JP5426465B2 - 加工システム及び加工方法 - Google Patents

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本発明は、ツールを用いてワークを加工する加工システム及び加工方法に関する。詳しくは、ツールの交換の際の通信時間及びロボットの移動時間を短縮することが可能な加工システム及び加工方法に関する。
従来より、自動車のドアをワーク(本体部品)として加工する加工ラインには、組立部品を当該ドアにボルトで取り付けるロボット等を含む加工システムが設けられている(例えば特許文献1参照)。
このような組立部品として、自動車のドアにおけるドアガラスの昇降をガイドするためのサッシュ部材が、特許文献2に開示されている。
ここで、例えば自動車の車種が異なると、ドアの種類が異なる場合がある。このような場合には、ドアに取り付けられるボルトの種類、例えばボルト径やボルトの頭部の形状等の種類が異なることがある。
従って、加工システムのロボットにおいては、ボルトの種類毎に、ボルトを締めるツールを交換する必要がある。
ボルトを締めるツールではないが、ロボットのツールを交換する技術は、特許文献3に記載されている。
特開2007−111794号公報 特開2006−188174号公報 特開2009−214262号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、交換用のツールはロボットの遠方に用意されているため、通信時間及びロボットの移動時間として長時間が必要になる。なお、ここでいう通信時間とは、例えば交換用のツールを検出するセンサが存在する場合には、当該センサとの通信に要する時間をいう。
本発明は、ツールを用いてワークを加工する加工システム及び加工方法であって、ツールの交換の際の通信時間及びロボットの移動時間を短縮することが可能な加工システム及び加工方法を提供することを目的とする。
本発明の加工システムは、
ツールを用いてワーク(例えば実施形態における自動車のドア31及びロアサッシュ32)を加工する加工システム(例えば実施形態における加工システム1)において、
ツールを取り付ける取り付け手段(例えば実施形態における取り付け部91乃至93)を有し、移動動作、及び前記取り付け手段に取り付けられたツールを用いて第1の加工動作をする第1の加工手段(例えば実施形態における締め付け機25が取り付けられたロボット22)と、
前記取り付け手段に着脱可能なツールを収納する収納手段(例えば実施形態における収納部材401)を有し、移動動作、及び第2の加工動作をする第2の加工手段と、
(例えば実施形態における把持機24が取り付けられたロボット23)と、
前記ボルトを前記本体部品まで移動させ、前記本体部品と前記組み付け部品との各々に設けられた前記ボルト穴にボルトを挿入して締め付ける動作を行う第2の加工手段(例えば実施形態における締め付け機25が取り付けられたロボット22)と、
前記第1の加工手段及び前記第2の加工手段の各々の動作を制御する制御手段(例えば実施形態におけるロボット制御装置12)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記第1の加工手段及び前記第2の加工手段の各々の動作を制御することによって、
第1の種類のツール(例えば実施形態におけるツール101,102)が前記取り付け手段に取り付けされ、第2の種類のツール(例えば実施形態におけるツール411,412)が前記収納手段に収納されている第1の状態から、
前記第1の種類のツールが前記収納手段に収納され、前記第2の種類のツールが前記取り付け手段に取り付けられている第2の状態に遷移させる、
ことを特徴とする。
この発明によれば、ツールの着脱が可能な第1の加工手段、及び、交換用のツールを収納する収納手段を有する第2の加工手段は、同一の制御手段によって制御される。即ち、制御手段により構築される同一の制御系により、第1の加工手段及び第2の加工手段は制御される。
これにより、制御手段は、第2の加工手段以外の場所に交換用のツールが配置されている場合と比較して、第2の加工手段に設けられた収納手段に収納された交換用のツールの配置位置を容易かつ短時間で認識することができる。その結果、通信時間が短縮される。ここでいう通信時間とは、例えば交換用のツールを検出するセンサ(本実施形態における視覚センサ83)が存在する場合には、当該センサとの通信に要する時間をいう。
さらに、第2加工手段に対して第1加工手段は近距離に配置されているので、第1加工手段の移動距離が短縮でき、その分だけ移動時間が短縮される。
この場合、前記2の加工手段は、複数の関節及び当該複数の関節を連結する複数の連結部を含む多関節マニュピュレータを有し、
前記収納手段は、前記複数の連結部のうち所定の連結部に設けられている、
ことが好ましい。
この発明によれば、ロボットの腕部に該当する多関節マニュピュレータの所定の連結部に収納手段が設けられるので、移動距離のさらなる短縮ができ、その分だけ移動時間が短縮される。この場合、第1の加工手段のみならず第2の加工手段も併せて移動動作させることで、移動時間の短縮をさらに一段と図ることが可能になる。
この場合、
前記ワークは搬送されており、
前記ワークの搬送に合わせて、前記第1の加工手段及び前記第2の加工手段を同期して移動させる移動手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記移動手段により前記第1の加工手段及び前記第2の加工手段が同期して移動している状態で、前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させる制御を実行する、
ことが好ましい。
この発明によれば、第1の加工手段及び第2の加工手段は同一の移動手段に設けられている。即ち、当該移動手段により、第1の加工手段及び第2の加工手段は同期して移動する。このため、移動手段による搬送中であっても、第1の状態から第2の状態に遷移させる制御の実行が可能になる。
これにより、第1の状態から第2の状態に遷移させる制御の実行時間を搬送されていない時間帯の中から別途設ける必要がなくなるため、ラインタクトや段取り換え時間を短縮すること、ひいては、加工システムが配置された加工ライン全体の処理時間を短縮することが可能になる。
この場合、前記第2の加工手段の移動動作の基準となる原位置が予め規定されており、
前記制御手段は、前記第2の加工手段が前記原位置に存在する状態で、前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させる制御を実行する、
ことが好ましい。
この発明によれば、振動が最も起こりにくい原位置に第2の加工手段が存在する状態で、第1の状態から第2の状態に遷移させる制御が実行される。
これにより、第1の加工手段の位置決め制御を精度よく実行することができるので、第1の加工手段の移動時間を短縮することが可能になる。
本発明の加工方法は、上述の本発明の加工システムに対応する方法である。従って、上述の本発明の加工システムと同様の各種効果を奏することが可能になる。
本発明によれば、ツールの着脱が可能な第1の加工手段、及び、交換用のツールを収納する収納手段を有する第2の加工手段は、同一の制御手段によって制御される。即ち、制御手段により構築される同一の制御系により、第1の加工手段及び第2の加工手段は制御される。
これにより、制御手段は、第2の加工手段以外の場所に交換用のツールが配置されている場合と比較して、第2の加工手段に設けられた収納手段に収納された交換用のツールの配置位置を容易かつ短時間で認識することができる。その結果、通信時間が短縮される。ここでいう通信時間とは、例えば交換用のツールを検出するセンサが存在する場合には、当該センサとの通信に要する時間をいう。
さらに、第2加工手段に対して第1加工手段は近距離に配置されているので、第1加工手段の移動距離が短縮でき、その分だけ移動時間が短縮される。
本発明の一実施形態に係る加工システムの概略外観構成を示す斜視図である。 図1の加工システムにより加工されるワークの概略外観構成を示す側面図である。 図1の加工システムの把持機の概略外観構成を示す斜視図である。 図3の把持機の把持ユニットがロアサッシュを把持している状態を示す斜視図である。 図1の加工システムの締め付け機の概略外観構成を示す斜視図である。 図1の加工システムのロボット制御装置の機能的構成例を示す機能ブロック図である。 図6のロボット制御装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。 図6のロボット制御装置による自動締め付け処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。 図8の自動締め付け処理において、ドアのアウタパネルの取り付け部付近の概略外観構成を示す、インナパネルを仮想的に除外した場合に車室側から見た斜視図である。 図6のロボット制御装置がツール交換処理を実行している最中のロボット本体の概略外観構成を示す斜視図である。 図6のロボット制御装置がツール交換処理を実行している最中のロボット本体の概略外観構成を示す斜視図である。 図6のロボット制御装置がツール交換処理を実行している最中のロボット本体の概略外観構成を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る加工システム1の概略外観構成を示す斜視図である。
図2は、加工システム1により加工されるワークとしてのドア31及びロアサッシュ32の概略外観構成を示す側面図である。
図1の加工システム1は、例えば自動車の生産ラインに配設され、図2の自動車のドア31を本体部品として、当該ドア31の車室側(図2に図示されている側)に、取り付け部品であるロアサッシュ32をボルトで取り付けることができる。
具体的には、ドア31は、アウタパネル51と、アウタパネル51の車室側に取り付けられたインナパネル52と、アウタパネル51及びインナパネル52の上部に取り付けられたアッパサッシュ53と、を備えている。
アウタパネル51には、ロアサッシュ32をボルトで取り付けるために、アッパサッシュ53の後辺53aの下方には、ボルト穴が形成された取り付け部54が設けられている。
一方、ロアサッシュ32は、ドア31のドアガラス(図示せず)が昇降するときに、当該ドアガラスの後縁をガイドする部材である。ロアサッシュ32の端部には、アウタパネル51の取り付け部54にボルトで取り付けられるために、ボルト穴が形成された取り付け部41が設けられている。なお、以下、ロアサッシュ32の端部のうち、取り付け部41が設けられている側の端部を「下端部」と呼び、下端部の反対側の端部を「上端部」と呼ぶ。
加工システム1は、ロアサッシュ32を、アッパサッシュ53の後辺53aの下方に延長して連続するように、アウタパネル51とインナパネル52との間に配置する。即ち、加工システム1は、ロアサッシュ32の上端をアッパサッシュ53の後辺53aの下部に連結させるように、ロアサッシュ32を配置させる。そして、加工システム1は、アウタパネル51の取り付け部54のボルト穴と、ロアサッシュ32の下端部の取り付け部41のボルト穴に対して、ボルトを挿入して締める。これにより、ロアサッシュ32がドア31に取り付けられる。
加工システム1は、このようにロアサッシュ32をドア31に取り付けるべく、図1に示すように、ロボット本体11と、当該ロボット本体11を制御するロボット制御装置12と、を備えている。
ロボット本体11は、ロボットベース21と、ロボット22,23と、把持機24と、締め付け機25と、図示せぬロボット駆動装置と、を備えている。
ロボット22,23は、多関節マニュピュレータとして構成され、ロボットベース21に旋回可能に取り付けられる。
ロボット22,23は、複数の関節と、各関節を連結する連結部材と、各関節を回転させるサーボモータと、サーボモータの各種状態(位置、速度、電流等)を検出する検出器と、を備える。
各サーボモータによる各関節の回転動作と、それらの回転動作に連動する各連結部材の移動動作との組み合わせにより、ロボット22,23の全体の動作が実現する。
即ち、図示せぬロボット駆動装置には、ロボット22,23の各々に接続されたエンドエフェクタ(本実施形態では把持機24又は締め付け機25)を目標位置まで移動させる指令(以下、「移動指令」と称する)が、後述するロボット制御装置12から供給される。そこで、ロボット駆動装置は、当該移動指令に従って、ロボット22,23に内蔵された各検出器の検出値をフィードバック値として用いて、ロボット22,23に内蔵された各サーボモータに対するトルク(電流)制御を行う。これにより、ロボット22,23の全体の動作が制御される。
把持機24は、ロアサッシュ32を把持する機能を有するエンドエフェクトとして、ロボット23の先端に取り付けられている。
把持機24は、ロボット22の移動動作に伴い、把持しているロアサッシュ32を、図2の矢印に示すように、インナパネル52の開口部からアウタパネル51内に挿入させ、アッパサッシュ53の後辺53aの下方に延長して連続するように、アウタパネル51とインナパネル52との間に配置する。
図3は、把持機24の概略外観構成を示す斜視図である。
把持機24は、ロボット23の先端に取り付けられる取り付け部61と、一端が取り付け部61に接続されるアーム62と、アーム62の他端に接続される把持ユニット63と、アーム62に取り付けられる力覚センサ64と、を備えている。
把持ユニット63は、ロアサッシュ32を把持すべく、第1把持部71と、第1把持シリンダ72と、第2把持部73と、第2把持シリンダ74と、を備えている。
図4は、把持機24の把持ユニット63がロアサッシュ32を把持している状態を示す斜視図である。
第1把持部71は、第1把持シリンダ72によってアーム62と略平行に進退する。即ち、第1把持部71は、ロアサッシュ32を把持する場合には、当該ロアサッシュ32の下端部まで進行し、図4に示すように、当該下端部に嵌合すると停止する。その後、第1把持部71は、嵌合状態を維持することで、ロアサッシュ32の下端部を把持する。
第2把持部73は、第2把持シリンダ74によってアーム62と略平行に進退する。即ち、第2把持部73は、ロアサッシュ32を把持する場合には、当該ロアサッシュ32のうちの、下端部と上端部との間の部位であって、取り付け部41よりも上端部に近い部位まで進行し、図4に示すように、当該部位に嵌合すると停止する。その後、第2把持部73は、嵌合状態を維持することで、ロアサッシュ32の当該部位を把持する。
力覚センサ64は、互いに直交する3つの軸の各々の軸方向の力及びそれらの軸周りのトルクを検出する。力覚センサ64の検出結果は、ロアサッシュ32をドア31にボルトで締め付けて取り付ける制御(以下、「締め付け制御」と呼ぶ)に用いられる。なお、締め付け制御は、ロボット制御装置12により実行されるため、その詳細については、ロボット制御装置12の説明として後述する。
締め付け機25は、ボルトをボルト穴に挿入して締め付ける機能を有するエンドエフェクトとして、ロボット22の先端に取り付けられている。
締め付け機25は、ロボット22の移動動作に伴い、ドア31の車外側(図2に図示されている側と反対側)から、アウタパネル51の取り付け部54のボルト穴の位置まで、ボルトが取り付けられた先端を移動させる。そして、締め付け機25は、ロボット制御装置12の締め付け制御に基づいて、当該取り付け部54のボルト穴と、ロアサッシュ32の取り付け部41のボルト穴とに対して、ボルトを挿入させて締め付けることにより、ロアサッシュ32をドア31に取り付ける。
図5は、締め付け機25の概略外観構成を示す斜視図である。
締め付け機25は、ロボット22の先端に取り付けられる取り付け部81と、ツールユニット82と、ツールユニット82に取り付けられる視覚センサ83と、を備えている。
ツールユニット82には、取り付け部81に取り付けられたロボット22の先端の軸方向に対して略垂直方向に、3つの取り付け部91乃至93が設けられている。取り付け部91乃至93の各々の先端には、ボルトを回転させて締め付けるためのツール101乃至103が取り付けられている。
ここで、例えば自動車の車種が異なると、ドア31の種類が異なる場合がある。このような場合には、ドア31に取り付けられるボルトの種類、例えばボルト径やボルトの頭部の形状等の種類が異なることがある。
そこで、本実施形態では、ツール101乃至103のみならず、各々のボルトの種類に対応したツールが複数種類用意されている。そして、取り付け部91乃至93の各々の先端に取り付けられるツールが適宜交換される。なお、ツールの交換については、図10乃至図12を参照して後述する。
視覚センサ83は、カメラ等で構成されており、ツールユニット82に取り付けられた各種ツール(図5の例ではツール101乃至103)の先端を、画角の中心として撮影できるように、ツールユニット82に固定して取り付けられている。
視覚センサ83は、画角の範囲内にある被写体を撮影する。以下、視覚センサ13により撮影された被写体の画像を、「撮影画像」と称する。後述するロボット制御装置12は、撮影画像のデータを用いて、ロボット22の移動動作等の制御を実行する。
なお、ロボット23又は把持機24の適当な位置に視覚センサをさらに設けて、後述するロボット制御装置12が、当該視覚センサから得られる撮像画像のデータを用いて、ロボット23の移動動作等の制御を実行するようにしてもよい。
以上、本発明が適用される加工システムのうち、ロボット本体11の構成について説明した。
次に、図6及び図7を参照して、当該加工システムのうち、ロボット本体11を制御するロボット制御装置12について詳しく説明する。
図6は、ロボット制御装置12の機能的構成例を示す機能ブロック図である。
ロボット制御装置12は、移動指令部151と、締め付け制御部152と、ロボット制御切替部153と、押し付け量検出部154と、撮像画像取得部155と、把持制御部156と、締め付け制御部157と、ツール交換制御部158と、を備えている。
移動指令部151は、締め付け制御部152又はツール交換制御部158の制御に基づいて、ロボット22,23の各々に対する移動指令を生成し、ロボット22,23の各々に供給する。
より正確には、移動指令は、図示せぬロボット駆動装置に供給される。当該ロボット駆動装置は、上述したように、この移動指令に従って、ロボット22,23を相互に独立して移動させることによって、各々のエンドエフェクタである締め付け機25又は把持機24の各々を目標位置まで移動させる。
締め付け制御部152は、締め付け制御を実行すべく、ティーチング制御部161と、倣い制御部162と、を備えている。
ティーチング制御部161は、予め設定された所定の経路に沿ってロボット22,23の各々を移動させるティーチングプレイバック制御を実行する。
ティーチングプレイバック制御とは、予め定められた経路に沿ってロボットを移動させる動作を事前に教示しておき、この動作を再現させるオープンループ制御をいう。
倣い制御部162は、ロアサッシュ32をドア31にボルトで取り付ける際に、ロアサッシュ32がドア31に倣って移動するように、ロボット22,23の各々を移動させる制御を実行する。なお、このような制御を、以下、「倣い制御」と呼ぶ。倣い制御の詳細については図8及び図9を参照して後述する。
ロボット制御切替部153は、ロボット22,23の移動制御の動作主体を、締め付け制御部152とツール交換制御部158との一方から他方へ切り替える。
さらに、ロボット制御切替部153は、ロボット22,23の移動制御の動作主体を締め付け制御部152に切り替えた場合、当該締め付け制御部152の動作主体を、ティーチング制御部161と倣い制御部162との一方から他方へ切り替える。
なお、ロボット制御切替部153によってロボット22,23の移動制御の動作主体が締め付け制御部152に切り替えられた場合における、ロボット制御装置12の動作の詳細については、図8及び図9を参照して後述する。
一方、ロボット制御切替部153によってロボット22,23の移動制御の動作主体がツール交換制御部158に切り替えられた場合における、ロボット制御装置12の動作の詳細については、図10乃至図12を参照して後述する。
押し付け量検出部154は、力覚センサ64の検出結果に基づいて、ロアサッシュ32のドア31への押し付け量を検出し、ロボット制御切替部153を介して倣い制御部162に供給する。詳細については図8及び図9を参照して後述するが、倣い制御部162は、倣い制御として、当該押し付け量が一定となるようにロボット23(ロアサッシュ32)を移動させる制御を実行する。
撮像画像取得部155は、視覚センサ83から出力された撮像画像のデータを取得して、ロボット制御切替部153に供給する。
当該撮像画像のデータは、例えば、締め付け制御部152やツール交換制御部158がロボット22,23の移動制御として視覚サーボ制御を採用する場合に、フィードバック情報として用いることが可能である。ここで、視覚サーボ制御は、例えばティーチングプレイバック制御の実行後に誤差解消の目的で実行される。
把持制御部156は、把持機24の動作を制御する。即ち、把持機24は、把持制御部156の制御に基づいて、ロアサッシュ32を把持する動作を行う。
締め付け制御部157は、締め付け機25の動作を制御する。即ち、締め付け機25は、締め付け制御部157の制御に基づいて、締め付け機25がボルトをボルト穴に挿入して締め付ける動作を行う。
ツール交換制御部158は、締め付け機25のツールを交換することを目的として、ロボット22,23を移動させる制御を実行する。なお、このような制御を、以下、「ツール交換制御」と呼ぶ。ツール交換制御の詳細については図10乃至図12を参照して後述する。
以上、ロボット制御装置12の機能的構成例について説明した。次に、このような機能的構成を有するロボット制御装置12のハードウェア構成例について説明する。
図7は、ロボット制御装置12のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
ロボット制御装置12は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、バス204と、入出力インターフェース205と、入力部206と、出力部207と、記憶部208と、通信部209と、ドライブ210と、を備えている。
CPU201は、ROM202に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。又は、CPU201は、記憶部208からRAM203にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM203にはまた、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
例えば本実施形態では、上述した図6の移動指令部151乃至ツール交換制御部158の各機能を発揮させるプログラムが、ROM202や記憶部208に記憶されている。従って、CPU201が、このプログラムに従った処理を実行することで、移動指令部151乃至ツール交換制御部158の各機能を発揮させることができる。なお、このようなプログラムに従った処理の一例については、図8乃至図12を参照して後述する。
CPU201と、ROM202と、RAM203とは、バス204を介して相互に接続されている。このバス204にはまた、入出力インターフェース205も接続されている。
入出力インターフェース205には、キーボード等で構成される入力部206と、表示デバイスやスピーカ等で構成される出力部207と、ハードディスク等より構成される記憶部208と、通信部209と、が接続されている。
通信部209は、ロボット本体11との間で行う通信と、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信と、をそれぞれ制御する。なお、これらの通信は、図1の例では有線通信とされているが、無線通信であってもよい。
入出力インターフェース205にはまた、必要に応じてドライブ210が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなるリムーバブルメディア211が適宜装着される。この場合、ドライブ210に接続されたリムーバブルメディア211にプログラムが記憶されている場合には、当該リムーバブルメディア211から読み出されたプログラムが、必要に応じて記憶部208にインストールされる。
以上、本発明が適用される加工システムの構成について、その構成要素毎に、即ち、ロボット本体11及びロボット制御装置12の各々毎に説明した。
次に、当該加工システムが実行する処理のうち、締め付け制御により、ロアサッシュ32をドア31に取り付けるまでの一連の処理(以下、「自動締め付け処理」と呼ぶ)について説明する。
図8は、自動締め付け処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
詳細には、図8には、上から順に、把持機24が接続されたロボット23の動作を示すタイミングチャート、締め付け機25が接続されたロボット22の動作を示すタイミングチャート、締め付け機25の動作を示すタイミングチャート、及び押し付け量を示すタイミングチャートがそれぞれ図示されている。
図9は、図8の自動締め付け処理において、ドア31のアウタパネル51の取り付け部54付近の概略外観構成を示す、インナパネル52を仮想的に除外した場合に車室側から見た斜視図である。
図8及び図9の説明では、ロボット制御装置12が担当する処理の動作主体は、図7のCPU201により実行される図6の移動指令部151乃至締め付け制御部157のうちの何れかであるとする。
本実施形態では、自動締め付け処理が開始するとロボット22が移動して、当該ロボット22に取り付けられた締め付け機25のツール101の先端の位置が、ドア31の車外側から車室側に向けてアウタパネル51に近づき、アウタパネル51の取り付け部54のボルト穴の中心位置(以下、「締め付け穴位置」と呼ぶ)まで移動する。このようにして、ツール101の先端が締め付け穴位置まで移動した時刻が、図8に示すように時刻t1であるとする。
図9(A)は、時刻t1のタイミングにおける取り付け部54付近の概略外観構成を示している。図9(A)に示すように、ツール101の先端にはボルト301が取り付けられており、ツール101の先端が締め付け穴位置まで移動すると、取り付け部54のボルト穴にはボルト301が10mm程度挿入される(セットされる)。
一方、自動締め付け処理が開始するとロボット23も移動して、当該ロボット23に取り付けられた把持機24によって、ロアサッシュ32は、図2の矢印に示すように、インナパネル52の開口部からアウタパネル51内に挿入され、その下端部の取り付け部41のボルト穴の中心と、アウタパネル51の取り付け部54のボルト穴の中心とが略一致するまで移動する。このように移動したロアサッシュ32の位置を、以下、「サッシュ取り付け位置」と呼ぶ。このようにしてロアサッシュ32がサッシュ取り付け位置まで移動した時刻が、図8に示すように時刻t2であるとする。
図9(B)は、時刻t2のタイミングにおける取り付け部54付近の概略外観構成を示している。図9(B)に示すように、ロアサッシュ32がサッシュ取り付け位置まで移動すると、ロアサッシュ32の取り付け部41のボルト穴にボルト301の先端が若干挿入される。
ここで、ドア31の車外側から車室側に向けて、アウタパネル51の取り付け部54のボルト穴にボルト301が挿入される方向を、以下、「B方向」と呼ぶ。この場合、図9(B)に示す状態とは、ドア31とロアサッシュ32との巨視的な観点からすると、ドア31とロアサッシュ32とはボルト301により当接しているが、B方向に位置ズレが生じていて弛んでいる状態であると把握することができる。そこで、図9(B)に示す状態、即ち、ドア31とロアサッシュ32とがボルト301により当接している状態を、以下、「当接状態」と呼ぶ。
当接状態になるまでの間、即ち時刻t2になるまでの間、締め付け制御部152の動作主体は、本実施形態では、ティーチング制御部161となっている。
即ち、当接状態になるまでは、ティーチング制御部161によるティーチングプレイバック制御(適宜視覚サーボ制御を含めてもよい)に基づいて、ロボット22及びロボット23が移動する。
なお、上述したように、当接状態になるためには、ロアサッシュ32の取り付け部41のボルト穴にボルト301の先端が若干挿入されている必要がある。このため、締め付け制御部157は、図8に示すように、時刻t1になると、締め付け機25の動作を開始させる。即ち、ボルト301が取り付けられたツール101が回転を開始する。
このようにして当接状態になると、即ち時刻t2になると、ロボット制御切替部153は、締め付け制御部152の動作主体を、ティーチング制御部161から倣い制御部162に切り替える。
すると、倣い制御部162は、ロアサッシュ32とアウタパネル51とのB方向の距離が短くなる(B方向の位置ズレをなくす)ように、ロボット22,23の少なくとも一方を移動させる。
ここで、「少なくとも一方」と記載したのは、ロアサッシュ32とアウタパネル51とのB方向の距離が短くなれば、ロボット22,23の何れか一方を移動させてもよいからである。
ただし、本実施形態では、図8に示すように、締め付け機25に取り付けられたツール101の先端がB方向に移動(シフト)するように、当該締め付け機25が取り付けられたロボット22が移動する。同時に、ドア31のアウタパネル51をロアサッシュ32が押し付ける方向(B方向の反対方向であって、以下、「サッシュ取り付け方向」と呼ぶ)に、当該ロアサッシュ32を把持した把持機24が取り付けられたロボット23が移動する。
このようにロボット22,23を移動させるべく、倣い制御部162は、次のような倣い制御を実行する。即ち、倣い制御部162は、ロアサッシュ32とドア31との間の所定の関係が一定となるように、例えばロアサッシュ32のドア31への押し付け量が一定となるように、ロボット22,23の各々の移動を制御する(図8の押し付け量のタイミングチャート参照)。
なお、押し付け量は、本実施形態では、上述したように、押し付け量検出部154によって、力覚センサ64の検出結果に基づいて検出されて、ロボット制御切替部153を介して倣い制御部162に供給される。
図9(C)は、このような倣い制御部162による倣い制御の実行中の時刻t3における取り付け部54付近の概略外観構成を示している。
このような倣い制御部162による倣い制御が継続して実行されると、ロアサッシュ32とアウタパネル51とのB方向の距離が徐々に短くなっていく。そして、時刻t4になると、当該距離が略0になり(B方向の位置ズレがほぼなくなり)、ドア31のアウタパネル51の取り付け部54の車外側に、ボルト301の頭部が着座する。このような状態を、以下、「着座状態」と呼ぶ。
図8の押し付け量のタイミングチャートに示すように、倣い制御部162が押し付け量を一定にするように倣い制御をしても、着座状態になる直前には押し付け量が急上昇する。このため、倣い制御部162は、着座状態になった時点で押し付け量を低下させるべく、ロボット23の移動動作を停止して待機状態とすることで、当該ロボット23に接続された把持機24に把持されたロアサッシュ32による、ドア31への押し付けを停止させる。
ただし、倣い制御部162は、この間、ロボット22を移動させて、当該ロボット22に取り付けられた締め付け機25のB方向への移動は継続させる。これにより、締め付け機25の先端に取り付けられたボルト301は、B方向にさらに締め付けられる。即ち、ボルト301による、いわゆる増し締めが行われる。
図9(D)は、このようなボルト301の増し締め中の時刻t5における取り付け部54付近の概略外観構成を示している。
例えば時刻t6に、このようなボルト301の増し締めが完了すると、即ち、締め付けが完了すると、ロボット制御切替部153は、締め付け制御部152の動作主体を、倣い制御部162からティーチング制御部161に切り替える。
すると、ティーチング制御部161は、ティーチングプレイバック制御を実行することにより、ロボット23については、アンクランプさせた後にドア31から退出させるように移動さると共に、ロボット22については、B方向と逆方向(サッシュ取り付け方向)に移動させた後(シフト戻りさせた後)に原位置へ移動させる。
このような自動締め付け処理を実行可能な加工システムを採用することで、以下の(1)及び(2)に示すような効果がある。
(1)本実施形態に係る加工システムには、ロアサッシュ32を把持し、当該ロアサッシュ32をドア31まで移動させる動作を行う第1の加工装置として、把持機24が取り付けられたロボット23が設けられている。
当該加工システムにはまた、ボルトをドア31まで移動させ、ドア31のアウタパネル51の取り付け部54及びロアサッシュ32の取り付け部41の各々に設けられたボルト穴にボルトを挿入して締め付ける動作を行う第2の加工装置として、締め付け機25が取り付けられたロボット22が設けられている。
そして、第1の加工装置と第2の加工装置とのうち少なくとも一方の動作の制御として、ロアサッシュ32がドア31に当接した当接状態になった後に、ロアサッシュ32とドア31との所定の関係が一定に保たれる倣い制御、具体的には上述の例では押し付け量が一定に保たれる倣い制御が実行される。
このようにして、ロアサッシュ32とドア31との所定の関係(上述の例では押し付け量)が一定に保たれることで、ボルトの回転等に起因して生じる自動車のドア31の動きに倣ってロアサッシュ32も移動することが可能になる。換言すると、ロアサッシュ32に対するボルトの挿入を、当該ボルトの回転に合わせて行うことが可能になる。その結果、ロアサッシュ32がボルトに引き込まれる等、自動車のドア31の移動に起因する外力により発生する組み付け部品の破損を防止することが可能になる。
(2)さらに、上述の例の倣い制御では、当接状態になった後、さらに、ボルトの頭部がドア31に着座する着座状態になった場合、少なくとも第1の加工装置の動作が停止する。
これにより、組み付け部品の破損をより確実に防止することが可能になる。
次に、このような加工システムの別の処理のうち、自動締め付け処理とは別の処理であって、ツール交換制御に基づいて、締め付け機25のツールを交換するまでの一連の処理(以下、「ツール交換処理」と呼ぶ)について説明する。
図10乃至図12は、ツール交換処理を実行中のロボット本体11の概略外観構成を示す斜視図である。
図10及び図12の説明では、ロボット制御装置12が担当する処理の動作主体は、図7のCPU201により実行される図6の移動指令部151乃至ツール交換制御部158のうちの何れかであるとする。
図10は、ツール交換処理を開始した時点のロボット本体11の概略外観構成を示している。
図10に示すように、本実施形態では、締め付け機25にはツール101乃至103が取り付けられている。また、締め付け機25が取り付けられたロボット22以外のロボット23の腕部(多関節マニュピュレータの所定の連結部材)には、交換用のツール411,412を収納した収納部材401が設けられている。
即ち、本例では、ツール交換処理により、締め付け機25の取り付け部91,92の各々に取り付けられるツールが、ツール101,102の各々から、ツール411,412に交換される。
換言すると、ロボット制御装置12は、ツール交換処理として、ロボット22,23の各々の動作を制御することによって、ツール101,102が取り付け部91,92に接続され、ツール411,412が収納部材401に収納されている第1の状態から、ツール101,102が収納部材401に収納され、ツール411,412が取り付け部91,92に接続されている第2の状態に遷移させる。
即ち、ツール交換処理が開始すると、図2のロボット制御切替部153は、ロボット22,23の移動制御の動作主体を、ツール交換制御部158に切り替える。
すると、ツール交換制御部158は、ティーチングプレイバック制御(適宜視覚サーボ制御を含めてもよい)を実行して、図10に示す状態から図11に示す状態となるように、ロボット22を移動させる。
即ち、図11に示すように、ロボット22は、締め付け機25の取り付け部91,92の各々にこれまで取り付けられていたツール101,102を、収納部材401に収納する。
次に、ツール交換制御部158は、ティーチングプレイバック制御(適宜視覚サーボ制御を含めてもよい)を実行して、図11に示す状態から図12に示す状態となるように、ロボット22を移動させる。
即ち、図12に示すように、ロボット22は、締め付け機25の取り付け部91,92の各々に、収納部材401に収納されていたツール411,412を取りつける。
次に、ツール交換制御部158は、ティーチングプレイバック制御(適宜視覚サーボ制御を含めてもよい)を実行して、図12に示す状態から図10に示す状態(ただし、締め付け機25の取り付け部91,92の各々にはツール411,412が取り付けられている状態)となるように、ロボット22を移動させる。
これにより、ツール交換処理は終了し、ロボット制御切替部153は、ロボット22,23の移動制御の動作主体を、ツール交換制御部158から締め付け制御部152に切り替える。
このようなツール交換処理を実行可能な加工システムを採用することで、次の(3)乃至(5)に示すような効果がある。
(3)ツールの着脱が可能な締め付け機25が接続されたロボット22、及び、交換用のツールを収納する収納部材401が設けられたロボット23は、同一のロボット制御装置12によって制御される。即ち、ロボット制御装置12により構築される同一の制御系により、ロボット22,23は制御される。
これにより、ロボット制御装置12は、ロボット23以外の場所に交換用のツールが配置されている場合と比較して、ロボット23に設けられた収納部材401に収納された交換用のツールの配置位置を容易かつ短時間で認識することができる。その結果、通信時間が短縮される。ここでいう通信時間とは、センサ(本実施形態では視覚センサ83)が交換用のツールを検出して、ロボット制御装置12がロボット22を移動させるまでに、センサとロボット制御装置12との間で行われる通信に要する時間をいう。
さらに、ロボット22に対してロボット23は近距離に配置されているので、ロボット22の移動距離が短縮でき、その分だけ移動時間が短縮される。
特に、ロボット23の腕部(多関節マニュピュレータの所定の連結部)に収納部材401を設けることで、移動距離のさらなる短縮ができ、その分だけ移動時間が短縮される。ここで、図10乃至図12においては、説明の便宜上、ロボット22のみが移動したが、ロボット22のみならずロボット23も併せて移動させてもよい。この場合には、移動時間の短縮をさらに一段と図ることが可能になる。
(4)図示はしないが、一般的には、ワークである自動車のドア31は自動搬送ラインにより搬送されており、上述した自動締め付け処理も、ドア31が自動搬送中に実行される場合が多い。このような場合、ドア31の搬送に併せて、ロボット本体11のロボットベース21も移動させるため、ドア31の搬送方向と略平行にロボットベース21を移動させる移動機構が設けられている。
このように、移動機構はロボットベース21を移動させるため、ロボット22,23の観点からすると、ロボット22,23は同一の移動機構に設けられている。即ち、当該移動機構により、ロボット22,23は同期して移動する。
このため、移動機構によりロボットベース21が搬送されているような場合、例えば図8の自動締め付け処理においてボルトの締め付け動作が完了した時刻t6以降のような場合、その移動機構による搬送中であっても、ツール交換処理の実行が可能になる。
このように、搬送中にツール交換処理を実行することで、ツール交換処理の実行時間を別途設ける必要がなくなるため、ラインタクトや段取り換え時間を短縮すること、ひいては、自動車のドア31の加工ライン全体の処理時間を短縮することが可能になる。
(5)交換用のツールが収納する収納部材401が設けられたロボット23が、例えば図10乃至図12に示すように原位置(いわゆるホームポジション)に存在する状態で、ツール交換処理を実行することができる。
この場合、ロボット23の振動は、原位置に存在する状態が最も起こりにくいため、ロボット22の位置決め制御を精度よく実行することができるので、ロボット22の移動時間を短縮することが可能になる。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、同一のロボットベースに搭載されるロボットの台数は、本実施形態ではロボット22,23の2台とされたが、特にこれに限定されず、3台以上であってもよい。
この場合、交換用のツールが収納する収納部材401は、当該ツールを用いる締め付け機25が取り付けられたロボット以外であれば、任意のロボットに設けることができる。
この場合にも、自動締め付け処理を同様に実行することができ、その結果、上述した(1),(2)の効果を同様に奏することが可能である。また、ツール交換処理を同様に実行することができ、その結果、上述した(3)乃至(5)の効果も同様に奏することが可能である。
また例えば、ロボットのエンドエフェクタは、本実施形態では把持機24及び締め付け機25とされたが、特にこれに限定されず、任意のツールを用いる任意のエンドエフェクタを採用することができる。
この場合も、当該エンドエフェクタがツールを交換する機能を有していれば、ツール交換処理を同様に実行することができ、その結果、上述した(3)乃至(5)の効果も同様に奏することが可能である。
また例えば、ロアサッシュ32を把持する把持機24が接続されたロボット23には、本実施形態では力覚センサ64が採用されたが、特にこれに限定されず、ロボット23等の図示せぬロボット駆動装置のトルクセンサ等、ロアサッシュ32のドア31の押し付け量を検出できれば任意のセンサを採用することが可能である。
この場合にも、自動締め付け処理を同様に実行することができ、その結果、上述した(1),(2)の効果を同様に奏することが可能である。また、ツール交換処理を同様に実行することができ、その結果、上述した(3)乃至(5)の効果も同様に奏することが可能である。
また例えば、ワークとして、本実施形態ではドア31及びロアサッシュ32が採用されたが、特にこれに限定されず、任意の本体部品、及び、当該本体部品に取り付けられる任意の組み付け部品を採用することが可能である。
この場合にも、自動締め付け処理を同様に実行することができ、その結果、上述した(1),(2)の効果を同様に奏することが可能である。また、ツール交換処理を同様に実行することができ、その結果、上述した(3)乃至(5)の効果も同様に奏することが可能である。
また例えば、本実施形態では、図6の移動指令部151乃至ツール交換制御部158をソフトウェアとハードウェア(CPU201を含む関連部分)の組み合わせにより構成するものとして説明したが、かかる構成は当然ながら例示であり、本発明はこれに限定されない。例えば、移動指令部151乃至ツール交換制御部158の少なくとも一部を、専用のハードウェアで構成してもよし、ソフトウェアで構成してもよい。
この場合にも、自動締め付け処理を同様に実行することができ、その結果、上述した(1),(2)の効果を同様に奏することが可能である。また、ツール交換処理を同様に実行することができ、その結果、上述した(3)乃至(5)の効果も同様に奏することが可能である。
このように、本発明に係る一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることも、ハードウェアにより実行させることもできる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムを、コンピュータ等にネットワークを介して、或いは、記録媒体からインストールすることができる。コンピュータは、専用のハードウェアを組み込んだコンピュータであってもよいし、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
本発明に係る一連の処理を実行するための各種プログラムを含む記録媒体は、情報処理装置(例えば本実施形態ではロボット制御装置12)本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布されるリムーバブルメディアでもよく、或いは、情報処理装置本体に予め組み込まれた記録媒体等でもよい。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた記録媒体としては、例えば、プログラムが記録されている、図7のROM202や、図7の記憶部208に含まれるハードディスク等でもよい。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置や処理部により構成される装置全体を表すものである。
1 加工システム
11 ロボット本体
12 ロボット制御装置
21 ロボットベース
22,23 ロボット
24 把持機
25 締め付け機
31 ドア
32 ロアサッシュ
64 力覚センサ
82 ツールユニット
91乃至93 取り付け部
101乃至103 ツール
151 移動指令部
152 締め付け制御部
153 ロボット制御切替部
154 押し付け量検出部
155 撮像画像取得部
156 把持制御部
157 締め付け制御部
158 ツール交換制御部
161 ティーチング制御部
162 倣い制御部

Claims (5)

  1. ツールを用いてワークを加工する加工システムにおいて、
    ツールを取り付ける取り付け手段を有し、移動動作、及び前記取り付け手段に取り付けられたツールを用いて第1の加工動作をする第1の加工手段と、
    前記取り付け手段に着脱可能なツールを収納する収納手段を有し、移動動作、及び第2の加工動作をする第2の加工手段と、
    前記第1の加工手段及び前記第2の加工手段の各々の動作を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記第1の加工手段及び前記第2の加工手段の各々の動作を制御することによって、
    第1の種類のツールが前記取り付け手段に取り付けされ、第2の種類のツールが前記収納手段に収納されている第1の状態から、
    前記第1の種類のツールが前記収納手段に収納され、前記第2の種類のツールが前記取り付け手段に取り付けられている第2の状態に遷移させる、
    加工システム。
  2. 前記2の加工手段は、複数の関節及び当該複数の関節を連結する複数の連結部を含む多関節マニュピュレータを有し、
    前記収納手段は、前記複数の連結部のうち所定の連結部に設けられている、
    請求項1に記載の加工システム。
  3. 前記ワークは搬送されており、
    前記ワークの搬送に合わせて、前記第1の加工手段及び前記第2の加工手段を同期して移動させる移動手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記移動手段により前記第1の加工手段及び前記第2の加工手段が同期して移動している状態で、前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させる制御を実行する、
    請求項1又は2に記載の加工システム。
  4. 前記第2の加工手段の移動動作の基準となる原位置が予め規定されており、
    前記制御手段は、前記第2の加工手段が前記原位置に存在する状態で、前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させる制御を実行する、
    請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の加工システム。
  5. ツールを用いてワークを加工する加工システムの加工方法において、
    前記加工システムは、
    ツールを取り付ける取り付け手段を有し、移動動作、及び前記取り付け手段に取り付けられたツールを用いて第1の加工動作をする第1の加工手段と、
    前記取り付け手段に着脱可能なツールを収納する収納手段を有し、移動動作、及び第2の加工動作をする第2の加工手段と、
    前記第1の加工手段及び前記第2の加工手段の各々の動作を制御する制御手段と、
    を備えており、
    前記制御手段は、
    前記第1の加工手段及び前記第2の加工手段の各々の動作を制御することによって
    第1の種類のツールが前記取り付け手段に取り付けられ、第2の種類のツールが前記収納手段に収納されている第1の状態から、
    前記第1の種類のツールが前記収納手段に収納され、前記第2の種類のツールが前記取り付け手段に取り付けられている第2の状態に遷移させる、
    加工方法。
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