JP5431248B2 - ウエブ裁断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、連続搬送されるウエブをスリッタで裁断するウエブ裁断装置に関するものである。
X線撮影用の感光シートなどのようにシート状の感光材料は、幅広かつ長尺のウエブをスリッタ(裁断装置)で長手方向にスリッティング(裁断)するスリット加工を施してから、得られる幅狭のウエブをさらに一定の長さごとに切断することによって作製される。ウエブは、フィルムベースの表面に感光材料に応じた画像形成層が形成されており、それがロール状に巻かれたウエブロールから引き出されて、スリッタに通される。スリッタは、ウエブの全幅、作製する感光シートの幅に応じて、複数個設けられる。
上記のようなスリッタとしては、円盤状の上刃と、下面を支持するために一般に幅広とされた円筒状の下刃とを有するものが使用される。上刃及び下刃は、それぞれ対応する回転軸に固定されて互いに異なる方向に回転する。上刃と下刃は、ウエブの搬送方向に関して一定のオーバラップ領域内で重なり、このオーバラップ領域内では、上刃が回転軸方向から下刃に押し当てられて摺接するように配されている。ウエブは、回転する上刃と下刃との間に通されることにより、上刃と下刃に挟まれて剪断され、搬送方向に長く裁断される。
ウエブを上記のようなスリッタで裁断する場合には、上刃と切断面との摩擦による切断面の荒れ、ヒゲの発生などにより品質を低下させることがある。熱現像感光材料のウエブである場合には、画像形成層として乳剤層や保護層などの各種の層が多数積層され脆く剥がれやすく、また厚みが大きくなっているので、層剥離によるヒゲの発生が特に問題となる。また、ヒゲは、それが脱落すると、切り屑となってウエブに付着してやはり品質を低下させる原因となる。このような切断面の荒れやヒゲの発生を防止するために、これまでは上刃と下刃のオーバラップ量、接圧、刃先部の形状を調整していた。特許文献1では、熱現像感光材料に対応して、刃先角やシャー角を規定することより、層剥離によるヒゲの発生防止するようにしている。
特開2002−72372号公報
ところで、切断面の荒れやヒゲの発生をさせないようにするために許容されるオーバラップ量、接圧、刃先部の形状等の調整範囲はかなり狭く、調整自体が容易ではなかった。このため、より簡単に切断面の荒れやヒゲの発生を防止する手法が望まれていた。特に熱現像感光材料では、画像形成層を構成する乳剤層にポリマーラテックスが混入されて粘性があり、脱落したヒゲが付着しやすい他、上刃や下刃に付着すると、スリッタの所期の性能が得られなくなったり、回転バランスが崩れたりするため、上刃や下刃のメンテナンスの頻度を高くする必要があるという問題があった。このため、層剥離を効果的に防止できる手法が強く望まれている。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、簡単な構成で切断面の荒れや画像形成層の剥がれを生じさせないようにすることができるウエブ裁断装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために請求項1記載のウエブ裁断装置では、互いに平行な回転軸を中心に回転される上刃と下刃を有し、上刃の周縁部が下刃側に対して傾けられるとともに、上刃の刃先部が下刃と部分的にオーバラップして配され、回転中の上刃と下刃の間に幅広ウエブを通すことで幅狭ウエブに裁断するスリッタと、スリッタの幅狭ウエブの送出側近傍に配され、幅狭ウエブの両側端部のうちの上刃の下刃面側の側端部に上刃側から押圧し、上刃と下刃との外周の各交点を通る直線の基準搬送線よりも下刃側にずらした搬送経路を通るように案内する幅狭のウエブごとに設けられた回動自在な第1のガイドローラとを備えたものである。
請求項2記載のウエブ裁断装置では、第1のガイドローラを、その外周面に起毛材が貼り付けられている構成としたものである。
請求項3記載のウエブ裁断装置では、上刃の回転軸を回動自在に保持するユニット筐体に着脱自在とされた第1のガイドローラを保持する保持部材を備えたものである。
請求項4記載のウエブ裁断装置では、スリッタの幅狭のウエブの送出側近傍に配され、幅狭ウエブの下刃と反対側の側端部に圧接され、第1のガイドローラと同じずらし量で下刃側にずらした搬送経路を通るように案内する幅狭ウエブごとに設けられた第2のガイドローラとを備えたものである。
本発明によれば、上刃と下刃の下流側に設けたガイドローラにより裁断された幅狭ウエブの上刃の下刃面側の側端部を押圧して下げるようにしたから、上刃の刃先との接触による幅狭ウエブの切断面の荒れ、画像形成層の剥がれによるヒゲの発生を簡単な構成で防止することができる。
本発明を実施した製造装置の構成を示す説明図である。 裁断の対象となるウエブの層構造を示す説明図である。 スリット部に設けられたスリッタを示す斜視図である。 上刃,下刃及びガイドローラの関係を示す説明図である。 スリッタの要部を示す説明図であり、一部を切断して示している。 スリッタによる裁断位置とガイドローラとの関係を示す説明図である。 ガイドローラの構成を示す説明図である。 ガイドローラが省略されている場合の幅狭ウエブの移動経路を示す説明図である。 ガイドローラを設けた場合の幅狭ウエブの移動経路を示す説明図である。
本発明を実施したウエブ裁断装置を組み込んだ製造装置を図1に示す。製造装置10は、搬送機構11によって、ウエブロール12から引き出した幅広のウエブ14を一方向に搬送し、その搬送中にスリット部15によって幅の狭いウエブ(以下、幅狭ウエブという)16に裁断する。各幅狭ウエブ16は、さらに搬送され、クロスカット装置17によって一定の長さごとに切断されて、シート部材18にされる。
スリット部15は、複数のスリッタ(ウエブ裁断装置)20からなり、各スリッタ20は、上刃21,下刃22,ガイドローラ部23、及び上刃21,下刃22を回転させる駆動機構などで構成される。各スリッタ20は、ウエブ14の幅方向(搬送方向と直交する方向)に並べて配されている。
搬送機構11は、ロール保持軸25、引出ローラ部26、各種パスロール等から構成される。ロール保持軸25は、ウエブロール12を回動自在に保持する。ウエブロール12は、長尺かつ幅広な熱現像感光材料であるウエブ14をロール状にしたものである。引出ローラ部26は、幅狭ウエブ16の幅方向に適当な間隔で並べて配された複数のローラ対からなる。引出ローラ部26の各ローラ対は、幅狭ウエブ16を上下から狭持する回転ローラ26a,26bで構成され、モータ(図示省略)によって回転ローラ26a,26bが回転されることによって、ウエブロール12からウエブ14を引き出して搬送する。
パスロールは、ウエブ14の搬送経路に複数配置される。これらパスロールは、ウエブ14の搬送をガイドする他、ウエブ14のテンション(引張力)を適正値に維持する機能を有する。一対のパスロール27によって、直線状の搬送路が形成されており、この直線状の搬送路にスリッタ20が配されている。
クロスカット装置17は、幅狭ウエブ16を挟むように配された上刃17aと、下刃17bとからなり、各刃17a,17bはそれぞれウエブ17の幅方向に延びている。上刃17aは、上下に移動自在な可動刃であり、下刃17bは、固定刃となっている。幅狭ウエブ16が一定の長さだけクロスカット装置17に送り込まれるごとに、上刃17aが下方に移動され、各幅狭ウエブ16を幅方向に切断してシート部材18とする。
図2に一例を示すように、ウエブ14は、フィルムベース14aと、このフィルムベース14aの上面に形成された画像形成層14bからなるX線撮影用の熱現像感光材料となっている。フィルムベース14aは、PET(ポリエチレンテレフタレート)製である。画像形成層14bは、乳剤層や保護層などを多数積層したものとなっており、乳剤層はラテックスを含有することにより粘性が高くなっている。画像形成層14bの厚みは、10〜30μm程度であり、ウエブ14の全体の厚みが100μm〜200μ程度となっている。
裁断の対象となるウエブは、上記のものに限られるものではない。ウエブとしては単層構造のものであってもよく、塗布、接着等の従来知られている技術を用いて、フィルムベース上にそれとは異なる樹脂もしくはバインダーを積層したものであってもよい。このような積層構造のウエブの裁断に、本発明は、特に有用である。
フィルムベースの厚みが100〜300μm程度、それに積層される層の厚みが10〜100μm程度のウエブに対してより高い効果が期待できる。また、PETやPENをフィルムベースの材質としたウエブ、特にPETをフィルムベースとしたウエブに高い効果が期待できる。上述のようにフィルムベースとは異種の樹脂もしくはバインダーをフィルムベース上に積層材料としたウエブに有用であり、その層に球相当径0.1〜10μm程度の粒子状物質(球状でなくてもよい)を含有するウエブに対してより顕著な効果を期待することができる。すなわち、積層された層が機能上必要な球相当径0.1〜10μm程度の粒子状物質を含有することが、スリッタによる裁断時の裁断面の荒れやヒゲの発生の原因となることが多いが、このような層を有するウエブであっても裁断面の荒れやヒゲの発生を少なくすることができる。
フィルムベースとしてPETフィルムが常用され、ポリビニルアセタール樹脂、ポリマーラテックスやゼラチン等のバインダーが用いられ、脂肪酸銀塩等の粒子状物質を含有する塗布により積層された画像形成層(保護層も含めた複数の層を包括する総称)を有する熱現像感光材料をウエブとして裁断する上で本発明は特に有用である。
図3ないし図6に示すように、スリット部15は、前述のように複数のスリッタ20を備え、ウエブ14の搬送方向と直交する幅方向に並べて配されている。スリッタ20は、所望とする幅狭ウエブ16の幅に応じた間隔をあけて配される。ウエブ14は、フィルムベース14aを下刃22側にした姿勢で上刃21と下刃22の間を通過し、この通過時に裁断される。
スリッタ20は、上刃ユニット31と下刃ユニット32とからなる。上刃ユニット31,下刃ユニット32は、それらのユニット筐体31a,32aがウエブ14の搬送方向と直交する方向に平行な軸34,35にスライド自在に取り付けられている。ユニット筐体31a,32aを軸34,35に沿ってスライド移動して、任意の位置に固定することにより、各スリッタ20の相互の間隔を調整することができる。この例では、幅狭ウエブ16が幅180mmとされ、各スリッタ20の相互の間隔も180mmとしている。
ユニット筐体31aに上刃軸37が回動自在に保持され、上刃21は、この上刃軸37にホルダー37a,37bによって固定されて上刃軸37と一体に回転する。また、ユニット筐体32aに下刃軸38が回動自在に保持され、受け刃としての下刃22は、この下刃軸38にホルダー38aによって固定されて下刃軸38と一体に回転する。上刃軸37と下刃軸38は、互いに平行であり、それぞれウエブ14の搬送方向に直交するように配置される。
ユニット筐体31aは、軸34を中心に揺動自在に取り付けられており、図示しない昇降機構により、この軸34を中心に上刃ユニット31を揺動させることによって、上刃21を上下し、上刃21と下刃22のオーバラップ領域Aの大きさを調整することができる。
ユニット筐体31a,32aの内部には、モータ、タイミングベルトなどの駆動機構が設けられ、その駆動により上刃21と下刃22とは一定の速度比を保ちながら、図4中矢線で示す方向に同期回転する。この例では、下刃22よりも上刃21の回転速度を大きくしてある。また、各刃21,22の回転速度とウエブ14の搬送速度の関係が一定になるようにされている。
上刃21は、その周縁部として形成された刃先41を含む刃先部21aが下刃側に傾けられた略皿形状のものが用いられている。上刃21は、例えば中心部分が円形に開口しその周囲に錐面状に刃先部21aを形成したものをホルダー37a,37bに固定している。符号39は、刃先部21aを下刃側に向けて押圧する皿バネである。下刃22は、裁断位置でウエブ14の下面を支持するために幅広のものが用いられるとともに、この下刃22に円柱状のローラ部材43が同軸に一体に形成されている。下刃22とローラ部材43との間には、溝44が形成されている。
上刃21は、溝44に刃先41が入り込み、と下刃22と所定の大きさのオーバラップ領域Aで互いに重なった状態に調整される。また、刃先部21aは、下刃22に対向する下刃側面である内面S1が、下刃22と適当な接圧をもって摺接するように調整される。上刃21と下刃22は、下刃22でウエブ14の下面を支持しながら、それらの間にウエブ14を挟み込んで剪断する。上記のようなウエブ14に対して、上刃21の直径が142mmであり、下刃22の直径が120mmのものを用いている。
ガイドローラ部23は、スリッタ20ごとに設けられており、それぞれ支持アーム46,回転軸47,ガイドローラ48,49からなる。支持アーム46は、上刃21と反対側のユニット筐体31aの側面に一端が取り付けられている。この支持アーム46に回転軸47が取り付けられている。回転軸47は、その一端が支持アーム46に支持され、上刃21側に向かってウエブ14の幅方向に延びている。この回転軸47の他端に、幅狭ウエブ16を押圧するガイドローラ48,49が回動自在に取り付けられている。このようにしてスリッタ20の裁断位置に対してガイドローラ48,49の位置を固定したものとし、幅狭ウエブ16の幅を変更する際にスリッタ20を移動したときに、それにあわせてガイドローラ48,49による押圧位置が決まるようにしてある。
ガイドローラ48は、図7に示すように、ローラ本体51と、幅狭ウエブ16の傷付きを防止するためにローラ本体51の外周面に貼り付けられた起毛材(テレンプ)52とからなる。また、ローラ本体51は、その表面にハードクロムめっきを施してあり、またその端部がR加工されている。ガイドローラ49も同じ構成となっている。
ウエブ14の搬送方向から見たときに、上記ガイドローラ48,49は、裁断位置を挟むように回転軸47の軸方向に所定の間隔をあけて配されている。第1のガイドローラとしてのガイドローラ48は、裁断位置よりも下刃22側、すなわち内面S1側に配され、スリッタ20の裁断で得られる一対の幅狭ウエブ16のうちの内面S1側の幅狭ウエブ16を上刃21側から下刃22側に押圧する。第2のガイドローラとしてのガイドローラ49は、上刃21の内面S1と反対側の外面S2側に配されており、外面S2側の幅狭ウエブ16を上刃21側から下刃22側に向けて押圧する。
ガイドローラ48,49は、各々の幅及びそれらの幅の合計のいずれもが幅狭ウエブ16の幅よりも小さくされており、ガイドローラ48は、幅狭ウエブ16の両側端部のうちの内面S1に近い側端部の表面に圧接され、ガイドローラ49は、幅狭ウエブ16の両側端部のうちの内面S1に近い側端部の表面に圧接される。各ガイドローラ48,49は、圧接される幅狭ウエブ16の搬送にともなって従動回転する。
上記のように各ガイドローラ48,49で幅狭ウエブ16の側端部を押圧することにより、幅狭ウエブ16の直線状の搬送路を変更することなく、切断面の荒れや画像形成層の剥がれ等の発生を少なくしている。また、各ガイドローラ48,49の接触部分を幅狭ウエブ16の側端部だけに限定することにより、幅狭ウエブ16の表面の傷付き等が実用上問題ないようにしている。さらに、各ガイドローラ48,49の幅を小さくすることにより、スリッタ20同士の間隔に制約を与えないようにしている。なお、ガイドローラ49を省略し、内面S1の側端部に圧接されるガイドローラ48だけとしてもよい。
ガイドローラ部23は、例えば支持アーム46をユニット筐体31aにねじ止めしてあり、このユニット筐体31aに対して着脱自在にしてある。ウエブ14の種類によっては、ガイドローラ48,49による押圧を行わない方が良好な裁断を行うことができることを考慮し、このようにガイドローラ48,49を着脱自在としておく構成がよい。
オーバラップ領域Aの開始点A1と終了位置A2とを結ぶ直線を基準線としたときに、ガイドローラ48,49は、その中心と基準線との距離よりも、その半径を大きくすることにより、ガイドローラ48,49によって基準線から押し込み量Dだけ幅狭ウエブ16の側端部を押し下げるようになっている。なお、ガイドローラ部23は、必ずしも上刃ユニット31あるいはスリッタ20に固定される必要はないが、上刃ユニット31あるいはスリッタ20に対して固定する構成であれば、ガイドローラ48,49の位置調整、押し込み量Dの調整などを簡便にすることができる。
上記のような構成のウエブ14、上刃21,下刃22の径などの下で、基準線に沿った方向の距離でオーバラップ領域Aの中心とガイドローラ48,49の中心との間の距離Lは50〜150mmの範囲内とすることが好ましい。また、幅狭ウエブ16の縁から幅狭ウエブ16の幅方向での距離Wは、1〜30mmの範囲内とすることが好ましい。さらに、幅狭ウエブ16の押し込み量Dは、3〜8mmの範囲内とするのが好ましい。ガイドローラ48,49の直径は10〜50mm、幅は5〜50mmの範囲内とするのがよく、ガイドローラ48,49の端部のR加工の半径は1〜5mmの範囲とするのがよい。
上刃21と下刃22との間にウエブ14が入ってくると、ウエブ14が上刃21と下刃22により押し切られ、搬送方向に沿った裁断が行われる。裁断によりウエブ14が分断されることで得られる幅狭ウエブ16のうち内面S1側の幅狭ウエブ16に着目すると、裁断直後では、図5に示されるように、この幅狭ウエブ16の下面は下刃22により支持されており、この幅狭ウエブ16よりも上刃21の刃先41が下刃22側に入り込んだ状態になる。
ガイドローラ48,49を設けていない場合では、内面S1側の幅狭ウエブ16は、図8に示すように、上刃21との摩擦などにより下刃22から離れて搬送されオーバラップ領域Aの終了位置A2よりも上刃側に寄った位置から上刃21の外側に脱して搬送される状態となる。一方、上刃21の刃先部21aは、オーバラップ領域Aでは下刃22に適当な接圧をもって摺接することにより僅かに弾性変形している。オーバラップ領域Aを脱すると、刃先部21aが下刃22側に傾くように弾性変形から復元し、その刃先41が幅狭ウエブ16の幅方向で切断位置よりも下刃側に移動する。上述のように、幅狭ウエブ16がオーバラップ領域Aの終了位置A2よりも上刃側に寄った位置を通るから、内面S1側の幅狭ウエブ16の切断面が復元した刃先部21aの刃先41に接触する。そして、この接触により、幅狭ウエブ16の切断面に荒れが生じ、あるいはフィルムベース14aから画像形成層14bが剥がれたり、画像形成層内で剥がれが生じ、ヒゲが発生する。また、脱落したヒゲが飛び散ってウエブ14や幅狭ウエブ16や上刃21,下刃22に付着したりする。
これに対して、上記構成のようにガイドローラ48,49を設けた場合では、内面S1側の幅狭ウエブ16は、ガイドローラ48によって、オーバラップ領域Aの近傍で上刃21側から下刃22側に向けて押圧されているため、図9に示すように、下刃22に支持された状態で搬送されて、オーバラップ領域Aから脱するのと同時に上刃21の外側に離脱する。したがって、幅狭ウエブ16の切断面が、オーバラップ領域Aを脱して復元した上刃先部21aの刃先41に接触することがほとんどなくなり、幅狭ウエブ16の切断面の荒れ、ヒゲの発生が低減され、またヒゲの付着も防止される。
表1に、オーバラップ領域Aの中心とガイドローラ48,49の中心との間の距離Lを変えた設定例について、内面S1側の幅狭ウエブ16の切断面を評価した結果を示す。裁断の対象のウエブ14は先に説明したPETをフィルムベース14aにしたX線撮影用の熱現像感光材料で、厚みは180μm〜200μmであった。上刃21の外径は142mm、下刃22の外径は120mmとし、上刃21と下刃22のオーバラップ領域Aの長さを16mmとした。また、ガイドローラ48,49は、外径30mm、幅15mmのローラ本体51の外周面に起毛材52を貼り付けものを用い、押し込み量Dを5mmとした。幅狭ウエブ16の縁から幅狭ウエブ16の幅方向での距離Wは、3mmとした。
Figure 0005431248
また、表2に、押し込み量Dを変えた設定例について、内面S1側の幅狭ウエブ16の切断面を評価した結果を示す。なお、押し込み量Dを変え、またオーバラップ領域Aの中心とガイドローラ48,49の中心との間の距離Lを80mmとした他は、表1の評価の場合と同じ条件とした。
Figure 0005431248
なお、表1、表2の評価では、いずれも幅狭ウエブ16の切断面を撮影したSEM(走査型電子顕微鏡)写真を観察することにより評価した。
距離Lを変化させた場合では、その変化させた範囲では、いずれも切断面の荒れ、画像形成層14bの剥がれを低減する効果が認められた。距離Lを50mm,150mmとした場合では、良好な効果が認められ、80mm、100mmとした場合に、より良好な効果を認めることができた。また、押し込み量Dを変化させた場合においても、その変化させた範囲では、いずれも切断面の荒れ、画像形成層14bの剥がれを低減する効果が認められた。押し込み量Dを3mm,5mm、及び8mmとした場合では、より良好な効果を認めることができた。
14 ウエブ
16 幅狭ウエブ
21 上刃
22 下刃
48,49 ガイドローラ

Claims (4)

  1. 互いに平行な回転軸を中心に回転される上刃と下刃を有し、上刃の周縁の刃先部が下刃側に対して傾けられるとともに、上刃の刃先部が下刃と部分的にオーバラップして配され、回転中の上刃と下刃の間に幅広ウエブを通すことで幅狭ウエブに裁断するスリッタと、
    前記スリッタの幅狭ウエブの送出側近傍に配され、幅狭ウエブの両側端部のうちの前記上刃の下刃面側の側端部を上刃側から押圧し、上刃と下刃との外周の各交点を通る直線の基準搬送線よりも下刃側にずらした搬送経路を通るように案内する幅狭のウエブごとに設けられた回動自在な第1のガイドローラとを備えたことを特徴とするウエブ裁断装置。
  2. 前記第1のガイドローラは、その外周面に起毛材が貼り付けられていることを特徴とする請求項1記載のウエブ裁断装置。
  3. 上刃の回転軸を回動自在に保持するユニット筐体に着脱自在とされた前記第1のガイドローラを保持する保持部材を備えていることを特徴とする請求項1または2記載のウエブ裁断装置。
  4. 前記スリッタの幅狭のウエブの送出側近傍に配され、幅狭ウエブの下刃と反対側の側端部に圧接され、第1のガイドローラと同じずらし量で下刃側にずらした搬送経路を通るように案内する幅狭ウエブごとに設けられた第2のガイドローラとを備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のウエブ裁断装置。
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