JP5427901B2 - 電池 - Google Patents
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Description
正極板又は負極板、すなわち電極板は、電池容器の内部からリベット打ち又はレーザ溶接等で、電池容器に形成された電極端子に電気的に接続且つ固定される(特許文献1及び特許文献2参照)。
そこで、本発明は、簡易な構成により当該課題を解決し、電池性能及び安全性を向上した電池を提供することを目的とする。
前記電極板と前記電極端子とを電気的に接続する板状の接続部であって、前記電極端子と接続される側の一端が前記湾曲端面において該湾曲端面の形状に沿って物理的に接続された接続部と、を有し、前記接続部の前記湾曲端面に接続された側の直線部分は、当該直線部分の長さ方向に垂直な断面が湾曲した形状であることを特徴とする。
なお、実施形態の電池としては、一次電池または二次電池等のいずれの電池でも用いることが可能であるが、ここでは電池の一例として、充放電可能な電池、例えば蓄電池であるリチウムイオン二次電池を用いて説明する。
なお、以下で使用する図は、いずれも同一のXYZ直交座標系を用いている。また、図1(a)は理解促進のための概要図であるため、図1(b)に示した各構成が全て記載されているわけではない。
蓋7には、蓋7を貫通し且つ蓋7の両面のいずれからも出るように配置される電極端子(すなわち、正極端子8及び負極端子9)と、電極端子を蓋7に固定し且つ電極端子と蓋7との間を電気的に絶縁する絶縁性の樹脂10(例えば、プラスチック樹脂等の絶縁体)が形成されている。蓋7のうち、電極端子と樹脂10を除く部分は容器本体2と同一の導電性の材質であり、また、ここでは電極端子を円柱状の形状としている。もちろん、電極端子の形状は円柱状に限らず、四角柱状などの多角柱状としてもよい。
電極端子の電池容器内部の端面は、接続部15を溶接して固定する端面であり、且つ、電極端子と電極板とを電気的に接続するための端面である。後述するように、当該端面は湾曲した形状の端面であり、また、リードなどの接続部15が当該端面にレーザ溶接で固定される。
正極板3は、アルミニウム等の正極用金属箔(以下、「正極基材」ともいう)の両面にマンガン酸リチウム等の正極活物質が塗工された後、打ち抜かれて形成される。正極板3は、正極基材に正極活物質が塗工されている略矩形の部分(以下、「正極塗工部」11という)と当該正極基材に正極活物質が塗工されていない略矩形の部分(以下、「正極タブ」12という)とを備えている。正極タブ12は、正極塗工部11のX方向に長さを持つ2つの辺のうち、+Z方向にある辺に接続している。
これら正極塗工部11と正極タブ12との接続関係は、図2(a)に示すとおりである。
すなわち、正極塗工部11は、X方向に寸法「W1」及びZ方向に寸法「W2」の略矩形である。また、正極タブ12は、X方向に寸法「W3」及びZ方向に寸法「W4」の略矩形であって、正極塗工部11のX方向の幅の中心からZ方向へ仮想線(以下、「正極仮想線」という)を引いた場合に、正極仮想線より+X方向に位置し且つ正極塗工部11のX方向内側に位置し且つ正極塗工部11に接続して一体となっている。従って、0<W3<{(W1)÷2}である。
これら負極塗工部13と負極タブ14との接続関係は、図2(b)に示すとおりである。
すなわち、負極塗工部13は、X方向に寸法「D1」及びZ方向に寸法「D2」の略矩形である。また、負極タブ14は、X方向に寸法「D3」及びZ方向に寸法「D4」の略矩形であって、負極塗工部13のX方向の幅の中心からZ方向へ仮想線(以下、「負極仮想線」という)を引いた場合に、負極仮想線より−X方向に位置し且つ負極塗工部13のX方向内側に位置し且つ負極塗工部13に接続して一体となっている。従って、0<D3<{(D1)÷2}である。
負極塗工部13のXZ平面における略矩形の寸法は、電池容器の内部に折れ曲がることなく収納される寸法、すなわち電池容器のXZ平面における内径より小さい。そして、負極塗工部13のXZ平面における略矩形の寸法は、正極塗工部11のXZ平面における略矩形の寸法よりも大きい。すなわち、0<W1<D1且つ0<W2<D2である。
従って、図1(a)に示すように、Y方向から見て、正極塗工部11は負極塗工部13の面内に配置される。また、正極仮想線と負極仮想線とをXZ平面上で実質的に合わせて正極板3と負極板4とをセパレータを介して順次Y方向に積層するので、負極タブ14は、XZ平面上で正極タブ12と重ならない位置に配置される。
セパレータ5を袋状とすることで、負極板4が正極板3に接触することが十分に防止される。
もちろん、セパレータの寸法等を調整することで、かような防止の機能が達成できる場合には、必ずしも袋状である必要はない。従って、セパレータの形状を単に略矩形のシート状としてもよい。
これを順次繰り返し、最終的に複数の正極板3と複数の負極板4からなり且つX方向から見たY方向の両端に負極板4が配置される積層電極体6が形成される(図1(b)参照)。なお、積層電極体6においては、上述した正極板3と負極板4との位置関係がずれないよう、図示しない絶縁テープで適宜固定される。
電極端子の湾曲端面は、平面でなく且つ丸みを帯びた形状であって、中央部が縁より厚い凸レンズ状の曲面を備えた形状である。蓋7の裏面(すなわち、電池容器内部に位置する予定の面)を図3(b)に示すが、電極端子8及び9に点線で等高線を示すように、電池1の電極端子の湾曲端面は、湾曲端面のいずれの縁に比べても湾曲端面の中央部が盛り上がっており、当該中央部から当該縁に向かって凸状のなだらかな曲線を描く形状(以下、「凸レンズ状の形状」という)である。
なお、レーザ溶接により接続部15が電極端子に固定される際には、蓋7に対して、正極用接続部15a及び負極用接続部15bはそれぞれ二点鎖線で示される位置となるよう配置される。
接続部15の平板状の部分(以下、「平板部」という)は、電池1に振動が加えられた場合、容易に撓みうる。しかしながら、接続部15の湾曲部は、U字状に曲げられているため、その形状が固定され、容易に撓むことができない。
詳しく説明すると、U字状に曲げられた接続部15の「U」の2つの直線部分のうちの一方であって且つ電極端子に接続された側の直線部分に湾曲部が形成されることになる。そして、当該直線部分の長さ方向に垂直な断面を見ると湾曲部はそれ自体がU字状に曲げられているので、平板部に比べ変形に対して大きな強度を持ち、結果として当該直線部分の変形が困難となる。
このため、上記振動が電池1に加えられた場合に、当該直線部分に平板部のような撓みが発生しないので、接続部15が電池容器に接触する可能性を低減させることができる。
なお、上述したとおり、接続部15の一端は湾曲端面に溶接されるが、接続部15の他端は電極タブにレーザ溶接等で固定される。この時、電極タブの一部であって且つ当該溶接等される部分と、接続部15の一部であって且つ当該溶接される部分との位置関係は、Z方向に見て、接続部15の当該一部が電極タブの当該一部よりも下側(すなわち、−Z方向)に位置するように、電池1の内部で配置される。これにより、電極タブの端部が電極板に接触するなどして、当該電極板が損傷することを防止できる。
図3(c)は、電池1に用いる蓋7を、レーザ溶接装置16に固定してレーザ溶接する際の概要図であり、具体的には、図3(b)のB−B´線における蓋7の断面の位置におけるレーザ溶接装置16の概要図である。レーザ溶接装置16は、蓋7を実質的に平行に支えるテーブル17と、貫通孔21と当該貫通孔の周囲に当該貫通孔と相似形の突縁部22とを備えた板状のアーム18と、レーザ光20を当該貫通孔に向かって照射するレーザ装置19とを備えている。
まず、電極端子等を備えた蓋7の裏面を上方に向けてテーブル17に配置する。テーブル17には凸部が適宜形成されており、蓋7は当該凸部により実質的に平行に支えられる。次に、図3(b)に示した配置となるように接続部15が電極端子の湾曲端面上に適切に配置され、アーム18に形成された突縁部22で、当該配置された接続部15を湾曲端面に向かって押さえ込む。
突縁部22は、接続部15を介して湾曲端面の面内に圧力を加えることができるよう配置されている。また、突縁部22が湾曲端面の中央部から縁に向かう方向に当該加えた圧力の分力を与えることができるように、突縁部22の突起は当該中央部から当該縁に向かって傾けて形成される。ここでは、アーム18の面のうち蓋7に向いた面(すなわち、アーム18の裏面)の概要図である図3(d)に示すように、アーム18に形成された円形の貫通孔21の周囲に、円形の突縁部22が形成されている。
なお、当該突起が接続部15に上記圧力を加える箇所がアーム18の押圧点であり、上記圧力が突縁部22のいずれの箇所でも同一となるよう、当該突起のアーム18からの高さを突縁部22のいずれの箇所でも同一としている。また、アーム18及び突縁部22は、溶接対象である接続部15よりも溶融温度が高い金属または耐熱性の物質(例えば、セラミック)で形成している。さらに、突縁部22は、アーム18の他の部分と当初から一体に形成されてもよいし、別体して形成された後、固定される構成としてもよい。
従って、接続部15を、電極端子の湾曲端面の全面にきれいに接触させることが可能となる。
その後、図3(c)に示すように、レーザ装置19からアーム18の貫通孔21に向けてレーザ光20を出射し、接続部15を電極端子の湾曲端面に溶接する。図3(c)の実線両矢印で示すように、レーザ装置19の位置またはレーザ光20の出射角を適宜調整することで、貫通孔21を通して接続部15の広範囲にレーザ光20を入射し、当該範囲を溶接することができる。
なお、このとき、突縁部22は当該溶接される接続部15の周りを覆って配置されているので、接続部15に当ったレーザ光の反射光による影響を防止することができる。すなわち、当該反射光が、突縁部22と接続部15との間を通り抜けてレーザ装置19の他の部材に当たり、当該他の部材を溶融するなどの不具合の発生を防止することができる。
しかしながら、上述したレーザ溶接装置16によれば、電極端子の湾曲端面に接続部15を押し広げて接触させるため、実質的に湾曲端面の全面にきれいに接続部15が接触する。従って、接続部15を強固に電極端子に固定することができる。
また、電極端子が湾曲端面を備えていることにより、接続部15を湾曲端面にレーザ溶接する際、接続部15をより強固に電極端子に固定することができる。
また、電極端子の湾曲端面の形状は、上述した凸レンズ状の形状でなくとも、図5に示すように蒲鉾状の形状としてもよい。この場合の蓋7の裏面を図5(b)に示すが、電極端子8及び9に点線で等高線を示すように、電池1の電極端子の湾曲端面は、湾曲端面のX方向の両縁から湾曲端面の中央部に向かって山なりに盛り上がる形状である。蒲鉾状の形状であるので、X方向から当該蓋を見ると、図4の凸レンズ状の形状とは異なり、湾曲端面は山なりには見えない(図5(c)参照)。そして、当該山の頂点である中央部を示す等高線の方向と接続部15の長さ方向とを一致させることで、電極端子の湾曲端面が蒲鉾状の形状であっても、上述した効果を奏することができる。
7…蓋、8(8a)…正極端子、9(9a)…負極端子、10…樹脂、
11…正極塗工部、12…正極タブ、13…負極塗工部、14…負極タブ、
15(15a、15b)…接続部
16…レーザ溶接装置、17…テーブル、18…アーム、19…レーザ装置、
20…レーザ光、21…貫通孔、22…突縁部
Claims (6)
- 電極板と、
湾曲端面を備えた電極端子と、
前記電極板と前記電極端子とを電気的に接続する板状の接続部であって、前記電極端子と接続される側の一端が前記湾曲端面において該湾曲端面の形状に沿って物理的に接続された接続部と、を有し、
前記接続部の前記湾曲端面に接続された側の直線部分は、当該直線部分の長さ方向に垂直な断面が湾曲した形状であることを特徴とする電池。 - 前記接続部は、前記湾曲端面の形状に沿って変形しつつ前記湾曲端面に物理的に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の電池。
- 前記湾曲端面は、凸レンズ状の形状であることを特徴とする請求項2に記載の電池。
- 前記湾曲端面は、蒲鉾状の形状であることを特徴とする請求項2に記載の電池。
- 前記接続部は、リードであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電池。
- 前記接続部は、前記電極板に形成された電極タブであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電池。
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