JP5436706B2 - 計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、対象物を計測する計測装置に関する。
レンズやミラーなどの光学素子の表面形状を測定(計測)する装置として、例えば非接触式の形状測定装置が存在する。光学素子の製作段階では、形状測定装置による光学素子の形状測定と、修正研磨とを繰り返し行うことで、光学素子の形状が目標形状寸法となるようにする。しかしながら、光学素子が光学装置に組み込まれて使用される際の使用環境の温度は、一般的な測定環境(例えば光学素子の製作環境)の温度(例えば23°C前後の常温)とは大きく異なる場合がある。このように使用環境と測定環境とで温度が異なると、使用環境下での光学素子の形状は、測定時の形状から変形してしまう。したがって、例えば、光学素子の製作段階での光学素子の表面形状の測定は、光学素子が使用される環境の温度で行われることが望ましい。これに対して、形状測定装置全体を上記使用環境の温度と同様の温度下におき、表面形状を測定することも考えられる。しかしながら、形状測定装置を設計仕様(例えば常温環境下での測定を想定した設計仕様)と異なる状況下で使用すると、測定装置自体に熱変形(熱歪み)が生じて形状誤差が発生し、高精度な測定が困難となりうる。一方、特許文献1は、対象物を断熱容器内に収容して対象物の温度変化に対する寸法変化量を高精度に測定する線膨張係数測定装置を開示している。
特許第3897655号公報
しかしながら、例えば、天文分野で用いられる天体望遠鏡は、標高数千mの山頂などの高所で使用されることが多く、使用環境の温度が低温となる。そこで、形状測定装置全体または対象物を使用環境の低温に制御する構成が考えられるが、干渉計の測定基準となる基準ミラー等の測定装置の光学素子は、低温環境下(例えば10°C以下)では結露しうる。この結露は、高精度な測定を妨げ得る。
本発明は、常温とは異なる温度の環境下での対象物を計測するのに有利な計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、光を投受光する投受光器を有し、対象物を計測する計測装置であって、対象物を収容する第1空間を含むチャンバーと、投受光器が配置された第2空間と第1空間とを分離し、かつ光を透過する隔壁部と、第1空間を通して気体を流通させて第1空間を第1温度に調整する第1調整機構と、第2空間を通して気体を流通させて第2空間を第1温度とは異なる第2温度に調整する第2調整機構と、を有し、隔壁部は、間隙をもって配置された複数の隔壁を含む、ことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、常温とは異なる温度の環境下での対象物を計測するのに有利な計測装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る形状測定装置の構成を示す図である。 形状測定装置1に採用し得る測定器を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る形状測定装置の構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る形状測定装置の構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る形状測定装置の構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る温調空気の温度変化を示すグラフである。 本発明の第5実施形態に係る形状測定装置の構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る形状測定装置(計測装置)について説明する。図1は、本実施形態に係る形状測定装置1の構成を示す概略図である。この形状測定装置1は、例えば天体望遠鏡に採用されるようなレンズやミラーなどの光学素子を対象物(被測定物)とし、この対象物の表面形状を測定する非接触式の測定装置である。また、以下の図において、対象物が保持部に載置された状態での平面内に互いに直交するX軸およびY軸を取り、またこのXY平面に垂直(本実施形態では鉛直方向)にZ軸を取っている。この形状測定装置1は、まず、対象物2を載置および固定する保持部3と、この保持部3を内部に設置するチャンバー4と、対象物2の表面形状を非接触で測定するための測定器5(投受光器)と、測定器5を含む空間へ送風するダクト6と、制御部7とを備える。特に、形状測定装置1は、対象物2が実際に使用される環境での温度(以下「実環境温度」という)と等しくなるように、対象物2を設置する第1空間S1と、測定器5を含む第2空間S2とでそれぞれ独立して温度制御可能とする。以下、実環境温度は、常温に対して低い(以下の例では2(°C))と想定して説明を行う。これに対して、実環境温度が常温に対して高い場合には、供給する空気の温度や、温度が調整された空気の供給方向などは、以下の例での場合の反対となる。
保持部3は、対象物2を着脱可能とする固定機構を有する。チャンバー4は、対象物2の収容部であり、外部からの熱を遮断する断熱構造を有するとともに、その内部空間内(第1空間内)の温度を可変とする。このチャンバー4は、第1空間S1内の温度を調整する第1調整機構8と、特に、第1空間S1と、測定器5が設置されている空間(第2空間)S2とを分離する隔壁部9とを含む。第1調整機構8は、ある温度(この場合第1温度)に調整された気体(以下「温調空気」という)を第1空間S1内に供給する供給部(供給口)10を含む。さらに、第1調整機構8は、第1空間S1内で供給部10に対向する位置に配置され、供給部10から供給された温調空気を回収し排気(排出)する排気部(排出口)11を含む。すなわち、第1調整機構8は、第1空間S1内に温調空気を流通させるものである。このうち、供給部10は、不図示の温調器に供給配管12を介して接続され、さらに第1空間S1内での対象物2の温度分布が小さくなるように温調空気の風速を制御する不図示の風速制御器を含む。温調器は、第1温度を例えば2(°C)に調整する。また、風速制御器は、温調空気の風速を約2(m/s)程度に調整する。一方、排気部11は、排気配管13に接続されており、第1空間S1内を通過した温調空気を回収することで、第1空間S1内で効率的な気流を作り、空気の淀みの発生を抑える。ここで、排気配管13で回収される温調空気の温度は、周辺温度の影響を受けて温められるため、第1温度よりも高くなる。そこで、排気配管13は、チャンバー4の外部で供給配管12と連結し、供給配管12と排気配管13との配管の途中に冷却部14を設置するような、冷却空気を循環させる構造とすることが望ましい。このような冷却空気を循環させる配管構造とすることで、温調器に対し、温調空気を例えば23(°C)の外部空気から2(°C)まで冷却するよりも冷却効率が良くなるという利点がある。なお、このような冷却空気を循環させる構造を構成することができない場合には、供給配管12と排気配管13とを互いに独立させることで第1空間S1を実環境温度に温度調整してもよい。また、供給配管12と排気配管13とは、それぞれ第1バルブ15を備え、さらに排気配管13は、冷却部14の上流側と下流側とを2箇所に第2バルブ16(図2参照)も備える。この第1バルブ15と第2バルブ16とは、主に、対象物2の取り替え時に使用される。このとき、各第1バルブ15を閉とし、各第2バルブ16を開とすることで、第1空間S1内への温調空気の供給を一旦止めて、取り替え作業を行うことができる。隔壁部9は、第1空間S1と第2空間S2とを分離するための板材であり、第2空間S2にある測定器5からのレーザー光が、第1空間S1に設置されている対象物2に対して適切に照射されるように透過可能な材質で構成される。例えば、測定器5が、測定光として測定波長が633(nm)のHe−Neレーザーを利用するものである場合には、隔壁部9の材質をHe−Neレーザーを透過する石英ガラスとし得る。特に本実施形態では、隔壁部9は、図1に示すように、第1隔壁9aと、この第1隔壁9aとは一定の間隙G1を持って設置される第2隔壁9bとを含む。なお、この隔壁部9の作用については、以下で詳説する。
測定器5は、対象物2の表面形状を非接触で測定可能とする光学式測定器(投受光器)である。図2は、図1に示す構成に対応した具体的な測定器5を含む形状測定装置1の構成を含む概略図である。図2(a)では、測定器5は、XY面内で可動であり、対象物2の表面に対する光(計測光)の投受光により、例えば、計測光の光路長の変化を介して対象物2の表面の位置の変化(Z軸方向における位置の変化)を検出するためのプローブ5aを採用している。このプローブ5aを採用する場合、プローブ5aの上部および側部の領域に位置決め用の複数の基準ミラー20(20a、20b)が設置され、またこれらの基準ミラー20に対向するように複数のレーザー測長器21が設置される。そして、プローブ5aの位置決めは、レーザー測長器21に出力に基づいて制御される。まず、Z軸方向(計測光の光軸方向)の位置決めは、Z軸用のレーザー測長器21aの出力に基づいて実施される。一方、X軸方向の位置決めは、X軸用のレーザー測長器21bの出力に基づいて実施される。また、Y軸方向の位置決めも、X軸方向の位置決めと同様に、不図示であるが、Y軸用のレーザー測長器21の出力に基づいて実施される。この位置決めでは、後述の制御部7は、X軸、Y軸、およびZ軸用のそれぞれのレーザー測長器21からの出力信号を取得し、それに基づき、プローブ5aを移動させる不図示の駆動系に制御信号を送信する。駆動系は、プローブ5aに連結している不図示のアームを介してプローブ5aを対象物2に対して高精度に位置決めする。ここで、プローブ5aの主たる移動(主走査)の方向は、ダクト6(後述)から供給される温調空気の供給方向と計測光の光路が延びる方向との双方に直交(交差)する方向とすることが望ましい。これは、プローブ5aの移動方向と温調空気の供給方向とが互いに対向すると、温調空気の流れを乱す可能性があるためである。よって、例えば、図2(a)に示すように、温調空気の供給方向をX軸方向、計測光の光路の方向をZ軸方向とするならば、プローブ5aをより長時間に渡って連続的に動かす方向(主走査方向)をY軸方向とすればよい。一方、プローブ5aをより短時間だけステップ的に動かす方向(副走査方向)をX軸方向とすればよい。
一方、図2(b)では、測定器5として、対象物2の表面形状を測定する干渉計5bを採用している。この干渉計5bは、まず、内部に含まれる不図示の照明光学系から対象物2に向けてレーザー光26を照射する。このとき、レーザー光26は、その一部が対象物2(チャンバー4)との間に設置されている参照ミラー27で反射し、この反射による第1反射光28(参照光)は、干渉計5bに戻る。これに対して、照射されたレーザー光26のうち参照ミラー27を透過したものは、対象物2の被検面上で反射し、この反射による第2反射光29(計測光)は、干渉計5bに戻る。ここで、参照ミラー27は、対象物2の形状測定に必要とされる測定精度を得られるように形状加工されており、この参照ミラー27からの第1反射光28の波面が測定の基準波面となる。そして、干渉計5bは、第1反射光28と第2反射光29との干渉縞を検出することができる。対象物2の表面形状は、当該干渉縞に基づいて計測されうる。なお、参照ミラー27は、図2(b)に示す例では第2空間S2に設置されているが、第1空間S1内に設置されていてもよい。
ダクト6は、測定器5(およびレーザー測長器21)を含む第2空間S2に、不図示の温調器によりレーザー測長器21による位置決め精度を保証するような第2温度に調整された温調空気を流通させ、第2空間S2内の温度を調整する第2調整機構である。このダクト6から供給される温調空気は、位置決めを行うレーザー測長器21の計測光の光路上の空気の揺らぎ(屈折率の変動)による計測誤差を与えないように、その温度と風速とが制御される。この場合、温調器は、第2温度を例えば23(°C)に調整する。また、ダクト6は、温調空気の風速を約0.5(m/s)程度に調整する。なお、ダクト6から供給された温調空気は、不図示の排気口から排気される。さらに、制御部7は、測定器5の動作、および第1調整機構8やダクト6の動作および調整を制御すると共に、測定器5で得られた測定結果を処理する。
さらに、形状測定装置1は、チャンバー4を載置する定盤17と、形状測定装置1の各構成要素を支持する架台18とを備える。特に、測定器5が図2(a)に示すプローブ5aである場合には、複数の基準ミラー20は、それぞれ架台18に設置される。
次に、形状測定装置1による対象物2の表面形状の測定時の作用について説明する。今回の対象物2とした光学素子は、あらゆる光学機器に採用され得るが、その光学機器の使用場所または使用用途によっては、低温状態での使用も考えられる。特に天文分野で用いられる天体望遠鏡は、標高数千mの山頂などの高所で使用されることが多いため、天体望遠鏡に含まれる光学素子の使用環境の温度が低温となる。すなわち、常温環境に置かれた光学素子の表面形状を測定したとしても、低温である実環境温度に置かれた光学素子は、熱変形により表面形状が変化してしまう、すなわち形状誤差が発生しているため、所望の状態での表面形状を精度良く測定することが困難である。そこで、本実施形態の形状測定装置1では、上記のとおり対象物2を設置する第1空間S1と測定器5を含む第2空間S2とに空間を分離している。そして、形状測定時には、制御部7は、第1空間S1を第1温度である実環境温度となるように、また、第2空間S2を測定精度が保証される第2温度である測定温度となるように温度制御を実行する。
ここで、チャンバー4を構成する隔壁部9は、2(°C)で温度制御されている第1空間S1と、23(°C)で温度制御されている第2空間S2との境界面であるため、隔壁部9ではZ軸方向の温度の開きが大きい。そこで、本実施形態では、上記のとおり隔壁部9を第1隔壁9aと第2隔壁9bとの複数の隔壁で構成することで、第2空間S2から第1空間S1への伝熱を抑制させる。具体的には、伝熱量は、媒質が有する熱伝導率に依存するため、ある空間から他の空間への伝熱を抑制するには、熱伝導率の小さい媒質を空間の境界層に設けることで熱抵抗を大きくすればよい。例えば、本実施形態の隔壁部9に換えて、第1隔壁9aと第2隔壁9bとの間に間隙が無い、すなわち1枚の透過板で構成された隔壁部を使用すると想定する。この場合の熱抵抗は、隔壁部の熱伝導率と厚みとに依存する。ここで、隔壁部の材質を、計測光を透過させる石英ガラスとして考えると、20(°C)での熱伝導率は、1.38(W/(m・K))(時)である。これに対して、隔壁部9において、第1隔壁9aと第2隔壁9bとの間の間隙G1を空気層とすると、20°Cでの空気の熱伝導率は、0.02614(W/(m・K))であり、隔壁部9での熱抵抗は、2つの隔壁9a、9bと空気との熱抵抗の合成となる。このとき、1枚の隔壁部(透過板)の例での熱抵抗R1は、例えば、隔壁部のXY平面の面積を1(m)、厚み方向を40(mm)とすると、以下の値となる。
R1=(40×10−3)/1.38
=0.029(K/W)
一方、本実施形態での空気層を含めた隔壁部9の熱抵抗R2は、それぞれの隔壁9a、9bの厚みを5(mm)、空気層の厚みを30(mm)として、XY平面の面積は、前者と同様に1(m)とすると、以下の値となる。
R2=(5×10−3)/1.38+(30×10−3)/0.02614
+(5×10−3)/1.38
=1.2(K/W)
すなわち、本実施形態の隔壁部9の構成によれば、1枚の透過板よりも、熱抵抗を一桁以上大きくすることができる。
このように、形状測定装置1は、対象物2が実際に使用される状態に近い状態での表面形状を測定可能とするため、熱変形による形状誤差に起因した測定誤差の発生を抑えることができる。さらに、形状測定装置1は、測定器5が設置されている空間を推奨される測定温度に維持させて、測定器5のメトロロジを保証することもできる。なお、上記説明では、一例として間隙G1に空気を封入するものとしているが、間隙G1に空気よりも熱伝達率の低い気体、例えば二酸化炭素を封入することで、さらに伝熱を抑制させることも可能である。また、減圧装置を用いて間隙G1内を減圧空間にすることで、伝熱を抑制させることも可能である。さらに、隔壁部9を構成する各隔壁9a、9bは、その表面に赤外線透過防止膜を有してもよい。この赤外線透過防止膜は、波長帯域が数μmの光を遮蔽するが、測定レーザーの波長(例えばHe−Neレーザーの場合、633(nm))を透過させる。したがって、第1空間S1と第2空間S2と間での輻射による伝熱のみを効果的に抑制して、断熱性を高めることができる。ここで、赤外線透過防止膜に換えて、熱放射の波長帯域を遮蔽する不純物を隔壁部9にドープしても、同様の効果が得られる。
以上のように、本実施形態によれば、常温とは異なる温度の環境下での対象物を計測するのに有利な計測装置を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る形状測定装置について説明する。図3は、本実施形態に係る形状測定装置30の構成を示す概略図である。特に、図3(a)では、図1に示す第1実施形態に係る形状測定装置1と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態の形状測定装置30の特徴は、対象物2を設置する第1空間S1での温調空気の流れを、第1実施形態での第1調整機構8のような1系統1方向ではなく、複数系統、複数方向とする点にある。特に、本実施形態の第1調整機構31は、対象物2の表面を含む上部の領域に温調空気を給排気するための第1給排気部32および第2給排気部33と、対象物2の下部の領域に温調空気を給排気するための第3給排気部34および第4給排気部35とを含む。すなわち、第1給排気部32および第2給排気部33が、どちらか一方を供給側、他方を排気側とする第1系統(第1の組)を形成し、一方、第3給排気部34および第4給排気部35が、どちらか一方を供給側、他方を排気側とする第2系統(第2の組)を形成する。また、第2の組の方が、第1の組よりも隔壁部9から遠くに配置されることになる。なお、ここでも、第1調整機構31は、第1〜第4給排気部32〜35でそれぞれ個別に、温調空気の温度、供給方向、および風速を調整し得る。
この場合、制御部7は、第1調整機構31に対し、第1系統を流れる温調空気と第2系統を流れる温調空気との流れる方向(供給方向)を互いに対向するように、すなわち一方が他方に対して逆向きになるように設定する。具体的には、まず、第1調整機構31は、第1系統の第1配管36を介し、第1給排気部32から温度を例えば2(°C)に調整された温調空気を第1空間S1における対象物2の上部に供給する。そして、第1調整機構31は、第1給排気部32と対向するように設置された第2給排気部33に温調空気を回収させ、回収した温調空気を第2配管37に流す。このとき、対象物2の上部の温度は、第1給排気部32の近傍では、温度制御したい所望の温度に近いが、第2給排気部33の近傍では、供給された2(°C)の温調空気が周囲の影響で温められるため、所望の温度よりも高くなる。そこで、第1調整機構31は、第2系統の第4配管39を介し、第4給排気部35から温度を2(°C)に調整された温調空気を第1空間S1における対象物2の下部に供給する。そして、第1調整機構31は、第4給排気部35と対向するように設置された第3給排気部34に温調空気を回収させ、回収した温調空気を第3配管38に流す。これにより、第2給排気部33の近傍の温められていた温調空気が冷やされるため、対象物2の温度分布を小さくすることができる。
ここで、本実施形態の第1調整機構31の構成による対象物2の温度分布のシミュレーション結果について説明する。まず、第1実施形態における第1調整機構8の構成によれば、対象物2では最高温度が2.36(°C)、最低温度が2.06(°C)となるため、約0.3(°C)の温度分布がある。これに対して、本実施形態における第1調整機構31の構成によれば、対象物2では最高温度が2.27(°C)、最低温度が2.14(°C)となるため、約0.13(°C)の温度分布となる。なお、どちらの例においても、第1空間S1に対する温調空気の風速を5(m/s)(対象物2の上下部の両方)とし、第2空間S2に対する温調空気の風速を0.5(m/s)としている。また、間隙G1での空気層の厚みを80(mm)とし、第2隔壁9bと対象物2との間の距離を5(mm)としている。さらに、異なる設定でのシミュレーション結果を以下に示す。条件としては、本実施形態の第1調整機構31の構成において、第1系統、すなわち対象物2の上部に流す温調空気の風速を2(m/s)とし、第2系統、すなわち対象物2の下部を流す温調空気の風速を0.5(m/s)とする。また、間隙G1での空気層の厚みを5(mm)とし、第2隔壁9bと対象物2との間の距離を20(mm)とする。これによれば、対象物2では、最高温度が2.21(°C)、最低温度が2.12(°C)となるため、約0.09(°C)の温度分布となる。すなわち、第1系統と第2系統とで温調空気の供給方向を互いに逆向きを変えることで、対象物2の温度分布を小さくすることができることがわかる。また、対象物2の所望の温度分布に応じて上記のように構成要素の間隔や距離を変更することが有効であることもわかる。なお、上記の各種数値は一例であり、本発明を限定するものではない。このように、本実施形態は、計測環境における対象物2の温度分布の不均一性の低減、もって、対象物2に与える計測装置固有の熱変形の低減の点で有利である。
さらに、上記説明した第1調整機構31の複数系統の構成も一例であり、チャンバー4の平面形状(外形)や、要求される対象物2の熱変形抑制量などにより、第1調整機構31の構成を変更することも可能である。例えば、チャンバ−4の平面形状が、Z軸方向から見て2組以上の対辺を有する多角形である場合には、対向する対辺間は、一方を温調空気の供給側、他方を排気側とすればよい。もし、チャンバー4の平面形状が六角形である場合には、第1調整機構31は、図3(b)に示すように、チャンバー4の各内側面に給排気部60を備え、それぞれ供給か排気かのいずれかの動作を実施する3系統の構成としてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る形状測定装置について説明する。図4は、本実施形態に係る形状測定装置40の構成を示す概略図である。なお、この図4では、図1に示す第1実施形態に係る形状測定装置1と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態の形状測定装置40の特徴は、第1実施形態の隔壁部9に対応する隔壁部41が3つの隔壁(第1隔壁41a〜第3隔壁41c)を含み、各隔壁間の間隙G1、G2にも温調空気が流通される点にある。まず、形状測定装置40は、隔壁部41内での給排気用の第3調整機構42を備える。そして、第3調整機構42は、第1隔壁41aと第2隔壁41bとの間の間隙(第1間隙)G1に温調空気A3を供給する第1供給部43と、この第1供給部43に対向する位置に配置され、温調空気A3を回収し排気する第1排気部44とを含む。さらに、第3調整機構42は、第2隔壁41bと第3隔壁41cとの間の間隙(第2間隙)G2に温調空気A4を供給する第2供給部45と、この第2供給部45に対向する位置に配置され、温調空気A4を回収し排気する第2排気部46とを含む。以下、第3調整機構42のうち、上記温調空気A3を流通させる部分を第4調整機構とし、上記温調空気A4を流通させる部分を第5調整機構として説明する。
この場合、まず、ダクト6は、第2空間S2に目標温度が第2温度(23(°C))に調整された温調空気A2を供給する。これに対して、制御部7は、第4調整機構に対し、第2空間S2に直近の間隙G1を流れる温調空気A3の目標温度を第1温度(2(°C))と等しくなるように設定し、かつ、供給方向を温調空気A2とは対向する(逆向きになる)ように設定する。さらに、制御部7は、第5調整機構に対し、第1空間S1の直近の間隙G2を流れる温調空気A4の目標温度も第1温度と等しくなるように設定し、かつ、供給方向を温調空気A3とは対向するように設定する。そして、第1調整機構8は、第1実施形態と同様に目標温度を第1温度に調整された温調空気A1を第1空間S1内に供給するが、温調空気A1の供給方向は、本実施形態では、温調空気A4とは対向するように設定される。すなわち、図4では、第1調整機構8の供給部10は、X軸方向−側に存在し、供給部10に対向する排気部11は、X軸方向+側に存在する。
ここで、本実施形態においても、第1空間S1と第2空間S2との温度差に起因して第1空間S1への伝熱により対象物2の温度上昇を抑制することが重要である。そこで、本実施形態では、制御部7は、第3調整機構42に対し、第2空間S2から第1空間S1に向かって流入した熱を、温調空気A3と温調空気A4にて吸熱させ、移流により第1排気部44および第2排気部46に送らせるように設定する。このように隔壁部41にて温調空気を2段に分けて流すことで、間隙が1つの場合に比べて、流れに対して垂直な方向での熱の撹拌作用が弱まる。その結果、温調空気A4の温度上昇が抑制されるため、第1空間S1に伝熱し得る熱量をさらに低減させることができるため、対象物2の温度上昇を効果的に低減させることができる。
また、本実施形態では、隔壁部41において、3箇所の温調空気A1、A3、A4とがそれぞれ対向して流れるため、対象物2の特に面内に発生し得る温度分布を効率的に低減させることができる。一例として、上記3箇所の温調空気A1、A3、A4がすべて同じ向きに流れる場合を想定すると、3つの温調空気A1、A3、A4の温度は、上流から下流に向かい単調に上昇する。したがって、対象物2の面内には、上流から下流に向かって温度が上昇するような温度分布が発生することになる。これに対して、本実施形態の場合では、特に温調空気A1に着目すると、温調空気A1の温度は、上流側では温調空気A4から熱を吸熱して上昇していき、途中で温調空気A4の温度よりも高くなり温度の大小関係が逆転する。これに伴い、今度は温調空気A1から温調空気A4に次第に放熱されていくため、温調空気A1の温度は、徐々に低下していく。したがって、温調空気A1の温度変化は、この場合流路に沿って上に向かう凸形となり、最大温度が単調に増加する場合に比べて小さくなる。このように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏すると共に、特に対象物2の面内の温度分布を効率良く低減させることができる。
なお、本実施形態では、隔壁部41を構成する隔壁の枚数を3つとし、温調空気を流す間隙の数を2つとしているが、本発明は、これに限定するものではなく、隔壁の枚数を2つに減らしてもよいし、4枚以上に増やしてもよい。例えば、隔壁の枚数を増やせば、それに伴って温調空気を流し得る間隙の数も多数とすることができるため、移流による隔壁部41内での熱の撹拌作用をさらに効率良く抑制することができ、第1空間S1と第2空間S2との間の断熱性を向上させることができる。さらに、多数の間隙を流れる複数の温調空気の供給方向も、上記のようにそれぞれ対向するように設定すれば、対象物2の面内の温度分布をさらに効率良く低減することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る形状測定装置について説明する。図5は、本実施形態に係る形状測定装置50の構成を示す概略図である。なお、この図5では、図4に示す第3実施形態に係る形状測定装置40と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態の形状測定装置50の特徴は、第3実施形態の形状測定装置40と基本構成は同一であるが、測定器5として図2(a)に示すプローブ5aを採用するものとし、プローブ5aに対する温度変化の影響を抑えることに重点を置く点にある。この形状測定装置50は、第3実施形態の形状測定装置40と比較して、図5(a)に示すように以下の設定が異なる。まず、温調空気A1は、第3実施形態の場合と同様に目標温度が第1温度(2(°C))に設定されているが、供給方向は、反対である。次に、温調空気A3は、第3実施形態の場合と供給方向は同様であるが、目標温度は、第1温度ではなく第2温度(23(°C))に設定されている。そして、温調空気A4は、第3実施形態の場合と同様に目標温度が第1温度に設定されているが、供給方向は、反対である。なお、温調空気A2は、温度および供給方向共に第3実施形態の場合と同様である。
ここで、本実施形態においても、第1空間S1と第2空間S2との温度差に起因して、第1空間S1への伝熱により対象物2の温度上昇を抑制することが重要である。これに対して、第1空間S1と第2空間S2との温度差は、第2空間S2内の温調空気A2に対しても温度分布を生じさせ得る。特に、測定器5がプローブ5aである場合には、計測光であるレーザー光の光路51内に温度分布が発生すると測定精度が低下する可能性があるため、光路51内での温度の揺らぎを低減させることも重要となる。そこで、本実施形態では、制御部7は、第5調整機構に対し、第1空間S1に第3隔壁41cを介して隣接する温調空気A4の目標温度を、第1空間S1と同様の第1温度に設定させる。一方、制御部7は、第4調整機構に対し、第2空間S2に第1隔壁41aを介して隣接する温調空気A3の目標温度を、第2空間S2と同様の第2温度に設定させる。この設定によれば、上記温度差による熱の授受は、主に第2隔壁41bを介した温調空気A3と温調空気A4との間にて行われることになる。このとき、温調空気A3の温度は、流路に沿って徐々に低下し、一方、温調空気A4の温度は、徐々に上昇する。ここで、温調空気A3の温度低下量ΔTは、温調空気A3の流量を増やすことで小さくすることができるため、制御部7は、温度低下量が例えばΔT=0.1(°C)程度まで十分小さくなるように、第3調整機構42に対して流量を設定すればよい。そして、温調空気A2の温度は、第1隔壁41aを介して間隙G1内の温調空気A3への放熱により低下するが、上記のように温調空気A3と温調空気A4との間の温度低下量を小さくしているため、温調空気A2の温度低下は、可能な限り低減される。したがって、第2空間S2の特に光路51内に生じ得る温度分布を低減させることができるため、結果的に温度の揺らぎの発生も抑えることができる。なお、温調空気A4の流量を同様に調整すれば、温調空気A1の温度上昇を低減させることができるため、結果的に対象物2の温度上昇を低減させることもできる。さらに、本実施形態では、第2空間を流れる温調空気A2と温調空気A3との供給方向を対向させているため、第3実施形態にて説明したとおり、温調空気A2の流れに沿う方向での温度変動を低減させることができる。これにより、第2空間S2内の温度分布をさらに効率良く低減させることができる。同様に、本実施形態では、第1空間を流れる温調空気A1と、温調空気A4との供給方向を対向させているため、対象物2の面内の温度分布を低減させることができる。このように、本実施形態によれば、第3実施形態と同様の効果を奏すると共に、特に第2空間S2に設置されているプローブ5aに対する温度変化の影響を抑えることができる。
なお、上記説明では、温調空気A3の目標温度を温調空気A2の第2温度と同様とし、また、温調空気A4の目標温度を温調空気A1の第1温度と同様としている。これに対して、温調空気A3の温度を第2温度よりも高めに設定し、一方、温調空気A4の温度を第1温度よりも低めに設定することもあり得る。具体的には、温調空気A2が23(°C)に設定されている場合には、制御部7は、第4調整機構に対し、温調空気A3の温度を、24〜27(°C)程度に調整させることもあり得る。一方、温調空気A1が2(°C)に設定されている場合には、制御部7は、第5調整機構に対し、温調空気A4の温度を、1〜−2(°C)程度に調整させることもあり得る。
図6は、この場合の各温調空気の流れに沿う方向(X軸方向)での温度変化を示すグラフである。特に、図6(a)は、温調空気A2と温調空気A3との温度変化を比較したグラフである。まず、温調空気A3は、流れに沿って温調空気A4に向けて次第に放熱していくため、温調空気A3の温度は、単調に減少する。一方、温調空気A2は、グラフ上の上流側(Xの値が大きい領域)では、温調空気A3に向けて熱量Q1を放出し、温度が徐々に低下していくが、途中で温調空気A3と温度が逆転すると、温調空気A3から熱量Q2を吸収し、温度が徐々に上昇する。すなわち、このような温度設定によれば、温調空気A3は、温調空気A2を再加熱することができることになり、温調空気A2の温度分布を効率的に低減し、温調空気A2の温度を目標温度である23(°C)に高精度に調整することができる。一方、図6(b)は、温調空気A1と温調空気A4との温度変化を比較したグラフである。この場合、温調空気A4は、温調空気A1を再冷却することができることになり、温調空気A1の温度分布を効率的に低減し、温調空気A1の温度を目標温度である2(°C)に高精度に調整することができる。なお、温調空気A3と温調空気A4との上記設定温度は一例であって、温調空気A3の温度は、少なくとも温調空気A2の温度以上、また、温調空気A4の温度は、少なくとも温調空気A1の温度以下であればよい。
さらに、本実施形態においても、隔壁部41を構成する隔壁の枚数は、3つに限定するものではない。そこで、図5(b)に示すように、例えば隔壁の枚数を4つにする変形もあり得る。ここで、図5(a)に示す隔壁部41に対応した隔壁部52が、第1隔壁52aから第4隔壁52dまでの4つの隔壁を含むものとすると、両端に存在する隔壁の中間に位置する第2隔壁52bと第3隔壁52cとの間の間隙G3は、例えば空気層とする。この場合、第2温度の温調空気A3と第1温度の温調空気A4との間の熱抵抗が大きくなるため、図5(a)の場合の設定と比較して、温調空気A3と温調空気A4との流量を減らすこともできる。なお、間隙G3の内部を空気層とするのではなく、減圧して真空状態とすることで、熱抵抗をさらに大きくしてもよい。
なお、上記各実施形態では、対象物を常温より低温な環境で使用される光学素子として説明したが、使用環境は、常温より高温な環境であってもよい。また、計測対象物は、光学素子には限定されず、常温とは異なる温度環境下で使用される他の対象物であってもよい。また、計測対象物は、例えば、光学素子などを製作(成型)するための型であってもよい。さらに、上述した実施形態では、計測光の光路長の変化の情報または計測光と参照光との干渉縞の情報に基づいて、対象物の表面の形状を計測する例を説明した。しかしながら、計測する対象物の特性は、表面形状には限定されない。当該情報のように対象物と相互作用した計測光から得られる情報に相関のある対象物の特性であればよい。例えば、対象物の表面粗さや、対象物としての光学系が形成する波面の収差であってもよい。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る形状測定装置について説明する。図7は、本実施形態に係る形状測定装置70の構成を示す概略図である。特に、図7では、図1に示す第1実施形態に係る形状測定装置と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態の形状測定装置70の特徴は、第2空間S2の湿度を、湿度制御器(湿度調整機構)72を用いて制御(調整)する点にある。第2空間S2に供給する気体は、ダクト6を介して不図示の温度制御器で温度制御し、第1空間S1に供給する気体は第1調整機構8で温度制御されている。従って、例えば、第2空間S2の温度を23℃、第1空間S1の温度を2℃としても、湿度制御器72を用いてダクト6から第2空間S2に供給する気体の湿度を制御することで、第1空間S1と第2空間S2との温度差による結露を防止または低減し得る。湿度制御は、一般的に知られている飽和水蒸気量と温度との関係に基づいて行うことができ、詳細は後述する。
本実施形態の湿度制御器72は、第2空間S2に設置された湿度計を含みうる。または、湿度制御器72は、対象物2を設置する第1空間S1の温度を測定する温度センサ(第1温度計測器)71aと、測定器5を含む第2空間S2の温度を測定する温度センサ(第2温度計測器)71bとを含みうる。その場合、温度センサ71a・71bで温度を測定し、測定した温度に基づいて、湿度制御器72により、ダクト6から供給する気体の湿度を制御する。湿度制御においては、飽和水蒸気量(1mの空間に存在できる水蒸気の最大質量)に関する情報と、温度センサ71a及び71bで測定された温度とに基づいて、ダクト6から供給する気体の湿度を決定する。湿度を制御する目的は、例えば隔壁部9に結露を生じさせないためである。第1空間S1と第2空間S2との間に温度差がある場合、隔壁部9に結露が生じることが懸念され、当該結露により高精度な測定が困難になり得るからである。そこで、例えば、第1空間S1の温度を2℃、第2空間の温度を23℃とする場合、湿度制御により2℃の飽和水蒸気量以下の水蒸気量を含む23℃の気体をダクト6から供給すればよい。飽和水蒸気量は、例えばTetensの式(数1、数2)から求めることができる。それによれば、温度t(℃)での飽和水蒸気圧E(t)から飽和水蒸気量aを求めることができる。
Figure 0005436706
Figure 0005436706
この関係式から、2℃での飽和水蒸気量は5.57(g/m)となり、23℃での飽和水蒸気量は20.59(g/m)となる。従って、ダクト6から供給する気体の湿度は、5.57÷20.59×100≒27.1%以下になるように湿度制御器72で制御されれば、隔壁部9に結露が生じることはない。なお、ダクト6から供給する気体の湿度は、ダクト6からの供給前の気体を乾燥する乾燥器(乾燥器はダクト6に含まれうる)により調整されうる。なお、本実施形態では、第2空間S2に供給される気体の湿度を制御しているが、第1空間S1の温度を第2空間S2の温度より高くする場合には、供給部10から第1空間S1に供給される気体の湿度を湿度制御器により制御すればよい。すなわち、第1空間S1および第2空間S2のうち気温をより高く維持すべき少なくとも一方の空間に供給する気体の湿度を制御すればよい。また、本実施形態では、湿度制御のために温度センサ71a・71bを含む構成としているが、第1空間S1および第2空間S2のうち少なくとも一方の気温を既知とみなせる場合には、温度センサ71a・71bの少なくとも一方を省略可能である。
以上のように、本実施形態によれば、第1空間S1と第2空間S2との間に温度差がある計測環境(計測条件)下において結露を防止または低減するのに有利な計測装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 形状測定装置
2 対象物
4 チャンバー
5 測定器
6 ダクト
8 第1調整機構
9 隔壁部
9a 第1隔壁
9b 第2隔壁
G1 間隙
S1 第1空間
S2 第2空間

Claims (12)

  1. 光を投受光する投受光器を有し、対象物を計測する計測装置であって、
    前記対象物を収容する第1空間を含むチャンバーと、
    前記投受光器が配置された第2空間と前記第1空間とを分離し、かつ前記光を透過する隔壁部と、
    前記第1空間を通して気体を流通させて前記第1空間を第1温度に調整する第1調整機構と、
    前記第2空間を通して気体を流通させて前記第2空間を前記第1温度とは異なる第2温度に調整する第2調整機構と、を有し、
    前記隔壁部は、間隙をもって配置された複数の隔壁を含む、
    ことを特徴とする計測装置。
  2. 前記第1調整機構は、前記隔壁部に沿って前記気体が流通するように、前記気体を供給する供給口と前記気体を排出する排出口とを、前記対象物を介して互いに対向させて、前記第1空間内に有する、ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記第1調整機構は、前記供給口と前記排出口との第1の組と、前記第1の組より前記隔壁部から遠くに配置された前記供給口と前記排出口との第2の組とを含み、前記第1の組による前記気体の流れと前記第2の組による前記気体の流れとが互いに対向するように前記気体を流通させる、ことを特徴とする請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記隔壁部は、第1間隙および第2間隙をもって配置された3つの隔壁を含む、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の計測装置。
  5. 前記間隙を通して気体を流通させて前記間隙の温度を調整する第3調整手段を有する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の計測装置。
  6. 前記第1間隙を通して気体を流通させて前記第1間隙の温度を調整する第4調整機構と、
    前記第2間隙を通して気体を流通させて前記第2間隙の温度を調整する第5調整機構と、
    を有する、ことを特徴とする請求項4に記載の計測装置。
  7. 前記第1空間は、前記3つの隔壁のうちの1つの隔壁を介して前記第1間隙に隣接し、
    前記第2空間は、前記3つの隔壁のうちの他の1つの隔壁を介して前記第2間隙に隣接し、
    前記第1調整機構、前記第2調整機構、前記第4調整機構および前記第5調整機構は、前記第1空間の気体の流れと前記第1間隙の気体の流れとが互いに対向し、かつ、前記第2空間の気体の流れと前記第2間隙の気体の流れとが互いに対向するように、それぞれ気体を流通させる、ことを特徴とする請求項6に記載の計測装置。
  8. 前記第1調整機構が前記第1空間に供給する気体の目標温度と、前記第4調整機構が前記第1間隙に供給する気体の目標温度とは、互いに異なる、ことを特徴とする請求項7に記載の計測装置。
  9. 前記第2調整機構が前記第2空間に供給する気体の目標温度と、前記第5調整機構が前記第2間隙に供給する気体の目標温度とは、互いに異なる、ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の計測装置。
  10. 前記3つの隔壁のうちの両端の2つの隔壁の間にある隔壁は、間隙をもって配置された複数の隔壁を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の計測装置。
  11. 前記第1空間および前記第2空間の少なくとも一方の湿度を調整する湿度調整機構を有する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の計測装置。
  12. 前記湿度調整機構は、前記第1空間の温度を計測する第1温度計測器および前記第2空間の温度を計測する第2温度計測器の少なくとも一方を含み、前記第1温度計測器の出力に基づく前記第2空間の湿度の調整および前記第2温度計測器の出力に基づく前記第1空間の湿度の調整の少なくとも一方を行う、ことを特徴とする請求項11に記載の計測装置。

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