JP5426283B2 - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、布はがし行程において、洗濯物をより確実に剥離させることができるドラム式洗濯乾燥機を提供することにある。
前記制御手段は、前記布はがし行程において前記ドラムの回転が半周を超えた位置で前記モータのロータ位置を固定するように通電を行い、前記回転を停止させる動作を複数回繰り返すことを特徴とする。
斯様に構成すれば、布はがし行程でドラムの回転を停止させる場合は、ドラムをその停止位置で固定できるので、偏荷重によって洗濯物が剥離する前にドラムが回転してしまうことなく、その間にドラムの内周面に貼り付いている洗濯物に重力を作用させて剥離を促し、落下させることができる。
以下、本発明の第1実施例について図1ないし図6を参照して説明する。図5は、ドラム式洗濯乾燥機の縦断側面図である。外箱1の前面部(図5で右側)の中央部には、洗濯物出入口2が形成され、その出入口2を開閉する扉3が設けられている。また、外箱1の前面部の上部には、操作パネル4が設けられており、その裏側(外箱1内)には操作回路ユニット5が設けられている。更に、外箱1の前面部裏側の下部には、制御回路ユニット6が設けられている。
水槽7の内部には、ドラム10が配設されている。このドラム10も軸方向が前後の横軸円筒状を成すもので、それを後部の中心部で上記モータ9の回転軸9cの先端部に取付けることで、水槽7と同軸となる前上がりの傾斜状に支持されている。すなわち、ドラム10はモータ9によりダイレクトドライブ方式で回転される。
水槽7の底部には、水溜器15が取付けられており、水溜器15の最低部である後部に、排水弁16及び排水ホース17が順に接続されている。これらの排水弁16及び排水ホース17は、水槽7内の水や、水槽7と小孔11により連通したドラム10内の水を水溜器15から機外に排出する。
水槽7の上方には、後側に送風装置22が配設され、前側に加熱装置23が配設されている。このうち、送風装置22は、ケーシング24の内部にファン25を有し、ファン25を回転駆動するモータ26(図6参照)がケーシング24の外部に設けられている。また、送風装置22は、ケーシング24の後部を、接続ダクト27を介して熱交換器21の上部に接続している。
注水ケース31は、詳しくは図示しないが、使用者によって出し入れされる内部ケース31aに洗剤投入部と柔軟仕上剤注入部とを有しており、それらが接続ホース34を介して水槽7内(ドラム10内)にその前上部から連通している。水位センサ32は、水槽7の下部から配管したエアチューブ35を介して、水槽7内の水位を、ひいては水槽7と前記小孔11により連通したドラム10内の水位を、その変化に応動する空気圧の変化で検知する。
すなわち、給水弁33からは主給水弁33bを介し、接続ホース34から注水ケース31の洗剤投入部を経て水槽7内に水道水が供給される。なお、この際の給水と併せて、水槽7内には、洗剤投入部に使用者によって予め配置された洗剤が供給される。また、給水弁33からは熱交給水弁33cを介し、接続ホース37を経て熱交換器21内の散水器に水道水が供給される。その水は散水器から散出されて降下し、この降下する水に、熱交換器21内を通る空気中の水蒸気が触れて冷却され、凝縮されることで除湿される。
すなわち、ステップS3,S4においてドラム10を停止させる場合は、直流励磁を継続することでロータ9b及びドラム10を停止状態で固定する。これにより、ドラム10の内周面に貼り付いた状態にある洗濯物は重力に引かれて剥離し、確実に下方に落下するようになる。
図7及び図8は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例では、第1実施例のように、脱水行程について設定される最高回転数が高くなるのに応じて、布はがし行程の実行時間がより長くなるように設定する。
尚、図7の設定を、第1実施例の図2に対照させると整合しないが、図7は、単独の脱水行程における最高回転数が異なる場合について布はがし行程の時間を変化させることを示しており、図2で示した例とは全く独立したものである。
図9及び図10は本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。第3実施例では、脱水行程において設定された最高回転数が維持される時間の長さに応じて、布はがし行程を実行する時間の長さを変化させるようにする。例えば図9に示すように、脱水の最高回転数が1000rpmの場合について、当該回転数の維持時間が50秒,230秒,960秒と異なる場合には、布はがし行程の実行時間を75秒,100秒,150秒というように次第に長くなるように設定する。また、最高回転数が1200rpmの場合について、当該回転数の維持時間が220秒,850秒と異なる場合には、布はがし行程の実行時間をそれぞれ100秒,200秒に設定する。
図11は本発明の第4実施例を示す。第4実施例は、洗濯乾燥機が洗い行程の開始前に洗濯物の重量検知処理(重量センシング)を行い、その結果に応じて、布はがし行程の実行時間及び/又は布はがし行程における停止期間の長さを設定する。重量(布量)検知を行う方式には様々なものがあるが、ここでは例えば、特開2007−185357号公報に開示されている方式を用いる。
そして、布はがし行程の時間は、重量ランク「1」〜「3」は何れも100秒,重量ランク「4」〜「6」は何れも150秒,重量ランク「7」,「8」は何れも200秒に設定されている。また、布はがし行程の停止期間は、重量ランク「1」,「2」は何れも13秒,重量ランク「3」は15秒,重量ランク「4」,「5」は何れも18秒,重量ランク「6」は21秒,重量ランク「7」,「8」は何れも25秒に設定されている。
図12ないし図14は第5実施例を示す。第5実施例は、洗濯乾燥機が第4実施例のように重量検知処理を行うことに付随して行う、洗濯物の布質を判定した結果に応じて布はがし行程の実行時間及び/又は布はがし行程における停止期間の長さを設定する。したがって、布質判定についても特開2007−185357号公報に開示されている方式を用いる。
例えば、重量のランクが「1」の場合でトルク変動のランクが「3以上」の場合は、吸水性の大きい布質(例えば綿系)と判定し、トルク変動のランクが「1」の場合は吸水性の小さい布質(例えば化繊系)と判定する。また、トルク変動のランクが「2」の場合は吸水性が中間である布質(例えば化繊混紡系)と判定する。
また、事前に洗い行程が実行されることなく、運転が脱水行程から開始された場合には、洗濯物の重量や布質を判定する機会がなくそれらが不明となる。その場合には、重量ランクを最大の「8」に設定したり、或いは布質を綿系に設定することで、布はがし行程の時間や停止期間が最長となるように設定すれば、実際の重量や布質がどのような状態であったとしても、貼り付いた洗濯物を剥離させるための機会を十分に付与することができる。
図15は第6実施例を示す。例えば第1実施例の図2に示したタイミングチャートを布質が化繊系と判定された場合に対応させると、図15には、布質が綿系と判定された場合のタイミングチャートを示す。第6実施例では、布質判定については第5実施例と同様に行うが、図14に示す各時間の設定例とは独立したものを示す。図2の場合は布はがし行程の実行回数が「2」であり、図15の場合は布はがし行程の実行回数が「4」であり、トータルの実行時間は500秒となっている。この第6実施例の図15や図2のように、判定された布質の吸水率の多寡に応じて、脱水行程及び布はがし行程の実行形態を変化させる場合も、第5実施例と同様の効果が得られる。
第1実施例において、停止期間をより長くするように設定しても良い。
モータの回転数や、布はがし行程時間,回転期間や停止期間,行程の実行回数の設定等は、個別の設計に応じて適宜変更して実施すれば良い。
脱水行程及び布はがし行程を1回だけ行っても良い。
加熱撹拌行程は、必要に応じて行えば良い。
各実施例を、適宜組み合わせて実行しても良い。
ヒートポンプ式の洗濯乾燥機にも同様に適用できる。
Claims (8)
- 洗濯物が投入されるドラムと、このドラムを回転駆動するモータと、このモータの巻線に通電手段を介して通電を行うことで前記モータの回転を制御する制御手段とを備え、前記ドラムを高速で回転させる脱水行程が終了した後、撹拌行程に移行するまでの間に、前記ドラムの内周面に貼り付いた状態にある洗濯物を剥離させるための布はがし行程を行うドラム式洗濯乾燥機において、
前記制御手段は、前記布はがし行程において前記ドラムの回転が半周を超えた位置で前記モータのロータ位置を固定するように通電を行い、前記回転を停止させる動作を複数回繰り返すこと特徴とするドラム式洗濯乾燥機。 - 前記制御手段は、前記ドラムの回転を停止させる回転角度を270度とすることを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯乾燥機。
- 前記布はがし行程は、前記ドラムを回転させる回転期間と、前記ドラムを停止させる停止期間とからなり、
前記制御手段は、前記回転期間よりも前記停止期間の方が長くなるように制御することを特徴とする請求項1又は2記載のドラム式洗濯乾燥機。 - 前記制御手段は、前記脱水行程における前記ドラムの最高回転数が高くなるのに応じて、又は前記脱水行程の時間が長くなるのに応じて、前記布はがし行程の時間及び/又は前記布はがし行程における前記停止期間が長くなるように制御することを特徴とする請求項3記載のドラム式洗濯乾燥機。
- 前記脱水行程及び前記布はがし行程を複数回行う場合、
前記制御手段は、前記行程の実行回数が増加するのに応じて、前記布はがし行程の時間及び/又は前記布はがし行程における前記停止期間が次第に短くなるように制御することを特徴とする請求項3又は4記載のドラム式洗濯乾燥機。 - 前記ドラム内に投入された洗濯物の布質を判定する布質判定手段を備え、
前記制御手段は、前記布質判定手段により判定された布質が、綿系である場合に対して化繊系である場合は、前記布はがし行程の時間及び/又は前記布はがし行程における前記停止期間がより短くなるように制御することを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載のドラム式洗濯乾燥機。 - 前記ドラム内に投入された洗濯物の量を判定する布量判定手段を備え、
前記制御手段は、前記布量判定手段により判定された布量が多くなるのに応じて、前記布はがし行程の時間及び/又は前記布はがし行程における前記停止期間が長くなるように制御することを特徴とする請求項3から6の何れか一項に記載のドラム式洗濯乾燥機。 - 前記制御手段は、事前に洗い行程が実行されることなく、運転が脱水行程から開始された場合は、前記布はがし行程の時間及び/又は前記布はがし行程における前記停止期間がより長くなるように制御することを特徴とする請求項3から7の何れか一項に記載のドラム式洗濯乾燥機。
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