JP5436723B2 - 象牙質用修復材料キット - Google Patents

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Description

本発明は、歯科用の象牙質用修復材料キットに関する。このキットは、複数種の硬化性ペーストからなり、これらの硬化性ペーストの硬化体は実質的に同一の明度を有する。更に詳述すれば、本発明は、歯牙の損傷箇所に硬化性ペーストを積層して充填し、硬化させることにより、歯牙を審美的に修復する、象牙質用修復材料キットに関する。
齲蝕や破折等により損傷をうけた歯牙の修復に際しては、硬化性ペーストからなるコンポジットレジンと呼ばれる修復材料が、操作の簡便さから、広く用いられている。この硬化性ペーストは、通常、光硬化性である。硬化性ペーストは、近年、機械的強度や、歯牙に対する接着力が著しく向上しているので、前歯部の修復のみならず、高い咬合圧が加わる臼歯部に対しても使用されている。
歯牙用修復材料を用いて歯牙を修復する場合は、以下の1)〜3)の方法により行なうのが一般的である。
1)齲蝕などの損傷を受けた歯牙(以下、「修復歯牙」とも言う)の損傷部を切削して除去することにより、歯牙に窩洞を形成する。
2)上記窩洞の内表面に、一般には、ボンディング材と呼ばれる接着材を塗布する。次いで、必要に応じてエアーブローを行なう。その後、接着材に光照射を行なうことにより、接着材で窩洞内表面を覆う。次いで、窩洞の内表面を覆う接着剤表面に硬化性ペーストを築盛する。この築盛する硬化性ペーストを光硬化させることにより、窩洞が封鎖される。
3)仕上げとして、窩洞に充填された硬化性ペースト(複合充填修復材料とも言う)の硬化体の形態修正、研磨を行なう。
歯牙の修復においては、修復材料の操作性や窩洞に充填される複合充填修復材料の硬化体は、機械的強度等に優れることが要求され、更に修復後の歯牙が良好な審美性を有することも要求される。
天然の歯牙(天然歯)は、象牙質およびエナメル質からなる。天然歯は、各部位で色調(色相、彩度、明度)が異なる。例えば、天然歯の切端部は象牙質層が薄く、ほとんどエナメル質で構成されているため、透明性が高い。逆に歯頸部は象牙質層が厚いため、不透明であり、切端部と比較し明度(色の濃淡)、彩度(色の鮮やかさ)が高い。
すなわち、天然歯は、象牙質層が厚い歯頸部から象牙質層の薄い切端部の方向に向うに従って、彩度及び明度が低下する。このように、歯牙は部位によって色調が異なる。従って、歯牙の修復においても、高い審美性を確保するために、歯牙の修復部位に応じて修復材料の色調を整える必要がある。この審美性の要請に応える方法として、色調が各異なる複数種の硬化性ペーストを用意し、これらの中から、実際の修復歯牙及びその隣接歯牙(以下、「修復歯牙の周辺」とも言う)と色調が最も良く適合している硬化性ペーストを選定して修復に使うことが行われている(非特許文献1)。
具体的には、硬化性ペーストの色調の選定は以下のようにして行われる。先ず、硬化性ペーストの各硬化体のサンプルが集められたシェードガイド(色見本)が用意される。次に、歯科医師は、シェードガイドに表示されている硬化体サンプルのそれぞれの色調と、口腔内を覗き込んで確認される修復歯牙の周辺の色調とを見比べる。最後に、歯科医師は、前記見比べた結果、最も近い色調と感じられる硬化体サンプルに相当する硬化性ペーストを選び出す。
修復歯牙の損傷が大きく、窩洞が深い場合は、上記色調の調節を、単一種の硬化性ペーストの充填で実現することは困難である。窩洞が深い(例えば、4級窩洞など)場合、歯牙の色調は、単に歯面部(エナメル質部分)の色調だけでは決定されない。実際には、歯牙の色調は、歯面部から、透けて見える深層部(象牙質部分)までの色調が融合して、グラデーションに富む状態で観取される。
この色調のグラデーションに対応するため、窩洞の修復に際しては、硬化性ペーストを積層充填する方法が知られている。この方法においては、一定の窩洞の深さ毎に、色調の異なる硬化性ペーストを充填し、硬化させることを繰返すことにより、この微妙な色調のグラデーションを再現するものである。
通常は、窩洞の最深部から歯牙表面部に向って、象牙質部分の色調を再現する複数種の象牙質修復用の硬化性ペーストを順次積層し、最後の表面部に、エナメル質修復用の硬化性ペーストを積層する(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。なお、上記積層に際しては、硬化性ペーストを順次積層する度に、積層する硬化性ペーストを硬化させる方法を採用するのが通常である。
松村英雄、田上順次監修,「接着YEARBOOK 2006」,第1版,クインテッセンス出版株式会社,2006年8月,p.129−137 宮崎真至著,「コンポジットレジン修復のサイエンス&テクニック」,第1版,クインテッセンス出版株式会社,2010年1月,p.48−49
深い窩洞を上記積層充填する方法により修復する場合において、色相や彩度(これらを併せて「色度」という)は、修復歯牙の周辺部と良く適合したものに再現できる。しかし、明度は周辺部と適合し難く、修復部位の外観が修復歯牙の周辺の外観と比較して明るく、または暗くなる現象が多々生じている。
この現象の生じる理由は、色に対する人の感受性に基因する。人の色に対する感受性は、色相、彩度、明度からなる色調の三要素の中でも、色度(色相及び彩度)に特に重きがおかれている。その結果、前記シェードガイドを用いる硬化性ペーストの選定に際しても、無意識のうちに、修復歯牙の周辺部の色度に適合することが優先されて硬化性ペーストが選定されるからである。
硬化性ペーストに関しては、修復する歯牙の多彩な色度に対応できるように、各種色度の硬化性ペーストが用意されている。しかし、色度に加えて、多数の異なる明度を持つ硬化性ペーストは、用意されていないのが現状である。その理由は、用意するべき硬化性ペースト数が膨大になるからである。すなわち、同一色度の硬化性ペーストにおいて、明度を違えたものが複数用意されている状況は、通常想定されない。
上記のように、人間の感性に導かれて、色度を基準にして硬化性ペーストを選定すると、明度は色度の選定に付随して自動的に決まる。前述のように、修復する歯牙に対する硬化性ペーストの積層充填においては、窩洞の深さに応じて色度の異なる硬化性ペーストを複数積層する。従って、複数積層を行うと、修復後の歯牙の各部位の明度は、実際の修復歯牙の明度とは無関係に、各部位ごとに大きくばらつく。
この問題を避けるため、臨床においては、上記積層充填における明度の調整は、各層の厚さを制御することにより行なわれている。すなわち、同一の硬化性ペーストを積層する場合、得られる各層の明るさは、厚みが厚いほど明るく、薄いほど暗くなる。よって、各層ごとに選定する硬化性ペーストの明度に応じて、その層の厚みを増減させ、修復部位の全体明度が、実際の修復歯牙の全体明度に適合するように調整している。
しかしながら、積層する層ごとに、使用する硬化性ペーストの明度は大きくばらつく状態にある。この様な状態において、最終的な修復部位における全体明度が、修復歯牙のそれに適合するように、各硬化性ペーストの厚みを設計し、積層することは、容易なことではない。
歯科医師は、経験則に基づいて、全体明度を予想しながら、層ごとに硬化性ペーストの厚さを変えて、硬化性ペーストを積層充填している。しかし、経験の浅い歯科医には、その判断は難しく、その結果円滑な治療の妨げになっている。とりわけ、歯牙内部の象牙質部分は明度が高く、肉厚で、部位による明度の変化も大きいので、この部分だけで、複数層の積層が必要である。しかし、この複雑な積層部分の全体明度を周辺と適合させる様に、各層の厚さを設計することは、前述のように大きな困難を伴う。その結果、象牙質部分の修復において、明度が大きく周辺部分と相違することも多々生じている。この様な場合、表層のエナメル質修復用の硬化性ペースト(ほぼ透明)の積層によっては、これを改善することは不可能である。
したがって、前記した如くに、治療後、修復部位において、歯牙の修復部と、その周辺部との明度が十分に適合しない失敗症例が生じる事態を引き起こしている。
以上の理由により、複数種の硬化性ペーストを窩洞に積層充填する歯牙の修復においては、修復歯牙に対する色度の適合を容易にするだけでなく、明度の適合も容易にすることが、大きな課題である。
本発明者らは、上記技術課題を解決するべく、鋭意研究を続けてきた。その結果、象牙質用修復材料キットを構成する、互いに色調の異なる各硬化ペーストにおいて、夫々の明度を同一値に揃えることにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 それぞれ色調の異なる複数種の硬化性ペーストの組みあわせからなる象牙質用修復材料キットであって、各硬化性ペーストは、これらを硬化させて得られる厚さ3.0mmの硬化体を黒背景条件下で測色する場合に、CIELab表色系における明度Lが55〜75の範囲内の値にあり、且つ明度Lの変動幅が3以内の値を示す象牙質用修復材料キット。
〔2〕 各硬化性ペーストは、これらを硬化させて得られる厚さ3.0mmの硬化体を黒背景条件下で測色する場合に、CIELab表色系におけるaが−5.0〜3.0の範囲内で、bが0〜20の範囲内の値を示し、且つ各硬化体の該aおよびbの少なくとも一方が、aの場合は0.3以上、bの場合は1.0以上互いに相違する値である、異なる色度を有する〔1〕に記載の象牙質用修復材料キット。
〔3〕 各硬化性ペーストは、これらを硬化させて得られる厚さ1.0mmの硬化体を黒背景条件下でコントラスト比を測定する場合に、コントラスト比が0.55〜0.75の範囲内の値を示す〔1〕に記載の象牙質用修復材料キット。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の象牙質用修復材料キットと、複数種の硬化性ペーストからなり、前記複数種の硬化性ペーストは、これらを硬化させて得られる硬化体を黒背景条件下で測色する場合に、互いに異なる色調を有するエナメル質用修復材料キットと、からなる歯牙用修復材料キット。
〔5〕 エナメル質用修復材料キットを構成する各硬化性ペーストが、これらを硬化させて得られる厚さ3.0mmの硬化体を黒背景条件下で測色する場合に、CIELab表色系における明度Lが45〜65の範囲内、aが−5.0〜3.0の範囲内、bが−5〜20の範囲内の値を示す〔4〕に記載の歯牙用修復材料キット。
〔6〕 エナメル質用修復材料キットを構成する各硬化性ペーストが、これらを硬化させて得られる厚さ1.0mmの硬化体のコントラスト比を測定する場合に、コントラスト比が0.20〜0.55の範囲内の値を示す、〔4〕に記載の歯牙用修復材料キット。
〔7〕 〔1〕に記載の象牙質用修復材料キットの製造方法であって、複数種の硬化性ペーストの明度Lの調整に際し、白色着色剤の配合量を変化させることにより、硬化性ペーストの色度aおよびbの値を保持しながら、明度Lを調節する象牙質用修復材料キットの製造方法。
本発明の象牙質用修復材料キットを用いて積層充填による象牙質部分の修復を行うと、簡易な操作で、色度だけでなく明度までも、修復歯牙周辺と良好に適合させて修復することができる。したがって、本発明のキットに、エナメル質用修復材料キットを組合せて用いる場合、審美性に優れる歯牙の修復が操作性良く実現できる。
図1は、実施例および比較例で使用した歯牙修復用模型の正面図である。 図2は、図1の歯牙修復用模型の右側面図である。 図3は、図1の歯牙修復用模型に形成されたIV級窩洞に対して、色調の異なる各硬化性ペーストを積層充填する状態を示す断面図である。 図4は、図1の歯牙修復用模型に形成されたIV級窩洞を修復した後の状態を示す正面図である。
1は、歯牙修復用模型である。
2は、右上1番前歯である。
3は、IV級窩洞である
4は、修復部位である。
Dは、窩洞深さである。
Hは、窩洞高さである。
Wは、窩洞幅である。
始めに、本発明において用いる、色調に関する各物性値について説明する。
<明度L
明るさを表す尺度であり、JIS Z8729の規定にしたがって測定される値である。黒背景の雰囲気下において、厚さ3.0mmの試料板に厚さ方向に沿って標準光Cを照射する。反射光を測定し、CIELab表色系で表されるL値を読み取る。L値は100に近いほど明るく、0に近いほど暗い材料であることを示す。
<色度a、b
色相及び彩度を表す指標であり、JIS Z8729の規定にしたがってそれぞれ測定される。黒背景の雰囲気において、厚さ3.0mmの試料板に厚さ方向に沿って標準光Cを照射する。反射光を測定し、CIELab表色系で表されるa値及びb値を読み取る。a及びbは、色の方向を示している。aは赤方向、−aは緑方向、bは黄方向、−bは青方向を示す。それぞれの数値が大きいほど、鮮やかな色を示し、数値が小さいほどくすんだ色を示す。
<コントラスト比>
透明性を表す尺度である。JIS Z8701に規定されるXYZ表色系の三刺激値の内で、明るさに関するY値を用いて算出する。厚さ1.0mmの試料板の裏面に黒背景、及び白背景を接触させる。標準の光Cを試料板の厚さ方向に沿って表面から照射する。反射光を測定し、Y値を読み取る。黒背景の場合のY値をYb、白背景の場合のY値をYwとする。コントラスト比(C)はYb/Ywから求まる。Cの値が1に近いほど不透明な材料であり、0に近いほど透明な材料であることを示す。
本発明の象牙質用修復材料キットは、複数の硬化性ペーストにより構成され、これら硬化性ペーストの硬化体はそれぞれ色調が異なる。本キットを構成する複数の硬化性ペーストは、これらを硬化させた各硬化体の色相及び彩度の少なくとも一方が相違する硬化性ペーストである。即ち、硬化体が異なる色度を有する複数の硬化性ペーストにより、本キットは構成される。
本キットを構成する硬化性ペーストの数は、通常は2〜20、好適には3〜18である。上記硬化性ペーストの数で本キットを構成することにより、色相及び彩度が、修復対象の人歯の象牙質と良く適合でき、更に象牙質の部位間および個人差による変動にも十分適合するキットを構成できる。
各硬化性ペーストの硬化体の色相及び彩度に関しては、一般のシェードガイド(「VITAPANClassical」が最も汎用的)で設けられているA系統(赤茶色)、B系統(赤黄色)、C系統(灰色)、D系統(赤灰色)を参照して、必要な色相及び彩度が適宜に採択される。
象牙質と色相が良く適合するように、aは−5.0〜3.0の範囲内、好適には−4.0〜2.0の範囲内の値が選択される。bは0〜20の範囲内、好適には1〜19の範囲内の値が選択される。
本キットは、上記の様に、硬化体のa及びbの少なくとも一方が異なる色調を示す複数の硬化性ペーストにより構成される。各硬化体同士の色調の相違は、aの値として0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.7以上が特に好ましい。bの値としては、1.0以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。
「VITAPANClassical」のシェードガイドに従って、A系統(赤茶色)、B系統(赤黄色)、C系統(灰色)、D系統(赤灰色)の各色調を設ける場合、同じ系統の色相内で近接する色調の濃さの硬化性ペースト同士で色調の相違は、aの値として3.0以下であるのが好ましく、2.0以下であるのが特に好ましく、bの値として7.0以下であるのが好ましく、5.0以下であるのが特に好ましい。
本発明の最大の特徴は、上記異なる色調の複数の硬化性ペーストの硬化体の各明度Lを、55〜75の範囲、好ましくは57〜70の範囲から選ばれる、所定の変動幅内の実質的に同一値に揃えている点にある。これにより、充填層ごとに、上記a及び/又はbが異なる硬化性ペーストが選定されて積層されても、硬化体のLは常に同一になる。その結果、表層のエナメル質修復用硬化ペーストの選定による明度調整の範囲を考慮して、積層する象牙質部分の硬化ペーストの厚みを簡単に予測できる。従って、最終的な修復部分の全体明度を、修復歯牙周辺の明度と良く適合させることが可能になる。
前記のように、従来の象牙質用修復材料キットの場合は、各硬化性ペーストの色調の品揃えは、色相及び彩度を違えることを重視しているが、明度については厳格にコントロールされていない。即ち、明度については、前記Lの範囲(55〜75)を逸脱しない程度のコントロールがなされている程度である。したがって、従来の象牙質用修復材料キットにおける各硬化性ペーストの硬化体の明度は、色相及び彩度の変化に付随して無秩序(大まかには、彩度が高くなるに従って、明度は低下する傾向が強い)に変動しているのが普通である。本キットのように明度が実質的に同一値に揃えられていない。
各硬化性ペーストの硬化体の明度Lの値が75を超える場合は、明度が高すぎる。この場合は、積層充填の際の厚みの制御によっては、修復部位の明度を修復歯牙周辺の明度と良好に適合させることが難しくなる。即ち、該修復部位が周辺から白っぽく浮き上がったように見えるようになる。
硬化性ペーストの硬化体の明度Lの値が55未満の場合は、逆に、明度が低すぎる。この場合は、上記と同様に、積層充填の際の厚みの制御によっては、修復部位の明度を修復歯牙周辺の明度と良好に適合させることが難しくなる。即ち、修復部位が暗く見えるようになる。
なお、本発明において、各硬化性ペーストの硬化体の明度Lが実質的に同一値とは、有効数字である1の位の数字を含む全数字が全く一致している場合がある。更に、歯科医が、積層充填時に硬化性ペーストの厚みの変化により明度を制御する場合において、同一明度の硬化性ペーストとして認識できる程度の僅かな明度の差異である場合を含む。具体的には、各硬化性ペーストの硬化体の明度Lの変動幅(明度Lの最大値と最小値との差異)が3以内、より好ましくは2以内に収まっている場合、これら硬化性ペーストの硬化体の明度Lは実質的に同一値であると定義する。
本発明の象牙質用修復材料キットにおいて、各硬化性ペーストの硬化体のコントラスト比は、0.55〜0.75が好ましい。コントラスト比が、この範囲内にある場合、硬化性ペーストの硬化体の透明性は、象牙質の透明性と良く適合したものになる。
上述の色調を示す本硬化性ペーストは、一般に重合性単量体、重合開始剤、充填材、及び着色剤を含む重合性組成物からなる。
<重合性単量体>
本硬化性ペーストに配合される重合性単量体としては、歯科分野において、コンポジットレジンに使用される重合性単量体が制限なく使用できる。アクリレート系又はメタクリレート系(以下、両者を(メタ)アクリレート系と表示することがある)の重合性単量体が好ましい。硬化速度や硬化体の機械的物性、耐水性、耐着色性等の観点から、多官能の(メタ)アクリレート系の単量体がより好ましい。
多官能性の(メタ)アクリレート系重合性単量体として、好適に使用できるものを例示すれば、下記(I)〜(III)に示されるものが挙げられる。
(I)二官能重合性単量体
i)芳香族化合物系
2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパン(以下、bis−GMAと略記する)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(以下、D−2.6Eと略記する)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート。
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合物との付加反応により得られるジアダクト等。
ii)脂肪族化合物系
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(以下、3Gと略記する)、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートおよびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート。
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加体から得られるジアダクト。
1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル等。
(II)三官能重合性単量体
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート等のメタクリレート及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
(III)四官能重合性単量体
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物とグリシドールジメタクリレートとの付加体から得られるジアダクト等。
これら多官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体は、必要に応じて複数を併用しても良い。
さらに、必要に応じて、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリレート、及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等の単官能の(メタ)アクリレート系単量体や、上記(メタ)アクリレート系単量体以外の重合性単量体を用いても良い。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、上記重合性単量体を重合、硬化させることができるものであれば、公知のものが何ら制限なく使用できる。通常は、光重合開始剤が使用されることが多いが、化学重合開始剤(常温レドックス開始剤)や熱重合開始剤等も使用可能である。重合開始剤は、単独で使用する他に、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等のベンジルケタール類;ベンゾフェノン、アントラキノン、チオキサントン等のジアリールケトン類;ジアセチル、ベンジル、カンファーキノン、9,10−フェナントラキノン等のα−ジケトン類;ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)―フェニルホスフィンオキサイドなどのビスアシルホスフィンオキサイド類等が使用できる。
上記光重合開始剤は、好ましくは還元性化合物と組合せて用いる。還元性化合物としては、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどの第3級アミン類;2−メルカプトベンゾオキサゾール、1−デカンチオール、チオサルチル酸、チオ安息香酸などの含イオウ化合物;N−フェニルアラニンなどを挙げることができる。
前記の光重合開始剤の活性をより高めるために、光酸発生剤を加える態様も好ましい。光酸発生剤としては、ジアリールヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物、スルホン酸エステル化合物、およびハロメチル置換−S−トリアジン誘導体、ピリジニウム塩系化合物等が挙げられる。光酸発生剤を用いる場合、光重合開始剤としてはカンファーキノン等のα−ジケトン類が好ましく、4−ジメチルアミノ安息香酸等の還元性化合物を併用することがさらに好ましい。
熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物を挙げることができる。
化学重合開始剤としては、例えば、上記の熱重合開始剤で使用される過酸化物と、光重合開始剤において還元性化合物として例示した第3級アミン類とを組み合わせる系等が挙げられる。
硬化性ペーストにおいて、重合開始剤の配合量は、重合性単量体100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部であり、より好ましくは0.1〜5質量部である。この範囲内で、且つ所望する硬化体の色調に影響を与えない配合量で、重合開始剤は使用される。
<充填材>
充填材としては、歯科分野において、コンポジットレジン用の充填材として使用されるものが制限なく使用できる。具体的には、非晶質シリカ、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア、石英、アルミナ、バリウムガラス、ジルコニア、チタニア、ランタノイド、コロイダルシリカ等の無機粉体が挙げられる。これらの無機粉体は、シランカップリング剤等を用いて表面処理をした充填材であっても良い。さらに、有機粉体や有機無機複合粉体も使用できる。本発明において、特に、好適に使用される充填材としては、特開昭58−110414号公報、特開昭58−156524号公報等に記載の方法で製造される、球状複合酸化物粒子である。
硬化性ペーストにおいて、充填材の配合量は、重合性単量体100質量部に対して、好ましくは200〜1900質量部であり、より好ましくは300〜900質量部である。この範囲内で、且つ硬化性ペーストの、所望する色調に悪影響を及さない範囲内の量で使用される。
<着色剤>
上記重合性単量体、重合開始剤、及び充填材を含む重合性組成物は、着色剤を配合することにより、所望の色調に調整される。使用される着色剤としては、顔料、又は染料が挙げられる。
顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の白色顔料;べんがら、モリブデンレッド、クロモフタールレッド等の赤色顔料;黄酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、クロモフタールイエロー等の黄色顔料;コバルトブルー、群青、紺青、クロモフタールブルー、フタロシアニンブルー等の青色顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック等の黒色顔料を挙げることができる。
染料としては、KAYASET RED G(日本化薬)、KAYASET RED B(日本化薬)の赤色染料;KAYASET Yellow 2G、KAYASET Yellow GN等の黄色染料;KAYASET Blue N、KAYASET Blue G、KAYASET Blue B等の染料等を挙げることができる。
<色調の調節>
これらの着色剤の複数を組合せて、夫々の配合量を調節することにより、各硬化性ペーストの硬化体のaを−5.0〜3.0の範囲内に、bを0〜20の範囲内に調整できる。尚、これらのa、bの値は、前述のように、修復歯牙周辺に適合させるために求められる値である。
しかしながら、この色相と彩度の観点だけで着色すると、明度Lも大きく変動する。その結果、各硬化性ペーストにおいて、Lが実質的に同一値にならない。一般に、着色剤をより多量に配合して、彩度を高くするに従って、明度は低下していく。
しかして、本発明において、色相や彩度を前記範囲で変化させつつ、明度Lを55〜75の範囲内から選ばれる実質的同一値に揃える。その方法の一例を以下に記載する。
この例に於いては、複数の着色剤を組合せることにより、硬化体のaとbとを調整すると共に、白色着色剤の配合量を増減させることにより、明度Lを調節する。白色着色剤の配合量を増やすことによって、明度を高くすることができる。白色着色剤の配合量を減らすことによって明度を低くすることができる。
具体的には、先ず、Lを深く考慮することなく、aとbとを調整する。この際に、該Lが、本発明で揃えようとする値よりも低くなる場合は、色度に大きな影響を及ぼす赤色、黄色、青色、黒色着色剤の配合量を増加させつつ、白色着色剤の配合量を増加させる。この様に操作して、aとbの値を保持しつつ、該Lを所望の値に調整する。
一方、Lを深く考慮することなく、aとbとを調整する際に、該Lが、本発明で揃えようとする値よりも高くなる場合がある。この場合は、色度に大きな影響を及ぼす赤色、黄色、青色、黒色着色剤の配合量を減少させつつ、白色着色剤の配合量を減少させる。この様に操作して、aとbの値を保持しつつ、該Lを所望の値に調整する。
一般に、着色剤として顔料を使用する場合、その総配合量は、重合性単量体100質量部に対して、0.0005〜0.5質量部が好ましく、0.001〜0.3質量部がより好ましい。上記Lの調整に使用される白色顔料は通常、0.0001〜0.3質量部が好ましく、0.0005〜0.2質量部がより好ましい。
<エナメル質用修復材料キット>
本発明の象牙質修復材料キットは、該キット単独で使用することもできるが、公知のエナメル質用修復材料キットと組合わせて歯牙用修復材料キットとして用いても良い。
次に、本発明の象牙質用修復材料キットと組合せて、歯牙用修復材料キットとする際に好適に使用できるエナメル質用修復材料キットについて説明する。
エナメル質用修復材料キットは、象牙質用修復材料キットと同様に、硬化体の色調が異なる複数(通常、2〜20種)の硬化性ペーストからなる。エナメル質用修復材料キットは、歯牙用修復材料キットと比べて透明性が高い。前記エナメル質用修復材料キットを構成する硬化性ペーストの硬化体(厚さ1.0mm)のコントラスト比は、通常、0.20〜0.55の範囲の値が好ましい。
該ペーストの硬化体(厚さ3.0mm)の前記黒背景条件下で測色する、CIELab表色系における明度Lは、45〜65の範囲内の値が好ましい。なお、該硬化体(厚さ3.0mm)の黒背景条件下で測色する、CIELab表色系におけるaは−5.0〜3.0の範囲の範囲内の値が好ましく、bは−5〜20の範囲内の値が好ましい。
エナメル質用修復材料キットを構成する各硬化性ペーストは、一般的に重合性単量体、重合開始剤、充填材、及び着色剤等の各成文を含む重合性組成物からなる。これらの各成分は、象牙質用修復材料キットを構成する各硬化性ペーストにおいて説明した成分と同じ成分が好適に使用できる。
各硬化性ペーストの色調の調整方法は、象牙質用修復材料キットを構成する各硬化性ペーストにおいて説明した手法に準じて行うことが好ましい。
本発明の象牙質用修復材料キットと、エナメル質用修復材料キットとを組合せてなる歯牙用修復材料キットは、更に複合充填修復材や補助部材を構成品として含むことができる。
複合充填修復材としては、上記以外の任意のコントラスト比、色調を有する複合充填修復材が例示される。このような複合充填修復材としては、例えばホワイトニング後の歯牙に適するように色調調整された、色度の小さい白色の複合充填修復材がある。更に、天然歯の切端部に見られるオパール性を付与するための、透明性の高い複合充填修復材等がある。
補助部材としては、金属色遮蔽用ペースト、筆、研磨材等の充填修復物の製造に必要なものが例示される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で用いる化合物の略称・略号(かっこ内)を以下に示す。
(A)ラジカル重合性単量体
・2,2−ビス[(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]プロパン(bis−GMA)
・トリエチレングリコールジメタクリレート(3G)
(B)光重合開始剤
B1)α―ジケトン
・カンファーキノン(CQ)
B2)芳香族アミン化合物
・N,N−ジメチルp−安息香酸エチル(DMBE)
(C)重合禁止剤
・ハイドロキノンモノメチルエーテル(HQME)
(D)充填材
・球状シリカジルコニアフィラー
一次粒子の平均粒子径0.2μm、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物(D−1)
・有機無機複合フィラー(D−2)
有機無機複合フィラーは、以下の方法で調製した。
bis−GMAを15質量部、3Gを10質量部の割合で混合した。この混合物に、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)を0.5質量%溶解させた。次に、充填材(D−1)を75質量部添加して混合し、ペーストを得た。
このペーストを、窒素加圧(0.5MPa)雰囲気下95℃で一時間加熱することによって、重合硬化させた。得られた硬化体を、振動ボールミルを用いて粉砕した。粉砕した硬化体に、粉砕した硬化体の0.02質量%の質量のγ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを加え、エタノール中、90℃で5時間還留し、表面処理を行った。これにより、平均粒径30μmの有機無機複合フィラーを得た。
(E)着色剤
E1)白顔料(二酸化チタン)
E2)黄顔料(ピグメントイエロー)
E3)赤顔料(ピグメントレッド)
E4)青顔料(ピグメントブルー)
実施例、及び比較例において記載されている各物性値は、以下の方法により測定した。
(1)色調測定
JIS Z8729に規定にしたがって測定した。具体的には、直径7mmの貫通孔を有する厚さ3.0mmのポリアセタール製の型に硬化性ペーストを填入した。ポリプロピレンフィルムを型の両表面に積層し、この状態で歯科用光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマデンタル社製;光出力密度700mW/cm)で硬化性ペーストを30秒間光照射した。得られた硬化体に標準光Cを照射した。色差計(東京電色社製:TC−1800MKII)を用いて、反射光の色調を黒背景条件下で測定し、CIELab表色系で表される、明度L*、及び色度a*、b*を夫々得た。
(2)コントラスト比の測定
直径7mmの貫通孔を有する厚さ1mmのポリアセタール製の型に硬化性ペーストを充填した。型の両表面にポリプロピレンフィルムを積層し、歯科用光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマデンタル社製;光出力密度700mW/cm)で硬化性ペーストを30秒間光照射した。得られた硬化体に標準光Cを照射した。色差計(東京電色社製:TC−1800MKII)を用いて、反射光の色調を、白背景と黒背景との条件下で測定した。得られたそれぞれのY値から、下記式

C(コントラスト比)=Yb(黒背景でのY値)/Yw(白背景でのY値)

を用いてコントラスト比Cを算出した。
実施例1
図1中、1は、歯牙修復用模型の正面図を示す。この模型1は、右上1番前歯2のIV級窩洞3を再現している。図2は、同模型1の右側面図である。歯牙修復用模型1を用いて、歯牙修復を行った。歯牙修復用模型1において、IV級窩洞3は、深さDが5mmであり、高さHが7mmであり、幅Wが4mmであった。
歯牙修復用模型1は、2種類を用意した。1種類は、窩洞周辺部における点線で囲んだ部分aの色調が、シェードガイド「VITAPANClassicalにおけるA2」の範疇の中で、微妙に高色相で、且つ高彩度の高色度模型Aであった。他の種類は、微妙に低色相で、且つ低彩度の低色度模型Bであった。これらの2種類の模型A、Bの明度は、実質的に同等であった。
高色度模型A、低色度模型BのIV級窩洞3は、図3の断面図に示すように、象牙質部をD1〜D3の部位に分けて修復するのが良いと判断されるものであった。修復に際しては、模型ごとに各部位の充填厚みを微調整し、色調を周辺と適合させる必要があった。
ここで、D3の部位は、前記シェードガイドにおけるA3相当の硬化性ペーストを用いて修復するのが適当な高彩度部であった。D2の部位は、同シェードガイドにおけるA2相当の硬化性ペーストを用いて修復するのが適当な中彩度部であった。D1の部位は、同シェードガイドにおけるA1相当の硬化性ペーストを用いて修復するのが適当な低彩度部であった。
なお、図3のIV級窩洞3において、Eは、エナメル質部修復用硬化性ペーストを用いて修復することが適している部分であった。
そこで、上記象牙質の各部位を修復するために、3種の硬化性ペースト〔高彩度部(D3)修復用硬化性ペースト、中彩度部(D2)修復用硬化性ペースト、低彩度部(D1)修復用硬化性ペースト〕を以下の方法により製造した。
先ず、重合性基材ペーストを製造した。この重合性基材ペーストは、ラジカル重合性単量体(bis−GMAを10.80質量部と3Gを7.20質量部)と、光重合開始剤(CQを0.05質量部とDMBEを0.10質量部)と、重合禁止剤(HQMEを0.03質量部)と、充填材(D−1を32.8質量部とD−2を49.2質量部)とを配合して、製造した。
次に、上記方法で製造した重合性基材ペーストに、表1に示した種類・量の着色剤を配合して色付けした。製造した各硬化性ペーストの色調とコントラスト比を表1に併せて示した。
製造した各象牙質修復用硬化性ペーストを用いて、高色度模型Aおよび低色度模型Bの各IV級窩洞3の修復を行った。修復に際しては、高彩度部D3修復用硬化性ペースト、中彩度部D2修復用硬化性ペースト、および低彩度部D1修復用硬化性ペーストの厚さを、それぞれ修復部位の色調が、模型の窩洞周辺部と良く適合するように、模型ごとに調整しながら、各硬化性ペーストを積層充填した。
各積層充填に際しては、各層を積層するごとに、歯科用光照射器を用いて各層を光照射して光硬化させ、次いで、新たな層を積層した。
この様にして象牙質部の修復を終えた後、さらに、表層のエナメル質部Eに、エナメル質修復用の硬化性ペーストを積層し、前記と同様の手法で光硬化させた。エナメル質修復用の硬化性ペーストの積層厚さは、高色度模型Aの場合も、低色度模型Bの場合も各1mmであった。なお、上記エナメル質修復用の硬化性ペーストの硬化体のaは−3.27、bは5.18、Lは50.68、コントラスト比は0.48であった。
高色度模型Aおよび低色度模型Bの歯牙修復を完了した後、それぞれの模型の修復部位4の審美性を目視によって評価した。評価は、図4の修復後の歯牙修復用模型1の点線で囲んだ部分aの色度および明度と、窩洞周辺部の点線で囲んだ部分bの色度および明度とを対比し、下記二段階評価で適合性を判定した。
色度の適合性
○:修復部位の色相及び彩度が、模型の周辺部位と良く適合しており、殆ど肉眼で識別できない。
×:修復部位の色相及び彩度が、模型の周辺部位と適合しておらず、肉眼で識別できる。
明度の適合性
○:修復部位が模型の周辺部位と調和しているように観察され、その明度が模型の周辺部位と良く適合している。
×:修復部位が白っぽく(明るく)またはくすんだ(暗く)ように観察され、その明度が模型の周辺部位と適合していない。
結果を表1に示した。高色度模型Aおよび低色度模型Bにおいては、前記の如くに高彩度部(D3)修復用硬化性ペースト、中彩度部(D2)修復用硬化性ペースト、および低彩度部(D1)修復用硬化性ペーストの各充填厚みが異なった。しかし、硬化性ペーストの硬化体の明度Lの変動幅が3以内(60.42−59.84=0.58)であったので、硬化性ペーストの硬化体の明度の予測が容易であった。その結果、高色度模型Aおよび低色度模型Bの何れも、修復部位と周辺部位との色度及び明度は、良好に適合していた。
参考
実施例1と同様にして、明度Lが本発明に於いて規定する上限値(明度L=75)に近い値の硬化体を与える硬化性ペーストを製造した。明度Lの変動幅が比較的大きかったが、修復部位と周辺部位との色度及び明度は、良好に適合していた。
実施例
実施例1と同様にして、明度Lが本発明に於いて規定する下限値(明度L=55)に近い値の硬化体を与える硬化性ペーストを製造した。修復部位と周辺部位との色度及び明度は、良好に適合していた。
Figure 0005436723
比較例1
象牙質部分の修復に使用する、高彩度部(D3)修復用硬化性ペースト、中彩度部(D2)修復用硬化性ペースト、および低彩度部(D1)修復用硬化性ペーストとして、市販の象牙質用修復材料キット(市販品A)のA3色ペースト、A2色ペースト、およびA1色ペーストを用いる以外は、実施例1と同様にして、歯牙の修復を行った。表2に、上記市販品AのA3色ペースト、A2色ペースト、およびA1ペーストの硬化体の色調とコントラスト比を示した。
この上記市販品Aのペーストの硬化体の明度Lの変動幅は7.88(=59.05−51.17)であり、本発明で規定する変動幅を超えていた。更に、A3のペーストの明度は51.17であり、この値も本発明の明度範囲を逸脱していた。
高色度模型Aおよび低色度模型Bにおける、修復部位の審美性の評価結果も、表2に併せて示した。表2に示したように、高色度模型Aの修復に於いては、色度も明度も良く周辺部と適合した。
一方、低色度模型Bの修復に於いては、色度は良く適合した修復を実現した。しかし、上記色度の良好さを達成できる、A3色ペースト、A2色ペースト、およびA1ペーストの厚さの範囲では、明度は周辺部と適合しなかった。
比較例2
市販の象牙質用修復材料キットとして市販品Bを用いる以外は、比較例1と同様にして歯牙の修復を行った。
この市販品Bのペーストの硬化体の明度Lの変動幅は5.72(=61.36−55.64)であり、本発明において規定する変動幅を超えていた。
表2に示したように、低色度模型Bに対しては、色度も明度も周辺部と良く適合した歯牙の修復を実現できた。
一方、高色度模型Aの修復に於いては、色度は良く適合した。しかし、この色度の良好さを達成できる、A3色ペースト、A2色ペースト、およびA1ペーストの夫々の厚さは、明度の適合性を満たさなかった。
Figure 0005436723

Claims (7)

  1. それぞれ色調の異なる複数種の硬化性ペーストの組みあわせからなる象牙質用修復材料キットであって、各硬化性ペーストは、これらを硬化させて得られる厚さ3.0mmの硬化体を黒背景条件下で測色する場合に、CIELab表色系における明度Lが55〜75の範囲内の値にあり、且つ明度Lの変動幅が3以内の値を示す象牙質用修復材料キット。
  2. 各硬化性ペーストは、これらを硬化させて得られる厚さ3.0mmの硬化体を黒背景条件下で測色する場合に、CIELab表色系におけるaが−5.0〜3.0の範囲内で、bが0〜20の範囲内の値を示し、且つ各硬化体の該aおよびbの少なくとも一方が、aの場合は0.3以上、bの場合は1.0以上互いに相違する値である、異なる色度を有する請求項1に記載の象牙質用修復材料キット。
  3. 各硬化性ペーストは、これらを硬化させて得られる厚さ1.0mmの硬化体を黒背景条件下でコントラスト比を測定する場合に、コントラスト比が0.55〜0.75の範囲内の値を示す請求項1に記載の象牙質用修復材料キット。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の象牙質用修復材料キットと、複数種の硬化性ペーストからなり、前記複数種の硬化性ペーストは、これらを硬化させて得られる硬化体を黒背景条件下で測色する場合に、互いに異なる色調を有するエナメル質用修復材料キットと、からなる歯牙用修復材料キット。
  5. エナメル質用修復材料キットを構成する各硬化性ペーストが、これらを硬化させて得られる厚さ3.0mmの硬化体を黒背景条件下で測色する場合に、CIELab表色系における明度Lが45〜65の範囲内、aが−5.0〜3.0の範囲内、bが−5〜20の範囲内の値を示す請求項4に記載の歯牙用修復材料キット。
  6. エナメル質用修復材料キットを構成する各硬化性ペーストが、これらを硬化させて得られる厚さ1.0mmの硬化体のコントラスト比を測定する場合に、コントラスト比が0.20〜0.55の範囲内の値を示す、請求項4に記載の歯牙用修復材料キット。
  7. 請求項1に記載の象牙質用修復材料キットの製造方法であって、複数種の硬化性ペーストの明度Lの調整に際し、白色着色剤の配合量を変化させることにより、硬化性ペーストの色度aおよびbの値を保持しながら、明度Lを調節する象牙質用修復材料キットの製造方法。
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