JP2011088723A - 搬送ローラーの製造方法及び搬送ユニット並びに印刷装置 - Google Patents

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克徳 大野
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功一 斉藤
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Abstract

【課題】搬送特性の低下を抑制できる搬送ローラーの製造方法を提供する。
【解決手段】記録媒体を搬送する搬送ローラーの製造方法において、板材を曲げて略円筒状の円筒部材16を形成する第1工程と、形成した円筒部材16の所定箇所に曲げ荷重を付与して、第1工程で円筒部材16に生じた軸曲がりを矯正する第2工程とを有することで、搬送特性の低下を抑制できるようにする。
【選択図】図9

Description

本発明は、搬送ローラーの製造方法及び搬送ユニット並びに印刷装置に関するものである。
従来から、シート状の記録媒体上に情報を記録する印刷装置が用いられており、この印刷装置には記録媒体を搬送する搬送ユニットが設けられている。この搬送ユニットは、回転することで記録媒体を搬送する搬送ローラーを有している。
搬送ローラーには、搬送ローラーを回転させるため又は搬送ローラーの回転により他の機器を駆動させるためのギア等の駆動部材が設けられている。
従来、搬送ローラーには中実の棒状部材が一般的に使用されているが、中実の材料は重量およびコストが嵩むという課題があるため、特許文献1には、金属板を曲げ加工して円筒状に成形する技術が記載されている。
特開2006−289496号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の製造方法により製造した円筒軸を搬送ローラーに適用した場合、以下のような問題が生じる。
金属板を円筒状に曲げ加工した場合には、中立面よりも外周面側は引張力が作用するが、繋ぎ目の存在により、周方向については繋ぎ目と逆側の位置(軸中心を挟んで対向する位置)を中心として収縮する方向の力が作用し、長さ方向についても中央部を中心として収縮する方向の力が作用する。その結果、搬送ローラーには、長さ方向の中央部において外側に繋ぎ目が向いて膨出するように反りが発生する。そのため、搬送ローラーを両端部で支持した場合に振れが生じて同心度が低下し、非常に高い精度を必要とする搬送ローラーにおいて搬送特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、搬送特性の低下を抑制できる搬送ローラーの製造方法及び搬送ユニット並びに印刷装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の搬送ローラーの製造方法は、記録媒体を搬送する搬送ローラーの製造方法であって、板材を曲げて略円筒状の円筒部材を形成する第1工程と、形成した前記円筒部材の所定箇所に曲げ荷重を付与して、前記第1工程で前記円筒部材に生じた軸曲がりを矯正する第2工程とを有することを特徴とする。
従って、本発明の搬送ローラーの製造方法では、板材を曲げて円筒部材を形成した際に生じた反り・曲がりを、円筒部材の所定箇所に曲げ荷重を付与することにより矯正できるため、振れ量を小さくすることが可能になり、搬送特性の低下を抑制することができる。
また、上記の発明における前記第2工程では、前記板材を曲げた一対の端部の繋ぎ目に前記曲げ荷重を付与する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、長さ方向の中央部において外側に繋ぎ目が向いて膨出するように円筒部材に反り(曲がり)が発生した場合に、効果的に曲がりを矯正することが可能になる。
また、本発明では、前記円筒部材における前記記録媒体に当接して搬送する搬送領域以外の位置に前記曲げ荷重を付与することが好ましい。
これにより、本発明では、円筒部材の搬送領域に曲げ荷重を付与した際に生じた押圧痕等により、記録媒体に対する搬送特性が低下することを防止できる。
上記の前記第2工程としては、前記円筒部材の所定箇所に曲げ荷重を付与して前記第1工程で前記円筒部材に生じた軸曲がりの方向とは逆方向の曲がりを形成する曲がり形成工程と、前記曲がり形成工程で前記曲げ荷重を付与した方向とは逆方向に前記円筒部材の所定箇所に曲げ荷重を付与する逆荷重付与工程とを含む手順を好適に採用できる。
これにより、本発明では、円筒部材を形成した際の残留応力を一旦緩和できるため、一方向のみに曲げ荷重を付与する場合と比較して、矯正後の曲がりを小さくすることが可能になる。
上記発明における前記円筒部材の所定箇所はとしては、前記円筒部材の長さ方向に間隔をあけて配置した複数の第1押圧位置と、前記長さ方向で前記複数の第1押圧位置の間に位置し、且つ前記円筒部材の径方向で前記第1押圧位置と対向する複数の第2押圧位置とを含む構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、円筒部材に対する押圧位置が多くなることで、より細かな矯正が可能になり、円筒部材の振れ量を一層小さくすることができる。
また、本発明では、前記第1工程では、プレス金型を用いて前記板材を曲げて前記円筒部材を形成し、前記第2工程では、前記プレス金型に進退自在に設けた軸状部材により前記円筒部材の所定箇所に曲げ荷重を付与する構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、曲げ荷重を付与する装置を別途設けたり、円筒部材をこの荷重を付与する装置に移送する必要がなくなり、生産性の向上及び装置の小型化・低価格化に寄与できる。
また、本発明では、前記第2工程後に、前記円筒部材の表面を研磨する第3工程を有する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、第2工程後にも残留する振れを小さくすることが可能となり、円筒部材の振れ量を一層小さくすることができる。
そして、本発明の搬送ユニットは、先に記載の製造方法により製造された搬送ローラーを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の印刷装置は、先に記載の製造方法により製造された搬送ローラーを備えたことを特徴とするものである。
これにより、本発明では、振れ量が小さい搬送ローラーを備えることから、高い搬送特性を有する搬送ユニット及び印刷装置を得ることができる。
本発明に係るプリンターの側断面図である。 搬送部3及び排紙部4の構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のA矢視図である。 搬送ローラー機構の概略構成図である。 ローラー本体の外観斜視図である。 ローラー本体の基材としての金属板を示す平面図である。 (a)はローラー本体の要部斜視図、(b)は要部側断面図である。 (a)〜(c)は金属板のプレス加工を説明するための工程図である。 (a)〜(c)は金属板のプレス加工を説明するための工程図である。 (a)〜(c)はローラー本体の矯正工程を説明するための工程図である。 別形態のローラー本体の矯正工程を説明するための図である。 別形態のローラー本体の矯正工程を説明するための図である。 (a)〜(c)は繋ぎ目の他の形状を説明するための図である。 (a)はローラー本体の要部斜視図、(b)は側面図である。 (a)はローラー本体の要部斜視図、(b)は側面図である。 (a)はローラー本体の要部斜視図、(b)は側面図である。 (a)〜(c)は展開係合部を示す金属板の要部平面図である。
以下、本発明の搬送ローラーの製造方法の実施の形態を、図1ないし図16を参照して説明する。
なお、以下の実施の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
まず、本実施形態に係る搬送ローラーが設けられるプリンター(印刷装置)1の構成を、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンター1の全体構成図である。
プリンター1は、記録媒体である紙等にインクを噴射し、文字や画像等の情報を記録する印刷装置である。プリンター1は、給紙部2と、搬送部(搬送ユニット)3と、排紙部4と、ヘッド部5と、制御部CONTとを有している。
給紙部2は、記録媒体である複数枚の記録紙(記録媒体、シート材)Pを保持すると共に、記録紙Pを搬送部3に向けて供給するものであって、給紙トレー21と、給紙ローラー22とを有している。
給紙トレー21は、複数枚の記録紙Pを保持するものであり、水平面との間に所定の角度(45°程度)を形成して設けられている。なお、記録紙Pとしては、インクによる印刷が可能なシート状の記録媒体が用いられ、普通紙、コート紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用シート、光沢紙及び光沢フィルム等が用いられる。
給紙ローラー22は、回転することで記録紙Pを搬送部3に向けて供給するローラーであり、給紙トレー21の搬送部3側に設けられている。なお、給紙ローラー22の外周面と対向する位置には不図示の分離パッドが設けられており、該分離パッドと給紙ローラー22とが協働して記録紙Pを一枚ずつ搬送部3に供給することができる。
搬送部3は、給紙部2から供給された記録紙Pを排紙部4に向けて搬送するものであり、且つ記録紙Pに対する印刷動作が行われる箇所である。搬送部3は、搬送ローラー(円筒軸)31と、従動ローラー32と、プラテン33と、ダイヤモンドリブ34と、駆動部6(図2参照)とを有している。
搬送ローラー31は、回転することで記録紙Pを所定の印刷位置に正確に搬送するためのローラーであって、水平面内且つ記録紙Pの搬送方向と直交する方向で延在し、略円筒状に形成された円筒軸である。搬送ローラー31は、搬送部3に設けられ略U字型の一対の軸受(図示せず)に回転自在に軸支され、駆動部6の駆動により回転する。なお、搬送ローラー31の詳細については後述する。
従動ローラー32は、略円柱状の部材であって、搬送ローラー31の軸方向に沿って間隔を空けて複数配置されている。また、従動ローラー32は、後述する搬送ローラー31の高摩擦層50(図3参照)に対向する位置に回転自在に設けられている。従動ローラー32には不図示の付勢バネが設けられており、この付勢バネの付勢力によって、従動ローラー32は搬送ローラー31の高摩擦層50に付勢されて接触している。このため、従動ローラー32は、搬送ローラー31の回転動作に従動して回転する。なお、従動ローラー32の外周面には、高摩擦層50との摺動による摩耗・損傷を緩和するため、例えばフッ素樹脂塗装等の低摩耗処理が施されている。
プラテン33は、ヘッド部5による記録紙Pへの印刷を行うときに、記録紙Pを下方から支持する箇所であり、水平面に略平行する上面を有している。
ダイヤモンドリブ34は、プラテン33の上面から上方に向けて突出する突部であり、搬送ローラー31の軸方向に沿って間隔を空けて複数配置されている。また、ダイヤモンドリブ34の頂面は、水平面と略平行に形成されており、この頂面によって印刷時の記録紙Pが下方から支持される。
排紙部4は、搬送部3から印刷後の記録紙Pを排出するものであって、排紙ローラー41と、排紙ギザローラー42とを有している。排紙ローラー41と排紙ギザローラー42とは、互いに相反する方向で回転でき、この回転によって記録紙Pを引き出して排出する。
ヘッド部5は、搬送部3に載置されている記録紙Pに対してインクを噴射するものであって、噴射ヘッド51と、キャリッジ52とを有している。
噴射ヘッド51は、制御部CONTの指示に従いインクを噴射する機器であって、その不図示の噴射口はダイヤモンドリブ34の頂面に対向して設けられている。キャリッジ52は、その下方に噴射ヘッド51を保持するものであって、搬送ローラー31の軸方向で往復移動自在に設けられている。また、キャリッジ52には、制御部CONTの支持に従い、キャリッジ52を往復移動させる不図示の駆動部が連結されている。
次に、搬送ローラー31を回転駆動させる構成について、図2を参照して説明する。
図2は、搬送部3及び排紙部4の構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のA矢視図である。
上述したように、搬送部3は駆動部6を有している。駆動部6は、搬送ローラー31を回転駆動させるものであって、モーター61と、ピニオンギア62とを有している。
モーター61は、制御部CONTの指示に従い搬送ローラー31を回転させる電動機である。すなわち、制御部CONTがモーター61を制御して駆動させ、搬送ローラー31の回転及び記録紙Pの正確な搬送を実現している。ピニオンギア62は、モーター61の出力軸に一体的に接続されているギアである。
搬送ローラー31には、長さ方向(軸方向)で記録紙Pに当接して搬送する搬送領域CA(図3参照)よりも一端側(図2(a)中、左側)に第1駆動ギア35と、第2駆動ギア36とが設けられ、搬送領域CAよりも他端側(図2(a)中、左側)に第3駆動ギア37が設けられている。
第1駆動ギア35は、搬送ローラー31を回転させるためのギアであって、搬送ローラー31における駆動部6設置側の端部に、圧入によって一体的に接続されている。また、第1駆動ギア35はピニオンギア62と互いに噛合しており、ピニオンギア62及び第1駆動ギア35を介してモーター61の駆動力が搬送ローラー31に伝達され、搬送ローラー31が回転する構成となっている。
第2駆動ギア36は、モーター61の駆動力を処理装置としての排紙ローラー41に伝達するためのギアであって、第1駆動ギア35よりも小さい径を有し、第1駆動ギア35と隣接して同軸で配置されている。
第3駆動ギア37は、搬送ローラー31の回転駆動力を他の機器38、例えば噴射ヘッド51のノズルを覆って(キャッピング)吸引するためのポンプに伝達するものである。より詳細には、第3駆動ギア37を介して回転駆動力が伝達される機器としては、搬送ローラー31が記録紙Pを搬送する際には非作動となる機器が設定されている。
なお、第2駆動ギア36及び第3駆動ギア37と搬送ローラー31との接続方法は後述する。
排紙ローラー41における駆動部6側の端部には、排紙駆動ギア43が一体的に設けられている。また、排紙駆動ギア43と第2駆動ギア36との間には、中間ギア44が設けられ、中間ギア44は第2駆動ギア36及び排紙駆動ギア43のそれぞれと噛合している。すなわち、第2駆動ギア36、中間ギア44及び排紙駆動ギア43を介して、モーター61の駆動力が排紙ローラー41に伝達され、排紙ローラー41が回転することにより、印刷に関する処理として排紙処理が行われる構成となっている。
図3は、搬送ローラー31及び従動ローラー32からなる搬送ローラー機構19の概略構成を示す図である。
搬送ローラー31は、亜鉛メッキ鋼板やステンレス板等の金属板がプレス加工されて円筒状に形成されたローラー本体16と、このローラー本体16の表面に設けられた高摩擦層50とを備えてなるものである。高摩擦層50は、プリンター1で印刷可能な最大幅の記録紙Pに対する搬送領域CAと同等の長さで形成されており、例えばエポキシ系樹脂やポリエステル系樹脂からなる樹脂層と、該樹脂層表面に分散して配置されるセラミックス粒子とを有している。このセラミックス粒子には、酸化アルミニウム(アルミナ)、炭化珪素又は二酸化珪素等が用いられる。セラミック粒子は破砕処理によって粒径が調整されており、また、破砕処理を用いることでセラミック粒子は比較的鋭角な端部を有する形状となっている。
また、この搬送ローラー31は、その両端部が軸受け70に回転可能に保持されている。また、前記ローラー本体(円筒軸)16は、金属板がプレス加工され、対向する一対の端部(端面)が互いに近接させられ、あるいは当接させられて円筒状に形成されたものである。したがって、このローラー本体16は、前記一対の端部間に繋ぎ目が形成されているが、本実施形態では、この繋ぎ目が搬送領域CAの近傍と、両端部において異なる構成となっている。
具体的には、図4に示すように、本実施形態における繋ぎ目80は、ローラー本体16における搬送領域CAを含む中央部分に形成される中央直線部86と、ローラー本体16の両端部に形成される屈曲部85とから構成される。中央直線部86には、上述した高摩擦層50が形成される。中央直線部86は、図5に示すように、平面視略矩形の金属板60における長さ方向中央部に位置する一対の端部(端面)61a、61bが曲げ加工で円筒状に成形されたときに接合することで形成される。また、屈曲部85は、金属板60における長さ方向両端部に位置し、端面61aから幅方向(円筒状に成形されたときには中心軸16a周りの周方向)に突出する矩形状の突部61cと、端面61bを幅方向(円筒状に成形されたときには中心軸16a周りの周方向)に欠落させた矩形状の凹部61dとが中心軸16a方向に沿って同一幅で同一ピッチで形成され、図4に示すように、円筒状に成形されたときに嵌合する凹凸部110によって、中心軸16aと交差する方向に延びる交差部85a及び交差部85bを含んで九十九折り状に形成される。
また、図6(a)に示すように、ローラー本体16(搬送ローラー31)の一端側には、図2に示した第2駆動ギア36と連結するための係合孔71が繋ぎ目80と離間した位置に形成されている。より詳細には、係合孔71は、ローラー本体16の相対向する位置、すなわちローラー本体16の直径を規定する二点の形成面に、それぞれ貫通孔71a、71aを形成し、これら一対の貫通孔71a、71aを含んでなる係合孔(係合部)71を形成することができる。図6(b)に示すように、この係合孔71に第2駆動ギア36を軸やピン等(図示せず)を用いて係合させることによって固定することができる。
なお、図6(a)では図示していないが、ローラー本体16(搬送ローラー31)の他端側には、同様に係合孔72が繋ぎ目80と離間した位置に形成されており、図6(b)に示すように、この係合孔72に第3駆動ギア37を軸やピン等(図示せず)を用いて係合させることによって固定することができる。
なお、図6(a)、(b)では繋ぎ目80の図示を省略している。
ここで、搬送ローラー31についての詳細な説明として、その製造方法について図5、図7乃至図9を参照して説明する。
搬送ローラ31を製造する工程は、ローラー本体16の基材を曲げて円筒状に形成するプレス工程(第1工程)と、プレス工程で形成したローラー本体16に生じた軸曲がりを矯正する矯正工程(第2工程)と、を含んでいる。
以下、各工程について説明する。
(プレス工程)
搬送ローラー31を製造するには、まず、矩形板状または帯状の大型金属板を用意する。この大型金属板としては、例えば厚さ1mm程度の亜鉛メッキ鋼板が用いられる。続いて、この大型金属板をプレス加工することで切断処理し、図5に示すように前記ローラー本体16に対応する大きさの細長い略矩形板状の金属板60、すなわちローラー本体16の基材となる金属板60を形成する。
ただし、この大型金属板をプレス加工するに際しては、前記の切断処理と同時に、前述した一対の端部間に形成される繋ぎ目において屈曲部を形成するべく、対向する一対の長辺となる端部61a、61bの、長さ方向における両端部に、矩形波状の凹凸部110を形成する。また、各長辺(端部)においては、その両端部に形成した凹凸部110間に、直線部111を形成する。
なお、これら一対の長辺(端部61a、61b)は、プレス加工によって近接させられ、あるいは当接させられるため、当然ながら互いに対応する(対向する)箇所間では、一方の長辺の凹凸部110が凸部となる場合に、他方の長辺の凹凸部110では凹部となるように形成する。また、逆に一方の長辺の凹凸部110が凹部となる場合に、他方の長辺の凹凸部110では凸部となるように形成する。
次いで、金属板60を図7(a)〜(c)、図8(a)〜(c)のプレス加工工程図に示すように円筒状(パイプ状)にプレス加工し、その両側(長辺側)の端部61a、61bを近接させ、あるいは当接させる。
すなわち、まず、図7(a)に示す雄型101と雌型102とで金属板60をプレス加工し、金属板60の両側部62a、62bを円弧状(望ましくは略1/4円弧)に曲げる。なお、図7(a)においては、各部材を分かりやすくするため、金属板60と雄型101と雌型102との間にそれぞれ間隔を開けてこれらの部材を記しているが、この間隔は実際には存在せず、金属板60と雄型101、雌型102とはそれぞれの接触部においてほぼ密着している。これは、後述する図7(b)、(c)、図8(a)〜(c)においても同様である。
続いて、図7(a)で得られた金属板60の幅方向(曲げ方向)における中央部を、図7(b)に示す雄型103と雌型104とでプレス加工し、円弧状(望ましくは略1/4円弧)に曲げる。
次いで、図7(c)に示すように、図7(b)で得られた金属板60の内部に芯型105を配置し、図7(c)に示す上型(プレス金型)106と下型(プレス金型)107とを用いて、図8(a)〜(c)に示すようにして金属板60の両側部62a、62bの各端面(端部)61a、61bを近接させる。
ここで、図7(c)および図8(a)〜(c)に示す芯型105の外径は、形成する円筒状の中空パイプの内径と等しくしてある。また、上型106のプレス面106cの半径と下型107のプレス面107aの半径は、それぞれ、形成する中空パイプの外径の半径と等しくしてある。また、図8(a)〜(c)に示すように上型106は左右一対の割型であり、これら割型106a、106bは、それぞれ独立して昇降可能に構成されている。
そして、図7(c)に示す状態から、図8(a)に示すように右側の上型106aを下型107に対して相対的に下降させ(以下、同様に型の移動は相対的移動を意味する)、金属板60の一方の側をプレス加工し、略半円形状に曲げる。なお、下型107も上型106と同様左右一対の割型とし(割面107b参照)、この図8(a)に示す工程の際に、同じ側の下型を上昇させてもよい。
次いで、図8(b)に示すように、芯型106を少し(一方の側の端部61aと他方の側の端部61bとを近接させることができる程度に)下降させるとともに、他方の側の上型106bを下降させ、金属板60の他方の側をプレス加工し、略半円形状に曲げる。
その後、図8(c)に示すように、芯型105および一対の上型106a、106bをともに下降させ、円筒状の中空パイプ(ローラー本体16)を形成する。この状態で左右両側の端部61a、61bは、当接した状態となる。すなわち、この円筒状の中空パイプにあっては、基材である金属板60の両端部61a、61bが互いに近接して当接したことにより、これら両端部61a、61b間に繋ぎ目が形成される。
上記のプレス工程で形成されたローラー本体16は、上述したように、中立面よりも外周面側は引張力が作用し、繋ぎ目80の存在により、周方向については繋ぎ目と逆側の位置(軸中心を挟んで対向する位置)を中心として収縮する方向の力が作用し、長さ方向についても中央部を中心として収縮する方向の力が作用する。その結果、図9(a)に示すように、ローラー本体16には、長さ方向の中央部において外側に繋ぎ目80が向いて膨出するように反り(軸曲がり)が発生する(以下、この方向の軸曲がりを上曲がり、逆方向の軸曲がりを下曲がりと称する)。そのため、引き続いて行う矯正工程で、この軸曲がりを矯正する。
(矯正工程)
本実施形態における矯正工程は、プレス工程で生じた軸曲がりの方向とは逆の方向の曲がりを一旦形成する曲がり形成工程と、この曲がり形成工程で曲げ荷重を付与した方向とは逆方向に曲げ荷重を付与する逆荷重付与工程とを有している。
以下、各工程について図9(a)〜(c)を参照して説明する。
図9(a)に示すように、上曲がりが生じたローラー本体16に対しては、上型106に進退自在に設けた軸状部材としての押圧ピン106m、106nと、下型107に進退自在に設けた軸状部材としての押圧ピン107m、107nとにより曲げ荷重を付与する。押圧ピン106mは、上型106にローラー本体16の長さ方向の略中央を押圧する位置に設けられている。押圧ピン106nは、上型106にローラー本体16の長さ方向の両端部近傍を押圧する位置にそれぞれ設けられている。押圧ピン107mは、下型107にローラー本体16の長さ方向の略中央を押圧する位置に設けられている。押圧ピン107nは、下型107にローラー本体16の長さ方向の両端部近傍を押圧する位置にそれぞれ設けられている。
そして、プレス工程で上曲がりが生じたローラー本体16に対しては、曲がり形成工程において、下型107に設けられた押圧ピン107nを突出させてローラー本体16の両端部近傍を下方から支持させるとともに、上型106に設けられた押圧ピン106mを突出させてローラー本体16の中央部における繋ぎ目80を上方から支持させ、さらにこれら押圧ピン107n、106mを突出させることにより、ローラー本体16を押圧して曲げ荷重を付与する。このとき、図9(b)に示すように、ローラー本体16が下曲がりとなるように、押圧ピン106mによりローラー本体16を押圧して曲げ荷重を付与する。
続いて、逆荷重付与工程では、図9(b)に示すように、下型107に設けられた押圧ピン107mを突出させてローラー本体16の中央部を下方から支持させるとともに、上型106に設けられた押圧ピン106nを突出させてローラー本体16の両端部近傍を上方から支持させ、さらにこれら押圧ピン107m、106nを突出させることにより、ローラー本体16を押圧して曲げ荷重を付与する。
これにより、図9(c)に示すように、ローラー本体16の軸曲がりが矯正される。
(センタレス加工工程)
次いで、本実施形態では、形成した中空パイプ(ローラー本体16)の真円度を高め、振れを少なくするべく、前記中空パイプ(ローラー本体16)の外周面を研磨するセンタレス加工工程(第3工程)を付加してもよい。
このセンタレス研磨は、この表面の全面に亘って実施され、例えばセンタレス研磨後の表面の十点平均粗さRzが1.0μm以下とされる。
これにより、この中空パイプは、センターレス研磨加工前に比べその真円度がより良好になり、また、振れ量も小さいローラー本体16となる。
(実施例)
上記のプレス工程で円筒形状に成形された複数のローラー本体16の軸曲がり量(反り量)は、100〜150μmであったが、曲がり形成工程で下曲がりとなったローラー本体16の軸曲がり量(反り量)は、250μm前後となった。さらに、逆荷重付与工程で逆荷重を付与することにより、ローラー本体16の軸曲がり量は、20〜50μmとなった。そして、このように軸曲がりが矯正されたローラー本体16に対してセンターレス研磨加工を行うことにより、振れ量を50〜100μmに抑えることができた。
このようにして形成される繋ぎ目80には、図5に示した凹凸部110が嵌合したことにより、図4に示したようにローラー本体16の両端部に交差部85a、85bを有する屈曲部85が形成される。
このようにしてローラー本体16を形成したら、このローラー本体16の表面に高摩擦層50を形成する。
この高摩擦層50の形成方法としては、乾式法及び湿式法(またはこれらを併用した方法)が採用可能であるが乾式法が好適に採用される。
次に、前記搬送ローラー機構19を備えてなるプリンター(印刷装置)1の動作について、図1、図2を参照して説明する。
給紙ローラー22によって給紙された記録用紙Pは、搬送ローラー機構19の上流側近傍に至ると、モーター61の駆動により、搬送ローラー31と従動ローラー32との間に引き込まれ、両ローラーの駆動によって下流側に位置する噴射ヘッド51の下方に向けて定速で搬送される。
その際、搬送ローラー31には高摩擦層50が形成されており、従動ローラー32がこの高摩擦層50に当接する位置に配置されているので、これら搬送ローラー31と従動ローラー32との間で記録用紙Pを挟持する力が大きくなり、記録用紙Pの搬送性がより良好になっている。
そして、記録用紙Pの印刷開始端が、噴射ヘッド51の直下の所定の印刷位置に到達すると、印刷が開始される。
その後、記録用紙Pの始端が排紙部4、すなわち排紙ローラー41及び排紙ギザローラー42に至ると、これらに挟持された記録用紙Pの排紙動作が開始される。
ここで、排紙ローラー41の回転駆動は、第1駆動ギア35を介して搬送ローラー31に伝達されたモーター61の駆動力が第2駆動ギア36を介して伝達され、搬送ローラー31の駆動による記録用紙Pの搬送処理の間にも行われるが、これら第1駆動ギア35及び第2駆動ギア36がいずれも搬送ローラー31の搬送領域CAよりも一端側に配置されているため、搬送ローラー31(ローラー本体16)に加わるトルクは搬送領域CAには作用しない。そのため、搬送領域CAにおける繋ぎ目80(中央直線部86)にずれが生じず、従って、記録用紙Pが斜めに搬送されてしまう等の不具合を生じさせず、搬送精度、ひいては印刷精度が低下することを抑制できる。
一方、第1駆動ギア35を介して搬送ローラー31に伝達されたモーター61の駆動力は、第3駆動ギア37を介して他の機器38に伝達される。この場合、第3駆動ギア37は、搬送領域CAを挟んで第1駆動ギア35と逆側である搬送ローラー31の他端側に配置されているため、搬送領域CAには他の機器38の動作に応じたトルクが加わることになるが、第3駆動ギア37は搬送ローラー31が記録用紙Pを搬送する際には非作動となる機器38に連結されているため、機器38の作動時には記録用紙Pの搬送は行われず、従って搬送精度、ひいては印刷精度が低下することはない。さらに、本実施形態では、送領域CAにおける搬送ローラー31の繋ぎ目80が中央直線部86であり、繋ぎ目80の長さが最小限に抑えられていることから、繋ぎ目80に起因する搬送精度及び印刷精度の低下を一層抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、プレス工程で生じた反りを矯正工程で矯正するため、搬送ローラー31を回転させたときの振れを小さくすることが可能になり、搬送特性の低下を抑制することができる。特に、本実施形態では、ローラー本体16の繋ぎ目が外側に膨出するように反りが生じたものに対して長さ方向の中央部で繋ぎ目に曲げ荷重を付与しているため、効果的に軸曲がりを矯正することができる。
また、本実施形態では、プレス工程で生じた軸曲がりを曲がり形成工程で逆方向の曲がりを形成した後に、逆荷重付与工程で逆荷重を付与することにより、プレス工程でローラー本体16に生じた残留応力を一旦緩和できるため、一方向のみに曲げ荷重を付与する場合と比較して、矯正後の曲がりを小さくすることが可能になる。
加えて、本実施形態では、ローラー本体16の軸曲がりの矯正を、上型106、下型107に設けた押圧ピン106m、106n、107m、107nを用いて行うため、ローラー本体16に曲げ荷重を付与する装置を別途設けたり、ローラー本体16に荷重を付与する装置に移送する必要がなくなり、生産性の向上及び装置の小型化・低価格化に寄与できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、矯正工程が曲がり形成工程及び逆荷重付与工程を有する構成を例示したが、これに限定されるものではなく、図9(a)に示した状態から押圧ピン106m、107nにより、ローラー本体16の軸曲がりをゼロとする量で曲げ荷重を付与して図9(c)に示す状態としてもよい。
この場合でも、プレス工程で円筒形状に成形された複数のローラー本体16の軸曲がり量(反り量)を100〜150μmから、30〜140μmに抑えることができ、さらに、このように軸曲がりが矯正されたローラー本体16に対してセンターレス研磨加工を行うことにより、振れ量を20〜80μmに抑えることができる。
また、上記実施形態では、押圧ピン106m、106nと押圧ピン107m、107nとをそれぞれ対向配置し、一方側でローラー本体16の両端部を押圧し、他方側でローラー本体16の中央部を押圧する構成としたが、これに限られず、例えば図10に示すように、下型107にローラー本体16の長さ方向に所定間隔をあけた位置(第1押圧位置)に複数の押圧ピン107pを設け、上型106に押圧ピン107pの間に位置し、且つローラー本体16の径方向で押圧ピン107pと対向する位置(第2押圧位置)に複数の押圧ピン106pを設ける構成としてもよい。
これにより、本実施形態では、ローラー本体16に対する押圧位置が多くなることで、より細かな矯正が可能になり、ローラー本体16の振れ量を一層小さくすることができる。
また、上記実施形態では、ローラー本体16における搬送領域CAを含む中央部も押圧する構成としたが、例えば、図11に示すように、ローラー本体16において高摩擦層50を含む搬送領域CAと離間した位置に押圧ピン106p、107pを配置する構成としてもよい。
この構成では、ローラー本体16の搬送領域CAに曲げ荷重を付与した際に生じた押圧痕等により、記録媒体に対する搬送特性が低下することを防止できる。
また、上記実施形態では、ローラー本体16の繋ぎ目80における屈曲部85が、矩形状の突部61cと矩形状の凹部61dとにより形成される構成としたが、この形状以外にも、例えば図12(a)に示すように、屈曲部85における交差部85aが周方向(図12(a)における上下方向)に対して傾斜して中心軸16aと平行な軸に対して角度αで交差する構成としてもよい。このようにすれば、金属板のプレス加工において一対の端面を近接させた際、突部61cの先端を対応する凹部61dに嵌合させ易くなり、したがって、ローラー本体16に歪みや捩れ等が生じるのを抑制することができる。
また、図12(b)に示すように、屈曲部85が円弧形状の繰り返し(sin波形状)の繋ぎ目で形成される構成や、図12(c)に示すように、三角形状の突部61cと凹部61dとにより繋ぎ目がジグザグ状に形成される構成であってもよい。
また、上記実施形態では、ローラー本体16に形成された係合孔71、72に第2駆動ギア36、第3駆動ギア37がそれぞれ係合することにより、ローラー本体16に第2駆動ギア36、第3駆動ギア37を回転不能に取り付ける構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば図13(a)、(b)に示すように、ローラー本体16の端部にDカット状の係合部73を形成することもできる。この係合部73は、円筒状のローラー本体16(搬送ローラー31)の端部に形成されたもので、図13(a)に示すようにその一部が平面視矩形状に切り欠かれて開口73aを形成し、これによって図13(b)に示すように端部側面の外形が見掛け上D字状に形成されたものである。
したがって、歯車等の連結部品(図示せず)を、この見掛け上D字状に形成された係合部73に係合させることにより、該連結部品をローラー本体16に対し空回りさせることなく、取り付けることができる。また、この係合部73については、中空パイプ(ローラー本体16)の内部孔に通じる溝状の開口73aが形成されていることから、この開口73aを利用することによっても、連結部品を現像ローラ510に対し空回りさせることなく取り付けることができる。具体的には、連結部品に凸部を形成しておき、この凸部を前記開口73aに嵌合させることにより、空回りを防止する構成とすることもできる。
また、図14(a)、(b)に示すように、ローラー本体16の端部に溝74aとDカット部74bとを有した係合部74を形成することもできる。この係合部74において、Dカット部74bはローラー本体16の外端に形成されており、溝74aはDカット部74bより内側に形成されている。溝74aは、図14(a)に示すように、ローラー本体16がその周方向に略半分切り欠かれて形成されたものである。Dカット部74bは、溝74aの外側において該溝74aと直交する方向に延在する開口74cを有し、この開口74cの両側に、一対の折曲片74d、74dを有したものである。すなわち、図14(b)に示すようにこれら一対の折曲片74d、74dがローラー本体16の中心軸側に折曲させられたことにより、これら折曲片74d、74dに対応する部分が、ローラー本体16の円形の外周面から凹んだ状態となっている。
したがって、歯車等の連結部品(図示せず)を、前記溝74aに係合させまたはDカット部74bに係合させることにより、該連結部品をローラー本体16(搬送ローラー31)に対し空回りさせることなく、取り付けることができる。また、この係合部74では、折曲片74d間に形成された開口74cを利用することによっても、連結部品をローラー本体16に対し空回りさせることなく取り付けることができる。具体的には、連結部品に凸部を形成しておき、この凸部を前記開口74cに嵌合させることにより、空回りを防止することができる。
また、図15(a)、(b)に示すように、ローラー本体16の端部に溝75aと開口75bとを有した係合部75を形成することもできる。この係合部75において、開口75bはローラー本体16の外端に形成されており、溝75aは開口75bより内側に形成されている。溝75aは、図15(a)に示すように、ローラー本体16がその周方向に略半分切り欠かれて形成されたものである。開口75bは、溝75aの外側においてローラー本体16の一部が平面視矩形状に切り欠かれ、これによって図15(b)に示すように端部側面の外形が見掛け上D字状に形成されたものである。
したがって、歯車等の連結部品(図示せず)を、前記溝75aに係合させまたは開口75bによって形成された見掛け上D字状に形成された部位に係合させることにより、該連結部品をローラー本体16に対し空回りさせることなく、取り付けることができる。また、この係合部75でも、図13(a)、(b)に示した係合部73と同様に、開口75bを利用することによって、連結部品をローラー本体16に対し空回りさせることなく取り付けることができる。
このような係合孔71や係合部73、74、75を形成するには、上述した金属板60をプレス加工して得られたローラー本体16に対して、さらに切削加工等を施すことで行うことができる。例えば、図13(a)、(b)に示した係合部73については、その端部を切削加工して開口73aを形成することにより、見掛け上D状の係合部73を形成することができる。
しかしながら、このようにローラー本体16に対してさらに加工を施すのでは、係合部の形成だけのために別途加工工程を追加することで、コストや時間についての効率が低下してしまう。そこで、ローラー本体16にプレス加工する前に、プレス加工によって係合部となる展開係合部を金属板に形成しておき、この金属板をプレス加工してローラー本体16とする際に、係合部も同時に形成するのが好ましい。
具体的には、大型の金属板を、図5に示した細長い矩形板状の金属板60にプレス加工する際、この大型金属板から小型の金属60への加工と同時に、切欠状、突片状、孔状、あるいは溝状等の展開係合部を形成する。例えば、図16(a)に示すように金属板60の端部の所定位置に一対の貫通孔71a、71aを加工し、これらを展開係合部76aとしておくことにより、この金属板160をプレス加工することで前記一対の貫通孔71a、71aを対向させ、図6(a)、(b)に示した係合孔71を形成することができる。
図16(b)に示すように、金属板60の端部を所定形状に切り欠いて展開係合部76bとしておくことにより、この金属板60をプレス加工することで図14(a)、(b)に示した係合部74を形成することができる。すなわち、展開係合部76bとして、一対の切欠部(凹部)74e、74eと一対の突片74f、74fとを形成しておくことにより、係合部74を形成することができる。ただし、この例では、金属板60をプレス加工した後、一対の突片74f、74fを内側に折りプレス加工して折曲片74dとする必要があるため、加工工程についてのコストや時間の効率化を十分に高めるにはやや不十分である。
そこで、図16(c)に示すように、金属板60の端部を所定形状に切り欠いて展開係合部76cとしておくことにより、この金属板60をプレス加工することで図15(a)、(b)に示した係合部75を形成することができる。すなわち、展開係合部76cとして、一対の切欠部(凹部)75c、75cと一対の突片75d、75dとを形成しておくことにより、係合部75を形成することができる。この例では、金属板60をプレス加工した際に一対の突片75d、75dも円弧状に曲げることにより、これら突片75d、75d間に図15(b)に示した開口75bを形成することができる。したがって、プレス加工によって形成したローラー本体16に対し、さらに加工を追加する必要がなく、これにより加工工程についてのコストや時間の効率化を十分に高めることができる。
また、前記実施形態では本発明に係る搬送ローラーを、搬送ローラー機構19における搬送ローラー31に適用する構成としたが、排紙ローラー41や排紙ギザローラー42に適用する構成とすることもでき、さらには、搬送ローラー機構19における従動ローラー32(ローラー32a)に適用することもできる。
1…プリンター(印刷装置)、 16…ローラー本体(円筒部材)、 31…搬送ローラー、 41…排紙ローラー(処理装置)、 60…金属板、 86…中央直線部、 106…上型(プレス金型)、 106m、106n…押圧ピン(軸状部材)、 107…下型(プレス金型)、 107m、107n…押圧ピン(軸状部材)

Claims (9)

  1. 記録媒体を搬送する搬送ローラーの製造方法であって、
    板材を曲げて略円筒状の円筒部材を形成する第1工程と、
    形成した前記円筒部材の所定箇所に曲げ荷重を付与して、前記第1工程で前記円筒部材に生じた軸曲がりを矯正する第2工程と、を有することを特徴とする搬送ローラーの製造方法。
  2. 請求項1記載の搬送ローラーの製造方法において、
    前記第2工程では、前記板材を曲げた一対の端部の繋ぎ目に前記曲げ荷重を付与することを特徴とする搬送ローラーの製造方法。
  3. 請求項1または2記載の搬送ローラーの製造方法において、
    前記円筒部材における前記記録媒体に当接して搬送する搬送領域以外の位置に前記曲げ荷重を付与することを特徴とする搬送ローラーの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の搬送ローラーの製造方法において、
    前記第2工程は、前記円筒部材の所定箇所に曲げ荷重を付与して前記第1工程で前記円筒部材に生じた軸曲がりの方向とは逆方向の曲がりを形成する曲がり形成工程と、
    前記曲がり形成工程で前記曲げ荷重を付与した方向とは逆方向に前記円筒部材の所定箇所に曲げ荷重を付与する逆荷重付与工程とを含むことを特徴とする搬送ローラーの製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の搬送ローラーの製造方法において、
    前記円筒部材の所定箇所は、前記円筒部材の長さ方向に間隔をあけて配置した複数の第1押圧位置と、前記長さ方向で前記複数の第1押圧位置の間に位置し、且つ前記円筒部材の径方向で前記第1押圧位置と対向する複数の第2押圧位置とを含むことを特徴とする搬送ローラーの製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送ローラーの製造方法において、
    前記第1工程では、プレス金型を用いて前記板材を曲げて前記円筒部材を形成し、
    前記第2工程では、前記プレス金型に進退自在に設けた軸状部材により前記円筒部材の所定箇所に曲げ荷重を付与することを特徴とする搬送ローラーの製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の搬送ローラーの製造方法において、
    前記第2工程後に、前記円筒部材の表面を研磨する第3工程を有することを特徴とする搬送ローラーの製造方法。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された搬送ローラーを備えたことを特徴とする搬送ユニット。
  9. 請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された搬送ローラーを備えたことを特徴とする印刷装置。
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