JP2007082653A5 - - Google Patents

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Description

洗濯機
本発明は略水平方向または略傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラム内で、洗い、すすぎ、脱水、を行う洗濯機、および洗濯機に乾燥機能を組み込んだ洗濯乾燥機に関するものである。
従来この種の洗濯機あるいは洗濯乾燥機は、回転ドラム内に洗濯物を投入し洗濯、すすぎ、脱水、乾燥等の行程を実施する際、衣類の量を検知したり、脱水時振動や騒音が過大にならないよう衣類の偏り状況を検知したり、乾燥状態が満足になされているか、を検知する各種の検知機能が付加されているのが一般的である(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
ドラム式洗濯機の従来例を図15に示す。図示するように洗濯機筐体57内にサスペンション構造によって支持された水受け槽53内に、周面に多数の透孔52が形成された回転ドラム51が配設され、回転ドラム51はモータ55によって回転駆動され、洗濯機筐体57の正面側に開閉自在に設けられた扉体54を開くことにより、水受け槽53の正面開口部及び回転ドラム51の正面開口部を通して洗濯物を回転ドラム51内から出し入れできるように構成されている。
前記扉体54を開いて回転ドラム51内に洗濯物を投入し、洗剤を投入して運転を開始すると、水受け槽53内に給水され、給水された水は透孔52を通じて回転ドラム51内にも所要量給水される。モータ55により回転ドラム51が所定回転速度で回転駆動されると、回転ドラム51内に収容された洗濯物は回転ドラム51の内周面に設けられた撹拌突起56に引っ掛けられて回転方向に持ち上げられ、適当な高さから落下することにより、洗濯物に叩き洗いの作用が加えられ洗濯がなされる。
この洗い行程の後、汚れた洗濯水は排水され、新たに給水された水を用いてすすぎ行程が実施され、すすぎ行程が終了すると回転ドラム51を高速回転させて脱水行程が実施される。これらの行程は所定の制御手順に基づいて自動実行される。
ドラム式洗濯機では、回転ドラム51が静止した状態では洗濯物は回転ドラム51の下方に偏っており、洗い行程及びすすぎ行程の後に回転ドラム51内から排水し、回転ドラム51を高速回転させて洗濯物から遠心力によって脱水する脱水動作を行うとき、洗濯物が一方に偏ったままにあると、回転ドラム51の重心がアンバランスな状態になって大きな振動が生じて正常な脱水動作が行えない場合がある。
上記従来のドラム式洗濯機においては、第1の回転速度で回転ドラム51を回転させる布ほぐし工程と、第1の回転速度から第2の回転速度に増加させる布バランス工程と、第3の回転速度で回転ドラム51を所定回数回転させる予備脱水工程と、予備脱水工程の後に第2の回転速度で駆動して洗濯物のバランスの状態を検知するバランス判定工程とを経た後に、脱水動作を実行するように制御されている。
洗濯乾燥機は、水分を含む衣類等を収容した回転ドラム51を回転させて衣類等を撹拌しながら回転ドラム内の空気を排気して熱交換装置(図示せず)により除湿した後、ヒータ(図示せず)によって加熱して再び衣類収容槽内に送風する空気循環を所定時間繰り返すことにより衣類等を乾燥させる。このような洗濯乾燥機において、衣類の乾燥度を検出すると共に動作異常を検出するために、温度検出の機能が設けられている。
例えば、回転ドラムから排気された空気の温度を検出する第1の温度センサと、ヒータによって加熱される直前の空気の温度を検出する第2の温度センサとを配設しておくと、第1の温度センサによる検出温度は乾燥が進行したときに急上昇し、第2の温度センサによる検出温度は乾燥が進行したときに緩やかに下降する傾向が検出されるので、第1及び第2の各温度センサによる検出温度の差を求め、温度変化率から乾燥終了検知を行うことができる。また、送風ファンの異常によりヒータに送風がなされない状態になったとき、第2の温度センサの検出温度が上昇するので、送風異常に伴う過熱を検知して運転を停止することができる。
特開平10−201985号公報 特開平2−309998号公報
しかしながら、このような従来の構成では、例えばアンバランス検知はある所定値に設定しているので、洗濯機を設置する環境(床の強度等)や使用条件(洗濯物の種類や質)によっては、脱水時に大きな振動・騒音が発生したり、また、脱水回転が正常に立ち上がらず、アンバランス修正動作を繰り返して行うという課題があった。
また、乾燥終了検知のための温度変化率の値はある所定値に設定されているので、使用環境、衣類等の種類や使用者の満足する仕上がりにならないという課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、簡単な操作をするだけで、洗濯機を設置する環境もしくは、使用条件にあった最適な洗濯運転(脱水運転)を行うことができるように、また使用環境、衣類等の種類や使用者の好みによって、衣類の乾燥の仕上がり具合を変更できるようにし、使用者にとって使い勝手の良い洗濯機、あるいは洗濯乾燥機を提供することを目的としている。
本発明は上記課題を解決する為に、一連の洗濯行程を制御する制御手段と、洗濯行程の運転内容を設定する専用の入力設定手段(調整スイッチ機能)を備え、前記制御手段は、前記専用の入力設定手段により、通常操作状態とは異なる、洗濯運転の運転内容を設定できる操作状態にするようにしたものである。
また、衣類を乾燥する機能を有する洗濯乾燥機において、乾燥行程を制御する制御手段と、乾燥行程の運転内容を設定する専用の入力手段(調整スイッチ機能)を備え、前記専用の入力設定手段により、通常動作とは異なる、乾燥行程の運転内容を設定できる操作状態にするようにしたものである。
本発明の洗濯機、および洗濯乾燥機は、洗濯機を設置する環境もしくは、使用条件にあった、脱水運転時の洗濯物のアンバランス状態を検知する検知条件や、乾燥運転時の洗濯物の乾燥検知条件をきわめて容易に設定できるようにすることで、どのような条件でも最適な洗濯もしくは乾燥運転を行うことができる。
第1の発明は、衣類を洗濯する機能を有する洗濯機において、一連の洗濯行程を制御する制御手段と、洗濯行程の運転内容を設定する専用の入力設定手段(調整スイッチ機能)を備え、前記制御手段は、前記専用の入力設定手段により、通常操作状態とは異なる、洗濯行程の運転内容を設定できる操作状態にするようにしたことにより、複雑な操作をすることなく確実に設定が可能となり、洗濯機の設置条件や環境、使用条件にあった最適運転
を可能にする。
第2の発明は、特に第1の発明において、洗濯行程の運転内容の設定を記憶する記憶手段と、運転コース等を設定する通常操作用の入力設定手段を備え、制御手段は、専用の入力設定手段により通常操作とは異なる、洗濯運転の運転内容を設定できる操作状態にした時、前記専用の入力設定手段もしくは前記通常操作用の入力設定手段により設定された洗濯運転の運転内容を、前記記憶手段により記憶するようにしたことにより一度設定等の変更修正をすれば、以降は操作の必要が無くなる。
第3の発明は、制御手段は、記憶手段に記憶されている洗濯行程の運転内容により、運転を行うようにしたことにより、簡単に運転操作ができる。
第4の発明は、略水平方向又は水平方向から傾斜した方向に回転軸を有する回転ドラムと、洗濯機本体内に弾性支持された前記回転ドラムを内包する水受け槽と、回転ドラムを回転駆動するモータと、前記ドラムもしくは前記モータの回転状態を検知する回転検知手段と、脱水運転中に、前記回転検知手段により検知する回転状態により前記ドラム内の衣類が偏りアンバランス状態であると検知するアンバランス検知手段と、前記モータの駆動を制御するとともに、一連の制御手段を制御する制御手段と、運転コース等を設定する入力設定手段を備え、制御手段は、専用の入力設定手段により通常動作とは異なる、洗濯運転の運転内容を設定できる操作状態にした時、前記専用の入力設定手段もしくは通常操作用の入力手段により、前記アンバランス検知手段により検知するアンバランスの状態を変えるようにした。これにより、複雑な操作をすることなく簡単に検知条件等の修正設定ができ、脱水時の振動を低減するとともにアンバランスの修正動作を繰り返し行うということを解消できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。従来例と同じ構成のものは同一符号を付して詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の縦断面図、図2は、同ドラム式洗濯機の制御装置の一部ブロック化した回路図である。
図1に示すように、回転ドラム1は、有底円筒形に形成し外周部に多数の通水孔2を全面に設け、水受け槽3内に回転自在に配設している。回転ドラム1の回転中心に略傾斜方向に回転軸(回転中心軸)4を設け、回転ドラム1の軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設している。この回転軸4に、水受け槽3の背面に取り付けたモータ5を連結し、回転ドラム1を正転、逆転方向に回転駆動する。回転ドラム1の内壁面に衣類撹拌用の数個の突起板6を設けている。
水受け槽3の正面側の上向き傾斜面に設けた開口部を蓋体7により開閉自在に覆い、この蓋体7を開くことにより衣類出入口8を通して回転ドラム1内に洗濯物を出し入れできるようにしている。蓋体7を上向き傾斜面に設けているため、洗濯物を出し入れする際、腰を屈めることなく行うことができる。
水受け槽3は洗濯機本体9よりばね体(図示せず)で揺動可能に吊り下げており、水受け槽3の下部に排水経路10の一端を接続し、排水経路10の他端を排水弁(排水手段)11に接続して水受け槽3内の洗濯水を排水するようにしている。給水弁(給水手段)12は給水経路13を通して水受け槽3内に水を給水するものである。
なお、本実施の形態では、回転ドラム1の回転中心に略傾斜方向に回転軸4を設け、回転ドラム1の軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設しているが、回転ドラム1の回転中心に略水平方向に回転軸4を設け、回転ドラム1の軸心方向を略水平方向に配設してもよい。
制御装置14は、図2に示すように回路構成しており、モータ5、排水弁11、給水弁12などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制御するマイクロコンピュータからなる制御手段15を有している。制御手段15は、運転コース等を設定するための入力設定手段16からの情報を入力して、その情報を基に表示手段17で表示して使用者に知らせるとともに、入力設定手段16により運転開始が設定されると、スイッチング手段駆動回路19を介してスイッチング手段20を制御し、排水弁11、給水弁12などの動作を制御し、洗濯運転を行う。
このとき、制御手段15は、モータ5のロータ(回転子)の位置を検出する位置検出手段21からの情報に基づいて、インバータ駆動回路22を介してインバータ23を制御することによりモータ5の回転制御を行う。モータ5は直流ブラシレスモータで構成され、図示していないが、3相巻線を有するステータ(固定鉄心)と、リング上に2極の永久磁石を配設しているロータ(回転子)とで構成し、前記ステータ(固定鉄心)は3相巻線を構成する第1の巻線5a、第2の巻線5b、第3の巻線5cをスロットに設けた鉄心に巻き付けて構成している。
インバータ23は、パワートランジスタ(IGBT)と逆導通ダイオードの並列回路からなるスイッチング素子で構成している。第1のスイッチング素子23aと第2のスイッチング素子23bの直列回路と、第3のスイッチング素子23cと第4のスイッチング素子23dの直列回路と、第5のスイッチング素子23eと第6のスイッチング素子23fの直列回路で構成し、各スイッチング素子の直列回路は並列接続している。
ここで、スイッチング素子の直列回路の両端は入力端子で、直流電源を接続し、スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチング素子の接続点に、それぞれ出力端子を接続している。出力端子は、3相巻線のU端子、V端子、W端子に接続し、スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチング素子のオン・オフの組合せにより、U端子、V端子、W端子をそれぞれ正電圧、零電圧、解放の3状態にする。
スイッチング素子のオン・オフは、ホールICからなる3つの位置検出手段21a、21b、21cからの情報に基づいて制御手段15により制御される。位置検出手段21a、21b、21cは電気角で120度の間隔でロータ(回転子)が有する永久磁石に対向するように、ステータ(固定鉄心)に配設されている。
ロータ(回転子)が1回転する間に、3つの位置検出手段21a、21b、21cは、それぞれ電気角で120度の間隔でパルスを出力する。制御手段15は、3つの位置検出手段21a、21b、21cのいずれかの信号の状態が変わったときを検知し、位置検出手段21a、21b、21cの信号を基に、スイッチング素子23a〜23fのオン・オフ状態を変えていくことで、U端子、V端子、W端子を正電圧、零電圧、解放の3状態にし、ステータの第1の巻線5a、第2の巻線5b、第3の巻線5cに通電して磁界を作り、ロータ(回転子)を回転させるよう構成している。
また、スイッチング素子23a、23c、23eはそれぞれパルス幅変調(PWM)制御され、例えば、繰り返し周波数10kHzでハイ、ローの通電比を制御することで、ロータの回転速度を制御するようにしてあり、制御手段14は、3つの位置検出手段21a、21b、21cのいずれかの信号の状態が変わるたびにその周期を検出し、その周期よ
りロータの回転速度を算出して、設定回転速度になるようにスイッチング素子23a、23c、23eをPWM制御する。
電流検知手段24は、インバータ23の一方の入力端子に接続した抵抗25と、この抵抗25に接続した電流検知回路26とで構成し、インバータ23の入力電流、すなわちモータ5の電流を検知して電圧信号に変換し、その電圧信号を制御手段15に入力している。また、制御手段15は、入力した連続して変化するアナログデータの電圧信号をA/D変換してデジタルデータとして演算処理し、モータ5を制御するようにしている。
モータ5が直流ブラシレスモータの場合は、トルクは入力電流にほぼ比例するので、抵抗25に接続した電流検知回路26により、インバータ23の入力電流値を検知することで、モータ5のトルクを検知することができる。
商用電源27は、ダイオードブリッジ28、チョークコイル29、平滑用コンデンサ30からなる直流電源変換装置を介して、インバータ23に接続している。ただし、これは一例であり、直流ブラシレスモータ5の構成、インバータ23の構成等は、これに限定されるものではない。
図3は、第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の操作表示部を表す図である。
入力設定手段16は、図3に示すように、洗い時間を設定する洗い時間設定スイッチ16a、すすぎ回数を設定するすすぎ回数設定スイッチ16b、脱水時間を設定する脱水時間設定スイッチ16c、乾燥コースを設定する乾燥コース設定スイッチ16d、コース設定スイッチ16e、スタート・一時停止スイッチ16f、電源入りスイッチ16g、電源切りスイッチ16h、調整スイッチ16i、などを有している。
表示手段17は、洗い時間表示部17a、すすぎ回数表示部17b、脱水時間表示部17c、乾燥コース表示部17d、コース設定表示部17e、洗剤量表示部17f、残り時間表示部17g、数字表示部17h、調整設定表示部17iなどを有している。
記憶手段31は、電源を供給しなくても記憶内容が消滅しない不揮発性メモリ等からなり、運転設定内容や、運転回数等を記憶することができる。
位置検出手段(回転検知手段)21は、モータ5のロータの位置を検出するとともに、ロータの回転によって、回転ドラム1が1回転する間に3個のパルスを出力(本実施の形態の形態では、回転ドラム1の回転速度とモータ5の回転速度が同じであるので、モータ5が1回転する間にも3個のパルスを出力する)し、この出力パルスによりモータ5の回転を検知することができる、回転ドラム1またはモータ5の回転状態を検知する回転検知手段として機能することができる。
制御手段15は、入力設定手段16の設定状態(例えば、洗い時間設定スイッチ16aをオンした状態で電源入りスイッチ16gをオンする)に応じて、修理検査用の特殊運転モードや、工場検査用の特殊運転モードに設定される。あるいは調整スイッチ16iを操作し脱水運転時の衣類のアンバランス検知レベル等を変更する調整モードに設定される。
修理検査用の特殊運転モードとは、モータ5、給水弁12、排水弁11などの、アクチュエータを強制的に駆動させて、正常に動作することを確認するための運転モードであり調整モードとは、調整機能の設定により出荷後に、経年変化や量産バラツキを考慮にいれて通常時の運転状態を調整(例えば、後記するアンバランス状態の検知レベル等)する機能である。
図4は、第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の動作行程図である。
制御手段15は、図4に示すように、洗い、すすぎ、脱水行程を順次行い、洗濯機としての動作を制御する。
洗い行程は、まず、給水工程を行う。制御手段15によりスイッチング手段20を介して給水弁12を駆動し、給水部32に接続された給水ホース33から水道水を水受け槽3内に給水する。この時、給水ホース33から供給される水道水は給水部32に投入されている洗剤を混入されながら水受け槽3内に給水される。
給水工程終了後、洗い工程を開始する。制御手段15はモータ5を駆動して回転ドラム1を正逆反転させる。すなわち、回転ドラム1は所定回転速度で正方向に所定時間回転駆動させた後、所定時間回転駆動を停止させ、次に、逆方向に所定時間駆動された後、所定時間回転駆動が停止される制御動作を1サイクルとして所要時間繰り返す第1撹拌制御動作が実施される。前記所定回転速度は、回転ドラム1の内周面に複数位置に設けられた撹拌突起6によって引っ掛けられた洗濯物が回転ドラム1の回転により回転方向に持ち上げられ、遠心力より自重が勝る高さ位置から落下する挙動を示す回転速度である。持ち上げられた洗濯物が落下することにより洗濯物には叩き洗いの作用が及び、これが繰り返されることにより洗剤を含む水を吸水している洗濯物から汚れを落とす洗浄作用がなされる。
上記のようにして洗い工程が終了すると、すすぎ行程が実行される。すすぎ行程においては、制御手段15は排水弁11を駆動し、水受け槽3内の汚れた洗濯水を排水管路10を通じて外部に排出する排水工程を実行し、更に、制御手段15はモータ5を高速回転させて洗濯物に含まれた洗濯水を脱水させる脱水工程を行う。
所定時間の脱水工程が実施された後、回転ドラム1の回転を制動するブレーキ工程が実行され、その後、排水弁11を閉じ、給水弁12を開いて水受け槽3内に新しい水道水を給水するすすぎ工程が開始される。すすぎ工程においても、回転ドラム1は正逆方向に反転される撹拌動作がなされ、すすぎ洗いが実施される。
洗い行程および、すすぎ行程の後、脱水行程が実施される。すすぎ行程時と、脱水行程時の、脱水動作は、水受け槽内3の洗濯水を排水後に回転ドラム1を高速回転させて洗濯物から水分を遠心分離する脱水動作として実施される。
各行程での脱水動作を確実に行わせるためには、洗濯物を回転ドラム1内の内周壁に均等に張り付けた状態にして、洗濯物に含まれた水が遠心力によって透孔2から水受け槽3内に抜け出るようにする必要がある。洗濯物が回転ドラム1内で偏った状態にあると脱水が円滑になされないばかりでなく、重心位置の偏りにより回転ドラム1内に振動が発生するので、脱水立ち上げ動作が実行される。
図5は、第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の脱水行程タイムチャート、図6は、同ドラム式洗濯機の回転速度変動によるアンバランス状態を示す図である。
以下、脱水工程における脱水動作を図5および図6を用いて説明する。
図5に示すように、回転ドラム1の回転速度を1000r/minに立ち上げるとき、時間t1〜t2の間で回転ドラム1の回転速度が100r/minになるように、インバータ23を構成するスイッチング素子の制御量を制御して運転し、このときの回転ドラム1の回転速度変動により、回転ドラム1内の洗濯物の偏り(アンバランス状態)を検知す
る。回転ドラム1を100r/minに制御した時の、回転速度の変動は、回転ドラム1内の洗濯物の偏り状態に応じて、図6に示すような挙動になる。
回転ドラム1内の洗濯物が内周壁にバランス良く張り付いている場合(アンバランス小状態)は、図6(a)に示すように、回転速度変動が小さく(例えば、5r/min以下)、一方、回転ドラム1内の洗濯物が内周壁に均等に張り付いていない場合(アンバランス大状態)は、図6(b)に示すように、回転速度変動が大きく(例えば、15r/min)なる。
前記したように、回転ドラム1内の洗濯物のアンバランスが小さい状態では、脱水立ち上げ時、もしくは、立ち上げた後の振動は小さくなるが、アンバランス大状態では、振動・騒音が大きくなる。そこで、この期間の回転速度変動により回転ドラム1内の洗濯物が内周壁に均等に張り付いているか否かを検知(例えば、回転速度変動10r/min以上ならアンバランス)し、以降脱水の高速回転に移行するか否かを判定する。
アンバランス大状態であると判定した場合は、脱水動作を中断して、洗濯物のアンバランス状態を修正する。修正方法としては、脱水動作中断後、モータ5を駆動することにより回転ドラム1を左右に反転させ(約40r/minで約30秒程度正反転、詳細省略)偏りのほぐし動作にて、洗濯物の張り付け状態を変え、再度脱水回転の立ち上げ動作を最初から行い、回転ドラム1内の洗濯物を内周壁に均等に張り付くようにする。
回転ドラム1内の洗濯物が、内周壁に均等に張り付いているかを、回転速度変動で判定するが、この検知レベル(例えば、10r/min)をどのように設定するかで、脱水運転時(回転ドラム1を1000r/minに立ち上げる間と、立ち上がった後)の振動・騒音が決定される。一方で、振動・騒音は、製品固有の構造と、回転ドラム1内の洗濯物のバランス状態以外に、製品を設置する床の強度や材質等にも大きく影響を受ける。製品を設置する環境で、回転ドラム1内の洗濯物のバランス状態が同一でも、振動・騒音の大きさは変化する。
また、回転ドラム1内に洗濯物をいかに均等に内周壁に張り付けるかは、脱水立ち上げ時の立ち上げ速度等と、回転ドラム1を反転させることによる布ほぐし動作により決まるが、洗濯物の量や布質等によっても大きく左右されるものであり、必ずしも全ての条件で、洗濯物を回転ドラム1の内周壁に均一に張り付けられるわけではない。
そこで、多少振動が発生しても、脱水動作を行わせないと、洗濯物の条件によっては脱水運転を行うことができなくなり、洗濯機としての基本機能が損なわれてしまう。そこで、できる限り洗濯物を均等に張り付ける動作を繰り返し行うが、最終的にはあるレベルで立ち上げざるを得ないため、検知レベルをどのように設定するのは非常に難しいという課題がある。
検知レベルを下げる(例えば、8r/minに設定)と、修正動作を繰り返しが多くなり、脱水時間が長くなり、一方、検知レベルを上げる(例えば、10r/minに設定)と、洗濯物が多少アンバランスになっていても脱水を立ち上げることになるので、振動や騒音が大きくなる。
この課題を解消する方法として、次に上げる2点が考えられる。
1点目は、洗濯機の設置環境によって、脱水時の振動の大きさは変わるので、それに応じて、アンバランス状態を判定する回転速度変動の検知レベルを設定できるようにする(修理検査用の特殊運転モードで設定して、以降その検知レベルで脱水運転を行うようにす
る)。床面の強度の影響等から、脱水運転時の振動が、大きくなる可能性のある条件では、検知レベルを例えば8r/minに下げて、回転ドラム1内の洗濯物がより均等に張り付いた時のみ、脱水運転(立ち上げ動作)を行うようにする。これにより、脱水時の振動を低減させることができ、洗濯機の設置環境に応じた、脱水運転を行うことができる。
この操作は、やや専門的となる為、修理サービス要員が操作する事となり、使用者が一般的な方法としては推奨できない。
2点目は、使用者の使用条件または、使用者の振動や騒音に対する許容レベルに応じて、使用者が容易に操作して、振動のレベルを設定するようにする。前記したように、洗濯物の量や布質によっては、回転ドラム1の内周壁に衣類がなかなか均等に張り付かず、そのため、修正動作を何回も繰り返し、なかなか脱水動作まで至らない場合がある。そのため、使用者によっては、ある程度の振動を犠牲にしても、脱水動作を早く行いたいという要望もあるのも事実である。また、逆の要望として、何回修正動作をしても、振動は小さくしたいという要望もある。そこで、使用者の要望に応じて、アンバランス状態を判定する回転変動の検知レベルを修正設定するようにする。振動を犠牲にしても、修正回数を少なく早く脱水動作を修正させたい場合は、検知レベルを例えば12r/minのように大きくし、振動を重視する場合は、検知レベルを例えば8r/minのように小さくし、洗濯物が均等に張り付くまで修正動作を行い、脱水時の振動を低減させるようにする。
ただし、設置環境や、使用者の使用条件を予め想定して、その範囲内でのみ、検知レベルを変更できるようにし、検知レベルをたとえ変更した場合でも、脱水時の振動が非常に大きくなり使用者が危険を感じるような場合や、また、脱水運転がまったく進まない等の洗濯機としての基本機能を損ねるようなことにはならないよう修正の限度は設定する。
また、時間t3〜t4の間で回転ドラム1の回転速度が200r/minになるように運転した時も同様に、回転速度変動により、回転ドラム1内の洗濯物の内周壁への張り付け状態を検知できる。回転速度を上昇する段階で、回転ドラム1内の洗濯物の状態が変化している場合等考えられるので、2段階で検知したほうが、より脱水時の振動・騒音を防止することができる。この時の検知レベルは、回転速度100r/minでの検知時に設定した検知レベルに応じて設定するようにする。すなわち、脱水を高い確率で立ち上げ立ち場合は、100r/minの検知と200r/minの検知の検知レベルを連動して、立ち上がるような検知レベルに変える必要があり、また、脱水振動を極力抑えたい場合は、それぞれの検知レベルを立ち上がらないように変える必要があるからである。この実施の形態では、2つの検知レベルを連動して変更するように記したが、例えば、回転ドラム1内の洗濯物の状態を別のセンサ(例えば、半導体素子からなり、加速度から振動状態を検知するセンサや、モータ電流により検知する等)等で検知した場合でも、複数個からなる検知手段を連動して変えるようにして、脱水運転状態を外部から設定できるようにすることができる。
図7は、第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の設定フローチャート、図8は、同洗濯機の表示手段によるアンバランス検知設定表示図であり、図8(a)は、アンバランス検知設定の工場出荷時の表示を示し、(b)は、アンバランス検知設定の検知大を示し、(c)は、アンバランス検知設定の検知小を示す。
前記構成において図7、図8を参照しながら動作を説明する。図7のステップ60にて動作を開始し、ステップ61にて電源スイッチ16gをオンし、このときステップ62にて洗いスイッチ(洗い時間設定スイッチ)16aがオンされていない場合、ステップ63の通常洗濯運転表示切換に進む。次に使用者が調整スイッチ16iを操作すればステップ68の調整設定モードが設定される。この状態でさらにステップ69のすすぎスイッチ(
すすぎ回数設定スイッチ)16bによりアンバランス検知のレベルを切り替える設定をする。このとき、調整モードにあることを判りやすくする為、表示手段17の調整設定表示部17iを点灯させている。
設定レベルとしては、例えば3ランク変更できるようにし、工場生産時の初期状態の設定(a)(例えば、検知レベルを10r/min)と、検知レベルを大きくする設定(b)(例えば、検知レベルを12r/min)と、検知レベルを小さくする設定(c)(例えば、検知レベルを8r/min)とにする。
この時の設定状態を、表示手段17の数字表示部17hにより、図8(a)、(b)、(c)に示すように表示し、設定状態を区別できるようにする。また、設定の終了後ステップ71のスタートスイッチ(スタート・一時停止スイッチ)16gを押すことにより、ステップ70で設定した内容を、記憶手段31に記憶し、次に洗濯運転を行う時、この設定に基づいて動作する。ステップ71で、スタートスイッチ16gを押されたか判定し、押された場合は、ステップ72で、設定した内容を記憶手段31により記憶する。
また、ステップ62で洗いスイッチ(洗い時間設定スイッチ)16aがオンされている場合はステップ67の検査修理用のモードに設定される。
修理検査用の運転モードは、モータ5、給水弁12、排水弁11などの、アクチュエータを強制的に駆動させて、正常に動作することを確認するための運転モードが代表的な設定モードである。
また、ステップ64で調整スイッチ16iがオンされていない場合は、ステップ65およびステップ66に進み通常の洗濯運転の開始を行う。ステップ73にて洗い、すすぎ、脱水等の一連の行程を順次行い、ステップ74にて脱水行程に移行する順番である、と判定したならステップ75にて脱水運転を開始する。
記述した図5の脱水行程タイムチャートに示すように、回転ドラム1の回転速度を1000r/minになるように立ち上げ動作を行う。
そして、ステップ77で、前記したように、脱水立ち上げ時、時間t1〜t2と時間t3〜t4の間で回転ドラム内の洗濯物が内周壁にバランス良く張り付いているかを判定するアンバランス状態検知を行う。回転ドラム1を100r/minと200r/minに制御した時の、それぞれ回転速度の変動を検知値して回転ドラム1内に洗濯物が均等に張り付いているか判定する。調整設定モードの運転モードで設定した、検知レベル(3段階に検知レベルを設定できると前記した)と比較して判定する。
1段階目の検知として、回転ドラム1が100r/minの時に検知を行い、回転速度の変動が、検知レベルより小さい場合は、均等に張り付いているとして200r/minまで立ち上げる。次に、2段階目の検知として、200r/minに同様な検知を行う。この検知でも、回転速度の変動が検知レベルより小さいと判定された場合は、脱水の回転速度が1000r/minになるまで立ち上げる。この時、100r/minと200r/minの検知レベルは、調整設定の運転モードで設定された状態であり、前記したように、多少振動を犠牲にしても、脱水を立ち上げたい場合は、2つの検知レベルを連動して大きな値にして、また、振動重視で、脱水時の振動を小さくしたい場合は、2つの検知レベルを連動して小さくする。
ステップ77で、アンバランス状態と検知しなかった場合は、脱水回転速度を高速状態にするために、ステップ78に進み1000r/minになるよう制御する。一方、ステ
ップ77で、アンバランス状態であると検知した場合は、脱水運転を中止して、ステップ79に進む。ステップ79からは、回転ドラム1内の洗濯物のアンバランス状態を修正するための動作である。
ステップ79では、この脱水動作で、何回目のアンバランス修正動作であるかをカウントするアンバランス状態CTをカウントアップする。そして、ステップ80で、そのアンバランス修正回数が所定回数(例えば6回)以上であるか判定し、その回数以上の場合は、もはや、アンバランス状態を修正するのは不可能として、ステップ81で、表示手段17等により異常状態を表示する。所定回数未満の場合は、ここでは、図示していないが、回転ドラム1を反転動作することにより、回転ドラム1内の洗濯物の状態を変える動作を行い、再びステップ75に戻り、脱水動作の最初から行う。
このように、洗濯機の設定状態や、使用者の要望に応じて、アンバランス状態を判定する回転変動の検知レベル等を、工場からの出荷後、使用者等により変更することができ、しかも、この変更は、複数の検知レベルからなる検知の場合、検知レベルを連動して設定することができるので、簡単な操作で、その製品の動作状態を設定することができる。また、それぞれの検知を個別に設定するのでは、その製品にとっての製品挙動がどのようになるかは、なかなか判断しにくいが、振動大でもより多く脱水を立ち上げる、通常運転、振動を重視して脱水はなかなか立ち上げない等のレベル設定を可能にすることで、より使用者の満足する洗濯機として運転することが可能になる。
なお、本実施の形態1では、脱水時のアンバランス状態の検知について記したが、各種センサ機能(例えば、洗濯物の量を量る重量センサ等)についても、同様な設定方法で、検知レベル等を変更することができ、同様な効果がある。
以上のように、本実施の形態において、制御手段15は、専用の入力設定手段16に構成した調整スイッチ機能にて操作することにより設定された設定状態により、複数個からなるアンバランス検知手段が検知する回転ドラム内のアンバランスの状態を、連動して変えるようにしたことで、予め想定した洗濯機を設置する環境もしくは、使用条件の範囲ではあるが、簡単操作で、脱水運転時の振動状態を調整することができる。また、使用者の要望に応じた、脱水運転を実現することができる。
また、制御手段15は、調整設定モードにより設定された設定状態をスタートスイッチを操作して運転開始すれば、記憶手段31に記憶し、一旦記憶手段31により設定状態を記憶した後は、洗濯動作を記憶手段31により記憶された設定状態により動作するようにしたことにより、一端使用者等により運転状態の設定すると、設定以降は、必ず設定された条件で洗濯運転を行うようになるので、運転の都度設定するような手間を省くことができ、操作性を向上することができる。
また、調整設定変更の作業は、調整設定モードにて設定できる為、従来修理サービス員が行わねばならないような、やや高度な操作も必要なく、誤って別の運転状態に設定してしまうことを防止することができる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の第2の形態の洗濯乾燥機の縦断面図、図10は、同洗濯乾燥機の要部断面図である。
図9において、洗濯機筐体102内には水槽3が斜め傾斜した状態に支持され、水槽103内には有底円筒形に形成された回転ドラム104が回転自在に支持されている。回転ドラム104は水槽103の背面に取り付けられたドラム駆動モータ(図示せず)によっ
て回転速度可変及び回転方向切換可能に回転駆動される。
洗濯機筐体102内には、水槽103内に水を給水するための給水弁(図示せず)や、水槽103内の水を外部に排水するための排水弁108などが配設され、更に、回転ドラム104内に収容した衣類を乾燥する乾燥行程が実施できるように、排気口109から排気した水槽103内の空気を除湿管路110、糸屑回収フィルタ111、送風管路112、加熱管路113を通して送風口114から再び水槽103内に送風する乾燥用空気循環経路が構成されている。
除湿管路110は水槽103の側周面に隣接して形成されており、水槽103の側周面に開口する排気口109によって水槽103内に連通している。除湿管路110内には注水ノズル(冷媒供給手段)115と、注水ノズル115から散水される水が流れる熱交換器116を備えた除湿手段117が配設され、排気口109から排気された水槽103内の空気は熱交換器116により冷却されることによって除湿される。この除湿管路110は洗濯機筐体102の正面側で送風管路112に連結され、送風管路112の入口には空気中に含まれる糸屑等のリントを濾過する糸屑回収フィルタ111が配設されている。送風管路112は水槽103の背面側に配設された加熱管路113に空気を案内するための管路で、水槽103の側周面に除湿管路110と共に隣接配置されている。
送風管路112は水槽103の背面側に形成された加熱管路113に連結され、連結部位に配設された送風ファン(送風手段)118により乾燥用空気循環経路に一方通行の空気の流れが形成される。加熱管路の構成は、図10に示すように、送風管路は水槽103の背面側にドラム駆動モータ105を囲むように略円弧状に形成された加熱管路113に連結され、連結部位に配設された送風ファン(送風手段)118により乾燥用空気循環経路に一方通行の空気の流れが形成される。
加熱管路113内にはヒータ(加熱手段)119が配設され、送風管路112から流れてきた空気を加熱して水槽103内に通じる送風口114から加熱乾燥した温風として水槽103内に送給する。また、加熱管路113には、送風管路112から送風されてきた空気の温度を検出する送風空気温度センサ(送風空気温度検出手段)120と、ヒータ119によって加熱されて送風口114から送風される温風の温度を検出する温風温度センサ121とが配設され、ヒータ119の異常過熱状態を検出してヒータ119への通電を遮断する温度ヒューズ122や、送風口114から逆流した水や泡が送風ファン118側に流入する溢水水位を検出する溢水水位センサ123が配設されている。
また、水槽103の底部には、除湿に用いた水の温度を検出する冷却水温度センサ(冷媒温度検出手段)142が設けられている。
図11は、本発明の実施の形態2の洗濯乾燥機の制御装置の構成を示すブロック図である。
上記構成になるドラム式の洗濯乾燥機は、図11に示すように構成された制御装置124による制御動作により洗濯行程、すすぎ行程、脱水行程を実行すると共に、乾燥行程が実行される。
図11において、制御装置124は、モータ105、排水弁108、給水弁107、除湿手段に注水するための注水弁125、ヒータ119、送風ファン118などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御するマイクロコンピュータからなる制御手段126を有している。制御手段126は、運転コース等を設定するための入力設定手段127からの情報を入力して、その情報を基に表示手段128で表示して使用
者に知らせるとともに、入力設定手段127により運転開始が設定されると、スイッチング手段駆動回路129を介してスイッチング手段130を制御し、モータ105、排水弁108、給水弁107、注水弁125、ヒータ119、送風ファン118などの動作を制御し、洗濯運転並びに乾燥運転を行う。
さらに制御装置124は、送風空気温度センサ120及び冷却水温度センサ142の検知出力を制御手段126に入力し、温度状態を検出する温度検知手段回路150を有している。
入力設定手段127は、実施の形態1のドラム式洗濯機にて説明した図3に示すものと同一であり同一機能の説明は省略するが、乾燥時間を設定する乾燥コース設定スイッチ16d、乾燥コース表示部17d、さらに調整スイッチ16i、調整設定表示部17i等で構成されている。
上記構成になるドラム式洗濯乾燥機は、洗濯行程、すすぎ行程、脱水行程の終了後、引き続いて脱水された衣類を乾燥させるために乾燥行程を実行することも、濡れた衣服等を乾かすために乾燥行程だけを実行することも任意に選択実施することができる。入力設定手段127から乾燥行程の実施が選択入力された場合には、制御手段126は回転ドラム104を回転駆動し、送風ファン118及びヒータ119をON動作させると共に、注水弁125を開く制御指令をスイッチング手段駆動回路129を介してスイッチング手段130に出力するので、送風ファン118が回転駆動されて乾燥用空気循環経路に水槽103内の空気を循環させる乾燥動作が実施される。
図9に白抜き矢印で空気の流れを示すように、送風ファン118の回転により回転ドラム104内の空気は周面に形成された透孔104aから水槽103内に出て排気口109から除湿管路110内に排気される。除湿管路110内に配設された熱交換器116には、注水弁125が開かれることにより給水された水が注水ノズル115から注水されて冷却されているので、除湿管路110内に排気された湿気を含む空気は熱交換器116で冷却されることにより空気中に含まれる水蒸気が凝結し、水となって除去されるので排気された空気中の湿気は除湿される。除湿管路110で除湿された空気は糸屑回収フィルタ111を通過して送風管路112を通って水槽103の後方に導かれ、水槽103の背面に設けられた加熱管路113に流れ、ヒータ119によって加熱されて送風口114から水槽103内に送風される。水槽103内に送風された空気は回転ドラム104の底面に形成された通気孔104bや透孔104aから回転ドラム104内に流入するので、除湿加熱された空気により衣類から湿気が奪い取られ、回転ドラム104の回転による撹拌により全ての衣類の乾燥が促進され、この空気循環が所定時間繰り返されることにより衣類の乾燥がなされる。
回転ドラム104の底面(背面)には、水槽103に形成された送風口114に対応する円周上に複数の通気孔104bが形成されており、送風口114から水槽103内に送風される温風の多くは通気孔104bから回転ドラム104内に送給される。送風口114は回転ドラム104の中心より下方に形成されているので、温風は通気孔104bを経て回転ドラム104の下方寄りから送風されて上昇するので、回転ドラム104内で撹拌される衣類に広範囲に触れて効率よく衣類から水分を奪うことができる。
上記乾燥工程は設定された所要時間にわたって実行されるが、過度の乾燥は衣類などにあっては好ましくなく、電力消費の無駄にもなるので、乾燥度を検知して所定の乾燥度が検知されたとき、ヒータ120による加熱を停止して送風だけの空冷工程に移行させる制御がなされる。以下、乾燥度の検知制御について説明する。
乾燥度の検知は、加熱管路113内に配設された送風空気温度センサ120により検出される送風空気温度と、除湿管路110内に配設された熱交換器116に注水された冷却水が熱交換器116を冷却した後、図9に破線で示すように、排水される冷却水の温度を水槽103の底部に設けた冷却水温度センサ142で検出した冷却水温度とを用いてなされる。
図12は、本発明の実施の形態2の洗濯乾燥機の乾燥終了の検知を説明する温度グラフである。図13は同洗濯乾燥機の表示手段による乾燥度表示図であり、(a)は同洗濯乾燥機の工場出荷時の乾燥度をしめし、(b)は衣類をより乾燥させたい場合の乾燥度をしめし、(c)は衣類を生乾きさせたい場合の乾燥度をしめすものであり、いずれも数値表示部17hを使用して表示する。
図12に示すように、乾燥工程の開始とともに送風空気温度A及び冷却水温度Wを所定時間間隔(例えば、2分毎)で検出すると、予熱乾燥期においては共に温度上昇し、それを過ぎると温度変化が少ない恒率乾燥期に移行し、乾燥が進行した減率乾燥期に至って送風空気温度Aは再び温度上昇し、冷却水温度は下降する傾向を示す。この温度変化の送風空気温度Aと冷却水温度Wとの温度差(A−W)を見ると、図12に破線で示すようになる。
そこで、冷却水温度Wの所定時間(例えば、10分間)での変化量を検出すると、乾燥工程を開始した予熱乾燥期では変化量が大きく、恒率乾燥期に至ると変化量が小さくなるので、予熱乾燥期から恒率乾燥期に移行した付近、すなわち、冷却水温度変化量ΔWが第1の所定値温度T1以下になったときの送風空気温度Aと冷却水温度Wとの温度差(A−W)を基準値温度(基準値)T2とする。その後、送風空気温度Aと冷却水温度Wとの温度差(A−W)が前記基準値温度T2に対して第2の所定値温度(判定値または所定値)Ts(T3−T2)以上になる状態を検出すると、乾燥が終了したものと判断する。この第2の所定値温度Tsは、あらかじめ実験にて確認しておいた適度な乾燥度を得ることができる温度である。そこで、この状態が検出されたとき、所要の乾燥度が得られた状態となっていることとなるので乾燥工程を終了し、ヒータ119への通電を遮断して送風だけを継続する空冷工程に移行させる。
上述したように第2の所定値温度Tsは、予め実験において確認していた適度な乾燥度が得られる状態である。しかしながら、ドラム式洗濯乾燥機1の使用環境、乾燥する衣類の種類などにより、乾燥度の仕上がりも異なるものであり、また、使用者の好みにより、適度な乾燥度に満足できない場合等がある。使用者の好みには、乾燥度をさらに進めて、より衣類を乾燥させたい場合や、生乾き状態で乾燥を終了させて太陽光等で衣類を乾かした場合、衣類へのシワが低減するので、生乾き状態で乾燥を早めに終了したい場合等がある。
第2の所定温度Tsを通常時より高い所定温度Tshにすれば、乾燥時間は長くなり、乾燥度は進み、第2の所定温度Tsを通常時より低く所定温度Tslすれば、早く乾燥が終了する。
また、この第2の所定温度Tsは、表1に示すように、周囲温度と、衣類の量(検知方法は省略)により、変える必要がある。すなわち、周囲温度が低い場合は、乾燥度が進んでも、周囲の温度が低い分、送風空気温度Aと冷却水温度Wともに、低くなる傾向になり、そして、温度差(A−W)も低くなる。また、衣類の量によっても、乾燥度と温度差(A−W)に変化がある。布量が多い場合は、その分、温度差(A−W)も開きにくい傾向にある。この設定も、予め実験により得られる温度である。
まず、より衣類を乾燥させたい場合には、表2に記すような、第2の所定温度Tshにする。この設定温度は、周囲温度と衣類の量に対応して、それぞれの条件において、より乾燥をさせた状態で乾燥が終了する設定であり、それぞれ予め実験より得られる温度である。
一方、生乾き状態で乾燥を終了させたい場合には、表3に記すような、第2の所定温度Tslにする。この設定温度は、周囲温度と衣類の量に対応して、それぞれの条件において、乾燥が生乾き状態で終了するように設定した所定温度であり、この温度も予め実験により得られる温度である。
また、乾燥時間を長くする方法として、第2の所定温度Tsを変えて、乾燥検知までの時間を伸ばす方法を前記したが、第2の所定温度Tsはそのままにして、乾燥検知後、更に一定時間(遅延時間)乾燥動作を行うようにすることで乾燥時間を長くすることができる。この時は、周囲温度と布量により、遅延時間を設定し、より乾燥させた状態での乾燥を実現できる。
上記第2の所定温度Tsの変更方法としては、入力設定手段127の操作により、専用の入力手段としての調整モードに設定し、この調整運転モードで、第2の所定温度Tsを設定する。例えば、調整運転モードで、工場出荷時の乾燥度(a)と、より衣類を乾燥させたい場合の乾燥度(b)と、衣類を生乾き状態させたい場合の乾燥度(c)を調整できるようにする。このとき、どのような設定になっているかを表示手段128の数値表示部17hにより、図13(a)、(b)、(c)に示すように表示する。
図14は本発明の実施の形態2の洗濯乾燥機の動作フローチャートである。図14を参照しながら動作を説明する。
図14のステップ200にて動作を開始し、ステップ201にて電源入りスイッチ16gをオンし、このとき、ステップ202にて洗い時間設定スイッチ16aがオンされているとステップ207に進み修理検査モードに設定される。修理検査用の運転モードは、モータ105、給水弁107、排水弁108などの、アクチュエータを強制的に駆動させて、正常に動作することを確認するための運転モードである。洗い時間設定スイッチがオンされていない場合ステップ203の通常運転表示切替に進む。次に使用者が、ステップ204にて、調整スイッチ16iを操作すればステップ208の調整設定モードが設定され、乾燥コース設定スイッチ16dにて乾燥度合いを調整する。
ステップ209での、乾燥度合いを調整するレベルとしては、工場出荷時の標準的な乾燥度と、より衣類を乾燥させたい場合の乾燥度と、衣類を生乾き状態させたい場合の3つのレベル等である。この乾燥度合いの調整は、前記したように、乾燥度の検知で用いている第2の所定温度Tsをそれぞれ設定することにより実現する。この時の設定状態を、表示手段128により図13に示すように数字表示部17hにて表示し、設定状態を区別できるようにする。
また、この時、スタートスイッチ(スタート・一時停止スイッチ)16fを押すことによって、ステップ210で設定した内容を、記憶手段141に記憶し、次に乾燥運転を行う時、この設定の基づいて動作する。ステップ211で、スタートスイッチ16fを押されたか否かを判定し、押された場合は、ステップ212で、設定した内容を記憶手段141により記憶する。また、ステップ204で、調整スイッチ16iが押されていない場合は、通常の乾燥運転のステップ204〜ステップ221を行うが、その説明は省略する。
このように、使用者の要望に応じて、乾燥度合いを工場から出荷後に容易に調整することができるようになるので、使用者のより満足する乾燥機として運転することが可能になる。
また、制御手段126は、入力設定手段127により設定された設定状態を記憶手段141に記憶し、記憶手段141により設定状態を記憶した後は、洗濯動作や乾燥動作を記憶手段141により記憶された設定状態により動作するようにしたことにより、設定以降は、必ず設定された条件で洗濯、乾燥運転を行うようになるので、運転の都度設定するような手間を省くことができ、操作性を向上することができる。
また、制御手段126は、調整設定モードにて設定できる為、従来修理サービス要員が操作しなければならないような、乾燥検知設定という高度な操作が相違にできるものである。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、予め想定した洗濯機を使用する環境もしくは、使用条件の範囲ではあるが、その状況に応じた、運転内容を外部から設定できるようになり、脱水運転時の振動・騒音を低減することができる洗濯機として有用である。
また、本発明にかかる洗濯乾燥機は、衣類の乾燥の仕上がり具合を変更できるので、使用環境、衣類等の種類や使用者の好みに合った乾燥を行うことが可能となり、衣類乾燥機としても有用である。
本発明の実施の形態1の洗濯機の縦断面図 同洗濯機の洗濯機の一部ブロック化した回路図 同洗濯機の入力設定手段及び表示手段の拡大正面図 同洗濯機の洗浄動作時のタイミングチャート 同洗濯機の脱水行程のタイムチャート 同洗濯機の回転速度変動によりアンバランス状態を示す図 同洗濯機の設定フローチャート 同洗濯機の表示手段によるアンバランス検知設定表示図 本発明の実施の形態2の洗濯乾燥機の縦断面図 同洗濯乾燥機の要部断面図 同洗濯乾燥機の制御装置の構成を示すブロック図 同洗濯乾燥機の乾燥終了状態の検知を説明する温度変化グラフ 同洗濯乾燥機の表示手段による乾燥度表示図 同洗濯乾燥機の動作フローチャート 従来のドラム式洗濯機の縦断面図
1 回転ドラム
3 水受け槽
5 モータ
9 洗濯機本体
15 制御手段
16 入力設定手段
21 位置検出手段(回転数検知手段)
104 回転ドラム(衣類収容槽)
110 除湿管路(空気循環路)
112 送風管路(空気循環路)
113 加熱管路(空気循環路)
115 注水ノズル(冷媒供給手段)
116 熱交換器
117 除湿手段
118 送風ファン(送風手段)
119 ヒータ(加熱手段)
120 送風空気温度センサ(送風空気温度検出手段)
126 制御手段

Claims (4)

  1. 衣類を洗濯する機能を有する洗濯機において、一連の洗濯行程を制御する制御手段と、洗濯行程の運転内容を設定する専用の入力設定手段を備え、前記制御手段は、前記専用の入力設定手段により、通常操作状態とは異なる、洗濯行程の運転内容を設定できる操作状態にするようにした洗濯機。
  2. 洗濯行程の運転内容の設定を記憶する記憶手段と、運転コース等を設定する通常操作用の入力設定手段を備え、制御手段は、専用の入力設定手段により通常操作とは異なる、洗濯運転の運転内容を設定できる操作状態にした時、前記専用の入力設定手段もしくは前記通常操作用の入力設定手段により設定された洗濯行程の運転内容を前記記憶手段により記憶するようにした請求項1記載の洗濯機。
  3. 制御手段は、記憶手段に記憶されている洗濯行程の運転内容により、運転を行うようにした請求項2記載の洗濯機。
  4. 略水平方向又は水平方向から傾斜した方向に回転軸を有する回転ドラムと、洗濯機本体内に弾性支持された前記回転ドラムを内包する水受け槽と、回転ドラムを回転駆動するモータと、前記ドラムもしくは前記モータの回転状態を検知する回転検知手段と、脱水運転中に、前記回転検知手段により検知する回転状態により前記ドラム内の衣類が偏りアンバランス状態であると検知するアンバランス検知手段と、前記モータの駆動を制御するとともに、一連の制御手段を制御する制御手段と、運転コース等を設定する入力設定手段を備え、制御手段は、専用の入力設定手段により通常動作とは異なる、洗濯行程の運転内容を設定できる操作状態にした時、前記専用の入力設定手段もしくは通常操作用の入力手段により、前記アンバランス検知手段により検知するアンバランスの状態を変えるようにした請求項1記載の洗濯機。
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