JP5433516B2 - レール波状摩耗検出方法、および、レール波状摩耗検出システム - Google Patents

レール波状摩耗検出方法、および、レール波状摩耗検出システム Download PDF

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Description

本発明は、レールに生じる波状摩耗を検出するレール波状摩耗検出方法およびレール波状摩耗検出システムに関する。
従来、鉄道車両上の測定データから、レールに生じる波状摩耗を検出する幾つかの試みがなされてきた。その多くは、時間周波数軸上でフィルタ処理等の信号処理を行うものであった(特許文献1参照)。また、レール上を走行する鉄道車両の騒音からレールの波状摩耗を検出する試みも行われている(特許文献2参照)。また、騒音の音響信号のスペクトルピークから波状摩耗を検出する方法もある(特許文献3参照)。ここで、波状摩耗はレール上で生じると共にある波長を有した空間軸上の周期的な凹凸である。
上記技術において、時間周波数軸上でフィルタ処理を行う場合、鉄道車両は様々な走行速度でレール上を走行するため、鉄道車両の走行速度によって波状摩耗の成分をカットオフしてしまう可能性がある。また、波状摩耗の発生形態によって、異なる波長のものも存在する。
特開2000−136988号公報 特開2008−81102号公報 特開2007−145270号公報
上記問題の対策として、フィルタ処理の周波数帯域を広く設定すればよい。しかし、波状摩耗以外の成分の周波数が多く含まれてしまい、検出精度が低下する可能性がある。
また、スペクトルピークによって波状摩耗を検出する方法では、波状摩耗の波長が均一でない場合、又は、鉄道車両の走行速度が変化する場合、ピークが分散し、波状摩耗の程度を過小評価する可能性が高い。
そこで、本発明の目的は、鉄道車両の走行速度に依存せずに空間軸上でレールの波状摩耗を評価するレール波状摩耗検出方法、および、レール波状摩耗検出システムを提供することにある。
以下、符号を付して本発明の特徴を説明する。なお、符号は参照のためであり、本発明を実施形態に限定するものでない。
本発明の第1の特徴に係わるレール波状摩耗検出方法は、レール(31)上を走行する鉄道車両(20)上で鉄道車両(20)の走行時間に対して振動加速度および騒音の少なくとも一方を測定して時間軸データを生成し、前記時間軸データを鉄道車両(20)の走行距離に関連付けられた空間軸データに変換し、前記空間軸データを空間周波数軸上でバンドパスフィルタ処理してフィルタ処理データを生成し、前記フィルタ処理データに基づいてレール(31)の波状摩耗の発生区間を決定する。
以上の第1の特徴において、前記フィルタ処理データを標準偏差処理して標準偏差データを生成し、前記標準偏差データに基づいてレール(31)の波状摩耗の発生区間を決定する。
前記フィルタ処理データを下記数式によって空間重み付けレベル化処理してレベル化処理データを生成し、前記レベル化処理データに基づいてレールの波状摩耗の発生区間及び波状摩耗の波高の少なくとも一方を決定する。
本発明の第2の特徴に係わるレール波状摩耗検出システム(10)は、レール(31)上を走行する鉄道車両(20)上で鉄道車両(20)の走行時間に対して振動加速度および騒音の少なくとも一方を測定して時間軸データを生成する測定装置(11A、11B、12)と、前記時間軸データを鉄道車両(20)の走行距離と関連付けられた空間軸データに変換し、前記空間軸データを空間周波数軸上でバンドパスフィルタ処理してフィルタ処理データを生成し、前記フィルタ処理データに基づいてレール(31)の波状摩耗の発生区間を決定する処理装置(13)を有する。
以上の第2の特徴において、処理装置(31)は、前記フィルタ処理データを標準偏差処理して標準偏差データを生成し、前記標準偏差データに基づいてレールの波状摩耗の発生区間を決定する。
処理装置(31)は、前記フィルタ処理データを下記数式によって空間重み付けレベル化処理してレベル化処理データを生成し、前記レベル化処理データに基づいてレールの波状摩耗の発生区間及び波状摩耗の波高の少なくとも一方を決定する。
本発明の特徴によれば、空間軸データを空間周波数軸上でバンドパスフィルタ処理することにより、鉄道車両の走行速度によらず、空間軸上での現象であるレールの波状摩耗の発生区間を高い精度で検出することができる。
フィルタ処理データに対して標準偏差処理することにより、レールの波状摩耗の発生区間を精度良く検出することができる。
フィルタ処理データを空間重み付けレベル化処理することにより、レールの波状摩耗の発生区間を精度良く決定することができる。
フィルタ処理データを空間重み付けレベル化処理することにより、レールの波状摩耗の高さを決定することができる。
レール波状摩耗検出システムの構成を示す概略図である。 図1に示す加速度センサ、マイクロホンを備えた鉄道車両の概要図である。 図1に示すシステムの処理手順を示すフローチャートである。 (A)は左車輪の軸箱振動加速度のパワースペクトルを示すグラフであり、(B)は右車輪の軸箱振動加速度のパワースペクトルを示すグラフであり、(C)は車体振動加速度のパワースペクトルを示すグラフであり、(D)は車内騒音のパワースペクトルを示すグラフである。 (A)はBPF(バンドパスフィルタ)処理前の軸箱振動加速度を示すグラフであり、(B)はBPF処理後の軸箱振動加速度を示すグラフであり、(C)はBPF処理前の車体加振動速度を示すグラフであり、(D)はBPF処理後の車体振動加速度を示すグラフであり、(E)はBPF処理前の車内騒音を示すグラフであり、(F)はBPF処理後の車内騒音のグラフを示す。 (A)はBPF処理後の軸箱振動加速度を示すグラフであり、(B)は5mロットの標準偏差を示すグラフであり、(C)は10mロットの標準偏差を示すグラフであり、(D)は25mロットの標準偏差を示すグラフであり、(E)は100mロットの標準偏差を示すグラフである。 BPF処理後の軸箱振動加速度のフィルタ処理データを示すグラフである。 (A)はBPF処理後の軸箱振動加速度を示すグラフであり、(B)はκ=0.1の空間重み付けレベルの波形を示すグラフであり、(C)はκ=0.5の空間重み付けレベルの波形を示すグラフであり、(D)はκ=1.0の空間重み付けレベルの波形を示すグラフであり、(E)はκ=5.0の空間重み付けレベルの波形を示すグラフである。 (A)は軸箱振動加速度について波状摩耗の波高とレベルの関係を示すグラフであり、(B)は車体振動加速度について波状摩耗の波高とレベルの関係を示すグラフであり、(C)は車内騒音について波状摩耗の波高とレベルの関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
第1の実施形態
図1に示すように、レール波状摩耗検出システム10は、鉄道車両に設置された加速度センサ11A、11Bおよびマイクロホン12と、加速度センサ11A、11Bおよびマイクロホン12の測定データを処理する処理装置13、処理装置13の処理結果を出力する出力装置14を有する。
図2に示すように、鉄道車両20は、車体21と、空気バネを22介在して車体21を支持する台車23と、軸バネ24を介在して台車23に取り付けられた軸箱25と、軸箱25に回転可能に支持された車軸に取り付けられると共にレール31上で回転可能な車輪26を有する。ここで、「波状摩耗」とは、繰返しレール上を走行する鉄道車両の荷重によってレールが周期的に摩耗または損傷し、凹凸を形成する現象である。
加速度センサ11Aは、例えば、車体21の床21aの上に設置される。加速度センサ11Bは、軸箱25に設置される。加速度センサ11A、11Bは、例えば、抵抗線型、サーボ型、圧電型を含む。加速度センサ11Aは、車体21上で車体21の振動から車体振動加速度を測定する。また、加速度センサ11Bは、軸箱25上で軸箱25の振動から軸箱振動加速度を測定する。
マイクロホン12は、例えば、車体21の床21a上に設置される。マイクロホン12は、例えば、普通騒音計、精密騒音計、その他のコンデンサ型マイクロホンを含む。マイクロホン12は、レール31と車輪26の接触に起因する車内騒音を測定する。
処理装置13は、処理プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、処理プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、CPUの処理に必要なデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)を有する。処理装置13は、測定した車体振動加速度、軸箱振動加速度、車内騒音の時間軸データから空間軸データに変換する。処理装置13は、車体振動加速度、軸箱振動加速度、車内騒音の空間軸データを空間周波数軸上でバンドパスフィルタ処理して波状摩耗の周波数成分を抽出し、フィルタ処理データを生成する。処理装置13は、フィルタ処理データを標準偏差処理して標準偏差データ、または、フィルタ処理データを空間重み付きレベル化処理してレベル化処理データを生成する。
出力装置14は、例えば、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置のような画像表示装置、又は、インクジェットプリンタ方式もしくはレーザプリンタ方式の印刷装置を有する。出力装置14は、上記時間軸データ、空間軸データ、フィルタ処理データ、標準偏差データ、レベル化処理データを表示または出力する。
次に、レールの波状摩耗の検出方法について説明する。
先ず、図3を用いて概略の検出方法について説明する。
測定した車体振動加速度、軸箱振動加速度、車内騒音の時間サンプリングの時間軸データを距離サンプリングの空間軸データに変換する(ステップS13)。次に、空間軸データを空間周波数軸上でバンドパスフィルタ(以下、BPFと称する。)処理して、波状摩耗に起因する周波数成分のみを抽出する(ステップS14)。この際、波状摩耗の波長に応じて、BPFの波長帯域を設定する。この処理波形から、目視等で波状摩耗の発生箇所で見分けることも可能である。一方、検出精度を高めるため、本実施形態ではBPF処理を行った空間軸データについて区間標準偏差を求める(ステップS16)。
なお、空間軸データに変換する際のアンチエイリアジングのために、時間軸データに対して時間軸上でローパスフィルタ処理を行ってもよい(ステップS11)。また、このローパスフィルタ処理を行った時間軸データに対してドリフト補正フィルタ処理を実行してもよい(ステップS12)。また、空間軸データについて車上データと地上データとの位置ずれを補正してもよい(ステップS15)。
次に、詳細な検出方法を説明する。
先ず、図2に示すように、鉄道車両20を波状摩耗が発生したレール31上で走行させる。加速度センサ11A、11Bによって、車体21、軸箱25で、それぞれ、車体振動加速度、軸箱振動加速度を時間軸上で鉄道車両20の走行時間に対して測定する。マイクロホン12によって、車体21の内部で車内騒音を時間軸上で鉄道車両20の走行時間に対して測定する。これらの測定データを時間軸データと称する。
次に、図3において、時間軸データに対してアンチエイリアジングフィルタ処理を実行する(ステップS11)。
ここで、内軌波状摩耗の波長は、一般的に、100〜150mm程度とされている。また、直線波状摩耗や外軌波状摩耗の波長は、一般的に、250〜500mm程度である。したがって、1cm間隔で距離サンプリングすれば、十分にこれらの凹凸形状を把握できる。そして、一般的な在来線を走行する鉄道車両の最高速度は、130km/hであることから、下記式(1)の関係から700Hzのローパスフィルタ(以下、LPFと称する)でアンチエイリアジング処理する。これによれば、1cm間隔で距離サンプリングしてもエイリアジングを起こさない。
次に、時間軸データに対してドリフト補正フィルタ処理を実行する(ステップS12)。具体的には、例えば、0.5Hzのハイパスフィルタで時間軸データを処理する。
次に、時間軸データを空間軸データに変換する(ステップS13)。時間軸上の時間軸データを速発パルスで空間軸上のデータ、つまり、鉄道車両の走行距離についての空間軸データに変換する。ここで、速発パルスとは、車輪の回転に伴って発生するパルス信号であり、空間軸上で等間隔なパルスを刻む。
次に、空間軸データを空間周波数軸上でBPF処理して波状摩耗の周波数成分が抽出されたフィルタ処理データを生成する(ステップS14)。具体的には、内軌波状摩耗の抽出には、空間軸データに対して波長約0.10〜0.25mでBPF処理を実行する。同じく、直線波状摩耗や外軌波状摩耗の抽出には、空間軸データに対して波長約0.20〜0.60mでBPF処理を実行する。
図4(A)、(B)は、それぞれ、A、B、C区間における左右車輪における軸箱振動加速度のパワースペクトル、同図(C)は車体振動加速度のパワースペクトル、同図(D)は車内騒音のパワースペクトルを示す。区間Aは左レールが内軌、区間Bは右レールが内軌となる半径250mの曲線である。区間Cはいずれの波状摩耗の無い直線である。いずれの区間も、鉄道車両の走行速度は約60km/hである。両図より、いずれのパワースペクトルにおいても、区間AおよびBでは空間周波数で6〜7[1/m]程度(波長0.15m程度)の帯域にピークが見られる。一方、区間Cでは顕著なピークは見られない。したがって、区間AおよびBに波長0.15m程度の内軌波状摩耗が存在していると考えられる。
そこで、内軌波状摩耗に起因する信号のみを抽出するため、波長0.10〜0.25mでBPF処理を実行する。
図5において、位置P1と位置P2との間は直線区間であり、位置P2と位置P3との間は緩和曲線区間であり、位置P3と位置P4との間は円曲線区間である。このBPF処理によって、図5(B)、(D)、(F)に示すように、軸箱振動加速度、車体振動加速度および車内騒音の空間軸データから波状摩耗以外の周波数成分が除去される。これにより、円曲線区間P3−P4と直線区間P1−P2との振幅の差が顕著になり、波状摩耗の検出精度が向上する。以上から、軸箱振動加速度、車体振動加速度および車内騒音の空間軸データを空間周波数軸上でBPF処理して波状摩耗の発生区間を検出することができる。
次に、空間軸データに対して車輪の空転や滑走による位置ずれを補正する(ステップS15)。具体的には、約1km間隔で地上に敷設されている地上子の信号を用いて、空間軸上のデータに、さらに、保線で用いられている「キロ程」を付与してもよい。この処理により、車上データと地上データとの位置ずれが解消され、測定時期の異なるデータの経時変化の分析が可能となる。
次に、波状摩耗の発生区間、位置を決定する(ステップS16)。すなわち、波状摩耗はある区間にわたって発生するので、波状摩耗データを標準偏差に代表される区間統計量で評価する。
図6は、ロット長を5、10、25、100mと変化させた場合の区間標準偏差の算定結果を示す。同図において、位置Q1と位置Q2との間は直線区間である。位置Q2と位置Q3との間は緩和曲線区間である。位置Q3と位置Q4との間は円曲線区間である。位置Q4と位置Q5との間は緩和曲線区間である。位置Q5と位置Q6との間は直線区間である。
この手法では、波状摩耗発生区間の標準偏差が大きくなるので、しきい値を設けて波状摩耗の発生区間、位置を決定することができる。
また、ロット長は、例えば、25mを選択する。ロット長が短いほど波状摩耗の発生区間の分解能が高いが、継目や溶接部等の局所的なレール凹凸の影響を受けやすくなる。一方、ロット長が長くなるに従って分解能が低くなり、波状摩耗の始終端が不鮮明となる。このように、区間標準偏差による手法は、ロット長の影響を大きく受ける。同図より、波状摩耗の状態を区間標準偏差で評価するには、レールの基本長さが25mであることも考慮すると、25mのロット長が適当である。
以上の実施形態によれば、空間軸データを空間周波数軸上でBPF処理することにより、鉄道車両の走行速度によらず、空間軸上での現象であるレールの波状摩耗の発生区間、位置を高い精度で検出することができる。
フィルタ処理データを標準偏差処理することにより、レールの波状摩耗の発生区間、位置を精度良く検出することができる。
第2の実施形態
本実施形態は、図3のステップS16において、フィルタ処理データを空間軸上で重み付けレベル化処理してレベル化処理データを生成し、レベル化処理データに基づいて波状摩耗の発生区間、波状摩耗の高さを決定する。
レベル化処理は、通常は時間軸上で処理が行われるため「時間重み付きレベル」と呼ばれ、式(2)で表現される。なお、レベル化処理の利点は、加速度波形のように連続量として表示できるとともに、LPF処理によるデータ圧縮が可能な点にある。
ここで、時定数τは1次のLPFの定数であり、通常はFAST(τ=1.0sec)、または、SLOW(τ=0.125sec)が用いられている。なお、1次のフィルタとは、−20dB/dec(周波数10倍で利得を1/100に低減)を達成するフィルタである。この時間重み付きレベルの概念を、空間軸上のデータに適用する。式(3)に「空間重み付きレベル」を定義する。ここで、空間定数κは、時間軸上の時定数τに相当し、空間軸上での重み付けを行うための定数となる。式(3)を用いて、空間重み付けレベル化処理データを生成する。また、空間軸上でのデータ圧縮は、サンプリング間隔を広く設定することでき、システム上で軌道検測データ等と同様に取り扱うことができる。
図7、8において、位置R1と位置R2との間は円曲線区間である。位置R2と位置R3との間は緩和曲線区間である。位置R3と位置R4との間は直線区間である。
図7は、空間定数κを0.1、0.5、1.0、5.0と変化させた場合の空間重み付きレベルの算定結果を示す。
この手法では、波状摩耗発生区間の空間重み付きレベルが大きくなるので、しきい値を設けて波状摩耗の発生区間、位置を決定することができる。
また、空間定数κは、例えば、1.0を選択する.κが1.0より小さいと、波形の変動が大きくなり、継目等の衝撃的な振動の影響が大きくなる。一方、κが大きいと波形の変動が小さくなり、波形も平滑化される。これは、波長1mの一次のLPF処理に相当する。
図8に示すように、κ=1.0において、軸箱振動加速度について円曲線区間R1−R2と直線区間R3−R4のレベル差が最も大きく波状摩耗の検出精度は高い。また、車体振動加速度および車内騒音においても円曲線区間R1−R2と直線区間R3−R4で明確なレベル差が得られている。よって、いずれの振動加速度においても波状摩耗の発生区間、位置を検出することができる。
次に、重み付けレベル化データに基づいて波状摩耗の高さを評価する。
先ず、波状摩耗が発生したレールをレール凹凸連続測定装置(CAT;Corrugation Analysis Trolley)測定装置によって測定する。次に、図2に示す鉄道車両20を同レール上で走行させ、加速度センサ11A、11Bよって車体振動加速度、軸箱振動加速度、マイクロホン12によって車内騒音を測定する。
鉄道車両の走行速度は70〜80km/h程度である。
次に、CAT測定装置によって測定された複数の曲線のデータにおける波状摩耗の波高が0.05mm以上の区間に対し、同一区間の車上で測定された各データの空間重み付きレベル(空間重み付きレベル化処理データ)を比較する。なお、各プロットはそれぞれ5m間の平均値で、継目前後の値は除去してある。図9に示すように、いずれの車上測定データにおいて、波状摩耗の波高が高いほど、レベルも大きくなっており相関も高い。このことから、車上測定データの空間重み付きレベル(空間重み付きレベル化処理データ)から、波状摩耗の波高を決定することができる。
なお、軸箱振動加速度の回帰式の傾きは、最も急になっており、相関係数も大きいことから、軸箱振動加速度が波状摩耗の検出において高い精度を示す。また、車内騒音では、軸箱振動加速度とほぼ同等の相関係数が得られており、実用上は十分な検出精度を有している。車体振動加速度では、軸箱振動加速度や車内騒音と比較して、相関係数が小さいが、波状摩耗の波高に比例してレベルが大きくなる傾向にある。
以上の実施形態によれば、空間軸上のフィルタ処理データに空間重み付けレベル化処理することにより、レールの波状摩耗の発生区間、位置を精度良く決定することができる。
また、空間軸上のフィルタ処理データに空間重み付けレベル化処理することにより、レールの波状摩耗の高さを決定することができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されず、また、各実施形態は発明の趣旨を変更しない範囲で変更、修正可能である。
10 レール波状摩耗検出システム
11A、11B 加速度センサ
12 マイクロホン
13 処理装置
14 出力装置
20 鉄道車両
21 車体
22 空気バネ
23 台車
24 軸バネ
25 軸箱
26 車輪
31 レール

Claims (6)

  1. レール上を走行する鉄道車両上で鉄道車両の走行時間に対して振動加速度および騒音の少なくとも一方を測定して時間軸データを生成し、
    前記時間軸データを鉄道車両の走行距離に関連付けられた空間軸データに変換し、
    前記空間軸データを空間周波数軸上でバンドパスフィルタ処理してフィルタ処理データを生成し、
    前記フィルタ処理データに基づいてレールの波状摩耗の発生区間を決定する、
    レール波状摩耗検出方法。
  2. 前記フィルタ処理データを標準偏差処理して標準偏差データを生成し、
    前記標準偏差データに基づいてレールの波状摩耗の発生区間を決定する、
    請求項1に記載のレール波状摩耗検出方法。
  3. 前記フィルタ処理データを下記数式によって空間重み付けレベル化処理してレベル化処理データを生成し、
    前記レベル化処理データに基づいてレールの波状摩耗の発生区間及び波状摩耗の波高の少なくとも一方を決定する、
    請求項1に記載のレール波状摩耗検出方法。
  4. レール上を走行する鉄道車両上で鉄道車両の走行時間に対して振動加速度および騒音の少なくとも一方を測定して時間軸データを生成する測定装置と、
    前記時間軸データを鉄道車両の走行距離に関連付けられた空間軸データに変換し、前記空間軸データを空間周波数軸上でバンドパスフィルタ処理してフィルタデータを生成し、前記フィルタ処理データに基づいてレールの波状摩耗の発生区間を決定する処理装置を有する、
    レール波状摩耗検出システム。
  5. 前記処理装置は、前記フィルタ処理データを標準偏差処理して標準偏差データを生成し、前記標準偏差データに基づいてレールの波状摩耗の発生区間を決定する、
    請求項4に記載のレール波状摩耗検出システム。
  6. 前記処理装置は、前記フィルタ処理データを下記数式によって空間重み付けレベル化処理してレベル化処理データを生成し、前記レベル化処理データに基づいてレールの波状摩耗の発生区間及び波状摩耗の波高の少なくとも一方を決定する、
    請求項4記載のレール波状摩耗検出システム。
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