JP5433287B2 - 高濃度ホウ酸化合物溶液及びその調合方法 - Google Patents
高濃度ホウ酸化合物溶液及びその調合方法 Download PDFInfo
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ホウ酸化合物をアルコキシシラン化合物及び加水分解可能な有機金属化合物と有機溶剤存在下で反応させることにより前記ホウ酸化合物をホウ酸換算で13.6重量%以上溶解する工程を有し、
前記ホウ酸化合物は、ホウ酸、メタホウ酸、ポリホウ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上のホウ酸化合物であり、前記アルコキシシラン化合物は下記構造式(1)又は(2)で示されるものであり、前記加水分解可能な有機金属化合物は金属アルコキシドであり、前記有機溶剤は前記アルコキシシラン化合物と前記金属アルコキシドを溶解するものであることを特徴とする、高濃度ホウ酸化合物溶液調合方法。
(式(1)において、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、それぞれ同一又は異なってもよい、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、nは1〜10である。)
(式(2)において、R 5 、R 6 及びR 7 は、それぞれ同一又は異なってもよい、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、R 8 はこれらの基内にハロゲン原子又はエポキシ基を含んでもよい、炭素数が1〜10のアルキル基、アルケニル基又はフェニル基であり、nは1〜10である。)
<反応式1>
(1)(RO)3Ti−OR+HO−B(OH)2→
(RO)3Ti−O−B(OH)2+ROH
<反応式2>
(2)(RO)3Ti−O−B(OH)2+RO−Si(OR)3→
(RO)3Ti−O−B(OH)−O−Si(OR)3+ROH
Si(OR)4 (3)
R9Si(OR)3 (4)
(R9)2Si(OR)2 (5)
ここで、Si−OR結合は加水分解する結合であり、Si−R9結合は加水分解せず分子内に残る結合である。
100mlポリエチレン容器に、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−13。単量体。分子量136。3官能シラン)13.6g(Siとして0.10モル)、エタノール30.0g、及びチタニウムテトラプロポキシド(日本曹達株式会社製、A−1。分子量284)2.8g(Tiとして0.010モル)を加え十分に攪拌した。次に、ホウ酸(関東化学株式会社製、分子量62)9.3g(Bとして0.15モル)を加え、室温にて十分に攪拌した。撹拌後約50分でホウ酸の白色固体がほぼ消滅したが、容器の底にわずかに固体の存在が確認されたため、容器全体を約60℃の温水に浸けたところ、約1分で完全に固体が溶解した。この時の溶液の比率はモル比で、Si/Ti/B=1.0/0.1/1.5であり、溶液中のホウ酸の濃度は、約16.7重量%であった。
実施例1と同様にして、表1に示す組成で実施例2〜9を行った。なお、実施例2〜9では加温処理は行わなかった。
アルコキシシランをテトラメトキシシラン縮合体(多摩化学工業株式会社製、MS−51。平均重合度3.9量体。4官能シラン)とした以外、実施例1と同様にして表1に示す組成で実施例10〜11を行った。
金属アルコキシドをジルコニウムテトラ−n−ブトキシド(関東化学株式会社製、分子量384)とした以外、実施例1と同様にして表1に示す組成で実施例12〜14を行った。なお、実施例12では溶剤をイソプロピルアルコールとし、加温処理は行わなかった。
メチルトリメトキシシラン13.6g(Siとして0.10モル)、エタノール30.0g、及びチタニウムテトラプロポキシド2.8g(Tiとして0.010モル)を加え室温にて十分に攪拌した。しかし24時間経過後も、溶液の粘度変化等は認められなかった。
メチルトリメトキシシラン13.6g(Siとして0.10モル)、エタノール30.0g、及びホウ酸6.2g(Bとして0.10モル)を加え十分に攪拌した。しかし24時間経過後も、ホウ酸の白色固体はそのまま残っており、溶液の粘度変化等は認められなかった。
チタニウムテトラプロポキシド2.8g(Tiとして0.010モル)にエタノール30.0gを加え十分に攪拌した。次に、ホウ酸6.2gを加え、室温にて十分に攪拌した。ホウ酸添加直後に溶液は白濁ゲル状になった。24時間経過後もゲル状態のままであり、一部白色固体が存在したままであった。
実施例1〜9と同様にしてSi/Ti/Bの比率(モル比)を変え溶液を調合した。結果を表2に示す。
実施例10〜11と同様にしてSi/Ti/Bの比率(モル比)を変え溶液を調合した。結果を表2に示す。
評価結果を表1(実施例)及び表2(比較例)に示す。ここで、結果の表記としては、
○;ホウ酸が完全に溶解し、室温で24時間放置しても、固体の析出や溶液のゲル化が起きなかった。
△;ホウ酸が完全に溶解したが、室温で放置すると24時間以内に、固体の析出や溶液のゲル化が起きた。
×;ホウ酸の一部しか溶解しなかった。もしくは、ホウ酸が完全に溶解したが、溶液が冷えると間も無く固体が析出した。
−;ほとんど反応しなかった。
また、評価としては、溶解後室温放置で24時間以上安定な溶液(評価結果:○)を成功例として、実施例に記載した。それ以外の場合(評価結果:△、×、−)は比較例として記載した。
なお、表1及び表2中における略記の示す化合物は、以下のとおりである。
MTMS:メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−13。単量体。分子量136。3官能シラン)
MS−51:テトラメトキシシラン縮合体(多摩化学工業株式会社製、MS−51。平均重合度3.9量体。4官能シラン)
Ti(OPr)4:チタニウムテトラプロポキシド(日本曹達株式会社製、A−1。分子量284)
Zr(OBu)4:ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド(関東化学株式会社製、分子量384)
EtOH:エタノール
IPA:イソプロピルアルコール
Claims (4)
- ホウ酸化合物をアルコキシシラン化合物及び加水分解可能な有機金属化合物と有機溶剤存在下で反応させることにより前記ホウ酸化合物をホウ酸換算で13.6重量%以上溶解する工程を有し、
前記ホウ酸化合物は、ホウ酸、メタホウ酸、ポリホウ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上のホウ酸化合物であり、前記アルコキシシラン化合物は下記構造式(1)又は(2)で示されるものであり、前記加水分解可能な有機金属化合物は金属アルコキシドであり、前記有機溶剤は前記アルコキシシラン化合物と前記金属アルコキシドを溶解するものであることを特徴とする、高濃度ホウ酸化合物溶液調合方法。
(式(1)において、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、それぞれ同一又は異なってもよい、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、nは1〜10である。)
(式(2)において、R 5 、R 6 及びR 7 は、それぞれ同一又は異なってもよい、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、R 8 はこれらの基内にハロゲン原子又はエポキシ基を含んでもよい、炭素数が1〜10のアルキル基、アルケニル基又はフェニル基であり、nは1〜10である。) - 前記金属アルコキシドは、チタニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド及びアルミニウムアルコキシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属アルコキシドである、請求項1に記載の高濃度ホウ酸化合物溶液調合方法。
- ホウ酸化合物とアルコキシシラン化合物のモル比を1:1とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の高濃度ホウ酸化合物溶液調合方法。
- ホウ酸、メタホウ酸、ポリホウ酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上のホウ酸化合物とアルコキシシラン化合物と加水分解可能な有機金属化合物とが有機溶剤存在下で反応して金属−酸素−ホウ素−酸素−ケイ素結合を生成してホウ酸化合物がホウ酸換算で13.6重量%以上溶解しており、
前記アルコキシシラン化合物は下記構造式(1)又は(2)で示されるものであり、前記加水分解可能な有機金属化合物は金属アルコキシドであり、前記有機溶剤は前記アルコキシシラン化合物と前記金属アルコキシドを溶解するものであることを特徴とする、高濃度ホウ酸化合物溶液。
(式(1)において、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、それぞれ同一又は異なってもよい、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、nは1〜10である。)
(式(2)において、R 5 、R 6 及びR 7 は、それぞれ同一又は異なってもよい、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基であり、R 8 はこれらの基内にハロゲン原子又はエポキシ基を含んでもよい、炭素数が1〜10のアルキル基、アルケニル基又はフェニル基であり、nは1〜10である。)
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