JP5428379B2 - 水素吸蔵合金及びその合金を備えたアルカリ蓄電池 - Google Patents
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Description
[水素吸蔵合金粉末の作製]
ランタン、サマリウムを主成分とするミッシュメタル、マグネシウム、ニッケル、アルミニウムをLa0.6Sm0.3Mg0.1Ni3.7Al0.1の組成となるような割合で含有する水素吸蔵合金のインゴットを、誘導溶解炉を用いて作製した。これら合金をアルゴン雰囲気中で1000℃、10時間の熱処理を行い、水素吸蔵合金のインゴットを得た。この水素吸蔵合金を不活性雰囲気中で機械的に粉砕して水素吸蔵合金粉末Aを得た。レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置により粒度分布を測定したところ、重量積分50%にあたる平均粒径(MV)は25μmであった。これら合金についてICP発光分析で水素吸蔵合金の組成分析を行い、目的の組成であることを確認した。
上記実施例1の水素吸蔵合金粉末の作製において、100℃の1%のリン酸水素二ナトリウム溶液に24時間浸漬し、水洗、真空乾燥して表面に、反応性の富む多孔質の酸化被膜を形成した以外は、上記実施例1と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を実施例合金A2とした。
上記実施例1の水素吸蔵合金粉末の作製において、何も表面処理しないこと以外は、上記実施例1と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金X1とした。
上記実施例1の水素吸蔵合金粉末の作製において、25℃の6規定の水酸化カリウム溶液に60分間浸漬し、水洗、真空乾燥して表面に酸化被膜を形成した以外は、上記実施例1と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金Y1とした。
上記実施例1〜2の各水素吸蔵合金粉末A1,A2及び比較例1〜2の各水素吸蔵合金粉末X1,Y1について、それぞれの水素吸蔵合金と、導電剤としてのニッケルパウダーとを、1:3の質量比で混合して加圧、成形を行い、ペレット状の試験極を作製した。対極には焼結式ニッケル極を用い、参照極には水銀/ 酸化水銀電極を用いた。電解液には30wt%のKOH 水溶液を用いて負極容量規制の三極式試験セルを作製した。
この充放電サイクルを8回繰り返し行なった後、25℃の温度雰囲下で0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止し、-20℃の温度雰囲下で4時間休止した後、-20℃の温度雰囲下で0.5Itの放電電流で負極電位(対参照極)が-0.7Vになるまで放電し、25℃における最大容量との比を求め、未処理品である比較例1の容量維持率を100とした極低温放電特性値とした。
-20℃評価セルとは別の三極試験セルについて、0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止、ついで、0.5Itの放電電流で負極電位(vs参照極)が-0.7Vになるまで放電し20分間休止させる充放電サイクルを30回繰り返し、最大の合金容量に対する30回目の放電容量の比をもとめて比較例1の30回目容量/最大容量比を100とした値を寿命特性値とした。
上記のように求めた値を、以下の表1に示す。この表1の結果から明らかなように実施例1〜2の各水素吸蔵合金粉末A1,A2は、比較例1〜2の各水素吸蔵合金粉末X1,Y1と比較して、寿命特性が同等以上であり、-20℃における極低温放電特性が大幅に向上していることがわかる。
[水素吸蔵合金粉末作製]
ランタン、サマリウムを主成分とするミッシュメタル、マグネシウム、ニッケル、アルミニウムをLa0.5Sm0.4Mg0.1Ni3.6Al0.1の組成となるような割合で含有する水素吸蔵合金のインゴットを、誘導溶解炉を用いて作製した。これら合金をアルゴン雰囲気中で1000℃、10時間の熱処理を行い、水素吸蔵合金のインゴットを得た。この水素吸蔵合金を不活性雰囲気中で機械的に粉砕して水素吸蔵合金粉末Bを得た。レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置により粒度分布を測定したところ、重量積分50%にあたる平均粒径(MV)は25μmであった。これら合金についてICP発光分析で水素吸蔵合金の組成分析を行い、目的の組成であることを確認した。
[水素吸蔵合金粉末の表面処理]
水素吸蔵合金粉末Bを90℃の1%のリン酸水素二ナトリウム溶液に24時間浸漬し、水洗、真空乾燥して、水素吸蔵合金表面に反応性の富む多孔質の酸化被膜を形成した合金粉末を得た。この水素吸蔵合金粉末を実施例合金B1とした。
上記実施例3の水素吸蔵合金粉末の作製において、何も表面処理しないこと以外は、上記実施例3と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金X2とした。
上記実施例3の水素吸蔵合金粉末の作製において、25℃の0.1規定の塩酸溶液に10分間浸漬し、水洗、真空乾燥して表面に酸化被膜を形成した以外は、上記実施例3と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金Y2とした。
上記実施例3の水素吸蔵合金粉末B1及び比較例3〜4の水素吸蔵合金粉末X2,Y2について、各水素吸蔵合金と、導電剤としてのニッケルパウダーとを、1:3の質量比で混合して加圧、成形を行い、ペレット状の試験極を作製した。対極には焼結式ニッケル極を用い、参照極には水銀/ 酸化水銀電極を用いた。電解液には30wt%のKOH 水溶液を用いて負極容量規制の三極式試験セルを作製した。
この充放電サイクルを8回繰り返し行なった後、25℃の温度雰囲下で0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止し、-20℃の温度雰囲下で4時間休止した後、-20℃の温度雰囲下で0.5Itの放電電流で負極電位(対参照極)が-0.7Vになるまで放電し、25℃における最大容量との比を求め、未処理品である比較例3の水素吸蔵合金粉末X2の容量維持率を100として、極低温放電特性値とした。
-20℃評価セルとは別の三極試験セルについて、0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止、ついで、0.5Itの放電電流で負極電位(vs参照極)が-0.7Vになるまで放電し20分間休止させる充放電サイクルを10回繰り返し、最大の合金容量に対する10回目の放電容量の比を求めて比較例3の10回目容量/最大容量比を100とした値を寿命特性値とした。
[水素吸蔵合金粉末作製]
ネオジム、マグネシウム、ニッケル、アルミニウムをNd0.9Mg0.1Ni3.3Al0.2の組成となるような割合で含有する水素吸蔵合金のインゴットを、誘導溶解炉を用いて作製した。これら合金をアルゴン雰囲気中で1000℃、10時間の熱処理を行い、水素吸蔵合金のインゴットを得た。この水素吸蔵合金を不活性雰囲気中で機械的に粉砕して水素吸蔵合金粉末Cを得た。
上記実施例4の水素吸蔵合金粉末の作製において、空気雰囲気中で200℃、60分間加熱し、合金の表面に酸化被膜を形成した以外は、上記実施例4と同様にして水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を実施例合金C2とした。
上記実施例4の水素吸蔵合金粉末の作製において、空気雰囲気中で250℃、60分間加熱し、水素吸蔵合金の表面に反応性の富む多孔質の酸化被膜を形成した以外は、上記実施例4と同様にして水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を実施例合金C3とした。
上記実施例4の水素吸蔵合金粉末の作製において、何も表面処理しないこと以外は、上記実施例4と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金X3とした。
上記実施例4の水素吸蔵合金粉末の作製において、空気雰囲気中で250℃で120分間加熱し、合金の表面に酸化被膜を形成した以外は、上記実施例4と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金Y3とした。
上記実施例4〜6及び比較例5〜6の各水素吸蔵合金粉末について、それぞれの水素吸蔵合金と、上記水素吸蔵合金に対して導電剤としてのニッケルパウダーを、1:3の質量比で混合して加圧、成形を行い、ペレット状の試験極を作製した。対極には焼結式ニッケル極を用い、参照極には水銀/ 酸化水銀電極を用いた。電解液には30wt%のKOH 水溶液を用いて負極容量規制の三極式試験セルを作製した。
この充放電サイクルを8回繰り返し行なった後、25℃の温度雰囲下で0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止し、-20℃の温度雰囲下で4時間休止した後、-20℃の温度雰囲下で0.5Itの放電電流で負極電位(対参照極)が-0.7Vになるまで放電し、25℃における最大容量との比を求め、未処理品である比較例5の容量維持率を100とした極低温放電特性値とした。
-20℃評価セルとは別の三極試験セルについて、0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止、ついで、0.5Itの放電電流で負極電位(vs参照極)が-0.7Vになるまで放電し20分間休止させる充放電サイクルを10回繰り返し、最大の合金容量に対する10回目の放電容量の比を求めて比較例5の10回目容量/最大容量比を100とした値を寿命特性値とした。
Claims (5)
- 一般式Ln1-xMgxNiyAz(式中、LnはYを含む希土類元素,Ca,Zr,Tiから選ばれる少なくも1種の元素、AはCo,Mn,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,P,Bから選ばれる元素であり、0.05≦x≦0.25、0<z≦2.5、2.8≦y+z≦4.0の条件を満たす。)で表される水素吸蔵合金において、上記水素吸蔵合金の表面には酸化被膜を有し、上記水素吸蔵合金の比表面積Xm2/gと上記水素吸蔵合金の酸素濃度Ywt%の比Y/Xが0.9g/m2以上6.3g/m2以下であり、上記酸素濃度Yが0.2wt%以上1.7wt%以下であることを特徴とする水素吸蔵合金。
- 平均粒径が10μm以上70μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金。
- 請求項1または請求項2に記載の水素吸蔵合金を製造するにあたり、上記水素吸蔵合金を80℃以上100℃以下の緩衝溶液中に浸漬処理することを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法。
- 上記緩衝溶液がリン酸水素二ナトリウムであることを特徴とする請求項3記載の水素吸蔵合金の製造方法。
- 請求項1または請求項2に記載の水素吸蔵合金を負極に用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
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