JP5437135B2 - 半導体結晶の成長方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体結晶の成長方法に関し、特に、ZnO系結晶の成長方法及びそれを用いた光半導体装置に関するものである。
ZnO系の結晶は、RF−MBE法(別名RS(ラジカルソース)−MBE法)又はレーザーアブレーション法などを用いて、基板上に成長させている。基板としては、例えばサファイア基板、ScAlMgO基板或いはZnO基板などを用いる。
ところで、従来の方法で成長したZnO結晶中には非発光センタが多く存在している。非発光センタの多いZnO結晶を用いて光半導体装置を製造すると、光学的特性に問題が生じる。加えて、ZnO結晶に導電性を付与するための不純物をドーピングする際に、不純物の活性化率が良くない。成長中により多くの不純物用を供給する必要があり、例えば高真空条件での成長が困難になる、或いは、良質な結晶成長が困難になる、などの問題が生じる。
本発明の目的は、非発光センタの少ない良質なII−VI族結晶を成長することである。さらに、II−VI族結晶中の不純物の活性化率を向上させることを目的とする。
本発明の一観点によれば、SiC基板上にII−VI族の半導体結晶を成長させる方法であって、(a)SiC基板表面を酸化性ガス雰囲気中において800℃以上で熱処理する工程と、(b)加熱した前記SiC基板の表面上にII族原子としてZnを含み、かつ、VI族原子としてOを含むII−VI族半導体結晶をII族原子の極性面で成長する工程と、を含む半導体結晶の成長方法、が提供される。
上記の光半導体素子を構成する半導体層は、特に非発光センタが少なく、かつ、ドーピング効率が良好である。従って、光半導体素子は、光学的特性に優れている。
本発明によれば、光学的特性に優れたZnO系結晶を成長することができる。さらに、II−VI族半導体結晶への不純物のドーピング量を多くすることができる。これらのII−VI族半導体結晶を用いて、光学的特性に優れた光半導体装置を製造することができる。
本発明の第1の実施の形態によるZnO系結晶の成長方法に用いるRF−MBE装置の概略を示す断面図である。 CAICISS法により測定したZnO結晶の信号強度(縦軸)とHeイオンの入射角度θ(横軸)との関係を示すスペクトルグラフである。図2には、シミュレーション結果も併せて示した。 Zn極性面で成長したZnO結晶とO極性面で成長したZnO結晶と4.2KにおけるPL測定の結果を示すスペクトルグラフである。 本発明の第3の実施の形態によるZnO系結晶を用いたp−n接合ダーオードを含むLED装置の構造を示す断面図である。
以下に、本発明の第1の実施の形態による半導体成長技術について図1から図3までを参照して説明する。
図1は、RF-MBE法による結晶成長装置の概略構造を示す図である。図2は、サファイア基板上へ成長したZnO層に関して、CAICISS法(Coaxial Impact Collision Ion Scattering Spectroscopy)により測定した測定結果とシミュレーション結果を示すスペクトルグラフである。図3は、ZnO結晶のPL発光スペクトル測定の測定結果を示すスペクトルグラフである。
図1に、II―VI族化合物半導体結晶の成長装置の一例として、高周波分子線エピタクシー(RF−MBE)法を用いた結晶成長装置(以下「RF−MBE装置」という。)を示す。
RF−MBE装置Aは、結晶成長が行われるチャンバ1と、チャンバ1を超高真空状態に保つ真空ポンプPとを含む。チャンバ1は、Znを蒸発させるためのZn用ポート11と、Mgを蒸発させるためのMg用ポート21と、Oラジカルを照射するためのOラジカルポート31と、Nラジカルを照射するためのNラジカルポート41とを含む。
Zn用ポート11は、Zn(純度7N)原料15を収容するとともに加熱・蒸発させるクヌーセンセル(Knudsen cell: 以下Kセルと呼ぶ。)17とシャッタSとを備えている。
Mg用ポート21は、Mg原料25を収容するとともに加熱・蒸発させるクヌーセンセル(Knudsen cell:以下Kセルと呼ぶ。)27とシャッタSとを備えている。
Oラジカルポート31は、無電極放電管内に原料ガスである酸素ガスを導入し、高周波(13.56MHz)を用いて生成したOラジカルを、MBEチャンバ1内に噴出する。Oラジカルのビームに対してオリフィス33とシャッタSとが設けられている。
Nラジカルポート41は、無電極放電管内に原料ガスである窒素ガスを導入し、高周波(13.56MHz)を用いて生成したNラジカルを、MBEチャンバ1内に噴出する。Nラジカルのビームに対してシャッタSが設けられている。
ラジカルポート31、41の構造としては、外側シールド管内に設けられている放電管の外側に誘導コイルが巻かれている構造である。
チャンバ1内には、結晶成長の下地となるサファイア基板Sを保持する基板ホルダー3と、基板ホルダー3を加熱するためのヒータ3aとが設けられている。サファイア基板Sの温度は熱電対5によって測定可能である。基板ホルダー3の位置は、ベローズを用いたマニュピュレータ7によって移動可能である。
チャンバ1は、成長した結晶層をモニタリングするために設けられた反射高エネルギー電子線回折装置(RHEED装置)のガン51とRHEED装置のスクリーン55とを含む。RHEED装置のガン51とRHEED装置のスクリーン55とを用いて、MBE装置A内での結晶成長の様子(成長量、成長した結晶層の質)をモニタリングしながら成長を行うことができる。
結晶成長の温度、結晶成長膜の厚さ、チャンバ内の真空度等は、制御装置Cによって適宜制御される。結晶成長はシャッタSからSを適宜開閉しRF−MBE法により行う。
ラジカルソースを発生させる方法としては、RFを用いる。13.56MHzの高周波を用いて、無電極放電管内に原料ガスであるOを導入することによりOラジカルを生成する。例えば、Oラジカルを高真空状態のMBEチャンバ1内に吹き出させることにより、Oラジカルビームとなる。OラジカルビームとKセルからのZnビームとをサファイア基板S上に同時に照射することにより、ZnO薄膜の成長を行うことができる。不純物としてNをドーピングする場合も同様にNラジカルビームを照射すれば良い。
以下に、基板S上に、ZnOを成長する工程について、詳細に説明する。サファイア基板に所定の前処理を行う。まず、サファイア基板を有機溶媒によって洗浄する。次いで、燐酸と硫酸とを1:3の割合で混合し、110℃に加熱した混合溶液中において、サファイア基板を30分間ウェット処理する。その後、サファイア基板をチャンバ中の基板ホルダーに取り付け、チャンバ内を10−10Torr(1.33×10−8Pa)の高真空にする。チャンバ内を高真空状態にした後、還元ガス、例えば水素ガス中にて、その後の成長温度よりも高い温度、例えば1000℃で、30分程度熱処理を行う。
次いで、基板温度を所定の成長温度、例えば600℃まで下げ、基板にZnビーム及びOラジカルビームを照射し、ZnO結晶の成長を開始する。所定の厚さのZnO層を成長する。MgZnO層を成長する際には、シャッタSも開けてMgビームも基板に照射する。
上記の成長工程により成長させたZnO結晶をCAICISS法により評価した。
図2は、CAICISS法により測定したZnO膜の信号強度(縦軸)とHeイオンの入射角度θ(横軸)との関係を示す図である。図2には、シミュレーション(理論計算)に基づく計算結果についても合わせて示した。シミュレーションは、3次元2原子3回散乱モデル(Three dimensional two−atom triple scattering model)を用いた。図2に示すシミュレーション結果は、Zn極性面が露出したZnO層に関する計算結果である。
図2より、実験結果とシミュレーション結果とは良い一致を示すことがわかる。すなわち、上記成長条件で成長したZnO層は、Zn極性面で成長しているものと考えられる。この結果は、ZnO系結晶のみならず、他のII−VI族半導体結晶に拡張できるものと考えられる。尚、II族元素としてはZnを含む系に限定することにより、以下に説明する作用効果を得やすくなると考えられる。
サファイア基板上のZnO結晶を成長させる場合に、ZnO系結晶を成長する前の基板処理条件により、ZnO結晶をO極性面で成長するか、或いはZn極性面で成長するかを決めることができる。サファイア基板表面を還元ガス雰囲気中で、成長温度より高い温度、具体的には800℃以上の温度で熱処理を行った場合、その上にZn極性面でZnO結晶が成長する。サファイア基板表面を還元ガス以外の雰囲気中で熱処理を行った場合、又は還元ガス中であっても、例えば800℃以下の結晶成長温度よりも低い温度で熱処理を行うと、その上にO極性面でZnO結晶が成長する。
上記基板処理雰囲気を水素ガス以外にプラズマ状水素や原子状水素を含む雰囲気、NHガス雰囲気等の還元性ガス雰囲気とすることもできるであろう。また、基板処理条件としてサファイア基板上にAlNバッファ層やMgバッファ層を形成することによりII−VI族半導体結晶を、Znを含むII族原子の極性面で成長することもできるであろう。
次に、ZnO結晶層中に不純物としてNをドーピングするための実験を行った。Nラジカルポート41を用いて生成したNラジカルを、ZnO結晶層の成長中にサファイア基板に向けて照射することによりN不純物のドーピングを行った。
尚、ZnO結晶の成長は、O極性面又はZn極性面のいずれかで成長するように2通りの実験を行い、O極性面で成長したZnO結晶とZn極性面で成長したZnO結晶の特性とを比較した。前述のように、O極性面で成長させるためには、ZnO結晶成長前に高真空中で1000℃、30分間の熱処理を行った。
不純物濃度分析によりNの不純物濃度を測定した結果、O極性面で成長したZnO結晶とZn極性面で成長したZnO結晶とでは、Zn極性面で成長したZnO結晶中のN不純物濃度の方が2桁程度高いことがわかった。Zn極性面で成長したZnO結晶中のN不純物濃度としては、例えば1019cm−3オーダーの値が得られる。
Zn面で成長させたZnO結晶とO極性面で成長させたZnO結晶とについて、不純物(N)をドーピングした場合の光学特性を比較する。
図3は、サファイア基板上に、Zn極性面で成長させたZnO結晶とO極性面で成長させたZnO結晶とについて、同一の条件でNをドーピングした場合のPL特性を比較して示す図である。サファイア基板を還元ガス中で熱処理しZn極性面で成長させたNドープZnO結晶と、ZnO結晶成長前にサファイア基板を高真空中で1000℃、30分間の熱処理を行いO極性面で成長させたNドープZnO結晶とのPL特性を比較した。PL測定は、基板温度4.2Kで行った。
図3に示すように、Zn極性面で成長させたNドープZnO結晶のPL強度は、O極性面で成長させたNドープZnO結晶のPL強度と比べて、8倍ほど高いことがわかる。この結果から、不純物としてNをドーピングした場合でも、Zn極性面で成長させたZnO結晶の方がO極性面で成長したZnO結晶よりも光学的特性が優れていることがわかった。上述のように、これらの結果は、他のII−VI族半導体結晶にも拡張することができると考えられる。
尚、発明者の実験によれば、Nを1019cm−3オーダーの高い濃度までドーピングすると、自己補償効果により非発光センタが増大し、光学的特性は劣化する傾向にあることがわかっている。この点とPL強度の結果とを考慮すれば、Zn極性面で成長したZnO結晶とO極性面で成長したZnO結晶とでは、Zn極性面で成長したZnO結晶の方が、不純物(N)の活性化率がかなり良いと言える。すなわち、Zn極性面で成長したZnO結晶は、O極性面で成長したZnO結晶よりも光学特性と不純物の活性化率とが優れていると言える。
以上説明したように、サファイア基板表面を、その上にZn極性面でZnO結晶が成長するように処理し、その後に実際にZn極性面でZnO結晶を成長すると、光学的特性に優れたZnO結晶を成長することができることがわかった。
次に、本発明の第2の実施の形態による半導体結晶について説明する。本実施の形態は、六方晶系SiC基板上にZnO結晶を成長するものである。SiC基板は(0001)面(+C面)を主面とする基板を用いる。所定の条件を用いてSiC基板表面にエッチング処理を施す。その後、RF−MBE装置に基板を取り付け、所定の基板温度、例えば800℃まで基板温度を上げる。その後、酸素プラズマガン31のシャッタSを開ける。この際、酸素の流量を3sccmとし、RFパワーを300Wとする。基板温度により、必要な処理時間は異なるが、例えば基板温度を800℃とした場合には、30分以上の処理時間が好ましい。
酸素処理を終了させた後、SiC基板の温度を所定の温度、例えば600℃まで下げて、ZnO結晶層の成長を行う。すなわち、ZnO結晶の成長は、酸素プラズマ雰囲気中での熱処理温度よりも低い温度で行うのが好ましい。
上記のプロセスを用いると、ZnO結晶はZn極性面で成長する。Zn極性面で成長させることにより、上記第1及び第2の実施の形態による半導体成長技術の場合と同様に、ZnO結晶は、良好な光学的特性と高い活性化率を示す。
尚、ZnO結晶成長前の処理ガスとして、酸素ガス、NO、NO及びオゾンとから成る群のうちの少なくともいずれか1種類以上を選択して用いても良い。これらの酸化性ガスを、クラッキングして形成した原子状の酸素を用いて熱処理を行っても良い。この際、RF法とECR法とフィラメントの熱などを用いた熱処理法とのうちから選択された方法を用いて酸化性ガスをクラッキングすれば良い。上記の処理を行った後にZnO結晶を成長すると、ZnO結晶をZn極性面で成長させることができる。
以上のように、本発明の第2の実施の形態による半導体成長技術を用いると、SiC基板上にZnO系結晶をZnの極性面で成長することができる。従って、非発光センタの少ない光学的特性に優れたZnO系結晶を成長することができる。加えて、不純物の活性化率を高くすることができる。
尚、上記第1及び第2の実施の形態による半導体結晶成長技術においては、SiC基板又はサファイア基板上にZnO系結晶を成長する場合を例にして説明したが、所定の前処理をもってZnO(0001)面(+C面)上にZnO結晶を成長すれば、Zn極性面で成長することができ、ZnO系結晶層の光学的特性を改善できることは明らかである。
以上、説明したように、所定の基板上にZnO系結晶を成長させる際に、ZnO系結晶をZn極性面で成長させるための前処理条件は、用いる基板の種類によって異なるが、それぞれについてZn極性面でZnO系結晶が成長するような前処理条件、特に熱処理条件を選択すれば、実際にZnO系結晶をZn極性面で成長することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態による光半導体装置について図4を参照して説明する。
LED(Light Emitting Diode)やLD(LaserDiode)等の光半導体装置を構成する半導体結晶材料の結晶性は、光半導体素子の電気的な特性、光学的特性及び素子の信頼性(素子寿命)に重大な影響を与える。光半導体素子を構成する半導体結晶材料の結晶性が良好なほど、光半導体素子の光学的・電気的特性や信頼性が良好になる。
まず、出発基板表面にZn極性面でZnO系結晶が成長するような処理を施し、その上に光半導体素子構造を構成するZnO系結晶層をZn極性面で成長すれば、光学的特性の良好な光半導体素子を製造することができる。
図4に示す光半導体装置Cは、サファイア基板51を出発基板として用いている。サファイア基板51の表面を還元ガス中で成長温度よりも高い温度の熱処理を行う。その後、RF−MBE法によりZnO系結晶を成長すると、ZnO系結晶がZn極性面で成長する。
尚、本実施の形態において、LEDの設計上の自由度を向上させるため、ZnO系結晶として、ZnO層の他にMgZn1−xO層をも成長させた。MgZn1−xO層は、図1に示すRF−MBE装置内に、別途、Mgのポートを設け、ZnとOとMgのビームを基板に照射することにより成長することができる。
結晶成長時のチャンバ内圧力は、全層とも1×10−5Torr(1.33×10−3Pa)である。
以下に各層の成長温度、膜厚及び成長原料の例を示す。
まず、サファイア基板51上に、Zn極性面になる前処理を行った後、成長温度、例えば600℃まで下げる。
尚、n型のドーパントとしてはNを用いる。
Mg0.05Zn0.95Oバッファ層53上に、n−Mg0.33Zn0.67Oクラッド層55を成長する次いでMg0.05Zn0.95Oバッファ層53を成長する。クラッド層として、さらにn−ZnOクラッド層を形成しても良い。Mg0.05Zn0.95Oバッファ層53とn−Mg0.33Zn0.67Oクラッド層55との間に、n−ZnOクラッド層を挿入しても良い。
次いで、 MgZnO/ZnOの多重量子井戸構造を有する活性層61を成長する。活性層61上に、 p−MgZnOクラッド層63を成長する。p−Mg0.33Zn0.67Oクラッド層63の上にp−ZnOコンタクト層65を成長する。
上記のように成長した積層構造を加工する。
活性層61と、クラッド層63と、クラッド層65とが島状に加工されて島状積層構造SS1を形成する。n型MgZn1−xOクラッド層65の表面の一部が露出する。
島状積層構造SS1の側壁は、サイドスペーサ絶縁膜71により被覆される。サイドスペーサ絶縁膜71の上部に開口72が形成されており、開口72からp−ZnOコンタクト層65の表面が露出している。
尚、活性層61としては、上記の多重量子井戸構造以外にも、ZnCdO/ZnO又はMgZnCdO/MgZnCdO等の多重量子井戸構造を用いることもできる。
活性層61を、n型のクラッド層55とp型のクラッド層63とで挟んだダブルヘテロ構造を形成しても良い。その場合には、例えば活性層61の厚さが10から100nmである。多重量子井戸構造を形成する場合は、井戸層と障壁層が交互に形成されている。この場合、1井戸層と1障壁層との合計の膜厚が10nm以下であることが好ましい。但し、1井戸層の厚さは1障壁層の厚さよりも薄いのが好ましい。これら1井戸層と1障壁層とを1単位として、この1単位を3周期から5周期繰り返すのが好ましい。
n型ZnOクラッド層55に接触する下部電極73を形成するとともに、p型ZnOコンタクト層65上に受光面に開口72を有する上部電極75を形成する。このようにして、発光ダイオードLEDを形成することができる。発光ダイオードLEDは、上記の工程を経て、ZnO系の結晶層、特に活性層61がZn極性面で成長されるため、非発光センタが少ない。同じ非発光センタ量で比較すれば、不純物のドーピング量を増やせるので、例えばコンタクト層65中の抵抗率を下げることができ、電極との間のコンタクト抵抗などを低減できる。
従って、LEDの光学特性を向上させることができる。例えば、短波長(紫外から青色)LED及びそれを用いた各種インジケータ、ディスプレイに適用可能である。さらに、白色LED及びそれを用いた照明器具、各種インジケータ、ディスプレイ及び各表示器のバックライトなどにも適用可能である。
尚、本実施の形態においては、光半導体素子としてLEDを製造する場合を例にして説明したが、その他、レーザ装置などを形成した場合にも、光学的特性を向上させることができることは言うまでもない。
また、サファイア基板以外にも、前述のSiC基板やZnO(0001)面(+C面)を主面とする基板上に同様のZnO系光半導体素子を形成することができる。
さらに、上記ZnO系結晶の成長方法として、RF−MBE法を例示したが、その他のMBE法、例えばガスソースMBE法を用いても良い。或いは、MOCVD法を用いても良い。
特に、MOCVD法を用いた成長技術では、H雰囲気中において基板表面処理を行い、次いで、II−VI族などの半導体結晶を成長する工程が一般的に用いられている。従って、基板表面処理工程と結晶成長工程とを1つのMOCVD装置内において連続処理することが容易である。すなわち、MOCVD法を用いて基板の前処理を行い、次いでII−VI族半導体結晶を成長させる技術は、本発明に包含されるものであり、かつ、その中でも有力な技術の1つと言える。
以上、実施の形態に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。結晶成長の条件その他のプロセスパラメータも種々選択することができる。その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明あろう。
A RF−MBE装置
P 真空ポンプ
1 チャンバ
3 基板ホルダー
3a ヒータ
5 熱電対
7 マニュピュレータ
11 Zn用ポート
21 Mg用ポート
31 Oラジカルポート
41 Nラジカルポート
17、27、47 クヌーセンセル
33 オリフィス
S 基板
51 サファイア基板
53 Mg0.05Zn0.95Oバッファ層
55 n−Mg0.33Zn0.67Oクラッド層
61 活性層
63 p−MgZnOクラッド層
65 p−ZnOコンタクト層
SS1 積層構造
71 サイドスペーサ絶縁膜
72 開口
73 下部電極
75 上部電極

Claims (5)

  1. SiC基板上にII−VI族の半導体結晶を成長させる方法であって、
    (a)SiC基板表面を酸化性ガス雰囲気中において800℃以上で熱処理する工程と、
    (b)加熱した前記SiC基板の表面上にII族原子としてZnを含み、かつ、VI族原子としてOを含むII−VI族半導体結晶をII族原子の極性面で成長する工程と、
    を含む半導体結晶の成長方法。
  2. 前記(a)工程は、酸素とNOとNOとオゾンとから成る酸化性ガス群のうちから選択された少なくともいずれか1種のガス雰囲気中において、熱処理を行う工程を含む請求項に記載の半導体結晶の成長方法。
  3. 前記SiC基板を熱処理する温度は、前記II−VI族の半導体結晶の成長工程における結晶成長温度よりも高い温度である請求項1又は2に記載の半導体結晶の成長方法。
  4. 前記(a)工程は、RFプラズマ処理法とECRプラズマ処理法とフィラメントから発生する熱を用いた熱処理法とから成る群のうちから選択される少なくとも1種の方法を用いて、前記酸化性ガスをクラッキングして形成する原子状の酸素を利用して熱処理する工程を含む請求項2又は3に記載の半導体結晶の成長方法。
  5. 前記(b)工程は、MBE法又はMOCVD法を用いてII−VI族半導体結晶を成長する工程を含む請求項1から4までのいずれか1項に記載の半導体結晶の成長方法。
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