JP2013217908A - 計測装置 - Google Patents

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貴宏 山本
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Abstract

【課題】常温とは異なる温度の環境下での対象物を計測するのに有利な計測装置を提供する。
【解決手段】計測装置1は、光を投受光する可動の測長用プローブ5を有し、対象物を計測する。この計測装置1は、対象物2を収容する第1空間を含むチャンバー4と、測長用プローブ5が配置された第2空間と第1空間とを分離し、かつ光を透過する隔壁部9と、第1空間を通して気体を流通させて第1空間を第1温度に調整する第1調整機構8と、第2空間を通して気体を流通させて第2空間を第1温度とは異なる第2温度に調整する第2調整機構6とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、対象物を計測する計測装置に関する。
レンズやミラーなどの光学素子の表面形状を測定(計測)する装置として、例えば非接触式の形状測定装置が存在する。光学素子の製作段階では、形状測定装置による光学素子の形状測定と、修正研磨とを繰り返し行うことで、光学素子の形状が目標形状寸法となるようにする。しかしながら、光学素子が光学装置に組み込まれて使用される際の使用環境の温度は、一般的な測定環境(例えば光学素子の製作環境)の温度(例えば23°C前後の常温)とは大きく異なる場合がある。このように使用環境と測定環境とで温度が異なると、使用環境下での光学素子の形状は、測定時の形状から変形してしまう。したがって、例えば、光学素子の製作段階での光学素子の表面形状の測定は、光学素子が使用される環境の温度で行われることが望ましい。これに対して、形状測定装置全体を上記使用環境の温度と同様の温度下におき、表面形状を測定することも考えられる。しかしながら、形状測定装置を設計仕様(例えば常温環境下での測定を想定した設計仕様)と異なる状況下で使用すると、測定装置自体に熱変形(熱歪み)が生じて形状誤差が発生し、高精度な測定が困難となりうる。一方、特許文献1は、対象物を断熱容器内に収容して対象物の温度変化に対する寸法変化量を高精度に測定する線膨張係数測定装置を開示している。
特許第3897655号公報
しかしながら、例えば、天文分野で用いられる天体望遠鏡は、標高数千mの山頂などの高所で使用されることが多く、使用環境の温度が低温となる。そこで、形状測定装置全体または対象物を使用環境の低温に制御する構成が考えられるが、干渉計の測定基準となる基準ミラー等の測定装置の光学素子は、低温環境下(例えば10°C以下)では結露しうる。この結露は、高精度な測定を妨げ得る。
本発明は、常温とは異なる温度の環境下での対象物を計測するのに有利な計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、光を投受光する可動の測長用プローブを有し、対象物を計測する計測装置であって、対象物を収容する第1空間を含むチャンバーと、測長用プローブが配置された第2空間と第1空間とを分離し、かつ光を透過する隔壁部と、第1空間を通して気体を流通させて第1空間を第1温度に調整する第1調整機構と、第2空間を通して気体を流通させて第2空間を第1温度とは異なる第2温度に調整する第2調整機構と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、常温とは異なる温度の環境下での対象物を計測するのに有利な計測装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る形状測定装置の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る形状測定装置の構成を示す図である。 チャンバーの多角形状に対する給排気部の配置などを示す図である。 第3実施形態に係る透過防止膜を含む隔壁部の構成を示す図である。 波長帯域ごとの黒体の単色射出能を示すグラフである。 本発明の第4実施形態に係る形状測定装置の構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る形状測定装置(計測装置)について説明する。図1は、本実施形態に係る形状測定装置1の構成を示す概略図である。形状測定装置1は、例えば天体望遠鏡に採用されるようなレンズやミラーなどの光学素子を対象物(被測定物)とし、この対象物の表面形状を測定する非接触式の測定装置である。また、以下の図において、対象物が保持部に載置された状態での平面内に互いに直交するX軸およびY軸を取り、またこのXY平面に垂直(本実施形態では鉛直方向)にZ軸を取っている。形状測定装置1は、対象物2を載置および固定する保持部3と、保持部3を内部に設置するチャンバー4と、対象物2の表面形状を非接触で測定するためのプローブ(測長用プローブ)5と、プローブ5を含む空間へ送風するダクト6と、制御部7とを備える。特に、形状測定装置1は、対象物2が実際に使用される環境での温度(以下「実環境温度」という)と等しくなるように、対象物2を設置する第1空間S1と、プローブ5を含む第2空間S2とでそれぞれ独立して温度制御可能とする。以下、実環境温度は、常温に対して低い(以下の例では2(°C))と想定して説明を行う。これに対して、実環境温度が常温に対して高い場合には、供給する空気の温度や温度が調整された空気の供給方向などは、以下の例での場合の反対となる。
保持部3は、対象物2を着脱可能とする固定機構を有する。チャンバー4は、対象物2の収容部であり、外部からの熱を遮断する断熱構造を有するとともに、その内部空間内(第1空間内)の温度を可変とする。このチャンバー4は、第1空間S1内の温度を調整する第1調整機構8と、特に、第1空間S1と、プローブ5が設置されている空間(第2空間)S2とを分離する隔壁部9とを含む。第1調整機構8は、ある温度(この場合第1温度)に調整された気体(以下「温調空気」という)を第1空間S1内に供給する供給部(供給口)10を含む。さらに、第1調整機構8は、第1空間S1内で供給部10に対向する位置に配置され、供給部10から供給された温調空気を回収し排気(排出)する排気部(排出口)11を含む。すなわち、第1調整機構8は、第1空間S1内に温調空気を流通させるものである。このうち、供給部10は、不図示の温調器に供給配管12を介して接続され、さらに第1空間S1内での対象物2の温度分布が小さくなるように温調空気の風速を制御する不図示の風速制御器を含む。温調器は、第1温度を例えば2(°C)に調整する。また、風速制御器は、温調空気の風速を約2(m/s)程度に調整する。一方、排気部11は、排気配管13に接続されており、第1空間S1内を通過した温調空気を回収することで第1空間S1内で効率的な気流を作り、空気の淀みの発生を抑える。ここで、排気配管13で回収される温調空気の温度は、周辺温度の影響を受けて温められるため、第1温度よりも高くなる。そこで、排気配管13は、チャンバー4の外部で供給配管12と連結し、供給配管12と排気配管13との配管の途中に冷却部14を設置して冷却空気を循環させる構造とすることが望ましい。このような冷却空気を循環させる配管構造とすることで、温調器に対し、温調空気を例えば23(°C)の外部空気から2(°C)まで冷却するよりも冷却効率が良くなるという利点がある。なお、このような冷却空気を循環させる構造を構成することができない場合には、供給配管12と排気配管13とを互いに独立させることで第1空間S1を実環境温度に温度調整してもよい。また、供給配管12と排気配管13とは、それぞれ第1バルブ15を備え、さらに、排気配管13は、冷却部14の上流側と下流側との2箇所に第2バルブ16も備える。この第1バルブ15と第2バルブ16とは、主に対象物2の取り替え時に使用される。このとき、各第1バルブ15を閉とし、各第2バルブ16を開とすることで、第1空間S1内への温調空気の供給を一旦止めて、取り替え作業を行うことができる。隔壁部9は、第1空間S1と第2空間S2とを分離するための板材であり、第2空間S2にあるプローブ5からのレーザー光が、第1空間S1に設置されている対象物2に対して適切に照射されるように透過可能な材質で構成される。例えば、プローブ5が、測定光として測定波長が633(nm)のHe−Neレーザーを利用するものである場合には、隔壁部9の材質をHe−Neレーザーを透過する石英ガラスとし得る。
プローブ5は、対象物2の表面形状を非接触で測定可能とする光学式測定器(投受光器)である。具体的には、プローブ5は、XY面内で可動であり、対象物2の表面に対する光(計測光)の投受光により、例えば、計測光の光路長の変化を介して対象物2の表面の位置の変化(Z軸方向における位置の変化)を検出する。このようなプローブ5を採用する場合、プローブ5の上部および側部の領域に位置決め用の複数の基準ミラー20(20a、20b)が設置され、またこれらの基準ミラー20に対向するようにプローブ5の側面に複数のレーザー測長器21が設置される。そして、プローブ5の位置決めは、レーザー測長器21に出力に基づいて制御される。まず、Z軸方向(計測光の光軸方向)の位置決めは、Z軸用のレーザー測長器21aの出力に基づいて実施される。一方、X軸方向の位置決めは、X軸用のレーザー測長器21bの出力に基づいて実施される。また、Y軸方向の位置決めも、X軸方向の位置決めと同様に、不図示であるがY軸用のレーザー測長器21の出力に基づいて実施される。この位置決めでは、後述の制御部7は、X軸、Y軸、およびZ軸用のそれぞれのレーザー測長器21からの出力信号を取得し、それに基づき、プローブ5を移動させる不図示の駆動系に制御信号を送信する。駆動系は、プローブ5に連結している不図示のアームを介してプローブ5を対象物2に対して高精度に位置決めする。ここで、プローブ5の主たる移動(主走査)の方向は、ダクト6(後述)から供給される温調空気の供給方向と計測光の光路が延びる方向との双方に直交(交差)する方向とすることが望ましい。これは、プローブ5の移動方向と温調空気の供給方向とが互いに対向すると、温調空気の流れを乱す可能性があるためである。よって、例えば、図2(a)に示すように、温調空気の供給方向をX軸方向(第1方向)、計測光の光路の方向をZ軸方向とするならば、プローブ5をより長時間に渡って連続的に動かす方向(主走査方向)をY軸方向(第2方向)とすればよい。一方、プローブ5をより短時間だけステップ的に動かす方向(副走査方向)をX軸方向とすればよい。
ダクト6は、プローブ5(およびレーザー測長器21)を含む第2空間S2に、不図示の温調器によりレーザー測長器21による位置決め精度を保証するような第2温度に調整された温調空気を流通させ、第2空間S2内の温度を調整する第2調整機構である。このダクト6から供給される温調空気は、位置決めを行うレーザー測長器21の計測光の光路上の空気の揺らぎ(屈折率の変動)による計測誤差を与えないように、その温度と風速とが制御される。この場合、温調器は、第2温度を例えば23(°C)に調整する。また、ダクト6は、温調空気の風速を約0.5(m/s)程度に調整する。なお、ダクト6から供給された温調空気は、不図示の排気口から排気される。さらに、制御部7は、プローブ5の動作、および第1調整機構8やダクト6の動作および調整を制御すると共に、プローブ5で得られた測定結果を処理する。
さらに、形状測定装置1は、チャンバー4を載置する定盤17と、形状測定装置1の各構成要素を支持する架台18とを備える。特に、上記の複数の基準ミラー20は、それぞれ架台18に設置される。
次に、形状測定装置1による対象物2の表面形状の測定時の作用について説明する。今回の対象物2とした光学素子は、あらゆる光学機器に採用され得るが、その光学機器の使用場所または使用用途によっては、低温状態での使用も考えられる。特に天文分野で用いられる天体望遠鏡は、標高数千mの山頂などの高所で使用されることが多いため、天体望遠鏡に含まれる光学素子の使用環境の温度が低温となる。すなわち、常温環境に置かれた光学素子の表面形状を測定したとしても、低温である実環境温度に置かれた光学素子は、熱変形により表面形状が変化してしまう、すなわち形状誤差が発生しているため、所望の状態での表面形状を精度良く測定することが困難である。そこで、本実施形態の形状測定装置1では、上記のとおり対象物2を設置する第1空間S1とプローブ5を含む第2空間S2とに空間を分離している。そして、形状測定時には、制御部7は、第1空間S1を第1温度である実環境温度となるように、また、第2空間S2を測定精度が保証される第2温度である測定温度となるように温度制御を実行する。ここで、チャンバー4を構成する隔壁部9は、2(°C)で温度制御されている第1空間S1と、23(°C)で温度制御されている第2空間S2との境界面であるため、隔壁部9ではZ軸方向の温度の開きが大きい。そこで、本実施形態では、隔壁部9を、熱伝達率の低い構造(例えば、Z軸方向の厚さを厚くする)とするか、または熱伝達率の低い材質とすることで、第2空間S2から第1空間S1への伝熱を抑制させる。さらに、本実施形態では、上記のとおり、第1空間S1内に供給する温調空気の風速を、第2空間S2内に供給する温調空気の風速よりも速くしている。これにより、第1空間S1内にて隔壁部9に近い位置に配置されている対象物2に温度分布が生じるのを抑えることができる。
このように、形状測定装置1は、対象物2が実際に使用される状態に近い状態での表面形状を測定可能とするため、熱変形による形状誤差に起因した測定誤差の発生を抑えることができる。さらに、形状測定装置1は、プローブ5が設置されている空間を推奨される測定温度に維持させ、プローブ5のメトロロジを保証することもできる。
以上のように、本実施形態によれば、常温とは異なる温度の環境下での対象物を計測するのに有利な計測装置を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る形状測定装置について説明する。図2は、本実施形態に係る形状測定装置30の構成を示す概略図である。特に、図2(a)では、図1に示す第1実施形態に係る形状測定装置1と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態の形状測定装置30の特徴は、対象物2を設置する第1空間S1での温調空気の流れを、第1実施形態での第1調整機構8のような1系統1方向ではなく、複数系統、複数方向とする点にある。特に、本実施形態の第1調整機構31は、対象物2の表面を含む上部の領域に温調空気を給排気するための第1給排気部32および第2給排気部33と、対象物2の下部の領域に温調空気を給排気するための第3給排気部34および第4給排気部35とを含む。すなわち、第1給排気部32および第2給排気部33が、どちらか一方を供給側、他方を排気側とする第1系統(第1の組)を形成し、一方、第3給排気部34および第4給排気部35が、どちらか一方を供給側、他方を排気側とする第2系統(第2の組)を形成する。なお、ここでも、第1調整機構31は、第1〜第4給排気部32〜35でそれぞれ個別に、温調空気の温度、供給方向、および風速を調整し得る。
この場合、制御部7は、第1調整機構31に対し、第1系統を流れる温調空気と第2系統を流れる温調空気との流れる方向(供給方向)を互いに対向するように、すなわち一方が他方に対して逆向きになるように設定する。具体的には、まず第1調整機構31は、第1系統の第1配管36を介し、第1給排気部32から温度を例えば2(°C)に調整された温調空気を第1空間S1における対象物2の上部に供給する。そして、第1調整機構31は、第1給排気部32と対向するように設置された第2給排気部33に温調空気を回収させ、回収した温調空気を第2配管37に流す。このとき、対象物2の上部の温度は、流れの上流側である第1給排気部32の近傍(図中B点)では、温度制御したい所望の温度に近い。これに対して、流れの下流側である第2給排気部33の近傍(図中A点)では、供給された2(°C)の温調空気が周囲の影響で温められるため、B点での温度よりも高くなる。そこで、第1調整機構31は、第2系統の第4配管39を介し、第4給排気部35から温度を2(°C)に調整された温調空気を第1空間S1における対象物2の下部にも供給する。そして、第1調整機構31は、第4給排気部35と対向するように設置された第3給排気部34に温調空気を回収させ、回収した温調空気を第3配管38に流す。このとき、対象物2の下部の温度は、流れの上流側である第4給排気部35の近傍(図中D点)では、温度制御したい所望の温度に近い。これに対して、流れの下流側である第3給排気部34の近傍(図中C点)では、供給された2(°C)の温調空気が周囲の影響で温められるため、D点での温度よりも高くなる。図2(b)は、このときの対象物2での温度変化を示すグラフである。このグラフでは、横軸を対象物2の平面方向の距離(m)とし、縦軸を温度(°C)としている。上記のような構成(設定)によれば、対象物2の上部に供給される温調空気の温度変化と、対象物2の下部に供給される温調空気の温度変化とは、両者が交差する交点の前後それぞれにおいて、対称的な関係となる。したがって、A、D点側と、B、C点側共に、温められた温調空気の方が冷やされるため、対象物2の温度分布を小さくすることができる。
ここで、第1調整機構31の構成による対象物2の温度分布に関する熱回路網法によるシミュレーション結果について説明する。まず、第1実施形態における第1調整機構8の構成によれば、対象物2では最高温度が2.22(°C)、最低温度が2.12(°C)となるため、約0.1(°C)の温度分布がある。これに対して、本実施形態における第1調整機構31の構成によれば、対象物2では最高温度が2.10(°C)、最低温度が2.03(°C)となるため、約0.07(°C)の温度分布となる。なお、どちらの例においても、第1空間S1に対する温調空気の風速を2(m/s)(対象物2の上下部の両方)とし、第2空間S2に対する温調空気の風速を0.5(m/s)としている。すなわち、第1系統と第2系統とで温調空気の供給方向を互いに逆向きにすることで、対象物2の温度分布を小さくすることができることがわかる。また、対象物2の所望の温度分布に応じて上記のように構成要素の間隔や距離を変更することが有効であることもわかる。なお、上記の各種数値は一例であり、本発明を限定するものではない。このように、本実施形態は、計測環境における対象物2の温度分布の不均一性の低減、もって、対象物2に与える計測装置固有の熱変形の低減の点で有利である。
さらに、上記説明した第1調整機構31の複数系統の構成も一例であり、チャンバー4の平面形状(外形)や、要求される対象物2の熱変形抑制量などにより、第1調整機構31の構成を変更することも可能である。例えば、チャンバー4の平面形状が、Z軸方向から見て2組以上の対辺を有する多角形である場合には、対向する対辺間は、一方を温調空気の供給側、他方を排気側とすればよい。図3は、チャンバー4の平面形状を六角形に想定した場合の、チャンバー4の各内側面での給排気部40の配置と、温調空気の供給方向とを示す概略平面図である。まず、図3(a)では、複数の給排気部40のうち、チャンバー4の中心を軸対称として、一方の側の3つの給排気部40を供給部とし、他方の側の3つの給排気部40を排気部とした構成を示している。一方、図3(b)では、複数の給排気部40のうち、供給部として動作するものと排気部として動作するものとが交互に配置された構成を示している。このように、第1調整機構31の構成を、複数の給排気部40により、それぞれ供給か排気かのいずれかの動作を実施する3系統としてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る形状測定装置について説明する。本実施形態の形状測定装置の特徴は、上記実施形態にて採用している隔壁部9の表面に、ある特定の波長帯域の光を遮断する透過防止膜を設置する点にある。図4は、透過防止膜50を含む本実施形態における隔壁部51の構成と、この場合の熱放射のしくみを説明する概略図である。ここで、石英ガラスは、波長帯域が5(μm)以上の光を透過しない性質を持っており、5(μm)以下の波長帯域の光であれば透過する。つまり、上記実施形態での隔壁部9の材質が石英ガラスであり、かつ、プローブ5が測定光としてHe−Neレーザーを利用するものであるならば、隔壁部9は、測定光を遮ることはない。しかしながら、第1空間S1と第2空間S2との温度差が大きい場合には、熱放射についても考慮する必要がある。この熱放射には、物体からのさまざまな波長のものが含まれており、波長λ〜(λ+dλ)の範囲に含まれるエネルギーをEλλとすると、次の関係式(数1)が成り立つ。
Figure 2013217908
ただし、Eλは、単色射出能であり、波長λの関数である。また、表面に到達する熱放射線をすべて吸収する性質をもつ物体である黒体からの単色射出能Ebλは、プランクの法則により以下の式(数2)で表される。
Figure 2013217908
ただし、C1=3.2179×10(kcal・μm/m・hr・μm)、C2=14388(μm・K)である。また、この場合の各温度における黒体の単色射出能のグラフを図5に示す。なお、この図5では、図5(a)が黒体温度300(K)以上の場合を示しており、一方、図5(b)が黒体温度300(K)以下の場合を示している。図5より、例えば温度300(K)の黒体の単色射出能は、波長3(μm)から射出エネルギーがある。したがって、第2空間S2の温度を300(K)とし、隔壁部9の材質が石英ガラスである場合には、3〜5(μm)の波長帯域(赤外光)で、熱放射により対象物2が温められることが予想される。そこで、本実施形態では、図4に示すように、測定光のレーザー波長(例えば633(nm))を遮蔽せず、熱放射の波長帯域3〜5(μm)は遮蔽するような透過防止膜50を、第1実施形態の隔壁部9に相当する隔壁52の表面に設置(形成)する。なお、透過防止膜50は、隔壁52の表面および裏面にて同一材質のものとしてもよいし、異なる材質のものとしてもよい。また、透過防止膜50は、隔壁52の表面に成膜処理にて形成してもよいし、すでに製造されている膜を貼り付ける構成としてもよい。さらに、隔壁52の表面に透過防止膜50を設置するのではなく、熱放射の波長帯域を遮蔽し得る不純物を隔壁52に直接ドープする構成もあり得る。このように、本実施形態によれば、熱変形による形状誤差に起因した測定誤差の発生をさらに効率良く抑えることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る形状測定装置について説明する。図6は、本実施形態に係る形状測定装置60の構成を示す概略図である。図6では、図1に示す第1実施形態に係る形状測定装置と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態の形状測定装置60の特徴は、プローブを含む第2空間S2に供給する空気の湿度を湿度制御器(湿度調整機構)62を用いて制御(調整)する点にある。第2空間S2に供給する気体は、ダクト6を介して不図示の温度制御器で温度制御し、第1空間S1に供給する気体は、第1調整機構8で温度制御されている。例えば、第2空間S2の温度を23(゜C)とし、第1空間S1の温度を2(°C)とする。この場合、第2空間S2については、湿度制御器62を用いてダクト6から供給する気体の湿度を制御することで、第1空間S1と第2空間S2との温度差による結露を防止(低減)することができる。なお、湿度制御は、一般的に知られている飽和水蒸気量と温度との関係に基づいて行うことができ、詳細は後述する。
また、形状測定装置60は、第2空間S2に湿度計を設置してもよい。または、対象物2を設置する第1空間S1の温度を測定する温度センサ(第1温度計測器)61aと、プローブ5を含む第2空間S2の温度を測定する温度センサ(第2温度計測器)61bとを有してもよい。ダクト6から供給する気体の湿度は、各温度センサ61a、61bの温度を測定し、湿度制御器62を用いて制御する。湿度制御においては、飽和水蒸気量(1(m)の空間に存在できる水蒸気の最大質量)に関する情報と、各温度センサ61a、61bで測定された温度とに基づいて、ダクト6から供給する気体の湿度を決定する。湿度を制御するのは、第1空間S1と第2空間S2との間に温度差がある場合、温度境界面、例えば隔壁部9で結露が生じることが懸念されるからである。そこで、例えば、第1空間S1の温度を2(°C)、第2空間の温度を23(°C)とする場合、2(°C)の飽和水蒸気量以下の水蒸気量を含む23(°C)の気体をダクト6から供給すればよい。飽和水蒸気量は、Tetensの式((数3)および(数4))から求めることができる。すなわち、温度t(°C)のときの飽和水蒸気圧E(t)から飽和水蒸気量aを求めることができる。
Figure 2013217908
Figure 2013217908
この関係式から、2(°C)での飽和水蒸気量は、5.57(g/m)となり、23(°C)での飽和水蒸気量は、20.59(g/m)となる。したがって、ダクト6から供給する気体の湿度は、5.57/20.59×100=約27.1(%)以下になるように湿度制御器62で制御されれば、第1空間S1と第2空間S2との間の境界部(隔壁部9)に結露が生じることはない。なお、ダクト6から供給する気体の湿度は、ダクト6から供給する前の気体を乾燥する乾燥器(乾燥器は、ダクト6に含まれ得る)により調整され得る。なお、本実施形態では、第2空間S2に供給される気体の湿度を制御しているが、第1空間S1の温度を第2空間S2の温度より高くする場合は、供給部10から第1空間S1に供給される気体の湿度を湿度制御器により御すればよい。すなわち、第1空間S1および第2空間S2のうち気温をより高く維持すべき少なくとも一方の空間に供給する気体の湿度を制御すればよい。また、本実施形態では、湿度制御のために温度センサ71a・71bを含む構成例を説明したが、第1空間S1および第2空間S2のうち少なくとも一方の気温を既知とみなせる場合には、温度センサ71a・71bの少なくとも一方を省略可能である。このように、本実施形態によれば、第1空間S1と第2空間S2との間に温度差がある計測環境(計測条件)下において結露を防止または低減するのに有利な計測装置を提供することができる。
なお、上記各実施形態では、対象物を常温より低温な環境で使用される光学素子として説明したが、使用環境は、常温より高温な環境であってもよい。また、計測対象物は、光学素子には限定されず、常温とは異なる温度環境下で使用される他の対象物であってもよい。また、計測対象物は、例えば、光学素子などを製作(成型)するための型であってもよい。さらに、上述した実施形態では、計測光の光路長の変化の情報または計測光と参照光との干渉縞の情報に基づいて、対象物の表面の形状を計測する例を説明した。しかしながら、計測する対象物の特性は、表面形状には限定されない。当該情報のように対象物と相互作用した計測光から得られる情報に相関のある対象物の特性であればよい。例えば、対象物の表面粗さや、対象物としての光学系が形成する波面の収差であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 形状測定装置
2 対象物
4 チャンバー
5 プローブ
6 ダクト
8 第1調整機構
9 隔壁部
S1 第1空間
S2 第2空間

Claims (7)

  1. 光を投受光する可動の測長用プローブを有し、対象物を計測する計測装置であって、
    前記対象物を収容する第1空間を含むチャンバーと、
    前記測長用プローブが配置された第2空間と前記第1空間とを分離し、かつ前記光を透過する隔壁部と、
    前記第1空間を通して気体を流通させて前記第1空間を第1温度に調整する第1調整機構と、
    前記第2空間を通して気体を流通させて前記第2空間を前記第1温度とは異なる第2温度に調整する第2調整機構と、を有する、
    ことを特徴とする計測装置。
  2. 前記第1調整機構は、前記隔壁部に沿って前記気体が流通するように、前記気体を供給する供給口と前記気体を排出する排出口とを、前記対象物を介して互いに対向させて、前記第1空間内に有する、ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記第1調整機構は、前記供給口と前記排出口との第1の組と、前記第1の組より前記隔壁部から遠くに配置された前記供給口と前記排出口との第2の組とを含み、前記第1の組による前記気体の流れと前記第2の組による前記気体の流れとが互いに対向するように前記気体を流通させる、ことを特徴とする請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記第2調整機構による前記気体の流通は、前記隔壁部に沿った第1方向に行われ、
    前記測長用プローブの主走査は、前記第1方向に対して交差し、かつ前記隔壁部に沿った第2方向に行われる、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の計測装置。
  5. 前記隔壁部は、特定の波長の赤外光に対する透過防止膜を有する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の計測装置。
  6. 前記第1空間および前記第2空間の少なくとも一方の湿度を調整する湿度調整機構を有する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の計測装置。
  7. 前記湿度調整機構は、前記第1空間の温度を計測する第1温度計測器および前記第2空間の温度を計測する第2温度計測器の少なくとも一方を含み、前記第1温度計測器の出力に基づく前記第2空間の湿度の調整および前記第2温度計測器の出力に基づく前記第1空間の湿度の調整の少なくとも一方を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の計測装置。
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