JP5437888B2 - 除振マウント - Google Patents

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Description

本発明は、除振マウントに係り、特に、除振又は制振されるべき機器とそれが設置されるベースとの間に介装されて、それらの間における振動の伝達を抑制乃至は阻止するようにした除振マウントに関するものである。
従来から、床を通して伝達されてくる外来の振動が精密な機器類に伝わらないように、そのような機器類を、除振機構(除振マウント)を介して、設置するようにした構造が、採用されてきている。特に、精密な測定機器類や制御装置を始め、コンピュータや通信機器に用いられる電子デバイスの回路パターンを形成するIC露光機や、回路パターンを読み取る画像測定器等のように、1μm以下の精度が問題となる機器類においては、自励振動や外来の振動の影響を阻止する必要性が高く、そのために、床から機器類に伝えられる振動を減衰する除振機構の性能が、機械の性能を左右する重要な要素となることが認められている。
ところで、かかる除振機構としては、一般に、空気ばねを組み込んだ構造のものが、従来から用いられてきており、そこでは、固有振動数が1〜2Hzのダイヤフラム型空気ばねを用いることによって、除振機構の機能は、空気ばねとこの空気ばねに支持される機器類の質量との系によって、実現されるようになっている。しかしながら、そのような除振機構における空気ばねには、補助タンク等の付属装置の設置が必要とされることとなるために、装置が大型化することとなる問題の他、制御系が複雑となること等により、高価なものとなる問題を内在している。
このため、そのような高価な空気ばね形式のものを用いることなく、垂直方向と水平方向との除振機能を得ることの出来る除振機構として、コイルばねと制振材との組合せによる装置(除振マウント)が提案され、例えば、特開昭63−30628号公報等においては、弾性体としてのコイルばねと制振材としての円柱状の粘弾性体とを組み合わせて用いると共に、かかる粘弾性体をコイルばねの内側空間内に配置し、そして、粘弾性体の両端とコイルばねの両端とにフランジを取り付けて、それらコイルばねと粘弾性体の複合体に作用する荷重方向の弾性中心を粘弾性体側に包蔵させ、両者を一体に緊締してなる構造が明らかにされ、これを機械器具の防振支持に用いることにより、大きな制振効果を得ることが出来ることが明らかにされている。
しかしながら、それらコイルばねと粘弾性体を組み合わせてなる除振機構においては、防振支持される機械器具の重量等による荷重の大きさに応じて、粘弾性体の圧縮量が変化して、除振機構全体としての減衰性能が変化せしめられることとなり、そのために、目的とする制振効果を得ることが困難となる問題がある。
そこで、特開2002−147528号公報においては、それら弾性体と粘弾性体とを有する構造の除振機構において、更に、圧縮量調整手段を設け、防振支持される機械又は構造物等の重量を受けて圧縮される粘弾性体の圧縮量を調整するようにした除振マウントが、提案されているのであるが、かかる圧縮量調整手段による粘弾性体の圧縮量調整操作は、防振支持されるべき機械器具等の重量が異なる毎に実施する必要があり、面倒な作業となるために、機械器具の設置作業を困難なものとすると共に、粘弾性体の圧縮量の調整操作に作業者の個人差が入ることによって、期待される制振効果が変化する恐れも内在するものであった。
特開昭63−30628号公報 特開2002−147528号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、除振又は制振されるべき機器とそれが設置されるベースとの間に介装されて、それらの間における振動の伝達を抑制乃至は阻止するようにした除振マウントにおいて、かかる機器から加わる荷重が変化しても、共振倍率に影響を受けることがなく、また、圧縮量の調整等の面倒な操作乃至は作業も全く必要のない、除振マウント構造を提供することにある。
そして、本発明にあっては、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されるものではなく、明細書全体の記載及び図面から把握される発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) 除振又は制振されるべき機器とそれが設置されるベースとの間に介装されて、それらの間における振動の伝達を抑制乃至は阻止するようにした除振マウントにして、
前記機器と前記ベースとの間に配されて、該機器からの荷重を弾性的に支持するコイルばねと、
該コイルばねの内側空間内において、前記ベース側に支持される、制振材料からなる球状体を呈する制振ボールと、
該制振ボールの上方に位置するように、前記コイルばねの内側空間内において前記機器側に鉛直方向に取り付けられたシリンダ部材と、該シリンダ部材内を鉛直方向に摺動し得るピストン部材とを有し、且つ該ピストン部材を前記制振ボールに対して上方から接触せしめることにより、該ピストン部材の自重が該制振ボールに作用するように構成して、除振作用が発揮せしめられるようにしたピストン・シリンダ機構とを、
有していることを特徴とする除振マウント。
(2) テーパ形状の凹所を有する支持部材が、前記ベース側に取り付けられると共に、該支持部材のテーパ形状の凹所に前記制振ボールが載置されて、該制振ボールが、円形の線接触をもって、該支持部材の凹所にて支持されている前記態様(1)に記載の除振マウント。
(3) 前記ピストン部材の下部が、下方に開口する有底円筒形状において構成されており、その円筒部の下端と底部内面の中央部において、それぞれ、前記制振ボールの上部に接触せしめられている前記態様(1)又は(2)に記載の除振マウント。
(4) 前記ピストン部材に、その中心部を貫通するネジ孔が設けられると共に、該ネジ孔にネジ部材が螺入され、前記円筒部の底部内面中心から下方に該ネジ部材の先端が突出させられて、前記制振ボールに接触せしめられ得るように構成されている前記態様(3)に記載の除振マウント。
(5) 前記コイルばね内に挿入されて、該コイルばねに対して内側から接触するゴムスリーブが、その下部において前記ベース側に取り付けられている前記態様(1)乃至(4)の何れか一つに記載の除振マウント。
(6) 前記コイルばねを外側から覆うように配置される、前記機器側に底部において取り付けられる有底円筒形状の上部ケースと、前記ベース側に底部において取り付けられる有底円筒形状の下部ケースとを有し、該上部ケースの円筒部の開口端部と該下部ケースの円筒部の開口端部とにそれぞれ鉤型係止部が設けられて、それらが鉤型係止構造において連結され得るように構成されている前記態様(1)乃至(5)の何れか一つに記載の除振マウント。
(7) 前記上部ケースと下部ケースに形成された鉤型係止部の一方に、円筒部側に位置する傾斜面と鉤型先端側に位置する水平面からなる係止面を設け、該係止面に対して、他方の鉤型係止部が係止せしめられるようになっている前記態様(6)に記載の除振マウント。
(8) マウント高さを変化せしめ得るレベリング機構が、更に配設されている前記態様(1)乃至(7)の何れか一つに記載の除振マウント。
このような本発明に従う除振マウントにあっては、除振又は制振されるべき機器からの荷重を弾性的に支持するコイルばねの内側空間内に、制振ボールとピストン・シリンダ機構とからなる振動減衰機構が配設され、そして、制振ボールには、ピストン・シリンダ機構のピストン部材の自重のみが作用せしめられて、機器の重量(荷重)は、何等作用せしめられることがないように構成されているところから、機器の重量が変化しても、制振ボールの圧縮量(形状)は、何等変わることがなく、常に、ピストン部材の自重による荷重を受けて、制振ボールとの間において、有効な振動減衰作用が発揮され得ることとなるのである。
従って、本発明に係る除振マウントにおいては、防振支持されるべき機器の重量が変化しても、制振ボールの圧縮量には何等の影響ももたらされるものではないところから、従来の除振マウントの如き、圧縮量調整手段による粘弾性体の圧縮量を調整する操作乃至は作業は、全く必要がなく、そのために、除振マウントの設置作業が、極めて容易に且つ簡便に行なわれ得ることとなったことに加えて、圧縮量の調整に際しての作業者の個人差も全く解消することが出来ることとなり、以て、常に目的とする振動減衰作用を有利に発揮せしめることが出来るのである。
そして、このような特徴を有する本発明に従う除振マウントは、比較的中程度の重量、例えば、50kgf程度以下の重量の機器の支持用として、有利に用いられることとなるのである。
本発明に従う除振マウントの一例を示す縦断面説明図である。 図1に示される除振マウントに用いられているゴムスリーブを示すものであって、(a)は、その平面説明図であり、(b)は、その半截正面説明図である。 図1に示される除振マウントにおける、上部ケースと下部ケースの鉤型係止部の係止形態を説明するための拡大説明図である。 本発明に従う除振マウントの他の一例を示す縦断面説明図である。 図4に示される除振マウントにおける最大荷重の負荷形態を示す断面説明図である。 図4に示される除振マウントの高さを最大高さに調節した状態を示す断面説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に従う代表的な実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う除振マウントの一例に係るものの概略が、縦断面形態において示されている。そこにおいて、除振マウント10は、上部ケース12と下部ケース14とによって形成される内部空間内に、コイルばね16と制振ボール18とピストン・シリンダ機構20とを含んで、構成されている。そして、上部ケース12の上面が、図示されていない、防振支持されるべき機器やそれが載置されるテーブル等の支持面(下面)22に対して、位置固定に取り付けられる一方、下部ケース14が、かかる機器の設置されるベース、具体的には床面、地面、基礎面等の設置面24に対して、取り付けられるようになっている。
より具体的には、上部ケース12は、ABS等の公知の樹脂材料にてそれぞれ形成されてなる、全体として有底の段付き円筒形状を呈する第一の部材26と、円筒形状の第二の部材28とを有し、かかる第一の部材26の下部の大径部に、第二の部材28の上部が螺合せしめられることにより、連結されて、一体的に構成されている。なお、それら第一及び第二の部材26,28の螺合部には、Oリング30が配置されて、圧縮挟持され得るようになっている。また、第一の部材26の底部中央部には、取付孔32が貫通して設けられており、この取付孔32の周りに、取付ナット34が、同心的に埋設固定せしめられており、この取付ナット34に対して、機器に設けたブラケットやテーブル等を貫通した取付ボルトが螺合せしめられることによって、支持面22に対して、上部ケース12が、位置固定に取り付けられるようになっている。更に、第二の部材28の下部に、径方向内方に延びる内向きフランジ部が設けられて、この内向きフランジ部にて、上部ケース側鉤型係止部36が構成されている。
また、下部ケース14も、ABS等の公知の樹脂材料にて形成されてなる、全体として有底円筒形状を呈するように構成され、その底部内面の中央部位に、所定高さで立ち上がる支持部38が、一体的に設けられている。この支持部38は、下部ケース14と同心的な、上方に向かって拡開するテーパ面40を有しており、このテーパ面40によって、制振ボール18が進入載置される凹所42が形成されている。なお、かかる支持部38の下面、換言すれば下部ケース14の底部外面には、環状の係合溝44が同心的に設けられて、この係合溝44に対して、取付プレート46の上面に設けた環状突起48が嵌合せしめられ、そして接着、固定されることによって、それら下部ケース14と取付プレート46とが一体的に連結されて、分離しないように構成されていると共に、かかる取付プレート46は、ボルト50等によって、設置面24に位置固定に取り付けられるようになっている。なお、下部ケース14の開口側上部には、径方向外方に延びる外向きフランジ部が形成されて、この外向きフランジ部にて、下部ケース側鉤型係止部52が構成されており、この下部ケース側鉤型係止部52と上述した上部ケース12における上部ケース側鉤型係止部36とが、相互に係止せしめられることによって、上部ケース12と下部ケース14とが、鉤型係止構造において連結され得るように構成されている。
そして、それら上部ケース12と下部ケース14との鉤型係止構造による連結によって形成される内部空間内には、コイルばね16が、それら上部ケース12と下部ケース14とを橋絡するように配設されている。このコイルばね16は、除振又は制振されるべき機器の重量、具体的には、支持面22から除振マウント10に作用する荷重を支持し得るに足る弾性力を有しており、上部ケース12と下部ケース14との連結によって、所定のプリロードが加えられるようになっている。なお、かかるコイルばね16は、上部において、上部ケース12の第一の部材26の底部内面に対して、樹脂製のばね座51を介して着座せしめられている。一方、下部ケース14の底部内面に対しては、コイルばね16の内側空間内に内装されたゴムスリーブ54の下部に一体的に形成された外フランジ部54aを下部のばね座として、着座させられている。このゴムスリーブ54は、NBR等の通常のゴム材料を用いて形成されたものであって、図2(a)及び(b)に示される如く、外フランジ部54aが下部に設けられた円筒形状を呈していると共に、その外側面には、軸方向に伸びる複数本の凸条54bが、周方向に所定間隔を隔てて一体的に形成されており、それら複数の凸条54bによって、コイルばね16に対し、内側から接触せしめられ得るようになっている。このような凸条54bを介して、ゴムスリーブ54がコイルばね16に接触せしめられることにより、振動入力時において、コイルばね16のサージングが効果的に抑制乃至は阻止せしめられ得るようになっているのである。
また、コイルばね16の内側空間内、ここでは、ゴムスリーブ54の内側空間内には、図1に示される如く、制振ボール18が収容され、下部ケース14の底部内面に突出形成されている支持部38のテーパ形状の凹所42に載置されることにより、かかる制振ボール18が、円形の線接触をもって、支持部38の凹所42にて支持され、以て、ベース(設置面24)側に支持されるようになっている。なお、この制振ボール18は、公知の制振材料から形成された球状体を呈するものであって、そこで用いられる制振材料は、良く知られているように、流体の如く流動性を有し、変形速度に比例した粘性の抵抗力を発揮する特徴と、ばねの如く弾性的な性質を持ち、変形に比例した復元力を発揮する特徴とを併せ有する力学挙動を示す高分子材料であって、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする制振材料の他、ネオプレンゴム等の粘弾性体として用いられている公知の材料が、適宜に選択されることとなる。
さらに、コイルばね16の内側空間内には、制振ボール18の上方に位置するように、ピストン・シリンダ機構20が、上部ケース12における第一の部材26の底部内面に対して、ばね座51と共に、取り付けられている。即ち、このピストン・シリンダ機構20は、シリンダ部材56と、その内部を摺動する所定重量のピストン部材58とから構成され、かかるシリンダ部材56の上部に設けた外フランジ部56aが、ばね座51と上部ケース12における第一の部材26の底部内面との間に挟持されることによって、その軸方向が鉛直方向となるように、取り付けられているのである。また、そのようなシリンダ部材56内を鉛直方向に摺動せしめられるピストン部材58が、図1に示されるように、制振ボール18の上端に点接触せしめられて、シリンダ部材56内を重力により下降したピストン部材58の自重が、制振ボール18に作用するように構成されて、除振作用が発揮せしめられるようになっている。ここで、かかるピストン部材58の重量は、目的とする除振特性に応じて、適宜に選定されることとなる。
従って、かくの如き構成の除振マウント10にあっては、図示しない、除振又は制振されるべき機器からの荷重が、コイルばね16のみによって弾性的に支持され、制振ボール18には、作用しないようになっているところから、かかる機器からの荷重が、機器自体の重量や機器にセットされるワーク等の物体の重量、更には、機器を支持するテーブルの重量等が異なることにより、変化しても、コイルばね16の撓み量が変化するのみであって、制振ボール18には、ピストン・シリンダ機構20におけるピストン部材58の重量のみが、常に作用するようになっているのであり、これによって、ピストン部材58の質量だけを利用して共振倍率を引き出すことが、容易に出来ることとなり、以て、コイルばね16の撓み量に変化があっても、共振倍率には変化がない除振マウント10を、有利に実現することが出来たのである。なお、入力振動に関して、微振動に対しては、制振ボール18とピストン部材58とによって除振性能が引き出される一方、大きな上下動に対しては、ピストン・シリンダ機構20における、シリンダ部材56とピストン部材58との間における摺動に基づくところのエネルギーロスによって、有効な整定効果が発揮され得ることとなるのである。
しかも、ここでは、制振ボール18が、下部ケース14の底部内面に一体的に設けた支持部38の凹所42のテーパ面40にて支持されて、それら制振ボール18と凹所42とは、円形の線接触をもって接する状態とされているところから、かかる制振ボール18は、鉛直方向は勿論のこと、水平方向においても、支持されることとなるのであり、これによって、鉛直方向と共に水平方向の入力振動に対しても、有効な除振性能を有利に引き出し得るようになっている。そして、そのような水平方向の除振特性は、制振ボール18を支持する支持部38のテーパ面40の角度を変えることで、変化させられ得、テーパ面40のテーパ角度(傾斜角度)を大きくすることによって、水平方向の除振性能をより高めることが可能となる。
また、本実施形態の除振マウント10においては、その上部ケース12と下部ケース14とが、それぞれの上部ケース側鉤型係止部36と下部ケース側鉤型係止部52との係止によって、相互に連結せしめられることとなるが、ここでは、下部ケース側鉤型係止部52の上部ケース側鉤型係止部36に対する係止面60が、図3に示される如く、下部ケース14の円筒部側に位置する傾斜面60aと鉤型先端側に位置する水平面60bとから構成され、この係止面60に対して、上部ケース側鉤型係止部36の角部が案内されて、水平面60bにおいて係止せしめられるようにすることによって、上部ケース12と下部ケース14との間のセンタリングを効果的に行ない、それぞれの軸心を一致した状態において、保持し得るようにされている。尤も、防振支持されるべき機器からの荷重が付加されたときには、図3の下図に示される如く、上部ケース12が沈み込むことにより、下部ケース側鉤型係止部52に対して、上部ケース側鉤型係止部36が下方に移動せしめられるようになっているが、かかる機器側からの荷重が変化したときに、上部ケース12が下部ケース14に対して水平方向に変位させられたときに、そのような傾斜面60aと水平面60bを一方の鉤型係止部(36/52)に設けることにより、上述の如きセンタリングを効果的に行ない得ることとなるのである。
ところで、かくの如き構造の防振マウント10は、その複数個が用いられて、例えば、除振又は制振されるべき機器に対して、直接に、その四隅に取り付けて、防振支持するようにしたり、或いは、かかる機器の載置されるテーブル等の支持台の四隅に取り付けて、かかる支持台を防振支持するようにして、用いられることとなるが、それら複数の除振マウント10が、機器や支持台等の重量を均等に受けるようにするために、機器や支持台を水平に保持すべく、それぞれの除振マウント10が、高さ調整し得るレベリング機構を有していることが望ましく、その一例が、図4に示されている。
かかる図4に示される本発明に従う除振マウントの他の例においては、2つの点において、先の実施形態に係る除振マウント10とは、大きな相違が存する。なお、図4に示される除振マウント70において、先の除振マウント10と同様な構造の部分には、同一の符号を付して、詳細な説明は省略することとする。
すなわち、かかる図4に示される除振マウント70において、先の除振マウント10と異なる第一の点は、ピストン・シリンダ機構20を構成するピストン部材72の構造にある。即ち、そのピストン部材72は、図4から明らかな如く、その下部が下方に開口する有底円筒形状において構成されており、その下部円筒部72aの下端において、制振ボール18に対して、円形形状の線接触形態において接触し得るように構成されている。また、ピストン部材72の中心部には、軸方向に貫通するネジ孔72bが設けられ、このネジ孔72bに対して、調整ネジ74が螺入せしめられて、下部円筒部72aの底部内面中心から下方に突出せしめられ、その先端が制振ボール18に対して接触せしめられ得るようになっている。このように、ピストン部材72が、その下部円筒部72aの先端による円形形状の接触と、底部内面中心に対する接触により、ピストン部材72の荷重が、制振ボール18に対して効果的に支持され、そして、そのような支持荷重とのバランスによって、鉛直方向の振動に加えて、水平方向の振動に対する減衰性能を、効果的に高め得ているのである。
また、かかる除振マウント70は、下部ケース14と取付プレート46との間に、レベリング機構76を有している点において、先の除振マウント10とは、大きな相違を有している。このレベリング機構76は、下部ケース14の厚肉とされた底部の外面に開口するように形成された環状溝内に挿入されて、自由に回転可能に保持される円筒状の支持筒体78と、この支持筒体78の外周面に螺合された調整ダイヤル80と、支持筒体78のストッパ壁78aを貫通して、下部ケース14の底部に埋設された固定ナット82に対して先端ネジ部が螺合されて固定せしめられたストッパネジ84とから、構成されている。なお、ここでは、支持筒体78は、取付プレート46に対して嵌合され、そして接着されて、一体的に連結せしめられている。また、取付プレート46の下側に、ゴムシート86が更に設けられて、このゴムシート86を介して、設置面(24)に設置されることにより、このゴムシート86にても、防振効果が発揮され得るようになっている。
そして、このような図4に示される構造の除振マウント70に対して、除振又は制振されるべき機器からの荷重が加わると、コイルばね16が撓んで、上部ケース12が下降することとなり、その最大荷重が負荷されたときの除振マウント70の形態が、図5に示されている。そこでは、レベリング機構76を操作することなく、従って除振マウント70の高さ調整を行なうことなく、単に、機器から最大荷重が加わって、上部ケース12が最大限に下降した状態における形態が、示されている。
また、図6には、図4に示される除振マウント70において、レベリング機構76を操作し、調整ダイヤル80を回転させて、上昇させることにより、除振マウント70、具体的には下部ケース14を持ち上げることにより、最高到達点まで除振マウント70を高くすると共に、除振マウント70には、機器からの適当な荷重が負荷されている状態の形態が示されているのである。なお、そこでは、レベリング機構76のストッパネジ84が、支持筒体78のストッパ壁78aに当接することによって、調整ダイヤル80の回転による除振マウント70の上昇が阻止され得るようになっているのである。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも、例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等、限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、上述の実施形態においては、上部ケース12と下部ケース14とによって形成される内部空間内に、コイルばね16、制振ボール18、ピストン・シリンダ機構20が配設されてなる構造とされているが、それら上部ケース12や下部ケース14は、装置の取扱いや装置のコンパクト化等において有効ではあるものの、必ずしも必要とされるものではない。
また、上部ケース12と下部ケース14との鉤型係止構造の採用にあっても、それは、コイルばね16にプリロードを掛けることが容易である点において、好適に採用されるところであり、更に、そこにおいて、傾斜面60aや水平面60bの形成は、適宜に採用されることとなる。なお、それら傾斜面60aや水平面60bは、下部ケース側鉤型係止部52に設けられる他、上部ケース側鉤型係止部36の内面となる係止面に設けることも可能である。
さらに、テーパ面40にて形成される凹所42を有する支持部38は、例示の実施形態の如く、下部ケース14に一体的に設けられる他、下部ケース14とは別部材にて構成することも可能であり、また、下部ケース14が用いられない場合にあっては、当然に、別部材にて構成されることとなる。
加えて、図4に示される実施形態において、ピストン部材72の下部に設けられる円筒部72aの高さ(軸方向長さ)は、ピストン部材72や制振ボール18の大きさ等によって、適宜に選定されるものであり、また、ピストン部材72の中心部に螺入される調整ネジ74にあっても、制振ボール18が、円筒部72aの下端と底部内面の中央部とにおいて、それぞれ、制振ボール18の上部に確実に接触せしめられ得ることとなるならば、かかる調整ネジ74の配設やネジ孔72bの配設も、不要とすることが出来る。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
10,70 除振マウント 12 上部ケース
14 下部ケース 16 コイルばね
18 制振ボール 20 ピストン・シリンダ機構
22 支持面 24 設置面
26 第一の部材 28 第二の部材
30 Oリング 32 取付孔
34 取付ナット 36 上部ケース側鉤型係止部
38 支持部 40 テーパ面
42 凹所 44 係合溝
46 取付プレート 48 環状突起
50 ボルト 51 ばね座
52 下部ケース側鉤型係止部 54 ゴムスリーブ
54a 外フランジ部 54b 凸条
56 シリンダ部材 56a 外フランジ部
58,72 ピストン部材 60 係止面
60a 傾斜面 60b 水平面
72a 円筒部 72b ネジ孔
74 調整ネジ 76 レベリング機構
78 支持筒体 78a ストッパ壁
80 調整ダイヤル 82 固定ナット
84 ストッパネジ 86 ゴムシート

Claims (8)

  1. 除振又は制振されるべき機器とそれが設置されるベースとの間に介装されて、それらの間における振動の伝達を抑制乃至は阻止するようにした除振マウントにして、
    前記機器と前記ベースとの間に配されて、該機器からの荷重を弾性的に支持するコイルばねと、
    該コイルばねの内側空間内において、前記ベース側に支持される、制振材料からなる球状体を呈する制振ボールと、
    該制振ボールの上方に位置するように、前記コイルばねの内側空間内において前記機器側に鉛直方向に取り付けられたシリンダ部材と、該シリンダ部材内を鉛直方向に摺動し得るピストン部材とを有し、且つ該ピストン部材を前記制振ボールに対して上方から接触せしめることにより、該ピストン部材の自重が該制振ボールに作用するように構成して、除振作用が発揮せしめられるようにしたピストン・シリンダ機構とを、
    有していることを特徴とする除振マウント。
  2. テーパ形状の凹所を有する支持部材が、前記ベース側に取り付けられると共に、該支持部材のテーパ形状の凹所に前記制振ボールが載置されて、該制振ボールが、円形の線接触をもって、該支持部材の凹所にて支持されている請求項1に記載の除振マウント。
  3. 前記ピストン部材の下部が、下方に開口する有底円筒形状において構成されており、その円筒部の下端と底部内面の中央部において、それぞれ、前記制振ボールの上部に接触せしめられている請求項1又は請求項2に記載の除振マウント。
  4. 前記ピストン部材に、その中心部を貫通するネジ孔が設けられると共に、該ネジ孔にネジ部材が螺入され、前記円筒部の底部内面中心から下方に該ネジ部材の先端が突出させられて、前記制振ボールに接触せしめられ得るように構成されている請求項3に記載の除振マウント。
  5. 前記コイルばね内に挿入されて、該コイルばねに対して内側から接触するゴムスリーブが、その下部において前記ベース側に取り付けられている請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の除振マウント。
  6. 前記コイルばねを外側から覆うように配置される、前記機器側に底部において取り付けられる有底円筒形状の上部ケースと、前記ベース側に底部において取り付けられる有底円筒形状の下部ケースとを有し、該上部ケースの円筒部の開口端部と該下部ケースの円筒部の開口端部とにそれぞれ鉤型係止部が設けられて、それらが鉤型係止構造において連結され得るように構成されている請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の除振マウント。
  7. 前記上部ケースと下部ケースに形成された鉤型係止部の一方に、円筒部側に位置する傾斜面と鉤型先端側に位置する水平面からなる係止面を設け、該係止面に対して、他方の鉤型係止部が係止せしめられるようになっている請求項6に記載の除振マウント。
  8. マウント高さを変化せしめ得るレベリング機構が、更に配設されている請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の除振マウント。
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