウム送液パイプ16を通って、中継部最上段(検出部直下)の液体ヘリウム溜め17に送られる。この液体ヘリウムが液体ヘリウム溜め17内で気化する際に気化熱を奪って、液体ヘリウム溜め17に熱接触している検出部11の送受信コイル21、同調整合用バリコン24、および4Kステージバー20を介して電気回路部13内の前置増幅器22を4K付近まで冷却する。
気化後の低温ヘリウムガスは、中継部12の液体ヘリウム送液パイプ16の外側を同軸状に真空層を介して取り囲むヘリウムガス戻りパイプ18を通ってヘリウムガス出口19に送られる。その途中、戻りヘリウムガスは、外界からの輻射熱を遮るために設けられ、液体ヘリウム送液パイプ16、ヘリウムガス戻りパイプ18、前置増幅器22の周りを筒状に包囲する50K輻射シールド25と送受信切換回路23を50K付近まで冷却し、中継部12を通る液体ヘリウム送液パイプ16と前置増幅器22を冷却するための4Kステージバー20が外界からの輻射熱によって暖まることを防ぐ。
図3は、検出部11付近の拡大図である。左は、横方向から見た断面図、右は、上から見た断面図である。
図中31は、ジャケットである。最外部の大気圧室温空間と真空層を隔てる隔壁で、プローブ中継部12において円筒状、プローブ検出部11において角パイプ状となる。材質には、ガラス繊維強化プラスチックが用いられる。検出部11では、試料回転軸をマジック角方向に定め、試料回転システムを入れ込むために、角パイプの平面に対して軸がマジック角に傾いた円筒を突き刺した構造になっている。
32は、磁場中心である。超伝導磁石の縦穴(ボア)のほぼ中央部にある均一静磁場の中心位置にあたり、ここに固体試料が設置される。この図では、試料回転システムが省かれている。
33は、パイプである。試料空間と真空層とを隔てるセラミック製の隔壁であり、ジャケット31に接着によって固定される。
34は、ジャケット31の蓋である。ジャケット31と同様に、試料回転システムを入れ込むため、平面に対して軸がマジック角に傾いた円筒を突き刺した構造をしている。
35は、円盤蓋である。ジャケットの蓋34の円筒部分に挿入されて、ジャケットの蓋34とパイプ33との隙間を塞ぐ。
36は、送受信コイル(サンプルコイル)である。固体試料にラジオ波磁場を印加すると同時に、試料磁化による誘導起電力を検出する。送受信コイル36(ソレノイドタイプ)の軸は、試料管の回転軸方向に平行に設置されていて、その方向は外部静磁場に対して54.74°(マジック角)である。
37は、第1熱交換器である。第1熱交換器37の内部には、液体ヘリウム溜め17が設けられている。液体ヘリウム溜め17内で液体ヘリウムが気化する際に、気化熱を奪って周囲を冷却する。送受信コイル36は、絶縁体ボビン、フレキシブル熱リンク38を介し、第1熱交換器37に熱接触されて、熱伝導によって冷却される。同様に、送受信コイル36の共振周波数を試料のNMR信号周波数近傍に調整するためのバリコン39もまた金属製の熱伝導部材、たとえば銅板を介して第1熱交換器37との熱伝導によって冷却される。バリコン39には、Voltronics社の水晶製コンデンサを用いる。
図4は、試料回転システム付近の拡大図である。各部品の寸法は、ワイドボア超伝導磁石室温シムコイルの限定された空間(φ70の円柱状空間)に収納され、かつ動作することが可能なように設計されている。
通常の試料回転システムは、上下のベアリング(空気軸受)を1組のサポータセットで保持するが、低温固体高分解能NMRプローブの場合は、送受信コイル36の入る空間が真空層であるため、従来の構成をそのまま利用できない。そこで、固体試料用試料管40を支える上下のベアリング(空気軸受)41を、それぞれサポータ42の1組のアダプタに保持し、取り付けリング43で両者を一体化して、プローブに固定する構成にしてある。
図5は、試料回転システムの3次元給気系統図である。矢印は、ベアリング用およびドライビング用のガスの流路を示す。
試料管回転のためのベアリング(空気軸受)およびドライビング(回転トルク供給)のガスは、図に示すように、サポータ内部の配管を通じてベアリングノズルに供給されることで、試料管を〜4kHzで高速回転させることが可能になる。ガスの温度は、−40℃〜+80℃の範囲で可変でき、ガスの圧力は、大気圧に0.5〜4.0気圧が重畳された程度である。
図6は、中継部12付近の拡大図である。左は、横方向から見た断面図、右は、上から見た断面図である。
図中44は、第2熱交換器(中間温度熱交換器)である。前述の第1熱交換器37の液体ヘリウム溜め17で気化したヘリウムガスが外界に戻される際に、第2熱交換器44を通り、第2熱交換器44に熱接触している輻射シールド(50K輻射シールド)45を熱伝導により冷却する。輻射シールド45は、50K程度の温度になり、ヘリウムガスパイプ46や図示しない前置増幅器を冷却する4Kステージバー20、および中継部上部の第1熱交換器37、バリコン39などの10K以下に冷やされる部品群の周囲を覆い、外界からの熱輻射を低減し、第1熱交換器37による冷却効率を上げる役割を果たしている。
46は、ヘリウムガスパイプである。ヘリウムガスパイプ46は、断熱を配慮した構造になっている。すなわち、最内管は液体ヘリウムが通る管である。その周囲を真空層、さらにその外周を第1熱交換器37で熱交換された後の低温ヘリウムガスが通る管が囲み、同軸状に配置された3重管構造となっており、液体ヘリウムの輸送効率を上げる役割を果たしている。図2では、液体ヘリウム送液パイプ16とヘリウムガス戻りパイプ18がこれに相当している。
47は、図示しない前置増幅器を冷却する4Kステージバーである。4Kステージバーは、第1熱交換器37に熱接触した金属製の熱伝導部材、たとえば銅製の板で、電気回路部13の前置増幅器22に加え、検出部11と前置増幅器22を結ぶ図示しない同軸ケーブルをも冷却する。
図7は、電気回路部13から冷媒導入導出部14にかけての拡大図である。この部位は、超伝導磁石の縦穴(ボア)の出口に位置するため、形状的に横方向に広がった形を取っている。低温下に置かれた部品群は、ヘリウムガスパイプ46の最外管を介して、底板48に機械的に固定されている。
図中49は、出口ガス昇温ヒーターである。プローブ外へ使用後の気体ヘリウムを取り出す際に、結露を防止する目的で設置されている。
50は、液体ヘリウム入口である。液体ヘリウムデュワーから延びる液体ヘリウム専用のトランスファーチューブを差し込む差込口となっている。
51は、ヘリウムガス出口である。ヘリウムガス回収ラインにつなぐためのフランジとなっている。
52は、バリコン調整つまみである。中継部12の上部に設けられた送受信コイル36の共振周波数を調整するためのバリコン39の電気容量を調整するノブである。
53は、ダイオードボックスである。送受信コイル36の送信モードと受信モードを切り換える電子部品の入った箱で、輻射シールド(50Kシールド)45から延長された銅板上にネジ止めされ、望ましくは50K程度に冷却される。
54は、SMAコネクタである。高周波送信、受信用の同軸ケーブルのコネクタで、プローブ内部の真空室と大気圧の外界を結ぶため、真空機器対応製品を使用する。
55は、D−sub25ピンコネクタである。前置増幅器22のための電源、ダイオードボックス53に入っている電子部品のためのバイアス電源、図示しない温度センサーなどのための給電用コネクタで、プローブ内部の真空室と大気圧の外界を結ぶため、真空機器対応製品を使用する。
図8は、以上のような構成の固体試料用高分解能プローブがどのように動作するかを模式的に表わしたものである。左は、液体ヘリウムの送り動作の模式図、右は、気体ヘリウムの戻り動作の模式図である。
左図では、外部の図示しないトランスファーチューブで液体ヘリウムをプローブ上部に向けて輸送し、第1熱交換器37で液体ヘリウムを気化させ、その際に奪う潜熱を使って熱交換し、送受信コイル36、バリコン39、前置増幅器22などのNMR信号検出系に関わる部品群を10K以下、5Kを目標に冷却する。
右図では、第1熱交換器37で熱交換されて気体となったヘリウムをプローブ下部に向けて輸送し、第2熱交換器44で低温のヘリウムガスがより高温になる際に奪う顕熱を使って熱交換を行なわせる。これにより、輻射シールド45を、50Kを目標に冷却する。熱交換されて温度の上昇したヘリウムガスは、必要に応じて結露防止のために加熱され、プローブ外へ排出、回収される。
尚、本発明にかかる高分解能NMRプローブの冷却技術は、構成が簡単で低コストであるばかりでなく、測定部を溶液試料用の構成とすることにより、上述した実施例のような固体試料用NMRプローブばかりでなく、溶液試料用NMRプローブに対しても適用することができることは言うまでもない。
固体試料を始め、溶液試料のNMR測定にも広く利用できる。
従来のNMR装置の一例を示す図である。 本発明に係る固体試料用高分解能NMRプローブの一実施例の全体図である。 本発明に係る固体試料用高分解能NMRプローブの一実施例の部分拡大図である。 本発明に係る固体試料用高分解能NMRプローブの一実施例の部分拡大図である。 本発明に係る固体試料用高分解能NMRプローブの一実施例の部分拡大図である。 本発明に係る固体試料用高分解能NMRプローブの一実施例の部分拡大図である。 本発明に係る固体試料用高分解能NMRプローブの一実施例の部分拡大図である。 本発明に係る固体試料用高分解能NMRプローブの動作の模式図である。
符号の説明
1:高周波発振器、2:位相制御器、3:振幅制御器、4:電力増幅器、5:デュプレクサ、6:NMRプローブ、7:前置増幅器、8:受信器、9:アナログ−デジタルデータ変換器、10:制御コンピュータ、11:検出部、12:中継部、13:電気回路部、14:冷媒導入導出部、15:液体ヘリウム注入口、16:液体ヘリウム送液パイプ、17:液体ヘリウム溜め、18:ヘリウムガス戻りパイプ、19:ヘリウムガス出口、20:4Kステージバー、21:送受信コイル、22:前置増幅器、23:送受信切換回路、24:同調整合用バリコン、25:50K輻射シールド、31:ジャケット、32:磁場中心、33:パイプ、34:ジャケットの蓋、35:円盤蓋、36:送受信コイル、37:第1熱交換器、38:フレキシブル熱リンク、39:バリコン、40:固体試料用試料管、41:ベアリング(空気軸受)、42:サポータ、43:取り付けリング、44:第2熱交換器、45:50K輻射シールド、46:ヘリウムガスパイプ、48:底板、49:出口ガス昇温ヒーター、50:液体ヘリウム入口、51:ヘリウムガス出口、52:バリコン調整つまみ、53:ダイオードボックス、54:SMAコネクタ、55:D−sub25ピンコネクタ

Claims (9)

  1. 常温大気圧領域に設けられ、試料を静磁場内に配置する試料部と、
    前記常温大気圧領域から隔離して、内側を真空に保つ筒状の隔壁と、
    前記隔壁内に置かれ、前記試料に対して高周波磁場を送信印加するとともに、印加後、試料から放出されるNMR信号を誘導起電力として受信検出する送受信コイルと、
    前記隔壁内に置かれ、前記送受信コイルで検出されたNMR信号を増幅する前置増幅器と、
    前記隔壁内に置かれ、外界からNMR測定部近傍に液体ヘリウムを輸送する送液管と、
    前記隔壁内に置かれ、前記送液管で送られた液体ヘリウムを溜める液体ヘリウム溜めを備え、該液体ヘリウム溜め内の液体ヘリウムが気化する際に奪う潜熱で前記送受信コイルと前記前置増幅器を冷却する第1の熱交換器と、
    前記隔壁内に置かれ、前記第1の熱交換器で気化したヘリウムをNMR測定部近傍から外界に戻す送気管と、
    前記隔壁内に置かれ、前記送液管、前記送気管、前記前置増幅器の周りを包囲し、外界からの輻射熱を遮断するように配置された輻射シールドと、
    前記隔壁内に置かれ、前記送気管の途中に設けられ、前記気化したヘリウムの温度が上昇する際に奪う顕熱で前記輻射シールドを冷却する第2の熱交換器と、
    を備え
    前記試料部は、固体試料を収容した試料管を静磁場方向に対してマジック角だけ傾けて高速回転させる試料回転システムであって、
    前記試料管の両端を保持する空気軸受を備え、前記空気軸受は前記隔壁の常温大気圧領域側に取り付けられていることを特徴とする高分解能NMRプローブ。
  2. 前記隔壁は、前記試料管を貫通させる筒状部を有し、前記送受信コイルが前記筒状部を取り巻くように前記隔壁内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の高分解能NMRプローブ。
  3. 前記大気圧領域と真空領域を隔離する隔壁は、ガラス繊維強化プラスチック製であることを特徴とする請求項1又は2記載の高分解能NMRプローブ。
  4. 前記送液管と送気管は、最も内側に送液管が配置され、真空層を挟んで最も外側に送気管が配置される3重管構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の高分解能NMRプローブ。
  5. 前記第1の熱交換器によって冷却できる温度は10K以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の高分解能NMRプローブ。
  6. 前記第2の熱交換器によって冷却できる温度は50Kまでであることを特徴とする請求項1又は2記載の高分解能NMRプローブ。
  7. 前記送受信コイルは、前記第1の熱交換器とフレキシブル熱リンクを介して熱接触されていることを特徴とする請求項1又は2記載の高分解能NMRプローブ。
  8. 前記前置増幅器は、前記第1の熱交換器と金属製の熱伝導部材を介して熱接触されていることを特徴とする請求項1又は2記載の高分解能NMRプローブ。
  9. 前記真空は、気体の熱伝導が支配的でない10-7Torr程度の真空であることを特徴とする請求項1又は2記載の高分解能NMRプローブ。
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