以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1は液晶表示装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は輝度制御部の輝度調整の原理を説明する説明図であり、図3は輝度制御部の目標光量値の調整の原理を説明する説明図であり、図4は輝度制御部の概略構成を示すブロック図である。
1.液晶表示装置の概略構成
図1に示すように、液晶表示装置1は、液晶パネル2と、液晶パネル2の背面から光を照射するバックライトシステム3と、バックライトシステム3が照射する光量を測定するフォトセンサ4と、液晶表示装置1内の温度を測定する温度センサ5とを備える。液晶パネル2は、RGBそれぞれのカラーフィルタを有するカラー液晶パネルでもよいし、カラーフィルタを有さないモノクロ液晶パネルでもよい。
バックライトシステム3は、複数本の冷陰極管(CCFL)6aからなるバックライト6とバックライト6が発する光を反射させる反射板7とを有する。バックライト6は、冷陰極管6a以外に、発光ダイオード(LED)や他のランプを採用してもよい。また、バックライト6は1本の冷陰極管6aから構成されてもよい。
フォトセンサ4は、バックライトシステム3の背面側に配置され、反射板7に設けられた貫通孔8を通してバックライト6の発光する光の光量を測定する。バックライト6の光量としてバックライト6の輝度を測定してもよい。フォトセンサ4の配置場所を変更して、貫通孔8を通さず直接バックライト6の光量をフォトセンサ4により測定してもよい。フォトセンサ4として、たとえば、フォトダイオードまたはフォトトランジスタを利用したカラーセンサまたは輝度センサが挙げられる。フォトセンサ4は本発明の第3の発明における光量測定器に相当する。
温度センサ5は液晶パネル2の近傍に配置されおり、好ましくは液晶パネル2の表面に接触して配置されている。温度センサ5は、液晶パネル2の温度を測定するものであり、液晶パネル2の温度を直接的に測定してもよいし間接的に測定してもよい。温度センサ5として、たとえば熱電対が挙げられる。温度センサ5は本発明の第3の発明における温度測定器に相当する。
また、液晶表示装置1は、バックライト6の発光する光量の目標値を設定しこの目標値とフォトセンサ4が測定する光量とを比較する輝度制御部10と、輝度制御部10の比較結果に基づきバックライト6に流す電流値を駆動制御するバックライト駆動部11と、映像信号に基づき液晶パネルを駆動する液晶駆動部12と、液晶表示装置1の電源の入り切り(ON、OFF)を操作する電源スイッチ13と、ユーザが液晶パネル2の明るさを調節するブライトネス設定器14とを備える。
電源スイッチ13が押されると、電源が投入され、液晶表示装置1が起動される。電源がONされると、フォトセンサ4が測定するバックライト6の測定光量値Briと、温度センサ5が測定する起動時の液晶表示装置1内の温度Pとを基に、輝度制御部10はバックライト6の目標光量値Brtを設定する。輝度制御部10は、CPUとメモリにより構成される。
輝度制御部10にて設定された目標光量値Brtと測定光量値Briとの比較結果を基に、バックライト駆動部11はバックライト6をPWM制御する。冷陰極管6aに流れる電流値をPWM制御することで、冷陰極管6aから発する光量を制御する。液晶駆動部12は、映像信号を基に液晶パネル2の各画素に印加する電圧を駆動制御する。
ブライトネス設定器14は、バックライト6の光量を調整できる。バックライト6の光量を調整することで、液晶パネル2を通した画面の明るさである輝度が調整される。ユーザが調整できる最も低い光量を0%とし、ユーザが調整できる最も高い光量を100%として、段階的にバックライト6の光量を設定できるものである。また、%のような割合で設定してもよいし、[cd/m2]のように数値で設定してもよい。設定されたバックライト6の光量は、設定ブライトネス値Brとして輝度制御部10へ送られる。設定ブライトネス値Brは本発明の第3の発明における明るさ設定値に相当する。
2.輝度制御部の制御
次に、図2を参照する。図2は、輝度制御部の輝度調整の原理を説明する説明図である。ブライトネス設定器14により設定されている設定ブライトネス値Brに基づいて、輝度制御部10では、電源がONされてからの経過時間に対して変動しない固定の目標光量値である固定目標値Boが算出される。設定ブライトネス値Brがユーザにより変更されれば、固定目標値Boも変更される。固定目標値Boは本発明の第3の発明における固定目標光量に相当する。
また、輝度制御部10は、液晶表示装置1が起動されてからの経過時間に応じて目標光量値Brtを変動させる期間を設ける。この経過時間に応じて輝度目標値Brtを変動させる期間である規定時間Tsは設定ブライトネス値Brに応じて算出される。この規定時間Ts内における目標光量値Brtを可変目標値Bvとする。輝度制御部10では、経過時間が規定時間Ts以内であるなら、設定ブライトネス値Brに基づいて算出される第1目標光量値Boに、経過時間に応じて算出される目標補正値を加算することで可変目標値Bvを変動させる。つまり、電源がONされて液晶表示装置1内の温度が上昇する期間の中でも、特に起動時は急激に温度が上昇して輝度が不安定であるので、この急激に温度が上昇する期間として規定時間Tsを設ける。可変目標値Bvは本発明の第3の発明における可変目標光量に相当する。
次に、図3を参照する。図3は、輝度制御部の輝度目標値の調整の原理を説明する説明図である。目標補正値が、補正関数yで示されている。補正関数yは、中間時間Thを境として第1補正関数y1と第2補正関数y2と2つの補正関数から構成される。中間時間Thを境として2つの補正関数を用いるのは、中間時間Thの前後において輝度が安定しない要因が変化するからである。
液晶表示装置1が起動されてから中間時間Thまでの間は、冷陰極管6aの影響が最も強くでる期間である。第1補正関数y1はこの期間の補正値の変動をモデル化した関数である。第1補正関数y1は主に冷陰極管6aの温度特性を補正する。中間時間Thを過ぎると、冷陰極管6aによる液晶パネル2から出力される輝度への影響が減少する。しかしながら、液晶パネル2の温度特性による影響やフォトセンサ4の温度特性による影響のために、バックライト6の光量を測定したフォトセンサ4の測定値Briと液晶パネル2の輝度とが一対一に対応していない。第2補正関数y2はこの期間の補正値の変動をモデル化した関数である。第2補正関数y2は主に液晶パネル2の温度特性およびフォトセンサ4の温度特性を補正する。また、補正する規定時間Tsを過ぎると液晶表示装置1内の温度上昇が緩やかになり、液晶パネル2およびフォトセンサ4の温度特性が安定してくるので、フォトセンサ4の測定値Briと液晶パネル2の輝度とが一対一に対応する。そこで、固定目標値Boに対して補正値の加算を停止する。規定時間Tsを経過した後は、固定目標値Boを目標光量値Brtとしてバックライト6がPWM制御される。
なお、中間時間Thとは、起動時から規定時間Tsまでの期間の半分の時間を意味するわけではない。中間時間Thはバックライト6の性質により決められる値であり、冷陰極管6aまたはLEDといった照明器の種類によって変化する値である。バックライト6として採用する照明器に応じて、中間時間Thの値を適宜設定すればよい。また、中間時間Thにおける中間補正値αbaseおよび起動時補正値βは、設定ブライトネス値Brによって変動する値である。
このように、中間時間Thを境として、目標光量値の補正期間を2段階に分けている。液晶表示装置1の起動時における輝度の不安定な状態において、設定ブライトネス値Brに基づく固定目標値Boが、起動時からの経過時間に応じて2段階に分けられた補正関数により算出された補正値により動的に補正されるので、バックライト6の輝度を測定しているにもかかわらず液晶パネル2の輝度の制御をすることができる。
3.輝度制御部の構成
次に図4を参照して、上述した輝度制御部10の機能を発揮する構成を説明する。図4は、輝度制御部の概略構成を示すブロック図である。輝度制御部10は、ブライトネス設定器14において設定された設定ブライトネス値Brを保管するメモリ17と、液晶表示装置1の起動時から目標光量値Brtを変動させる期間である規定時間Tsを算出する規定時間算出部18と、液晶表示装置1が起動されてからの経過時間を測定するタイマー19と、タイマー19により測定された経過時間tと規定時間Tsとを比較する経過時間判別部20と、経過時間tに応じてバックライト6の目標光量値Brtを算出する目標光量設定部21と、目標光量設定部21により算出された目標光量値Brtとフォトセンサ4により測定されたバックライト6の光量とを比較する光量比較部22とを備える。
メモリ17は、上書き可能な不揮発性のメモリであり、PROM、EEPROMが一例として挙げられる。メモリ17には、ブライトネス設定器14により設定された設定ブライトネス値Brが保管されている。ユーザが設定ブライトネス値Brを変更した場合、メモリ17に保管される設定ブライトネス値Brも更新される。ユーザが液晶表示装置1の電源スイッチ13をOFFにしても、メモリ17に保管された設定ブライトネス値Brは消滅しない。
また、この他にも、最小ブライトネス値Brminに対応する最小規定時間Toと、最小ブライトネス値Brminが選択された際の中間時間Thにおける補正値α0と、最大ブライトネス値Brmaxとがメモリ17にデータベースとして予め保管されている。なお、本実施例では、中間時間Thを1分とする。
最大ブライトネス値Brmaxは、ユーザが最も高い光量(100%)を設定した場合のブライトネス設定器14から出力されるブライトネス設定値である。また、最小ブライトネス値Brminは、ユーザが最も低い光量(0%)を設定した場合のブライトネス設定器14から出力されるブライトネス設定値である。最小規定時間Toは、最小ブライトネス値Brminが設定されている場合に、液晶表示装置1の起動時において輝度目標値Brtを変動させる期間である。
規定時間算出部18は、メモリ17に保管されている設定ブライトネス値Brと最大ブライトネス値Brmaxと最小規定時間Toを基に、目標光量値を変動させる期間である規定時間Tsを算出する。たとえば、下式(1)により算出することができる。(1)式では、設定ブライトネス値Brと最大ブライトネス値Brmaxとの比率を基に規定時間Tsを算出している。算出された規定時間Tsは経過時間判別部20と目標光量設定部21へ送られる。
タイマー19は、液晶表示装置1が起動されたからの経過時間tを常時測定する。タイマー19は、CPUのクロックを利用してもよい。カウントされる経過時間tは、経過時間判別部20へ送られる。
経過時間判別部20は、経過時間tが規定時間Tsを超えているか否かの判別をする。また、経過時間tが中間時間Thを超えているか否かの判別もする。判別結果と経過時間tは目標光量設定部21へ送られる。
目標光量設定部21は、バックライト6の駆動制御の目標光量値Brtを設定する。詳細な構成は後述する。設定された目標光量値Brtは光量比較部22へ送られる。
光量比較部22は、目標光量設定部21で設定された目標光量値Brtとフォトセンサ4で測定された測定光量値Briとの差分を演算することで比較する。この比較結果がバックライト駆動部11へ送られる。バックライト駆動部11は、光量比較部22の比較結果を基に、バックライト6に流す駆動電流の値をPWM制御することで、バックライト6から発せられる光量が調整される。光量比較部22は本発明の第3の発明におけるバックライト制御部に相当する。
4.目標光量設定部の構成
目標光量設定部21は、設定ブライトネス値Brを基に経過時間に対して変動しない固定目標値Boを算出する目標値算出部25と、規定時間Th内において経過時間に応じて固定目標値Boの補正値を算出する補正値算出部26と、固定目標値Boと算出された補正値とを加算する目標値補正部27とを有する。
目標値算出部25は、メモリ17から送られる設定ブライトネス値Brを基に固定目標値Boを算出する。経過時間判別部20から送られる判別結果を基に経過時間tが規定時間Ts以内であれば、算出された固定目標値Boは目標値補正部29へ送られる。経過時間tが規定時間Tsを超えていれば、固定目標値Boは目標光量値Brtとして光量比較部22へ送られる。目標値算出部25は、本発明の第3の発明における固定目標値算出部に相当する。
補正値算出部26は、規定時間Ts内において、固定目標値Boに対する補正値を算出する。この補正値は、経過時間に応じて変動する。詳細な構成は後述する。
目標値補正部27は、たとえば加算器から構成されており、目標値算出部25により算出された固定目標値Boに補正値算出部26により算出された補正値を加算することで固定目標値Boを補正して可変目標値Bvを算出する。算出された可変目標値Bvは目標光量値Brtとして光量比較部22へ送られる。
5.補正値算出部の構成
補正値算出部26は、中間時間Thにおける中間補正値αbaseを算出する中間補正値算出部31と、起動時における補正値βを算出する起動時補正値算出部32と、中間補正値αbaseを起動時の温度を基に修正する中間補正値修正部33と、中間時間Th以前における補正値を算出する第1補正値算出部34と、中間時間Thを超えた場合の補正値を算出する第2補正値算出部35とを有する。
中間補正値算出部31は、液晶パネル2が中間時間Thの時点での補正値である中間補正値αbaseを、メモリ17から送られる最小ブライトネス値Brminにおける中間時間Thの時点での補正値α0と、設定ブライトネス値Brおよび最大ブライトネス値Brmaxの比とを基に算出する。たとえば、下式(2)により算出することができる。補正値α0は、予め求められている値であり、メモリ17に保管されている。算出された中間補正値αbaseは、起動時補正値算出部32と中間補正値修正部33へ送られる。
起動時補正値算出部32は、中間補正値αbaseを基に、起動時の補正値βを算出する。補正値βは、たとえば中間補正値αbaseに係数nを乗算して算出することができる。係数nは、バックライト6の種類により適宜設定する値である。算出された補正値βは第1補正値算出部34と第2補正値算出部35へ送られる。
中間補正値修正部33は、中間補正値αbaseを温度センサ5で測定される起動時の温度Pに応じて修正する。たとえば、下式(3)〜(5)のように修正することができる。ここで、定数Pbaseは、基準温度であり、本実施例では25℃とする。また、係数Pcは温度センサ5の測定温度Pによってどれだけ補正値αを変化させるかを決めるパラメータである。定数Pthは、本実施例が適用される測定温度Pと基準温度Pbaseとの最大幅を示すパラメータである。修正された補正値αは、第1補正値算出部34と第2補正値算出部35へ送られる。
第1補正値算出部34は、経過時間tが中間時間Th以内であると経過時間判別部20が判別した場合、経過時間tと補正値αと起動時補正値βとを基に第1補正関数y1を用いて第1補正値を算出する。たとえば、第1補正関数y1は下式のように示すことができる。
y1=a・(t−1)2+b …(6)
(6)式においてa、bは共に実数である。(t,y1)=(1,α)を代入して下式を得る。
b=α …(7)
次に、(6)式に(t,y1)=(0,β)を代入して下式を得る。
a=β−α …(8)
式(3)〜(8)より下式を得る。
y1=(β−α)・(t−1)2+α …(9)
(9)式により、中間時間Th以内において、経過時間に応じて変動する補正値を算出することができる。
第2補正値算出部35は、経過時間判別部20が経過時間tが中間時間Thを超えていると判別した場合、経過時間tと、補正値αと、起動時補正値βと、規定時間算出部18から送られる規定時間Tsとを基に第2補正関数y2を用いて第2補正値を算出する。たとえば、第2補正関数y2は下式のように示すことができる。
y2=a・(t−T)2 …(10)
次に(10)式に(t,y
2)=(1,α)を代入して下式を得る。
(12)式により、中間時間Thから規定時間Ts以内において、経過時間に応じて変動する補正値を算出することができる。
6.動作説明
次に、図5に示すフローチャートにしたがって、変動する目標光量値によるバックライトの制御を説明する。図5は、輝度制御部の動作を示すフローチャート図である。
液晶表示装置1の電源スイッチ13がONされると、メモリ17に保管されたブライトネス設定値Brが読み出されて確認され、補正値算出部31および規定時間算出部18へ送られる(ステップS01)。次に、メモリ17から送られるブライトネス設定値Brと、最小規定時間Toと、最大ブライトネス値Brmaxとを基に、規定時間算出部18は規定時間Tsを算出する(ステップS02)。
規定時間Tsは、ブライトネス設定値Brに基づいて算出される固定された輝度制御の目標値に対して補正を実施するか否かを判別する経過時間における閾値である。また、液晶表示装置1の電源スイッチ13がONされてからの経過時間tがタイマー19により常時計測されており、タイマー19から経過時間判別部20へ経過時間tが転送される。
次に、目標値算出部25は、設定ブライトネス値Brを基に固定目標値Boを算出する(ステップS03)。中間補正値算出部31は、補正値α0と、設定ブライトネス値Brおよび最大ブライトネス値Brmaxの比とを基に中間補正値αbaseを算出する(ステップS04)。起動時補正値算出部32は、中間補正値αbaseを基に、起動時補正値βを算出する(ステップS05)。
温度センサ5は、起動時における液晶表示装置1内の温度Pを検出する(ステップS06)。検出された温度Pは中間補正値修正部33へ送られる。中間補正値修正部33は、温度Pを基に中間補正値αbaseを温度補正して補正値αを算出する(ステップS07)。
タイマー19は、液晶表示装置1が起動されてからの経過時間tを検出する(ステップS08)。検出された経過時間tは経過時間判別部20へ送られる。経過時間判別部20は、検出された経過時間tと規定時間Tsとを比較する(ステップS09)。経過時間tが規定時間Ts以内であると判別された場合、第1補正値算出部34または第2補正値算出部へ、経過時間tと共に比較結果が送られる。また、経過時間tが規定時間Tsを超えていると判別された場合、ステップS12の処理を実施する。
経過時間tが中間時間Th以内であれば、第1補正値算出部は、経過時間tと補正値αと補正値βとを基に第1補正関数y1を用いて、第1補正値を算出する。経過時間tが中間時間Thを超えていれば、第2補正値算出部は、経過時間tと補正値αと補正値βと規定時間Tsとを基に第2補正関数y2を用いて、第2補正値を算出する(ステップS10)。
経過時間tが規定時間Ts以内であれば、目標値補正部27は、目標値算出部25により算出された固定目標値Boに、第1補正値算出部34により算出された第1補正値または第2補正値算出部35により算出された第2補正値を加算して可変目標値Bvを算出することで目標光量値を更新する(ステップS11)。目標光量設定部21は、経過時間tが規定時間Ts以内であれば、可変目標値Bvを目標光量値Brtとして光量比較部22へ送る。経過時間tが規定時間Tsを超えていれば、固定目標値Boをそのまま目標光量値Brtとして光量比較部22へ送る。
フォトセンサ4は、バックライト6の光量を検出する(ステップS12)。光量比較部22は、目標光量設定部21から送られる目標光量値Brtとフォトセンサ4により測定された光量との差分を演算して比較する(ステップS13)。光量比較部22が測定光量値Briと目標光量値Brtとが同じと判別した場合、再びステップS08に戻って経過時間tを検出する。これ以後ステップS09からステップS13を繰り返す。
光量比較部22が、測定光量値Briと目標光量値Brtとが同じと判別しなかった場合、バックライト駆動部11は、光量比較部22の差分結果に基づいてバックライト6に流す電流値のPWM制御のデューティ比を決定し、バックライト6に流す電流を制御する(ステップS14)。デューティ比を決定してバックライト6に流す電流値を変更した後は、再びステップS12に戻ってバックライト6の光量を検出する。そして、再びステップS13にて、測定光量値Briと目標光量値Brtとを比較する。このように、常時バックライト6の光量を検出し、目標光量値と比較しながらバックライト6に流す電流を制御している。
実施例の液晶表示装置1によれば、輝度制御部10が、設定ブライトネス値Brに加えて、起動時の温度Pと経過時間tとによる輝度への影響に対する補正も含んで目標光量値Brtを算出することで温度変化に対するバックライト6の光量特性および液晶パネル2の輝度特性に対応した液晶表示装置1の輝度調節を実施することができる。また、可変目標値Bvは起動してからの経過時間tに応じて算出されるので、固定された目標値に応じて制御した場合よりも、経過時間tと共に温度変化が生じる液晶パネル2の輝度変化を低減することができる。これより、液晶表示装置1の起動時に液晶パネル2の輝度を速やかに安定させることができる。
また、起動時の液晶パネル2の温度変化と経過時間tとの間にはある一定の関係があるので、目標光量値Brtを経過時間tに応じて算出することで、起動時の液晶パネル2の温度を1度測定するだけで、起動時からの温度変化に対応した輝度調整を実施することができる。これより、目標光量値Brtの演算負荷の軽減を図ることができ、目標光量値Brtの算出時間を短縮することができる。また、演算に用いるパラメータ数を少なくすることができるので、メモリ容量の削減ができる。
さらに、最大ブライトネス値Brmaxと設定ブライトネス値Brとの比率を基に規定時間Tsを設けることで、設定ブライトネス値Brに応じて起動時の輝度調整時間の短縮をすることができる。また、経過時間が規定時間Ts内であるときだけ経過時間に応じて目標光量値Brtを算出するので、経過時間Tsを過ぎた後は、輝度制御の負荷を低減することができる。
また、補正値算出部26は、固定目標値Boに第1補正値または第2補正値を加算して可変目標値Bvを算出する。可変目標値Bvを固定された固定目標値Boと経過時間に応じて値が変化する補正値とを別々に算出した上でそれぞれを加算して求めるので、変動部分だけを演算することになり、可変目標値Bvの演算負荷を低減させ、高速に算出することができる。
また、このように、規定時間Ts内で2種類の補正値を求める手段があるので、規定時間Ts内で、経過時間tに応じて異なる傾向をもつ2種類の補正値を算出することができる。これより、バックライト6の光量特性のみならず、これ以外の輝度特性を要因とする液晶パネル2の輝度の不安定性を補正することができる。2つの時間帯を境に液晶パネル2の輝度特性が変わる場合でも適切に輝度補正をすることができる。
実施例1においては、経過時間に応じて輝度制御を実施していたが、実施例2では、バックライトおよび液晶パネルの温度依存性を反映した輝度制御を実施している。また、実施例1では経過時間Thを予め定められた時間としていたが、実施例2では経過時間Thに相当する段階に至るまでに、さらにもう1段階のバックライトの制御を実施したものである。以下、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。
A.液晶表示装置の概略構成
図6を参照して液晶表示装置の構成を説明する。液晶表示装置41は、液晶パネル42と、液晶パネル42の背面から光を照射するバックライトシステム43と、バックライトシステム43が照射する光量を測定するフォトセンサ44と、液晶表示装置41内の温度を測定する温度センサ45とを備える。液晶パネル42は、RGBそれぞれのカラーフィルタを有するカラー液晶パネルでもよいし、カラーフィルタを有さないモノクロ液晶パネルでもよい。
バックライトシステム43は、複数本の冷陰極管(CCFL)46aからなるバックライト46とバックライト46が発する光を反射させる反射板47とを有する。バックライト46は、冷陰極管46a以外に、発光ダイオード(LED)や他のランプを採用してもよい。また、バックライト46は1本の冷陰極管46aから構成されてもよい。
フォトセンサ44は、バックライトシステム43の背面側に配置され、反射板47に設けられた貫通孔48を通してバックライト46の発光する光の光量を測定する。フォトセンサ44の配置場所を変更して、貫通孔48を通さず直接バックライト46の光量をフォトセンサ44により測定してもよい。フォトセンサ44として、たとえば、フォトダイオードまたはフォトトランジスタを利用したカラーセンサまたは輝度センサが挙げられる。フォトセンサ44は本発明の第2の発明における光量測定器に相当する。
温度センサ45は液晶パネル42の近傍に配置されおり、好ましくは液晶パネル42の表面に接触して配置されている。温度センサ45は、液晶パネル42の温度を測定するものであり、液晶パネル42の温度を直接的に測定してもよいし間接的に測定してもよい。また、液晶表示装置41内の温度を液晶パネル42の温度として測定してもよい。センサ45として、たとえば熱電対が挙げられる。温度センサ45は本発明の第2の発明における温度測定器に相当する。
また、液晶表示装置41は、バックライト46の発光する光量の目標値を設定しこの目標値とフォトセンサ44が測定する光量とを比較する輝度制御部50と、輝度制御部50の比較結果に基づきバックライト46に流す電流値を駆動制御するバックライト駆動部51と、映像信号に基づき液晶パネルを駆動する液晶駆動部52と、液晶表示装置41の電源の入り切り(ON、OFF)を操作する電源スイッチ53と、ユーザが液晶パネル42の明るさを調節するブライトネス設定器54とを備える。
電源スイッチ53が押されると、電源が投入され、液晶表示装置41が起動される。電源がONされると、フォトセンサ44が測定するバックライト46の測定光量値Briと、温度センサ45が測定する液晶パネル42の温度Ptを基に、輝度制御部50はバックライト46の目標光量値Brtを設定する。輝度制御部50は、CPUとメモリにより構成される。
輝度制御部50にて設定された目標光量値Brtと測定光量値Briとの比較結果を基に、バックライト駆動部51はバックライト46をPWM制御する。冷陰極管46aに流れる電流値をPWM制御することで、冷陰極管46aから発する光量を制御する。液晶駆動部52は、映像信号を基に液晶パネル42の各画素に印加する電圧を駆動制御する。
ブライトネス設定器54は、バックライト46の光量を調整できる。バックライト46の光量を調整することで、液晶パネル42を通した画面の明るさである輝度を調整することができる。ユーザが調整できる最も低い光量を0%とし、ユーザが調整できる最も高い光量を100%として、段階的にバックライト46の光量を設定できるものである。また、光量の調整は%のような割合で設定してもよいし、[cd/m2]のように数値で設定してもよい。設定されたバックライト46の光量は、設定ブライトネス値Brとして輝度制御部50へ送られる。設定ブライトネス値Brは本発明の第1および2の発明における明るさ設定値に相当する。
B.輝度制御部の制御
次に、図7を参照して輝度制御部の輝度調整の原理を説明する。バックライト46は温度が上昇するにつれ発光効率が上がる。また、液晶パネル42も温度が上昇するにつれ透過率が上がる。バックライト46はそれ自体が発熱するので発光効率が安定するまでの時間が短い。バックライト46は液晶パネル42よりも早く昇温し、液晶パネル42よりも早く安定する。液晶パネル42はバックライト46の発熱を空気を介して受けるので透過率が安定するまでの時間がバックライト46よりも長い。そこで、実施例2では、バックライト46の温度特性と液晶パネル42の温度特性とのそれぞれの特性の時間的ズレに対応した輝度制御を実施する。これらの点を考慮すると実施例2の輝度制御は、図7に示すように、4つのフェーズに分けられる。
まず、フェーズ1は液晶表示装置41の起動直後の段階であり、バックライト46は温度が低く、発光効率が安定していない状態である。また、バックライト46の発光効率の変化が大きいので、短い調光時間でフォトセンサ44の測定光量値Briを一定に維持する段階である。フェーズ2は、バックライト46の温度が徐々に上昇し、バックライト46の発光効率が上昇する段階である。液晶パネル42の温度も上昇し液晶パネル42の透過率も上昇するものの、バックライト46の上昇率と比較すると低い段階である。測定光量値Briが徐々に大きくなるように、バックライト46の発光量を徐々に増やす制御をする。フェーズ3は、バックライト46の温度が安定し、バックライト46の発光効率が安定している段階である。しかしながら液晶パネル42の温度はまだ上昇段階であり、液晶パネル42の透過率もまだ上昇する段階である。これより、フェーズ2とは逆に、測定光量値Briが徐々に小さくなるように、バックライト46の発光量を徐々に減らす制御をする。すなわち、液晶パネルの透過率が上昇する分をバックライト46の発光量を減らすことで液晶表示装置の輝度を一定に保つことができる。フェーズ4は、バックライト46および液晶パネル42ともに温度が安定し、バックライト46の発光効率も液晶パネル42の透過率も安定している段階である。
実施例1では、フェーズ1および2において同じ輝度制御を実施している。また、フェーズ移行は経過時間により判断している。実施例2では、実施例1と異なって、起動初期における輝度制御をより細分化して実施し、フェーズ移行を経過時間ではなく、目標光量値と実測光量値との関係により判断している。
C.輝度制御部の構成
次に図8を参照して、上述した輝度制御部の構成を説明する。輝度制御部50は、第1フェーズにおける輝度制御を実施する第1光量制御部71と、第2フェーズにおける輝度制御を実施する第2光量制御部81と、第3フェーズにおける輝度制御を実施する第3光量制御部91と、第4フェーズにおける輝度制御を実施する第4光量制御部101と、第1〜第3光量制御部71、81、91において算出される各目標光量値に対するオフセット値を算出するオフセット値算出部56と、起動されてからの経過時間を測定するタイマー59とを有する。
オフセット値算出部56は、第1光量制御部71、第2光量制御部81および第3光量制御部91で算出される各目標光量値に対するそれぞれのオフセット値を算出する。これらのオフセット値はブライトネス設定値および液晶パネル42の温度を基に設定される。
タイマー59は、液晶表示装置1が起動されたからの経過時間tを常時測定する。タイマー19は、CPUのクロックを利用してもよい。カウントされる経過時間tは、第1光量制御部71、第2光量制御部81、および第3光量制御部91へ送られる。
D.第1光量制御部の構成
第1光量制御部71は、図9に示すように、第1目標光量算出部72と、第1閾値LUT73と、第1閾値補正部74と、第1光量比較部75と、第1閾値比較部76と、第1パルス幅算出部77と、第1移行判別部78と、最大上昇温度幅算出部79と、パルス幅上限解除判定部80とを備える。
第1目標光量算出部72は、電源スイッチ53が押されて電源が投入されると、ブライトネス設定器54に入力されている設定ブライトネス値Brに対応する予め決められた目標光量値にオフセット値算出部56から入力される第1オフセット値Vf1を減算して第1目標光量値Brt1を算出する。第1オフセット値Vf1を設定しない場合、設定ブライトネス値Brに対応する目標光量値が第1目標光量値Brt1となる。設定ブライトネス値Brに対応する目標光量値は第1目標光量算出部72に保管されている算出式またはルックアップテーブルを参照して求められる。算出された第1目標光量値Brt1は、第1光量比較部75へ出力される。第1目標光量値Brt1は設定ブライトネス値Brが変更されない限り固定された値である。第1目標光量値Brt1は本発明の第1および第2の発明における固定目標光量に相当する。
第1閾値LUT73は、電源スイッチ53が押されて電源が投入されると、ブライトネス設定器54に入力されている設定ブライトネス値Brに対応する第1閾値Tr1を第1閾値補正部74へ出力するルックアップテーブルである。
第1閾値補正部74には予め決められた第1上限閾値Tr1maxおよび第1下限閾値Tr1minが保管されている。第1閾値補正部74は入力された第1閾値Tr1が第1上限閾値Tr1maxより大きい場合、第1上限閾値Tr1maxを第1閾値Tr1として第1閾値比較部76へ出力する。また、入力された第1閾値Tr1が第1下限閾値Tr1minより小さい場合、第1閾値補正部74は第1下限閾値Tr1minを第1閾値Tr1として第1閾値比較部76へ出力する。入力された第1閾値Tr1が第1下限閾値Tr1min以上第1上限閾値Tr1max以下の場合、第1閾値補正部74は入力された第1閾値Tr1をそのまま第1閾値比較部76へ出力する。
ここで、起動直後の液晶パネル42の温度Ptがたとえば40℃より大きい場合、第1閾値補正部74は、ホットスタートとして、第1閾値Tr1を第1上限閾値Tr1maxに変更する。液晶パネル42の温度Ptが40℃より大きいときは、バックライト46および液晶パネル42も温度特性が安定していると予測され、補正がほとんど必要ない。そこで、第1閾値を最大にすることで、フェーズ1におけるバックライト光量の変化量を最小にし、補正をほとんど実施しないようにするためである。このホットスタートを実施する液晶パネル42の温度は適宜設定してよい。
第1光量比較部75では、入力される第1目標光量値Brt1と測定光量値Briとの差分の絶対値を算出する。この算出は、第1間隔Tb1ごとに実施される。第1間隔Tb1は予め設定された時間間隔である。算出された差分の絶対値は第1閾値比較部76および第1パルス幅算出部77へ出力される。
第1閾値比較部76では、第1目標光量値Brt1と測定光量値Briとの差分の絶対値が第1閾値Tr1以下であるかどうかを比較する。第1目標光量値Brt1と測定光量値Briとの差分の絶対値が第1閾値Tr1以下である場合、第1移行判別部78へカウント信号を出力する。
最大上昇温度幅算出部79では、入力される温度Ptと設定ブライトネス値Brを基に、バックライト46の発光効率が安定状態になるまでの最大上昇温度幅Twを予測する。予め工場出荷時に設定ブライトネス値Brが100%の場合でコールドスタート時のパネル温度Pcoldと、液晶表示装置の輝度が安定状態での液晶パネル温度Pstとの差の絶対値である液晶パネル温度差ΔPfaを得ておく。最大上昇温度幅Twは以下の式により算出される。算出された最大上昇温度幅Twはパルス幅上限解除判定部80へ出力される。
Tw=ΔPfa・Br/Brmax …(16)
パルス幅上限解除判定部80では、入力された最大上昇温度幅Twに温度センサ45から入力される現在の液晶パネルの温度Ptを加算する。図10に示すように、加算された値Ptwが予め定められた閾値よりも小さければPWMのパルス幅の上限解除信号を第1パルス幅算出部77へ入力する。加算された値が閾値以上であれば予め定められた制限パルス幅を設定する。設定された制限パルス幅は第1パルス幅算出部77に出力される。
第1パルス幅算出部77では、第1光量比較部75から入力される第1目標光量値Brt1と測定光量値Briとの差分に基づいて、第1目標光量値Brt1が測定されるようにパルス幅を算出する。この際、算出されたパルス幅は、制限パルス幅が入力されている場合制限パルス幅を上限として、また、上限解除信号が入力されている場合パルス幅の最大値を上限とする。算出されたパルス幅は第1パルス幅としてバックライト駆動部51へ出力される。駆動部51は入力された第1パルス幅に基づいてバックライト46をPWM制御するので、測定光量値Briが一定になるように制御される。
また、第1移行判別部78は、第1光量比較部75よりカウント信号が入力されるごとに、入力回数をカウントする。カウント回数が予め決められた回数に達すると、第2フェーズ移行信号を第2光量制御部81へ出力する。また、第2フェーズ移行信号は第1パルス幅算出部77にも入力される。第1パルス幅算出部77は第2フェーズ移行信号が入力された直近のバックライト駆動部51へ出力したパルス幅を第2光量制御部81へ出力する。
E.第2光量制御部の構成
図11を参照して、第2光量制御部81の構成を説明する。第2光量制御部81は、第2目標光量算出部82と、第2閾値LUT83と、第2閾値補正部84と、第2光量比較部85と、第2閾値比較部86と、第2パルス幅算出部87と、第2移行判別部88とを備える。
第2目標光量算出部82は、バックライト46から照射されると予測される光量、すなわち、フォトセンサ44で測定されることが予測される光量に基づいて第2目標光量値Brt2(n)を算出する。より詳細に説明すると、第2目標光量算出部82は、第1移行判別部78から第2フェーズ移行信号が入力されると、第1パルス幅算出部77から入力されるパルス幅と、フォトセンサ44で測定されることが予測される光量に対応するパルス幅とを基に第2目標光量値Brt2(n)を算出する。第2フェーズ移行信号が入力された際の第1パルス幅算出部77から入力されるパルス幅を第1基準値Rv1とする。また、バックライト46から照射されると予測される光量、すなわち、フォトセンサ44で測定されることが予測される光量とは、バックライト駆動部51に入力されたパルス幅を基に駆動されたバックライトから照射される光量とすることができる。そこで、フォトセンサ44で測定されることが予測される光量に対応するパルス幅は、1つ前に算出された第2目標光量値Brt2(n−1)を基にしてバックライトを駆動したパルス幅とする。この第2目標光量値Brt2(n)は、第1基準値Rv1または前回算出された第2目標光量値Brt2(n‐1)に補正値Mva加算することで算出される。また、フォトセンサ44で測定されることが予測される予測光量は、補正値Mvaの算出回数に対応する値で、シミュレーションにより予め算出された値でもよい。
第2目標光量値Brt2(n)は1回前に算出された第2目標光量値Brt2(n‐1)に対して以下のように算出される。添え字のnは自然数であり、第2フェーズに移行してからの補正値Mvaの算出回数を意味する。
Brt2(n)=Brt2(n−1)+Mva(n) … (17)
Mva(n)=Δ(Rv1−Brw2(n−1))・C1(n) …(18)
ここで係数C1は各液晶表示装置41に備えられるそれぞれのフォトセンサ44の測定バラツキを補正するもので、各フォトセンサ44の光量測定値、液晶パネル42の温度Pt、および設定ブライトネス値Brにより決定される係数である。また、Brw2(n)は、第2パルス幅算出部87からバックライト駆動部51へ出力された駆動パルス幅である。この駆動パルス幅を第2パルス幅とする。第1基準値Rv1と1つ前に第2パルス幅算出部87から出力された第2パルス幅Brw2(n−1)との差により、第2目標光量値Brt2(n)が第2間隔Tb2ごとに順次算出される。第2間隔Tb2は第1間隔Tb1よりも長い時間間隔であり適宜設定することができる。算出された第2目標光量値Brt2(n)は第2パルス幅算出部87へ出力される。なお、第2目標光量値Brt2(n)に、オフセット値算出部56から入力される第2オフセット値Vf2を差し引いた値を第2目標光量値としてもよい。
このように、第2目標光量算出部82は、バックライト46の温度変化に対応して変化するバックライト46の光量に基づいて、目標光量の補正値を算出している。時間の経過とともに、補正値の値は増加する。すなわち、第2目標光量値Brt2(n)は時間の経過とともに変化し、バックライト46が発光する光量が徐々に増やされる。第2目標光量値Brt2(n)は本発明の第1および第2の発明における第1可変目標光量に相当する。
また、第2閾値LUT83は、第1移行判別部78から第2フェーズ移行信号が入力されると、ブライトネス設定器54から入力される設定ブライトネス値Brに対応する第2閾値Tr2を第2閾値補正部84へ出力するルックアップテーブルである。
第2閾値補正部84には予め設定された第2上限閾値Tr2maxおよび第2下限閾値Tr2minが保管されている。第2閾値補正部84は入力された第2閾値Tr2が第2上限閾値Tr2maxより大きい場合、第2上限閾値Tr2maxを第2閾値Tr2として第2閾値比較部86へ出力する。また、入力された第2閾値Tr2が第2下限閾値Tr2minより小さい場合、第2閾値補正部84は第2下限閾値Tr2minを第2閾値Tr2として第2閾値比較部86へ出力する。入力された第2閾値Tr2が第2下限閾値Tr2min以上第2上限閾値Tr2max以下の場合、第2閾値補正部84は入力された第2閾値Tr2をそのまま第2閾値比較部86へ出力する。
ここで、起動直後の液晶パネル42の温度Ptがたとえば40℃より大きいときは、ホットスタートとして、第2閾値補正部84は第2閾値Tr2を第2上限閾値Tr2maxに変更する。液晶パネル42の温度Ptが40℃より大きいときは、バックライト46および液晶パネル42も温度特性が安定しており、補正がほとんど必要ない。そこで、第2閾値Tr2を最大にすることで、フェーズ2におけるバックライト光量の変化量を最小にし、補正をほとんど実施しないようにするためである。
第2光量比較部85では、フォトセンサ44から入力される測定光量値Bri(n)と前回に入力された測定光量値Bri(n−1)との差分の絶対値を算出する。算出された差分の絶対値は、第2閾値比較部86に出力される。
第2閾値比較部86では、測定光量値Bri(n)と前回に入力された測定光量値Bri(n−1)との差分の絶対値が第2閾値Tr2以下であるかどうかを比較する。測定光量値Bri(n)と前回に入力された測定光量値Bri(n−1)との差分の絶対値が第2閾値Tr2以下である場合、第2移行判別部88へカウント信号を出力する。
第2パルス幅算出部87では、第2目標光量算出部82から入力される第2目標光量値Brt2(n)に対応するパルス幅Brtw2(n)を算出する。また、第2目標光量値Brt2(n)とフォトセンサ44から入力される測定光量値Bri(n)とを比較する。第2目標光量値Brt2(n)が測定光量値Bri(n)より小さければ、第2目標光量値Brt2(n)に対応するパルス幅Brtw2(n)から予め決められたパルス幅分を差し引いたパルス幅を第2パルス幅Brw2(n)としてバックライト駆動部51へ出力する。第2目標光量値Brt2(n)が測定光量値Bri(n)以上であれば、第2目標光量値Brt2(n)に対応するパルス幅Brtw2(n)を第2パルス幅Brw2(n)としてバックライト駆動部51へ出力する。バックライト駆動部51は入力された第2パルス幅Brw2(n))に基づいてバックライト46をPWM制御する。
第2移行判別部88は、第2光量比較部85よりカウント信号が入力されるごとに、入力回数をカウントする。カウント回数が予め決められた回数に達すると、第3フェーズ移行信号を第3光量制御部91へ出力する。第3フェーズ移行信号は第2パルス幅算出部87にも出力される。第2パルス幅算出部87は第3フェーズ移行信号が入力されると、直近に算出したパルス幅を第3光量制御部91へ出力する。
次に、図12を参照する。図12は、フェーズ2におけるバックライト駆動部51へ出力される第2パルス幅Brw2(n)と時間との関係を示すグラフ図である。図12によると、時刻t0は、第2目標光量算出部82に第2フェーズ移行信号が入力された時刻であり、このときのパルス幅が第1基準値Rv1である。時刻taのときのパルス幅はBrw(a)であり、時刻tbのときのパルス幅はBrw(b)である。このように、時間の経過とともに、第2パルス幅Brw2(n)は小さくなっている。
次に、図13を参照する。図13はフェーズ2における第1基準値Rv1と第2パルス幅Brw(n−1)との差と補正値との関係を示すグラフ図である。図13によると、第1基準値Rv1と各時点での第2パルス幅Brw(n−1)との差の値が大きくなればなるほど、補正値Mvaの値が大きくなる。これにより、時間の経過とともに第2パルス幅Brw(n)が小さくなって、第1基準値Rv1と各時点での第2パルス幅Brw(n−1)との差が大きくなるにつれて、第2目標光量値Brt2を大きくすることができる。
F.第3光量制御部の構成
図14を参照して第3光量制御部91の構成を説明する。第3光量制御部91は、第3目標光量算出部92と、第3閾値LUT93と、第3閾値補正部94と、第3光量比較部95と、第3閾値比較部96と、第3パルス幅算出部97と、第3移行判別部98とを備える。
第3目標光量算出部92は、第2移行判別部88から第3フェーズ移行信号が入力されると、この時の温度センサ45から入力される温度を基準温度Pv1として、さらに目標光量値算出時の温度センサ45から入力される温度と共に目標光量値の補正値Mvbを算出する。さらに、この補正値Mvbを補正前の目標光量値から減算して新たに第3目標光量値を算出する。
第3目標光量算出部92で算出される第3目標光量値Brt3(m)は補正前の第3目標光量値Brt3(m−1)に対して以下のように算出される。ここで、mは自然数であり、第3フェーズに移行してからの補正値Mvbの算出回数を意味する。
Brt3(m)=Brt3(m−1)−Mvb …(19)
Mvb =Δ(Pt(m)−Pv1)2・C2(m) …(20)
ここで係数C2は各液晶表示装置41に備えられるそれぞれのフォトセンサ4の測定バラツキを補正するもので、各フォトセンサ4の輝度測定値および液晶パネル42の温度Ptにより決定される係数である。なお、Pt(m)−Pv1の値が負の場合は、補正値Mvbの算出は行わない。また、Brt3(0)は第2移行判別部88から第3フェーズ移行信号が入力された際に、第2目標光量算出部82から入力される第2目標光量値Brt2である。また、第3目標光量値Brt3に、オフセット値算出部56から入力される第3オフセット値Vf3を差し引いた値を第3目標光量値としてもよい。このように、液晶パネル42の基準温度Pv1と測定温度Ptとの差によって、第3目標光量値Brt3が順次算出される。算出された第3目標光量値Brt3は、第3パルス幅算出部97へ出力される。このように、第3目標光量算出部92は、液晶パネルの温度Ptに基づいて目標光量の補正値Mvbおよび第3目標光量値Brt3を算出する。第3目標光量値Brt3は本発明の第1および第2の発明における第2可変目標光量に相当する。
また、第3閾値LUT93は、第2移行判別部88から第3フェーズ移行信号が入力されると、ブライトネス設定器54から入力される設定ブライトネス値Brに基づいて第3閾値Tr3を第3閾値補正部94へ出力するルックアップテーブルである。
第3閾値補正部94には予め設定された第3上限閾値Tr3maxおよび第3下限閾値Tr3minが保管されている。第3閾値補正部94は入力された第3閾値Tr3が第3上限閾値Tr3maxより大きい場合、第3上限閾値Tr3maxを第3閾値Tr3として第3閾値比較部96へ出力する。また、入力された第3閾値Tr3が第3下限閾値Tr3minより小さい場合、第3閾値補正部94は第3下限閾値Tr3minを第3閾値Tr3として第3閾値比較部96へ出力する。入力された第3閾値Tr3が第3下限閾値Tr3min以上第3上限閾値Tr3max以下の場合、第3閾値補正部94は入力された第3閾値Tr3をそのまま第3閾値比較部96へ出力する。
ここで、起動直後の液晶パネル42の温度Ptがたとえば40℃より大きいときは、ホットスタートとして、第3閾値補正部94は第3閾値Tr3を第3上限閾値Tr3maxに変更する。液晶パネル42の温度Ptが40℃より大きいときは、バックライト46および液晶パネル42も温度特性が安定しており、補正がほとんど必要ない。そこで、第3閾値Tr3を最大にすることで、フェーズ3における液晶パネルの温度の変化量を最小にし、補正をほとんど実施しないようにするためである。
第3光量比較部95では、フォトセンサ44から入力される測定光量値Bri(m)と、前回に入力された測定光量値Bri(m−1)との差分の絶対値を算出する。算出された差分の絶対値は、第3閾値比較部96に出力される。
第3閾値比較部96では、測定光量値Bri(m)と、前回に入力された測定光量値Bri(m−1)との差分の絶対値が第3閾値Tr3以下であるかどうかを比較する。測定光量値Bri(m)と、前回に入力された測定光量値Bri(m−1)との差分の絶対値が第3閾値Tr3以下である場合、第3移行判別部98へカウント信号を出力する。
第3パルス幅算出部97では、第3目標光量算出部92から入力される第3目標光量値Brt3(m)に対応するPWM制御におけるパルス幅Brtw3(m)を算出する。また、第3パルス幅算出部97は、第3目標光量値Brt3(m)とフォトセンサ44から入力される測定光量値Bri(m)とを比較する。第3目標光量値Brt3(m)が測定光量値Bri(m)より小さければ、第3目標光量値Brt3(m)に対応するパルス幅Brtw3(m)から予め決められたパルス幅分を差し引いたパルス幅を駆動パルス幅Brw3(m)としてバックライト駆動部51へ出力する。この駆動パルス幅Brw3(m)を第3パルス幅とする。第3目標光量値Brt3(m)が測定光量値Bri(m)以上であれば、第3目標光量値Brt3(m)に対応するパルス幅Brtw3(m)を第3パルス幅Brw3(m)としてバックライト駆動部51へ出力する。バックライト駆動部51は入力された第3パルス幅Brw3(m)に基づいてバックライト46をPWM制御する。
第3移行判別部98は、第3閾値比較部96よりカウント信号が入力されるごとに、入力回数をカウントする。カウント回数が予め決められた回数に達すると、第4フェーズ移行信号を第4光量制御部101へ出力する。
図15を参照する。図15はフェーズ3における液晶パネル温度と時間との関係を示すグラフ図である。図15によると、時刻t0’は、第3目標光量算出部92に第3フェーズ移行信号が入力された時刻であり、このときの液晶パネルの温度が基準温度Pv1である。時刻tcのとき液晶パネルの温度はPt(c)であり、時刻tdのとき液晶パネルの温度はPt(d)である。このように、時間の経過とともに、液晶パネルの温度Ptは上昇している。
図16を参照する。図16はフェーズ3における液晶パネル温度差と補正値との関係を示すグラフ図である。図16によると、基準温度Pv1と各時点での温度Ptとの差の値が大きくなればなるほど、補正値Mvbの値が大きくなる。これにより、第3目標輝度値Brt3を時間の経過とともに小さくすることができる。
G.第4光量制御部
第4光量制御部101では、ブライトネス設定器54から入力される設定ブライトネス値Brに対応する第4目標光量値Brt4が算出され、第4目標光量値Brt4に応じたPWM制御におけるパルス幅Brtw4が算出される。さらに、フォトセンサ44から入力される測定光量値Briが第4目標光量値Brt4より小さい場合、Brtw4に予め定められたパルス幅を増やしたパルス幅を駆動パルス幅としてバックライト駆動部51へ出力する。測定光量値Briが第4目標光量値Brt4よりも大きい場合、Brtw4に予め定められたパルス幅を減らしたパルス幅を駆動パルス幅としてバックライト駆動部51へ出力する。測定光量値Briが第4目標光量値Brt4と等しい場合、Brtw4を駆動パルス幅としてバックライト駆動部51へ出力する。バックライト46および液晶パネル42の温度特性が安定しているので、PWMによるフィードバック制御で安定した輝度を維持することができる。
H.動作説明
次に、図17〜図19に示すフローチャートにしたがって、変動する目標光量値によるバックライトの制御を説明する。図17は、実施例2における第1光量制御部の動作を示すフローチャートである。
液晶表示装置41の電源スイッチ53がONされるとまずフェーズ1における輝度制御が実施される。すなわち、ブライトネス設定器54に設定されているブライトネス設定値Brが読み出されて、ブライトネス設定値Brを基に第1目標光量算出部72にて第1目標光量値Brt1が算出される(ステップS101)。算出された第1目標光量値Brt1とフォトセンサ44で測定される測定光量値Briとの差分の絶対値を第1光量比較部75にて算出する(ステップS102)。次に、第1閾値比較部76にて、算出された第1目標光量値Brt1と測定光量値Briとの差分の絶対値が第1閾値Tr1以下であるかどうかを比較する(ステップS103)。第1目標光量値Brt1と測定光量値Briとの差分の絶対値が第1閾値Tr1以下である場合、第1移行判別部78へカウント信号を出力する。
第1移行判別部78は、第1閾値比較部76よりカウント信号が入力されるごとに、入力回数をカウントし、カウント回数が予め決められた回数未満かどうかを確認する(ステップ104)。カウント回数が予め決められた回数未満であると判別すると、調光間隔設定部にて、調光間隔が第1調光間隔であるかどうかを確認する(ステップS105)。調光間隔が第1調光間隔でない場合、調光間隔を第1調光間隔に設定する。調光間隔が第1調光間隔である場合、調光間隔を第1調光間隔のままとする。第1調光間隔後、再び、第1目標光量値Brt1とフォトセンサ44で測定される測定光量値Briとの差分の絶対値が第1閾値Tr1以下であるかどうかを第1光量比較部75において比較する(ステップS102)。
また、第1光量比較部75においての比較(ステップS102)の後、第1パルス幅の上限を解除するかどうかの判別がなされる(ステップS106)。この判別結果を基に、第1パルス幅が算出される(ステップS107)。算出された第1パルス幅を基にバックライトがPWM制御される。第1パルス幅が算出された後、再び、第1目標光量値Brt1とフォトセンサ44で測定される測定光量値Briとの差分が算出される(ステップS102)。第1移行判別部78はカウント回数が予め決められた回数に達したことを判別すると(ステップS104)、第2フェーズ移行信号を第2光量制御部81へ出力し、第1フェーズにおける制御を終了する。
次に図18を参照する。図18は、実施例2における第2光量制御部の動作を示すフローチャートである。第2フェーズ移行信号が第2光量制御部81へ出力されると、フェーズ2に移行し、第2光量制御部81の制御が開始される。フェーズ2における制御が開始されると、まず、調光間隔設定部58にて調光間隔が第2調光間隔に設定される(ステップS111)。第2光量制御部81における調光間隔は第1光量制御部71における調光間隔よりも長い間隔で実施されるので、第2目標光量算出部82は、第1目標光量算出部72が第1目標光量値Brt1を算出する時間間隔よりも長い間隔で第2目標光量値Brt2を算出する(ステップS112)。第1フェーズにおける制御から第2フェーズにおける制御へ移行時の第1パルス幅と、予測光量に対応するパルス幅とを基に第2目標光量値Brt2を算出する。
第2パルス幅算出部87では、第2目標光量算出部82から入力される第2目標光量値Brt2(n)とフォトセンサ44から入力される測定光量値Bri(n)とを比較する。第2目標光量値Brt2(n)が測定光量値Bri(n)以上であれば、第2目標光量値Brt2(n)に対応するパルス幅を第2パルス幅としてバックライト駆動部51へ出力する。第2目標光量値Brt2(n)が測定光量値Bri(n)よりも小さければ、第2目標光量値Brt2(n)に対応するパルス幅から予め決められたパルス幅分を差し引いたパルス幅を第2パルス幅としてバックライト駆動部51へ出力する(ステップS113)。バックライト駆動部51は入力された第2パルス幅に基づいてバックライト46をPWM制御する。
続いて、フォトセンサ44から入力される測定光量値Bri(n)と前回に入力された測定光量値Bri(n−1)との差分の絶対値を第2光量比較部85が算出する(ステップS114)。測定された測定光量値Bri(n)とBri(n−1)との差分の絶対値が第2閾値Tr2以下であるかどうかを第2閾値比較部86が比較する(ステップS115)。次に、第2移行判別部88は、第2閾値比較部86よりカウント信号が入力されるごとに、入力回数をカウントし、カウント回数が予め決められた回数未満かどうかを確認する(ステップS116)。カウント回数が予め決められた回数未満である場合、再び、第2目標光量算出部82が、第2目標光量値Brt2(n+1)を算出する(ステップS112)。カウント回数が予め決められた回数に達した場合、第2移行判別部88は第3フェーズ移行信号を第3光量制御部91へ出力する。
次に図19を参照する。図19は、実施例2における第3光量制御部の動作を示すフローチャートである。第3フェーズ移行信号が第3光量制御部91へ出力されると、フェーズ3に移行し、第3光量制御部91の制御が開始される。フェーズ3では、第3目標光量値Brt3(m)を算出するために、まず補正値Mvbを算出する。この補正値Mvbは、第2フェーズから第3フェーズに移行した際の液晶パネル温度Pv(1)と補正値Mvbを算出する際の液晶パネルの温度Pt(m)との差分から算出される。続いて、前回に算出された第3目標光量値Brt3(m−1)と補正値Mvbとから第3目標光量値Brt3(m)が算出される(ステップS122)。次に、第3目標光量算出部92から入力される第3目標光量値Brt3(m)とフォトセンサ44から入力される測定光量値Bri(m)とを比較する。第3目標光量値Brt3(m)が測定光量値Bri(m)以上であれば、第3目標光量値Brt3(m)に対応するパルス幅を第3パルス幅としてバックライト駆動部51へ出力する。第3目標光量値Brt3(m)が測定光量値Bri(m)よりも小さければ、第3目標光量値Brt3(m)に対応するパルス幅から予め決められたパルス幅分を差し引いたパルス幅を第3パルス幅としてバックライト駆動部51へ出力する(ステップS123)。バックライト46が第3パルス幅にてPWM制御される。
続いて、フォトセンサ44から入力される測定光量値Bri(m)と前回に入力された測定光量値Bri(m−1)との差分の絶対値を第2光量比較部85が算出する(ステップS124)。測定された測定光量値Bri(m)とBri(m−1)との差分の絶対値が第3閾値Tr3以下であるかどうかを第3閾値比較部96が比較する(ステップS125)。次に、第3移行判別部98は、第3閾値比較部96よりカウント信号が入力されるごとに、入力回数をカウントし、カウント回数が予め決められた回数未満かどうかを確認する(ステップS126)。カウント回数が予め決められた回数未満である場合、再び、第3目標光量算出部92が、第3目標光量値Brt2(m+1)を算出する(ステップS122)。カウント回数が予め決められた回数に達した場合、第3移行判別部98は第4フェーズ移行信号を第4光量制御部101へ出力する。
第4フェーズでは、ブライトネス設定器54から入力される設定ブライトネス値Brに対応する固定された第4目標光量値が算出される。さらに、フォトセンサ44から入力される測定光量値Briが第4目標光量値以下である場合、第4目標光量値に基づいたPWM制御におけるパルス幅が算出される。フォトセンサ44から入力される測定光量値Briが第4目標光量値よりも大きい場合、第4目標光量値に基づいたPWM制御におけるパルス幅から予め決められたパルス幅を差し引いたパルス幅が算出される。これらのパルス幅がバックライト駆動部51へ出力され、バックライトが駆動される。
このように、実施例2では、フェーズ1では目標光量値を一定とし、フェーズ2では目標光量値が徐々に上昇し、フェーズ3では目標光量値が徐々に下降し、フェーズ4では再び目標光量値が一定となる制御を実施する。これより、図20に示すように、測定光量値も目標光量値と同じ変化をする。このように制御することで、バックライト46および液晶パネル42の温度特性に対応して液晶画像表示装置42の輝度を安定にすることができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例1では、中間時間Thを1分としたが、これに限らない。バックライト6の種類によって変更されることが望ましい。
(2)上述した実施例1では、規定時間Tsは中間時間Thを境として2つの時間帯から構成されているが、これに限らず、より多数の時間帯により構成されてもよい。それぞれの時間帯に応答する補正関数を用意することでより緻密な輝度調整を実施することができる。複数の時間帯において、起動時に近づく程、バックライト6の温度特性を補正する傾向のある補正関数を用意し、起動時から時間が経過する程、液晶パネル2の温度特性を補正する傾向のある補正関数を用意すればよい。
(3)上述した実施例1では、補正関数yは、経過時間を変数とする2次関数により算出していたが、これに限らず、より高次関数により算出してもよい。
(4)上述した実施例1では、規定時間Tsを設けて可変目標値Bvを算出する期間を制限したが、規定時間Tsを設けない構成でもよい。すなわち、常に可変目標値Bvを算出し、これを目標光量値Brtとして設定してもよい。これより、より精密にバックライト6の輝度調整を実施することができる。
(5)上述した実施例2では、第4フェーズの制御を第4光量制御部によりバックライトの光量を制御していたが、第4光量制御部を省略して第3光量制御部によるバックライトの光量制御を続けてもよい。液晶パネル42の温度Ptが一定になると、補正値Mvbがほぼゼロの値となり目標光量値が一定になる。この段階は、フェーズ4であり、ブライトネス設定器54から設定ブライトネス値Brの変更が無い限り、一定の目標光量値に対して測定光量値Briを基にPWM制御される。この場合、第3閾値LUT93、第3閾値補正部94、第3光量比較部95、第3閾値比較部96、第3移行判別部98を省略することができる。また、ステップS124〜ステップS126を省略することができる。