JP5434314B2 - 印刷装置、及び搬送ユニット - Google Patents
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Description
搬送ローラーには、搬送ローラーを回転させるため又は搬送ローラーの回転により他の機器を駆動させるためのギア等の駆動部材が設けられている。駆動部材は搬送ローラーと共に回転することから、搬送ローラーと駆動部材との間の回り止め部として、搬送ローラーの外周面には切欠部(いわゆるDカット)が形成されている。また、駆動部材は、搬送ローラーが嵌合する孔部と、該孔部の内周面に設けられ切欠部と係合する係合部とを有している。
金属板の曲げ加工により成形した円筒軸は、金属板の一対の端部が互いに接する接続部を有している。そして、駆動部材との間の回り止め部としての切欠部は、上記接続部を跨いで設けられている。
円筒軸と駆動部材とが共に回転するときには、円筒軸の切欠部には軸周りでの付勢力が駆動部材の係合部から加えられる。ここで、上述したように、切欠部は接続部を跨いで設けられているので、駆動部材の係合部から加えられる軸周りでの付勢力は、接続部における一対の端部を周方向で互いに離間させるように作用する。
そのため、この付勢力による円筒軸の破損、例えば円筒軸の変形や外周面に形成されている塗装層の割れ等の不具合が生じる虞があった。
本発明の印刷装置は、金属板を曲げ加工して円筒状に形成された、記録媒体を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーを回転駆動する駆動部とを有する印刷装置であって、前記搬送ローラーは、前記金属板の一対の端部が互いに接する接続部と、外周面に形成され、前記接続部の非配置位置に設けられた切欠部と、前記外周面に形成され且つ前記接続部と接続して設けられる第2切欠部と、を有し、前記駆動部は、前記搬送ローラーを挿通する孔部と、前記孔部の内周に設けられ、前記接続部の非配置位置に設けられた前記切欠部に係合する係合部とを有しており、前記駆動部は、前記係合部を介して前記切欠部の周方向の端部に回転駆動力を作用させるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、搬送ローラーにおける接続部と切欠部とが互いに離れて設けられているため、切欠部に軸周りでの付勢力が加えられた場合にも、この付勢力が接続部における一対の端部を互いに離間させるように作用せず、一対の端部が互いに離間しない。
このような構成を採用する本発明では、軸周りでの駆動力を伝えるギア等の駆動部材を搬送ローラーに取り付ける場合に、駆動部材を分割構造等とすることなく、搬送ローラーの端部側から駆動部材を取り付けることが可能となる。また、本発明では、略円筒状に形成する前の金属板から、その一部を打ち抜き加工等を用いて取り除くことで、搬送ローラーにおける切欠部が形成される。
このような構成を採用する本発明では、搬送ローラーを形成する前の金属板から、その一部を打ち抜き加工等を用いて取り除くことで第2切欠部を形成し、金属板を曲げて略円筒状に形成した後に、第2切欠部を介して切欠部を形成することが可能となる。
このような構成を採用する本発明では、搬送ローラーを形成する前の金属板から、その一部を打ち抜き加工等を用いて取り除くことで第2切欠部を形成し、金属板を曲げて略円筒状に形成した後に第2切欠部を介して、打ち抜き加工等を用いて切欠部を形成することが可能となる。
このような構成を採用する本発明では、円筒軸における接続部と切欠部とが互いに離れて設けられているため、切欠部に軸周りでの付勢力が加えられた場合にも、この付勢力が接続部における一対の端部を互いに離間させるように作用せず、一対の端部が互いに離間しない。
このような構成を採用する本発明では、軸周りでの駆動力を伝えるギア等の駆動部材を円筒軸に取り付ける場合に、駆動部材を分割構造等とすることなく、円筒軸の端部側から駆動部材を取り付けることが可能となる。また、本発明では、円筒軸を形成する前の金属板から、その一部を打ち抜き加工等を用いて取り除くことで、円筒軸における切欠部が形成される。
このような構成を採用する本発明では、円筒軸を形成する前の金属板から、その一部を打ち抜き加工等を用いて取り除くことで第2切欠部を形成し、金属板を曲げて略円筒状に形成した後に第2切欠部を介して切欠部を形成することが可能となる。
このような構成を採用する本発明では、円筒軸を形成する前の金属板から、その一部を打ち抜き加工等を用いて取り除くことで第2切欠部を形成し、金属板を曲げて略円筒状に形成した後に第2切欠部を介して、打ち抜き加工等を用いて切欠部を形成することが可能となる。
以下の説明では、印刷装置として、インクを記録媒体である紙等に噴射し、文字や画像等の情報を記録するインクジェット式のプリンター(以下、単に「プリンター」と称する)の例を示す。
まず、本実施形態に係るプリンター(印刷装置)1の構成を、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンター1の全体構成図である。
プリンター1は、記録媒体である紙等にインクを噴射し、文字や画像等の情報を記録する印刷装置である。プリンター1は、給紙部2と、搬送部(搬送ユニット)3と、排紙部4と、ヘッド部5と、制御部CONTとを有している。
給紙トレー21は、複数枚の記録紙Pを保持するものであり、水平面との間に所定の角度(45°程度)を形成して設けられている。なお、記録紙Pとしては、インクによる印刷が可能なシート状の記録媒体が用いられ、普通紙、コート紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用シート、光沢紙及び光沢フィルム等が用いられる。
搬送ローラー31は、回転することで記録紙Pを所定の印刷位置に正確に搬送するためのローラーであって、水平面内且つ記録紙Pの搬送方向と直交する方向で延在し、略円筒状に形成された円筒軸である。搬送ローラー31は、搬送部3に設けられ略U字型の一対の軸受(図示せず)に回転自在に軸支され、駆動部6の駆動により回転する。なお、搬送ローラー31の詳細は後述する。
ダイヤモンドリブ34は、プラテン33の上面から上方に向けて突出する突部であり、搬送ローラー31の軸方向に沿って間隔を空けて複数配置されている。また、ダイヤモンドリブ34の頂面は、水平面と略平行に形成されており、この頂面によって印刷時の記録紙Pが下方から支持される。
噴射ヘッド51は、制御部CONTの指示に従いインクを噴射する機器であって、その不図示の噴射口はダイヤモンドリブ34の頂面に対向して設けられている。キャリッジ52は、その下方に噴射ヘッド51を保持するものであって、搬送ローラー31の軸方向で往復移動自在に設けられている。また、キャリッジ52には、制御部CONTの支持に従い、キャリッジ52を往復移動させる不図示の駆動部が連結されている。
図2は、搬送部3及び排紙部4の構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のA矢視図である。
モーター61は、制御部CONTの指示に従い搬送ローラー31を回転させる電動機である。すなわち、制御部CONTがモーター61を制御して駆動させ、搬送ローラー31の回転及び記録紙Pの正確な搬送を実現している。ピニオンギア62は、モーター61の出力軸に一体的に接続されているギアである。
第1駆動ギア35は、搬送ローラー31を回転させるためのギアであって、搬送ローラー31における駆動部6設置側の端部に、圧入によって一体的に接続されている。また、第1駆動ギア35はピニオンギア62と互いに噛合しており、ピニオンギア62及び第1駆動ギア35を介してモーター61の駆動力が搬送ローラー31に伝達され、搬送ローラー31が回転する構成となっている。
第3駆動ギア37は、搬送ローラー31の回転駆動力を不図示の他の機器に伝達するためのギアであって、搬送ローラー31の第1駆動ギア35と逆側の端部に設けられている。なお、第3駆動ギア37搬送ローラー31との接続方法は後述する。
図3は、搬送ローラー31の構成を示す概略図であって、(a)は側面図、(b)は斜視図、(c)は正面図である。
図4は、第3駆動ギア37の平面図である。
搬送ローラー本体71は、金属板を曲げて略円筒状に形成された円筒軸であり、金属板の一対の端部である第1端部(端部)74と第2端部(端部)75とが互いに接する接続部76を有している。接続部76は、搬送ローラー本体71の軸方向に沿って延在している。また、搬送ローラー本体71は、鋼板を用いて形成されており、その内外周面には例えば無電界ニッケルめっき等のめっき処理が施されている。
なお、切欠部73が搬送ローラー本体71の端部に形成されていることから、第3駆動ギア37を搬送ローラー31に取り付ける場合に、第3駆動ギア37を分割構造等とすることなく、搬送ローラー31の端部側から第3駆動ギア37を取り付けることが可能となる。
搬送ローラー31の形成の概略としては、まず、金属板からプレス加工(打ち抜き加工及び曲げ加工)によって略円筒状の搬送ローラー本体71を形成する。次に、搬送ローラー本体71の外周面を研磨(センターレス研磨)して、その径、真円度及び振れ(延在方向での湾曲)を調整する。次に、搬送ローラー本体71の内外周面及び端部にめっき処理を施す。最後に、搬送ローラー本体71の外周面に高摩擦層72を形成して、搬送ローラー31の形成が完了する。以下の説明では、プレス加工によって金属板から搬送ローラー本体71を形成する工程を、特に詳細に説明する。
図5は、搬送ローラー本体71の材料となる大型金属板9の平面図である。
図6は、矩形板70の平面図である。
図7は、矩形板70に対する曲げ加工の前半の工程を示す概略図である。
図8は、矩形板70に対する曲げ加工の後半の工程を示す概略図である。
図9は、搬送ローラー本体71を枠部92から切り離す工程を示す概略図である。
まず、図5に示すような、大型金属板9を準備する。大型金属板9は、1mm程度の厚みを持つ略矩形の鋼板であり、電気亜鉛めっき鋼板(SECC)や冷間圧延鋼板(SPCC)が用いられる。大型金属板9の一対の端部には複数の孔部91が、その端部に沿って所定の間隔を空けて設けられている。孔部91は、大型金属板9に対して順送プレス加工を行うときに、一定のピッチで大型金属板9を搬送するために用いられ、大型金属板9は、隣り合う孔部91の間隔毎に搬送される。
矩形板70は、所定の方向で延在する略帯状の矩形金属板であって、大型金属板9から領域S1及びS2の部分が取り除かれることで形成される。なお、領域S2は、矩形板70と枠部92との間に位置する矩形の領域であり、矩形板70の端部に入り込んだ形状となっている。
矩形板70と枠部92との間には、それらを互いに連結する連結部93(いわゆるタイバー)が架け渡され、矩形板70は連結部93を介して枠部92に支持されている。連結部93は、領域S2の両側にそれぞれ設けられている。
ここで、第1上型105、第2上型106及び下型107の、それぞれのプレス面105a、106a及び107aは、いずれも形成される搬送ローラー本体71の外周面に応じた形状で形成されている。また、芯型108の外周面は、形成される搬送ローラー本体71の内周面に応じた形状で形成されている。なお、第1上型105及び第2上型106は、互いに独立して移動可能である。
以上で、順送プレス加工による搬送ローラー本体71の形成が完了する。
まず、搬送ローラー本体71の両端部をマスキングし、エポキシ系樹脂やポリエステル系樹脂を溶媒中に分散させ、この溶液を搬送ローラー本体71の外周面に塗布し、樹脂層を形成する。次に、粉体塗装法を用いてアルミナ粒子等のセラミックス粒子を、上記樹脂層の表面に付着させる。最後に、加熱処理により樹脂層を硬化させ、セラミックス粒子が表面に配置された高摩擦層72が形成される。
以上の形成方法によって、高摩擦層72及び切欠部73を有する搬送ローラー31の形成が完了する。
図1及び図2に示すように、給紙部2における給紙ローラー22の回転により、給紙トレー21に載置された記録紙Pが搬送部3に向けて供給される。
駆動部6の作動により、搬送ローラー31が回転する。また、搬送ローラー31の外周面と接触して設けられる従動ローラー32が、搬送ローラー31と相反する方向で回転する。給紙部2から供給された記録紙Pは、搬送ローラー31と従動ローラー32との間に挟持され、また、搬送ローラー31の外周面には高摩擦層72が形成されているため、記録紙Pは搬送ローラー31の回転と共に正確に搬送される。
ここで、搬送ローラー31と第3駆動ギア37との間に生じる回転の駆動力に関して、図10を参照して説明する。
図10(a)に示すように、第3駆動ギア37の孔部37aに搬送ローラー31の端部が嵌合しており、搬送ローラー31の切欠部73に第3駆動ギア37の係合部37bが係合している。そのため、搬送ローラー31の回転と共に、第3駆動ギア37が回転することができる。
以上で、本実施形態に係るプリンター1の動作が完了する。
本実施形態によれば、搬送ローラー31の回転と共に生じ、その回転とは逆の方向で働く第3駆動ギア37からの付勢力が、接続部76における第1端部74と第2端部75とを互いに離間させるように作用しないことから、搬送ローラー31の破損を防止できるという効果がある。
第2の実施形態に係るプリンター1を、図11から図15を参照して説明する。これらの図において、図1から図10に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態に係るプリンター1は、搬送ローラー31を除いて第1の実施形態と同様である。よって、以下、本実施形態に係る第2搬送ローラー(円筒軸)31Aについてのみ説明する。
図11は、第2搬送ローラー31Aの構成を示す概略図であって、(a)は側面図、(b)は斜視図、(c)は正面図である。
第2搬送ローラー31Aは、所定の方向で延在する略円筒状に形成された円筒軸である。第2搬送ローラー31Aは、第2搬送ローラー本体71Aと、高摩擦層72と、切欠部73と、第2切欠部80とを有している。
図12は、第2矩形板70Aの平面図である。
図13は、略円筒状に形成された第2矩形板70Aの平面図である。
図14は、切欠部73を形成する工程を示す概略図である。
本実施形態における第2搬送ローラー本体71Aの形成には、第1の実施形態と同じく、順送プレス加工が用いられる。また、最初に準備する大型の金属板として、図5に示す大型金属板9を準備する。
第2矩形板70Aは、所定の方向で延在する略帯状の矩形金属板であって、大型金属板9から領域S1の部分が取り除かれることで形成される。
第2矩形板70Aと枠部92との間には、それらを互いに連結する第2連結部94(いわゆるタイバー)が架け渡され、第2矩形板70Aは第2連結部94を介して枠部92に支持されている。
曲げ加工が終了すると、第2矩形板70Aは、図13に示すような略円筒状に形成される(以下、略円筒状に形成された第2矩形板70Aを、第2搬送ローラー本体71Aと称する)。また、一対の第3切欠部81により、第2切欠部80が形成される。なお、この時点では、第2搬送ローラー本体71Aは、第2連結部94を介して枠部92に連結されている。
まず、打ち抜きダイ109に、第2搬送ローラー本体71Aを配置する。打ち抜きダイ109における、第2搬送ローラー本体71Aの第2切欠部80に対応する部分には、孔部109aが形成されている。
また、打ち抜きパンチ110によって打ち抜かれた打ち抜き片82には、第2連結部94(図13参照)が接続されているため、この打ち抜き加工によって第2搬送ローラー本体71Aが枠部92から切り離される。
以上で、第2搬送ローラー本体71Aの形成が終了する。
図15は、第2搬送ローラー31Aと第3駆動ギア37とが接続された状態を示す概略図である。
本実施形態によれば、第1の実施形態によって得られる効果に加え、第2矩形板70Aに一対の第3切欠部81を形成することで第2搬送ローラー本体71Aに第2切欠部80を形成し、第2切欠部80を介した打ち抜き加工によって切欠部73を形成することができるという効果がある。
Claims (8)
- 金属板を曲げ加工して円筒状に形成された、記録媒体を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーを回転駆動する駆動部とを有する印刷装置であって、
前記搬送ローラーは、前記金属板の一対の端部が互いに接する接続部と、
外周面に形成され、前記接続部の非配置位置に設けられた切欠部と、
前記外周面に形成され且つ前記接続部と接続して設けられる第2切欠部と、を有し、
前記駆動部は、前記搬送ローラーを挿通する孔部と、前記孔部の内周に設けられ、前記接続部の非配置位置に設けられた前記切欠部に係合する係合部とを有しており、
前記駆動部は、前記係合部を介して前記切欠部の周方向の端部に回転駆動力を作用させることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置において、
前記切欠部は、前記搬送ローラーの軸方向での端部を、周方向の所定角度で切り欠いて形成されていることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1又は2に記載の印刷装置において、
前記第2切欠部は、前記切欠部以上の大きさで形成されていることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記切欠部は、前記非配置位置として、前記接続部に対して中心軸を挟んで反対側に設けられることを特徴とする印刷装置。 - 金属板を曲げ加工して円筒状に形成された搬送ローラーと、前記搬送ローラーを回転駆動する駆動部とを備えた搬送ユニットであって、
前記搬送ローラーは、前記金属板の一対の端部が互いに接する接続部と、
外周面に形成され、前記接続部の非配置位置に設けられた切欠部と、
前記外周面に形成され且つ前記接続部と接続して設けられる第2切欠部と、を有し、
前記駆動部は、前記搬送ローラーを挿通する孔部と、前記孔部の内周に設けられ、前記接続部の非配置位置に設けられた前記切欠部に係合する係合部とを有しており、
前記駆動部は、前記係合部を介して前記切欠部の周方向の端部に回転駆動力を作用させることを特徴とする搬送ユニット。 - 請求項5に記載の搬送ユニットにおいて、
前記切欠部は、前記搬送ローラーの軸方向での端部を、周方向の所定角度で切り欠いて形成されていることを特徴とする搬送ユニット。 - 請求項5又は6に記載の搬送ユニットにおいて、
前記第2切欠部は、前記切欠部以上の大きさで形成されていることを特徴とする搬送ユニット。 - 請求5〜7のいずれか一項に記載の搬送ユニットにおいて、
前記切欠部は、前記非配置位置として、前記接続部に対して中心軸を挟んで反対側に設けられることを特徴とする搬送ユニット。
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