JP5425051B2 - 塗工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、塗布部と乾燥部と冷却部とから成る塗工装置に関するものであり、更に詳しくは、塗布部のアプリケートロールとグラビアロールを密閉された密閉チャンバー内に収納するとともに、乾燥部の基材の搬送用ガイドロールの前段のガイドロールを加熱ガイドロールとし後段のガイドロールを冷却ガイドロールとした塗工装置に関するものである。
塗工装置としては、塗布剤をグラビアロールで基材に塗工する方法(特許文献1参照)と、ノズルから吐出して基材に塗工する方法(特許文献2参照)とがあり、グラビアロールで塗工する方法(以下、「グラビアロール塗工法」と言う。)が最も一般的に行われている。
グラビアロール塗工法は、図4に示すように、塗布部610と、乾燥部620と、冷却部630とから構成されている。塗布部610は、インキパン611に満たした塗布液bにグラビアロール612を浸漬し、ドクターナイフ(図示せず)で余分な塗布液bをかき取り、グラビアロール612の凹部に保持された塗布液bを基材aに塗布するものである。乾燥部620は、乾燥オーブン621内に多数のガイドロール(図示せず)が設けられており、塗布液bが塗布された基材aの反対面をガイドロールに接触させて案内するとともに、塗布液bの塗布された基材a面に熱風を吹き付けて乾燥し熱硬化させるものである。冷却部630は、この基材aを冷却ロール631で冷却するものである。
特開平6−226175号公報 特開2000−296355号公報
しかしながら、上述した従来のグラビアロール塗工法における塗工装置においては、塗布部において、塗布液が満たされているインキパン及びグラビアロールが空気中に開放系であるため、塗布液の溶剤が揮散するので、悪臭や作業環境の問題、塗布液の溶剤バランスの崩れの問題があった。また、塗布液がグラビアロールによってかき乱されることにより微細な泡が発生し、塗工不良となることがあった。
また、タッチパネル電極、EL用透明電極、太陽電池電極等に、主としてPETフイルムにITO(インジウム錫酸化物)やATO(アンチモン錫酸化物)をスパッタリング蒸着して作られた透明導電性フイルムが用いられているが、インジウム、アンチモンがレアメタルのため、近年、その代替としてPETフイルムに導電性樹脂をコートした技術が進んで来ている。しかしながら、導電性樹脂の塗工の場合は、その導電性樹脂にスルフオン基(−SOH)が存在する場合が多く、塗布液のpHが強酸性となり通常の塗工装置では金属部が腐食するものであった。
さらに、日持ちの悪い塗布液の場合は、作業終了後のインキパンに残された塗布液は廃棄されなければならず、資源の無駄使いとなり、また高価な場合はコストが高くなるものであった。
さらにまた、熱硬化型のシリコンや導電性樹脂の場合は、乾燥に多量の熱を加える必要があり、乾燥温度を高くすることにより対応することが出来るが、乾燥温度を高くすると、基材の熱収縮によるシワや波うち等の変形を起こすものであった。したがって、加工(搬送)速度を遅くして乾燥オーブンにおける基材の滞留時間を長くするか、又は乾燥オーブンの長さを長くして基材の滞留時間を長くするしかなかった。
本発明は、以上の問題点を解決し、塗工装置の周囲環境に悪影響を与えることが無く、また塗工不良が発生することが無い塗工装置を提供することを目的とする。また、強酸性の塗布液であっても、問題なく塗布することができるとともに、塗布液の無駄遣いも無い塗工装置を提供することを目的とする。さらに、基材の乾燥部における滞留時間を長くすること無く、基材の品質を良好に維持することができる塗工装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決すべくなされたもので、請求項1に係る塗工装置は、塗布部と乾燥部と冷却部とを有する塗工装置において、塗布部は、塗布液を貯留する密閉チャンバーと、該密閉チャンバー内にある塗布液を上方へ送るアプリケートロールと、該アプリケートロールの上方に配置されたグラビアロールと、該密閉チャンバーに設けられ先端がグラビアロールに密着している密閉ドクターナイフと、該密閉チャンバーに設けられ先端がグラビアロールに密着している液切ドクターナイフとを有するとともに、該密閉チャンバー内が陰圧に維持されていることを特徴として構成されている。
請求項2に係る塗工装置は、前記密閉チャンバーの内壁及び密閉ドクターナイフの表面がエンジニアリングプラスチックで形成されるとともに、液切ドクターナイフ、アプリケートロール及びグラビアロールの表面がセラミック被膜で形成されていることを特徴として構成されている。
請求項3に係る塗工装置は、前記密閉チャンバーのアプリケートロールと対向する壁面が同心円状に形成されるとともに、アプリケートロールと壁面との間隙が0.2〜2mmであり、該アプリケートロールとグラビアロールとの間隙が0.1〜0.5mmの範囲で調整できることを特徴として構成されている。
請求項4に係る塗工装置は、前記アプリケートロールとグラビアロールとの直径が50〜70mmであることを特徴として構成されている。
請求項5に係る塗工装置は、前記アプリケートロールはグラビアロールと連動し、グラビアロールの回転速度の50〜120%の範囲で回転速度が設定されるとともに、グラビアロールは基材の搬送速度に連動し、搬送速度の90〜160%の範囲で回転速度が設定されていることを特徴として構成されている。
請求項6に係る塗工装置は、前記乾燥部が、基材に熱風を吹き付ける熱風乾燥手段と、基材を案内するガイドロールとを有する乾燥オーブンが複数設けられ、該複数の乾燥オーブンン内上流側に配置された前段の乾燥オーブンのガイドロールが加熱ガイドロールで形成され、それ以降の下流側に配置された後段の乾燥オーブンのガイドロールが冷却ガイドロールで形成されていることを特徴とする請求項5記載の塗工装置。
請求項7に係る塗工装置は、前記加熱ガイドロール及び冷却ガイドロールを駆動するベルトと、該ベルトを駆動するモーターが設けられ、該加熱ガイドロール及び冷却ガイドロールを強制駆動させて基材の搬送速度と同調させることを特徴として構成されている。
請求項8に係る塗工装置は、前記加熱ガイドロールに温水または加熱オイルを注入する加熱手段と、前記冷却ガイドロールに冷却水を注入する冷却手段とが設けられていることを特徴として構成されている。
請求項9に係る塗工装置は、前記乾燥部に於いて乾燥前の基材の温度を検知する手段が設けられ、該温度検知手段で検出された温度情報を入力し、この入力した温度情報により乾燥後の基材温度が略同一となるように冷却ガイドロールの温度を制御する制御部が設けられていることを特徴として構成されている。
請求項1に係る塗工装置においては、アプリケートロールとグラビアロールが密閉チャンバー内に収納され、密閉ドクターナイフと液切ドクターナイフとがグラビアロールに密着しているので、密閉チャンバーは、グラビアロール、密閉ドクターナイフ及び液切ドクターナイフで密閉された状態となっている。したがって、密閉チャンバー内に貯留された塗布液の溶剤の揮散による異臭が拡散せず、作業環境を良好に保持することが出来るとともに、塗布液の溶材のバランスもくずれることが無い。また、密閉チャンバー内は陰圧に維持されているので、塗布液の動きにより微細な気泡が発生しても消泡され、常に良好に塗工を行うことが出来る。さらに、アプリケートロールにより、グラビアロールの凹部に塗布液を確実に充填することができるとともに、塗布液中に微細な気泡が存在していた場合、その気泡を消泡することが出来る。
請求項2に係る塗工装置においては、密閉チャンバーの内壁、密閉ドクターナイフ及び液切ドクターナイフがエンジニアリングプラスチックで形成されるとともに、アプリケートロール及びグラビアロールの表面がセラミック被膜で形成されているので、耐酸性が極めて高く、導電性樹脂の塗工のように強酸性の塗布液であっても、装置に異常を来すこと無く、良好に塗布することが出来る。
請求項3に係る塗工装置においては、密閉チャンバーのアプリケートロールと対向する壁面が同心円状に形成されるとともに、アプリケートロールと壁面との間隙が0.2〜2mmであるので、密閉チャンバー内の空間を可能な限り小さくすることができ、その結果、密閉チャンバー内に貯留する塗布液を少なくすることができるので、廃棄する塗布液が少なく、コストを安価にすることが出来る。また、アプリケートロールとグラビアロールとの距離を所定範囲で調整することにより、グラビアロールに付着する塗布液の量を調整することができるので、液切ドクターナイフでかき取る量を最小限の量に設定することが出来る。したがって、塗布液の戻りを少なくすることが出来る。
請求項4に係る塗布装置においては、アプリケートロールとグラビアロールとの直径が50〜70mmと小型であるので、密閉チャンバーの小型化を図ることができ、その結果、密閉チャンバー内に滞留する塗布液の量を少なくすることが出来る。
請求項5に係る塗布装置においては、前記アプリケートロールはグラビアロールと連動し、グラビアロールの回転速度の50〜120%の範囲で回転速度が設定されるので、グラビアロールの凹部に充填する塗布液の量を最適な量に調整することが出来る。また、グラビアロールは基材の搬送速度に連動し、搬送速度の90〜160%の範囲で回転速度が設定されるので、基材に供給する塗布液の量を最適な量に調整することが出来る。
請求項6に係る塗工装置においては、複数の乾燥オーブンン内上流側に配置された乾燥オーブンのガイドロールが加熱ガイドロールで形成され、それ以降の下流側の乾燥オーブンのガイドロールが冷却ガイドロールで形成されているので、前段の加熱ガイドロールで基材の温度を短時間に塗布液の乾燥温度(硬化温度)まで高めるとともに、後段の冷却ガイドロールで基材を冷却するので、熱風を吹き付けても基材の温度上昇を制御して基材が変形しない温度に維持することが出来る。したがって、基材に伸び、収縮、波打ち等の変形が発生すること無く、短時間で基材を乾燥させることが出来る。
すなわち、前段の加熱ガイドロールで接触している基材面を加熱して塗布液の沸点まで素早く温度を上昇させて乾燥させる。塗布液が乾燥するまではその塗布液の蒸発潜熱によって熱がうばわれ基材の温度は上昇しないが。乾燥後も加熱を続けると、特に熱硬型塗布液の場合には更に乾燥後も熱風によって加熱することになるので基材の温度は上昇し、伸び、縮み、波打ち等の変形を起こすようになる。後段の冷却ガイドロールはその変形を防止するために設けられたものであり、基材の温度上昇は冷却ガイドロールで防止し、塗布液成分の熱硬化は熱風によって行なうものである。
請求項7に係る塗工装置においては、加熱ガイドロール及び冷却ガイドロールを駆動するベルトと、該ベルトを駆動するモーターが設けられ、該加熱ガイドロール及び冷却ガイドロールを強制駆動させて基材の搬送速度と同調させるので、基材がガイドロールとの接触面で摺れることがなく搬送することが出来る。
請求項8に係る塗工装置においては、加熱ガイドロールに温水または加熱オイルを注入する加熱手段と、前記冷却ガイドロールに冷却水を注入する冷却手段とが設けられているので、加熱ガイドロールを容易に加熱することが出来るとともに、加熱温度調整を簡単に行なうことが出来る。また、冷却ガイドロールを容易に冷却することが出来るとともに冷却温度の調整を簡単に行なうことが出来る。
請求項9に係る塗工装置においては、乾燥部に於いて乾燥前の基材の温度を検知する手段が設けられ、該温度検知手段で検出された温度情報を入力し、この入力した温度情報により乾燥後の基材温度が略同一となるように冷却ガイドロールの温度を制御する制御部が設けられているので、乾燥後(硬化)の基材温度を略同一とすることが出来る。したがって、基材のしわ、波打ち等の変形を防止することが出来る。
本発明による塗工装置の全体概略図 本発明による塗工装置における塗布部の拡大図 本発明による塗工装置における乾燥オーブンの拡大図 従来の塗工装置の全体概略図
本発明密閉チャンバー内が陰圧に維持されており、その陰圧は、−5〜−30mmHgの範囲が好ましい。陰圧が−5mmHgより小さいと、塗布液の微細な泡の消泡が出来ず、また、−30mmHgを超えると、塗布液の溶剤の揮散が多くなり好ましくない。
密閉チャンバーの内壁、密閉ドクターナイフ及び液切ドクターナイフがエンジニアリングプラスチックで形成されおり、このエンジニアリングプラスチックとしては、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、GF強化ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリサルホン樹脂等の耐酸性の大きいものが用いられる。
乾燥部は、乾燥オーブン中の塗布された基材の反対面を多数のガイドロールに接触させて搬送する前段のガイドロールを加熱ガイドロールとし残りの後段のガイドロールを冷却ガイドロールとし熱風を吹き付けて乾燥するものであり、乾燥オーブン中の全体のガイドロールのうち加熱ガイドロールと冷却ガイドロールの構成比は、塗布液の種類(水性、油性)、基材の厚み、加工スピード等により異なり、これらの各条件によりテストを行いながら設定することが好ましい。大略は加熱ガイドロールの比率を1/5〜1/3内外に設定し、加熱ガイドロールの温度を調整しながら好適な条件を設定することが出来る。
加熱ガイドロールは、ガイドロールに温水または加熱オイルを注入して加熱されており、温水または加熱オイルの温度、流量等を調節して所望の温度に設定する。冷却ガイドロールはガイドロールに冷却水を注入して冷却されており、冷却水の注入は例えば、ガイドロールに冷却水が循環するように送液管を連結し、この送液管の途中に水を冷却する冷却部及び流量を調節できる送液部を設けることにより行なうことが出来る。
次に、本発明による塗工装置の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明による塗工装置の全体概略図、図2は本発明による塗工装置の塗布部の拡大図、図3は本発明による塗工装置の乾燥オーブンの拡大図である。
図1において、100は基材繰出部、200は塗布部で、基材繰出部100から繰り出された基材aに塗布液を塗布するものであり、300は乾燥部で、塗布部200から送られてきた塗布液が塗布された基材を乾燥、熱硬化させるものであり、400は冷却部で、乾燥部300から送られてきた塗布液が乾燥・熱効果された基材aを冷却するものであり、500は巻取部で、冷却部400から送られてきた基材aを巻き取るものである。
前記塗布部200は、図2に示すように、密閉チャンバー210が設けられ、この密閉チャンバー210の内部にアプリケートロール220とグラビアロール230とが上下に僅かの間隙を持って設けられている。密閉チャンバー210の上端部には、上流側(基材aの搬送方向における上流側、以下同様)の側壁(図中右側側壁)に密閉ドクターナイフ240が設けられ、その先端がグラビアロール230と接触し、また下流側(基材aの搬送方向における下流側、以下同様)の側壁(図中左側側壁)に液切ドクターナイフ250が設けられ、その先端がグラビアロール230と接触している。したがって、密閉チャンバー210、密閉ドクターナイフ240、液切ドクターナイフ250及びグラビアロール230により、密閉チャンバー210内部は密閉された状態に保たれている。したがって、塗布液溜り213の塗布液bから蒸散した物質が密閉チャンバー210の外部へ流出することがない。
密閉チャンバー210の上流側の内壁は、アプリケートロール220に対向する部位において、アプリケートロール220と僅かの間隙tを持って同心円状に上流側内壁211が形成されており、また、密閉チャンバー210の下流側の内壁は、アプリケートロール220及びグラビアロール230の約1/3の高さに対向する部位において、アプリケートロール220及びグラビアロール230と僅かの間隙tを持って同心円状に下流側内壁212が形成されている。上流側内壁211の上端とグラビアロール230との間には空間が形成されており、この空間は塗布液が溜まる塗布液溜り213となっている。
塗布液溜り213の上方には、吸引孔214が形成されサンクションポンプ215に連結されており、また塗布液溜り213の上部の所定位置(塗布液の上面に対応する位置)には、塗布液の液面を検知する液面レベリングセンサー216が設けられている。また、液切ドクターナイフ250の下方には、塗布液排出用の排出孔216が形成されている。さらに、密閉チャンバー210の底部には、塗布液供給用の供給孔217が形成され、塗布液供給ポンプ260、塗布液タンク270に連結され、この塗布液タンク270は前記排出孔216に連結されて、密閉チャンバー210からの塗布液bが還流するようになっている。
グラビアロール230の上方には、アルミニウムの金属ロールにクロムメッキした一対のダウンロール280が設けられており、このダウンロール280とグラビアロール230との間を基材aが通過するようになっている。ダウンロール280は、上下方向に進退自在に構成されており、基材aを下方へ押し付けることによりグラビアロール230に接触させ、グラビアロール230の塗布液bを基材aに塗布する。
アプリケートロール220は、直径50〜70mmΦの範囲に設定されており、密閉チャンバー210の上流側内壁211及び下流側内壁212との間隙tが、0.2〜2.0mmの範囲に設定されている。間隙tが0.2mm未満の場合は、密閉チャンバー内壁の加工精度及びアプリケートロール220の偏心により困難であり、2.0mmを越えると、この間隙内に滞留する塗布液が多くなり好ましくない。
グラビアロール230は、直径50〜70mmΦの範囲に設定されており、アプリケートロール220との間隙sが0.1〜0.5mmの範囲に設定されている。間隙が0.1mm未満の場合は、アプリケートロール220とグラビアロール230の加工精度及び両ロールの偏心により困難であり、0.5mmを越えると液切ドクターナイフ250でかき取る量が多くなり、その結果、排出孔216を介して塗布液タンクへ還流する塗布液bの量が多くなる。また、下流側内壁212との間隙は、アプリケーとロール220と同様に、0.2〜2mmの範囲に設定されている。
前記密閉チャンバー210は、ステンレス鋼(SUS316等)で形成されるとともに、その内壁はナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のエンジニアリング樹脂で表面が加工されており、密閉チャンバー密閉用ドクターナイフ240も、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のエンジニアリング樹脂で表面が加工されている。液切ドクターナイフ250はステンレス鋼(SUS316等)で形成されるとともに、セラミック溶射によりセラミック被膜が形成されており、またアプリケートロール220及びグラビアロール230も、ステンレス鋼(SUS316等)からなる金属ロールにセラミック溶射によりセラミック被覆を施したものが用いられ、グラビアロール230は、更にレーザー製版によって彫刻が施されている。したがって、塗布液が接触する密閉チャンバー210内は完全に耐酸性となっている。
以上のような塗布部200において、基材aに塗布液bを塗布するには、まず、吸引孔214を介してサンクションポンプ215により密閉チャンバー210内の空気を吸引し、密閉チャンバー210内を陰圧(−5〜−30mmHg)に維持する。したがって、アプリケートロール220及びグラビアロール230の回転の影響により、塗布液bに微細な気泡が発生しても、密閉チャンバー210内の圧力が小さいので、発生した気泡は直ちに消滅する。また、塗布液タンク270から供給ポンプ260によって塗布液bを密閉チャンバー210内に供給し、アプリケートロール220を下流側方向(図中左回転方向)へ回転させるとともに、グラビアロール230を上流側方向(図中右回転方向)へ回転させる。
供給タンク270から供給された塗布液bは、アプリケートロール220により巻き上げられて塗布液溜213に溜まる。この時、液面レベリングセンサー216により塗布液溜213の塗布液bの液面を検知し、液面レベルセンサー216からの信号により、塗布液bの液面が所定の高さになるように供給ポンプ260の駆動を制御する。また、この時、アプリケートロール220は、グラビアロール230の回転速度と連動し、グラビアロール230の50〜120%範囲で回転速度を変更することが出来るようになっているので、アプリケートロール220により、グラビアロール230の凹部に塗布液bを確実に充填することが出来る。また、塗布液b中に微細な泡が存在していても、アプリケートロール220により消泡することが出来る。
塗布液溜213に溜まった塗布液bは、グラビアロール230の凹部に入り込み、この状態でグラビアロール230の回転とともに上方へ移動する。グラビアロール230は凹部に塗布液bを保持するとともに表面に塗布液bが付着した状態で液切ドクターナイフ250にまで達すると、液切ドクターナイフ250により表面の塗布液bが除去され、凹部のみに塗布液bを保持した状態で回転を続け、凹部内の塗布液bが基材aに塗布される。液切ドクターナイフ250による除去された塗布液bは、密閉チャンバー210内壁を伝わり排出孔216より塗布液タンク270へ還流される。
グラビアロール230は、基材aの搬送速度と連動し、基材aの搬送速度の90〜160%の範囲で回転速度を変更することが出来るようになっているので、基材aに対して適切な量を均一に塗布することが出来るように、回転速度を調整する。また、この時、グラビアロール230の回転方向は、基材aの搬送方向と反対方向に設定されており、リバースコート法が採用されている。
乾燥部300は、図1に示すように、乾燥オーブン310が6個直列(6ゾーン)に連なっており、乾燥オーブン310は、図3に示すように、密封箱311が設けられ、この密封箱311には、熱風導入口312が設けられるとともに、熱風排気口313が設けられ、さらに熱風導入口312には熱風噴出し用の複数のノズル314が連通している。このノズル314の下方には、5個のガイドロール315が設けられている。
乾燥オーブン310の内、上流側の1、2ゾーン目の乾燥オーブン310aは、塗布面の反対面から基材aを加熱するようになっており、加熱手段として温水またはオイル加熱装置316が設けられ、加熱ガイドロール315aに配管317aを介して温水又は加熱オイルを循環供給するようになっている。このとき、加熱ガイドロール315aは、配管317aを介して並列に連結されており、各加熱ガイドロール315aは、温水またはオイル加熱装置316から個別に温水又は加熱オイルが供給されるようになっている。
乾燥オーブン310a下流側の乾燥オーブン310bは、塗布面の反対面から基材aを冷却するようになっており、冷却手段としてチラー冷却水槽318が設けられ、冷却ガイドロール315bに配管317bを介してチラー冷却水を循環供給するようになっている。このとき、同様に、冷却ガイドロール315bは、配管317bを介して並列に連結されており、各冷却ガイドロール315bは、チラー冷却水槽318から個別に冷却水が供給されるようになっている。
また、前記ガイドロール315は、ベルト(図示せず)を介してモータ(図示せず)により駆動されるようになっており、ガイドロール315の回転速度を自由に設定できるようになっている。さらに、最上流側の乾燥オーブン310aに導入される直前の基材aの温度を検知する温度検知手段としての温度センサー(図示せず)が設けられるとともに、最下流側の乾燥オーブン310bから排出される基材aの温度を検知する温度検知手段としての温度センサー(図示せず)が設けられ、これらの温度センサーから入力した温度により、基材aの乾燥の前後における温度を同一にするように冷却ガイドロールの冷却温度を制御する制御部(図示せず)が設けられている。
以上のような乾燥部300においては、ガイドロール315を基材aの搬送速度と同一となるように回転させるとともに、基材aの塗布面に熱風を吹き掛けて乾燥させる。また、加熱ガイドロール315aにおいては、基材aの塗布面と反対面を加熱し塗布液の沸点まで素早く温度を上昇させて乾燥させ、冷却ガイドロール315bにおいては基材aの塗布面と反対面を冷却し、基材aの温度が上昇し過ぎるのを防止する。すなわち、塗布液が乾燥するまではその塗布液の蒸発潜熱によって熱がうばわれ基材の温度は上昇しないが、乾燥後も加熱を続けると、特に熱硬型塗布液の場合には更に乾燥後も熱風によって加熱することになるので基材の温度は上昇し、伸び、縮み、波打ち等の変形を起こすようになる。したがって、後段の冷却ガイドロール315bにより冷却することで、変形を防止することが出来る。冷却ガイドロール315bへの冷却水の供給は、前記温度センサーからの情報を基に制御部により調整し、乾燥部前後における基材aの温度が同一となるようにする。
乾燥が終了した基材aは、冷却部400の冷却ロール410により冷却され、その後巻取部500に巻き取られる。
100 繰出部
200 塗布部
210 密閉チャンバー
211 上流側内壁
212 下流側内壁
213 塗布液溜
220 アプリケートロール
230 グラビアロール
240 密閉ドクターナイフ
250 液切ドクターナイフ
300 乾燥部
310 乾燥オーブン
315a 加熱ガイドロール
315b 冷却ガイドロール
400 冷却部
500 巻取部

Claims (9)

  1. 塗布部と乾燥部と冷却部とを有する塗工装置において、塗布部は、塗布液を貯留する密閉チャンバーと、該密閉チャンバー内にある塗布液を上方へ送るアプリケートロールと、該アプリケートロールの上方に配置されたグラビアロールと、該密閉チャンバーに設けられ先端がグラビアロールに密着している密閉ドクターナイフと、該密閉チャンバーに設けられ先端がグラビアロールに密着している液切ドクターナイフとを有するとともに、該密閉チャンバー内が陰圧に維持されていることを特徴とする塗工装置。
  2. 前記密閉チャンバーの内壁及び密閉ドクターナイフの表面がエンジニアリングプラスチックで形成されるとともに、液切ドクターナイフ、アプリケートロール及びグラビアロールの表面がセラミック被膜で形成されていることを特徴とする請求項1記載の塗工装置。
  3. 前記密閉チャンバーのアプリケートロールと対向する壁面が同心円状に形成されるとともに、アプリケートロールと壁面との間隙が0.2〜2mmであり、該アプリケートロールとグラビアロールとの間隙が0.1〜0.5mmの範囲で調整できることを特徴とする請求項1又は2記載の塗工装置。
  4. 前記アプリケートロールとグラビアロールとの直径が50〜70mmであることを特徴とする請求項3記載の塗工装置。
  5. 前記アプリケートロールはグラビアロールと連動し、グラビアロールの回転速度の50〜120%の範囲で回転速度が設定されるとともに、グラビアロールは基材の搬送速度に連動し、搬送速度の90〜160%の範囲で回転速度が設定されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の塗工装置。
  6. 前記乾燥部は、基材に熱風を吹き付ける熱風乾燥手段と、基材を案内するガイドロールとを有する乾燥オーブンが複数設けられ、該複数の乾燥オーブンン内上流側に配置された前段の乾燥オーブンのガイドロールが加熱ガイドロールで形成され、それ以降の下流側に配置された後段の乾燥オーブンのガイドロールが冷却ガイドロールで形成されていることを特徴とする請求項5記載の塗工装置。
  7. 前記加熱ガイドロール及び冷却ガイドロールを駆動するベルトと、該ベルトを駆動するモーターが設けられ、該加熱ガイドロール及び冷却ガイドロールを強制駆動させて基材の搬送速度と同調させることを特徴とする請求項6記載の塗工装置。
  8. 前記加熱ガイドロールに温水または加熱オイルを注入する加熱手段と、前記冷却ガイドロールに冷却水を注入する冷却手段とが設けられていることを特徴とする請求項6又は7記載の塗工装置。
  9. 前記乾燥部に於いて乾燥前の基材の温度を検知する手段が設けられ、該温度検知手段で検出された温度情報を入力し、この入力した温度情報により乾燥後の基材温度が略同一となるように冷却ガイドロールの温度を制御する制御部が設けられていることを特徴とする請求項6、7及び8記載の塗工装置。
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