JP5433421B2 - シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体及びその製造方法、樹脂組成物並びに成形体 - Google Patents

シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体及びその製造方法、樹脂組成物並びに成形体 Download PDF

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Description

本発明はシリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体及びその製造方法、前記粉体を含む樹脂組成物、並びに前記樹脂組成物を成形して得られる成形体に関する。
耐衝撃性改良剤や難燃剤等の改質剤として、合成樹脂やエラストマーに配合して用いられるビニル重合体粉体の製造には、乳化重合法をはじめとする水系分散重合を利用した方法が多く用いられている。ビニル重合体の製造法として乳化重合法を用いた場合には、得られたビニル重合体のラテックスから、ビニル重合体を粉体等の固形物として回収するプロセスが必要となる。
上記プロセスとしては、従来、酸や塩等をラテックスに混合して凝固スラリーを得た後に、熱処理、脱水及び乾燥を経るプロセス(以下、「凝固法」という。)が広く知られている。この方法は酸や塩等による凝固が可能なラテックスに対しては適用できるが、凝固が困難なラテックス、例えば、ノニオン系界面活性剤が用いられたラテックスに対しては適用できないという問題がある。
また、凝固法では凝固、熱処理、脱水及び乾燥という複数のプロセスが必要であることから設備が複雑になる。更に、上記の複数のプロセス間の連携を調整するシステムが必要になる場合がある。このような状況から、設備費や運転の観点からビニル重合体粉体を回収するプロセスの改良が望まれている。
また、凝固法では脱水プロセスにおいて、主として重合及び凝固プロセスで用いられた成分に由来する、水溶性成分を含む廃水が多量に発生することから、これを処理するための設備が必要になり、設備全体が大がかりになるという問題がある。
このような問題を解決する方法として、ビニル重合体のラテックスをノズル等から噴霧しながら熱風で乾燥させて粉体を得る方法(以下、「噴霧乾燥法」という。)が広く知られている。噴霧乾燥法は凝固を必要としないため、凝固が困難なラテックスであっても粉体として回収できるばかりでなく、噴霧及び乾燥が一つのプロセスで終了するため設備が単純化されている。更には、廃水が生じないため廃水処理設備も必要なく、設備費用が安価という利点を有する。
一方で、シリコーン系重合体のラテックスの製造には、乳化剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系乳化剤を用い、酸触媒としてスルホン酸類又は硫酸を用いることが一般的である。
従って、シリコーン系重合体のラテックスの存在下でビニル単量体を重合して得られたシリコーン系重合体含有ビニル重合体のラテックスを噴霧乾燥法で回収した粉体中には、乳化剤や酸触媒に由来する多量の硫酸塩が残存することになる。
このようなシリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体をポリカーボネート樹脂(以下、「PC樹脂」という。)に配合して得られる成形体では、粉体中に残存する硫酸塩によりPC樹脂の加水分解が促進され、成形体の物性が著しく損なわれるという問題が生じる。
この問題を解決するために、例えば、特許文献1では、特定成分からなるシリコーン系重合体含有ビニル重合体のラテックスを噴霧乾燥して得たビニル重合体粉体を、PC樹脂等の熱可塑性樹脂に配合することで、湿熱処理後の成形体の破断強度が低下せず、PC樹脂の耐加水分解性を低下させないことが示されている。
しかしながら、特許文献1で示されている湿熱処理は処理条件が穏やかであり、耐加水分解性の評価として充分ではない。特許文献1に示されているビニル重合体粉体は硫酸塩を多く含むものであり、PC樹脂の耐加水分解性の低下を抑制するという効果は充分ではない。
また、特許文献2では、シリコーンマクロモノマーとビニル単量体の混合物を乳化分散して重合したラテックスを噴霧乾燥して得たビニル重合体粉体を、PC樹脂等の熱可塑性樹脂に配合することが示されている。
特許文献2で示されているビニル重合体粉体は硫酸塩の残存量は少ないが、シリコーンマクロモノマーの分子量が低いため、得られる成形体の耐衝撃性の向上効果は充分ではなく、逆に、耐衝撃性を低下させることが予想される。
特開2002−308997号公報 特開平10−182987号公報
本発明の目的は、PC樹脂等の樹脂に配合した場合に耐衝撃性を向上させ、耐加水分解性の低下を抑制するシリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体及びその製造方法、前記粉体を含む樹脂組成物、前記樹脂組成物を成形して得られる成形体を提供することである。
この課題を解決するには、例えば、粉体中に残存する硫酸塩の量を低減するために、シリコーン系重合体のラテックスを製造する工程で用いるアニオン系乳化剤及び酸触媒の量を低減する方法が挙げられる。しかし、シリコーン系重合体を得るには、一定量以上の酸触媒を用いることが必要であり、酸触媒の量が少ない場合には、重合時間が著しく長くなり、生産性が低下するという問題を生じる。
本発明者らは鋭意検討した結果、シリコーン系重合体のラテックスを製造する工程で用いるアニオン系乳化剤及び酸触媒の、種類及び量を最適化することにより、PC樹脂等の樹脂に配合した場合に耐衝撃性を向上させ、耐加水分解性の低下を抑制するシリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体を製造する方法を見出した。
即ち、本発明の要旨とするところは、シリコーン系重合体ラテックスの存在下でビニル単量体を重合して得られた、シリコーン系重合体含有ビニル重合体のラテックスを噴霧乾燥する、シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体の製造方法であって、シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体100g中に含まれる硫酸塩の量が3.0mmol以下である、シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体(以下、「本粉体」という。)の製造方法を第1の発明とする。
本発明のシリコーン系重合体は、トルエン不溶分20質量%以上のポリオルガノシロキサン、質量平均分子量15,000以上のポリオルガノシロキサン、又は、ポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートを含有する複合ゴムであることが好ましい。
本発明のシリコーン系重合体含有ビニル重合体のラテックスは、シリコーン系重合体のラテックスの存在下で、過酸化物、有機過酸化物及びアゾ系開始剤から選ばれる1種以上の重合開始剤を用いてビニル単量体を重合して得られたものであることが好ましい。
また、本発明の要旨とするところは、本粉体及び樹脂を含む樹脂組成物を第2の発明とする。
また、本発明の要旨とするところは、前記樹脂組成物を成形して得られる成形体を第3の発明とする。
本発明の製造方法によれば、PC樹脂等の樹脂に配合した場合に耐衝撃性及び耐加水分解性に優れた成形体を与える、本粉体を得ることができる。
本粉体は、PC樹脂等の樹脂に配合した場合に耐衝撃性及び耐加水分解性に優れた成形体を与える。
本発明の樹脂組成物は、耐衝撃性及び耐加水分解性に優れた成形体を与える。
本発明の成形体は、耐衝撃性及び耐加水分解性に優れることから、OA機器等のリサイクル材を用いる用途等、幅広い分野に用いることができる。
本発明のシリコーン系重合体含有ビニル重合体(以下、「本重合体」という。)は、シリコーン系重合体のラテックスの存在下で、ビニル単量体を重合して得られる。
本発明のシリコーン系重合体は、トルエン不溶分20質量%以上のポリオルガノシロキサン、質量平均分子量15,000以上のポリオルガノシロキサン、又は、ポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートを含有する複合ゴムであることが好ましい。
尚、本発明において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」又は「メタクリレート」を、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」又は「メタクリロイル」を意味する。
本発明のシリコーン系重合体は、ビニル重合性官能基を有することが好ましい。シリコーン系重合体がビニル重合性官能基を有することにより、シリコーン系重合体と、後述する複合ゴム用アルキル(メタ)アクリレート成分、又はグラフト単量体成分との間に、化学的な結合を導入することが可能となる。
ビニル重合性官能基を有するシリコーン系重合体は、ジメチルシロキサン、ビニル重合性官能基を有するシロキサン、必要に応じてシロキサン系架橋剤、及び必要に応じて末端封鎖基を有するシロキサンを重合することにより得られる。
ジメチルシロキサンとしては、例えば、3員環以上のジメチルシロキサン系環状体が挙げられ、3〜7員環のものが好ましい。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
ビニル重合性官能基を有するシロキサンは、ビニル重合性官能基を有し、シロキサン結合を介してジメチルシロキサンと結合し得るシロキサン化合物である。ジメチルシロキサンとの反応性を考慮すると、ビニル重合性官能基を有する各種アルコキシシラン化合物が好ましい。
ビニル重合性官能基を有するシロキサンは、シリコーン系重合体の側鎖又は末端にビニル重合性官能基を導入するための成分である。
ビニル重合性官能基を有するシロキサンとしては、例えば、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−(メタ)アクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等の(メタ)アクリロイルオキシシラン;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、メトキシジメチルビニルシラン等のビニルシロキサン;p−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン等のビニルフェニルシラン;γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシロキサン;1,3−ビス(3−メタクリロイルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)テトラメチルジシロキサン等のジシロキサンが挙げられる。
これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
シロキサン系架橋剤は、シリコーン系重合体に架橋構造を導入してゴムとするための成分であり、3官能性又は4官能性のシラン系架橋剤が挙げられる。
シロキサン系架橋剤としては、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシランが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
末端封鎖基を有するシロキサンは、シリコーン系重合体の末端をアルキル基等で封鎖し、シリコーン系重合体の重合を停止させ得るシロキサン化合物である。
末端封鎖基を有するシロキサンとしては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシランが挙げられる。
また、ビニル重合性官能基を有するシロキサンとして例示した1,3−ビス(3−メタクリロイルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサンは、末端封鎖基を有するシロキサンとして用いることもできる。
本発明において、シリコーン系重合体の製造法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
まず、ジメチルシロキサン、ビニル重合性官能基を有するシロキサン、必要に応じてシロキサン系架橋剤、及び必要に応じて末端封鎖基を有するシロキサンを含有するシロキサン混合物に乳化剤、酸触媒及び水を添加して乳化させ、シロキサンラテックスを得る。次いで、このシロキサンラテックスを、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサーや高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用して微粒子化し、微粒子化したシロキサンラテックスを得る。
この後、微粒子化したシロキサンラテックスを、例えば80℃の高温下で重合する。重合後、アルカリ性物質により中和して、シリコーン系重合体のラテックスを得る。
微粒子化したシロキサンラテックスを得る方法としては、シリコーン系重合体の粒子径分布を小さくできることから、ホモジナイザーを使用する方法が好ましい。
シリコーン系重合体のラテックスを製造する際に用いる乳化剤は特に制限されないが、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤が好ましい。
アニオン系乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。
これらの乳化剤の中では、本粉体中の硫酸塩の量を低減できることからノニオン系乳化剤を用いることが好ましい。特に、ノニオン系乳化剤の中でもポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルを用いることが好ましい。
これらの乳化剤は1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
乳化剤の使用量としては、シロキサン混合物100質量部に対して0.05〜30質量部が好ましい。
乳化剤の使用量がシロキサン混合物100質量部に対して0.05質量部以上であれば、シロキサン混合物の乳化分散状態が安定になり、30質量部以下であれば、得られる樹脂組成物の加水分解や、着色を抑制することができる。
シロキサン混合物を重合する際に用いる酸触媒としては、例えば、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類;硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸類が挙げられる。これらの酸触媒は1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
これらの酸触媒の中では、重合性が良好であることから脂肪族置換ベンゼンスルホン酸を用いることが好ましい。
酸触媒の使用量としては、シロキサン混合物100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。
酸触媒の使用量がシロキサン混合物100質量部に対して0.05質量部以上であれば、シロキサン混合物の重合速度が適切でシリコーン系重合体の生産性が良好となり、10質量部以下であれば、得られる樹脂組成物の耐加水分解性の低下を抑制することができる。
シリコーン系重合体を製造する際の酸触媒の添加方法としては、シロキサン混合物のラテックスに一括で添加する方法、シロキサン混合物のラテックスに一定速度で滴下する方法が挙げられる。
シロキサン混合物の重合の停止は、例えば、反応液を冷却し、更にラテックスに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等のアルカリ性物質を添加して中和することによって行なうことができる。
本発明のシリコーン系重合体は、トルエン不溶分20質量%以上のポリオルガノシロキサン、質量平均分子量15,000以上のポリオルガノシロキサン、又は、ポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートを含有する複合ゴムであることが好ましい。
トルエン不溶分20質量%以上のポリオルガノシロキサンとは、本明細書の実施例に記載の方法で測定したトルエン不溶分が20質量%以上となる、ポリオルガノシロキサンである。
ポリオルガノシロキサンのトルエン不溶分は、50質量%以上が好ましく、95質量%以下が好ましい。
ポリオルガノシロキサンのトルエン不溶分が20質量%以上であれば、得られる成形体の耐衝撃性が良好となる。
ポリオルガノシロキサンのトルエン不溶分を20質量%以上とするには、シロキサン系架橋剤、又は末端封鎖基を有するシロキサンの配合量を調整すればよい。
質量平均分子量15,000以上のポリオルガノシロキサンとは、本明細書の実施例に記載の方法で測定した質量平均分子量が15,000以上となる、ポリオルガノシロキサンである。
ポリオルガノシロキサンの質量平均分子量は、50,000以上が好ましく、500,000以下が好ましい。
ポリオルガノシロキサンの質量平均分子量が15,000以上であれば、得られる成形体の耐衝撃性が良好となる。
ポリオルガノシロキサンの質量平均分子量を15,000以上とするには、シロキサン系架橋剤、又は末端封鎖基を有するシロキサンの配合量を調整すればよい。
ポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートを含有する複合ゴム(以下、「本複合ゴム」という。)は、ポリオルガノシロキサンと、ポリアルキル(メタ)アクリレートを複合化したゴムである。
本複合ゴムは、ポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートの他に、必要に応じて、ブタジエン系ゴムや、ガラス転移温度が0℃を超える重合体を含有してもよい。
本複合ゴムに用いるポリアルキル(メタ)アクリレートは、架橋構造を有し、ガラス転移温度が0℃以下であることが好ましい。
ポリアルキル(メタ)アクリレートは、アルキル(メタ)アクリレート成分を重合して得られる。アルキル(メタ)アクリレート成分は、アルキル(メタ)アクリレート、及び必要に応じてアクリル系架橋剤を含有する。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート;ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレート等のアルキル基の炭素数が6以上のアルキルメタクリレートが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートの中では、得られる成形体の耐衝撃性及び光沢が向上することから、n−ブチルアクリレートが好ましい。
これらのアルキル(メタ)アクリレートは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
アクリル系架橋剤は、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴムに架橋構造を導入するための成分であり、また、後述するビニル単量体がグラフト結合するためのグラフト交叉点としても機能する。
アクリル系架橋剤としては、例えば、アリルメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
本複合ゴムの製造法としては、例えば、ポリオルガノシロキサンのラテックスにアルキル(メタ)アクリレート成分を添加し、公知のラジカル重合開始剤を使用して重合して、複合ゴムのラテックスを得る方法が挙げられる。
ポリオルガノシロキサンのラテックスにアルキル(メタ)アクリレート成分を添加する方法としては、例えば、ポリオルガノシロキサンのラテックスにアルキル(メタ)アクリレート成分を一括で添加する方法、ポリオルガノシロキサンのラテックスにアルキル(メタ)アクリレート成分を一定速度で滴下する方法が挙げられる。
上記方法の中では、得られる成形体の耐衝撃性が向上することから、ポリオルガノシロキサンのラテックスにアルキル(メタ)アクリレート成分を一括で添加する方法が好ましい。
複合ゴムのラテックスを製造する際には、ラテックスを安定化させ、複合ゴムの平均粒子径を制御するために、乳化剤を添加することができる。
複合ゴムのラテックスを製造する際に用いる乳化剤としては、前述のポリオルガノシロキサンのラテックスを製造する際に用いる乳化剤と同様のものが挙げられ、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤が好ましい。粉体中の硫酸塩量低減の観点から乳化剤としてはノニオン系乳化剤がより好ましい。
アルキル(メタ)アクリレート成分の重合に用いる重合開始剤としては、過酸化物、有機過酸化物及びアゾ系開始剤から選ばれる1種以上の重合開始剤が挙げられる。
過酸化物については、過酸化物を単独で用いる場合と、還元剤等と併用してレドックス系開始剤として用いる場合がある。有機過酸化物も同様に、有機過酸化物を単独で用いる場合と、還元剤等と併用してレドックス系開始剤として用いる場合がある。
アゾ系開始剤には、油溶性アゾ系開始剤と水溶性アゾ系開始剤がある。
過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
有機過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、キュメインハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが挙げられる。これらは、得られる樹脂組成物の加水分解を抑制することができる。
これらの有機過酸化物は1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
過酸化物又は有機過酸化物を、還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤とする場合、上記の過酸化物又は有機過酸化物と、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、L−アスコルビン酸、フルクトース、デキストロース、ソルボース、イノシトール等の還元剤と、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を組み合わせて用いることが好ましい。
これらの還元剤は1種を単独で又は2種以上を併用することができる。なお、還元剤としてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートを用いる場合には、粉体中の硫酸塩量低減の観点から出来る限り使用量を抑えることが好ましい。
油溶性アゾ系開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
水溶性アゾ系開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシメチル)−2−メチルプロピオナミジン]ハイドレート、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩等の水溶性アゾ系開始剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
上記の重合開始剤の中では、本粉体中の硫酸塩の量を低減できることから、有機過酸化物、レドックス系開始剤、又はアゾ系開始剤の使用が好ましい。
レドックス系開始剤の中では、還元剤としてL−アスコルビン酸、フルクトース、デキストロース、ソルボース、イノシトールを用いることが好ましい。
本複合ゴム(100質量%)中の、ポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートの含有率は、ポリオルガノシロキサン1〜99質量%及びポリアルキル(メタ)アクリレート1〜99質量%が好ましい。
本複合ゴム中のポリオルガノシロキサンの含有率が1質量%以上であれば、得られる成形体の耐衝撃性が良好となり、99質量%以下であれば、得られる成形体の顔料着色性が低下することがない。
本複合ゴム中のポリアルキル(メタ)アクリレートの含有率が1質量%以上であれば、得られる成形体の顔料着色性が低下することがなく、99質量%以下であれば、得られる成形体の耐衝撃性が良好となる。
得られる成形体の耐衝撃性と顔料着色性のバランスが良好となることから、本複合ゴム(100質量%)中のポリオルガノシロキサンの含有率は6〜90質量%、ポリアルキル(メタ)アクリレートの含有率は10〜94質量%であることがより好ましい。
ポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートの含有率は、本複合ゴムの製造に用いる、ポリオルガノシロキサンと及びアルキル(メタ)アクリレート成分の質量比率から算出することができる。
シリコーン系重合体の存在下で重合するビニル単量体は、グラフト単量体成分であり、グラフト用(メタ)アクリレート、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体から選ばれる少なくとも1種の単量体である。
本発明において、グラフト単量体成分の少なくとも1部はシリコーン系重合体にグラフト結合してグラフト共重合体を形成していることが好ましい。
グラフト用(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
グラフト単量体成分の重合方法としては、例えば、シリコーン系重合体のラテックスにグラフト単量体成分を添加し、1段又は多段で重合する方法が挙げられる。
多段で重合する場合は、シリコーン系重合体のラテックスの存在下で、グラフト単量体成分を分割添加又は連続添加して重合することが好ましい。このような重合方法により良好な重合安定性が得られ、且つ所望の粒子径及び粒子径分布を有するラテックスを安定に得ることができる。
グラフト単量体成分の重合に用いる重合開始剤としては、前述のアルキル(メタ)アクリレート成分の重合に用いる重合開始剤と同様のものが挙げられる。
これらの中では、本粉体中の硫酸塩の量を低減できることから、有機過酸化物、レドックス系開始剤、又はアゾ系開始剤の使用が好ましい。レドックス系開始剤の中では、還元剤としてL−アスコルビン酸、フルクトース、デキストロース、ソルボース、イノシトールを用いることが好ましい。
グラフト単量体成分を重合する際には、ラテックスを安定化させ、本重合体の平均粒子径を制御するために、乳化剤を添加することができる。
グラフト単量体成分を重合する際に用いる乳化剤としては、前述のポリオルガノシロキサンのラテックスを製造する際に用いる乳化剤と同様のものが挙げられ、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤が好ましい。粉体中の硫酸塩量低減の観点から、乳化剤としてはノニオン系乳化剤がより好ましい。
本重合体は、乳化重合により製造され、ラテックスの形で得られる。
本重合体の質量平均粒子径としては、得られる成形体の耐衝撃性及び表面外観が良好となることから、50〜2,000nmが好ましい。
本重合体の平均粒子径が50nm以上であれば、得られる成形体の耐衝撃性が良好となり、2,000nm以下であれば、得られる成形体の耐衝撃性及び表面外観が良好となる。
本粉体は、本重合体のラテックスを噴霧乾燥して得られる。
本粉体中に含まれる硫酸塩の量は、本粉体100gに対して3.0mmol以下であり、0.02mmol〜3.0mmolが好ましく、0.1mmol〜2.8mmolがより好ましく、0.1mmol〜2.5mmolが更に好ましい。
本粉体100gに含まれる硫酸塩の量が3.0mmolを超えると、得られる成形体の耐加水分解性を低下させ、物性が著しく低下するため好ましくない。また、本粉体100gに含まれる硫酸塩の量が0.02mmol未満であると、シリコーン系重合体の製造時の触媒量が少なすぎるため、重合時間が著しく長くなり、生産性が低下するため好ましくない。
尚、本粉体に含まれる硫酸塩の量は、本明細書の実施例に記載の方法で定量することができる。即ち、本粉体を完全燃焼させ、発生したガスを過酸化水素水に吸収させたものを試料として、硫酸塩の量を測定することができる。この場合、本粉体に含まれる硫酸塩の他に、スルホン酸塩、スルフィン酸塩等も硫酸塩として定量される。
本粉体中に含まれる硫酸塩の量は、例えば、ポリオルガノシロキサンを製造する際に用いるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の乳化剤及びドデシルベンゼンスルホン酸等の酸触媒の量;複合ゴムを製造する際に用いる乳化剤及びナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元剤の量;グラフト単量体成分を重合する際に用いる乳化剤及びナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元剤の量により調整することができる。
本粉体は、本重合体のラテックスを噴霧乾燥して回収するものである。このため、本重合体の重合工程で用いた硫酸塩化合物は、そのまま本粉体中に残存することとなる。
従って、本粉体100g中に含まれる硫酸塩の量を3.0mmol以下にするには、本粉体100gを製造する際に用いる硫酸塩化合物の量を3.0mmol以下にすればよい。
本重合体のラテックスを噴霧乾燥する際には、本重合体のラテックスに、必要に応じて酸化防止剤等の添加剤を加えることができる。
噴霧乾燥は、噴霧乾燥装置中に本重合体のラテックスを微小液滴状に噴霧した後に熱風を当てることによる乾燥をいう。
噴霧乾燥装置中に本重合体のラテックスを微小液滴状に噴霧する方法としては、例えば、回転円盤式、圧力ノズル式、二流体ノズル式、加圧二流体ノズル式等の方法が挙げられる。
噴霧乾燥装置の容量としては、実験室で使用するような小規模な容量から工業的に使用するような大規模な容量までのいずれであってもよい。
噴霧乾燥装置における乾燥用加熱ガスの供給部の構造、乾燥用加熱ガス及び乾燥粉末の排出部の構造は、目的に応じて適宜選択すればよい。
乾燥用加熱ガスの温度は200℃以下が好ましく、120〜180℃がより好ましい。
本発明において、本粉体を得るために用いる本重合体のラテックスは、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
本発明において、噴霧乾燥時の本粉体のブロッキングや嵩比重等の粉体特性を向上させるために、本重合体のラテックスにシリカ等の無機微粒子を添加して噴霧乾燥することができる。
本発明の樹脂組成物は、本粉体及び樹脂を含む。
本発明で用いる樹脂は、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーから選ばれる1種以上である。
硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂が挙げられる。これらの中では、電気的特性に優れ、半導体封止に適していることから、エポキシ樹脂が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とに分類できるが、そのいずれであってもよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエン型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、ビスフェノール型、ビフェニル型が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
エポキシ樹脂としては、本粉体の分散性が良好となることから、固形状のものが好ましい。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のフェノール系硬化剤;アミン系硬化剤;酸無水物系硬化剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。硬化剤使用量は、エポキシ基の化学量論量であることが好ましい。
フェノール樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。フェノール樹脂は、乾性油、キシレン樹脂、メラミン樹脂等で変性されたものであってもよい。
フェノール樹脂としては、本粉体の分散性が良好となることから、固形状のものが好ましい。
フェノール樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂である場合には、硬化剤として、ヘキサミン等のポリアミン、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、ポリホルムアルデヒド化合物、レゾール型フェノール樹脂等が併用される。
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、イソフタル酸、オルソフタル酸、無水フタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽和二塩基酸と、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA等の多価アルコールと、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の不飽和二塩基酸とを180〜250℃で反応させて得られるものが挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂は、上記不飽和二塩基酸と共重合可能な単量体を共重合させてもよい。不飽和二塩基酸と共重合可能な単量体としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ビニルトルエン、(メタ)アクリレート類が挙げられる。
硬化性樹脂組成物(100質量%)中の本粉体の含有率は、0.5〜45質量%が好ましく、0.5〜35質量%がより好ましい。
硬化性樹脂組成物(100質量%)中の本粉体の含有率が0.5質量%以上であれば、得られる成形体の耐衝撃性が良好となり、45質量%以下であれば、硬化性樹脂本来の特性、耐衝撃性及び表面外観が損なわれることがない。
マトリクス成分が硬化性樹脂である場合の、樹脂組成物(以下、「硬化性樹脂組成物」という。)は、本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、各種添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、種々の硬化促進剤;シリコーンオイル、天然ワックス類、合成ワックス類等の離型剤;結晶質シリカ、溶融シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ等の充填剤;ガラス繊維、炭素繊維等の繊維;三酸化アンチモン等の難燃剤;ハイドロタルサイト類、希土類酸化物等のハロゲントラップ剤;カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤;シランカップリング剤が挙げられる。
硬化性樹脂組成物の調製方法としては、例えば、各成分を溶液状態で混合する方法、各成分をミキシングロールやニーダー等を用いて溶融混合し、冷却した後、粉砕もしくは打錠する方法が挙げられる。
硬化性樹脂組成物の成形方法としては、例えば、トランスファー成形、シートコンパウンドモールディング成形、バルクモールディング成形が挙げられる。
また、硬化性樹脂組成物が溶液状態である場合には、接着剤として塗布することもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、(メタ)アクリレート・スチレン共重合体(MS)、スチレン・アクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリル酸エステル・スチレン・アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル・エチレン・プロピレンゴム・スチレン共重合体(AES)等のスチレン(St)系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル(Ac)系樹脂;PC樹脂;ポリアミド(PA)樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のPEs樹脂;(変性)ポリフェニレンエーテル((m−)PPE)樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリスルフォン(PSO)樹脂、ポリアリレート(PAr)樹脂、ポリフェニレン(PPS)樹脂等のエンジニアリングプラスチックス;熱可塑性ポリウレタン(PU)樹脂;PC/ABS等のPC樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PVC/ABS等のPVC系樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PA/ABS等のPA樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PA樹脂とTPEとのアロイ、PA/PP等のPA樹脂とポリオレフィン系樹脂とのアロイ、PC/PBT等のPC樹脂とPEs樹脂とのアロイ、ポリオレフィン系樹脂/TPE、PP/PE等のオレフィン系樹脂同士のアロイ、PPE/HIPS、PPE/PBT、PPE/PA等のPPE系樹脂同士のアロイ、PVC/PMMA等のPVC系樹脂とAc系樹脂とのアロイ等のポリマーアロイ;硬質塩化ビニル樹脂、半硬質塩化ビニル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂等のPVC系樹脂が挙げられる。
これらの中でも、PC樹脂、PA樹脂、PET樹脂、PBT樹脂、(m−)PPE樹脂、POM樹脂、PU樹脂、PC/ABS等のPC樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PA/ABS等のPA樹脂とSt系樹脂とのアロイ、PA樹脂とTPEとのアロイ、PA/PP等のPA樹脂とポリオレフィン系樹脂とのアロイ、PC/PBT等のPC樹脂とPEs樹脂とのアロイ、PPE/PBT、PPE/PA等のPPE系樹脂同士のアロイ等が好ましく、PC樹脂がより好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素系エラストマー、1,2−ポリブタジエン、トランス1,4−ポリイソプレンが挙げられる。
これらの中でも、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物又は熱可塑性エラストマー組成物(100質量%)中の本粉体の含有率は、0.5〜45質量%が好ましく、0.5〜35質量%がより好ましい。
熱可塑性樹脂組成物又は熱可塑性エラストマー組成物(100質量%)中の本粉体の含有率が0.5質量%以上であれば、得られる成形体の耐衝撃性が良好となり、45質量%以下であれば、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー本来の特性、耐衝撃性及び表面外観が損なわれることがない。
マトリクス成分が熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーである場合の、樹脂組成物(以下、「熱可塑性樹脂組成物」という。)の調製方法として、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラー等で本粉体並びに熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーの粉体を混合した後に押出機、ニーダー、ミキサー等で溶融混合する方法、予め溶融させた熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーに残りのものを逐次混合していく方法が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、各種添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、フェノール系安定剤、燐系安定剤、紫外線吸収剤、アミン系光安定剤等の安定剤;燐系、ブロム系、シリコーン系、有機金属塩系の難燃剤;耐加水分解性等の各種物性を付与するための改質剤;酸化チタン、タルク等の充填剤;染顔料;可塑剤が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物の成形方法としては、例えば、熱可塑性樹脂組成物又は本粉体と熱可塑性樹脂の混合物を、射出成形機で成形する方法が挙げられる。
本発明の成形体は、パソコン、プリンター、コピー機等のOA機器のハウジング;液晶テレビ、DVDプレーヤー等の家電のハウジング;ミラーハウジング等の自動車外装材;インパネ等の自動車内装材として有用である。
また、耐衝撃性及び耐加水分解性に優れることから、OA機器等のリサイクル材を用いる用途に特に有用である。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。尚、以下において、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例に示した各種物性の評価は、以下に示す方法により実施した。
(1)固形分
ポリオルガノシロキサンのラテックスを180℃の熱風乾燥機で30分間乾燥し、下記式により固形分を算出した。
固形分[%]=(180℃で30分間乾燥した後の残渣の質量)/(乾燥前のラテックスの質量)×100。
(2)トルエン不溶分
イソプロパノールを用いて、ポリオルガノシロキサンのラテックスからポリオルガノシロキサンを凝析させて回収し、真空乾燥機を用いて50℃で一昼夜乾燥させた。
得られたポリオルガノシロキサン0.5gを室温にてトルエン80mlに24時間浸漬し、12,000rpmで60分間遠心分離して、ポリオルガノシロキサンのトルエン不溶分を分離した。分離したトルエン不溶分を、真空乾燥機を用いて50℃で一昼夜乾燥した後、質量を測定した。
下記式によりトルエン不溶分を算出した。
トルエン不溶分[%]=(分離・乾燥後のトルエン不溶分の質量)/(トルエン浸漬前のポリオルガノシロキサンの質量)×100。
(3)質量平均分子量
イソプロパノールを用いて、ポリオルガノシロキサンのラテックスからポリオルガノシロキサンを凝析させて回収し、真空乾燥機を用いて50℃で一昼夜乾燥させた。得られたポリオルガノシロキサンを、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いた分子量測定に供した。
GPCの測定条件は下記の通りであり、標準ポリスチレンによる検量線から質量平均分子量を求めた。
装置 :東ソー(株)製「HLC8220」
カラム:東ソー(株)製「TSKgel SuperHZM−M」(内径4.6mm×長さ15cm×4本、排除限界4×10
溶離液:THF
溶離液流量:0.35ml/分
測定温度 :40℃
試料注入量:10μl(試料濃度0.1%)。
(4)粉体中の硫酸塩量
シリコーン系重合体含有ビニル系重合体の粉体0.05gを、試料燃焼装置(三菱化学(株)製、商品名;QF−02)にて完全燃焼させ、発生ガスを0.3%過酸化水素水20mlに吸収させたものを試料として、イオンクロマトグラフ(日本ダイオネクス(株)製、商品名;IC−20型、分離カラム:IonPac AS12A)を用いて硫酸根(SO 2−)の量を測定した。
検量線は硫酸ナトリウムの標準液(キシダ化学(株)製、イオンクロマトグラフィー用硫酸イオン標準液、SO 2−:1000mg/L)を用い、SO 2−:20ppmの一点で作成して行なった。
イオンクロマトグラフより定量した濃度から、以下の式によりシリコーン系重合体含有ビニル系重合体の粉体100g中に含まれる硫酸根量を算出した。
粉体中の硫酸根量[ppm]={(試料液中のSO 2−濃度[ppm]−ブランク液中のSO 2−濃度[ppm])×過酸化水素水量[ml]}/粉体試料量[g]
粉体100g中に含まれる硫酸根量[mmol]=粉体中の硫酸根量[ppm]/10/96
硫酸根のmol数と硫酸塩のmol数は同じとして扱い、粉体100g中に含まれる硫酸根の量[mmol]から、硫酸塩の量[mmol]を求めた。
(5)メルトフローレート(MFR)
樹脂組成物のペレットを80℃で12時間乾燥した後、測定温度300℃、予熱5分、荷重1.20kgfの条件で、メルトインデクサー(テクノ・セブン(株)製、商品名;L−243−1531型)を用いて、JIS K7210に準じて測定した。
(6)耐加水分解性
樹脂組成物のペレットを平山製作所(株)製、プレッシャークッカー(商品名;PC304RIII型)を用い、120℃で100%RH条件下に60時間置いて湿熱処理した。次いで、湿熱処理した試料を80℃で12時間乾燥した後、JIS K7210に準じてMFRを測定した。
下記式によりΔMFRを算出して耐加水分解性を評価した。ΔMFRの値が小さいものほど、耐加水分解性に優れていることを示す。
ΔMFR[%]={(湿熱処理後のMFR)/(湿熱処理前のMFR)×100}−100。
(7)熱安定性
樹脂組成物のペレットを80℃で12時間乾燥した後、測定温度300℃、予熱30分、荷重1.20kgfの条件で、メルトインデクサー(テクノ・セブン(株)製、商品名;L−243−1531型)を用いて、JIS K7210に準じて測定した。
下記式によりΔMFRを算出して熱安定性を評価した。ΔMFRの値が小さいものほど、熱安定性に優れていることを示す。
ΔMFR[%]={(30分保持後のMFR)/(5分保持後のMFR)×100}−100
更に、樹脂組成物のストランドの着色を、以下の基準に従って、目視により判断した。
○:5分保持後と、30分保持後の差が見られない。
×:5分保持後に対して、30分保持後が着色している。
(8)シャルピー衝撃強度
樹脂組成物の試験片を用いてJIS K7111に準じ、−30℃及び23℃の測定温度で測定した。
(9)アイゾット衝撃強度
シート状成形体を切断して試験片を作製し、ASTM D256に準じ、23℃の測定温度で測定した(厚さ:1/4インチ、単位:J/m)。
(10)吸水率
シート状成形体を、厚さ3mm×幅50mm×長さ50mmに切断して試験片とし、JIS K6911に準じて測定した。
(11)電気特性(比誘電率、誘電正接)
シート状成形体を、厚さ3mm×幅30mm×長さ30mmに切断して試験片とし、この試験片を温度23℃、湿度60%下に90時間置いた後、以下に示す条件で、比誘電率及び誘電正接を測定した。
測定装置:RF impedance/material analyzer HP4291B(アジレント・テクノロジー(株)製)
測定周波数:1MHz、1GHz
測定温度 :23℃
測定湿度 :60%。
(12)難燃性
シート状成形体を、厚さ3mm×幅12.7mm×長さ127mmに切断して試験片5本を作製し、これらを温度23℃、湿度50%の環境下に48時間置いた後、UL94試験を行なった。
試験片5本のうち、脱脂綿を着火させる有炎落下物が発生した本数を数えた。本数が少ないほど、難燃性に優れる。
[製造例1]ポリオルガノシロキサン(S−1)のラテックスの製造
オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)97.5部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン(DSMA)0.5部及びテトラエトキシシラン(TEOS)2.0部を混合してシロキサン混合物100部を得た。これに、脱イオン水233部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSNa)0.67部を溶解した溶液を添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した。次いで、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通過させて、シロキサンラテックスを得た。
冷却管、温度計及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに上記のシロキサンラテックスを投入し、更に触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸(DBSH)1.0部を添加し、シロキサンラテックス組成物を得た。次いで、得られたシロキサンラテックス組成物を80℃に加熱した状態で8時間温度を維持してオルガノシロキサンを重合させた。
重合後、重合物を冷却して、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7.0に中和し、ポリオルガノシロキサン(S−1)のラテックスを得た。
ポリオルガノシロキサン(S−1)のラテックスの固形分は26.0%、トルエン不溶分は70.9%であった。
[製造例2〜7]ポリオルガノシロキサン(S−2〜S−7)のラテックスの製造
単量体(シロキサン)、乳化剤、酸触媒の添加量を表1に示す量とした。それ以外は製造例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン(S−2〜S−7)のラテックスを得た。
ポリオルガノシロキサン(S−2〜S−7)のラテックスの固形分、トルエン不溶分を表1に示す。
ポリオルガノシロキサン(S−1〜S−5)は、トルエン不溶分が20%以上であったため、質量平均分子量は測定しなかった。ポリオルガノシロキサン(S−6〜S−7)については、質量平均分子量を測定した。
尚、表1に記載の「4085」は、ポリオキシエチレン(85)モノテトラデシルエーテル(花王(株)製、商品名;エマルゲン4085)を示す。
Figure 0005433421
[実施例1]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−1)の粉体の製造
製造例1で得られたポリオルガノシロキサン(S−1)のラテックス115.4部(ポリオルガノシロキサン(S−1)として30.0部)を、冷却管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに投入した。更に脱イオン水57.5部、n−ブチルアクリレート(BA)39.01部、アリルメタクリレート(AMA)0.99部、キュメインハイドロパーオキサイド(CHP)0.08部を添加、混合した。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行ない、60℃まで昇温した。液温が60℃となった時点で硫酸第1鉄(Fe)0.0005部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA)0.0015部、L−アスコルビン酸(AH)0.3部及び脱イオン水5.0部の混合液を添加し、重合を開始させた。その後、内温60℃で1時間保持し、重合を完了して複合ゴムのラテックスを得た。
得られた複合ゴムのラテックスに、DBSNa 0.25部、脱イオン水5.0部を添加した。次いで、アクリロニトリル(AN)9.0部、スチレン(St)21.0部、CHP 0.06部の混合液(グラフト単量体成分及び有機過酸化物)を70℃にて2時間かけて滴下した。その後70℃で1時間保持して重合を完了して、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−1)のラテックスを得た。
得られたシリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−1)のラテックスを、アトマイザー式噴霧乾燥機(大川原化工機(株)製、商品名;L−8型スプレードライヤー)を用いて、乾燥用加熱ガスの入口温度140℃及び出口温度65℃で噴霧乾燥してシリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−1)の粉体を得た。重合体(G−1)の粉体に含まれる硫酸塩の量は、粉体100g中に2.22mmolであった。
また、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−1)の粉体の製造に用いた硫酸塩化合物の使用量は、粉体100gに対して2.22mmolであった。
[実施例2〜4]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−2〜G−4)の粉体の製造
用いるポリオルガノシロキサン及び乳化剤の種類を、表2に示すものとした。それ以外は、実施例1と同様にして、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−2〜G−4)の粉体を得た。
重合体(G−2〜G−4)の粉体に含まれる硫酸塩の量、及び硫酸塩化合物の使用量を表2に示す。
尚、表2に記載の「A−500」は、花王(株)製のノニオン系乳化剤(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、商品名;エマルゲンA−500)を示す。
[実施例5]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−5)の粉体の製造
製造例2で得られたポリオルガノシロキサン(S−2)のラテックス115.4部(ポリオルガノシロキサン(S−2)として30.0部)を、冷却管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに投入した。更に脱イオン水57.5部、BA 39.01部、AMA 0.99部を添加し、混合した。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行ない、70℃まで昇温した。液温が70℃となった時点で4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)(和光純薬工業(株)製、商品名;V−501)0.07部及び脱イオン水5.0部の混合液を添加し、重合を開始させた。その後、内温70℃で1時間保持し、重合を完了して複合ゴムのラテックスを得た。
得られた複合ゴムのラテックスに、V−501 0.006部、A−500 2.0部、脱イオン水5.0部を添加した。次いで、AN 9.0部及びSt 21.0部のグラフト単量体成分を70℃にて2時間かけて滴下した。その後70℃で1時間保持して重合を完了して、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−5)のラテックスを得た。
得られたシリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−5)のラテックスを用い、実施例1と同様にして噴霧乾燥を行ない、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−5)の粉体を得た。
重合体(G−5)の粉体に含まれる硫酸塩の量、及び硫酸塩化合物の使用量を表2に示す。
[実施例6〜13]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−6〜G−13)の粉体の製造
用いるポリオルガノシロキサン、開始剤及び乳化剤の種類及び量を、表2に示すものとした。それ以外は、実施例5と同様にして、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−6〜G−13)の粉体を得た。
重合体(G−6〜G−13)の粉体に含まれる硫酸塩の量、及び硫酸塩化合物の使用量を表2に示す。
[実施例14]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−14)の粉体の製造
製造例3で得られたポリオルガノシロキサン(S−3)のラテックス115.4部(ポリオルガノシロキサン(S−3)として30.0部)を、冷却管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに投入した。更に脱イオン水57.5部、BA 39.01部、AMA 0.99部、CHP 0.08部を添加、混合した。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行ない、60℃まで昇温した。液温が60℃となった時点でFe 0.0005部、EDTA 0.0015部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.2部及び脱イオン水5.0部の混合液を添加し、重合を開始させた。その後、内温60℃で1時間保持し、重合を完了して複合ゴムのラテックスを得た。
得られた複合ゴムのラテックスに、DBSNa 0.25部、脱イオン水5.0部を添加した。次いで、AN 9.0部、St 21.0部、CHP 0.06部の混合液(グラフト単量体成分及び有機過酸化物)を70℃にて2時間かけて滴下した。その後70℃で1時間保持して重合を完了して、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−14)のラテックスを得た。
得られたシリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−14)のラテックスを用い、実施例1と同様にして噴霧乾燥を行ない、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−14)の粉体を得た。
重合体(G−14)の粉体に含まれる硫酸塩の量、及び硫酸塩化合物の使用量を表2に示す。
Figure 0005433421
尚、表2に記載の略号は以下のものを示す。
tBH:t−ブチルハイドロパーオキサイド
PV :t−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製、商品名;パーブチルPV)
VA−044:2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩(和光純薬工業(株)製、商品名;VA−044)
VA−057:2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシメチル)−2−メチルプロピオナミジン]ハイドレート(和光純薬工業(株)製、商品名;VA−057)
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名;V−65)
MMA :メチルメタクリレート。
[比較例1〜3]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−15〜G−17)の粉体の製造
用いるポリオルガノシロキサンの種類を、表3に示すものとした。それ以外は、実施例14と同様にして、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−15〜G−17)の粉体を得た。
重合体(G−15〜G−17)の粉体に含まれる硫酸塩の量、及び硫酸塩化合物の使用量を表3に示す。
[比較例4]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−18)の粉体の製造
比較例1と同様にして、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−18)のラテックスを得た。
得られたシリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−18)のラテックスを、硫酸アルミニウム2.5部を含む熱水200部中に滴下し、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−18)のラテックスを凝固した。得られた凝固物を分離、洗浄し、65℃で12時間乾燥処理してシリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−18)の粉体を得た。
重合体(G−18)の粉体に含まれる硫酸塩の量、及び硫酸塩化合物の使用量を表3に示す。
[実施例15]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−19)の粉体の製造
製造例2で得られたポリオルガノシロキサン(S−2)のラテックス298.5部(ポリオルガノシロキサン(S−2)として80.0部)を、冷却管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに投入した。更に脱イオン水4.8部、AMA 5.0部を添加、混合した。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行ない、70℃まで昇温した。液温が70℃となった時点でVA−057 0.06部及び脱イオン水5.0部の混合液を添加し、重合を開始させた。その後、内温70℃で1時間保持し、重合を完了した。
次いで、VA−057 0.6部、脱イオン水5.0部を添加した。更に、メチルメタクリレート(MMA)13.5部、BA 1.5部の混合液(グラフト単量体成分)を70℃にて1時間かけて滴下した。その後70℃で1時間保持して重合を完了して、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−19)のラテックスを得た。
得られたシリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−19)のラテックスを用い、実施例1と同様にして噴霧乾燥を行ない、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−19)の粉体を得た。
重合体(G−19)の粉体に含まれる硫酸塩の量、及び硫酸塩化合物の使用量を表3に示す。
[比較例5]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−20)の粉体の製造
製造例5で得られたポリオルガノシロキサン(S−5)のラテックス298.5部(ポリオルガノシロキサン(S−5)として80.0部)を、冷却管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに投入した。更に脱イオン水9.8部、AMA 5.0部、tBH 0.11部を添加、混合した。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行ない、60℃まで昇温した。液温が60℃となった時点でFe 0.0005部、EDTA 0.0015部、SFS 0.3部及び脱イオン水5.0部の混合液を添加し、重合を開始させた。その後、内温60℃で1時間保持し、重合を完了した。
次いで、MMA 13.5部、BA 1.5部、tBH 0.16部の混合液(グラフト単量体成分及び有機過酸化物)を70℃にて1時間かけて滴下した。その後70℃で1時間保持して重合を完了して、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−20)のラテックスを得た。
得られたシリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−20)のラテックスを用い、実施例1と同様にして噴霧乾燥を行ない、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−20)の粉体を得た。
重合体(G−20)の粉体に含まれる硫酸塩の量、及び硫酸塩化合物の使用量を表3に示す。
[実施例16]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−21)の粉体の製造
製造例7で得られたポリオルガノシロキサン(S−7)のラテックス299.6部(ポリオルガノシロキサン(S−7)として80.0部)を、冷却管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに投入した。更に脱イオン水2.4部を添加、混合した。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行ない、70℃まで昇温した。液温が70℃となった時点で、V−501 0.1部及び脱イオン水5.0部の混合液を添加し、MMA 19.5部、BA 0.5部の混合液(グラフト単量体成分)を1時間かけて滴下した。その後70℃で1時間保持して重合を完了して、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−21)のラテックスを得た。
得られたシリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−21)のラテックスを用い、実施例1と同様にして噴霧乾燥を行ない、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−21)の粉体を得た。
重合体(G−21)の粉体に含まれる硫酸塩の量、及び硫酸塩化合物の使用量を表3に示す。
[比較例6]シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−22)の粉体の製造
製造例5で得られたポリオルガノシロキサン(S−5)のラテックス299.6部(ポリオルガノシロキサン(S−5)として80.0部)を、冷却管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに投入した。更に脱イオン水2.4部を添加、混合した。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行ない、60℃まで昇温した。液温が60℃となった時点で、Fe 0.001部、EDTA 0.003部、SFS 0.24部及び脱イオン水5.0部の混合液を添加した。次いで、MMA 19.5部、BA 0.5部、CHP 0.2部の混合液(グラフト単量体成分及び有機過酸化物)を60℃にて1時間かけて滴下した。その後60℃で1時間保持して重合を完了して、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−22)のラテックスを得た。
得られたシリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−22)のラテックスを用い、実施例1と同様にして噴霧乾燥を行ない、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−22)の粉体を得た。
重合体(G−22)の粉体に含まれる硫酸塩の量、及び硫酸塩化合物の使用量を表3に示す。
Figure 0005433421
[実施例17〜29、比較例7〜11]
シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体、及びPC樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名;ユーピロンS−2000F、粘度平均分子量24,000)を、表4及び表5に記載の比率で配合した。該配合物を、30mmΦ二軸押出機(L/D=30)を用いてシリンダー温度280℃及びスクリュー回転数200rpmで溶融混合して熱可塑性樹脂組成物を得た。次いで、この熱可塑性樹脂組成物をペレット状に賦形した。
得られたペレットを80℃で12時間乾燥した後、100t射出成形機(住友重機(株)製、商品名;SE−100DU)に供給し、シリンダー温度280℃及び金型温度80℃で射出成形を行なった。JIS K7152に準じてファミリー金型を用い、シャルピー衝撃試験用の試験片(ノッチあり)を得た。ペレット及び試験片を用いた各種評価結果を表4及び表5に示す。
Figure 0005433421
Figure 0005433421
[実施例30、比較例12]
シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体、PC樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名;ユーピロンS−2000F、粘度平均分子量24,000)、及びAS樹脂(UMG ABS(株)製、商品名;AP−H)を、表6に記載の比率で配合した。該配合物を、30mmΦ二軸押出機(L/D=30)を用いてシリンダー温度260℃及びスクリュー回転数200rpmで溶融混合して熱可塑性樹脂組成物を得た。次いで、この熱可塑性樹脂組成物をペレット状に賦形した。
得られたペレットを80℃で12時間乾燥した後、100t射出成形機(住友重機(株)製、商品名;SE−100DU)に供給し、シリンダー温度260℃及び金型温度80℃で射出成形を行なった。JIS K7152に準じてファミリー金型を用い、シャルピー衝撃試験用の試験片(ノッチあり)を得た。ペレット及び試験片を用いた各種評価結果を表6に示す。
Figure 0005433421
[実施例31、比較例13〜14]
シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化(株)製、商品名;アデカレジンEP−4100E)、及びテトラヒドロメチル無水フタル酸(旭電化(株)製、商品名;アデカハードナーEH−3326)を、表7に記載の比率で配合し、3本ロールで混練して樹脂組成物を得た。次いで、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール0.5部を添加し、更に撹拌混合して、熱硬化性樹脂組成物を得た。
得られた熱硬化性樹脂組成物をガラスセルに充填し、80℃で2時間、120℃で6時間加熱し、硬化させて、厚さ3mmのシート状成形体を得た。シート状成形体を切断し、各種試験用試験片を作成した。
シート状成形体を用いた各種評価を表7に示す。
Figure 0005433421
表4から明らかなように、実施例17〜28の熱可塑性樹脂組成物は、比較例7の熱可塑性樹脂組成物と比較して、−30℃でのシャルピー衝撃強度が良好であった。
実施例17〜28の熱可塑性樹脂組成物は、比較例8〜10の熱可塑性樹脂組成物と比較して、湿熱処理後のMFRの増加率が小さく、耐加水分解性が良好であった。また、熱安定性も優れており、30分滞留後のストランドの着色はほとんど見られなかった。シャルピー衝撃強度も良好であり、特に−30℃における強度が良好であった。
比較例10の熱可塑性樹脂組成物は、シリコーン系重合体含有ビニル重合体(G−18)のラテックスを、硫酸アルミニウムを用いた凝固法で回収した粉体を配合したものである。湿熱処理後のMFRの増加が著しく大きく、ΔMFRは測定できなかった。また、熱安定性も低く、ΔMFRは測定できなかった。
表5から明らかなように、実施例29の熱可塑性樹脂組成物は、比較例11の熱可塑性樹脂組成物と比較して、耐加水分解が良好であった。また、熱安定性も優れており、30分滞留後のストランドの着色はほとんど見られなかった。
表6から明らかなように、実施例30の熱可塑性樹脂組成物は、比較例12の熱可塑性樹脂組成物と比較して、シャルピー衝撃強度はほぼ同等であるが、熱安定性が優れており、30分滞留後のストランドの着色はほとんど見られなかった。
表7から明らかなように、実施例31の熱硬化性樹脂組成物は、比較例13の熱硬化性樹脂組成物と比較して、アイゾット衝撃強度、難燃性が良好であった。また、比較例14の熱硬化性樹脂組成物と比較して、実施例31の熱硬化性樹脂組成物は、アイゾット衝撃強度、難燃性はほぼ同等であるが、吸水率、電気特性に優れていた。
この出願は、2008年8月29日に出願された日本出願特願2008−221994、2008年10月16日に出願された日本出願特願2008−267633及び2009年6月12日に出願された日本出願特願2009−141602を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。

Claims (8)

  1. シリコーン系重合体のラテックスの存在下でビニル単量体を重合して得られた、シリコーン系重合体含有ビニル重合体のラテックスを噴霧乾燥する、シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体の製造方法であって、
    シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体100g中に含まれる硫酸塩の量が3.0mmol以下である、シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体の製造方法。
  2. シリコーン系重合体が、トルエン不溶分20質量%以上のポリオルガノシロキサンである、請求項1に記載の、シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体の製造方法。
  3. シリコーン系重合体が、質量平均分子量15,000以上のポリオルガノシロキサンである、請求項1に記載の、シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体の製造方法。
  4. シリコーン系重合体が、ポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートを含有する複合ゴムである、請求項1に記載の、シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体の製造方法。
  5. シリコーン系重合体含有ビニル重合体のラテックスが、シリコーン系重合体のラテックスの存在下で、過酸化物、有機過酸化物及びアゾ系開始剤から選ばれる1種以上の重合開始剤を用いてビニル単量体を重合して得られたものである、請求項1に記載の、シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法で得られた、シリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体。
  7. 請求項6に記載のシリコーン系重合体含有ビニル重合体の粉体及び樹脂を含む樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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