JP5428379B2 - 水素吸蔵合金及びその合金を備えたアルカリ蓄電池 - Google Patents

水素吸蔵合金及びその合金を備えたアルカリ蓄電池 Download PDF

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Description

本発明は、水素吸蔵合金と、その合金を備えたアルカリ蓄電池に関する。特に、上記の水素吸蔵合金の表面を改質し、この水素吸蔵合金を備えたアルカリ蓄電池の極低温放電特性を改善しつつ、寿命特性に優れたアルカリ蓄電池が得られるようにした点に特徴を有するものである。
従来、アルカリ蓄電池としては、ニッケル・カドミウム蓄電池が広く使用されていた。しかし、近年においては、ニッケル・カドミウム蓄電池に比べて高容量で、またカドミウムを使用しないため環境安全性にも優れているという点から、負極に水素吸蔵合金を用いたニッケル・水素蓄電池が注目されるようになった。
そして、近年においては、このようなニッケル・水素蓄電池からなるアルカリ蓄電池が各種のポータブル機器やハイブリッド電気自動車などに使用されるようになり、このニッケル・水素蓄電池をさらに高性能化させることが期待されている。
ここで、このようなニッケル・水素蓄電池においては、その負極に使用する水素吸蔵合金として、一般に、CaCu5型結晶を主相とする希土類-Ni系金属間化合物であるLaNi5系の水素吸蔵合金や、Ti, Zr, V及びNiを構成元素として含有するラーベス相を主相とする水素吸蔵合金が一般に使用されている。
近年においては、新たに希土類-Ni系水素吸蔵合金の一部をMgで置換した組成を有する希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金が見いだされ、従来の希土類-Ni系水素吸蔵合金に比べ、多量の水素ガスを吸蔵することが報告されている。
上記のような希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金は、CaCu5型結晶を主相とする希土類-Ni系水素吸蔵合金であるLaNi5系の水素吸蔵合金に比べて、クラックが入りやすいが、微粉化しにくいという特質を有する。このため、寿命特性は劣らずに、活性度が高く、低温や高率での放電特性が良好である。
しかし、極めて低温の条件での作動が求められているHEVや電動工具等の用途では十分とはいえず、更なる低温での放電特性を高める必要があった。
そこで、従来においては、特許文献1に示されるように、水素吸蔵合金表面に触媒となるNiなどの遷移金属をコーティングしたり、表面の遷移金属比率を高めることにより水素の吸蔵・放出性を向上させることが提案されている。
また、特許文献2に示されるように、水素吸蔵合金がアルカリ電解液と反応して劣化されるのを抑制し、十分なサイクル寿命を得るために、合金を水酸化カリウム水溶液中で浸漬処理して、希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金の表面に酸化被膜を形成することが提案されているが、極めて低温の条件下での放電特性を十分に向上させることができなかった。
特開2000−80429号公報 特開2005−93289号公報
本発明は、特に、希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金を用いたアルカリ蓄電池において、充放電サイクル特性を維持しつつ、極めて低温の条件下での放電容量を向上させることを課題とするものである。
本発明においては、上記のような課題を解決するため、一般式Ln1-xMgxNiyAz(式中、LnはYを含む希土類元素、Ca,Zr,Tiから選ばれる少なくとも1種の元素、AはCo, Mn, V, Cr, Nb, Al, Ga, Zn, Sn, Cu, Si, P, Bから選ばれる元素であり、0.05≦x≦0.25、0<z≦2.5、2.8≦y+z≦4.0の条件を満たす。)で表される水素吸蔵合金であって、当該水素吸蔵合金の表面には水素吸蔵合金内部よりも酸素濃度が高い酸化被膜を有し、水素吸蔵合金の比表面積Xと水素吸蔵合金の酸素濃度Yの比Y/Xが0.9g/m2以上6.3g/m2以下とし、かつ、上記水素吸蔵合金中に含まれる酸素濃度が0.2wt%以上1.7wt%以下であることを特徴とする。
水素吸蔵合金の比表面積Xと水素吸蔵合金の酸素濃度Yの比(Y/X)が0.9g/m2以上6.3g/m2以下で、かつ酸素濃度が0.2wt%以上1.7wt%以下である範囲において低温放電特性と寿命特性が良好になる理由は、水素吸蔵合金表面に形成された反応性に富む多孔質の酸化皮膜の構造によって極低温においても反応性が向上し、またこの酸化皮膜は保護膜として働くため合金内部が腐食することによる電池寿命の低下を抑制することができるためである。Y/Xが0.9 g/m2未満や、酸素濃度が0.2wt%未満では反応性に富む多孔質の酸化被膜が十分に水素吸蔵合金表面に形成されず、Y/Xが6.3g/m2を上回る場合や、酸素濃度が1.7wt%を上回る場合には過剰な酸化被膜によって極低温下での反応性が低下するため、Y/Xの値が0.9g/m2以上6.3g/m2以下で、かつ、酸素濃度が0.2wt%以上1.7wt%以下であることが望ましい。
上記のようなY/Xの範囲と、酸素濃度の範囲にすることにより、適切な反応性に富む多孔質の酸化被膜が水素吸蔵合金の表面に形成され、サイクル寿命特性を犠牲にすることなく、極低温放電特性が向上するものと思われる。
これは、Y/Xの値や酸素濃度が低すぎると、反応性に富む多孔質の酸化被膜が水素吸蔵合金表面に十分形成されず、酸化被膜中の、水素吸蔵・放出の触媒となるニッケル金属の粒径が大きくなりすぎて、低温放電特性が十分に得られないものと考えられる。また、保護膜としての機能が十分に果たせず、水素吸蔵合金が腐食することによる電池寿命の低下を十分に抑制することができないものと考えられる。
逆に、Y/Xの値や酸素濃度が高すぎると、反応性に富む多孔質の酸化被膜とはならずに、過剰な表面酸化皮膜によって、かえって低温下での反応性が低下するものと考えられる。
電池作製過程に、電池の初期容量が十分に得られるように充放電をおこなう電池の活性化処理において、合金粒子が微粉化してしまうと、新たに形成された表面の比率が増え、低温条件下での放電特性を高める効果が小さくなる。このため、水素吸蔵合金の平均粒径(MV)は、70μm以下が望ましく、より望ましくは50μm以下である。逆に小さくなりすぎると合金粒子に占める表面被膜の割合が多くなって十分な水素吸蔵量が得られなくなるため平均粒径10μm以上が望ましい。
水素吸蔵合金の比表面積Xと水素吸蔵合金の酸素濃度Yの比(Y/X)を0.9g/m2以上6.3g/m2以下、かつ、酸素濃度が0.2%以上1.7%以下の範囲になるようにするためには、80℃以上のリン酸水素二ナトリウム溶液などの緩衝溶液などのpHが中性に近い溶液で水素吸蔵合金を表面処理するか、または、水素吸蔵合金を酸素含有雰囲気中で150℃以上に加熱処理することで目的の表面状態の水素吸蔵合金を得ることができる。
上記の方法によらず、水素吸蔵合金の比表面積Xと水素吸蔵合金の酸素濃度Yの比(Y/X)が0.9g/m2以上6.3g/m2以下でかつ、酸素濃度が0.2%以上1.7%以下の反応性の富む多孔質の酸化被膜からなる表面を形成すれば低温特性に優れ、かつ良好な寿命特性を得ることができる。
水素吸蔵合金の表面処理としては、酸化剤溶液での処理や溶存酸素を含む溶液での処理、酸化性気体のバブリング処理などが挙げられる。また、反応速度を高めるために処理温度は80℃以上にすることが望ましい。
一方、水素吸蔵合金の処理液が塩酸等の酸溶液の場合、生成した酸化物も溶解してしまうため十分な反応性の富む多孔質の酸化被膜を水素吸蔵合金の表面に形成されず、目的の表面状態を形成することができない。
また、水酸化カリウム溶液等のアルカリ溶液で表面処理すると、アルカリへ溶解した合金の成分が合金表面に再析出するため、水素吸蔵合金の比表面積Xと、水素吸蔵合金の酸素濃度Yの比(Y/X)が大きくなりやすい。Y/Xの値が大きく、水素吸蔵合金表面の酸素量が多すぎると逆に、極低温下における反応を阻害するため望ましくない。
また、この発明のアルカリ蓄電池においては、正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、その負極に上記のような表面を改質した水素吸蔵合金を用いるようにした。
本発明においては、一般式Ln1-xMgxNiyAz(式中、LnはYを含む希土類元素、Ca,Zr,Tiから選ばれる少なくとも1種の元素、AはCo, Mn, V, Cr, Nb, Al, Ga, Zn, Sn, Cu, Si, P, Bから選ばれる元素であり、0.05≦x≦0.25、0<z≦2.5、2.8≦y+z≦4.0の条件を満たす。)で表される水素吸蔵合金の粉末であって、当該水素吸蔵合金粉末の表面には水素吸蔵合金内部よりも酸素濃度が高い酸化被膜を有し、水素吸蔵合金の比表面積Xと水素吸蔵合金の酸素濃度Yの比Y/Xが0.9g/m2以上6.3g/m2以下とし、かつ、上記水素吸蔵合金中に含まれる酸素濃度が0.2wt%以上1.7wt%以下にした。
このため、このような水素吸蔵合金を備えたアルカリ蓄電池のサイクル寿命特性を維持したまま、極低温条件下での放電特性を向上することができる。
次に、本発明に係る水素吸蔵合金及びその水素吸蔵合金を備えたアルカリ蓄電池の実施形態について具体的に説明する。なお、本発明における水素吸蔵合金及びその水素吸蔵合金を備えたアルカリ蓄電池は、下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
[水素吸蔵合金粉末の作製]
ランタン、サマリウムを主成分とするミッシュメタル、マグネシウム、ニッケル、アルミニウムをLa0.6Sm0.3Mg0.1Ni3.7Al0.1の組成となるような割合で含有する水素吸蔵合金のインゴットを、誘導溶解炉を用いて作製した。これら合金をアルゴン雰囲気中で1000℃、10時間の熱処理を行い、水素吸蔵合金のインゴットを得た。この水素吸蔵合金を不活性雰囲気中で機械的に粉砕して水素吸蔵合金粉末Aを得た。レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置により粒度分布を測定したところ、重量積分50%にあたる平均粒径(MV)は25μmであった。これら合金についてICP発光分析で水素吸蔵合金の組成分析を行い、目的の組成であることを確認した。
水素吸蔵合金粉末Aを5倍量の80℃の1%のリン酸水素二ナトリウム溶液に48時間浸漬し、水洗、真空乾燥して表面に、反応性の富む多孔質の酸化被膜を形成した合金粉末を得た。この水素吸蔵合金粉末を実施例合金A1とした。
(実施例2)
上記実施例1の水素吸蔵合金粉末の作製において、100℃の1%のリン酸水素二ナトリウム溶液に24時間浸漬し、水洗、真空乾燥して表面に、反応性の富む多孔質の酸化被膜を形成した以外は、上記実施例1と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を実施例合金A2とした。
(比較例1)
上記実施例1の水素吸蔵合金粉末の作製において、何も表面処理しないこと以外は、上記実施例1と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金X1とした。
(比較例2)
上記実施例1の水素吸蔵合金粉末の作製において、25℃の6規定の水酸化カリウム溶液に60分間浸漬し、水洗、真空乾燥して表面に酸化被膜を形成した以外は、上記実施例1と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金Y1とした。
上記、実施例1〜2の水素吸蔵合金粉末A1,A2及び比較例1〜2の各水素吸蔵合金粉末X1,Y1の酸素濃度をLECO社製の酸素分析装置R0600にて測定した。また、比表面積をQUANTACHROME社の比表面積測定装置AUTOSORB-1にて測定した。得られた酸素濃度値、比表面積値をもとに水素吸蔵合金の比表面積(BET)Xと水素吸蔵合金の酸素濃度Yの比(Y/X)を求め、その結果を以下の表1に示す。
〔三極式試験セルの作製と評価〕
上記実施例1〜2の各水素吸蔵合金粉末A1,A2及び比較例1〜2の各水素吸蔵合金粉末X1,Y1について、それぞれの水素吸蔵合金と、導電剤としてのニッケルパウダーとを、1:3の質量比で混合して加圧、成形を行い、ペレット状の試験極を作製した。対極には焼結式ニッケル極を用い、参照極には水銀/ 酸化水銀電極を用いた。電解液には30wt%のKOH 水溶液を用いて負極容量規制の三極式試験セルを作製した。
得られた三極式試験セルは25℃条件で0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止した。ついで、0.5Itの放電電流で負極電位(vs参照極)が-0.7Vになるまで放電し、20分間休止させた。
この充放電サイクルを8回繰り返し行なった後、25℃の温度雰囲下で0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止し、-20℃の温度雰囲下で4時間休止した後、-20℃の温度雰囲下で0.5Itの放電電流で負極電位(対参照極)が-0.7Vになるまで放電し、25℃における最大容量との比を求め、未処理品である比較例1の容量維持率を100とした極低温放電特性値とした。
-20℃評価セルとは別の三極試験セルについて、0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止、ついで、0.5Itの放電電流で負極電位(vs参照極)が-0.7Vになるまで放電し20分間休止させる充放電サイクルを30回繰り返し、最大の合金容量に対する30回目の放電容量の比をもとめて比較例1の30回目容量/最大容量比を100とした値を寿命特性値とした。
上記のように求めた値を、以下の表1に示す。この表1の結果から明らかなように実施例1〜2の各水素吸蔵合金粉末A1,A2は、比較例1〜2の各水素吸蔵合金粉末X1,Y1と比較して、寿命特性が同等以上であり、-20℃における極低温放電特性が大幅に向上していることがわかる。
Figure 0005428379
(実施例3)
[水素吸蔵合金粉末作製]
ランタン、サマリウムを主成分とするミッシュメタル、マグネシウム、ニッケル、アルミニウムをLa0.5Sm0.4Mg0.1Ni3.6Al0.1の組成となるような割合で含有する水素吸蔵合金のインゴットを、誘導溶解炉を用いて作製した。これら合金をアルゴン雰囲気中で1000℃、10時間の熱処理を行い、水素吸蔵合金のインゴットを得た。この水素吸蔵合金を不活性雰囲気中で機械的に粉砕して水素吸蔵合金粉末Bを得た。レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置により粒度分布を測定したところ、重量積分50%にあたる平均粒径(MV)は25μmであった。これら合金についてICP発光分析で水素吸蔵合金の組成分析を行い、目的の組成であることを確認した。
[水素吸蔵合金粉末の表面処理]
水素吸蔵合金粉末Bを90℃の1%のリン酸水素二ナトリウム溶液に24時間浸漬し、水洗、真空乾燥して、水素吸蔵合金表面に反応性の富む多孔質の酸化被膜を形成した合金粉末を得た。この水素吸蔵合金粉末を実施例合金B1とした。
(比較例3)
上記実施例3の水素吸蔵合金粉末の作製において、何も表面処理しないこと以外は、上記実施例3と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金X2とした。
(比較例4)
上記実施例3の水素吸蔵合金粉末の作製において、25℃の0.1規定の塩酸溶液に10分間浸漬し、水洗、真空乾燥して表面に酸化被膜を形成した以外は、上記実施例3と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金Y2とした。
上記、実施例3の合金B1及び比較例3〜4の比較例合金X2、Y2の各水素吸蔵合金粉末の酸素濃度をLECO社製の酸素分析装置R0600にて測定した。また、比表面積をQUANTACHROME社の比表面積測定装置AUTOSORB-1にて測定した。得られた酸素濃度値、比表面積値をもとに水素吸蔵合金の比表面積(BET)Xと水素吸蔵合金の酸素濃度Yの比(Y/X)を求めた。
〔三極式試験セルの作製と評価〕
上記実施例3の水素吸蔵合金粉末B1及び比較例3〜4の水素吸蔵合金粉末X2,Y2について、各水素吸蔵合金と、導電剤としてのニッケルパウダーとを、1:3の質量比で混合して加圧、成形を行い、ペレット状の試験極を作製した。対極には焼結式ニッケル極を用い、参照極には水銀/ 酸化水銀電極を用いた。電解液には30wt%のKOH 水溶液を用いて負極容量規制の三極式試験セルを作製した。
上記のように得られた三極式試験セルは25℃条件で0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止した。ついで、0.5Itの放電電流で負極電位(vs参照極)が-0.7Vになるまで放電し、20分間休止させた。
この充放電サイクルを8回繰り返し行なった後、25℃の温度雰囲下で0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止し、-20℃の温度雰囲下で4時間休止した後、-20℃の温度雰囲下で0.5Itの放電電流で負極電位(対参照極)が-0.7Vになるまで放電し、25℃における最大容量との比を求め、未処理品である比較例3の水素吸蔵合金粉末X2の容量維持率を100として、極低温放電特性値とした。
-20℃評価セルとは別の三極試験セルについて、0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止、ついで、0.5Itの放電電流で負極電位(vs参照極)が-0.7Vになるまで放電し20分間休止させる充放電サイクルを10回繰り返し、最大の合金容量に対する10回目の放電容量の比を求めて比較例3の10回目容量/最大容量比を100とした値を寿命特性値とした。
上記のように求めた値を、以下の表2に示す。この表2の結果から明らかなように実施例3の水素吸蔵合金B1は、比較例3の水素吸蔵合金X2と寿命特性が同等であり、酸溶液で表面処理した比較例4の水素吸蔵合金Y2よりも優れている。また、比較例3〜4の水素吸蔵合金粉末X2及びY2と比較して、本実施例3の水素吸蔵合金粉末B1の方が-20℃における極低温放電特性が向上していることがわかる。
Figure 0005428379
(実施例4)
[水素吸蔵合金粉末作製]
ネオジム、マグネシウム、ニッケル、アルミニウムをNd0.9Mg0.1Ni3.3Al0.2の組成となるような割合で含有する水素吸蔵合金のインゴットを、誘導溶解炉を用いて作製した。これら合金をアルゴン雰囲気中で1000℃、10時間の熱処理を行い、水素吸蔵合金のインゴットを得た。この水素吸蔵合金を不活性雰囲気中で機械的に粉砕して水素吸蔵合金粉末Cを得た。
レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置により粒度分布を測定したところ、重量積分50%にあたる平均粒径(MV)は25μmであった。これら合金についてICP発光分析で水素吸蔵合金の組成分析を行い、目的の組成であることを確認した。
上記水素吸蔵合金粉末Cを空気雰囲気中で150℃、60分間加熱し、上記水素吸蔵合金の表面に、反応性の富む多孔質の酸化被膜を形成した合金粉末を得た。この水素吸蔵合金粉末を実施例合金C1とした。
(実施例5)
上記実施例4の水素吸蔵合金粉末の作製において、空気雰囲気中で200℃、60分間加熱し、合金の表面に酸化被膜を形成した以外は、上記実施例4と同様にして水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を実施例合金C2とした。
(実施例6)
上記実施例4の水素吸蔵合金粉末の作製において、空気雰囲気中で250℃、60分間加熱し、水素吸蔵合金の表面に反応性の富む多孔質の酸化被膜を形成した以外は、上記実施例4と同様にして水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を実施例合金C3とした。
(比較例5)
上記実施例4の水素吸蔵合金粉末の作製において、何も表面処理しないこと以外は、上記実施例4と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金X3とした。
(比較例6)
上記実施例4の水素吸蔵合金粉末の作製において、空気雰囲気中で250℃で120分間加熱し、合金の表面に酸化被膜を形成した以外は、上記実施例4と同様に水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を比較例合金Y3とした。
上記、実施例4〜6及び比較例5〜6の各水素吸蔵合金粉末の酸素濃度をLECO社製の酸素分析装置R0600にて測定した。また、比表面積をQUANTACHROME社の比表面積測定装置AUTOSORB-1にて測定した。得られた酸素濃度値、比表面積値をもとに水素吸蔵合金の比表面積(BET)Xと水素吸蔵合金の酸素濃度Yの比(Y/X)を求め、下記表3に示した。
〔三極式試験セルの作製と評価〕
上記実施例4〜6及び比較例5〜6の各水素吸蔵合金粉末について、それぞれの水素吸蔵合金と、上記水素吸蔵合金に対して導電剤としてのニッケルパウダーを、1:3の質量比で混合して加圧、成形を行い、ペレット状の試験極を作製した。対極には焼結式ニッケル極を用い、参照極には水銀/ 酸化水銀電極を用いた。電解液には30wt%のKOH 水溶液を用いて負極容量規制の三極式試験セルを作製した。
上記のように得られた三極式試験セルは25℃条件で0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止した。ついで、0.5Itの放電電流で負極電位(vs参照極)が-0.7Vになるまで放電し、20分間休止させた。
この充放電サイクルを8回繰り返し行なった後、25℃の温度雰囲下で0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止し、-20℃の温度雰囲下で4時間休止した後、-20℃の温度雰囲下で0.5Itの放電電流で負極電位(対参照極)が-0.7Vになるまで放電し、25℃における最大容量との比を求め、未処理品である比較例5の容量維持率を100とした極低温放電特性値とした。
-20℃評価セルとは別の三極試験セルについて、0.5Itの充電電流で170分間充電した後、10分間休止、ついで、0.5Itの放電電流で負極電位(vs参照極)が-0.7Vになるまで放電し20分間休止させる充放電サイクルを10回繰り返し、最大の合金容量に対する10回目の放電容量の比を求めて比較例5の10回目容量/最大容量比を100とした値を寿命特性値とした。
上記のように求めた値を、以下の表3に示す。この表3の結果から明らかなように実施例4〜6は、比較例5〜6と寿命特性が略同等である。また、比較例5〜6に比較して、本実施例4〜6の極低温特性が向上していることがわかる。特に、水素吸蔵合金の比表面積Xと上記水素吸蔵合金の酸素濃度Yの比Y/Xが1.09g/m2以上2.16g/m2以下であり、上記水素吸蔵合金中に含まれる酸素濃度が0.24%以上0.54%以下である水素吸蔵合金C1とC2については、大幅に極低温放電特性が向上していることがわかる。
Figure 0005428379

Claims (5)

  1. 一般式Ln1-xMgxNiyAz(式中、LnはYを含む希土類元素,Ca,Zr,Tiから選ばれる少なくも1種の元素、AはCo,Mn,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,P,Bから選ばれる元素であり、0.05≦x≦0.25、0<z≦2.5、2.8≦y+z≦4.0の条件を満たす。)で表される水素吸蔵合金において、上記水素吸蔵合金の表面には酸化被膜を有し、上記水素吸蔵合金の比表面積Xm2/gと上記水素吸蔵合金の酸素濃度Ywt%の比Y/Xが0.9g/m2以上6.3g/m2以下であり、上記酸素濃度Yが0.2wt%以上1.7wt%以下であることを特徴とする水素吸蔵合金。
  2. 平均粒径が10μm以上70μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水素吸蔵合金を製造するにあたり、上記水素吸蔵合金を80℃以上100℃以下の緩衝溶液中に浸漬処理することを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法。
  4. 上記緩衝溶液がリン酸水素二ナトリウムであることを特徴とする請求項3記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の水素吸蔵合金を負極に用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。














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