JP5429478B2 - 灯具 - Google Patents

Description

本発明は、レンズに係り、特に複数のＬＥＤ光源を一つの光源と同様に扱うことが可能なレンズを含む灯具に関する。

従来、複数のＬＥＤ光源を一つの光源と同様に扱うように構成されたＬＥＤ光源装置が提案されている（例えば特許文献１参照）。

図７は、特許文献１に記載のＬＥＤ光源装置の構成を説明するための断面図である。

図７に示すように、特許文献１に記載の車両用前照灯２００においては、内面に反射面２１１が形成された略筒状の複数の集光フード２１０と、光軸ＡＸ１が集光フード２１０の軸線ＡＸ２に一致するように集光フード２１０の一端２１１に装着され、集光フード２１０の内面（反射面２１１）で反射されて遮光フード２１０の他端２１２から放射される光を放射する複数のＬＥＤ光源２２０と、を備えており、集光フード２１０の軸線Ｘを含む断面における開きの角度αを調整することで、他端２１２側に疑似光源Ｐを形成するようになっている。

特開２００２−１５７９０４号公報

しかしながら、上記ＬＥＤ光源装置２００においては、集光フード２１０を用いて疑似光源Ｐを形成する構成であるため、ＬＥＤ光源２２０数が増加するにつれて集光フード２１０の数が増加し、構成が複雑化するという問題がある。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来と比べて簡易な構成で、複数のＬＥＤ光源を一つの光源と同様に扱うことが可能なレンズを提供することを目的とする。

上記課題を解決するため、請求項１に記載の発明は、複数のＬＥＤ光源と組み合わせて用いられるレンズを含む灯具において、前記レンズは、前記複数のＬＥＤ光源に対向した状態で配置され、前記複数の光源から放射された光線を所定光軸に対して平行な平行光に変換し、レンズ内部へ導入する複数の入光部と、前記複数の入光部からレンズ内部へ導入された平行光の光路上に配置され、前記平行光が出射し、単一の焦点に集光するように構成された屈折面を含む出光部と、を含み、前記出光部は、中央レンズ部と、前記中央レンズ部の周囲に配置された周囲レンズ部と、を含んでおり、前記中央レンズ部は、前記平行光の光路上に配置された中央出射面を含んでおり、前記中央出射面は、当該中央出射面に到達した前記平行光が出射し、前記単一の焦点に集光するように構成されたレンズ面であり、前記周囲レンズ部は、前記中央出射面の周囲に配置された周囲出射面と、前記平行光の光路中に配置された反射面と、を含んでおり、前記反射面は、当該反射面に到達した前記平行光を反射し、当該反射光が前記周囲出射面から出射し、前記単一の焦点に集光するように構成された反射面であることを特徴とする。

請求項１に記載の発明によれば、複数のＬＥＤ光源から放射された光は、複数のＬＥＤ光源に対向した状態で配置された複数の入射部の作用により所定光軸に対して平行な平行光に変換されてレンズ内部に導入されるとともに、屈折面から出射し、単一の焦点に集光する。しかも、請求項１に記載の発明によれば、従来の集光フードを用いない構成であるため、ＬＥＤ光源が増加したとしても構成が複雑化することがない。このため、複数の集光フードを用いる従来と比べて簡易な構成で、複数のＬＥＤ光源を一つの光源と同様に扱うことが可能となる。すなわち、複数のＬＥＤ光源から放射される光線（出力）をひとまとめにすることが可能となり、明るい光源として用いることが可能となる。

また、請求項１に記載の発明によれば、複数のＬＥＤ光源から放射された光は、複数のＬＥＤ光源に対向した状態で配置された複数の入射部の作用により所定光軸に対して平行な平行光に変換されてレンズ内部に導入される。そして、レンズ内部に導入された平行光のうち中央レンズ部に向かう平行光については、中央出射面から出射し、単一の焦点に集光し、一方、レンズ内部に導入された平行光のうち周囲レンズ部に向かう平行光については、周囲反射面で反射されて周囲出射面から出射し、単一の焦点に集光する。しかも、請求項２に記載の発明によれば、従来の集光フードを用いない構成であるため、ＬＥＤ光源が増加したとしても構成が複雑化することがない。このため、複数の集光フードを用いる従来と比べて簡易な構成で、複数のＬＥＤ光源を一つの光源と同様に扱うことが可能となる。すなわち、複数のＬＥＤ光源から放射される光線（出力）をひとまとめにすることが可能となり、明るい光源として用いることが可能となる。

従来のＬＥＤ光源装置２００においては（図７参照）、複数の集光フード２１０を用いて疑似光源Ｐを形成する構成であるため、複数のＬＥＤ光源２２０を一つの光源（疑似光源）と同様に扱うことが可能であるものの、当該疑似光源Ｐから放射される光がＬＥＤ光源装置２００それぞれの光源に対して角度αを設定しなければ、光軸ＡＸ２方向に照射することができない。また、筒内の反射面にアルミ蒸着等の表面処理を施す必要があった。このため、ＬＥＤ光源装置２００を白熱電球等の光源と同様に扱うことができない、という問題がある。

しかしながら、請求項１に記載の発明によれば、中央出射面の作用によりレンズ全体の光軸方向にも光が照射されるため、複数のＬＥＤ光源を一つの白熱電球等の光源（全方位に光を放射する光源）と同様に扱うことが可能となる。

本発明によれば、従来と比べて簡易な構成で、複数のＬＥＤ光源を一つの光源と同様に扱うことが可能なレンズを提供することが可能となる。

本発明の実施形態であるレンズ１００の断面図である。 レンズ１００と他のレンズＬとを組み合わせた例である。 レンズ１００と反射面Ｒとを組み合わせた例である。 レンズ１００の変形例である。 レンズ１００の変形例である。 レンズ１００の変形例である。 従来の車両用前照灯２００の構成を説明するための図である。

以下、本発明の実施形態である、車両用灯具、一般照明、遊戯機器等に用いられるレンズについて図面を参照しながら説明する。

本実施形態のレンズ１００は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂を射出成形することにより（又はガラス材料により）形成された中実のレンズ体であり、図１に示すように、複数のＬＥＤ光源３０（例えば一つ又は複数のＬＥＤチップをパッケージ化したＬＥＤ光源）と組み合わせて用いられる。図１は、複数のＬＥＤ光源３０を、それぞれの光軸ＡＸ１が同一方向（図１中上向きを例示）を向くように平面上の所定領域に分散配置した例である。

レンズ１００は、複数の入光部１０、出光部２０を含んでいる。各入光部１０はそれぞれ、複数のＬＥＤ光源３０（発光面）に対向した状態で配置されている。各入光部１０はそれぞれ、対応するＬＥＤ光源３０から放射された光線を光軸ＡＸ１に対して平行な平行光に変換しレンズ内部へ導入する入射面１１（図１中ＬＥＤ光源側に凸の凸レンズ面を例示）を含んでいる。

各入光部１０からレンズ内部へ導入された平行光の光路上には、出光部２０が配置されている。出光部２０は、中央レンズ部２１、中央レンズ部２１の周囲に配置された周囲レンズ部２２を含んでいる。

中央レンズ部２１は中央出射面２１ａを含んでいる。中央出射面２１ａは、所定領域に分散配置された複数のＬＥＤ光源３０のうち中央領域に配置されたＬＥＤ光源３０から放射されレンズ内部へ導入された平行光Ｒａｙ１の光路上に配置されている。中央出射面２１ａは、当該中央出射面２１に到達した平行光Ｒａｙ１が当該中央出射面２１から出射し、単一の焦点Ｆに集光するように構成されたレンズ面である（図１中光軸ＡＸ２を回転軸として形成された、照射方向に凸の凸レンズ面を例示）。

周囲レンズ部２２は、中央出射面２１ａの周囲に配置された筒形状の周囲出射面２２ａ、反射面２２ｂを含んでいる。反射面２２ｂは、所定領域に分散配置された複数のＬＥＤ光源３０のうち中央領域周辺の周囲領域に配置されたＬＥＤ光源３０から放射されレンズ内部へ導入された平行光Ｒａｙ２の光路中に配置されている。反射面２２ｂは、当該反射面２２ｂに到達した平行光Ｒａｙ２を全反射し、当該反射光Ｒａｙ２が周囲出射面２２ａから出射し、単一の焦点Ｆに集光するように構成された反射面である（図１中光軸ＡＸ２を回転軸として形成された回転放物面を例示）。なお、図４に示すように、反射面２２ｂに対応するレンズ１００の表面領域に、アルミ蒸着２２ｂ１等の鏡面処理を施してもよい。あるいは、図５に示すように、反射面２２ｂに対応するレンズ１００の外側に、アルミ蒸着等の鏡面処理を施した反射部材２３を配置してもよい。このようにすれば、反射面２２ｂに到達した平行光Ｒａｙ２が当該反射面２２ｂから抜け出るのを防止できるため、効率ＵＰが可能となる。

上記構成のレンズ１００によれば、複数のＬＥＤ光源３０から放射された光は、複数のＬＥＤ光源３０に対向した状態で配置された複数の入射部１０の作用によりＬＥＤ光源３０の光軸ＡＸ１に対して平行な平行光Ｒａｙ１、Ｒａｙ２に変換されてレンズ内部に導入される（図１参照）。そして、レンズ内部に導入された平行光のうち中央レンズ部２１に向かう平行光Ｒａｙ１については、中央出射面２１ａから出射し、単一の焦点Ｆに集光し、一方、レンズ内部に導入された平行光のうち周囲レンズ部２２に向かう平行光Ｒａｙ２については、周囲反射面２２ｂで全反射されて周囲出射面２２ａから出射し、単一の焦点Ｆに集光する。しかも、上記構成のレンズ１００によれば、従来の集光フード２１０を用いない構成であるため、ＬＥＤ光源３０が増加したとしても構成が複雑化することがない。このため、複数の集光フード２１０を用いる従来と比べて（図７参照）簡易な構成で、複数のＬＥＤ光源３０を一つの光源と同様に扱うことが可能となる。すなわち、複数のＬＥＤ光源３０から放射される光線（出力）をひとまとめにすることが可能となり、明るい光源として用いることが可能となる。

例えば、図２に示すように、レンズ１００と他のレンズＬとを組み合わせることで、複数のＬＥＤ光源３０から放射される光線を効率よく配光制御することが可能となる。また、図３に示すように、単一の焦点Ｆを光源とみなし、レンズ１００と反射面Ｒとを組み合わせることで、複数のＬＥＤ光源を一つの光源として配光制御することが可能となる。

その際、周囲レンズ部２２を設けたことで、中央レンズ部２１から照射される光のみで単一の焦点Ｆを形成する場合よりも、反射面Ｒに照射される光量、及び、照射領域が増加するものとなる。

従来のＬＥＤ光源装置２００においては（図７参照）、複数の集光フード２１０を用いて疑似光源Ｐを形成する構成であるため、複数のＬＥＤ光源２２０を一つの光源（疑似光源）と同様に扱うことが可能であるものの、当該疑似光源Ｐから放射される光がＬＥＤ光源装置２００全体の光軸ＡＸ２方向（図７参照）に照射するには、フード２１０内に反射面としてアルミ蒸着等の表面処理を施す必要があり、その表面処理によって、反射効率によるロスが生じ、光束利用率が悪くなるものとなる。また、フード形状が深く入口が狭く、アルミ蒸着等の表面処理がつきにくくなるため、歩留まりが悪いものとなる。

しかしながら、本実施形態のレンズ１００によれば、中央出射面２１ａの作用により、従来の光源装置２００のように表面処理を施さなくても、レンズ全体の光軸ＡＸ２方向にも光が照射されるため（図１参照）、複数のＬＥＤ光源３０を一つの白熱電球等の光源（全方位に光を放射する光源）と同様に扱うことが可能となる。

次に、変形例について説明する。

上記実施形態では、入光部１０はＬＥＤ光源３０側に凸の凸レンズ面１１を含んでいるように説明した（図１等参照）が、本発明はこれに限定されない。例えば、入光部１０は、図６に示すように、ＬＥＤ光源３０の光軸ＡＸ１上に配置された中央入射面１１、中央出射面１１の周囲に配置された筒形状の周囲入射面１２、周囲入射面１２からレンズ内部へ導入された光線Ｒａｙ３の光路中に配置された反射面１３（当該反射面１３に到達した光線Ｒａｙ３を光軸ＡＸ１に対して平行な平行光に変換し反射面２２ｂ又は中央出射面２１ａに向けて反射するように構成された回転放物面系の反射面）を備えていてもよい。

この変形例のレンズ１００によっても複数の集光フード２１０を用いる従来と比べて（図７参照）簡易な構成で、複数のＬＥＤ光源３０を一つの光源と同様に扱うことが可能となる。すなわち、複数のＬＥＤ光源３０から放射される光線（出力）をひとまとめにすることが可能となり、明るい光源として用いることが可能となる。

上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。

１００…レンズ、１０…入光部、２０…出光部、２１…中央レンズ部、２２…周囲レンズ部、３０…ＬＥＤ光源

Claims (1)

1. 複数のＬＥＤ光源と組み合わせて用いられるレンズを含む灯具において、
   前記レンズは、前記複数のＬＥＤ光源に対向した状態で配置され、前記複数の光源から放射された光線を所定光軸に対して平行な平行光に変換し、レンズ内部へ導入する複数の入光部と、
   前記複数の入光部からレンズ内部へ導入された平行光の光路上に配置され、前記平行光が出射し、単一の焦点に集光するように構成された屈折面を含む出光部と、
   を含み、
   前記出光部は、中央レンズ部と、前記中央レンズ部の周囲に配置された周囲レンズ部と、を含んでおり、
   前記中央レンズ部は、前記平行光の光路上に配置された中央出射面を含んでおり、
   前記中央出射面は、当該中央出射面に到達した前記平行光が出射し、前記単一の焦点に集光するように構成されたレンズ面であり、
   前記周囲レンズ部は、前記中央出射面の周囲に配置された周囲出射面と、前記平行光の光路中に配置された反射面と、を含んでおり、
   前記反射面は、当該反射面に到達した前記平行光を反射し、当該反射光が前記周囲出射面から出射し、前記単一の焦点に集光するように構成された反射面であることを特徴とする灯具。

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