JP5428766B2 - 電圧−電流変換回路 - Google Patents
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Description
同図に示す電圧−電流変換回路は、ドレインに電流源4が接続されたP型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ1、ドレインに他の電流源5が接続されたP型MOSトランジスタ2、P型MOSトランジスタ1のドレイン及びP型MOSトランジスタ2ドレインとの間に接続された抵抗3とで構成されている。
MOSトランジスタ1、2の相互コンダクタンスgmと抵抗3の抵抗値Rによって、この回路全体のトランスコンダクタンスGmは以下の数式(1)のように表される。
Gm=gm/(1+R*gm) …(1)
ここで、R*gm>>1としたときに、数式(1)は、数式(2)のように近似できる。
Gm≒1/R …(2)
Gm≒1/R=gm/(R*gm) …(3)
MOSトランジスタ1、2本来の相互コンダクタンスgmよりも相当低い(1/(R*gm))トランスコンダクタンスしか得られないことになる。これはMOSトランジスタ単体のソース接地回路に比べ、線形性が良いかわりに、消費電力が多いということである。
しかし、高周波動作する回路においては十分なループゲインを得ることができないか、もしくはループゲインを得るためには電流を多く消費するという問題があった。
しかし、1.2Vのような低電源電圧では動作することができないという問題があった(例えば、非特許文献1参照。)
特許文献1には、トランスコンダクタンスが電流に依存せず、かつ環境に適応させて消費電力を少なくすることが目的で、電流に依存しない特性を持つクロスカプルド構成にて、並列接続したトランジスタのミラー比と負帰還抵抗によってゲインを設定し、可変電流源にてバイアス状態を決定する構成が開示されている。
上記特徴について、図面を用いて具体的に解説する。
図1は、本発明にかかる電圧−電流変換回路の全体構成について説明するための説明図である。
電圧−電流変換回路は、電圧を入力とし、電流を出力とし、入力の電圧変化に比例して出力の電流を変化させる。
本構成では、電圧―電流変換本体回路11によって信号は電圧から電流に変換される。トランスコンダクタンスGM(電圧−電流変換比率)はバイアス回路13によって決定される。バイアス回路13は、電圧−電流変換本体回路1のトランスコンダクタンスGMが、温度変化のような外部環境やチップの製造上生じるばらつきに依存せずに一定となるようなバイアス電流を生成する。その後、電流増幅回路12によって適切な増幅率で増幅され、出力される。バイアス回路13で決まったバイアス電流と電流増幅回路12によって決まった増幅率に応じて、適切な電流を出力から導くための電流源14により、DC電流を独立に設定することができる。
図2は、図1に示した電圧−電流変換本体回路について説明するための説明図である。
図1の電圧−電流変換本体回路11の具体的な回路例を図2に示す。
差動電圧入力Vp−Vmは、MOSトランジスタ(以下、トランジスタと表記)21,24のドレイン電流に変換される。負荷トランジスタ20,23によって、トランジスタ21,24のドレイン電流の差が矢印I1を流れる。トランジスタ25は、定電流源27を流れる電流と矢印I1の電流との和の電流を流す。このため、トランジスタ26は、DC電流が電流源27の電流値で、差動電圧入力Vp−Vmに比例した電流を流す。
Id=(1/2)*β*(Vgs−Vth)2 …(4)
βは比例定数、Vthはトランジスタの閾値電圧とする。
I6=(1/2)*β*(Vp−Vth)2 − (1/2)*β*(Vm−Vth)2
=(1/2)*β*(Vp+Vm−2*Vth)*(Vp−Vm) …(5)
とあらわされる。差動入力のコモン電圧Vp+Vmが一定であるとすると、電流I6は差動電圧入力Vp−Vmに比例する。よって電流I1は差動電圧入力Vp−Vmに比例する。
図3は、電圧−電流変換本体回路の他の実施の形態の実装方法について説明するための説明図である。
図2において、サブミクロン・プロセスにおけるチャネル長変調の効果を考慮すると、トランジスタ20,23のドレイン電圧の違いによる電流値の誤差が、出力電流の誤差、非線形性の要因となる。このため図3に示すように、アンプ28を用いてノードn1,n2の電圧を等しくするように制御することにより、トランジスタ20,23のドレイン電圧を等しくし、出力電流の誤差が少なくなる。
ここで、アンプ28を加えることによる消費電流の増加はわずかである。これは、アンプ28、トランジスタ25で構成される負帰還ループのうち、トランジスタ25のドレイン電流の変化に対してノードn2の変化のゲインが大きく、アンプ28のゲインが小さくてもよいため、消費電流を少なくすることができるからである。
図4は、図1に示した電圧−電流変換回路に用いられるバイアス回路について説明するための説明図である。
バイアス回路のうち、図中の増幅回路40は図2、3の電圧−電流本体回路の増幅器と同じ構成とする。
抵抗31,32,33による電源電圧の分圧にて、適当な固定の電圧差ΔVを入力として増幅器に与える。トランジスタ41,43のサイズが等しいと仮定すると、電流源42の電流値Icに等しい電流Icをトランジスタ41によって流す。アンプ39によって、増幅回路40のバイアス電流は、増幅回路40のトランスコンダクタンスGMがIc/ΔVに等しくなるような値に制御される。よって、電圧ΔVが固定だとすると、電圧−電流本体回路のトランスコンダクタンスGMは電流源42の電流Icを変えることで任意に決められる。
図5は、本発明にかかる電圧−電流変換回路全体の具体的回路について説明するための説明図である。
トランジスタ22の電流は、バイアス回路3にてトランスコンダクタンスGMが任意の値になるように制御されている。バイアス回路3と電圧−電流変換本体回路の条件を合わせるため、トランジスタ50はバイアス回路の電流源42と同じ電流値Icを引く。すなわち、トランジスタ25のDC電流値はIcに等しい。これは、トランスコンダクタンスGMとDC電流とが独立に設定できないということを意味する。
ソース縮退抵抗を使わず、トランジスタの相互コンダクタンスgmがそのまま電圧−電流変換回路のトランスコンダクタンスGMとなるため、余計な電流を流さなくてもよいので低消費電力にすることができる。
キャリブレーション回路によってトランスコンダクタンスGMが一定になるようにバイアス電流が制御されるので、電圧−電流変換回路全体のトランスコンダクタンスを一定にすることができる。
3、31、32、33 抵抗
11 電圧―電流変換本体回路
12、28、39 電流増幅回路
13 バイアス回路
4、5、14、27、42、44 電流源
20、23、25、26、34、36、38、46、47、52 N型MOSトランジスタ
Claims (5)
- 入力した電圧を電流に変換すると共に前記電圧の変化に比例して出力の電流を変化させる電圧−電流変換本体回路と、
前記電圧−電流変換本体回路の出力電流を適切な増幅率で増幅する電流増幅回路と、
前記電圧−電流変換本体回路のバイアス電流及び前記増幅率に応じて適切な電流を出力から引く電流源と、
前記電圧−電流変換本体回路のトランスコンダクタンス及び前記電流増幅回路の出力を独立して設定可能なバイアス電流を生成するバイアス回路と、
を備えたことを特徴とする電圧−電流変換回路。 - 前記電流増幅回路は、入力した電圧を差動トランジスタによって電流に変換してその電流の差を出力し、その電流をさらに並列トランジスタの切り換えによって段階的にゲインを切り換えて増幅することができることを特徴とする請求項1記載の電圧−電流変換回路。
- 前記バイアス電流を少なくして、前記電圧−電流変換本体回路のトランジスタの相互コンダクタンスを小さくし、前記電流増幅回路の電流増幅を大きくすることで、所望の線形特性を得るようにしたことを特徴とする請求項1記載の電圧−電流変換回路。
- 前記電圧−電流変換回路は、電圧が入力される差動増幅回路と、前記差動増幅回路と電源ラインとの間に挿入されたカレントミラー回路とを有することを特徴とする請求項1記載の電圧−電流変換回路。
- 前記電圧−電流変換回路は、電圧が入力される差動増幅回路と、前記差動増幅回路と電源ラインとの間に挿入されたカレントミラー回路と、入力端が前記カレントミラー回路と前記差動増幅回路との接続ノードにそれぞれ接続されたアンプと、
を有することを特徴とする請求項1記載の電圧−電流変換回路。
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