JPH115306A - 液体噴射記録ヘッド - Google Patents

液体噴射記録ヘッド

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JPH115306A
JPH115306A JP17632497A JP17632497A JPH115306A JP H115306 A JPH115306 A JP H115306A JP 17632497 A JP17632497 A JP 17632497A JP 17632497 A JP17632497 A JP 17632497A JP H115306 A JPH115306 A JP H115306A
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ink
jet recording
recording head
liquid
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JP17632497A
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Yukuo Yamaguchi
裕久雄 山口
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】天板の成形条件、成形制御等が簡単に行え、高
精度の天板を容易に形成することのできる構成を備えた
液体噴射ヘッド。 【解決手段】吐出エネルギー発生素子が複数のインク流
路に対応するように設けられた基板と、複数のインク流
路に対応する溝が形成され、溝の一端に連通してインク
を吐出する吐出口13が形成されたオリフィスプレート
14とからなる天板部材11と、天板部材11における
オリフィスプレート14と反対側の溝の一端に連通して
溝にインクを供給する共通液室を有する液室部材と、基
板の端面にオリフィスプレート14の裏面を突き当て、
基板と天板部材の溝とを接合させることによって、吐出
エネルギー発生素子に対応して複数のインク流路が形成
されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録紙に対してオリ
フィスプレートの吐出口からインクを吐出することによ
って記録がなされる液体噴射記録装置に用いられる液体
噴射記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録装置は液体噴射記録ヘッド
のオリフィスの吐出口からインク(記録液)を液滴とし
て吐出することによって記録紙に記録を行うもので、液
体噴射記録装置より伝達される駆動信号に基づき液流路
中のインクを加熱することによって、インクに状態変化
を生起させ、気泡を形成し、この気泡形成時の体積変化
に基づいてインクが吐出口より吐出される。液体噴射記
録ヘッドは一般的に、複数の吐出エネルギー発生素子を
配列した基板と、その上部を覆う天板を有し、天板は、
基板上の各吐出エネルギー発生素子に面した液流路(ノ
ズル)と各液流路にインクを供給する供給液室とインク
を吐出するための吐出口を備えている。吐出口は多数の
微細穴からなっており、それらの穴を効率良く形成する
方法としてレーザ加工が利用されている。天板は前記の
通り複雑な構成であることから樹脂によって成形され、
ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニ
レンオキサイド、変性PPO、ポリプロピレン、液晶ポ
リマー(以下、LCPと称す)等の耐インク性に優れた
樹脂材料が使用される。吐出エネルギー発生素子として
は具体的には、記録信号に応じて通電することにより発
熱する電気熱変換体が使用され、吐出エネルギー発生素
子は、シリコン基板であるヒータボードに対し、半導体
分野における薄膜形成技術を用いて形成されている。
【0003】かかる液体噴射記録ヘッドの概略図を図4
乃至図6に示す。これらの図に示すように、この液体噴
射記録へッドは、インク吐出圧発生素子を設けた基板
(以下、ヒータボードと称す)01と、このヒータボー
ド01と接合されて記録液体(以下、インクと称す)を
収容する共通液室07および液流路(ノズル)08を構
成する凹凸部を有した天板02とからなる。天板02
は、液流路(ノズル)08に連通してインクを吐出する
ためのインク吐出口09を有するオリフィスプレート0
4を一体的に併せ持っている。ヒータボード01は支持
基板(以下、ベースプレートと称す)03に接着剤によ
り接着固定され、天板02は、ヒータボード01上に配
設されているインク吐出圧発生素子としてのヒータ部0
6と、天板02の液流路(ノズル)08とが合致するよ
うに接着され、天板02の有しているオリフィスプレー
ト04は、ベースプレート03の前端面に前垂れのよう
に配置されている。また、天板02の共通液室07はイ
ンク供給部材05よりインクの供給を受ける。このよう
な液体噴射記録ヘッドにおいては、液流路(ノズル)0
8とヒータボード01とを接合してインク流路を形成す
る場合、液流路(ノズル)08とヒータボード01との
接合を接着剤で行うと液流路(ノズル)内に接着剤が入
り込み液流路(ノズル)形状が変わったり、液流路(ノ
ズル)が閉塞されてしまうことがあるため好ましくな
い。従って、少なくとも液流路壁部分は機械的に押圧し
て接合を行っている(不図示)。
【0004】しかしながら、機械的押圧では液流路壁や
その他すべての接合部分とヒータボード01との接合が
確実に行えないため、ヘッドの液密性を高める目的でし
ばしば封止剤も用いられている。この封止剤は、液体噴
射記録ヘッドのインクに接する部材の接合部分に使用さ
れており、天板02のオリフィスプレート04と、ヒー
タボード01およびベースプレート03との隙間部分の
封止は、各々の部材間の隙間と、封止剤との間に発生す
る毛管力によって、ベースプレート03とオリフィスプ
レート04の間あるいはヒータボード01の端面とオリ
フィスプレート04との間が封止される。また、図6の
ように天板02の液流路(ノズル)08のピッチとヒー
タボード01上のヒータ06のピッチは同一に設定され
ており、インクの吐出精度を向上させるために各液流路
(ノズル)08と各ヒータ06が高精度に対向するよう
に双方の部品加工および双方のアライメント調整は高精
度に行われている。なお、インクはインク供給部05か
ら、天板02上部に具備されたインク供給口02aから
供給される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した液体噴射記録
ヘッドの従来例では、ヒータボード01は、シリコン基
板、天板02は樹脂の成形品であり、天板02の液流路
(ノズル)とヒータボード01上のヒータ06は高精度
に位置決め接合され、そのピッチも数十μmと非常に微
細寸法に形成されている。液体噴射記録ヘッドの使用環
境下や保存環境下において環境温度の変化が生じた場
合、液体噴射記録ヘッドを構成する部品は個々に体積変
化を起こそうとする。ヒータボード01を形成する部材
の材料と天板02を形成する部材の材料とが異なること
から、両部材の間には、両者の相対位置を動かそうとす
る力が作用することになる。つまり、温度変動に応じた
線膨張から発生する内部応力によって、ヒータボード0
1と天板02は個々に体積変化を起こそうとし、対向し
て接合される液流路(ノズル)と、ヒータ06とが相対
位置ズレを起こそうとする。ところが、前記の通り液流
路壁は機械的に押圧されており、この押圧力によって液
流路壁とヒータボード01との間の摩擦力が増大するた
め、この摩擦力と液流路壁自体の機械的強度とによっ
て、液流路壁とヒータボード01との相対位置ズレが阻
止されている。
【0006】しかしながら、パソコン端末、コピー、F
AX等の出力装置としての液体噴射記録装置において
は、今後、銀塩フィルムに匹敵する解像力を得ることが
必須となっており、液体噴射記録ヘッドを構成する吐出
口、液流路、ヒータの各大きさやピッチは更に微細化さ
れて行くことになる。例えば、一回の噴射で720dp
iの解像度が得られるように吐出口を形成した液体噴出
記録ヘッドのような場合、液流路壁の厚みが必然的に小
さくなり、前記した摩擦力および機械的強度は相対的に
低下して行くことになり、このような液体噴射記録ヘッ
ドにおいては、液流路(ノズル)とヒータ06の相対位
置ズレが懸念されることになる。これに対して、液流路
壁に対する機械的押圧力を高めて、液流路とヒータとの
相対位置ズレを抑制しようとすると、液流路壁自体の機
械的強度が低下しているために、高温環境下では液流路
壁は機械的押圧力に耐えきれずに座屈や屈曲等の塑性変
形を起こすことが懸念され、機械的押圧力を上げること
はあまり得策とはならない。
【0007】また別の方策としては、線膨張係数の小さ
い樹脂を使用して、天板02を成形することが考えられ
る。具体例には、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレン、変
性PPO、LCP等の耐インク特性に優れている樹脂に
フィラーやビーズ等の強化剤を含ませて線膨張係数を小
さくした樹脂材料や非強化状態でも金属に匹敵する線膨
張係数を有するLCP等の樹脂材料を使用して成形する
方法が挙げられる。このような樹脂材料を使用して成形
する一例として、まず、強化剤を充填した樹脂材料で天
板を成形する方法について述べる。天板02の液流路
(ノズル)08を形成する液流路壁の幅は数μmから十
数μmと微細寸法であり、前記した強化剤の粒子の寸法
が液流路壁の厚みよりも大きくなる可能性があり、強化
剤を充填した樹脂で成形すると、強化剤が液流路壁に転
写されないばかりでなく、強化剤が後方より流れてくる
溶融樹脂の流れをせき止めたり、場合によっては成形品
表面に析出した強化剤が欠落することがある。一方、液
流路壁の厚みよりも微細な粒子の強化剤を使用して成形
しても、液流路壁を形成する金型の表面が強化剤によっ
て損傷する可能性があり、金型の耐久性を低下させるこ
とになる。また、数μm程度の微細な粒子の強化剤は製
作が困難であり、それを含んだ樹脂は非常に高価とな
る。したがって、強化剤が充填された樹脂で天板を成形
することは成形品の線膨張係数を低下させることには有
効であるものの成形品の品質の低下、金型の耐久性の低
下、高価な材料費等の弊害を伴うために有効な方法とは
ならない。
【0008】次に、LCP等の線膨張係数の小さい樹脂
で天板を成形する方法について述べる。LCPは非強化
剤の樹脂グレードであっても流動性が良く、一方で金属
に匹敵する小さな線膨張係数を有する樹脂である。反
面、金型内で溶融樹脂が合流する際にポリマーが容易に
絡み合わないため、ウェルド強度が一般のポリマーの1
/2〜1/4程度と低く、また、成形収縮率や線膨張係
数に大きな異方性が有るという欠点を持つ樹脂材料であ
る。天板02には共通液室07とインク供給口02aと
のインク供給部が有り、これらによって天板02の一部
分には穴が開くことになり、成形品にはウェルドが形成
されることになる。天板02をLCPで成形する場合に
は、ウェルド形成によって部品の機械的性能や製品性能
が損なわれないようにするため、ゲート位置に細心の注
意を払って、ウェルド形成位置を確実に制御することが
非常に重要となっている。また、場合によっては、ウェ
ルド形成位置制御のために製品形状を変更しなければな
らないこともある。更に、ゲート位置制御、製品形状変
更等では十分なウェルド対策とはならないような場合に
は、成形時に強制的に樹脂の配向制御を行って、ウェル
ド形成位置を操作したり、ウェルドを取り除くことも行
なわれている。
【0009】ウェルド形成位置を操作する手段として
は、ウェルド形成部の近傍で成形品の外形より連続した
成形品の外側に樹脂溜まりを設けて、溶融樹脂充填時の
所定のタイミングにウェルドおよびその周辺樹脂を樹脂
溜まり部に追い払う方法等がある。この樹脂溜まり部は
独立した駆動手段により金型内において開閉制御される
部分であり、溶融樹脂充填後、ウェルドが形成された直
後に樹脂溜まり部は駆動開放され、その瞬間からウェル
ドおよびその周辺の樹脂はこの樹脂溜まりに流れ込んで
行くようになる。そして、樹脂溜まりに追い払われたウ
ェルド部を含むその周辺樹脂は離型時あるいは離型後に
ゲート同様に切断除去されることになる。このようにし
て形成された成形品には、ウェルドラインの形状が大き
く変わるか、ウェルドが若干残るか、あるいはウェルド
が完全に除去された部材として完成される。なお、上記
のように金型内に樹脂溜まり部を設けて開閉制御する方
式は、溶融樹脂の流動を制御する方法であることから、
樹脂の異方性制御においても有効な方法となることか
ら、製品精度の向上、線膨張の制御等にも適用すること
ができる。以上に説明したように、今後の液体噴射記録
装置における高解像度化に伴い、天板02に適応可能な
樹脂材料はかなり限定されてくることになるとともに、
成形制御は難しくなり、また金型構造も複雑になるとい
う問題がある。
【0010】そこで、本発明は、上記した従来例のもの
における課題を解決し、天板の成形条件、成形制御等が
簡単に行え、高精度の天板を容易に形成することのでき
る構成を備えた液体噴射ヘッドを提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、液体噴射ヘッドを以下のように構成した
ことを特徴とするものである。すなわち、本発明の液体
噴射ヘッドは、インクに吐出エネルギーを与える吐出エ
ネルギー発生素子が複数のインク流路に対応するように
設けられた基板と、前記複数のインク流路に対応する溝
が形成され、該溝の一端に連通してインクを吐出する吐
出口が形成されたオリフィスプレートとからなる天板部
材と、前記天板部材における前記オリフィスプレートと
反対側の溝の一端に連通して該溝にインクを供給する共
通液室を有する液室部材と、前記基板の端面に前記オリ
フィスプレートの裏面を突き当て、前記基板と前記天板
部材の溝とを接合させることによって、前記吐出エネル
ギー発生素子に対応して前記複数のインク流路が形成さ
れてなる液体噴射記録ヘッドであって、前記天板部材を
構成する前記溝と前記オリフィスプレートとが一体に形
成され、前記共通液室を有する液室部材が該天板部材か
ら分割して設けられていることを特徴としている。ま
た、本発明の液体噴射ヘッドは、前記インクを吐出する
吐出口が、前記溝と一体に形成されてなる前記オリフィ
スプレートに対して、穴あけ加工を施して形成されてい
ることを特徴としている。また、本発明の液体噴射ヘッ
ドは、樹脂材料で形成されていることを特徴としてお
り、また、樹脂材料が、LCP樹脂等の線膨張係数が小
さく、流動性の良好な樹脂材料で形成されていることを
特徴としている。また、本発明の液体噴射ヘッドは、前
記天板部材が、Ni等の電鋳で形成されていることを特
徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、上記したように天板部
材における溝とオリフィスプレートとが一体に形成さ
れ、また、共通液室を有する部材が天板部材から分割し
て設けられて構成されているから、天板を樹脂等で成形
した後に、レーザ加工で吐出口を形成することによっ
て、天板部材には穴部が無く、ウェルド形成の阻止やウ
ェルド位置制御が単純にできるようになり、成形品の製
作を容易に行うことが可能となる。また、例えばLCP
樹脂等の線膨張係数が小さく、流動性の良好な樹脂材料
を使用した天板部材の成形が簡単にできるようになる。
また、樹脂溜まり部を設けるなどして、ウェルド除去操
作あるいはウェルド位置操作等の面倒な成形制御が不要
となることから、成形条件、成形制御等が簡単になるば
かりでなく、金型構造も簡単にできるようになる。ま
た、天板部材をNi等の電鋳で製作すれば、線膨張が小
さく、機械的強度の大きな天板部材とすることができ
る。また、電鋳は母型から±1μm〜±2μmの精度で
所望の形状に転写できることから、樹脂成形の天板部材
と比較すると高精度に成形できるとともに高精度の部品
を安定供給できるようになる。さらに、電鋳によって天
板を成形すれば、インク吐出口とインク流通溝が電鋳工
程で一括して形成可能となり、次工程において重要とな
るアライメント調整が不要となり、天板に要求される高
精度な部品加工が少ない工程で形成されることになる。
以下に、図に基づいて本発明の実施例について説明す
る。
【0013】
【実施例】図1乃至図3は本発明の実施例に係る液体噴
射記録ヘッドを示す図で、図1は液体噴射記録ヘッドの
天板を示す概略斜視図、図2は液体噴射記録ヘッドの分
解斜視図、図3(a)は液体噴射記録ヘッドを含むカー
トリッジの構成例を示す分解斜視図、図3(b)はカー
トリッジの外観斜視図である。以下に、本実施例を図1
および図3に基づいて説明する。図3は、インク供給源
たるインク収容部を一体としたディスポーザブルタイプ
のものとしてある。同図において、50はシリコン基板
上に電気熱変換体(吐出ヒータ)と、これにより電力を
供給する配線とが成膜技術により形成されて成るヒータ
ボードであり、51はヒータボード50に対する配線基
板であり、対応する配線は例えばTABにより接続され
る。52は天板、共通液室等を有するインク吐出部であ
り、本例においては天板と共通液室は別体に形成されて
いる。このインク吐出部52の詳細な構成は図1ないし
図2において詳述する。53は例えば金属製の支持基板
であり(以下ベースプレートと称す)、このベースプレ
ート53には配線基板51が粘着剤等によって貼り付け
られ、また、ベースプレート53は駆動に伴って生じる
ヒータボード50の熱を放熱冷却する部材としても機能
する。54は供給タンクであり、インク供給源をなすイ
ンク貯蔵部からインク供給を受け、ヒータボード50と
インク吐出部52との接合により形成される共通液室に
インクを導くサブタンクとして機能する。55は共通液
室へのインク供給口近傍の供給タンク54内の部位に配
設されるフィルタ、56は供給タンク54の蓋部材であ
る。57はインクを含侵させる吸収体であり、カートリ
ッジ本体80内に配設される。58は上記各部51〜5
6からなるユニットに対してインクを供給するための供
給口であり、当該ユニットをカートリッジ本体80の部
分59に配置する前の工程で供給口58よりインクを注
入することにより吸収体57のインク含侵を行なわせる
ことができる。60はカートリッジ本体の蓋部材、61
はカートリッジ内部を大気に連通するために蓋部材に設
けた大気連通口である。62は大気連通口61の内方に
配置される撥液材であり、これにより大気連通口61か
らのインク漏洩が防止される。供給口58を介してイン
ク充填が終了すると、各部51〜56よりなるユニット
は部分59に位置付けて配設される。この時の位置決め
ないし固定は、例えばカートリッジ本体80に設けた突
起63と、これに対応してベースプレート53に設けた
穴53aとを勘合させることにより行なうことができ、
これによって図3(b)に示すカートリッジが完成す
る。そしてインクはカートリッジ内部より供給口58、
ベースプレート53に設けた穴64および供給タンク5
4の図中裏面側に設けた導入口を介して供給タンク54
内に供給され、その内部を通った後、導入口より適宜の
供給管およびインク吐出部52のインク導入口65を介
して共通液室へと流入する。以上におけるインク連通用
の接続部には、例えばシリコンゴムやブチルゴム等のパ
ッキンが配設され、これによって封止が行なわれてイン
ク供給路が確保される。
【0014】次に、図1および図2において本実施例に
係るヘッド部および天板の構成について説明する。図1
に示すとおり、本発明に係る天板は、インク流路溝、イ
ンク吐出口を有し、インク流路構成部とオリフィスプレ
ートとを一体に設けた構成で、ポリサルフォン、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、変性P
PO、ポリプロピレン、液晶ポリマー(以下、LCPと
称す)等の耐インク性に優れた樹脂材料の射出成形によ
って形成される。同図において、11は天板、12はイ
ンク流路を形成するインク流通溝、13はインク流通路
12と連通するとともにインク流通溝12内のインクを
被記録媒体へ吐出するためのインク吐出口、14はイン
ク吐出口13を所望の個数(図においては簡略のために
4個)設けたオリフィスプレートである。この天板11
は、個々のインク流通溝12とインク吐出口13は成形
時に同時に作り込まれる場合と、インク流路形成面のみ
が成形されて、後からインク流通溝12とインク吐出口
13がレーザー加工等で形成される場合と、インク流通
溝12のみが成形されて、後からインク吐出口13がレ
ーザー加工等で形成される場合とがある。但し、高解像
度ヘッドになると、インク吐出口13は20〜30μm
程度の微細穴となるために成形によって吐出口を形成す
ることは困難であり、一般には後記2者によってインク
流通溝12とインク吐出口13を形成する必要がある。
【0015】レーザ加工が利用される場合は、高精度な
アライメント調整技術によって天板を位置決めした後
に、インク流通溝12あるいはインク吐出口13をレー
ザ加工によって形成する。また、インク流通溝12のよ
うな数十μmの溝深さやインク吐出口13のような数十
μmの穴深さの場合はレーザ加工を利用すれば高精度か
つ短時間で形成可能となるが、共通液室のように深い穴
加工となるとレーザ加工精度が極端に悪くなり、また加
工時間も非常に費やすこととなり共通液室にはレーザ加
工は適さない。何れの場合においても、天板11には各
々のインク流路に対応してインク吐出口13およびこれ
に連通するインク流通溝12が形成されることになり、
天板11はこのようにインク流通溝12を具備している
ことから溝付き天板11と呼称される。なお、本実施例
では、天板11成形時にウェルドが形成されることが好
ましくないことから、インク吐出口13は天板11成形
後にレーザ加工によって形成する形態を採っている。
【0016】次に、上記のような天板11を用いた液体
噴射記録ヘッドの構成について説明する。図2におい
て、15は樹脂等からなる液室部材で、16は液室部材
15の底面に凹状に設けられた共通液室で、共通液室1
6はインク導入口65と接し、供給タンク54(図3
(a)参照)からインク供給を受ける。天板11と液室
部材15とが接着または封止剤によって接着されること
により(インク吐出部13を示す)、インク流通溝12
と共通液室16は完全に連なり、共通液室16内のイン
クがインク流通溝12にスムーズに供給されるようにな
る。そして、インク吐出部13はヒータボード50上に
配設されるインク吐出圧発生素子としてのヒータ66
と、天板11のインク流通溝12とが合致するように接
着され、天板11の有しているオリフィスプレート14
はベースプレート53の前端面に前垂れのように配設さ
れる。67は押えバネで、押えバネ67に設けられた爪
67aとベースプレート53に設けた穴部53aを天板
11と液室部材16の背面側より押えバネ67の押圧力
を作用させて係合し、各インク流通溝12と共通液室1
6はヒータボード50によって完全に仕切られる。ま
た、この時インク導入口65は押えバネ67の穴67b
の中に配置される。
【0017】以上が本発明の実施例であるが、本発明の
ようにインク流通溝とオリフィスプレートを一体に形成
した溝付き天板が、共通液室を有する液室部材と分割し
て構成されるので、天板には共通液室を形成するための
穴部が無くなり、樹脂成形で天板を形成する際に、ウェ
ルドの発生を容易に阻止することができ、線膨張係数が
小さく、流動性の良好な樹脂材料、例えばLCP樹脂等
を使用した天板部材の成形品が簡単に製作できるように
なる。また、LCP樹脂の成形において必須とされてき
た金型におけるウェルド除去操作あるいはウェルド位置
操作等の面倒な成形制御が不要となることから、成形条
件、成形制御等が簡単になるばかりでなく、金型構造も
簡単にできるようになる。また、天板部材をNi等の電
鋳で製作すれば、線膨張を小さく、機械的強度の大きな
天板部材とすることができる。また、電鋳は母型から±
1μm〜±2μmの精度で所望の形状に転写できること
から、天板を電鋳で製作すれば、樹脂成形の天板部材と
比較しても高精度に成形でき、かつ高精度の部品を安定
供給できるようになる。
【0018】さらに、電鋳によって天板を成形すれば、
インク吐出口とインク流通溝が電鋳工程で一括して形成
可能となり、次工程において重要となるアライメント調
整が不要となり、天板に要求される高精度な部品加工が
少ない工程で形成されることになる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インク流通溝とオリフィスプレートを一体に形成した天
板部材が、共通液室を有する液室部材と分割されるよう
な構成となることから、天板部材には共通液室を形成す
るための穴部が無くなり、天板部材を樹脂成形で形成し
たときに、ウェルドの発生を容易に阻止することがで
き、樹脂充填制御および成形条件設定が容易となる。ま
た、本発明によれば、LCP樹脂等に代表される線膨張
係数が小さく、流動性の良好な樹脂材料を使用した場合
においても、天板部材の成形を簡単におこなうことが可
能となり、また、樹脂溜まり部を設けるなど金型に細工
をして、ウェルド除去操作あるいはウェルド位置操作等
をすることが必須とされてきたLCP樹脂の面倒な成形
制御が不要となることから、成形条件、成形制御等が簡
単になるばかりでなく、金型構造も簡単にできるように
なる。また、本発明によれば、天板部材をNi等の電鋳
で製作することにより、線膨張が小さく、機械的強度の
大きな天板部材を形成することができ、また、電鋳は母
型から±1μm〜±2μmの精度で所望の形状に転写で
きることから、樹脂成形の天板部材と比較すると高精度
に成形できるとともに、高精度の部品を安定供給するこ
とが可能となる。さらに、このような電鋳によって天板
を成形すれば、インク吐出口とインク流通溝が電鋳工程
で一括して形成可能となり、次工程において重要となる
アライメント調整が不要となり、天板に要求される高精
度な部品加工が少ない工程で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体噴射記録ヘッドの天板を示す
概略斜視図である。
【図2】液体噴射記録ヘッドの分解斜視図である。
【図3】図3(a)は、液体噴射記録ヘッドを含むカー
トリッジの構成例を示す分解斜視図であり、図3(b)
はカートリッジの外観斜視図である。
【図4】従来の液体噴射記録ヘッドの概略図である。
【図5】従来の液体噴射記録ヘッドの概略図である。
【図6】従来の液体噴射記録ヘッドにおける天板の液流
路(ノズル)のピッチと、ヒーターボードのピッチの関
係を示す概略図である。
【符号の説明】
11:天板 12:インク流通溝 13:インク吐出口 14:オリフィスプレート 15:液室部材 16:共通液室 50:ヒータボード 53:ベースプレート 66:ヒータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクに吐出エネルギーを与える吐出エネ
    ルギー発生素子が複数のインク流路に対応するように設
    けられた基板と、 前記複数のインク流路に対応する溝が形成され、該溝の
    一端に連通してインクを吐出する吐出口が形成されたオ
    リフィスプレートとからなる天板部材と、 前記天板部材における前記オリフィスプレートと反対側
    の溝の一端に連通して該溝にインクを供給する共通液室
    を有する液室部材と、 前記基板の端面に前記オリフィスプレートの裏面を突き
    当て、前記基板と前記天板部材の溝とを接合させること
    によって、前記吐出エネルギー発生素子に対応して前記
    複数のインク流路が形成されてなる液体噴射記録ヘッド
    であって、 前記天板部材を構成する前記溝と前記オリフィスプレー
    トとが一体に形成され、前記共通液室を有する液室部材
    が該天板部材から分割して設けられていることを特徴と
    する液体噴射記録ヘッド。
  2. 【請求項2】前記インクを吐出する吐出口が、前記溝と
    一体に形成されてなる前記オリフィスプレートに対し
    て、穴あけ加工を施して形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の液体噴射記録ヘッド。
  3. 【請求項3】前記天板部材が、樹脂材料で形成されてい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液
    体噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】前記樹脂材料が、LCP樹脂等の線膨張係
    数が小さく、流動性の良好な樹脂材料であることを特徴
    とする請求項3に記載の液体噴射記録ヘッド。
  5. 【請求項5】前記天板部材が、Ni等の電鋳で形成され
    ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の液体噴射記録ヘッド。
JP17632497A 1997-06-17 1997-06-17 液体噴射記録ヘッド Pending JPH115306A (ja)

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