JP5431074B2 - シード保持部材及びそのシード保持部材を用いた多結晶シリコン製造方法 - Google Patents

シード保持部材及びそのシード保持部材を用いた多結晶シリコン製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シーメンス法で多結晶シリコンを製造する炉内に設置され、種棒となるシリコン芯材(シード)の下端部を保持するシード保持部材及びそのシード保持部材を用いた多結晶シリコン製造方法に関するものである。
半導体材料となる高純度の多結晶シリコンは従来から主にシーメンス法によって製造されている(下記の特許文献1参照)。具体的に説明すると、多結晶シリコンを製造する反応炉内には、種棒となる逆U字型のシリコン芯材(以下、シードと称する)が複数本立設されており、該シードの両端部は炉底部の電極にシード保持部材を介して支えられている。そして、電極及びシード保持部材を通じて、シードに通電する。このようにシードに通電することで、シードが高温になり、炉内のクロロシラン類及び水素が反応してシードの表面に多結晶シリコンを析出する。この反応が進行して多結晶シリコン棒に成長する。
こうして、多結晶シリコン析出後は、シード保持部材を折損して、多結晶シリコンが付着したシードを炉外に取り出し、その後、シード保持部材と多結晶シリコンの分別作業を行って、多結晶シリコンを取り出していた。
特許2867306号公報
上記のように多結晶シリコンが付着した後にシード保持部材を折る作業が必要となるが、折る際の破壊荷重はシード保持部材の強度が高いためとても大きい。加えて、析出した多結晶シリコンへの汚染の恐れから、例えば何かを叩きつける衝撃による折離作業は行なえず、一つ一つ手作業で行なっている。そのため、製造者にとってシード保持部材の折離作業は大きな負担となっていた。
本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものである。その目的は、シード保持部材表面の任意の箇所に折離用凹部を形成することによって、破壊荷重を掛けた際に該凹部において応力集中を引き起こし、従来よりも小さな負荷で折離作業を可能にし、手間の軽減を図ることができるシード保持部材及びそのシード保持部材を用いた多結晶シリコン製造方法を提供することである。
上記目的を達成するため本発明は、シーメンス法で多結晶シリコンを製造する炉の底部に設置された電極部に装着され、種棒となるシードの下端部を保持する黒鉛製のシード保持部材であって、外周面の任意の箇所に折離用凹部を形成したことを特徴とする。ここで、「外周面」とはシードがシード保持部材に保持されている状況下において、シード保持部材の側面を意味する。該凹部を形成することにより、任意の箇所に意図的に低強度となる部分を形成することができる。ここで、「凹部」は、穴、孔、溝などを含む概念を意味する。所望の強度になるよう穴や孔の個数や大きさなどは任意に決定してよい。シード保持部材の強度は、穴や孔などを形成することで求める値まで低下させることができる。これにより、破壊荷重を掛けた際に該凹部において応力集中を引き起こし、従来よりも小さな負荷で折離作業を行うことが可能となる。
より好ましくは、当該凹部が折離用溝によって形成されている場合である。
上記の如く、シード保持部材の外周面に折離用溝を形成することにより、破壊荷重を掛けた際に該溝において応力集中を引き起こし、従来よりも小さな負荷で折離作業を行うことが可能となる。
なお、シード保持部材の形状は特に限定されるものではなく、また、折離用溝の溝深さ、溝形状等は特に限定されないが、負荷を掛けた際に応力集中を引き起こす程度には形成されている必要がある。高さ方向に関する該溝形成位置はシード表面上に析出した多結晶シリコンが成長し、シード保持部材の先端部表面を覆い隠す部分より下の範囲であることが好ましい。その主な理由として、シード表面に析出した多結晶シリコンがシード保持部材の先端部、ひいては折離用溝をも埋めるように成長することによって、破壊荷重を掛けた際に該溝に応力集中が掛からず発明の効果が得られない可能性があることによる。より好ましくは、折離用溝がシード保持部材先端から30mmより下に形成することである。その理由は、析出した多結晶シリコンの結晶がシード保持部材を30mm以上覆う状態に成長するまで析出作業を行うことは稀であることに起因する。
更に、折離用溝はシード保持部材の周方向に延在している場合(換言すれば、折離用溝がシード保持部材の軸芯に対して傾斜した平面内に存在している場合)であってもよく、また、より好ましくは折離用溝がシード保持部材の軸芯に対して垂直な平面内に存在している場合である。折離用溝の形成加工が最も容易だからである。例えば、折離用溝形成加工法として、シード保持部材に切削工具を当ててシード保持部材を回転するという簡単な加工作業で折離用溝を形成することができるからである。
従来のシード保持部材の折離作業では、割れる箇所、割れの伝播方向が千差万別であった。そのため、往々にしてシード表面に析出した多結晶シリコンの結晶がシード保持部材表面を覆うように成長した場所に割れが伝播することがあった。シード保持部材とシリコン結晶が付着した破片が生じると、該破片についても別途多結晶シリコンとシード保持部材の分別作業を行わねばならず作業負担の増加となっていた。シード保持部材の表面に折離用溝を形成することにより、破壊荷重を掛けると該溝に応力集中を引き起こし割れが生じる。そして、割れは該溝に沿って伝播していく。個々の状況に合う折離用溝の位置と延在させる方向を設計することにより、従来の不具合を緩和できる。
前記折離用溝の周方向に関する形成範囲は、周方向全周又はその一部のいずれであってもよい。一般的にシード保持部材は一定の方向に折られるように、破壊荷重がかけられる。そのため、一部にしか折離用溝を形成しない場合には、破壊荷重が掛けられる方向(負荷モーメント)の側に溝が存在するようにシード保持部材を設置することが好ましい。破壊荷重を掛けた際に折離用溝において応力集中を最大限に利用し従来より小さな負荷でシード保持部材を折ることができるからである。一部に折離用溝を形成することは、シード保持部材の外径が細い場合に特に有効になる。一部に折離用溝を形成する場合には、シード保持部材の強度を保ちつつ通電時に電圧が折離用溝を形成した部分において過度にかかるのを防止でき、過熱の不具合を防止できる。該溝を形成することによってシード保持部材の強度が弱くなり過ぎると、意図しない衝撃で破損する虞がある。また、シード保持部材の一部で加熱が起こると、該熱によってシリコン結晶が溶け出す虞がある。
前記シード保持部材の先端が截頭円錐台状に形成されているのが好ましい。このような構成であると、シード保持部材先端を覆ったシリコン結晶からシード保持部材を穿り出す作業が、先端が円柱状を保っている場合よりも黒鉛の量が少なくなり容易になる。シード保持部材先端部は折離用溝を形成した箇所よりも細くなる可能性があるが、通電時はシードへ電流が流れるために過熱の不具合は生じない。
また、上記目的を達成するため本発明は、以下の多結晶シリコン製造方法の場合もある。即ち、本発明に係る多結晶シリコン製造方法は、種棒となるシードの下端部を保持するシード保持部材の外周面の任意の箇所に折離用凹部を予め形成しておき、この凹部が形成されたシード保持部材を、多結晶シリコンを製造する炉の底部に設置された電極部に装着するステップと、シードの表面に多結晶シリコンを析出するステップと、シードの表面に多結晶シリコンが析出後、シード保持部材を凹部より折損して、多結晶シリコンが付着したシードを炉外に取り出すステップと、炉外に取り出されたシードから、シード保持部材と多結晶シリコンの分離作業を行うステップと、を有することを特徴する。該凹部が折離用溝であることが好ましい。
また、本発明に係る多結晶シリコン製造方法は、種棒となるシードの下端部を保持するシード保持部材の外周面の任意の箇所に折離用凹部を予め形成しておき、この凹部が形成されたシード保持部材を、多結晶シリコンを製造する炉の底部に設置された電極部に装着するステップと、シードの表面に多結晶シリコンを析出するステップと、多結晶シリコン析出後、シードを保持した状態のままシード保持部材を電極部から取り外して、炉外に取り出すステップと、炉外に取り出した後、シード保持状態のシード保持部材を凹部より折損して、シード保持部材と多結晶シリコンの分離作業を行うステップと、を有することを特徴する場合もある。該凹部が折離用溝であることが好ましい。
本発明によれば、シード保持部材の外周面の任意の箇所に折離用凹部を形成することにより、破壊荷重を掛けた際に該凹部において応力集中を引き起こし、従来よりも小さな負荷で折離作業を行うことが可能となる。
本発明にかかる多結晶シリコン製造方法に使用される製造装置の概略構成図。 図1の製造装置に使用されるシード保持部材の平面図。 図2のA1−A1線矢視断面図。 シード保持部材の折損の際の割れ状態を示す図。 実験例の構成を示す図。 溝深さと破壊荷重との関係を示すグラフ。 従来例のシード保持部材の折損の際のシード保持部材とシリコン結晶を含む破片が生じた状態を示す模式図。
以下、本発明を実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明にかかる多結晶シリコン製造方法に使用される製造装置の概略構成図、図2は図1の製造装置に使用されるシード保持部材の平面図、図3は図2のA1−A1線矢視断面図である。図1に示すように、反応炉1は炉底2を覆うようにルジャ3が設けられており、内部が密閉されている。炉内には種棒となる逆U字型のシリコン芯材(以下、シードと称する)4が複数本立設されており、該シード4の両端部は炉底部の電極部5にシード保持部材6を介して支えられている。即ち、電極部5の先端には黒鉛(等方性黒鉛、異方性黒鉛のいずれであってもよい)から成るシード保持部材6が装着されており、該シード保持部材6にはシード4の下端部が差し込まれている。炉底2には、炉内のシード4に向かって原料ガスを供給するノズル7と、炉内の排ガスを排出する排出口8が設けられている。なお、図1において、20は、シード4の表面にシリコンが析出したシリコン析出部を示している。
シード保持部材6の形状は、電極載置部(後述する台座部6aに相当)が太くなっている図3のようなものや、後述する実験に使用した図5のような同一円柱状のものなど種々存在する。本実施の形態では、図3に示す形状のものを例示する。即ち、シード保持部材6は、電極部5が差し込まれる第1の嵌合孔10を有する台座部6aと、台座部6aに連なる胴部6bと、胴部6bに連なる先端部6cとから構成されている。シード保持部材6は通電されるために全体に均一に電圧をかけられることに加え、全体の強度などの理由から台座部6a、胴部6bと先端部6cは多角柱等よりも円柱が好ましい。シード保持部材6の胴部6bの軸芯から外周面までの最短距離が1.5cm以上であり、最長距離が5cm以内の範囲内であることがより好ましい。先端部6cは截頭円錐台状がより好ましい。なぜならば、シード保持部材6と多結晶シリコンの分離作業においてシード保持部材先端を覆ったシリコン結晶からシード保持部材を穿り出す作業において黒鉛の量が少なくなり容易になるためである。
台座部6aにはガス抜き用孔11が形成されている。先端部6cには、シード4の下端部が差し込まれる第2の嵌合孔13が形成されている。この第2の嵌合孔13は、先端面に開口を有し、シード保持部材6の軸芯方向に沿って延在している。また、先端部6cには貫通孔14が形成されており、この貫通孔14には、第2の嵌合孔13に差し込まれたシード4を固定するための固定ネジ15が螺入される。
ここで注目すべきは、シード保持部材6には、その外周面に折離用溝16が形成されていることである。このように折離用溝16を形成することにより、強度上のウイークポイントが存在することになる。そのため、シード保持部材6の折損時に、破壊荷重によって折離用溝16に応力集中が起こり、従来よりも小さい負荷での折離作業が可能となる。また、発生した割れは折離用溝16に沿って一定方向へ伝播していくことになる。この結果、意図しない方向への割れの伝播を防止しながら割ることができる。シード保持部材と多結晶シリコンを含んだ破片が生じることを防止することができるため、折離作業の軽減が図れる。
なお、折離用溝16がシード保持部材6に差し込まれているシード4の下端よりも下側に形成されている本実施の形態の場合には、図4(1)のような割れ状態となる。折離用溝16がシード保持部材6に差し込まれているシード4の下端よりも上側にある場合(後述する実験例の場合)には、図4(2)のような割れ状態となる。図4(1)、(2)のいずれの割れ状態であっても、図7のようにシード表面に析出した多結晶シリコンの結晶がシード保持部材を覆うように成長した場所に割れが伝播し、黒鉛とシリコンを含んだ破片になることを防止でき、シード保持部材と多結晶シリコンの分離作業の手間を格段に軽減することができる。
次いで、折離用溝16についての具体的な、溝深さ、溝形状、高さ方向に関する溝形成位置、円周方向に関する溝形成位置について説明する。
(1)折離用溝16の溝深さ
溝深さは特に限定されるものではなく、折る際の応力集中を踏まえた負荷を計算しシード保持部材6の外径に合うように溝の深さを決めればよい。
(2)折離用溝16の溝形状
溝形状はどのような形状であってもよい。例えば、円丸溝、矩形溝、V溝等のいずれであってもよい。
(3)折離用溝16の高さ方向に関する溝形成位置
折離用溝16は、シード保持部材6の表面にシード表面より析出したシリコン結晶の成長部よりも下側に形成されているのが好ましい。換言すれば、折離用溝16の高さ方向に関する形成位置は、シード表面上に析出したシリコン結晶が成長し、シード保持部材6の先端部を覆い隠す部分よりも下の範囲が好ましい。
より好ましくは、折離用溝16がシード保持部材6の先端から30mmより下に形成することである。その理由は、析出した多結晶シリコンの結晶がシード保持部材6を先端から30mm以上の覆う状態に成長するまで析出作業を行うことは稀であることに起因する。
さらには、固定ネジ15を差し込む貫通孔14よりも上側にあるほうが、シリコン結晶からシード保持部材6を穿り出す際に作業が容易になる。
(4)折離用溝16の円周方向に関する溝形成位置
シード保持部材6外周面において周方向全周又はその一部のいずれであってもよい。
なお、折離用溝16はシード保持部材6の周方向に延在している場合(換言すれば、折離用溝16がシード保持部材6の軸芯に対して傾斜した平面内に存在している場合)であってもよく、好ましくは折離用溝16がシード保持部材6の軸芯に対して垂直な平面内に存在している場合である。
次いで、上記構成の製造装置を用いて多結晶シリコンを製造する方法について説明する。多結晶シリコンを製造する方法は、基本的には従来例と同様である。即ち、シード4は電極5及びシード保持部材6を通じて通電され、表面が1000℃以上に赤熱される。炉内に供給された原料ガスは、赤熱したシード4の表面に接触して熱分解ないし水素還元され、シード4の表面に多結晶シリコンを析出する。この反応が進行して多結晶シリコン棒に成長する。
こうして、多結晶シリコン析出後は、シード保持部材6を折離用溝16より折損して、多結晶シリコンが付着したシード4を炉外に取り出す。このシード保持部材6の破壊荷重を掛けた折損時に、折離用溝16において応力集中が起こり、従来に比べ小さな負荷で折離作業を行える。また、割れは該溝に沿って伝播していく。このため、シード保持部材表面上にシリコン結晶が成長し付着した場所にまで割れが伝播し、黒鉛とシリコンを含んだ破片の発生を防止でき、シード保持部材と多結晶シリコンの分離作業の手間が格段に軽減する。
なお、上記の製造例としては、多結晶シリコン析出後は、シード保持部材6を折離用溝16より折損して、多結晶シリコンが付着したシード4を炉外に取り出していたが、多結晶シリコン析出後、シード4を保持した状態のままシード保持部材6を電極部5から取り外して、炉外に取り出し、その後、シード4を保持した状態のシード保持部材6を折離用溝16より折損して、シード保持部材と多結晶シリコンの分離作業を行うようにしてもよい。
(実験例)
図5に示すように荷重スパンを1mとし、折離用溝16が全周に亘って形成され、且つ、溝深さは0cm、1.0cm、1.5cmの3種類のシード保持部材6の各々について荷重を作用させ破壊荷重を測定したので、その結果を表1及び図6に示す。
なお、本実験においては、シード保持部材6としては、図5に示す、台座部6aの無い、同一円柱状タイプのものを用いて実験を行った。また、本実験においては、貫通孔14が無い場合についても、貫通孔14が有る場合と同様の実験を行ったので、その結果も併せて、表1及び図6に記載している。なお、図6において、三角印は貫通孔14の有る場合の破壊荷重の測定値を示し、四角印は貫通孔14の無い場合の破壊荷重の測定値を示している。
Figure 0005431074
[実験結果]
表1及び図6に明らかに示すように、貫通孔14が有る場合においては、溝深さが0cmの場合(折離用溝16を形成していない場合)は破壊荷重が40kgf、溝深さが1.0cmの場合は破壊荷重が12kgf、溝深さが1.5cmの場合は破壊荷重が4kgfである。貫通孔14が無い場合においては、溝深さが0cmの場合(折離用溝16を形成していない場合)は破壊荷重が35kgf、溝深さが1.0cmの場合は破壊荷重が15kgf、溝深さが1.5cmの場合は破壊荷重が5kgfである。但し、溝深さが0cmの場合は、先端部にクラックが発生した。溝深さが1.0cm、1.5cmの場合は、折離用溝16を形成しない状態よりも小さい負荷で、折離用溝16から割れが生じた。
[実験結果の検討]
(1)上記実験結果より、折離用溝16を形成することにより破壊荷重を掛けた際に該溝において応力集中が起こり従来よりも小さな負荷で割れが生じた。さらに、該溝に沿って一定方向に割れが伝播し、シード保持部材の意図せぬ方向への割れの伝播を防止した状態で折離作業が行えるという本願の効果が得られることが認められる。
(2)折離用溝16を形成した場所のシード保持部材6の外径が小さくなると、破壊荷重が小さくなることが認められる。従って、溝を形成した場所のシード保持部材6の外径が極端に小さくなるような、溝深さの折離用溝16を形成した場合(例えば、上記実験における溝深さが1.5cmを越えるような場合)は、シード保持部材6の強度が弱くなり過ぎて、意図しない衝撃で折損する虞がある。加えて、通電時に電圧が溝を形成した部分において過度にかかり、過熱の不具合が生じる虞が高い。シード保持部材6の一部で加熱が起こると、該熱によってシリコン結晶が溶け出す虞がある。そこで、折離用溝16を形成した箇所で従来よりも小さな負荷で割れることに加え、該溝に沿って割れが伝播され、意図せぬシード保持部材6の箇所に割れの伝播を防止しながら折離作業が行えるという本願の効果に加えて、少なくとも意図しない衝撃で折損しない程度の強度を備えていること及び通電時に電圧が溝を形成した部分において過度にかかることに起因した過熱の不具合を防止することも考慮するのであれば、該溝深さは一定の範囲とするのが好ましい。例えば、シード保持部材6の外径を5cmとした上記実験の場合、溝深さは1.0cm付近が好ましい。より好ましくは該溝の深さは0.7〜1.5cm付近である。
なお、表1及び図6より、貫通孔14の有る場合と無い場合とでは、破壊荷重の値に殆ど差はないことが認められる。このことから、貫通孔14は破壊強度に影響しないと考えられる。
(その他の事項)
上記実施の形態では、シード保持部材6は、台座部6aと胴部6bと截頭円錐台状の先端部6cとから構成されていたが、シード保持部材6の形状はこれに限定されるものではない。例えば、先端部6cを截頭円錐台状とせず、胴部6bをそのまま上方に延ばした構造であってもよい。
本発明は、任意の箇所に折離用溝を形成することにより、該溝において応力集中を起し、従来よりも小さな負荷の折離作業を可能とする。また、該溝に沿って割れが伝播され、意図せぬシード保持部材箇所での割れを防止しながら折離作業を行うことができ、シード保持部材及びそのシード保持部材を用いた多結晶シリコン製造方法に適用することができる。
1:反応炉 4:シード
5:電極部 6:シード保持部材
6a:台座部 6b:胴部
6c:先端部 10:第1の嵌合孔
13:第2の嵌合孔 14:貫通孔
15:固定ネジ 16:折離用溝
20:シリコン析出部

Claims (11)

  1. シーメンス法で多結晶シリコンを製造する炉の底部に設置された電極部に装着され、種棒となるシードの下端部を保持する黒鉛製のシード保持部材であって、
    外周面に折離用凹部を有し、該折離用凹部は固定ネジを差し込む貫通孔よりもシード寄りに形成されていることを特徴とするシード保持部材。
  2. シーメンス法で多結晶シリコンを製造する炉の底部に設置された電極部に装着され、種棒となるシードの下端部を保持する黒鉛製のシード保持部材であって、
    外周面に折離用凹部を有し、該折離用凹部はシード保持部材に差し込まれたシードの端部よりも固定ネジ寄りに形成されていることを特徴とするシード保持部材。
  3. 前記折離用凹部の深さは、シード保持部材の外径の14%以上、30%以下である請求項2記載のシード保持部材。
  4. 前記凹部は折離用溝である、請求項1〜3のいずれかに記載のシード保持部材。
  5. 前記折離用溝の周方向に関する形成範囲が、周方向全周又はその一部である、請求項記載のシード保持部材。
  6. 前記折離用溝はシード保持部材外周面の周方向に延在している、請求項4又は5記載のシード保持部材。
  7. 前記折離用溝は、シード保持部材の表面にシード表面より析出したシリコン結晶の成長部よりも下側に形成されている、請求項4〜6のいずれかに記載のシード保持部材。
  8. 前記シード保持部材の先端が截頭円錐台状に形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載のシード保持部材。
  9. シーメンス法により多結晶シリコンを製造する方法であって、
    種棒となるシードの下端部を保持するシード保持部材の外周面で且つ固定ネジを差し込む貫通孔よりもシード寄りに折離用凹部を予め形成しておき、この凹部が形成されたシード保持部材を、多結晶シリコンを製造する炉の底部に設置された電極部に装着するステップと、
    シードの表面に多結晶シリコンを析出するステップと、
    シードの表面に多結晶シリコンが析出後、シード保持部材を凹部より折損して、多結晶シリコンが付着したシードを炉外に取り出すステップと、
    炉外に取り出されたシードから、シード保持部材と多結晶シリコンの分離作業を行うステップと、
    を有することを特徴する多結晶シリコン製造方法。
  10. シーメンス法により多結晶シリコンを製造する方法であって、
    種棒となるシードの下端部を保持するシード保持部材の外周面の任意の箇所に折離用凹部を予め形成しておき、この凹部が形成されたシード保持部材を、多結晶シリコンを製造する炉の底部に設置された電極部に装着するステップと、
    シードの表面に多結晶シリコンを析出するステップと、
    多結晶シリコン析出後、シードを保持した状態のままシード保持部材を電極部から取り外して、炉外に取り出すステップと、
    炉外に取り出した後、シード保持状態のシード保持部材を凹部より折損して、シード保持部材と多結晶シリコンの分離作業を行うステップと、
    を有することを特徴する多結晶シリコン製造方法。
  11. 前記凹部は折離用溝である、請求項9又は10記載の多結晶シリコン製造方法。
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