JP5430718B2 - 液体吐出ヘッド、および該液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、および該液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は紙や布などの記録媒体に対して記録液などの液滴を吐出口より吐出させて記録を行う液体吐出ヘッドおよび、この液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
この種の液体吐出ヘッドを備えた記録装置は記録ヘッドとなる液体吐出ヘッドのコンパクト化が容易であることを特徴としている。さらに、高精細な画像を高速で記録することができる。また、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少ない。しかも多色の記録液を使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの多くの利点を有している。
液体吐出ヘッドは、液滴よる画像を形成する記録ヘッド部と、この記録ヘッド部に対して記録液を供給する記録液供給部とから構成されている。また、記録ヘッド部に対して記録液貯蔵タンクを交換可能にする形態と、記録ヘッド部と記録液貯蔵タンクを一体化した形態のものがある。
以下に記録液貯蔵タンク交換式の液体吐出ヘッドの従来構成について説明する。
図33は記録ヘッドに対して記録液貯蔵タンクを装着した状態を示す斜視図である。図34は記録ヘッド周辺の構成を示す分解斜視図である。
図33に示される記録ヘッドカートリッジH1000(液体吐出ヘッド)は、インクタンクH1900と記録ヘッドH1001から構成され、インクタンクH1900は着脱可能に記録ヘッドH1001に保持固定される(特許文献1参照)。また、記録ヘッドH1001は、電気熱変換素子などの吐出エネルギー発生素子によりインク滴を吐出させる記録素子基板H1100を有する記録素子ユニットH1002と、インクタンクH1900を保持し、記録素子ユニットH1002にインクを供給するためのインク流路を形成するホルダーユニットH1003から構成されている。
図34は、記録ヘッドH1001の分解斜視図である。ホルダーユニットH1003は、ホルダーH1500と流路形成部材H1600から構成され、両者を貼り合せることによって、例えば6個のインクタンクH1900から記録素子ユニットH1002にインクを供給する6つの供給路を形成している。両者を接合する方法は、超音波溶着によって行われる。また、特許文献2に示されるように接着剤によって接合される構成もある。
溶着部の構造は、図35および図36に示すようになっている。図35(a)は、流路形成部材側の溶着面、図35(b)は、ホルダー側の溶着面を説明する図である。また、図36は、図35に示すA−A断面図であり、図36(a)は、溶着前の状態、図36(b)は、溶着後の状態を説明する図である。それらの図に示すように、インク流路H1601となる溝の周囲にエネルギーダイレクタH1602を設け、ホルダーH1500(容器保持部材)と流路形成部材H1600を超音波溶着で接合することにより、インク流路H1601を完成している。一般的に超音波溶着では、二つの接合部の一方の面にエネルギーダイレクタを形成し、もう一方の面に溶着部の逃げ溝H1502を設け、超音波溶着時に両者のベース面が密接するようにしている。
特開2007−283668号公報 特許第3019768号(特開平7−343741号公報)
上述したような構成の液体吐出ヘッドは記録液供給路等で記録液中に気泡が発生したり混入したりすると、液滴が不吐出になったり不安定な吐出となってしまう。また、複数の吐出口に連通する複数の流路の上流側が共通する共通液室に上記の気泡が集まり滞留し大きな気泡に成長すると、記録液の供給不良を起こして、さらに進行すると広範囲に及ぶ不吐出に至る。このような気泡の発生もしくは混入の理由としては以下のような点が挙げられる。
1)記録液が吐出口から漏れ出さないようにするため、吐出口から上流の共通液室および記録液供給路は負圧を維持している。この負圧のため記録液供給路の継目や共通液室、記録液供給路の接続部に生じる微小な隙間から空気が侵入して気泡となる。
2)記録液供給路、共通液室を形成する部材または部材間を接続するシール部材あるいは接着剤、封止材などから空気が透過して気泡となる。
3)記録液供給路、共通液室を形成する部材または部材間を接続するシール部材あるいは接着剤、封止材などの中に残存するガスが気泡となる。
4)記録液中に溶存するガスが記録液の温度上昇もしくは圧力低下に伴い気泡を発生する。
5)記録ヘッドに対して記録液貯蔵容器から記録液を供給する際に記録液と一緒に気泡が混入してしまう。
上述したような気泡が記録液供給路や共通液室内に滞留すると、気泡自体が記録液中で、表面積を小さく保とうとする性質により球状になろうとする。このため、記録液供給路の断面が円形に近ければ近いほど気泡によって記録液の供給が妨げられ易くなる。そして、このような遮断が生じると記録液の供給不良に伴う液滴の不吐出に至ってしまう。また、気泡によって完全に遮られなくても大量の記録液供給を要する記録モードにおいては液滴の不吐出が広範囲に及んで発生してしまう。
以下に、従来構成の3つの事例を紹介して各々の課題について詳細に説明する。
事例1として、例えば特許文献1に示されるような超音波振動溶着法による流路形成部材と容器保持部材を接合する構成が挙げられる。このような構成の場合には以下のような課題があった。
1)2つの部材(流路形成部材と容器保持部材)の溶融接合により、溶融した樹脂がはみ出して記録液供給路の中へバリ状に突出する虞がある。
2)バリ状に突出した樹脂がさらに超音波振動を受けて脱落し破片となって記録液供給路内に飛び散る虞がある。
3)2つの部材の接合後に記録液供給路内を洗浄することによってバリや破片を除去する必要がある。
4)溶融樹脂のはみ出しを軽減させるため、2つの部材の接合部であってエネルギーダイレクタとしての凸部とこれを挿入する逃げ溝としての凹部との間に、溶融樹脂を収容する空隙を設ける必要がある。
5)上記の空隙に気泡が滞留するため、吸引回復によって滞留気泡を除去する必要がある。
6)流路形成部材と容器保持部材の双方の接合面は高い平面精度が要求される。
また、事例2として例えば特許文献2に開示される構成が挙げられる。
特許文献2に記載の記録液供給路は、図37及び図38に示すように記録液供給路の下方が平面形状で上方が円弧状の曲面形状を有する構成である。このような構成の場合、以下のような問題を有している。
1)供給路上方を円弧形状で形成すると流路断面積が小さくなり、記録ヘッドの小型化にとって不利な構成である。
2)円弧部2001と平面部2003を接着剤2004で接合する構成のため、両者の間に接着剤2004を収容する空隙部2002が必要となる。
3)流路下方の空隙部2002による凹みに気泡Xが滞留するため吸引回復によって気泡を除去する必要がある。
4)空隙部2002を設けない構成にすると、円弧部2001と平面部2003の接合時に接着剤2004が流路内にはみ出してしまい、複数の製品の流路断面が一様な形状で無くなる虞がある。
5)接着剤2004がはみ出すと、流路内面の濡れ性が一様でなくなり記録液の供給性能を低下させてしまう。
6)隣接する流路の間の壁の厚みが、流路上方へ向う程厚くなるといった不均一な肉厚になるため、部材を射出成形する際にヒケが発生して寸法精度を悪化させてしまう。
7)円弧部2001を有する部材と平面部2003を有する部材の双方の接合面に高い平面精度が要求される。
上述したような円弧部と平面部の間の空隙部は、流路断面隅部に凹みとして存在するとともに微小な隙間のため流抵抗の大きな空間領域となる。さらに、この空隙部は記録液供給路長において広範囲にわたって存在する。このため、記録液供給路内に記録液を充填する際にこの空間には気泡が残留しやすくなる。そして、この残留気泡が起点となり後から発生する気泡Xと合流して大きな泡に成長してしまう。記録液供給路内の残留気泡は記録液の供給を妨げることになることから、気泡をできる限り除去する必要がある。
また、事例3として、レーザー溶着法によって容器保持部材と流路形成部材とを接合する構成が挙げられる。この構成の場合は以下のような課題を有している。
1)流路部へレーザーが照射されると流路表面が溶融してしまう。このため流路表面が粗くなり記録液の流動抵抗が増大して記録液の流動に乱れが生じる。したがって、レーザーの照射幅よりも2部材の接合面の幅を大きく設定して、レーザー光が流路表面に回り込まないようにする必要がある。
2)レーザー透過側部材(流路形成部材)の厚み変動がレーザー透過率分布に影響する。つまり、部材厚の大きい領域は部材厚の小さい領域に比べてレーザー透過率が減少し、溶着強度は小さくなる。
3)流路形成部材にリブ、突起、斜面などの障害物を設けるとレーザー光が障害物に反射したり、屈折したりする。このためレーザー照射エネルギーの分布が悪化して所望の溶着強度が得られなくなる。
4)容器保持部材と流路形成部材の双方の接合面は高い平面精度が要求される。仮に接合面に大きなそりや大きなひけが発生すると容器保持部材と流路形成部材の密着性が悪化する。
5)レーザー透過率の大きな材料を選択しなければならない。
上記した従来の3つの事例で説明したように記録液供給路内の残留気泡は記録液の供給を妨げる要因となる。さらに気泡が成長して大きくなると記録液の流れを遮ってしまい、ノズル内に記録液が十分に供給させず、液滴の不吐出に至ってしまう。一方、溶融接合によって発生する記録液供給路内への突起やバリにおいても気泡同様に記録液供給の妨げとなり、液滴の不吐出を誘発する。そして、このような液滴不吐出の発生を回避するため、吸引回復処理が必要となっている。また、レーザー溶着法においてはレーザー透過を阻害するような部材の厚み変動やリブ、突起、斜面などの設置は制限される。
本発明は、上述した実情に鑑み、記録液供給路に気泡が混入しても液滴の不吐出に至るのを回避することを目的としている。
また本発明は、記録液供給路の断面形状を簡素化して記録液供給路内に気泡が滞留しにくくなるような構造にすることも別の目的としている。具体的には本発明は、記録液供給路を形成する二つの部材の接合部に接着剤や溶融樹脂を収容する空隙の設置を避ける構成を提供する。
また本発明は、記録液供給路全域において断面がほぼ同一形状となるような構造及びその製造方法を提供することを別の目的としている。
また本発明は、気泡混入の抑制と記録液供給路の断面積確保との両立を目指し記録ヘッドの小型化を図ることを別の目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、
液体を吐出する吐出口と、前記吐出口から液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子を備える液体吐出ユニットと、
前記液体吐出ユニットに液体を供給するための供給路を備える液体供給ユニットと、
を備える液体吐出ヘッドであって、
前記液体供給ユニットは、前記供給路の一部を形成する溝と、前記溝の開口縁に沿って形成される、前記溝の深さよりも浅い凹部と、を備える第1の流路形成部材と、前記凹部の底面に当接し前記溝の蓋部となる、前記溝の延在方向と直交する方向に関する幅が前記溝の幅よりも大きい凸部を備える第2の流路形成部材と、を含み、
前記凸部の側面と、前記第1の流路形成部材の前記溝が形成される面とに当接し、前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とを接合する、樹脂の射出成形によって形成される接合部を有するものである。
また本発明の更なる態様は、上記液体噴射記録ヘッドを製造する方法であって、
液体を供給するための供給路の一部となる溝と、前記溝の開口縁に沿って形成される、前記溝の深さよりも浅い凹部と、を備える第1の流路形成部材と、前記溝の蓋部となる凸部を備える第2の流路形成部材と、を射出成形する第1の射出成形工程と、
前記第1の流路形成部材の前記凹部の底面と、前記第2の流路形成部材の凸部の先端面とを当接させる工程と、
前記凸部の側面と、前記第1の流路形成部材の前記溝が形成される面と、に当接する部位に樹脂を注入し、前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とを接合する接合部を射出成形する第2の射出成形工程と、を有し、
前記溝の延在方向と直交する方向に関する前記凸部の幅は前記溝の幅よりも大きいことを特徴とする。
本発明は液体供給路を形成する2つの部材間の接合箇所に空隙部を設けない構成のため、気泡の滞留が軽減されて記録液のスムーズな供給が実現できる。したがって、気泡除去を目的とする吸引回復操作は簡単な吸引動作と低頻度の吸引処理で対処できるようになる。その上、1回の吸引回復処理に伴う記録液の排出量を格段に減少させることができる。
また、1)液体供給路を形成するために一方の部材に形成された溝の開口を覆う他方の部材である流路形成部材が液体供給路の輪郭に沿った必要最小限の形状で形成されていること、2)記録液供給路を形成する2つの部材(即ち流路形成部材と容器保持部材)を接合する封止材料を収容する空隙部を設ける必要がないこと、3)接合部の領域が小さく設定できること、4)液体供給路の断面が概略四角形状であることから流路断面積を大きく確保できること、などから、隣接する流路間の距離を小さく設定し、記録ヘッドを小型化することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの液体供給路を形成する2つ部材及び両者の接合の様子を示す記録液流路近傍の部分断面図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの液体供給路を形成する2つ部材及び両者の接合の様子を示す排出口近傍の部分断面図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの液体供給ユニットを製造する射出成形用金型を示す断面図である。 図3の工程の次の工程である1次射出成形工程の動作を説明するための断面図である。 図4の工程の次の工程である型開き動作を説明するための断面図である。 図5の工程の次の工程である可動側型板のスライド工程の動作を説明するための断面図である。 図6の工程の次の工程である、1次射出成形前の型閉め動作を説明するための断面図である。 図7の工程の次の工程である2次射出成形工程の動作を説明するための断面図である。 図8の工程の次の工程である、2次射出成形後の型開き動作および流路形成部材の成形品取出動作を説明するための断面図である。 本発明の二つの流路形成部材の接合部分の一例を示す部分概略断面図である。 本発明の二つの流路形成部材の接合部分の別の構成例を示す部分概略断面図である。 本発明の二つの流路形成部材の接合部分のさらに別の構成例を示す部分概略断面図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの液体供給ユニットの実施形態を示す斜視図である。 (a)は第一の実施形態による液体吐出ヘッドの液体供給ユニットを、該ユニットを形成する二つの流路形成部材に分離した状態を示す斜視図で、(b)はその状態を底面から見た平面図である。 (a)は第一の実施形態による液体吐出ヘッドの液体供給ユニットを形成するために、該ユニットを形成する二つの流路形成部材を当接した状態を示す斜視図で、(b)はその状態を底面から見た平面図である。 (a)は第一の実施形態による液体吐出ヘッドの液体供給ユニットを形成するために、該ユニットを形成する二つの流路形成部材が接合された状態を示す斜視図で、(b)はその状態を底面から見た平面図である。 本発明の実施形態として、記録液貯蔵タンクと連結される供給口から記録素子基板の共通液室までの流路部分を模式的に示す図である。 (a)は第二の実施形態の液体供給ユニットが2部材に分割された状態を示す斜視図で、(b)はその状態において第1の流路形成部材を底面から見た平面図である。 (a)は第二の実施形態の液体供給ユニットを構成する2つの流路形成部材が当接された状態を示す斜視図で、(b)はその状態を底面から見た平面図である。 (a)は第二の実施形態の液体供給ユニットを構成する2つの流路形成部材が接合された状態を示す斜視図で、(b)はその状態を底面から見た平面図である。 成形される第2の流路形成部材の寸法精度の低下対策を説明する図である。 本発明の第三の実施形態として、成形される第1の流路形成部材の、液体供給路となる溝の周囲部分に対するヒケ対策を説明するための図である。 第三の実施形態として、液体供給路となる溝の周囲部を肉抜きした構成での接合部材を示す断面図である。 本発明の第三の実施形態として、2部材間の接合部の周囲に充填される接合部材に対するヒケ対策を説明するための断面図である。 接合部材に対するヒケ対策の別の例を説明するための断面図である。 本発明の第四の実施形態として、タンクの供給口から記録素子基板の共通液室までの経路を示す図である。 第四の実施形態によって得られるジョイント部材を示す斜視図である。 本発明に係る製造方法の適用例として第五の実施形態を説明する図である。 本発明に係る製造方法の適用例として第五の実施形態を説明する図である。 本発明に係る製造方法の適用例として第五の実施形態を説明する図である。 図28のA−A断面図である。 本発明に係る製造方法の適用例として第五の実施形態を説明する図である。 従来の液体吐出ヘッドの斜視図である。 図33の液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 図33の液体吐出ヘッドを構成する2部材の溶着部を説明する図である。 図35のA−A線断面図である。 液体供給路の下方が平面形状で上方が円弧状の曲面形状を有する従来の流路構成を説明するための図である。 液体供給路の下方が平面形状で上方が円弧状の曲面形状を有する従来の流路構成を説明するための図である。 従来の二部材の接合方法に起因する課題を説明する図であって、従来の液体吐出ヘッドの、タンクの供給口から記録素子基板の共通液室までの経路を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(基本形態)
図1は本発明の液体吐出ヘッドにおける液体供給路部の構造例において供給路の途中を示す断面図である。図2は、図1と同じ液体供給路部の構造例において供給路の排出口を示す断面図である。
図1及び図2に示すように記録液供給路11aは、第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12とを接合することによって構成されている。第2の流路形成部材12は第1の流路形成部材11に対して接合部材13によって接合される。なお、第2の流路形成部材12には、図5に示すように記録液を記録素子基板側へ導出するための排出口12b(導出開口部)が設けられている。
さらに具体的に述べると、第1の流路形成部材11の、第2の流路形成部材12が接合される面には記録液の通路となる溝が設けられている。この溝の開口を塞ぐための蓋として第2の流路形成部材12が第1の流路形成部材11の溝に沿った形状を持つ。第1の流路形成部材11の溝を第2の流路形成部材12の凸部で蓋をすると、トンネル状の通路が形成される。この通路が記録液供給路11aとなる。そして、接合部材13は、第1の流路形成部材11の溝の開口部を塞いだ蓋としての第2の流路形成部材12を容器保持部材11に強固に接合している。
形成された記録液供給路11aの流路断面は概略四角形状となっている。液体吐出ヘッドを記録装置本体に装着して使用する際、記録液供給路11aが重力方向に対して交差する方向に延伸されている状態となる。
流路断面が概略四角形である記録液供給路の場合、発生した気泡は浮上して天井面に張り付きその場に停滞してしまう。このようなことから、記録液供給路11aの天井面(図1では上面)の隅部はR形状もしくは曲面形状に処理されている。
また、記録液供給路11a内部は記録液供給路11aの延びる方向(延在方向)においてほぼ同一の流路断面形状に形成されている。これにより、記録液供給路11aの中で発生した気泡が上方に浮上しても隅部に引っ掛かって停滞することはない。その上、流路長の広範囲に及んで断面がほぼ同一形状に形成されることから記録液供給路内の流抵抗変動が小さくなり、記録液が安定的に供給される。なお、隅部の形状は曲面処理に限られるものではなく、面取りであっても同様の効果が得られる。
また、二つの流路形成部材で構成される記録液供給路の接合箇所に凹み等の空隙部が出来ない構成であるため、気泡を停滞させることなく記録液をスムーズに下流へ流すことができる。したがって、気泡除去を目的とする吸引回復操作は簡単な吸引動作と低頻度の吸引処理で対処できるようになる。なおかつ、1回の吸引回復処理に伴う記録液の排出量を格段に減少させることができるようになる。
次に、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法、特に上述した二つの流路形成部材11及び12からなる記録液供給路11aを備えた構造体(例えば図15の記録液供給ユニット6(液体供給ユニット))を製造する方法について説明する。図3から図9に記録液供給ユニット6の製造工程を示す。
図3は記録液供給ユニット6を射出成形する金型のダイセットの一例を示す模式図(型閉め状態)である。
この図において、金型31は固定側型板32、ランナープレート33、可動側型板34、固定側取付板35、可動側取付板36から構成されている。
可動側型板34はガイド軸37の軸方向に沿ってスライド可能な構造となっている。不図示の油圧式、電動式、空気圧式のシリンダやモータなどの駆動手段によって移送制御される。
可動側型板34には、第1の流路形成部材11を射出成形する第1キャビティ41と、第2の流路形成部材12を射出成形する第2キャビティ42とが形成されている。
固定側型板32には溶融樹脂を導くスプルー43、44が設けられている。スプルー43は1次射出成形溶融樹脂を導くための1次スプルー、スプルー44は2次射出成形溶融樹脂を導くための2次スプルーである。
ランナープレート32において、1次スプルー43の下流にはランナー45,46が分岐して形成されている。ランナー45は第1キャビティ41に向かう第1ランナー、ランナー46は第2キャビティに向かう第2ランナーである。さらに、第1ランナー45の下流には第1キャビティ41に溶融樹脂を注入するための第1ゲート48が配設されている。同様に、第2ランナー46の下流には第2キャビティ42に溶融樹脂を注入するための第2ゲート49が配設されている。
さらに、ランナープレート32において、2次スプルー44の下流にはランナープレート第3ランナー47が配設され、第3ランナー47の下流には第3ゲート50が配設されている。なお、第3ゲート50の先端には可動側型板34のコア(凸部)34aが対向して当接しており、ゲート先端が塞がっている状態となっている。
以下に記録液供給ユニット6の射出成形工程を図4から順を追って説明する。なお、本実施形態は1次射出成形(第1の射出成形工程)と2次射出成形(第2の射出成形工程)をそれぞれ個別射出機により同じ樹脂材料で成形する構成であるが、単一射出機で成形する構成にすることも可能である。ただし、単一射出機を採用する場合は1次射出成形と2次射出成形が同じ樹脂材料で成形されることになる。したがって、1次射出成形と2次射出成形を異材質の樹脂で成形する場合は2筒以上の複数射出機を採用することになる。
「1次射出成形工程」(図4参照)
不図示の射出機から1次スプルー43に向けて溶融樹脂が射出されると、1次スプルー43を通過した溶融樹脂は第1ランナー45と第2ランナー46に分配される。そして第1ランナー45、第1ゲート48を通過した溶融樹脂が第1キャビティ41に充填されると第1の流路形成部材11が成形される。一方、第2ランナー46、第2ゲート49を通過した溶融樹脂が第2キャビティ42に充填されると第2の流路形成部材12が成形される。
こうして、第1キャビティ41及び第2キャビティ42によって、第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12が1次射出成形工程で同時に成形される。
「金型スライド工程(1)」(図5、6参照)
第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12の所定時間冷却が完了すると型開閉装置によって型開きする。つまり、固定側型板33とランナープレート32との間、ランナープレート32と可動側型板34との間が離隔する。固定側型板33とランナープレート32が離隔されると、1次射出成形で形成された1次スプルーランナー部61は離型し除去される。第1の流路形成部材11は可動側型板34のキャビティ内に留まって、ランナープレート32より離隔される。一方、第2の流路形成部材12はランナープレート32のキャビティ内に留まって、可動側型板34より離隔される。
次いで、可動側型板34は不図示の駆動手段によってガイド軸37の軸方向上方へ移送される。そして、第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12が対向する位置までスライドすると移送は停止する(図6、図1(a)、図2(a)参照)。
「流路形成部材同士の当接工程」(図7参照)
可動側型板34の移動が完了すると型開閉装置によって型閉めする。つまり、固定側型板33とランナープレート32との間、ランナープレート32と可動側型板34との間が密着することになる。このとき、可動側型板34のコア34aはランナープレート32に設けられた凹部32aに収容される。また、1次射出成形工程で成形された第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12は当接される。つまり、第2の流路形成部材12が、第1の流路形成部材11に形成された溝の開口部を閉塞する状態となる。
図7中の符号51は後述する2次射出成形工程のための第3キャビティを指し示している。この第3キャビティ51はランナープレート32と第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12によって囲まれた領域である。なお、1次射出成形工程段階では、この領域に可動側型板34のコア34aが進入するため溶融樹脂は充填されていない。
「2次射出成形工程」(図8参照)
不図示の射出機から2次スプルー44に向けて溶融樹脂が射出される。2次スプレー44、第3ランナー47、第3ゲート50を通過した溶融樹脂が第3キャビティ51に充填されると、接合部材13(図1(c)、図2(c)参照)が成形される。このように接合部材13が成形されることによって第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12は接合されて記録液供給ユニット6として一体化する。つまり、第2の流路形成部材12が第1の流路形成部材11の溝開口部を閉塞することにより、トンネル状の通路からなる記録液流路11aが形成される。
1次射出成形工程後に第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12はキャビティ内に留まっていることから、樹脂の冷却は中途段階で留まっている。つまり、2次射出成形工程では第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12は高い温度を保持している。
この状態で溶融樹脂が第3キャビティ51に充填されるため、第1の流路形成部材11、第2の流路形成部材12、及び接合部材13は溶着によって互いに接合される。充填する樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。このように、別個独立の3部材は、2次射出成形工程で加熱された状態で金型の加圧を受けて溶着接合される。その上、第1の流路形成部材11、第2の流路形成部材12、及び接合部材13が同じ樹脂材料で成形されることから3部材は非常に強固に接合されて一体物になる。
「離型工程」(図9参照)
接合部材13の所定時間冷却が完了すると型開閉装置によって型開きする。そして、製造された記録液供給ユニット6が可動側型板34から離型される。また、2次射出成形で形成された2次スプルーランナー部62も離型し除去される。
「金型スライド工程(2)」
記録液供給ユニット6が離型されると、可動側型板34は不図示の駆動手段によってガイド軸37の軸方向下方へ移送される。そして、第1キャビティ41と第2キャビティ42が成形できる位置までスライドすると移送は停止する。
以上の手順が本発明の射出成形工程の一例を説明したものである。
本実施形態のように1次射出成形部材と2次射出成形部材の容積が大きく異なるような場合は2筒射出機の採用が望ましい。これにより、1次射出成形工程の成形条件と2次射出成形工程の成形条件を個別に最適化することができる。したがって、本実施形態では2筒射出機を採用して1次射出成形と2次射出成形を同じ材質で射出成形している。このように、別個の2部材同士の接着が当該2部材と同じ材料の溶融樹脂によって成されるため、大きな接着強度が得られる。
また本発明によれば、一組の金型と射出成形法によって2部材の成形およびその2部材の接合が実施される。よって、2部材を接合するときの相対位置決めは金型の位置決め精度に依存しており、この結果高精度な部品製作が可能となる。このような構成により、従来構成のような2部材の位置決め不良に伴う接合不良問題の発生を阻止することができる。その上、従来構成のような2部材の接合工程を廃止することができるので生産性が格段に向上する。
次に、流路形成部材11,12間の接合部分の構成について詳述する。
図10において、符号sで指し示す箇所は、記録液供給路11aを形成するための第1の流路形成部材11の溝開口に対する第2の流路形成部材12のオーバーラップを示す。すなわち、第2の流路形成部材12の腕部12aの幅は、記録液供給路11aを形成するための溝の開口幅に、sの2倍の寸法を加えたものになる。このオーバーラップsは、2次射出成形工程で、接合部材13となる樹脂を充填する際に樹脂が記録液供給路11a内へ浸入するのを食い止めるものである。
第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12は型締め力によって当接されていることからオーバーラップsが小さくても接合部材13の浸入を阻止できる。
このオーバーラップsは0.1mmから0.6mmであれば十分に機能を果たすことができる。例えば、記録液供給路11aを形成するための第1の流路形成部材11の溝の幅方向中心と第2の流路形成部材12の腕部12aの幅方向中心とを一致させた場合、腕部12aの幅は第1の流路形成部材11の溝の幅(溝の延在方向と直交する方向に関する幅)よりも0.2mmから1.2mm大きくすれば良い。
また、第1及び第2の流路形成部材同士を金型内で当接させた状態で射出成形法により接合部材を充填して2部材を接合するため、接合部材13の幅も小さく設定することができる。このようにオーバーラップsと接合部材13の幅を小さくすることができるので、記録液供給路11aの隣接間距離p(図10、図15参照)を小さくする設定することができる。したがって、液体吐出ヘッドの大幅な小型化が実現可能となる。
なお、オーバーラップsは0.6mmを上限とするものではなく、液体吐出ヘッドの小型化を追求しない構成であればsの値は任意に設定可能である。また、第1の流路形成部材11の溝開口縁に設けられた段差11bに第2の流路形成部材の腕部12aを当接するような構成(図10参照)は、接合部材13の記録液供給路への浸入を防止する効果を向上させるのに有効である。すなわち、段差11bと腕部12aの隙間に大きな流動抵抗を生じさせられるので、液体吐出ヘッドを大型化することなくオーバーラップsを大きくすることと同様の効果を生むことになる。
また本実施形態は、図11に示すように第1の流路形成部材11に、図10に示される段差11bの形状を設けない構成にすることも可能である。
また、記録液供給路11aの一部を形成する溝開口に対する第2の流路形成部材12のオーバーラップの幅が流路溝の幅方向左右で異なるように構成しても構わない(図12の符号t,u)。
例えば2次射出成形工程では、接合部材13としての樹脂を充填するゲート51の近傍は充填圧力が大きくなる。この対策として、ゲート51の周辺は符号uで示すようにオーバーラップを大きく設定し、ゲート51の周辺以外は符号tで示すようにオーバーラップを小さく設定する。
(第一の実施の形態例)
次に、本発明の液体吐出ヘッドについて第一の実施の形態例を示す。
図13は本発明に係る液体吐出ヘッドの実施形態を示す斜視図である。図14(a)は本実施形態による液体吐出ヘッドの記録液供給ユニットが2部材に分割された状態を示す斜視図で、図14(b)は図14(a)の状態において第1の流路形成部材を底面から見た平面図である。図15(a)は本実施形態による液体吐出ヘッドの記録液供給ユニットを構成する2つの流路形成部材が当接された状態を示す斜視図で、図15(b)は図15(a)の状態を底面から見た平面図である。図16(a)は本実施形態による液体吐出ヘッドの記録液供給ユニットを構成する2つの流路形成部材が接合された状態を示す斜視図で、図16(b)は図16(a)の状態を底面から見た平面図である。
本実施形態の液体吐出ヘッドは記録液吐出ユニット2と記録液供給ユニット6から構成される(図13)。記録液吐出ユニット2(液体吐出ユニット)は、不図示の液滴吐出部及び電気配線部によって構成される。液滴吐出部は液滴を吐出する吐出口が列を成して形成されたノズル列からプリント信号に従って液滴を吐出する部分である。一方、電気配線部は液体吐出記録装置本体との間を伝送されるプリント信号の受け渡しをする部分である。液滴吐出部に電気配線がなされるフレキシブルケーブル、TAB等のシート配線部材を有する。記録液供給ユニット6は記録液吐出ユニット2の保持と、不図示の液体貯蔵タンク(記録液貯蔵タンク)を装着保持するための筐体の役割を担う。
記録液吐出ユニット2の液滴吐出部は、記録素子基板、これを支持する支持基板、及び電気配線基板などから構成される。
記録素子基板には、Si基板の片面に記録液を吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数の記録素子(不図示)を配設する。また、各記録素子に電力を供給するAl等の配線が成膜技術により形成される。この記録素子に対応した複数の流路と複数の吐出口(不図示)とがフォトリソグラフィ技術により形成される。この吐出口と接続される複数の流路に記録液を供給するための記録液室(不図示)が裏面に開口するように形成されている。
記録液供給ユニット6は、第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12との2部材から構成されている。本実施形態では第1の流路形成部材11が、記録液貯蔵タンクを保持する筐体を兼ねる。
第1の流路形成部材11の底面には記録液供給路11aとなる溝が設けられている。一方、第2の流路形成部材12は複数の幅狭の長尺部(以下、腕部と呼ぶ。)12aを備えている。腕部12aは、第1の流路形成部材11の底面の、記録液供給路11aとなる溝の輪郭に沿った形状となっている。第2の流路形成部材12の腕部12aは第1の流路形成部材11底面に形成された液体供給路11aとなる溝の開口を塞ぐ蓋としての役割を担っている。(図1(a)、図1(b)、図14、図15参照)
このような第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12は前述した射出成形により形成され且つ接合部材13によって接合される。第1の流路形成部材11の記録液供給路11aとなる溝の開口縁と第2の流路形成部材12の腕部12aとが当接する部分の周囲を覆うように接合部材13が形成される。(図1(c)、図16参照)
本実施形態では、液体吐出ヘッドが液体噴射記録装置(例えばシリアルタイプのインクジェットプリンタ)に搭載された使用状態で、第1の流路形成部材11は重力に対して上側に配置され、第2の流路形成部材12は重力に対して下方に配置される。したがって、蓋状の第2の流路形成部材12は重力に対する下方側から、第1の流路形成部材11の記録液供給路11a用の溝の開口を覆うように構成されている。
不図示の記録液貯蔵タンク(液体貯蔵タンク)から記録液供給ユニット6の供給口7(導入開口部)に流入する記録液は、流路形成部材11及び12によって形成された記録液供給路11aを流れる。そして、記録液供給路11aの下流端に達した記録液は、第2の流路形成部材12に形成された排出口12b(導出開口部)から、記録液吐出ユニット2の液滴吐出部の記録素子基板へ供給される。記録液供給路11aは記録液貯蔵タンクが収容する記録液の種類に応じて複数形成されている。
図17に、記録液貯蔵タンクと連結される供給口7から記録素子基板の共通液室までの流路部分を模式的に示す。
記録液供給ユニット6の第1の流路形成部材11内部には、供給口7から、記録素子基板に対して概略垂直方向に延伸される第1垂直流路16が形成されている。第1垂直流路16の終端には、記録液供給路11aの上流端と接続される流路連通口11bが配設されている。
記録液供給路11aの下流端の排出口12bには、記録素子基板に対して概略垂直方向に延伸される第2垂直流路17が接続されている。第2垂直流路17は記録素子基板の支持基板に形成されており、記録素子基板の共通液室に接続されている。
第1垂直流路16と第2垂直流路17は流動抵抗が最も小さくなる円形乃至長円形状の断面形状を成している。第1垂直流路16と第2垂直流路17は記録素子基板に対して垂直方向に流路が延伸させているため、発生した気泡は流路上流側へ浮上することになる。浮上した気泡は垂直流路の先端部で停滞する。そして、後から浮上してくる気泡はすでに垂直流路上流部に停滞している気泡と合体する。この垂直流路は円形乃至長円形状であることから下流側に向けて記録液や気泡をスムーズに流すことができる。すなわち、垂直流路上流部に滞留する気泡は簡易的な吸引処理であっても気泡を下流側に流動させることができることから気泡は容易に排出される。
以上のような構成により記録液貯蔵タンク内から供給口7を介して供給された記録液は以下のような経路で記録素子基板まで流れる。記録液貯蔵タンク→供給口7→第1垂直流路16→流路連通口11b→記録液供給路11a→排出口12b→第2垂直流路17→共通液室15→記録素子基板
以上説明した本実施形態によれば、記録液供給路11aを形成するための、第1の流路形成部材11の溝開口を塞ぐ蓋状の第2の流路形成部材12の腕部12aは記録液供給路11aの輪郭に沿った必要最小限の形状で形成されている。また、2部材の接合のための接着剤などを収容する空隙部を確保する必要がない。また、2つの流路形成部材が射出成形によって接合されるため接合部の領域を小さく設定することができる。また、記録液供給路11aの流路断面が概略四角形状であることから流路断面積を大きく確保することができる。
このような効果が少なくとも得られることから、隣接する流路間の距離を小さく設定することができ、液体吐出ヘッドの小型化が実現できる。
(第二の実施の形態例)
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。
前述した記録液供給路11aの蓋となる第2の流路形成部材12の腕部12aのように幅及び厚みともに小さく、長尺となる領域は射出成形時に金型キャビティに食い付き易く、こうした個所は金型離間時(型開き時)に変形する懸念がある。一般的に、金型離間時の可動側型キャビティ(可動側型板34)への食い付きを"とられ"と称している。そして、金型離間時に"とられ"が発生すると成形品の寸法精度が著しく低下するだけでなく、所望の形状が崩れてしまう虞がある。
このような離型側キャビティへの"とられ"によって生じる変形は、複数の排出口12bが隣接する領域から離れている流路連通口11bの近傍で顕著に発生する。
ここでは、上記の対策を図18から図20に基づいて述べる。また、これらの図には第一の実施形態と同じ構成要素に同一符号を付してあり、同一構成要素の説明については第一の実施形態の説明を参照されたい。
図18(a)は本実施形態の記録液供給ユニットが2部材に分割された状態を示す斜視図で、図18(b)は図18(a)の状態において第1の流路形成部材を底面から見た平面図である。図19(a)は本実施形態の記録液供給ユニットを構成する2つの流路形成部材が当接された状態を示す斜視図で、図19(b)は図19(a)の状態を底面から見た平面図である。図20(a)は本実施形態の記録液供給ユニットを構成する2つの流路形成部材が接合された状態を示す斜視図で、図20(b)は図20(a)の状態を底面から見た平面図である。
第2の流路形成部材12は、複数の腕部12aと、各々の腕部12aの流路連通口11b側の端部同士を連結する橋渡し部18(18a,18b)とを一体化して備えている。
本例では、ある腕部12aの流路連通口11b側の一端12cと、別の腕部12aの流路連通口11b側の一端12dとが、橋渡し部18aで連結されている。さらに別の腕部12aの流路連通口11b側の一端12eと、別の腕部12aの中間部12fとが、橋渡し部18bで連結されている。
接合部材13は、第1の流路形成部材11の底面と第2の流路形成部材12の腕部12aとの当接部分の周囲だけでなく、第1の流路形成部材11の底面と橋渡し部18(18a,18b)との当接部分の周囲を覆うようにも形成されている。
第一の実施形態の場合では第2の流路形成部材12の各腕部12aの流路連通口11b側の一端は、この反対側の端と比べて、どこにも繋がっておらず孤立している(図15参照)。これに対して本実施形態では、第2の流路形成部材12の各腕部12aの流路連通口11b側の一端12c、12d、12e、もしくは中間部12fが橋渡し部材18で連結されている。したがって、この構成によれば、成形された第2の流路形成部材12の可動側型キャビティへの"とられ"を阻止できる。
また、更なる対策として、橋渡し部18を成形する金型キャビティ部分に樹脂を鋳込むためのゲートを配設すれば、橋渡し部18の固定側型キャビティへの食い付きを意図的に増大させることができる。
一般的に樹脂をキャビティ内に鋳込むためのゲート周辺は大きな成形圧力が作用することから樹脂の充填密度の高くなる領域である。樹脂の充填密度の高い領域はキャビティへの樹脂の食い付きが増すため、可動側型キャビティへの"とられ"を抑制することができる。よって、橋渡し部18の成形キャビティ部分にゲートを配設すれば、各腕部12aの流路連通口11b側の一端12c、12d、12e、もしくは中間部12fの"とられ"は、確実に回避されるようになる。その結果、記録液供給ユニット6を極めて良好な寸法精度の成形部品に仕上げることができる。
また、他の対策として、図21の符号12gに示すように、第2の流路形成部材12の各腕部12aの流路連通口11b側の端部12c、12d、12eに関して、これらの部位の固定側型の側を他の部位より厚くしたり、或いは、端部12c、12d、12eの固定側型の側にピン形状を設けたりすることが考えられる。
このように対策によれば、各腕部12aの流路連通口11b側の端部を固定側型キャビティ(固定側型板33)から離型するときの抵抗が増すため、各腕部12aの端部12c、12d、12eの可動側型キャビティへの"とられ"が回避される。
本実施形態によれば、第1の流路形成部材11の溝の開口縁に当接させる第2の流路形成部材12の腕部12aの変形を防ぐことができるため、第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12との接合部を隙間無く密着させることができる。その結果、その接合部の周囲に接合部材13としての樹脂を充填した際に樹脂が記録液供給路11a内に浸入されないものとなる。
(第三の実施の形態例)
次に、本発明の第三の実施形態について図22から図25を参照して述べる。
前述したとおり、本発明は、二つの流路形成部材11,12を同一金型内で成形し、第1の流路形成部材11に形成された溝の開口縁と第2の流路形成部材12の腕部12aとを金型内で当接し、この状態で当接部分の周囲に接合部材13を充填して2部材を接合する。このとき、第1の流路形成部材11の溝と第2の流路形成部材12の腕部12aとによって出来る記録液供給路11aの中へ、接合部材13としての樹脂が浸入しない事が重要となる。その為の対策として、既に、図10に示すオーバーラップsの設定や、第二の実施の形態に示したような第2の流路形成部材12の形状の工夫を述べた。本実施形態では、さらなる対策を示す。
第一の実施形態のように、第2の流路形成部材11を構成している壁の一つに記録液供給路11aとなる溝を形成する場合、溝の下の肉厚を溝の所以外の肉厚と同等にして壁全体に亘って均一な肉厚にすると成形性が良い。そのため、一定の厚さの壁に対して溝を形成する箇所は他よりも盛り上げて形成される。その結果、溝の縁からある程度の範囲は厚肉部分となり、また、溝形状が複雑になるほど溝周囲部分や溝間の広範囲に厚肉部が出来てしまう(図14(b)参照)。
このような厚肉部は第2の流路形成部材12の硬化時にヒケが生じやすい。第一の実施形態のような複雑な形状の記録液供給路11aを形成する場合、第2の流路形成部材11,12の、第1の流路形成部材11が当接された部分の周辺にヒケが生じると、両部材11及び12の接合部に隙間が生じ、記録液供給路11aの中へ、接合部材13としての樹脂が浸入する虞がある。
そこで本実施形態では、図22に示すように、記録液供給路11aとなる溝の周囲の厚肉部61において肉抜き部62が形成されている。肉抜きの箇所は、記録液供給ユニット6の試作の段階でヒケが生じる箇所を特定することにより決められる。このような構成により、内面に凹凸の無い記録液供給路を形成することができる。
また、図23は記録液供給路11aとなる溝の周囲部を肉抜きした構成での接合部材13を示す断面図であるが、同図のように肉抜き部62の所では接合部材13の肉厚が他よりも厚くなる。したがって、このような一つの凹部からなる肉抜き部62の接合材料13は硬化時にヒケを生じやすく、ヒケによって第2の流路形成部材12を引っ張って2部材11及び12の接合部に隙間を発生させる虞がある。そこで本実施形態では、図24に示すように、肉抜き部62となる凹部の内側に一又は複数のリブ63が設けられ、これによって接合部材13のヒケを防止して、内面に凹凸の無い記録液供給路を形成することができる。
さらに、接合部材13のヒケを防止する別の例を図25に示す。この図の例では、肉抜き部62としての凹部内に接合部材13が充填されないように、その凹部の開口が蓋部材64で閉鎖されている。このような構成では接合部材13が厚肉となることがないため、硬化時にヒケが発生せず、記録液供給路の形状を損なうことなく製品の成型が可能である。また、肉抜き部62が空洞になるため、その分材料使用量を抑制でき製品のコストダウンが可能である。
(第四の実施の形態例)
次に、本発明の第四の実施形態について図26及び図27を参照して述べる。また、これらの図には第一及び第二の実施形態と同じ構成要素に同一符号を付してあり、同一構成要素の説明については第一及び第二の実施形態の説明を参照されたい。
従来のような接着剤、超音波振動溶着、レーザー溶着などの手段で第1の流路形成部材11と第2の流路形成部材12を接合する場合はヘッド小型化に限界があった。
すなわち、接着剤による接合方式は記録液供給路への接着剤はみ出しを回避する接着剤収容空間を設ける必要があった。一方、超音波振動溶着方式は被溶融接合部(リブ形状など)と、記録液供給路への溶融樹脂のはみ出しを回避するために溶融樹脂収容空間を設ける必要があった。このような収容空間は記録液流動方向に対して直角方向に適宜確保されるが、この収容空間が大きくなるほど密着強度が大きくなる。また、レーザー溶着方式においてもレーザー光が流路表面に回りこまないようにレーザー照射部の両側に空間を設ける必要があった。
以上のことから、接着剤、超音波振動溶着、レーザー溶着などの手段では接着部分の両側に空間領域の確保が必要であった。したがって、この空間領域の設置が記録液供給路の隣接距離p'を小さくする際の設計障害となっていた(図38(D)参照)。このように空間領域の設置が液体吐出ヘッドの小型化を阻害する要因となっていた。
また、図39に示すように記録素子基板1は近年の高密度配線技術の向上により第2共通液室1aの隣接距離mを小さくして外形小サイズ化と低コスト化が図られている。ところが、前述したようなことから、従来の接合方式では記録液供給路間の距離p'は第2共通液室間距離mの狭小化に対応して狭小化することは困難である。このため、記録液供給路末端に設けられる第2垂直流路17の配置が各色の記録液供給路毎に異なる不規則な配列となっている。
図39は記録液貯蔵タンクが接続されるインク供給口7から記録液供給路11aを経て第1共通液室15までの流路の従来例を示す模式図である。
略三角形状の第1共通液室15における記録液供給口15aは、第2垂直流路17の延長するように配設され連通する。第1共通液室15の長手方向の中心に記録液供給口15aを配設することが好ましい。ところが、前述した記録液供給路間距離p'の制限によって記録液供給口15aは第1共通液室15の長手方向中心から離間して配設しなければならなかった。これにより、図39に示すように第1共通液室15の長手方向に対して記録液供給口15aは第1共通液室15毎に配置が異なる不規則な構成となっていた。また、同一種類の記録液を複数の第1共通液室15に振り分けるような従来のヘッド構成では記録液流路を交差しないように這い回す工夫が必要となる。このようなヘッド構成では記録液供給口15aの配列における不規則性がさらに増すことになる。この結果、図39に示すように、第1共通液室15は各々異なる三角形状を形成することになる。
記録液供給口15aの配置によって決まる第1共通液室15の略三角形状は記録液流入性能や記録液充填性能を左右する重要な因子である。各々の第1共通液室15の略三角形状が異なって並列されるような構成は記録液流入や記録液充填のバランス低下を招く。つまり、吸引回復制御の難易度が増して複雑な吸引回復制御が必要となる。その上、第2垂直流路17と第1共通液室15との間をシール接続するジョイント部材が複雑な形状となり大型化して高価な部品となってしまう。
このような課題は本発明により解決される。
すなわち、本発明の接合方法は、図10及び図11に示したオーバーラップsと第2の記録液供給路間の接合部材13の幅とを小さく設定できることから、記録液供給路11aの隣接距離pを小さくすることができる。本発明によれば、例えば記録液供給路11aの流路幅wが1mm、記録液供給路間の隣接距離pが1.8mmである構成が実施可能である。ちなみに従来例の事例1,2のような流路形成部材接合方法では、記録液供給路の流路幅wが1mmである場合、記録液供給路間の隣接距離pが2.8mm程度であった。
このように、記録液供給路間距離pの狭小化が可能なことから図26に示すように供給口15aを規則的に終結させることができる。図26において、手前から1、3、5番目の第1共通液室15は方向/形状ともに互いに同一である。一方、2、4、6番目の第1共通液室15は方向/形状ともに互いに同一である。さらに、前者(奇数番目)の第1共通液室15を底面15bの中心線を主軸に反転させると後者(偶数番目)の第1共通液室15と一致する形状となる。すなわち、第1共通液室15は全て同一の概略三角形状であることから吸引回復性能に対してバランスの良い配置である。したがって、記録液流入性能や記録液充填性能に優れており、吸引回復制御を簡素化することができる。
また、記録液供給路間距離pの狭小化による供給口15aの規則性良い配置は、記録素子基板側の共通液室15の供給口15aと記録液供給ユニット6側の記録液排出口との間にシール性の高い接続口18aを構成するジョイント部材18の小型化も可能となる(図27参照)。このようなジョイント部品18の小型化によって部品コストの削減が可能となる。
以上、本実施形態によれば、小さい領域で記録液供給路の這い回しができるようになる。よって、記録素子基板の第2共通液室間距離m(図39)の狭小化、ひいては外形サイズの小型化に対応できるようになり、記録ヘッドのコストダウンが可能となる。
(第五の実施の形態例)
本発明に係る製造方法の他への適用例を第五の実施形態として説明する。
特開平8−183061号公報には中空部を有する成形品の製造方法が提案されている。この製法では、一次成形において、凹状容器の開放端の内周側に段部を設けるとともに、その開口縁の外周側の面から突出した形のフランジ部を有する容器部を成形する。また、その一次成形において、容器部の開放端の段部にはめ込める平板部を成形するとともに、平板部の、容器部側とは反対側面から突出した形のフランジ部を成形する。そして二次成形において、容器の段部に平板部の外周端をはめ込んだ状態で、容器部のフランジ部と平板部のフランジ部との間に溶融樹脂を充填して両者を一体化する。これにより、密閉された中空製品が得られる。
このような方法では、接合部分としてフランジ部を必要とするため、平板部に平行な方向の成形品幅が大きくなる懸念がある。また、フランジ部は容器から突出しているため成形品の小型化に適さない。さらに、容器の凹状部と平板部とで構成される中空部が連続して複数設けられた成形品の場合には、中空部間にフランジ部が必要となるため、複数の中空部を高密度に配置することは適さない。
これに対し、前述したとおりの本発明の製造方法によれば、二つの流路形成部材11,12を同一金型内で成形し、第1の流路形成部材11に形成された溝の開口縁と第2の流路形成部材12の腕部12aとを金型内で当接し、この状態で当接部分の周囲に接合部材13を充填して2部材を接合して、中空部となる記録液供給路11aを得ている。(図1、図10〜図12参照)
したがって、本発明に係る製造方法を適用することにより、第一半成形品と第二半成形品との接合によって得られた中空部から外方に突出した部分を持たず、中空成形品を小型化することが可能である。また、接合のための突出部を設ける必要がないため、複数の中空部を連続して配置する場合でも中空部間の距離を小さくし高密度化が可能になるため中空成形品を小型化することが可能である。
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。
図28は本実施形態に係る中空製品71を示し、第一成形品72と第二成形品73からなる。図29に示すように第一成形品72は底壁と周囲壁により凹状の容器部を構成するように成形されている。第二成形品73は平板状になっており、略蓋状に成形されている。第一成形品72、第二成形品73ともに接合のための外方に突出した部分をもたない。
図31(a)に図28のA−A断面を示す。第二成形品73が第一成形品72の開口端の内周側の段部75に収まるように重ねた後に第一及び第二成形品で形成される周囲部分に封止材料としての接合部材74を充填することにより中空成形品として一体化される。
第一成形品72に設けられた段部75は第二成形品72の位置を決めるためのものであり、金型等、他に位置を決める手段があれば段部は必ずしも必要はなく、図30すなわち図31(b)に示すような形状でもよい。
本実施形態によると第一成形品72と第二成形品73の接合に要する範囲は第一、第二成形品の周囲のみであるために得られる中空製品は小型化が可能である。また、そのため中空製品の形状自由度の高い形状設計が可能である。さらに、容器部の凹状部を平板状の部材で閉じることで構成される中空部76が連続する場合には、図32に示すように中空部76間の接合部を共有することで中空部76間の距離が小さくなり高密度配置が可能である。
なお、第一、第二成形品は射出成形、切削等の周知の方法により成形できる。そして第一、第二成形品を所定の位置に固定し周囲を封止することにより所望の中空製品を得ることができる。
また、接合部を射出成形によって製造することも可能である。この場合、一次成形によって第一、第二成形品を成形し、二次成形により接合することになる。一次成形と二次成形はそれぞれ個別金型によって成形してもよいし、単一金型で成形する構成にすることも可能である。
1 記録素子基板
6 記録液供給ユニット(液体供給ユニット)
11 第1の流路形成部材
11a 記録液供給路(液体供給路)
12 第2の流路形成部材
12a 腕部
12c、12d、12e 腕部一端
12f 腕部中間部
13 接合部材
18、18a、18b 橋渡し部
32 固定側型板
33 ランナープレート
34 可動側型板
35 固定側取付板
36 可動側取付板
41 第1キャビティ
42 第2キャビティ
43 1次スプルー
44 2次スプルー
45 第1ランナー
46 第2ランナー
47 第3ランナー
48 第1ゲート
49 第2ゲート
50 第3ゲート
53 第3キャビティ
61 厚肉部
62 肉抜き部
63 リブ
64 蓋部材

Claims (7)

  1. 液体を吐出する吐出口と、前記吐出口から液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子を備える液体吐出ユニットと、
    前記液体吐出ユニットに液体を供給するための供給路を備える液体供給ユニットと、
    を備える液体吐出ヘッドであって、
    前記液体供給ユニットは、前記供給路の一部を形成する溝と、前記溝の開口縁に沿って形成される、前記溝の深さよりも浅い凹部と、を備える第1の流路形成部材と、前記凹部の底面に当接し前記溝の蓋部となる、前記溝の延在方向と直交する方向に関する幅が前記溝の幅よりも大きい凸部を備える第2の流路形成部材と、を含み、
    前記凸部の側面と、前記第1の流路形成部材の前記溝が形成される面とに当接し、前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とを接合する、樹脂の射出成形によって形成される接合部を有する、液体吐出ヘッド。
  2. 前記液体吐出ヘッドの使用状態において、前記第1の流路形成部材は前記第2の流路形成部材に対して上側に形成されている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記第1の流路形成部材は液体を貯蔵する液体貯蔵タンクからの液体を導入する導入開口部を備え、前記第2の流路形成部材は前記液体吐出ユニットに液体を導出する導出開口部を備える、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記凸部は、前記溝に沿って形成されている、請求項1からのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 液体を供給するための供給路の一部となる溝と、前記溝の開口縁に沿って形成される、前記溝の深さよりも浅い凹部と、を備える第1の流路形成部材と、前記溝の蓋部となる凸部を備える第2の流路形成部材と、を射出成形する第1の射出成形工程と、
    前記第1の流路形成部材の前記凹部の底面と、前記第2の流路形成部材の凸部の先端面とを当接させる工程と、
    前記凸部の側面と、前記第1の流路形成部材の前記溝が形成される面と、に当接する部位に樹脂を注入し、前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とを接合する接合部を射出成形する第2の射出成形工程と、を有し、
    前記溝の延在方向と直交する方向に関する前記凸部の幅は前記溝の幅よりも大きい、液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 液体を吐出する吐出口と、前記吐出口から液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子を備える液体吐出ユニットを用意する工程と、
    前記第2の射出成形工程の後に、前記第2の流路形成部材に形成された液体を導出する導出開口部と、前記液体吐出ユニットとを接続する、請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とは一体の金型で射出成形される、請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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