JP5431991B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
球タンクの底面は、長手方向の一端が高く、他端が低い傾斜状をなし、供給領域に供給される球が放出口に向けて流れるようになっている。
そして、遊技機の後側には、球タンクの下方に位置し、かつ球タンクの放出口から放出された球を球払出装置の球通路に導く傾斜状のタンクレールが配置される。
前記したような構造をもつ球タンクにおいて、球タンク内が空の状態あるいは空に近い状態となり、球タンクの供給領域に対し、島設備の球供給路から短時間の間に大量の球が供給されると、その大量の球が放出口に向けて一斉に流れる。そして、放出口近傍において、ブリッジ現象によって球詰まりが発生する場合がある。
また、球タンク内に大量の球が貯留され満杯、あるいは満杯に近い状態にある場合においても、大量の球の球圧が球タンクの放出口近傍の球に作用し、ブリッジ現象によって球詰まりが発生する場合がある。
このような球詰まりを軽減するために、例えば、放出口近傍に突出体(球崩しと呼ばれることもある)を形成したものがある。
さらに、突出体に加え、球タンクの底面の長手方向に延び、かつ球の半径寸法よりも小さい段差高さをもって段差部を形成し、下段傾斜面を流れる球の中心高さと上段傾斜面を流れる球の中心高さとをずらしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このため、球タンク内が空の状態あるいは空に近い状態となり、球タンクの供給領域に対し、島設備の球供給路から短時間の間に大量の球が供給されると、その大量の球が、下段傾斜面を流れて放出口に一斉に向かい、放出口近傍において、ブリッジ現象によって球詰まりが発生する場合がある。
また、球タンク内に大量の球が貯留され満杯、あるいは満杯に近い状態にある場合においても、下段傾斜面上に存在する大量の球の球圧が、放出口近傍の球に作用し、ブリッジ現象によって球詰まりが発生する場合があり、球詰まりの防止効果が小さい。
「遊技盤装着枠に遊技盤が装着される遊技機の後上部に、多数の球が貯留可能な容積をもつ球タンクと、その球タンクに連通するタンクレールが装着された遊技機であって、
前記球タンクは、上方に開口する横長方形の箱形状に形成されると共に底面の長手方向の一端寄り部分に、島設備の球供給路から球が供給される供給領域が設定され、
前記球タンクの底面には、前記供給領域から遠ざかる一角部又はその近傍位置に前記タンクレールに向けて球を放出する横長四角形の放出口が形成され、
さらに前記球タンクの底面には、前記放出口近傍の角部と対角部をなす近傍から前記放出口の短辺に至る斜めの線を境界谷部とし、かつ前記底面の周縁部から前記境界谷部に向けて下傾するとともに、対角部側が高く放出口側が低い傾斜状をなす第1、第2の傾斜面が形成され、
前記第1、第2の傾斜面のうち、前記供給領域の中心部が存在する第1の傾斜面には、前記放出口と前記供給領域との間に位置しかつ前記球タンクの壁部から前記境界谷部に向けて該境界谷部に入って流下する球が接触する状態に突設され、その接触により該境界谷部を流下する球を前記第2の傾斜面に移動させる突出体が設けられ、
さらに該突出体と前記放出口の短辺との間に球が流下可能な空間が設けられていることを特徴とする遊技機。」を要旨とするものである。
また、一部の球は、一方の傾斜面の突出体の当接面に当接した後、その当接面から跳ね返ったり、あるいは当接面に沿って流れ、境界谷部を通過する。そして、境界谷部を通過した球は、速度を遅めながら他方の傾斜面を上り、その後、他方の傾斜面を流下して放出口からタンクレールに放出される。
このため、球タンクの一方の傾斜面上に存在する供給領域に対し、短時間の間に大量の球が供給されたとしても、その球が放出口に一斉に向かって流れることがない。このため、放出口近傍におけるブリッジ現象によって球詰まりの発生を良好に防止することができる。
また、球タンク内に大量の球が貯留され満杯、あるいは満杯に近い状態にある場合、その大量の球の一部が突出体の当接面に当接して受け止められる。すなわち、球タンク内に貯留された大量の球が突出体の当接面によって軽減される。
このため、大量の球の球圧が、放出口近傍の球に集中して作用することを防止することができ、ブリッジ現象による球詰まりの発生を良好に防止することができる。
また、球タンク内の大量の球の球圧を、突出体の当接面によって軽減することで、この分だけ、タンクレール内の球に作用する球圧においても軽減することができる。
ひいては、タンクレール内の球が上下に重なり合い、その上層部の球がタンクレールの後壁からこぼれ落ちることを防止することができる。
言い換えると、タンクレールの後壁の高さ寸法を小さく抑えることができ、この分だけ、遊技機後側に対するタンクレールの配置高さを高く設定して、そのタンクレールの下方に対し、他の部材、装備品等を配置するスペースを確保することができる。
「請求項1に記載の遊技機であって、
球タンクの底面に形成される放出口は、前記底面の後角部に配置され、
タンクレールの後壁は、前記球タンクの後壁と略同一面をなし、同タンクレールの前壁と遊技盤の後面との間に空間部が設けられていることを特徴とする遊技機。」としてもよい。
「請求項1又は2に記載の遊技機であって、
球タンクの放出口側に位置する部分において、タンクレールの後壁の上端が球タンクの後壁の下端に当接又は近接して配置されていることを特徴とする遊技機。」としてもよい。
「請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技機であって、
突出体は、供給領域側が低く、放出口側が高い階段状に形成され、
前記突出体の下段及び上段の立壁部には球を境界谷部の方向に誘導する下段当接面と上段当接面とが形成され、
前記下段当接面と上段当接面は、球の半径寸法よりも大きい高さ寸法を有していることを特徴とする遊技機。」としてもよい。
さらに、球タンク内の球が満杯に近い状態から減少する過程において、まず、上段当接面に受け止められた球が放出口に流れた後、下段当接面に受け止められた球が放出口に流れるため、球の流れが円滑化する。
また、球タンク内の大量の球の球圧を、突出体によって軽減することができ、この分だけ、タンクレール内の球に作用する球圧においても軽減することができる。
このため、大量の球の球圧が、放出口近傍の球に集中して作用することを防止することができ、ブリッジ現象による球詰まりの発生を良好に防止することができる。
図1は遊技機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側にガラス扉が開かれた状態を示す斜視図である。図2は遊技機の前側全体を示す正面図である。図3は遊技機の後側全体を示す背面図である。図4は遊技機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。図5は遊技機の本体枠を斜め左上前方から示す斜視図である。図6は遊技機の後側上部を拡大して示す部分背面図である。図7は図6のVII−VII線に基づく側断面図である。図8は図6のVIII−VIII線に基づく側断面図である。図9は本体枠の機構装着部の上隅部に形成された階段状装着部に端子基板が装着された状態を拡大して示す平断面図である。図10は図6のX−X線に基づく側断面図である。図11は階段状装着部に端子基板が装着された状態を拡大して示す縦断面図である。図12は端子基板装着部としての階段状装着部の上段及び下段の各垂直装着部に端子基板がそれぞれ装着された状態を示す斜視図である。なお、説明の便宜上、遊技機において遊技者側を前、反対側を後として説明する。
図1〜図3に示すように、遊技機としてのパチンコ機は、外枠10、本体枠30、遊技盤40、ガラス扉130等を備えて構成されている。
外枠10は、上下左右の各枠材によって縦長の四角枠状に形成され、その外枠10の前面の一側(片側)には、本体枠開閉用ヒンジ機構20によって本体枠30が前方に開閉可能に装着されている。
本体枠30は、合成樹脂材によって一体に形成されるとともに、図4に示すように、その前側に遊技盤装着部31が後側に機構装着部160がそれぞれ形成されている。これによって、本体枠30は、従来の前枠(内枠、前面枠等と呼ばれることがある)と、機構板(裏機構板、裏セット板等と呼ばれることがある)との機能を兼ね備えている。
また、本体枠30には、その本体枠開閉用ヒンジ機構20と反対側(自由端側)の後側において、外枠10に設けられた係止具に係脱可能に係合して本体枠30を閉じ状態に施錠する本体枠施錠フック145が配設されている。
また、遊技盤装着枠33の一側内壁面の上下部2箇所には、後面受け部34との間に遊技盤40の一側部が差し込み可能な間隔を隔てて前面押え部35が形成されている。
また、図5に示すように、遊技盤装着枠33の他側内壁面の上下部2箇所には、遊技盤40のロック部材50に対応する係止溝36が形成されている。
また、遊技盤装着枠33の他側部近傍には、本体枠30側と遊技盤40側とを電気的に接続するための本体側コネクタ37が設置されている。
また、遊技盤装着枠33の下側部には、遊技盤40の前面下部を遊技盤装着枠33の後面受け部34に押さえ付けて緊締するターンバックル形式の緊締具60が装着されている。
図1と図4に示すように、遊技盤40は、遊技盤装着部31の遊技盤装着枠33に嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている。遊技盤40の盤面(前面)には、外レール42と内レール43とを備えた案内レール41が設けられ、その案内レール41の内側に遊技領域44が区画形成されている。
遊技盤40には、その遊技領域44内において、遊技に関する役物装置、例えば、センタ役物と呼ばれる役物装置46、図柄表示装置48、入賞装置等の役物装置や風車器、誘導釘、ランプ装飾部材等の各種の装備品が配設されている。これら各種の装備品のうち、所定の装備品の後部、この実施例では、役物装置46の役物本体47の後部47aが遊技盤40の後側に突出して配設される(図3、図6及び図7参照)。
また、図4に示すように、遊技盤40の前面には、その案内レール41の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材40aが装着されている。
そして、役物本体47は、遊技盤40の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、同役物本体47の後部47a及び図柄表示装置48の図柄制御基板ボックス48aは遊技盤40の後側に突出して配設されている(図3、図6及び図7参照)。
そして、遊技盤40(前構成部材40aを含む)は、その左右の一側部が遊技盤装着枠33の後面受け部34と前面押え部35との間に差し込まれ、ロック部材50の先端のロック部51が遊技盤装着枠33の係止溝36に差し込まれて係合されることで本体枠30の遊技盤装着部31に装着されるようになっている(図1参照)。
また、副制御基板ボックス90に対し主制御基板ボックス80は、その一側(図13に向かって右側)において、垂直方向のヒンジピンとヒンジ孔とを有するヒンジ機構85によって水平方向(垂直方向の軸線回り)に回動可能に支持されてる。
図13と図14に示すように、主制御基板ボックス80のベース体とカバー体との間には、カバー体を閉じ状態に封印する第1の封印手段としての封印ねじを有する複数の封印部82が設けられている。
また、遊技盤40の後側に対し後カバー体70、副制御基板ボックス90及び主制御基板ボックス80がそれぞれ装着された状態において、本体枠30の遊技盤装着部31の前側からその遊技盤装着枠33内に遊技盤40を嵌込んで装着できるように、遊技盤40の外郭から外側にはみ出すことなく、後カバー体70、副制御基板ボックス90及び主制御基板ボックス80が配置されている。
この第2の封印手段は、後カバー体70に対し副制御基板ボックス90を間に挟んで主制御基板ボックス80を結束する結束ベルト86を主体して構成されている。
すなわち、結束ベルト86は、市販のものを用いることが可能であり、筒状をなし、かつ筒内に弾性変形可能なロック爪を有する本体部87と、その本体部87から一体に延出された長尺ベルト状をなすベルト部88とを備えている。また、ベルト部88の一側面の長手方向には、ロック爪に対応する複数のロック歯が形成されている。
また、結束ベルト86において、本体部87のロック爪とベルト部88の複数のロック歯は、ベルト部88の締め付け方向の移動は許容し反対方向(緩む方向)への移動は阻止する、いわゆるワンウエーの噛み合い構造を有している。
そして、図13と図14に示すように、ベルト部88が両掛止部79、89の挿通孔に跨って挿通された後、そのベルト部88が本体部87の筒内に挿通された状態で同ベルト部88の先端部が引張されることによって、ベルト部88の複数のロック歯のうち、適宜のロック歯がロック爪に係合する。これによって、後カバー体70に対し副制御基板ボックス90を間に挟んで主制御基板ボックス80が結束されかつ封印されるようになっている。
この結果、封印部82とロック部材86との一方の破損状態を確認することによって、主制御基板ボックス80のベース体に対しカバー体が不測に開放されたことを認識することができ、不正行為の発見がし易くなる。
また、第2の封印手段として結束ベルト86を採用することによって、封印作業がし易くなるとともに、市販の結束ベルト86を用いることが可能であり、封印コストが安価となる。
例えば、ボックス装着体に対し、第1の封印手段としての封印部を有する基板ボックスが、その一側において回動可能に装着され、そのボックス装着体と基板ボックスとの自由端側に、第2の封印手段としての結束ベルト86を採用することができる。
図4と図5に示すように、本体枠30前面の遊技盤装着部31よりも下方に位置する下部領域の一側よりにはスピーカボックス部が一体に形成され、そのスピーカボックス部の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板107が装着されている。そして、スピーカ装着板107にはスピーカ109が装着されている。
また、図4と図5に示すように、本体枠30の前面の下部領域の他側寄り上部には、遊技盤40の発射通路に向けて球を導く発射レール100が傾斜状に装着されている。
また、図4に示すように、本体枠30の前面の下部領域の前側には、その下部領域全体を覆うようにして下部前面板110が装着されている。下部前面板110の前面の略中央部には、下皿111が設けられ、片側寄りには操作ハンドル115が設けられている。
図1と図2に示すように、本体枠30の前面の片側には、同本体枠30の上端から下部前面板110にわたる部分を覆うようにしてガラス扉130が扉開閉用ヒンジ機構120によって前方に開閉可能に装着されている。ガラス扉130のヒンジ機構と反対側に自由端側の後側には、本体枠30に設けられた扉施錠フック141に係脱可能に係合してガラス扉130を閉じ状態に施錠する係止部(図示しない)が設けられている。
また、ガラス扉130には、遊技盤40の遊技領域44を前方から透視可能な開口窓を構成する窓枠132が設けられ、その窓枠132にはガラス板、透明樹脂板等の透明板133が装着されている。
また、ガラス扉130の前面の開口窓を除く略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同ガラス扉130の前面の下部には上皿136が形成されている(図2参照)。
遊技機の所定位置には、主制御基板ボックス80の主制御基板、副制御基板ボックス90の副制御基板等の制御基板、枠制御基板ボックス234の枠制御基板等の制御回路を有する制御基板と異なる複数の端子基板を装着するための端子基板装着部を構成する階段状装着部250が一体に形成されている。
すなわち、この実施例においては、図6に示すように、本体枠30の機構装着部160の上隅部(図6において球タンク165の右側に隣接する部分)の近傍に、制御回路を有する制御基板と異なる複数の端子基板としての外部端子基板260と分電基板270とを装着するための階段状装着部250が一体に形成されている。
さらに、階段状装着部250は、遊技盤40の後側に位置するとともに、前後方向にずれて所定高さを隔てる複数の棚部、この実施例では上段、下段の棚部251、255と、これら上段、下段の棚部251、255の奥側(前側)にそれぞれ略垂直状(若干傾斜状をなす状態も含む)をなして立ち上がる上段、下段の垂直装着部252、256とをそれぞれ備えて階段状に形成されている。
また、下段の垂直装着部252は、上段の棚部255の奥行き寸法に相当する分だけ遊技盤40の後側に離隔して設けられている。これによって、遊技盤40の後側と下段の垂直装着部252との間には、後述する1空間部S1及び第2空間部S2にそれぞれ連通する第3空間部S3が形成されている。
また、嵌込み部264の他側には、外部端子基板260の実装面の他側部を弾性的に止着して嵌込み部264に外部端子基板260を保持する弾性係止片266が弾性変形可能に一体に形成されている。
すなわち、外部端子基板260は、その一側部が嵌込み部264と押え片265との間に差し込まれた状態で、弾性係止片266を弾性的に変形させながられ、嵌込み部264に押し込まれることで、外部端子基板260が嵌込み部264に装着されるようになっている。
また、外部端子基板260の実装面の主要部は、基板カバー262によって覆われている。
図11と図12に示すように、基板カバー262の上下部には、下段の垂直装着部252の上下に形成された係合凹部に弾性的に係合する係止爪263が形成されている。そして、下段の垂直装着部252の上下の係合凹部に基板カバー262の係止爪263を弾性的に係合させることで、基板カバー262が装着され、その基板カバー262によって外部端子基板260の実装面の主要部が覆われるようになっている。なお、基板カバー262は合成樹脂材によって形成されその表面には多数の放熱孔が貫設されている。
この実施例において、基板ケース275は、合成樹脂材よりなり、蓋板部276と段差状の周壁部277とを有する一側開口の箱形状に形成されている。
また、図9と図11に示すように、基板ケース275の周壁部277の内壁面には、その段差部278との間に分電基板270の厚さ寸法に相当する距離を隔てて係止爪279が形成されている。そして、基板ケース275にはその開口部から段差部278に向けて分電基板270が挿入され、その段差部278と係止爪279との間に狭持された状態で基板ケース275内に収納されている。
また、この実施例において、図9と図12に示すように、基板ケース275の蓋板部276には、分電基板270の実装面に配設されたヒューズ等の点検・交換等のための点検口が開口されている。そして、点検口には開閉蓋281がその一側の軸部282を支点として開閉可能に装着されている。
また、開閉蓋281の自由端側には点検口の他側縁に係脱可能に係合して開閉蓋281を閉じ状態に保持する係止爪283が形成されている。また、開閉蓋281には、指先が挿入可能な開閉操作用の操作部284が一体に形成されている。
図3と図6に示すように、本体枠30の後側の機構装着部160の上部には多数の球の貯留可能な容積をもつ球タンク165とタンクレール175とが連通状に装着されている。
図7、図15及び図16に示すように、球タンク165は、底板部166と周壁部167とを一体に備えて上方に開口する横長方形の箱形状に形成されている。
球タンク165の底面166の長手方向の一端寄り部分(図15に向かって右端寄り)に、島設備の球供給路から球Bが供給される供給領域Pが設定されている。
球タンク165の底面(底板部)166には、供給領域Pから遠ざかる一角部又はその近傍に位置しかつタンクレール175に向けて球Bを放出する放出口168が形成されている。この実施例では、球タンク165の底面166の後角部に放出口168が形成されている。
球タンク165の底面166には、放出口168近傍の角部と対角部をなす近傍から放出口168に向かう斜めの線を境界谷部166aとし、かつ底面166の周縁部から境界谷部166aに向けて下傾するとともに、対角部側が高く放出口168側が低い傾斜状をなす第1、第2の傾斜面166b、166cが形成されている。
図15と図16に示すように、突出体170は、放出口168と供給領域Pとの間に位置しかつ球タンク165の後壁167a内面から境界谷部166a近傍にわたって存在し、平面形状が略台形、略円弧形、略三角形等に形成されている。
また、突出体170には、供給領域P側に指向して起立しかつ球Bを受け止めてその球Bを境界谷部166aの方向に誘導する立壁状の当接面170aが形成されている。
また、立壁状の当接面170aの高さは、球Bの半径寸法よりも大きい高さ寸法、例えば、球Bの直径寸法の略2、3倍程度の高さ寸法に設定されている。
また、突出体170は、球タンク165を合成樹脂材によって形成すると同時に一体に形成してもよく、球タンク165とは別個に形成してから球タンク165の所定位置にビス等の適宜の取付手段によって取り付けてもよい。
図6と図7に示すように、本体枠30の後側の機構装着部160には、球タンク165の下方に連接してタンクレール175が配置されている。このタンクレール175は、球タンク165の放出口168から放出された球Bを受け、その球Bを機構装着部160の片側(図6に向かって右側)の上下方向に配置された球払出装置210の球通路210aに誘導するものであり、放出口168側が高く球払出装置210側が低い傾斜状をなしている。
この実施例において、図7に示すように、機構装着部160の一部にタンクレール175の前壁175aとレール受け部175bとが横断面略L字状をなして一体に形成され、当該部分にレール構成体176が装着されることによってタンクレール175が構成されるようになっている。
レール構成体176は、タンクレール175の後壁176aと、レール受け部175b上に支持されるレール部176bと、を一体に備えて横断面逆L字状に形成され、そのレール部176b上には、レール方向に延びる仕切壁176cが突設され、これによって前後2列のレール通路が区画形成されている。
また、この実施例において、タンクレール175の後壁176aは、球タンク165の後壁167aと略同一面をなしている。
言い換えると、球タンク165の後壁167aに対しタンクレール175の後壁176aが略同一面となる位置までタンクレール175が遊技盤40の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤40の後面とタンクレール175の前壁175aとの間に役物装置46の役物本体47の後部47aとの干渉を避けるための第1空間部S1が設けられるようになっている。
また、この実施例において、図6と図7に示すように、球タンク165の放出口168側に位置する部分において、タンクレール175の後壁176aの上端が球タンク165の後壁167aの下端に当接又は近接して配置されている。
図6と図17に示すように、本体枠30の後側の機構装着部160の一部にはタンクレール175の上方において同タンクレール175の上流側が高く下流側が低い傾斜状をなす天井部180が形成されている。この天井部180の所定位置(タンクレール175の前後2列のレール通路の下流側寄り部分に対応する位置)には上方に向けて凹まされた整流体装着用凹部181が形成されている。
整流体装着用凹部181には、前後一対の整流体190(球ならし体とも呼ばれることがある)が、その各上端部において共通の軸191を中心としてそれぞれ揺動可能に装着されている。これら一対の整流体190は、自重によって略垂下状をなすようにその下部には球等の単数又は複数の錘192がそれぞれ設けられている。そして、一対の整流体190の下端部はタンクレール175の前後2列のレール通路の上方に各1つの球Bがそれぞれ通過可能な空間を隔てて臨んでいる。これによって、タンクレール175の前後2列のレール通路を流れる球Bが上下に段積み状態となって流れたときには、その上段の球Bが整流体190によってならされるようになっている。
言い換えると、タンクレール175の前後2列のレール通路を流れる球Bが上下に段積み状態となることを前後一対の整流体190によって防止することで、その整流体190の下流側においては球Bがそれぞれ1列に整列されて流れるようになっている。
このように整流体装着用凹部181内に前後一対の整流体190が格納可能に構成されることで、仮に、タンクレール175のレール通路に球Bが過剰となって貯められた状態にあるときには、これら球Bの流圧によって前後一対の整流体190がタンクレール175の前後2列のレール通路の下流側に向かう方向に軸191を中心としかつ略水平状をなす格納状態まで回動する。
例えば、前後一対の整流体190の回動角度がレール装着用凹部230の上側壁をなす天井部180に当たって小さく制限され、その整流体190の一部が天井部180の下方から大きく突出すると、その整流体190の突出部によって球Bの流れが阻害される。これによって、タンクレール175のレール通路に球Bが過剰となって貯められた状態にあるときには、タンクレール175のレール通路から球がこぼれ落ちる不具合が発生する場合がある。
しかしながら、この実施例によると、前記したようにタンクレール175のレール通路から球Bがこぼれ落ちる不具合を防止することができる。
これによって、整流体190が整流体装着用凹部181に格納される位置まで回動された状態において、整流体装着用凹部181の下流側下端縁に球Bが当たって球詰まりを発生する不具合が解消されるようになっている。
言い換えると、例えば、整流体装着用凹部181の先端部が円弧状に形成された場合には、整流体190が整流体装着用凹部181に格納されるた状態において、整流体装着用凹部181の先端部と整流体装着用凹部181の下端縁との間に隙間が生じ、その隙間によって、整流体装着用凹部181の下流側下端縁に球Bが当たって球詰まりを発生する場合があるが、この実施例によると球詰まりを良好に防止することができる。
図3に示すように、本体枠30の機構装着部160の片側(図3に向かって右側)寄りの上下方向には縦長状にユニット化された球払出装置210が装着されている。
また、図10に示すように、機構装着部160の球払出装置210と遊技盤40との間には、第1空間部S1と前後方向に略同一レベルにおいて第2空間部S2が設けられている。また、球タンク165、タンクレール175及び球払出装置210の装置本体のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
上述したように構成されるこの実施例に係る遊技機において、図15と図16に示すように、球タンク165の供給領域Pの中心部が存在する第1の傾斜面166bには、放出口168と供給領域Pとの間に位置しかつ球タンク165の後壁167aから境界谷部166a近傍にわたって突出体170が設けられている。そして、突出体170には、供給領域P側に指向して起立しかつ球Bを受け止めてその球Bを境界谷部166aの方向に誘導する立壁状の当接面170aが形成されている。
したがって、図15に示すように、球タンク165内が空の状態あるいは空に近い状態において、球タンク165の第1の傾斜面166b上に存在する供給領域Pに対し、島設備の球供給路から短時間の間に大量の球Bが供給されると、その大量の球Bのうち、一部の球Bは第1の傾斜面166bから境界谷部166aを通過する。そして、境界谷部166aを通過した球Bは速度を遅めながら第2の傾斜面166cを上り、同第2の傾斜面166cを流下して放出口168に流入してタンクレール175に放出される。
また、一部の球Bは、第1の傾斜面166bの突出体170の当接面170aに当接した後、その当接面170aから跳ね返ったり、あるいは当接面170aに沿って流れ、境界谷部166aを通過する。そして、境界谷部166aを通過した球Bは、速度を遅めながら第2の傾斜面166cを上り、同第2の傾斜面166cを流下して放出口168に流入してタンクレール175に放出される。
このため、球タンク165の第1の傾斜面166b上に存在する供給領域Pに短時間の間に大量の球Bが供給されたとしても、その球Bが放出口168に一斉に向かって流れることがないため、放出口168近傍におけるブリッジ現象によって球詰まりの発生を良好に防止することができる。
このため、大量の球Bの球圧が、放出口168近傍の球Bに集中して作用することを防止することができ、ブリッジ現象による球詰まりの発生を良好に防止することができる。
また、球タンク165内の大量の球Bの球圧を、突出体170の当接面170aによって軽減することで、この分だけ、タンクレール175内の球Bに作用する球圧においても軽減することができる。
ひいては、タンクレール175内の球Bが上下に重なり合い、その上層部の球Bがタンクレール175の後壁176aからこぼれ落ちることを防止することができる。
言い換えると、タンクレール175の後壁176aの高さ寸法を小さく抑えることができ、この分だけ、遊技機後側に対するタンクレール175の配置高さを高く設定して、そのタンクレール175の下方に対し、他の部材、装備品等を配置するスペースを確保することができる。
なお、この発明は前記実施例に限定するものではない。
例えば、前記実施例においては、球タンク165の底面166の後角部に放出口168が形成される場合を例示したが、図18に示すように、球タンク165の底面166の前角部に放出口168が形成される場合においてもこの発明を実施することができる。
但し、この場合、球タンク165の底面166には、前角部と対角部をなす近傍から放出口168に向かう斜めの線を境界谷部166aとし、かつ底面166の周縁部から境界谷部166aに向けて下傾するとともに、対角部側が高く放出口168側が低い傾斜状をなす第1、第2の傾斜面166b、166cが形成される。
そして、供給領域Pが存在する第1の傾斜面166b上には、その供給領域Pと放出口168と間に位置しかつ球タンク165の前壁167e内面から境界谷部166a近傍にわたって存在し、かつ立壁状の当接面170aを有する突出体170が設けられる。
すなわち、突出体170は、球Bを境界谷部166aの方向に誘導する下段当接面170bと上段当接面170cとが形成されるとともに、下段当接面170bと上段当接面170cは、球Bの半径寸法よりも大きい高さ寸法を有している。
前記したように、突出体170が、供給領域P側が低く、放出口168側が高い階段状に形成されることで、下段当接面170bと上段当接面170cにおいて、球Bをそれぞれ確実に受け止めて球圧を軽減することができる。
さらに、球タンク165内の球Bが満杯に近い状態から減少する過程において、まず、上段当接面170cに受け止められた球Bが放出口168に流れた後、下段当接面170bに受け止められた球Bが放出口168に流れるため、球Bの流れが円滑化する。
すなわち、外枠10の前面に遊技盤40が装着される遊技盤装着枠を有する前枠を開閉可能に装着し、その前枠の後側に球タンク、タンクレール、球払出装置等の機構部が装着される機構板を配設した形式の遊技機であってもこの発明を採用することができる。
30 本体枠
33 遊技盤装着枠
40 遊技盤
160 機構装着部
165 球タンク
166 底面
166a 境界谷部
166b 第1の傾斜面
166c 第2の傾斜面
167a 後壁
168 放出口
170 突出体
170a 当接面
175 タンクレール
175a 前壁
176a 後壁
P 供給領域
Claims (1)
- 遊技盤装着枠に遊技盤が装着される遊技機の後上部に、多数の球が貯留可能な容積をもつ球タンクと、その球タンクに連通するタンクレールが装着された遊技機であって、
前記球タンクは、上方に開口する横長方形の箱形状に形成されると共に底面の長手方向の一端寄り部分に、島設備の球供給路から球が供給される供給領域が設定され、
前記球タンクの底面には、前記供給領域から遠ざかる一角部又はその近傍位置に前記タンクレールに向けて球を放出する横長四角形の放出口が形成され、
さらに前記球タンクの底面には、前記放出口近傍の角部と対角部をなす近傍から前記放出口の短辺に至る斜めの線を境界谷部とし、かつ前記底面の周縁部から前記境界谷部に向けて下傾するとともに、対角部側が高く放出口側が低い傾斜状をなす第1、第2の傾斜面が形成され、
前記第1、第2の傾斜面のうち、前記供給領域の中心部が存在する第1の傾斜面には、前記放出口と前記供給領域との間に位置しかつ前記球タンクの壁部から前記境界谷部に向けて該境界谷部に入って流下する球が接触する状態に突設され、その接触により該境界谷部を流下する球を前記第2の傾斜面に移動させる突出体が設けられ、
さらに該突出体と前記放出口の短辺との間に球が流下可能な空間が設けられていることを特徴とする遊技機。
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