JP5427217B2 - コンパニオン動物における害虫の経口処置 - Google Patents

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Description

本発明は、コンパニオン動物における害虫(外部寄生虫)の持続性の防除方法に関するものであって、例えば長期間にわたってコンパニオン動物における外部寄生虫の侵襲を防除するための1回用量の経口製剤に関する。
コンパニオン動物(これは、イヌ、ネコおよびウマを含むが、これに限定されない)は、今日の社会の益々重要な部分である。それらは、ヒトの伴侶に喜びおよび仲間づきあいを与え、それはヒトと動物との絆と呼ばれるものとなる。不運にも、多数の昆虫の害虫および寄生虫は、これらの動物に侵襲したり、または感染し得る。それらの害虫としては、例えばノミ、シラミ、蚊、ダニ、マダニおよび特定の種類のハエを含む。動物の幸福およびヒト仲間の慰めのために、これらの害虫を除くための安全で有効な方法が望まれている。
世界的なネコおよびイヌの最も一般的な外部寄生虫は、ネコノミおよびイヌノミ、すわなちそれぞれクテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)およびクテノセファリデス・キャニス(Ctenocephalides canis)である。興味深いことに、ネコノミはイヌに侵襲することが非常に多い。ノミは、その侵襲が動物およびペットの所有者を悩ませる。ノミはノミアレルギー皮膚炎を誘発することによって、より重大な問題を引き起こすことが多い。ノミに関連する疾患は、獣医によって報告されている皮膚科学的な症例の50%を超えると説明されている(非特許文献1参照)。加えて、ネコノミはイヌにおいて条虫を伝播し、そしてネコのひっかきによる疾患および発疹熱に関係することが知られている。コンパニオン動物の他の害虫(例えば、マダニおよび蚊)もまた、疾患を伝染することが知られている。例えば、マダニは細菌性およびウイルス性疾患を伝染することが知られており、蚊は心糸状虫症を引き起こすフィラリア線虫をイヌおよびネコに感染することがあり得る。
その上、ノミの防除に関係する経済的な費用は高い。例えば米国では、毎年、ペットの所有者はノミ防除の製品について10億ドルを超える費用をかけている(非特許文献2参照)。
現在利用可能な処置は、様々な成功を達成する。ほとんどの処置は、インドアおよびアウトドアの表面、並びにペットに適用される化学品を必要とする。該化学品としては、数々のカルバメート、有機リン酸、ピレトリン(pyrethrins)およびピレトロイド(pyrethroids)を含む。これらの化合物はペットおよびその所有者の両方にとって問題となる毒性の副作用を有することが多い。例えば、イヌにおける使用に利用可能なプレトロイドの濃縮型は非常に毒性であり、ネコにとって致死性であり、従ってネコには使用することができなかったり、使用すべきでない。加えて、これらの化学品の使用は多くの種類の殺虫剤に対する耐性を引き起こすという証拠がある(非特許文献3参照)。従って、コンパニオン動物の外部寄生虫(例えば、ネコノミおよびイヌノミ)を防除するのに比較的に安全で有効な薬剤に対する要求がなお存在する。
スピノシン(spinosyn)(これは、A83453因子としても知られている)は、南部アワヨトウの幼虫および鱗翅目の他の昆虫、並びに綿アブラムシおよび同翅目の他の一員に対する活性を示す農業用の殺虫剤である(例えば、特許文献1を参照)。
スピノシン(spinosyn)はまた、ある殺虫性の活性を有することが知られており、すなわち、それらは蚊の幼生、クロバエおよびサシバエの成体(それらは、双翅目昆虫の一員である)に対するインビトロの活性、並びにモルモットおよびヒツジにおけるクロバエ幼生およびサシバエ成体について一時的な全身活性を有することも知られている(上記特許文献1の26〜32段を参照)。スピノシンは、様々な経路によって、多数の動物における多数の外部寄生虫に対して活性であろうことが示唆されているが、これらの示唆を支持するその後に報告された研究はない。
米国特許第5,571,901号明細書 米国特許第5,571,901号明細書
D. E. Bevier-Tournayによる「Flea and Flea Control」, Curr. Vet. Therapy 10: 586-592 (1989) R. Conniffによる「When It Comes to Pesky Flea, Ignorance is Bliss」, Smithsonian: 26: 76-85 (1995) N. K. RustおよびM. W. DrydenによるAnn. REv. Entomol. 42: 451-473 (1997)
本発明は、長期間にわたってコンパニオン動物における外部寄生虫の侵襲を防除するための方法を提供することを目的とする。
本発明は、1回用量のスピノシンをコンパニオン動物に経口投与した場合に、スピノシン(例えば、スピノシンA)が該動物における外部寄生虫の侵襲について持続性で残留性の防除を与えることを発見したことによって生じたものである。従って、本発明はこれまでに知られた処置を用いて達成された方法よりも安全な方法による、外部寄生虫についての持続性の防除方法を提供する。
1態様においては、本発明は経口投与形態である、コンパニオン動物における外部寄生虫の侵襲を防除するための徐放性で1回用量の経口製剤に関するものであって、該製剤は殺虫量のスピノシン、またはその生理学的に許容し得る誘導体もしくは塩、および生理学的に許容し得る担体を含む。
別の態様においては、本発明はコンパニオン動物における外部寄生虫の侵襲を防除するための、スピノシンまたはその生理学的に許容し得る誘導体もしくは塩の1回で徐放性の経口製剤の使用に関する。
本発明はまた、コンパニオン動物における外部寄生虫の侵襲を防除するための徐放性で1回用量の経口薬物の製造における、スピノシンまたはその生理学的に許容し得る誘導体もしくは塩の使用にも関する。
本発明は、長期間にわたってコンパニオン動物における外部寄生虫の侵襲を防除するための方法にも関するものであって、該方法は該動物に有効な量のスピノシン、またはその生理学的に許容し得る誘導体もしくは塩の1回用量を経口投与することを含む。本発明の特に有用な方法は、コンパニオン動物におけるネコノミまたはイヌノミを長期間にわたって防除するための方法であって、該方法は該動物に有効な量のスピノシン、またはその生理学的に許容し得る誘導体もしくは塩の1回用量を経口投与することを含む。
本発明は更に、包装材料、および該包装材料内に含有されたコンパニオン動物における外部寄生虫の侵襲を防除するための製剤を含む製品であって、該製剤は殺虫性量のスピノシンまたはその生理学的に許容し得る誘導体もしくは塩の徐放性の経口単位用量および生理学的に許容し得る担体を含んでおり、
該包装材料は該動物に該用量を経口投与するための指示を含めたラベルまたは添付文書を含む。
コンパニオン動物がイヌまたはネコである場合には、この製品またはキットが特に適当である。動物がイヌである場合には、該包装材料内に含有された製剤は通常錠剤の形態であり、該ラベルまたは添付文書はイヌに口から与えるべき錠剤の数およびそれらの投与のタイミングを示すであろう。投与のタイミングは、通常、30日毎であろう。動物がネコである場合には、該包装材料に含有された製剤は通常液体製剤であり、該ラベルまたは添付文書はネコに口から与えるベキ単位用量を示すであろう。投与のタイミングは、通常30日毎であろう。各キットの内容物は典型的に、数ヶ月の期間にわたって外部寄生虫の侵襲を防除するのに十分であろう。
スピノシンは天然由来の発酵産物である。それらは、サッカロポリスポラ・スピノサ(Saccharopolyspora spinosa)の培養によって産生されるマクロライドである。該発酵は、スピノシンAおよびスピノシンD(これは、A83543AおよびA8354Dとも呼ばれる)を含む多数の因子を産生する。スピノシンAおよびスピノシンDは殺虫剤として最も活性である2つのスピノシンである。これら2つのスピノシンを主に含む製品は、登録商標「スピノサド(spinosad)」で商業的に入手可能である。主なスピノシン因子であるスピノシンAは、ヒトおよび動物に対する優れた安全性、並びに毒物学的プロフィルを有することが知られている。
各スピノシンは、2つの異なる糖であるアミノ糖のホロサミン(forosamine)および中性糖の2N,3N,4N−(トリ−O−メチル)ラムノースが結合した珍しい4環式の部分である12員のマクロサイクルを有している。この独特の構造は他のマクロサイクル化合物とは異なるスピノシンを構成している。
スピノシンAは、サッカロポリスポラ・スピノサの発酵ブロスから最初に単離されて同定されたスピノシンであった。該発酵ブロスについて引き続いて調査することにより、S.スピノサがスピノシンA〜J(A83543A〜J)と呼ばれる多数のスピノシンを産生することを示した。主要な成分はスピノシンAおよびDである。K〜Wの文字で示される別のスピノシンは、S.スピノサの変異株菌から同定されている。様々なスピノシンは、4環式の選ばれた位置でのフォロサミンのアミノ基上の置換パターンの違いおよび2N,3N,4N−(トリ−O−メチル)ラムノース上の置換パターンの違いによって特徴付けられる。
本明細書で使用する、用語「スピノシンまたはその誘導体」とは、個々のスピノシン因子(スピノシンA、B、C、D、E、F、G、H、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、WまたはY)、個々のスピノシン因子のN−脱メチル誘導体、またはそれらの組み合わせを意味する。便宜上、本明細書において使用する用語「スピノシン成分」とは、個々のスピノシン、またはその生理学的に許容し得る誘導体もしくは塩、或いはそれらの組合せをも意味するであろう。
Boeckらは、米国特許第5,362,634号(1994年11月8日発行)、第5,496,932号(1996年3月5日に発行)および第5,571,901号(1996年11月5日に発行)において、スピノシンA〜HおよびJ(それらは、A83543因子A、B、C、D、E、F、G、HおよびJと呼ばれる)を記載している。Mynderseらは、米国特許第5.202,242号(1993年4月13日に発行)において、スピノシンL〜N(それらは、A83543因子L、MおよびNと呼ばれる)、それらのN−脱メチル誘導体およびそれらの塩を記載している。そして、Turnerらは、米国特許第5,591,606号(1997年1月7日に発行)および第5,631,155号(1997年5月29日に発行)において、スピノシンQ〜T(それらは、A83543因子Q、R、SおよびTと呼ばれる)、それらのN−脱メチル誘導体およびそれらの塩について記載している。スピノシンK、Q、P、U、V、WおよびYについては、例えばCarl V. DeAmicis, James E. Dripps, Chris J. HattonおよびLaura I. KarrによるAmerican Chemical Society's Symposium Series: Phytochemicals for Pest Control, 11章、「Physical and Biological Properties of Spinosyns: Novel Macrolide Pest-Control Agents from Fermentation, 146-154頁(1997)によって記載されている。
スピノシンは反応して塩を生成することができて、このものも本発明の方法および製剤化において有用である。該塩は塩の製造についての標準的な方法を用いて製造される。例えば、スピノシンAは適当な酸を用いて中和することができて、酸付加塩を生成することができる。該スピノシンの酸付加塩は特に有用である。代表的な適当な酸付加塩は、有機酸または無機酸(例えば、硫酸、リン酸、酢酸、コハク酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、コール酸、パモ酸、粘液酸、グルタミン酸、樟脳酸、グルタル酸、グリコール酸、フタル酸、酒石酸、ギ酸、ラウリン酸、ステアリン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ソルビン酸、ピクリン酸、安息香酸、桂皮酸など)と反応させることによって生成する塩を含む。
コンパニオン動物の外部寄生虫を全身的に防除するために、単一の処置様式としてかまたは他の通常で使用する殺虫性化合物との組み合わせとして、スピノシンの経口用製剤を使用することは、いくつかの利点を有する。スピノサドは、ヒトおよび動物についての優れた安全プロフィルを有する天然由来の発酵産物であって、このものは現在使用されている合成有機的に誘導された化合物(例えば、合成有機リン酸、ピレトロイドおよびピレトリン、有機塩素およびカルバメート)と対照的である。例えば、現在使用されているいくつかの製品(例えば、有機リン酸および合成ピレトロイド)はネコに対して非常に毒性であって、致死性であり得る。
スピノシンはまた、ノミ、ダニ、マダニおよびシラミおよびハエに対して非常に有効であって、使用する用量によっては処置後の残留保護を有するので、利点を与える。その上、スピノシンは存在する化合物に対して交差耐性を全く有しない。従って、それらは現在使用されている製品に対して耐性レベルで存在する、コンパニオン動物における寄生虫の個体群に対して特に有用である。従って、スピノシンは、耐性が十分に発達していないかまたは未だ発達していない一般的に使用されている製品の寿命を延ばすために、総合害虫管理(IPM)プログラムにおいて使用することができる。
全身性の効力(血液を摂食する寄生虫(例えば、ノミ)によるスピノサドを含有する血液の経口摂取)は、局所適用された殺虫剤(この場合は、皮膚表面での寄生虫との接触が曝露の様式である)と比較して、異なる様式の曝露を与える。局所適用および接触による殺傷と比較して、経口全身処置の利点および血液の経口摂取からの寄生虫の殺傷の利点としては、
a)動物の周囲環境でのヒトの適用者、子供および物(例えば、床、カーペットおよび家具)ヘの曝露の低下;
b)水(例えば、湖、小川、水浴びなど)に動物が曝露されることによる損失またはこすることによる損失についての憂いがないこと;
c)UVの曝露および分解について無関係であること;
d)皮膚上の油などが原因の酸化反応について問題がないこと;および
e)用量を全て投与することが確実なこと(ある程度の用量が、滴り落ち、すれて取れておよび/または処置の直後に調剤管中に残存する局所適用と比較して)
を含む。
本発明の製剤は、スピノシン成分と一緒に、防除すべき特定の外部寄生虫および内部寄生虫に対する活性を有する1つ以上の他の化合物を更に含むことが出きる。該他の化合物とは例えば、合成ピレトロイド、天然ピレトリン、有機リン酸、有機塩基、カルバメート、ホルムアミド、アベルメクチン(avermectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、昆虫成長制御因子(これは、キチン合成インヒビター、幼若ホルモンアナログおよび幼若ホルモンを含む)、ニトロメチレン、ピリジンおよびピラゾールを挙げられる。
特に指示しなければ、本明細書中に記載する全ての比率、百分率および部は、「重量比」である。
用語「経口用製剤」とは、スピノシン成分の単独または上記の1つ以上の他の種類の成分との組み合わせを、動物に口から投与するのに適当な製品または製剤に製剤化することを意味する。これらの製品または製剤としては、活性成分を含有する錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、パスタ剤、経口スプレー剤、バッカル製剤、散剤および咀嚼処置剤または動物の飼料を含むが、これらに限定しない。通常、それらの製剤は生理学的に許容し得る担体を含む。それらの担体は獣医学の分野でよく知られている。動物の飼料は特に有用な担体である。
用語「外部寄生虫による侵襲を防除すること」とは、外部寄生虫による侵襲を予防し、最小化し、または排除することを意味する。用語「外部寄生虫」とは、通常、コンパニオン動物に侵襲するかまたは感染する昆虫またはダニ(acarine)の害虫を意味する。それら外部寄生虫の例としては、ノミ、シラミ、蚊、ダニ、マダニおよび血液を吸引し、噛んだり、有害な(nuisance)ハエの種類の卵、幼虫、蛹、若虫および成体を含む。
用語「コンパニオン動物」とは、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、およびヒトと動物との絆の役目としてヒトと密接な関係を所有し、維持している他のペットを含む。
用語「1回用量製剤」とは、長期間にわたって外部寄生虫の侵襲を有効に防除する製剤の1用量を意味する。用語「長期間」とは、少なくとも7日の期間、好ましくは少なくとも2週間の期間を含む。用語「徐放性」とは、長期間にわたって続く活性を意味する。
本発明の方法は、コンパニオン動物にスピノシン成分を経口投与することによって行なわれる。経口投与は、錠剤および動物の飼料を用いて行なうことができる。ある動物(例えば、あるネコ)の場合には、直接的に投与されるかまたはそれらの食料配給に加えられる許容し得る液体製剤を用いることによって、投与が達成されるのが一番である。スピノシン成分を経口投与するのに特に有用な方法は、咀嚼可能な錠剤または処理物および動物の飼料として投与することによる方法である。
通常の経口錠剤は通常、スピノシン成分、粉末状の塊を便利なサイズに増大させるのを促進したり、圧縮性を改善するのを促進する希釈物、圧縮された粉末を一緒に保持するための結合剤、および密にしたり、錠剤のダイから放出するのを促進するための滑沢剤から構成される。それらはまた、崩壊および解離を改善するための崩壊剤、並びに安定剤、着色剤および芳香剤をも含むことができる。錠剤は形または食味を改善したり、解離性質を改変するために、コーティングされることが多い。錠剤を、速くまたは遅く溶解するように、並びに薬物の実際の容量および圧縮率に応じて大きくまたは小さくなるように設計することができる。それらは咀嚼することができたり、または舌下でもしくは頬の嚢中で溶解するように調製することができる。
経口投与のための通常の液体製剤は通常、スピノシン成分、並びに口に合う(palatable)投与形態を調製するための適当な希釈剤、溶解剤、芳香剤および着色剤の液剤、懸濁剤または乳剤である。複合させ、pHを調節し、そして口当たりを改善するために他の物質も使用されることが多い。
本発明の方法を実施する場合には、有効な量のスピノシンまたはその生理学的に許容し得る誘導体もしくは塩を、コンパニオン動物に経口投与する。用語「有効な量」および「殺虫性の量」とは、特定の外部寄生虫の侵襲を防除するのに必要な量を意味する。当該分野の当業者が理解する通り、この量は多数の因子に応じて変わる。これらの因子としては、例えば処置するコンパニオン動物の種類、その体重および通常の身体の症状、並びに防除すべき外部寄生虫の種類を含む。
一般的に、有効な量は約1〜約100mgのスピノシン/コンパニオン動物の体重kgを意味する。より一般的には、有効な量は該動物の約10〜約50mg/体重kgである。
錠剤製剤は典型的に、錠剤中に約1〜約75重量%のスピノシン成分を含むであろう。動物の飼料は典型的に、飼料中に約0.1〜約10重量%のスピノシン成分を含むであろう。
(実施例)
以下の実施例は本発明の方法を例示する。
イヌヘ経口投与したスピノサドがクテノセファリデス・フェリスの処置および防除に及ぼす効力
方法:両方の性別でさまざまな年齢の9匹のランダムな出所のイヌをこの研究に使用した。それらのイヌをこの研究の期間中、コンクリート床で波形番線鉄網場に個別に収容して、商業的な乾燥ドッグフード食料配給、および自由に水を与えた。それらのイヌを、試験的な侵襲による処置前のノミの数に基づいて、各々3つの処置群(群毎に3匹)に配分した。
それぞれのイヌについて、工業的な活性スピノサドを含有する1つ以上のゼラチンカプセル剤を口から与えた。それらは0日目に、50または100mg/体重kgを投与した。各イヌについて、個別の用量を与える直前および直後に、湿ったドッグフードの缶詰の約半分を摂食させた。各動物について、試験の−1、0、6、13、20、27、34、41および48日目に〜100匹の食物を与えられていないノミの成体を用いて実験的に侵襲させた。続く実験的な侵襲の各々の〜24時間後、すなわち試験の0(処置の8時間後)、1、7、14、21、28、35、42および49日目に、生きているノミの成体についての櫛上の数をカウントした。
結果:未処置のコントロール群と比較して、スピノサドを用いて経口処置したイヌにおける生きているノミの成体の数の相乗平均%の低下について、以下の表1に示す。
表1:未処置のコントロール群と比較した、スピノサドを用いて処置したイヌにおける生きているノミの成体の数の相乗平均%の低下
Figure 0005427217
ND:測定せず
副作用は全く観察されなかった。
イヌヘ経口投与したスピノサドが褐色イヌダニ(リピセファルス・サングイネウス)およびネコノミ(クテノセファリデス・フェリス)の処置および防除に及ぼす効力
方法:両方の性別でさまざまな年齢の12匹のランダムな出所のイヌをこの研究に使用した。それらのイヌを実施例1に記載の通り、収容し、摂食させ、水を与えた。それらのイヌを、試験的な侵襲による処置前のノミの数に基づいて、各々3つの処置群(群毎に4匹)に配分した。各イヌについて、何も含有しないか(コントロール)、または工業的な活性スピノサド粉末を含有する1つ以上のゼラチンカプセル剤を口から与えた。そのスピノサドで処置した群について、0日目に、50または100mg/体重kgを投与した。各イヌについて、個別のカプセル剤を与える直前および直後に、湿ったドッグフードの缶詰の約半分を摂食させた。各動物について、試験の−1、7、14、21および28日目に〜50匹の食物を与えられていないマダニの成体を用いて実験的に侵襲させた。各動物について、試験の−1、7、14、21、28、35および42日目に〜100匹の食物を与えられていないノミの成体を用いて同時に侵襲させた。各々の試験的な侵襲の〜48時間後(すなわち、試験の1日目)、並びにマダニおよびノミの両方については処置後の9、16、23および30日目に、加えてノミだけについては処置後の37および44日目に、生きているノミおよびマダニの成体についての櫛上の数をカウントした。
結果:未処置のコントロール群と比較して、スピノサドを用いて経口処置したイヌにおける生きているノミの成体の数の相乗平均%の低下について、以下の表2に示す。
表2:未処置のコントロール群と比較した、スピノサドを用いて処置したイヌにおける生きているノミの成体の計数における相乗平均%の低下
Figure 0005427217
未処置のコントロール群と比較して、スピノサドを用いて経口処置したイヌにおける生きているマダニの成体の数の相乗平均%の低下を、表3に示す。
表3:未処置のコントロール群と比較した、スピノサドを用いて処置したイヌにおける生きているマダニの成体の数の相乗平均%の低下
Figure 0005427217
結果の要約(両方の実施例):
経口投与されたスピノサドは、イヌにおけるノミについての優れた即効性のノックダウンおよび長期にわたる処置後の残留防除を得ることができた。50mg/kg用量は、研究の37日間にわたって90%より大きいノミに対する効力を示した。100mg/kgの用量は、研究の49日間にわたって(この後、研究を終わらせた)、90%より大きいノミに対する効力を示した。
経口投与されたスピノサドは、イヌにおけるマダニについての優れた即効性のノックダウンおよび中期にわたる処置後の残留防除を得ることができた。50mg/kg用量は、研究の1日にわたって90%より大きいマダニに対する効力を示した。100mg/kg用量は、研究の9日間にわたって90%より大きいノミに対する効力を示した。
イヌヘ経口投与したスピノサドがノミ(クテノセファリデス・フェリス)の処置および防除に及ぼす効力
方法:スピノサドの異なる用量および異なる物理的形態、並びにそれらがノミに対する経口的な効力に及ぼす影響を評価するために、両方の性別でさまざまな年齢の32匹のランダムな出所のイヌをこの研究に使用した。それらのイヌをこの研究の期間中、コンクリート床で波形番線鉄網場に個別に収容して、商業的な乾燥ドッグフード食料配給および自由に水を与えた。それらのイヌを試験的な侵襲による処置前のノミの数に基づいて、各々8つの処置群(群毎に4匹)に配分した。各イヌについて、上記の異なる物理的形態および異なる用量の工業的なスピノサドを含有する1つ以上のゼラチンカプセル剤を口から与えた。それらは0日目に体重を基準にして投与した。各イヌについて、特定のスピノサド製剤および用量を含有する個々のゼラチンカプセル剤を与える直前および直後に、湿ったドッグフードの缶詰の約半分を摂食させた。各動物について、試験日の−1、2、6、9、13、20、27および34日目に〜100匹の食物を与えられていないノミの成体を用いて実験的に侵襲させた。投与の〜24時間後またはその後の実験的な侵襲の各々の〜24時間後(すなわち試験の1、3、7、10、14、21、28および35日目)に、生きているノミの成体についての櫛上の数をカウントした。
処置:
Figure 0005427217
表4に、本研究の結果をまとめる。
表4:未処置のコントロール群と比較した、スピノサドを用いて経口処置したイヌにおける生きているノミの成体の数の相乗平均%の低下
Figure 0005427217
要約:経口投与したスピノサドは、イヌにおけるノミについての優れた即効性のノックダウン効力(処置の1日後および3日後では、99.6%〜100%)およびまたイヌにおけるノミについての良好ないし優れた長期間にわたる処置後の残留防除を与えた。45mg/kgの粉砕したスピノサドの用量は、研究の35日間にわたって94%より大きいノミに対する効力を示した。粉砕したスピノサドのより低い用量は、用量を基準としてより短期間の処置後の残留を示した。粉砕(平均粒子サイズは〜5ミクロンである)の、アモルファス状(非結晶性)のおよび未粉砕(粒子サイズが5ミクロンよりも大きく、〜200ミクロンまでの分布である粒子の混合物)で22.5mg/kg用量のスピノサドのノミの成体に対する効力は同程度であって、処置の28日後では統計学的に相違しなかった。このことは、粒子のサイズまたは結晶形態は経口的なノミに対する効力について影響を及ぼさないことを示している。
副作用は全く観察されなかった。
ネコに経口投与したスピノサドがノミ(クテノセファリデス・フェリス)の処置および防除に及ぼす効力
方法:両方の性別でさまざまな年齢の16匹のネコを該研究に使用した。それらのネコをわらくずのボックスが入ったゲージに個別に収容し、商業的な乾燥キャットフードおよび自由に水を与えた。それらのネコを試験的な侵襲による処置前のノミの数に基づいて、各々4つの処置群(群毎に4匹)に配分した。各ネコについて、粉砕した工業的なスピノサド粉末を含有する1つまたは2つのゼラチンカプセル剤を口から与え、0日目に体重kg当たり、0、12.5、25または50mgのスピノサドを投与した。各ネコについて、スピノサドを含有する個別のゼラチンカプセル剤を与える直前および直後に、湿ったキャットフードの缶詰めの少量を摂食させた。各ネコについて、試験の−1、0(8時間後)、2、6、9、13、20および27日目に〜100匹の食物を与えられていないノミを用いて実験的に侵襲させた。投与の〜24時間後またはその後の各実験的な侵襲の〜24時間後(すなわち、試験の0(8時間後)、1、3、7、10、14、21および28日目)に、生きているノミの成体についての櫛上の数をカウントした。
表5に、この研究の結果をまとめる。
表5:未処置のコントロール群と比較して、スピノサドを用いて経口処置したネコにおける生きているノミの成体の数の相乗平均%の低下
Figure 0005427217
要約:経口投与されたスピノサドは、ネコにおけるノミに対して優れた即効性のノックダウン効力(処置の8時間後、並びに1日後および3日後では94.6〜100%である)、および良好ないし優れた長期間にわたる処置後の残留防除を与えた。50mg/kgの粉砕したスピノサドの経口用量は、研究の21日間にわたって90%より大きいノミに対する効力を示した。粉砕したスピノサドのより低い用量は、用量を基準にしてより短期間にわたる処置後の残留防除を示した。
副作用:処置の〜1時間後に、25mg/kg用量の群の1匹のネコ、および50mg/kg用量の群の2匹のネコは、少量の食物を吐いた。原因は不明である。
以下は、適当な錠剤製剤の例である。
Figure 0005427217
各錠剤は、スピノシン成分の5重量%を含む。
以下は、適当な液体製剤の実施例である。
Figure 0005427217
この製剤は、スピノシン成分の5重量%を含む。

Claims (8)

  1. コンパニオン動物における外部寄生虫の侵襲を防除するための1回用量の経口製剤であって、0.1〜75重量%のスピノサドまたはその生理学的に許容し得る塩、および生理学的に許容し得る担体を含み、少なくとも7日間毎に1回投与する錠剤、液剤、カプセル剤、または咀嚼処置剤の経口投与形態であり、該コンパニオン動物の体重kg当たり、スピノサドまたはその生理学的に許容し得る塩の10−50mgを含み、ここで、該動物はイヌまたはネコであって、そして該外部寄生虫はクテノセファリデス・フェリスである、該製剤。
  2. 錠剤または咀嚼処置剤である、請求項1記載の製剤。
  3. イヌまたはネコにおける外部寄生虫の侵襲を防除するために少なくとも7日間毎に1回投与するための、1回用量の錠剤、液剤、カプセル剤、または咀嚼処置剤の経口医薬の製造における、0.1〜75重量%のスピノサドまたはその生理学的に許容し得る塩、および生理学的に許容し得る担体を含有する製剤の使用であって、該製剤が該コンパニオン動物の体重kg当たり、スピノサドまたはその生理学的に許容し得る塩の10−50mgを含み、そして該外部寄生虫はクテノセファリデス・フェリスである、該使用。
  4. 錠剤または咀嚼処置剤である、請求項3記載の使用。
  5. コンパニオン動物における外部寄生虫の侵襲を防除するための1回用量の経口製剤であって、0.1〜75重量%のスピノサドまたはその生理学的に許容し得る塩、および生理学的に許容し得る担体を含み、少なくとも7日間毎に、1回投与する錠剤、液剤、カプセル剤、または咀嚼処置剤の経口投与形態であり、該コンパニオン動物の体重kg当たり、スピノサドまたはその生理学的に許容し得る塩の10−100mgを含み、ここで、該動物はイヌまたはネコであって、そして該外部寄生虫はクテノセファリデス・フェリスである、該製剤。
  6. 錠剤または咀嚼処置剤である、請求項5記載の製剤。
  7. 少なくとも7日間毎に1回投与する、0.1〜75重量%のスピノサドまたはその生理学的に許容し得る塩を含有する、イヌまたはネコにおける外部寄生虫の侵襲を防除するための、1回用量の錠剤、液剤、カプセル剤、または咀嚼処置剤の経口医薬の製造における、スピノサドまたはその生理学的に許容し得る塩の使用であって、該医薬が該コンパニオン動物の体重kg当たり、スピノサドまたはその生理学的に許容し得る塩の10−100mgを含み、そして該外部寄生虫はクテノセファリデス・フェリスである、該使用。
  8. 錠剤または咀嚼処置剤である、請求項記載の使用。
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