JP5435687B2 - 二重標識融合pcrイムノクロマトグラフィー - Google Patents

二重標識融合pcrイムノクロマトグラフィー Download PDF

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本発明は、複数遺伝子の存在を同時に検出する方法に関する。
病原又は疾患の危険因子である遺伝子(例えば薬剤耐性菌や、発癌や生活習慣病ハイリスクの遺伝子SNPsセット等)を特異的かつ簡便にスクリーニングすることは、感染症の制御や衛生管理、あるいは疾患の予防、治療に大きく貢献し得ることから、医療分野において非常に有用であると考えられる。
例えば、従来抗生物質の効かない薬剤耐性菌は、日和見感染や院内感染の原因として近年問題視されている。薬剤耐性菌は、自身の遺伝子の突然変異や外来遺伝子の取り込みによって、耐性を獲得する。こうして生じた薬剤耐性形質は、例えば病院における抗生物質の使用による選択圧によって速やかに増殖し、病原として蔓延することとなる。したがって、薬剤耐性菌の発生および増殖の迅速な発見および制御は、医療分野における重要な課題である。
従来、高感度な薬剤耐性菌同定法として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて病原
体遺伝子を増幅し、ゲル電気泳動等により検出する方法が用いられている。例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の薬剤耐性遺伝子mecAを、PCRにより増幅するととも
に標識し、ELISAによって検出する方法が知られている(非特許文献1)。PCRとイムノクロマトグラフィー法とを組み合わせた病原遺伝子の同定方法も、公知である(特許文献1)。しかしながら、薬剤耐性菌の種類は非常に多様であり、複数の耐性遺伝子を有する場合も少なくない。したがって、多様な耐性菌を迅速に検出・同定するためには、複数遺伝子を同時に検出できる方法が必要である。
複数遺伝子の同時検出法としては、マルチプレックスPCR法(非特許文献2)が知られ
ている。これは、複数のプライマーセットを使用して複数のDNAテンプレートのPCRを同時に行う方法であり、検体中の複数の遺伝子を一度のPCRで検出することができるため、検
査の迅速化を図ることができる。一方、この方法には、標的特異的な検出を行うための、プライマーセットの選択を初めとする適切な実験条件の設定が困難な点で問題がある。
特開第2003-194817号公報 Ubukataら、J. Clin. Microbiol. (1992), vol.30: 1728-1733 Cebulaら、J. Clin. Microbiol. (1995), 33: 248-250
本発明の目的は、複数遺伝子を、簡便な方法で、迅速に、高精度且つ高感度で同時検出するための方法を提供することである。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み、複数遺伝子を同時検出するためのより簡便な方法について検討した。その結果、特定のプライマーを用いた核酸増幅反応を用いれば、複数の標的遺伝子断片を一つの断片に融合させるとともに、これを二重標識、及び増幅することができるので、検出に十分な量の二重標識された複数遺伝子の融合断片を一工程で得ることができること、そしてこの増幅断片をワンステップのイムノクロマトグラフィーで検出することにより、複数の遺伝子を簡便な方法で同時検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の工程:
(1)複数の遺伝子のDNA断片を融合させて1つの融合DNA断片を作製するとともに、当該融合DNA断片を、第一標識及び当該第一標識と異なる第二標識によって二重標識する工
程;
(2)当該二重標識融合DNA断片を増幅させる工程;
(3)増幅された当該二重標識融合DNA断片をイムノクロマトグラフィーにかける工程

(4)イムノクロマトグラフの固定相を観察して、当該複数の遺伝子のDNA断片の存在
の有無を判定する工程、
を有すること特徴とする、試料中における複数の遺伝子を同時に検出する方法に関する。
本発明を用いることで、複数遺伝子に起因する病原や疾患危険因子(例えば、多剤耐性菌や、特定のSNPsセット等)、あるいは同一種の微生物や動物個体のうち特徴的な遺伝子を保有するもの(例えば薬剤耐性菌や、発癌や生活習慣病等の特定疾患の素因となる遺伝子等)を、特異的かつ簡便にスクリーニングすることができる。従って本発明は、感染症の制御や医療環境の衛生管理上、また予防医学を積極的に推進して国民の健康増進を図る上で大きく貢献するものと考えられる。
本発明により、試料中における複数の遺伝子を同時に検出するための方法が提供される。以下に、本発明の方法を詳細に説明する。本発明の方法は、以下の工程に従って行われる:
(1)複数の遺伝子のDNA断片を融合させて1つの融合DNA断片を作製するとともに、当該融合DNA断片を、第一標識及び当該第一標識と異なる第二標識によって二重標識する工
程;
(2)当該二重標識融合DNA断片を増幅させる工程;
(3)増幅された当該二重標識融合DNA断片をイムノクロマトグラフィーにかける工程

(4)イムノクロマトグラフの固定相を観察して、当該複数の遺伝子のDNA断片の存在
の有無を判定する工程。
(1.標的遺伝子)
本発明の標的遺伝子としては、あらゆる動物、植物、微生物(細菌、真菌、寄生虫等)、ウイルス等に由来するもの及びそれらの相補鎖、並びに人為的に作成された遺伝子及びその相補鎖等が挙げられる。標的とする複数の遺伝子は、目的に応じて任意に選択することができる。例えば、薬剤耐性菌を検出するためには、個体の種特異的遺伝子と、薬剤耐性遺伝子との組み合わせを選択することができる。あるいは、複数遺伝子に起因する病原や疾患危険因子(例えば、多剤耐性菌や特定のSNPsセット)を検出する場合には、当該複数遺伝子の組み合わせを選択することができる。上記のさらなる組み合わせ(例えば、種特異的遺伝子+複数の薬剤耐性遺伝子又は特定のSNPsセット)を選択することも可能である。ここで、「複数遺伝子」とは、2遺伝子若しくはそれ以上、3遺伝子若しくはそれ以上、4遺伝子若しくはそれ以上、5遺伝子若しくはそれ以上、5〜10遺伝子若しくはそれ以上、又は10遺伝子若しくはそれ以上を意味する。本発明の方法で利用又は検出される、「複数の遺伝子のDNA断片」は、標的遺伝子の全体配列又は部分配列であり得る。標
的遺伝子の配列は、文献又は公共のデータベース(例えば、GenBank、EMBL、DDBJ等)か
ら取得することができる。
本発明において使用される試料としては、標的遺伝子を含み得る任意の試料が挙げられ
る。標的遺伝子を含み得る試料の具体的な例としては、動物及び植物の細胞、組織、器官、体液(血液、血漿、血清、尿、糞便、唾液、リンパ液、脳脊髄液、細胞間液など)等又はそれらの培養物に由来するもの;真菌、細菌等の微生物又はそれらの培養物に由来するもの;病原(真菌、細菌、寄生虫、ウイルス等);及び、これらを含み得る検体等が挙げられる。
上記試料は、本発明の方法に供する前に、必要に応じて前処理を施される。例えば、試料は、精製水等で適宜希釈してから使用してもよい。また、試料から夾雑物を除去し、目的の細胞のみを回収するための処理を行うことができる。あるいは、試料中の遺伝子を含む核酸成分のみを予め抽出、精製するための処理を行うことができる。標的遺伝子がDNA
でない場合は、さらに逆転写反応を行い、標的遺伝子のcDNAを作製することができる。これらの前処理の方法は、当該分野で周知である(例えば、Sambrook & Russell, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 3rd. Ed., 2001を参照)。
(2.標的遺伝子DNAの融合及び二重標識)
このようにして得られた標的遺伝子のDNA断片を含み得る試料を、本発明の方法の工程
(1)にかけることで、試料中に含まれ得る複数の標的遺伝子のDNA断片から1つの融合DNA断片を作製するとともに、作製された融合DNA断片を第一標識及び当該第一標識と異な
る第二標識によって二重標識する。本工程は、以下のプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、上述のSambrookら、2001を参照)によって行われる。
当該複数の遺伝子のうちの一の遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3’末端の配列に相補的
な配列と、当該一の遺伝子のDNA断片と融合される遺伝子のDNA配列の一方の鎖の3’末端の配列と実質的に同一な配列とを有するプライマー(A);
当該融合される遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3’末端の配列に相補的な配列と、当該
一の遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3’末端の配列と実質的に同一な配列とを有するプラ
イマー(B);
当該融合DNA断片の他方の鎖の3’末端の配列と相補的な配列を有し、且つその5’末
端が前記第一標識で標識されているプライマー(L1);
当該融合DNA断片の他方の鎖の3’末端の配列と相補的な配列を有し、且つその5’末
端が前記第二標識で標識されているプライマー(L2)。
ここで、本発明における、配列が「相補的」とは、所与の配列の完全な相補配列である場合に限定されず、完全な相補配列と、少なくとも70%以上、好ましくは少なくとも80%以上、より好ましくは少なくとも90%以上、さらに好ましくは少なくとも95%以上の塩基配列上の同一性を有し、当該所与の配列とストリンジェントな条件下(上述のSambrookら、2001)でハイブリダイズできることを意味する。本発明における、配列の「実質的に同一」とは、2つの塩基配列が、少なくとも70%以上、好ましくは少なくとも80%以上、より好ましくは少なくとも90%以上、さらに好ましくは少なくとも95%以上の同一性を有することを意味する。配列の同一性は、Lipman-Pearson法 (Science, 227, 1435, (1985))によって計算することができる。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェ
アGenetyx-Win(ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出される。
上記プライマーを用いて、上記複数の標的遺伝子のDNA断片を鋳型として、PCRを行う。PCRを用いた場合の本発明の方法の工程(1)〜(2)の進行過程を、図1に模式的に示
す。第1サイクルでは2つのPCR反応が進行する。1つは、プライマー(L1)及び(L2)
による鋳型DNA断片の増幅反応であり、ここでは、当該鋳型DNA断片と同一の配列を有し、且つ一方の鎖の5’末端が第一標識又は第二標識のいずれかで標識されたDNA断片が合成
される(反応1)。第1サイクルのもう1つの反応は、プライマー(A)及び(B)による鋳型DNA断片の増幅反応であり、ここでは、当該複数の標的遺伝子のうちの一の遺伝子のD
NA断片の末端から、融合される遺伝子のDNA断片の末端領域部分が延長された断片、及び
当該融合される遺伝子のDNA断片の末端から、当該一の遺伝子の末端領域部分が延長され
た断片が合成される(反応2)。ここで、当該一の遺伝子の延長された断片の当該一方の鎖の3'末端領域と、当該融合される遺伝子の延長された断片の当該一方の鎖の3’末端
領域とは、互いに相補的である。
PCRの第2サイクルでは、4つの異なるPCR反応が進行し得る。そのうち2つは、第1サイクルで合成された鋳型と同一の配列を有する標識断片(反応1生成物)からの反応であり、第1サイクルと同じく鋳型と同一のDNA断片と延長されたDNA断片とが合成される。このとき、これらの合成されたDNA断片は、第一標識又は第二標識で標識されている(反応
3、4)。残り2つのPCR反応は、第1サイクルで合成された延長されたDNA断片(反応2生成物)からの反応であり、そのうち1つは当該延長されたDNA断片の複製反応であり、
この反応の生成物はプライマー(L1)及び(L2)によって標識され得る(反応5)。もう1つは、各々の延長されたDNA断片同士の融合反応である(反応6)。延長されたDNA断片のうち、上記標的遺伝子のうちの一の遺伝子の一方の鎖を含む断片の3'末端領域と、そ
れと融合される遺伝子の一方の鎖を含む断片の3’末端領域とは、互いに相補的であるため、これらは互いに対合し得る。一旦対合すると、そこからポリメラーゼによるDNA合成
が開始し、結果として、標的遺伝子DNA断片の融合DNA断片が合成される。この反応6の生成物は未標識であるが、以降のPCRサイクルにおけるプライマー(L1)及び(L2)との反
応によって、二重標識化される。
PCRの第3サイクルでは、上記反応3〜6と同様のPCR反応に加えて、反応3及び5で生成された標識された延長DNA断片同士によるDNA融合反応が進行し得る(反応7)。この融合反応により、二重標識融合DNA断片が作製される。
二重標識のための標識物質としては、2種類の異なる標識が使用される。このうち1つは、検出すべき融合DNAを可視化するための、第一標識である。第一標識に使用される抗
原は、PCRに安定で、且つ標識化されたDNAを直接又は間接的に可視化し得るものであれば、特に限定されない。この第一標識の例としては、抗原やビオチン系等が挙げられる。標識に使用される抗原は、ハプテン抗原であることが好ましく、具体的には、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノール、フルオレセイン等が挙げられる。これらは,可視化物質,例えば金コロイド,着色ラテックス粒子,蛍光物質等で標識した抗体やアビジン(ストレプトアビジンなど)等の親和性物質の標的となる。もう1つの標識物質は、イムノクロマトグラフ固定相に融合DNAを固定するための、第二標識である。第二標識としては、PCRに安定で且つイムノクロマトグラフ固定相の抗体やその他の蛋白質などの親和性物質と高親和性で結合し得るものであって、上記第一標識とは異なるものから選択される。具体的には、上記第一標識として使用できる抗原やビオチン系等が挙げられる。
(3.二重標識融合DNA断片の増幅)
本発明の方法の工程(2)では、上記の工程(1)で得られた二重標識融合DNA断片を
増幅させる。二重標識融合DNAの増幅は、上記プライマー(L1)及び(L2)を用いたPCRによって行われる。この増幅工程は、上記工程(1)におけるPCR反応物から融合DNAを定法に従って単離した後に別工程として行ってもよいが、好ましくは一工程として、上記工程(1)のPCR反応液の中で、工程(1)と同時並行的に行われる。
一工程として行う場合、工程(2)の融合DNA断片の増幅反応は、上述のPCRサイクルに続く、PCRの第4サイクル以降に行われる。このPCRの第4サイクル以降では、上記PCR第
2サイクル及び第3サイクルで説明した反応とともに、二重標識融合DNA断片の複製反応
が進行する(反応8)。この反応に使用されるプライマー(L1)および(L2)としては、工程(1)の後に残存するものを利用すればよいので、新たにプライマーを添加する必要はな
い。PCRのサイクルの進行に伴い、二重標識融合DNA断片の量は増加するが、その一方で、融合DNA以外の断片も標識及び増幅される。しかしこのうち、二重標識されているのは融
合DNAのみであるので、後に説明するように、イムノクロマトグラフィーによって融合DNAのみを特異的に検出することが可能である。
(5.PCR条件)
本発明の方法におけるPCRの反応条件について記載する。本発明のPCRで使用される耐熱性DNAポリメラーゼとしては、例えば、TaKaRa Taq (TaKaRa)、TaKaRa Ex Taq (TaKaRa)、TaKaRa LA Taq(TaKaRa)、TaKaRa Z-Taq (TaKaRa)、TaKaRa PrimeSTARTMHS (TaKaRa)、AmpriTaq (Perkin-Elmer)、AmpriTaqGold (Perkin-Elmer)、AGS Gold (Hybaid)等の、市販のDNAポリメラーゼを使用することができる。PCRの温度及び時間条件は、標的DNAの長さ、GC含量等に基づいて、定法に従って設定される。PCRサイクル数は、試料中の予想される遺伝子DNA量に応じて変更することができるが、30〜40サイクル程度を行えばよく、3
0〜35サイクル程度がより好ましい。
鋳型を含有する試料としては、上述のように、生菌液、培養細胞コロニー又は臨床検体をそのまま滅菌水に懸濁した液を利用することができる。これらの懸濁液は、標的細胞のみから構成されている必要はない。たとえ複数種の細胞が混在していても、PCRの特異性
によって標的DNAのみを増幅することができるためである。細胞懸濁液の濃度は、約1×102 CFU/μl以上であれば本発明の方法で利用可能であり、約1×103 CFU/μl以上が好まし
く、約1×104 CFU/μl以上がより好ましい。これらの試料からDNAをさらに精製し、鋳型
として用いることも可能である。精製DNAの使用濃度域はDNAの由来する生物によって異なるが、通常0.01ng/μl〜10ng/μlであり、0.1〜1ng/μlがより好ましい。
本発明の方法におけるPCRで使用されるプライマーは、上記プライマー(A)及び(B)
のような、標的遺伝子の融合に使用されるもの(融合プライマーセット)と、上記プライマー(L1)及び(L2)のような融合DNAの増幅及び標識に使用されるもの(標識プライマ
ーセット)とに大別することができる。融合プライマーセットの数は検出対象とされる標的遺伝子の数によって変動する。すなわち、融合プライマーセットの数は、(標的遺伝子数−1)となる。
プライマー濃度は、通常のPCR反応の場合と同様に設定すればよい。ただし、上述のよ
うにDNAの融合、標識及び増幅を一工程として行う場合は、標識プライマーの濃度は通常
のPCR反応の場合と同様(0.1〜0.5μM程度)に設定し、融合プライマーの濃度は、その標識プライマーの濃度の1/10〜1/2程度にすることが望ましい。一旦融合DNA断片が作製されてしまえば、その増幅は標識プライマーによって行うことができるからであり、また融合プライマーを介した非特異的増幅反応を防ぐためである。融合プライマーセット(プライマー(A)と(B))の各々の濃度は通常同一とすればよいが、プライマーと標的DNA断片との
重複部位の長さや標的DNA断片間でのGC含量の違い等のために、各DNA断片の増幅率や各融合部位の融合効率が異なることが予測される場合には、プライマー(A)と(B)との間で濃度に1〜数倍程度の差をつけることができる。
プライマーの設計は、その塩基長、長さ、Tm値、GC含量や、鋳型との相補性等を考慮して行われる。プライマーの塩基長は、融合プライマーの場合、通常30〜35であり、好ましくは35〜40であり、より好ましくは40〜45であり、一方標識プライマーの場合、通常20〜25であり、好ましくは25〜30であり、より好ましくは30〜35である。好ましくは、融合プライマーは、工程(1)において合成される延長されたDNA断
片の、他のDNA断片との重複部分の長さが、20〜25程度、より好ましくは、25〜3
0程度になるように設計される。鋳型との相補性については、完全に(100%)相補的である必要はなく、例えば、完全に相補的な塩基配列と、少なくとも70%以上、好まし
くは少なくとも80%以上、より好ましくは少なくとも90%以上、さらに好ましくは少なくとも95%以上の同一性を有していればよい。プライマーの設計は当該分野において周知であり、手動でおこなってもよくコンピュータプログラム(例えば、LASERGENE、PrimerSelect、DNAStar等)を用いて行ってもよい。
本発明のPCRの条件は、試料の種類(培養物、臨床検体、精製の有無等)、試料中の標
的遺伝子DNA量、標的遺伝子の長さ、GC含量等によって異なる。反応条件は、定法(例え
ば、上述のSambrookら、2001)に従って設定可能であるが、さらに至適条件を探索するための予備試験を行うこともできる。予備試験では、鋳型(試料)やプライマーの濃度を段階的に変化させたり、サイクル数5〜10回程度加減すること等によって、標的が最も効率よく増幅される条件が決定される。このような予備試験は、当該分野で通常行われており、当業者が適宜遂行することができるものである。
本発明の工程(1)〜(2)を一工程で行う場合の反応条件を、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の検出系を例に取り、下記の表1に示す。
(6.イムノクロマトグラフィー)
上述の工程(1)〜(2)で得られたPCR反応液は、イムノクロマトグラフィーにかけ
られ、二重標識された融合DNAの存在の有無が検出される(工程(3))。イムノクロマ
トグラフィーの手順としては、基本的には、特開2003-194817に記載されるような、公知
の方法を利用することができる。すなわち、PCR反応液中の二重標識融合DNAをニトロセルロース膜等の公知の膜に固定化した抗体で捕捉することで、標的である複数遺伝子の存在の有無を判定することができる。
イムノクロマトグラフィーは、従来使用されるようなイムノクロマトグラフィーストリップを用いて行われる。イムノクロマトグラフィーストリップは、サンプル吸収部であるサンプルパッド(水分を吸収保持することが可能な繊維性の不活性な支持体、例えば濾紙)、当該サンプルパッドに密着した、サンプル可視化物質保持部であるコンジュゲーショ
ンパッド(サンプルパッドに準じる素材でできた支持体)、及び当該コンジュゲーションパッドに密着したクロマトグラフィー展開膜(ニトロセルロース膜等)からなる構造を有する(例えば、図2参照)。展開膜のサンプル移動方向の先には、標的サンプルを固定、検出するための領域(固定相)が存在する。また固定相には、非特異的吸着を抑えるためのブロッキング処理を施してもよい。イムノクロマトグラフィーストリップは、プレート等の他の不活性支持体でさらに支持されていてもよい。ストリップのサイズ、保持される可視化物質の量および固定相のサイズ等は、サンプルの量に応じて適宜調整することができる。
より具体的には、まず、工程(1)〜(2)で得られたPCR反応液を、イムノクロマト
グラフィーストリップのサンプルパッドに染み込ませる。PCR反応液は、PCRの後何ら処理することなくそのまま使用することができる。ここで、パッドに浸透したPCR反応液の中
には、3種類の標識DNA断片が存在し得る。1つは、標的遺伝子の融合DNA断片であり、上述の第一標識及び第二標識によって二重標識されている。残り2つは、融合していないDNA断片であり、第一及び第二標識のいずれか一方のみと結合している。サンプルパッドに
染み込んだ反応液は、次にコンジュゲーションパッドに浸透する。コンジュゲーションパッドは、金コロイドや着色ラテックス粒子等で標識した抗体やアビジンあるいはストレプトアビジン等の、第一標識と結合し得る物質(可視化物質)を含んでおり、ここでこれらの可視化物質が第一標識に結合して複合体(DNA−可視化物質複合体)を形成する。例え
ば、第一標識が抗原である場合には抗体が結合し、第一標識がビオチン系である場合にはアビジン又はストレプトアビジンが結合して、DNA−可視化物質複合体を形成する。この
段階で可視化物質と複合体を形成できるのは、3種類の標識DNA断片のうち、二重標識さ
れた融合DNA断片と第一標識で標識された非融合断片との2つのみである。
コンジュゲーションパッドを通過したサンプルは、当該パッドに密着させた展開膜に毛細管現象によって浸透し、浸透が始まった一端から他端へ向かって移動を開始する。この展開膜の、サンプル浸透部位からその移動方向に向かった先の場所には、第二標識抗原の抗体やアビジンあるいはストレプトアビジン等の、第二標識と結合し得る物質(固定化物質)が一定箇所に限局して(例えば、スポット上又はライン状に)吸着されており(固定相)、第二標識を有するDNA断片は、ここに捕捉される。一方、第二標識が結合していない
物質は、固定相に固定されることなくここを通過する。固定相に固定されるのは、第二標識が結合したDNA断片及び第二標識が結合した融合DNA−可視化物質複合体のみである。
(7.標的遺伝子の検出)
PCR反応物中に標的遺伝子の融合DNAが存在する場合、それはイムノクロマトグラフィーストリップのコンジュゲーションパッドにおいて第一標識を介して可視化された後、第二標識を介して固定相に捕捉され、結果として、固定相に高密度で沈着する。その結果、ニトロセルロース膜の固定相は、金コロイドの場合は赤色に、あるいは着色ラテックス粒子の場合はその色で染色される。染色を観察することにより、PCR反応物中の融合DNAの存在を検出することができる。一方、PCR反応物中に融合DNAが存在しない場合、DNA断片は全
て第一又は第二標識のいずれか一方のみでしか標識されていない。断片が第一標識でのみ標識されている場合は可視化されても固定相に沈着できず、断片が第二標識でのみ標識されている場合は固定相に沈着しても可視化されていないため観察できないので、結果的にどちらの場合も固定相は染色されない。固定相が染色されるのは、PCR反応物中に二重標
識された融合DNAが存在するときのみである。
PCR反応物中に融合DNAが存在するということは、試料中に標的とする複数の遺伝子が全て存在していたことを意味する。したがって、イムノクロマトグラフ固定相の染色を観察することによって、試料中における複数の遺伝子の存在を同時に検出することができる。このような、PCR及びイムノクロマトグラフィーを利用した本発明の方法を、二重標識融
合PCRイムノクロマトグラフィー法と称する。本発明の二重標識融合PCRイムノクロマトグラフィー法は、従来の遺伝子DNAを個別にDNA増幅する方法と比較して、複数遺伝子を一度のPCR工程で検出することができる点で、遥かに迅速であり、手数も少なくてよい。また
従来のマルチプレックス法による同時検出と比較しても、実験条件設定が容易であるため、種々の遺伝子に容易に応用することができる。また、本発明の方法は、検出のための標識を複数の遺伝子について個別に行う必要がない点においても、簡便である。
本発明の方法は、種々の目的に応用することができる。例えば、本発明の方法により、同一種の個体の中から特徴的な遺伝子を保有する個体を簡便に選別することができる。あるいは、本発明の方法により、複数遺伝子に起因する病原や疾患危険因子の存在を簡便に検出することができるので、患者の病因の判定や個体の疾患リスクの判定をより容易に行うことができる。本発明の適用の具体例としては、薬剤耐性菌の検出;多剤耐性菌の検出;癌、生活習慣病等の素因遺伝子の検出;遺伝病の原因遺伝子の検出;薬物代謝に関わる遺伝子の検出;その他治療耐性を生じ得る遺伝子の検出;血縁関係の認定等のDNA鑑定;SNPsスクリーニング;発現プロファイリング等が挙げられる。
(8.キット)
本発明の方法を利用した複数遺伝子同時検出用キットもまた提供される。本発明のキットは、標的とする特定の複数遺伝子の組み合わせを融合、増幅及び標識するために必要とされる融合プライマーセット(すなわち、プライマー(A)、(B))及び標識プライマーセット(すなわち、プライマー(L1)、(L2))と、作製された二重標識融合DNAを検出
するためのイムノクロマトグラフィーストリップとを含む。イムノクロマトグラフィーストリップは、標識プライマーの第一標識に対応する可視化物質を含むコンジュゲーションパッドと第二標識に対応する固定物質が固定された固定相とを備える。本発明のキットはまた、イムノクロマトグラフィーの結果(固定化相の染色状態)から標的遺伝子の存在の有無を判断するための解説書を含み得る。本発明のキットはさらに、PCR反応のための他
の試薬(ポリメラーゼ、PCRバッファー等)を含んでいてもよい。
以下に、二重標識融合PCRイムノクロマトグラフィー法を利用した本発明の実施例を記
載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1.試薬および材料)
1−1)金コロイド標識アビジン溶液の作製
塩類、界面活性剤、pH緩衝剤などの全ての試薬は特級あるいは生化学グレードであり、和光純薬、ナカライテスク、片山化学から購入した。ブロッキング用蛋白質のウシ血清アルブミンはAlbumin from bovine serum,≧97% agarose gel electrophoresis(SIGMA、A7511-5G)、マーカー用金コロイドはGold colloid(British BioCell International Ltd
、30nm、EMGC30)を使用した。
1−2)イムノクロマトグラフィーストリップの作成
クロマトストリップはMembrane Test Platforms Immunopore FP、Absorbent 31ET(Whatman)を用いて作成し、検出用の抗体はAnti-Digoxigenin[sheep](Roche、11 333 089 001)を用いた。
1−3)PCR
DNA増幅にはPrimeSTARTMHS DNA Polymerase(TaKaRa)とPCRサーマルサイクラー(HYBAID、PCR Express)を用いた。使用したオリゴヌクレオチドプライマーは、全て北海道シ
ステムサイエンスに合成を委託した。その配列は表2に示す。
1−4)アガロースゲル電気泳動
電気泳動用のアガロース、pH緩衝剤、色素などは全て特級あるいは生化学/分子生物学
グレードのものであり、和光純薬、関東化学、ナカライテスクなどから購入した。
1−5)細菌培養
ブドウ球菌の培養にはトリプトン、酵母エキス(ナカライテスク)、塩化ナトリウム、
寒天(和光純薬)で作成したLB寒天を用い、37℃で好気的に培養した。
1−6)供試菌
使用した菌株は以下の通りである。
S. aureus(メチシリン耐性株、MRSA); BCL5, BCL6, BCL7, BCL8, BCL9, BCL10, BCL11, BCL12, BCL13, BCL14, TY4, TY24, TY26, TY29, TY30, TY34, TY36, TY38, TY41, TY42, TY45, TY47, TY49, TY54, HP1, HP2, HP3, HP4, HP17, HP19, HP20, HP21, HP47, HP48, HP125, HP233, HP271, HP395, HP397
S. aureus(メチシリン感受性株、MSSA); TY25, TY27, TY28, TY31, TY32, TY33, TY35, TY37, TY39, TY40, HP8, HP15, HP16, HP22, HP23, HP28, HP42, HP43, HP44
P. aeruginosa; PAO1
S. enteritidis; IFO3316
S. Typhimurium; χ3306 株
B. cereus; IFO3001
B. subtilis; ATCC6633
M. luteus; IFO12708
A. xylosoxydans; S-6,8(I-)resistant
K. pneumoniae; ATCC4332
E. coli; HME3, IFO12713, JM109
S. epidermidis T ; GTC289
S. intermedius T ; NCDO2227。
(2.方法)
2−1)金コロイド標識アビジン溶液の作製
金コロイド標識アビジン溶液は以下の要領で作製した。用いるガラス器具類(ビーカー、スターラーチップ等)は全て王水で処理した後、超純水で洗浄・乾燥した。0.2 mg/ml アビジン溶液を2mM 四ホウ酸ナトリウム緩衝液[pH9.0]で調製し、同緩衝液2Lに対して透
析を行った。次に30nm 金コロイド液を200mM NaHCO3でpH9.0に調製した。エッペンドルフチューブに2mM Boraxを30、28、26、24、22、20、18、16、14、12μl、そして0.2 mg/ml
アビジン溶液を0、2、4、6、8、10、12、14、16、18μl、さらに金コロイド200μlを添加し、各10本の全体量はそれぞれ230μlとした。5分間放置後、10% NaClを各チューブに20
μlずつ加え、1分間放置して色調変化を観察することで予備滴定を行った。赤から青に変化しないチューブが最小アビジン必要量の含有チューブであるので、これをもとに金コロイド1mlに対してのアビジン量を計算し、実際に使用するアビジン溶液量を決定した。予
備滴定で決定した用量のアビジン溶液にBorax 130μlを加えた上に、金コロイド液1mlを
攪拌しながら加えて1時間放置した後、さらにPBS(137mM NaCl、8.1mM Na2HPO4・12H2O、2.68mM KCl、1.47mM KH2PO4)で溶解した10% ウシ血清アルブミン(BSA)を100μl加え、再度10分間攪拌した。これを遠心分離機(微量高速冷却遠心機MX-100、TOMY)で遠心(8000×rpm、30min、4℃)後、沈殿をBuffer A(1% BSA、0.1% アジ化ナトリウム、0.1% Tween20含有20mM Tris-HCl[pH8.2])に再懸濁させて以下の実験に使用した。
2−2)イムノクロマトグラフィーストリップの作成
イムノクロマトグラフィーストリップは以下の要領で作成した。クロマト展開膜としてニトロセルロース膜をポリマー支持担体の中心部に接着してあるMembrane Test Platforms Immunopore FPと、セルロース素材のAbsorbent 31ETを用いてイムノクロマトグラフィ
ーストリップを作成した(図2)。Membrane Test Platforms Immunopore FPを2mm幅で切断後、接着されているニトロセルロース展開膜(固定相を含む)の上端に2mm幅としたAbsorbent 31ETを1〜2mm重なるように接着させた(吸水部)。固定相(検出スポット)には0.2mg蛋白質/mlの抗ジゴキシゲニン抗体液をドット状に1μlブロットし、37℃、10分イン
キュベーションした。2−1)項の「金コロイド標識アビジン溶液の作製」によって作製した金コロイド標識アビジン溶液15μlを2mm×5mmのAbsorbent 31ETに均一に滴下し、先
に抗体とインキュベーションしたMembrane Test Platforms Immunopore FPと共にデシケ
ーター中において水流アスピレーターで脱気乾燥させ、ニトロセルロース膜の下端に1mm
重なるように接着させた(コンジュゲーションパッド;金コロイド標識アビジン保持部)。さらに、金コロイド標識アビジン部の下端に2mm幅のAbsorbent 31ETを1mm重なるように接着させた(サンプルパッド;試料吸収部)。イムノクロマトストリップは使用するまで、シリカゲルと共にナイロン袋に入れて封入し、4℃で保存した。
2−3)二重標識融合PCR
2−3−1)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の検出系
既に報告されている、ブドウ球菌属の中でもStaphylococcus aureusに特異的な配列を
持つ遺伝子(ferredoxin- dependent glutamate synthase;Ref. Martineau F., Picard F.J., Roy P.H., Ouellette M., Bergeron M.G. (1998) J.Clin.Microbiol., 36, 618-623)を菌種特異的マーカーとして増幅するため、表2のプライマーセット:Sa442-2Fw及びSa1406-f Bw(fusion primer Bw)を用いた。このプライマーセットにより、268bpの増幅断片が得られる。また、メチシリン耐性遺伝子配列であるmecAを特異的に増幅するために、表1のプライマーセット:mecA-f Fw(fusion primer Fw)及びmecA1448Bwを用いた。こ
のプライマーセットにより、397bpの増幅断片が得られる。これら2つの増幅断片を融合させるため、Sa1406-f Bw (fusion primer Bw)及びmecA-f Fw (fusion primer Fw)は20bp程の重複部分を持たせた「融合プライマーセット」として設計してある。この構造により、融合した断片は645bpを呈する。また、イムノクロマトグラフィーストリップでマーカー
遺伝子産物を検出するため、Sa442-2FwおよびmecA1448Bwは各々ジゴキシゲニンおよびビ
オチンで標識し、以後のPCR反応に用いた。
2−3−2)特異性検定
PCRは反応液量50μl/チューブ系[精製水を17.6μl、5×PrimeSTARTMBuffer(Mg2+plus)
を10μl、2.5mM dNTP Mixtureを5μl、5μM fusion primer Fwを1μl、1μM fusion primer Bwを4μl、10μM Bio/mecA1448Bwを1μl、10μM Dig/Sa442-2Fwを1μl、TaKaRa PrimeSTARTMHS DNA Polymeraseを0.4μl、鋳型となる被検菌の生菌液10μl(1×105CFUを含む
滅菌水)]、あるいはその半量の25μl/チューブ系[使用酵素量は同一とし、その他の組成終濃度も同一]で行った。反応は先ず95℃で10分処理後、95℃で5秒、58℃で5秒、72℃で20秒の3行程を35サイクル繰り返した。
2−3−3)感度検定
PCRは反応液50μl/チューブ系[精製水を25.6μl、5×PrimeSTARTMBuffer (Mg2+plus)を10μl、2.5mM dNTP Mixtureを5μl、5μM fusion primer Fwを1μl、1μM fusion primer
Bwを4μl、10μM Bio/mecA1448Bwを1μl、10μM Dig/Sa442-2Fwを1μl、 TaKaRa PrimeSTARTMHS DNA Polymeraseを0.4μl、様々な菌数(2 x 102〜2 x 108)を含む生菌液(鋳型液)2μl]で行った。なおPCR条件は特異性検定と同一で、サイクル数を変数としたPCRで
はサイクル数のみ変化させた。
2−4)アガロースゲル電気泳動
PCRによる増幅断片の確認は、ミニゲル電気泳動槽(Mupid、コスモバイオ)を用いたアガロースゲル電気泳動により行った。アガロースは2%になるように泳動緩衝液(TBE;44.5mM トリス、44.5mM ホウ酸、1.0mM EDTAを含む)に混合し、加熱・融解後、ゲルメーカ
ー中で固化させた。泳動用試料は1μlのDNA溶液あたり3μlのゲルローディング緩衝液(0.04% BPB、40% グリセロール、5mM EDTA)を混合し、試料とした。マーカーとしては、100bp DNA Ladder(BioLabsあるいはTaKaRa)を用いた。泳動緩衝液はTBEを使用し、100Vの定電圧で泳動を行い、泳動後のゲルを1mg/mlの臭化エチジウムに浸して染色し、UV照射撮影装置(AE-6915、ATTO)を用いてバンドを確認及び写真撮影した。
2−5)イムノクロマトグラフィーストリップでの展開・検出
イムノクロマトストリップは試料吸収部、金コロイド標識アビジン保持部、抗ジゴキシゲニン抗体が塗布してあるニトロセルロース膜上の検出部及び吸水部の4つの部分からなる(図2)。試料吸収部は、ジゴキシゲニン及びビオチンで標識されたプライマーを用いて行ったPCRにより増幅された目的遺伝子断片を含む反応液に直接浸す部分であり、ここ
で反応液中のデブリがろ過されて溶液相のみが毛細管現象で吸い上げられる。金コロイドアビジン保持部には、上記2−1)項(「金コロイド標識アビジン溶液の作製」)により作製した溶液が塗布・乾燥してあり、金コロイドで標識したアビジンが反応液に溶解するとともに、上昇してきた二重標識された増幅断片のビオチン部分が結合して複合体となり、さらに展開膜へと浸透していく。展開膜には抗ジゴキシゲニン抗体が塗布固定してあり、もし反応液中に両端がビオチンとジゴキシゲニンで標識された目的の融合増幅物が存在すると、その増幅物はこの検出部に固定した抗体と結合する。その結果、増幅物を介して金コロイドが検出部に沈着することになり、そのスポットは赤く着色する。この着色を目視で確認し、陽性反応を判定する。なお図2に示した今回用いたイムノクロマトストリップは、25μl以上の反応液があれば展開が完結する。
(3.結果と考察)
(二重標識融合PCRイムノクロマトグラフィーによるMRSAの検出とその感度)
1)特異性
S. aureusが特異的に保有する染色体領域の一部(ferredoxin- dependent glutamate synthase遺伝子のS. aureusに特異的な配列)及び、MRSAが保有するメチシリン耐性遺伝子(mecA)、それら断片を融合する「融合プライマーセット」であるDig/Sa442-2Fw及びSa 1406-f Bw(fusion primer Bw)並びにBio/mecA 1448 Bw及びmecA-f Fw(fusion primer Fw)を用い、供試菌株としてMRSA臨床分離株29株、MSSA臨床分離株19株をはじめ、1−6)項(「供試菌」)に挙げた11菌種株を各々鋳型としてPCRを行った。図3及び4には菌種特
異性の確認結果を、図5と6にはMRSAとMSSAの各10株における典型的な増幅結果を示した。各図からも明らかなように、MSSAにおいてはS. aureusfdgs遺伝子(safdgs)のみが
増幅され、MRSAにおいてはsafdgsmecA遺伝子とそれらが融合した645bpのPCR産物が電気泳動により確認された(図3A,4A,5A,6A)。そこで、イムノクロマトストリップに25μlのPCR反応溶液を展開した結果、MRSAにのみ陽性反応を確認した(図3B,4B,5B,6B)。またMRSAの検査標品中に環境から混入する可能性のある代表的ないくつかの菌属も交えて特異性を検討したが、図3及び4に示すようにMRSAにのみ特異的なシグナルが検出された。
この結果から、本発明の方法は、臨床標本や環境標本のMRSA検査を行うに十分な特異性を確保していると考えられた。
2)検出感度
MRSAのBCL6株を用い、上記のプライマーセットでPCRを行ったところ、サイクル数が30
サイクルの場合にはPCR反応溶液中に2×105 CFUの菌体以上が存在すれば検出可能であり
、35サイクルであれば2×104 CFUの菌体以上で電気泳動により確認できた(図7A,8A)。そこで、PCR産物をイムノクロマトストリップに展開すると、電気泳動によって増幅
断片が確認された試料では陽性反応が確認できた(図7B,8B)。またよりサイクル数を高めれば感度は上昇したが(図9)、非特異的な増幅を考えると30〜35サイクルが望ましいと思われる。
以上の結果から、本発明の方法は従来使用される電気泳動後の蛍光検出と同等の検出感度を持つ事が確認された。
3)イムノクロマトストリップの感度
PCR反応液を電気泳動後、S. aureusfdgs及びMRSAのmecAの一部が融合したPCR断片(645bp)のみを切り出し精製し、その希釈系列を作製してイムノクロマトストリップに展開
したところ、0.05〜0.1μg/ml以上の濃度域で陽性スポットを確認できた。ストリップの
展開は25μlのPCR溶液で行ったので、実際には1.25〜2.5 ngのMRSAのPCR産物があれば検
出可能であった(データは示していない)。これはPCR反応溶液中にMRSAが1菌体存在した場合、理想的PCRを31〜32サイクル行った際に増幅されるであろうDNAに相当する量であった。従って今後、2重標識融合PCRの反応効率がさらに改善されれば今回用いたストリッ
プでもさらに高感度の測定が可能となることが推察された。
これらの結果から、本発明は、ここに示したMRSAの検査系のみならず、様々な複雑な遺伝形質を持つ生物の簡易スクリーニングに、普遍的に十分応用が可能であると考えられる。
本発明の方法の工程(1)〜(2)の模式図 本発明のイムノクロマトグラフィーストリップの基本構造図(25μl系PCRに適応) 本発明方法によるPCR産物の検出。A:アガロースゲル電気泳動によるsafdgsmecA及び融合遺伝子断片の検出。B:本発明方法によるMRSAの検出結果。レーン1:MRSA BCL6株、レーン2:MSSA HP23株、レーン3:S. intermedius NCDO2227株、レーン4:滅菌水(background)、レーンM:DNA100bpラダーマーカー。 本発明方法によるMRSAの特異的検出。A:アガロースゲル電気泳動によるsafdgsmecA及び融合遺伝子断片の検出。B:本発明方法によるsafdgsmecA及び融合遺伝子断片の検出。レーン1;S. aureus(メチシリン耐性)BCL6株、レーン2;S. aureus(メチシリン感受性)HP23株、レーン3:S. enteritidis IFO3316株、レーン4:S. Typhimurium χ3306 株、レーン5:E. coli HME3株、レーン6:A. xylosoxydans S-6,8(I-)resistant株、レーン7:B. cereus IFO3001株、レーン8:B. subtilis ATCC6633株、レーン9:K. pneumoniae ATCC4332株、レーン10:M. luteus IFO12708株、レーン11:P. aeruginosa PAO1株、レーン12:S. epidermidis type strain、レーン13:E. coli JM109株、レーン14:精製水。 本発明方法によるMRSA臨床株の検出。A:アガロースゲル電気泳動によるsafdgsmecA及び融合遺伝子断片の検出。B:本発明方法によるMRSA臨床株の検出。左から順に、マーカー(Aのみ)、BCL5、BCL6、BCL7、BCL8、BCL9、BCL10、BCL11、BCL12、BCL13、BCL14株。 本発明方法によるMSSA臨床株の検出。A:アガロースゲル電気泳動によるsafdgsmecA及び融合遺伝子断片の検出。B:本発明方法によるMSSA臨床株の検出。左から順に、マーカー(Aのみ)、TY25、TY27、TY28、TY31、TY32、TY33、TY34、TY37、TY39、TY40株。 本発明方法によるMRSAの検出感度(30 cycles PCR)。A:アガロースゲル電気泳動によるsafdgsmecA及び融合遺伝子断片の検出。B:本発明方法によるMRSA臨床株の検出。レーン1:2×103CFU 、レーン2:2×104CFU、レーン3:2×105CFU、レーン4:2×106CFU、レーン5:2×107CFU(MRSA BCL6株使用)。 本発明方法によるMRSAの検出感度(35 cycles PCR)。A:アガロースゲル電気泳動によるsafdgsmecA及び融合遺伝子断片の検出。B:本発明方法によるMRSA臨床株の検出。レーン1:2×103CFU、レーン2:2×104CFU、レーン3:2×105CFU、レーン4:2×106CFU、レーン5:2×107CFU(MRSA BCL6株使用)。 本発明方法によるMRSAの検出感度(40 cycles PCR)。A:アガロースゲル電気泳動によるsafdgsmecA及び融合遺伝子断片の検出。B:本発明方法によるMRSA臨床株の検出。レーン1:2×102CFU、レーン2:2×103CFU、レーン3:2×104CFU、レーン4:2×105CFU、レーン5:2×106CFU、レーン6:2×107CFU、レーン7:2×108CFU(MRSA BCL6株使用)。

Claims (6)

  1. 以下の工程:
    (1)複数の遺伝子のDNA断片を融合させて1つの融合DNA断片を作製するとともに、当該融合DNA断片を、第一標識及び当該第一標識と異なる第二標識によって二重標識する工程であって、
    当該融合DNA断片の作製及び二重標識が、以下、
    5'から3'方向へ順に、当該複数の遺伝子のうちの一の遺伝子のDNA断片と融合される遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3’末端の配列と95%以上同一な配列と、当該一の遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3’末端の配列の完全相補配列と95%以上同一な配列とを含む、当該一の遺伝子のDNA断片の延長された断片を増幅するための塩基長30〜45のプライマー(A)、
    5'から3'方向へ順に、当該一の遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3'末端の配列と95%以上同一な配列と、当該融合される遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3'末端の配列の完全相補配列と95%以上同一な配列とを含む、当該融合される遺伝子のDNA断片の延長された断片を増幅するための塩基長30〜45のプライマー(B)、
    当該一の遺伝子のDNA断片の他方の鎖の3'末端の配列の完全相補配列と95%以上同一な配列を含み、且つその5'末端が当該第一標識で標識されている、当該一の遺伝子のDNA断片を標識および増幅するための塩基長20〜35のプライマー(L1)、及び
    当該融合される遺伝子のDNA断片の他方の鎖の3'末端の配列の完全相補配列と95%以上同一な配列を含み、且つその5'末端が当該第二標識で標識されている、当該融合される遺伝子のDNA断片を標識および増幅するための塩基長20〜35のプライマー(L2)、
    (但し、プライマー(A)および(B)は、当該一の遺伝子のDNA断片の延長された断片と、当該融合される遺伝子のDNA断片の延長された断片とが、20〜30塩基長の長さで互いに重複するように設計されている)
    を用いたPCRによって行われ、且つ
    当該二重標識融合DNA断片の増幅反応が同時並行的に進行される、
    工程;
    (2)当該二重標識融合DNA断片を増幅させる工程;
    (3)増幅された当該二重標識融合DNA断片をイムノクロマトグラフィーにかける工程;
    (4)イムノクロマトグラフの固定相を観察して、当該複数の遺伝子のDNA断片の存在の有無を判定する工程、
    含むこと特徴とする、試料中における複数の遺伝子を同時に検出する方法。
  2. 前記融合DNA断片の作製及び二重標識が、
    5'から3'方向へ順に、当該複数の遺伝子のうちの一の遺伝子のDNA断片と融合される遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3'末端の配列と同一な配列と、当該一の遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3'末端の配列に完全に相補的な配列とを含む、当該一の遺伝子のDNA断片の延長された断片を増幅するための塩基長30〜45のプライマー(A)、
    5'から3'方向へ順に、当該一の遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3'末端の配列と同一な配列と、当該融合される遺伝子のDNA断片の一方の鎖の3'末端の配列に完全に相補的な配列とを含む、当該融合される遺伝子のDNA断片の延長された断片を増幅するための塩基長30〜45のプライマー(B)、
    当該一の遺伝子のDNA断片の他方の鎖の3'末端の配列と完全に相補的な配列を含み、且つその5'末端が前記第一標識で標識されている、当該一の遺伝子のDNA断片を標識および増幅するための塩基長20〜35のプライマー(L1)、及び
    当該融合される遺伝子のDNA断片の他方の鎖の3'末端の配列と完全に相補的な配列を含み、且つその5'末端が前記第二標識で標識されている、当該融合される遺伝子のDNA断片を標識および増幅するための塩基長20〜35のプライマー(L2)、
    (但し、プライマー(A)および(B)は、当該一の遺伝子のDNA断片の延長された断片と、当該融合される遺伝子のDNA断片の延長された断片とが、20〜30塩基長の長さで互いに重複するように設計されている)
    を用いたPCRによって行われる、請求項1記載の方法。
  3. 前記イムノクロマトグラフィーが、前記二重標識融合DNA上の前記第一標識を介して当該融合DNAを可視化すること、及び前記第二標識を介して当該融合DNAをイムノクロマトグラフの固定相に固定させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記複数の遺伝子のうちの一の遺伝子はStaphylococcus aureusのferredoxin−dependent glutamate synthase遺伝子であり、前記一の遺伝子のDNA断片と融合される遺伝子はメチシリン耐性遺伝子mecAであり、
    前記プライマー(A)が、配列番号2で示される配列を含み
    前記プライマー(B)が、配列番号3で示される配列を含み
    前記プライマー(L1)が、配列番号1で示される配列を含み
    前記プライマー(L2)が、配列番号4で示される配列を含むか
    または
    前記複数の遺伝子のうちの一の遺伝子はメチシリン耐性遺伝子mecAであり、前記一の遺伝子のDNA断片と融合される遺伝子はStaphylococcus aureusのferredoxin−dependent glutamate synthase遺伝子であり、
    前記プライマー(A)が、配列番号3で示される配列を含み
    前記プライマー(B)が、配列番号2で示される配列を含み
    前記プライマー(L1)が、配列番号4で示される配列を含み
    前記プライマー(L2)が、配列番号1で示される配列を含む
    請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1記載のプライマー(A)、(B)、(L1)及び(L2)、並びに第一標識及び第二標識をそれぞれ可視化及びイムノクロマトグラフの固定相に固定させるための手段を含む、試料中における複数の遺伝子を同時に検出するためのキット。
  6. メチシリン耐性遺伝子mecAと、Staphylococcus aureusのferredoxin−dependent glutamate synthase遺伝子とを同時に検出することにより、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を検出するためのキットであって、
    配列番号2で示される配列を含む、ferredoxin−dependent glutamate synthase遺伝子のDNA断片の延長された断片を増幅するためのプライマー
    配列番号3で示される配列を含む、mecA遺伝子のDNA断片の延長された断片を増幅するためのプライマー
    配列番号1で示される配列を含み、且つその5'末端が第一標識で標識されている、ferredoxin−dependent glutamate synthase遺伝子のDNA断片を標識および増幅するためのプライマー
    配列番号4で示される配列を含み、且つその5'末端が、当該第一標識とは異なる第二標識で標識されている、mecA遺伝子のDNA断片を標識および増幅するためのプライマー、
    当該第一標識及び第二標識をそれぞれ可視化及びイムノクロマトグラフの固定相に固定させるための手段、
    含む、キット。
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