JP5424953B2 - 車両の動力伝達制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の動力伝達制御装置に関する。
従来より、特許文献1等に記載のように、車両のエンジンから動力が入力される第1、第2入力軸と、車両の駆動輪へ動力を出力する出力軸と、全変速段のうちの一部(例えば、1速を含む複数の奇数段)の何れか1つを選択的に確立して第1入力軸と出力軸との間で動力伝達系統を形成する確立状態又は何れの変速段も確立せずに第1入力軸と出力軸との間で動力伝達系統を形成しない開放状態を選択的に達成する第1機構部と、全変速段のうちの残り(例えば、2速を含む複数の偶数段)の何れか1つを選択的に確立して第2入力軸と出力軸との間で動力伝達系統を形成する確立状態又は何れの変速段も確立せずに第2入力軸と出力軸との間で動力伝達系統を形成しない開放状態を選択的に達成する第2機構部と、を備えた変速機が知られている。
この変速機には、エンジンの出力軸と第1入力軸との間に介装されて、クラッチストロークの調整によりエンジンの出力軸と第1入力軸との間において伝達可能な最大トルク(クラッチトルク)を調整可能な第1クラッチと、エンジンの出力軸と第2力軸との間に介装されて、クラッチストロークの調整によりエンジンの出力軸と第2入力軸との間において伝達可能な最大トルク(クラッチトルク)を調整可能な第2クラッチと、が組み合わされる。このような組み合わせにより得られる機構は、「ダブルクラッチトランスミッション」(以下、「DCT」とも呼ぶ。)とも呼ばれる。
以下、第1クラッチ、第1入力軸、及び第1機構部で構成される系統を「第1系統」と呼び、第2クラッチ、第2入力軸、及び第2機構部で構成される系統を「第2系統」と呼ぶ。また、クラッチトルクが「0」より大きい状態、即ち、クラッチが動力を伝達する状態を「接合状態」と呼び、クラッチトルクが「0」の状態、即ち、クラッチが動力を伝達しない状態を「分断状態」と呼ぶ。
DCTの制御に際し、車両の運転者によるシフトレバーの操作、及び/又は、車両の走行状態に基づいて、達成すべき1つの変速段(以下、「選択変速段」と呼ぶ。)が選択される。以下、第1、第2機構部、第1、第2クラッチ、第1、第2入力軸、第1、第2系統のうちで、選択変速段に対応する方をそれぞれ、「選択機構部」、「選択クラッチ」、「選択入力軸」、「選択系統」と呼び、選択変速段に対応しない方をそれぞれ、「非選択機構部」、「非選択クラッチ」、「非選択入力軸」、「非選択系統」と呼ぶ。
選択変速段が選択されると、選択機構部において選択変速段が確立された状態で選択クラッチが接合状態に制御され、非選択クラッチが分断状態に制御される。これにより、エンジンの出力軸と変速機の出力軸との間で、選択系統を介して選択変速段の減速比を有する動力伝達系統が形成される。この動力伝達系統を介してエンジンの駆動トルク(エンジントルク)が駆動輪に伝達され、車両が加速され得る。
他方、非選択系統では、非選択クラッチが分断状態となっている。従って、次に選択される(であろう)変速段が確立された状態で非選択機構部を待機させておくことができる。このことを利用すれば、第1、第2系統間において選択系統と非選択系統とが入れ替わる変速作動(変速段を高速側に変更するシフトアップ、或いは、低速側に変更するシフトダウン)がなされる場合において、第1、第2クラッチについて「接合状態にあったクラッチを分断状態に変更する作動」と「分断状態にあったクラッチを接合状態に変更する作動」とを同時期に実行することで、エンジントルクを変速機の出力軸(従って、駆動輪)に対して途切れなく伝達し続けることができる。この結果、変速ショックが低減され得る。
特開2010−48416号公報
上述したように、クラッチトルクは、クラッチストロークを調整することにより調整される。より具体的には、クラッチストロークとクラッチトルクとの関係(ストローク−トルク特性)を規定するマップが作製される(後述する図2、図6等参照)。このマップと達成すべき(目標)クラッチトルクとに基づいて、目標クラッチストロークが決定される。そして、実際のクラッチストロークが目標クラッチストロークと一致するようにクラッチアクチュエータが制御される。これにより、実際のクラッチトルクが目標クラッチトルクと一致するように調整される。
ところで、実際の「ストローク−トルク特性」は、クラッチの摩擦部材の摩耗等により変化し得る。従って、実際の特性がマップに規定された特性からずれる場合が発生し得る。この場合、この「ずれ」に起因して、目標クラッチストロークが本来決定されるべき値に決定され得ず、この結果、実際のクラッチトルクが目標クラッチトルクと異なる値に調整される事態が発生し得る。
係る事態に対処するためには、マップに規定される「ストローク−トルク特性」を実際の「ストローク−トルク特性」と一致するように補正する必要がある。以下、クラッチの接合状態と分断状態との境界に対応するクラッチストロークを「タッチ点」(或いは、スタンバイ点)と呼ぶ(図2を参照)。
マップに規定された特性に対する実際の特性のずれの傾向は、タッチ点のずれとして現れる。このため、従来より、エンジンの始動毎に毎回、車両停止中において、クラッチストロークを実際に変化させることによりタッチ点を取得し、取得したタッチ点に基づいて「ストローク−トルク特性」を規定するマップを補正することが広く行われている。
しかしながら、実際の「ストローク−トルク特性」は、クラッチの摩擦部材の摩耗のみならず、車両走行中において過大な負荷がクラッチに作用する場合における摩擦部材の発熱による膨張等によっても変化し得る。従って、エンジン始動時にマップが補正された場合においても、その後の車両走行中において、実際の特性がマップに規定された特性からずれる事態がなお発生し得る。
従って、車両走行中においてタッチ点を取得することが望まれている。しかしながら、タッチ点を取得するためには、クラッチストロークを実際に変化させて、少なくとも短期間に亘ってクラッチを分断状態(クラッチトルク=0)にする必要がある。このため、変速機とエンジンとの間に単一のクラッチが備えられる場合、車両走行中において車両の加速・減速状態に影響を与えることなくタッチ点を取得することは非常に困難であった。
以上のことを鑑み、本発明の目的は、DCTを用いた車両の動力伝達制御装置において、車両走行中において車両の加速・減速状態に影響を与えることなくクラッチのタッチ点を取得し得るものを提供することにある。
本発明に係る車両の動力伝達制御装置は、車両の駆動源(E/G)から動力が入力される第1入力軸(Ai1)と、前記駆動源から動力が入力される第2入力軸(Ai2)と、前記車両の駆動輪へ動力を出力する出力軸(AO)と、複数の全変速段のうちの一部である「第1グループの1つ又は複数の変速段」の何れか1つを選択的に確立して前記第1入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成する確立状態又は前記第1グループの変速段の何れも確立せずに前記第1入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成しない開放状態を選択的に達成する第1機構部(M1)と、前記全変速段のうちの残りである「第2グループの1つ又は複数の変速段」の何れか1つを選択的に確立して前記第2入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成する確立状態又は前記第2グループの変速段の何れも確立せずに前記第2入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成しない開放状態を選択的に達成する第2機構部(M2)と、を備えた変速機(T/M)を備える。ここにおいて、前記第1グループの複数の変速段としては、1速を含む複数の奇数段が備えられ、前記第2グループの複数の変速段としては、2速を含む複数の偶数段が備えられることが好適である。
また、この動力伝達制御装置は、前記駆動源の出力軸と前記第1入力軸との間に介装されて、クラッチストロークの調整により、前記駆動源の出力軸と前記第1入力軸との間において伝達可能な最大トルクであるクラッチトルクを調整可能な第1クラッチ(C1)と、前記駆動源の出力軸と前記第2入力軸との間に介装されて、クラッチストロークの調整により、前記駆動源の出力軸と前記第2入力軸との間において伝達可能な最大トルクであるクラッチトルクを調整可能な第2クラッチ(C2)とを備える。即ち、この動力伝達制御装置は、DCTを用いた動力伝達制御装置である。
この動力伝達制御装置は、前記第1、第2クラッチについてのクラッチストロークとクラッチトルクとの関係を規定するマップを記憶する記憶手段(ECU)を備える。また、この動力伝達制御装置は、前記車両のシフト操作部材の操作、及び/又は、前記車両の走行状態に基づいて1つの変速段を選択変速段として選択し、前記第1、第2機構部のうちで前記選択変速段に対応する選択機構部を制御して前記選択変速段が確立された状態で前記第1、第2クラッチのうちで前記選択機構部に対応する選択クラッチのクラッチストロークを前記マップに基づいて制御して前記選択クラッチのクラッチトルクをゼロより大きい目標値に制御し、前記選択クラッチと異なる非選択クラッチのクラッチストロークを制御して前記非選択クラッチのクラッチトルクをゼロに制御する制御手段(ECU)を備える。即ち、選択クラッチが接合状態に制御され、非選択クラッチが分断状態に制御される。
この動力伝達制御装置の特徴は、前記制御手段が、前記車両の走行中において、前記選択機構部と異なる非選択機構部が前記開放状態に維持された状態において前記非選択クラッチのクラッチストロークを調整して、前記非選択クラッチについて、前記第1、第2入力軸のうちで前記非選択クラッチに対応する非選択入力軸と前記駆動源の出力軸との間の動力伝達系統が形成される接合状態と前記動力伝達系統が形成されない分断状態との境界に対応するクラッチストロークをタッチ点として取得する取得手段を備えたことにある。
DCTの場合、非選択機構部が開放状態に維持された状態では、車両走行中において非選択クラッチのクラッチストロークを実際に変化させても、車両の加速・減速状態に影響を与えることはない(少ない)。上記構成は係る観点に基づく。上記構成によれば、DCT特有の上記観点を有効に活用することで、車両走行中において車両の加速・減速状態に影響を与えることなく非選択クラッチのタッチ点を取得することができる。
従って、車両走行中において、第1クラッチが非選択クラッチであるときと、第2クラッチが非選択クラッチであるときとで、非選択クラッチのタッチ点をそれぞれ取得することにより、第1、第2クラッチのそれぞれについて、「ストローク−トルク特性」を規定するマップを補正することができる。
具体的には、前記取得手段は、前記非選択機構部が前記開放状態に維持された状態において、前記非選択クラッチのクラッチストロークの調整により変化する前記非選択入力軸の回転速度の推移に基づいて前記タッチ点を取得するように構成される。更に具体的には、前記取得手段は、前記非選択機構部が前記開放状態に維持された状態において、前記非選択クラッチのクラッチストロークを圧着方向に向けてゼロから徐々に増大し、前記非選択入力軸の回転速度が前記駆動源の出力軸の回転速度と一致した後に前記非選択クラッチのクラッチストロークを離間方向に向けて徐々に減少し、前記非選択入力軸の回転速度の変化率が所定値以下となったときの前記非選択クラッチのクラッチストロークを前記タッチ点として取得するように構成される。
本発明の実施形態に係る動力伝達制御装置を示した模式図である。 図1に示したクラッチについての「ストローク−トルク特性」を規定するマップを示したグラフである。 図1に示したECUが参照する、「車速とアクセル開度の組み合わせ」と「達成すべき変速機の変速段」との関係を予め定めた変速マップを示したグラフである。 図1に示したECUにより実行されるタッチ点取得処理の流れを示したフローチャートである。 本発明の実施形態に係る動力伝達制御装置により車両走行中においてタッチ点取得処理がなされる場合の一例を示したタイムチャートである。 取得されたタッチ点に基づいて行われる、「ストローク−トルク特性」を規定するマップの補正について説明するための図である。
以下、本発明の実施形態に係る車両の動力伝達制御装置(本装置)について図面を参照しつつ説明する。本装置は、変速機T/Mと、第1クラッチC1と、第2クラッチC2と、ECUとを備えている。この変速機T/Mは、車両前進用に6つの変速段(1速〜6速)、及び、車両後進用に1つの変速段(リバース)を備えている。
変速機T/Mは、第1入力軸Ai1と、第2入力軸Ai2と、出力軸AOと、第1機構部M1と、第2機構部M2とを備える。第1、第2入力軸Ai1,Ai2は、同軸的且つ相対回転可能に、ケース(図示せず)に支持されている。出力軸AOは、第1、第2入力軸Ai1,Ai2からずれた位置で第1、第2入力軸Ai1,Ai2と平行にケースに支持されている。
第1入力軸Ai1は、第1クラッチC1を介して車両の駆動源であるエンジンE/Gの出力軸AEと接続されている。同様に、第2入力軸Ai1は、第2クラッチC2を介してエンジンE/Gの出力軸AEと接続されている。出力軸AOは、車両の駆動輪と動力伝達可能に接続されている。
第1機構部M1は、互いに常時噛合する1速の駆動ギヤG1i及び1速の被動ギヤG1oと、互いに常時噛合する3速の駆動ギヤG3i及び3速の被動ギヤG3oと、互いに常時噛合する5速の駆動ギヤG5i及び5速の被動ギヤG5oと、互いに常時噛合しないリバースの駆動ギヤGRi及びリバースの被動ギヤGRoと、駆動ギヤGRi及び被動ギヤGRoとそれぞれ常時噛合するリバースアイドルギヤGRdと、スリーブS1,S2とを備える。スリーブS1,S2はそれぞれ、スリーブアクチュエータAS1,AS2により駆動される。
駆動ギヤG1i,G3i,G5i,GRiのうち、G1i,GRiは第1入力軸Ai1に一体回転するように固定され、G3i,G5iは第1入力軸Ai1に相対回転可能に支持されている。被動ギヤG1o,G3o,G5o,GRoのうち、G1o,GRoは出力軸AOに相対回転可能に支持され、G3o,G5oは出力軸AOに一体回転するように固定されている。
スリーブS1は、出力軸AOと一体回転するハブに対して軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS1が図1に示す位置(非接続位置)にある場合、スリーブS1は、被動ギヤG1oと一体回転する1速ピース、及び、被動ギヤGRoと一体回転するリバースピースに対して共にスプライン嵌合しない。スリーブS1が非接続位置より左側の位置(1速位置)に移動すると、スリーブS1が1速ピースに対してスプライン嵌合し、右側の位置(リバース位置)に移動すると、スリーブS1がリバースピースに対してスプライン嵌合する。
スリーブS2は、第1入力軸Ai1と一体回転するハブに対して軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS2が図1に示す位置(非接続位置)にある場合、スリーブS2は、駆動ギヤG3iと一体回転する3速ピース、及び、駆動ギヤG5iと一体回転する5速ピースに対して共にスプライン嵌合しない。スリーブS2が非接続位置より左側の位置(3速位置)に移動すると、スリーブS2が3速ピースに対してスプライン嵌合し、右側の位置(5速位置)に移動すると、スリーブS2が5速ピースに対してスプライン嵌合する。
以上より、第1機構部M1では、スリーブS1,S2を共に非接続位置に調整すると、第1入力軸Ai1と出力軸AOとの間で動力伝達系統が形成されないニュートラル状態が得られる。ニュートラル状態においてスリーブS1が1速位置へ移動すると、1速の減速比を有する動力伝達系統が形成され(1速が確立され)、ニュートラル状態においてスリーブS1がリバース位置へ移動すると、リバースの減速比を有する動力伝達系統が形成される(リバースが確立される)。ニュートラル状態においてスリーブS2が3速位置へ移動すると、3速の減速比を有する動力伝達系統が形成され(3速が確立され)、ニュートラル状態においてスリーブS2が5速位置へ移動すると、5速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(5速が確立される)。
第2機構部M2は、互いに常時噛合する2速の駆動ギヤG2i及び2速の被動ギヤG2oと、互いに常時噛合する4速の駆動ギヤG4i及び4速の被動ギヤG4oと、互いに常時噛合する6速の駆動ギヤG6i及び6速の被動ギヤG6oと、スリーブS3,S4とを備える。スリーブS3,S4はそれぞれ、スリーブアクチュエータAS3,AS4により駆動される。
駆動ギヤG2i,G4i,G6iは全て、第2入力軸Ai2に一体回転するように固定されている。被動ギヤG2o,G4o,G6oは全て、出力軸AOに相対回転可能に支持されている。
スリーブS3は、出力軸AOと一体回転するハブに対して軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS3が図1に示す位置(非接続位置)にある場合、スリーブS3は、被動ギヤG2oと一体回転する2速ピース、及び、被動ギヤG4oと一体回転する4速ピースに対して共にスプライン嵌合しない。スリーブS3が非接続位置より右側の位置(2速位置)に移動すると、スリーブS3が2速ピースに対してスプライン嵌合し、左側の位置(4速位置)に移動すると、スリーブS3が4速ピースに対してスプライン嵌合する。
スリーブS4は、出力軸AOと一体回転するハブに対して軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS4が図1に示す位置(非接続位置)にある場合、スリーブS4は、被動ギヤG6oと一体回転する6速ピースに対してスプライン嵌合しない。スリーブS4が非接続位置より右側の位置(6速位置)に移動すると、スリーブS4が6速ピースに対してスプライン嵌合する。
以上より、第2機構部M2では、スリーブS3,S4を共に非接続位置に調整すると、第2入力軸Ai2と出力軸AOとの間で動力伝達系統が形成されないニュートラル状態が得られる。ニュートラル状態においてスリーブS3が2速位置へ移動すると、2速の減速比を有する動力伝達系統が形成され(2速が確立され)、ニュートラル状態においてスリーブS3が4速位置へ移動すると、4速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(4速が確立される)。ニュートラル状態においてスリーブS4が6速位置へ移動すると、6速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(6速が確立される)。
第1、第2クラッチC1,C2は、同軸的且つ軸方向に直列に配置構成されている。第1クラッチC1のクラッチストロークSt1は、クラッチアクチュエータAC1により調整される。図2に示すように、クラッチストロークSt1を調整することで、第1クラッチC1が伝達可能な最大トルク(第1クラッチトルクTc1)が調整され得る。「Tc1=0」の状態では、エンジンE/Gの出力軸AEと第1入力軸Ai1との間で動力伝達系統が形成されない。この状態を「分断状態」と呼ぶ。また、「Tc1>0」の状態では、エンジンE/Gの出力軸AEと第1入力軸Ai1との間で動力伝達系統が形成される。この状態を「接合状態」と呼ぶ。なお、クラッチストロークとは、クラッチアクチュエータにより駆動される摩擦部材の原位置(クラッチストローク=0)からの圧着方向(クラッチトルクの増大方向)への移動量を意味する。
同様に、第2クラッチC2のクラッチストロークSt2は、クラッチアクチュエータAC2により調整される。図2に示すように、クラッチストロークSt2を調整することで、第2クラッチC2が伝達可能な最大トルク(第2クラッチトルクTc2)が調整され得る。第2クラッチC2についても、第1クラッチC1と同様に、「分断状態」及び「接合状態」が定義される。
また、本装置は、車両の車輪の車輪速度を検出する車輪速度センサV1と、アクセルペダルAPの操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサV2と、シフトレバーSFの位置を検出するシフト位置センサV3と、を備えている。
更に、本装置は、電子制御ユニットECUを備えている。ECUは、上述のセンサV1〜V3からの情報等に基づいて、クラッチアクチュエータAC1,AC2、並びにスリーブアクチュエータAS1〜AS4を制御することで、変速機T/Mの変速段、及び第1、第2クラッチC1,C2の状態を制御する。以上、本装置は、ダブルクラッチトランスミッション(DCT)を用いた動力伝達装置である。
(通常の制御)
本装置では、シフトレバーSFの位置が「自動モード」に対応する位置にある場合、ECU内のROM(図示せず)に記憶された図3に示す変速マップに基づいて変速機T/Mの変速段が決定される。より具体的には、本装置では、車輪速度センサV1から得られる車輪速度に基づいて算出される車速と、アクセル開度センサV2から得られるアクセル開度との組み合わせが、変速マップ上におけるどの変速段の領域に対応するかにより、達成すべき1つの変速段(以下、「選択変速段」と呼ぶ。)が選択される。例えば、現在の車速がαで現在のアクセル開度がβである場合(図3に示す黒点を参照)、選択変速段として「3速」が選択される。
図3に示す変速マップは、車速とアクセル開度との組み合わせに対して最適な変速段を適合する実験を、前記組み合わせを種々変更しながら繰り返し行うことにより取得され得る。また、この変速マップは、ECU内のROMに記憶されている。なお、シフトレバーSFの位置が「手動モード」に対応する位置にある場合、運転者によるシフトレバーSFの操作に基づいて選択変速段が選択される。
以下、説明の便宜上、第1クラッチC1、第1入力軸Ai1、及び第1機構部M1で構成される系統を「第1系統」と呼び、第2クラッチC2、第2入力軸Ai2、及び第2機構部M2で構成される系統を「第2系統」と呼ぶ。また、第1、第2機構部M1,M2、第1、第2クラッチC1,C2、第1、第2入力軸Ai1,Ai2、第1、第2系統のうちで、選択変速段に対応する方をそれぞれ、「選択機構部」、「選択クラッチ」、「選択入力軸」、「選択系統」と呼び、選択変速段に対応しない方をそれぞれ、「非選択機構部」、「非選択クラッチ」、「非選択入力軸」、「非選択系統」と呼ぶ。
上述したように、この変速機T/Mでは、第1機構部M1にて1速を含む奇数段(1速、3速、5速)が選択的に確立され得、第2機構部M2にて2速を含む偶数段(2速、4速、6速)が選択的に確立され得る。従って、選択変速段が現在の変速段から現在の変速段より1段だけ高速側の変速段へ変更(シフトアップ)される毎に、或いは、選択変速段が現在の変速段から現在の変速段より1段だけ低速側の変速段へ変更(シフトダウン)される毎に、第1、第2系統間において選択系統と非選択系統とが入れ替わる。
変速マップにより選択変速段が選択されると、選択機構部において選択変速段が確立された状態で選択クラッチが接合状態に制御され、非選択クラッチが分断状態に制御される。接合状態にある選択クラッチのクラッチトルクは、エンジンE/Gの駆動トルク(エンジントルク)よりも大きい範囲内(即ち、選択クラッチに滑りが発生しない範囲内)において任意の値に設定され得る。例えば、接合状態にある選択クラッチのクラッチトルクは、最大値Tmaxに設定されてもよいし(図2を参照)、エンジントルクに対して一定値だけ大きい値に調整されてもよい。
これにより、エンジンE/Gの出力軸AEと変速機T/Mの出力軸AOとの間で、選択系統を介して選択変速段の減速比を有する動力伝達系統が形成される。従って、選択系統を介してエンジントルクが駆動輪に伝達され得る。
他方、非選択系統では、非選択クラッチが分断状態(クラッチトルク=0)となっている。従って、次に選択変速段となる変速段(具体的には、現在の選択変速段よりも1段だけ高速側又は低速側の変速段)が確立された状態で非選択機構部を待機させておくことができる。具体的には、例えば、現在の選択変速段が「3速」の場合(即ち、第1機構部M1が選択機構部となる場合)、非選択機構部である第2機構部M2を「4速」又は「2速」が確立した状態で待機させておくことができる。
本装置では、周知の手法の1つにより、現在までの車両の運転状態の推移(例えば、車速の推移、エンジントルクの推移、アクセル開度の推移等)に基づいて、シフトアップ及びシフトダウンの何れが次になされるかが予測される。そして、シフトアップがなされると予測される場合、非選択機構部が「現在の選択変速段よりも1段だけ高速側の変速段が確立された状態」で待機させられる。シフトダウンがなされると予測される場合、非選択機構部が「現在の選択変速段よりも1段だけ低速側の変速段が確立された状態」で待機させられる。
加えて、本装置では、車両の状態(車速とアクセル開度の組み合わせ)の変化により選択変速段が変更される場合、即ち、シフトアップ又はシフトダウンがなされる場合において、第1、第2クラッチ間で選択クラッチと非選択クラッチを入れ替える作動(即ち、「接合状態にあったクラッチを分断状態に変更する作動」と「分断状態にあったクラッチを接合状態に変更する作動」)が同時期に実行される。これにより、シフトアップ又はシフトダウンがなされる場合において、エンジントルクが変速機T/Mの出力軸AE(従って、駆動輪)に対して途切れなく伝達され得る。この結果、変速ショックが低減され得る。以上、本装置による通常の制御について説明した。
(タッチ点の取得)
上述したように、第1、第2クラッチC1,C2について、クラッチトルクは、クラッチストロークを調整することにより調整される。より具体的には、予め作製された図2に示す「ストローク−トルク特性」を規定するマップと、達成すべき(目標)クラッチトルクとに基づいて、目標クラッチストロークが決定される。実際のクラッチストロークがこの目標クラッチストロークと一致するようにクラッチアクチュエータが制御される。これにより、実際のクラッチトルクが目標クラッチトルクと一致するように調整される。
ところで、実際の「ストローク−トルク特性」は、クラッチの摩擦部材の摩耗、車両走行中においてクラッチに作用する過大な負荷による摩擦部材の発熱による膨張等によって変化し得る。従って、実際の特性がマップに規定された特性からずれる場合が発生し得る。このような「ずれ」が発生している場合、目標クラッチストロークが本来決定されるべき値に決定され得ない。この結果、実際のクラッチトルクが目標クラッチトルクと異なる値に調整される事態が発生し得る。
係る事態に対処するためには、マップに規定される「ストローク−トルク特性」を実際の「ストローク−トルク特性」と一致するように補正する必要がある。ここで、クラッチの接合状態と分断状態との境界に対応するクラッチストロークを「タッチ点」(或いは、スタンバイ点)と呼ぶ(図2を参照)。マップに規定された特性に対する実際の特性のずれの傾向は、タッチ点のずれとして現れる。以上のことから、本装置では、車両走行中においてタッチ点が取得される。
タッチ点を取得するためには、クラッチストロークを実際に変化させて、少なくとも短期間に亘ってクラッチを分断状態(クラッチトルク=0)にする必要がある。従って、変速機とエンジンとの間に単一のクラッチが備えられる場合、車両走行中において車両の加速・減速状態に影響を与えることなくタッチ点を取得することは非常に困難である。
これに対し、DCTの場合、非選択機構部が開放状態に維持された状態では、車両走行中において非選択クラッチのクラッチストロークを実際に変化させても、車両の加速・減速状態に影響を与えることはない(少ない)。本装置では、DCT特有のこの観点を有効に活用して、非選択クラッチのタッチ点が取得される。
以下、車両走行中においてタッチ点が取得される処理(タッチ点取得処理)がなされる場合における本装置の制御について、図4に示すフローチャート、並びに、図5に示すタイムチャートを参照しながら説明する。図5において、NEはエンジンE/Gの出力軸AEの回転速度(エンジン回転速度)であり、Ni1,Ni2はそれぞれ、第1、第2入力軸Ai1,Ai2の回転速度であり、St1,St2はそれぞれ、第1、第2クラッチのクラッチストロークである。なお、NE,Ni1,Ni2、St1,St2はそれぞれ図示しないセンサからの情報に基づいて検出され得る。
本装置(ECU)では、先ず、ステップ405にて、取得条件が成立しているか否かが判定され、「No」と判定される場合、この処理が終了する。この取得条件は、例えば、車両が走行中(車速>0)であり、且つ、前回のタッチ点の取得完了から車両が所定距離以上走行している場合等に成立する。
取得条件が成立していると(ステップ405にて「Yes」)、ステップ410にて、非選択機構部が開放状態に維持される。具体的には、取得条件が成立する前から非選択機構部が開放状態にある場合、非選択機構部が引き続き開放状態に維持される。一方、取得条件が成立する前にて非選択機構部において何れかの変速段が確立されていた場合、取得条件の成立に基づいて、非選択機構部が開放状態に変更・維持される。
図5に示す例では、取得条件が成立する時刻t1以前において、第1、第2系統がそれぞれ選択系統、非選択系統に設定され、選択機構部である第1機構部M1において「3速」が確立され、非選択機構部である第2機構部M2において「4速」が確立されている。選択クラッチである第1クラッチC1のクラッチストロークSt1は、第1クラッチトルクTc1がエンジントルクよりも大きくなるように、十分に大きい所定の値に調整されている。このため、第1クラッチC1に滑りが発生しておらず、従って、選択入力軸である第1入力軸Ai1の回転速度Ni1は、エンジン回転速度NE(即ち、「3速」の減速比と現在の車速とで決定される回転速度)と一致している。また、非選択入力軸である第2入力軸Ai2の回転速度Ni2は、「4速」の減速比と現在の車速とで決定される回転速度となっている(Ni2<Ni1)。一方、非選択クラッチである第2クラッチC2のクラッチストロークSt2は、第2クラッチトルクTc2を「0」にするために「0」に維持されている。
時刻t1にて、上述した取得条件の成立により(ステップ405にて「Yes」)、ステップ410が実行されたことにより、非選択機構部である第2機構部M2が、「4速」が確立された状態から開放状態に変更される。これにより、第2入力軸Ai2は、エンジン側からも駆動輪側からも動力伝達を受けない状態となる。この結果、時刻t1以降、第2入力軸Ai2の回転速度Ni2は、「4速」の減速比と現在の車速とで決定される回転速度から低下していく。その後、回転速度Ni2は、第2入力軸Ai2の慣性トルクと変速機T/M内の潤滑油に起因する粘性トルク等に影響されて、或る小さい値で推移する。
ステップ415では、非選択クラッチのクラッチストロークが「0」から徐々に増大される。この処理は、上述した取得条件の成立から所定時間が経過した時点で開始される。図5に示した例では、時刻t1から前記所定時間が経過した時刻t2から、非選択クラッチである第2クラッチC2のクラッチストロークSt2が、「0」から徐々に増大されている。
この処理の実行により、非選択入力軸である第2入力軸Ai2は、エンジン側から動力を受けるようになる。第2入力軸Ai2が受けるこの動力は、クラッチストロークSt2の増大による第2クラッチトルクTc2の増大により、徐々に増大していく。この結果、時刻t2以降(より正確には、クラッチストロークSt2が第2クラッチC2の実際のタッチ点を超えた時点以降)、第2入力軸Ai2の回転速度Ni2は、上述した「小さい値」から徐々に増大していく。
ステップ420では、非選択入力軸の回転速度がエンジン回転速度NEと一致したか否かが判定され、「No」と判定される場合、ステップ415の処理が繰り返される。即ち、非選択入力軸の回転速度がエンジン回転速度NEと一致するまで、非選択クラッチのクラッチストロークの増大が継続される。図5に示した例では、第2入力軸Ai2の回転速度Ni2がエンジン回転速度NEと一致する時刻t3まで、第2クラッチC2のクラッチストロークSt2の増大が継続される。
非選択入力軸の回転速度がエンジン回転速度NEと一致すると、ステップ425にて、非選択クラッチのクラッチストロークが徐々に減少される。図5に示した例では、時刻t3から、クラッチストロークSt2が徐々に減少される。これにより、第2入力軸Ai2がエンジン側から受けるこの動力は、クラッチストロークSt2の減少による第2クラッチトルクTc2の減少により、徐々に減少していく。この結果、時刻t3以降、第2入力軸Ai2の回転速度Ni2は徐々に減少していく。
ステップ430では、非選択入力軸の回転速度の変化率が「0」と一致したか否かが判定され、「No」と判定される場合、ステップ425の処理が繰り返される。即ち、非選択入力軸の回転速度の変化率が「0」となるまで、非選択クラッチのクラッチストロークの減少が継続される。図5に示した例では、第2入力軸Ai2の回転速度Ni2の減少が終了して回転速度Ni2の変化率が「0」となる時刻t4まで、第2クラッチC2のクラッチストロークSt2の減少が継続される。
非選択入力軸の回転速度の変化率が「0」と一致すると、ステップ435にて、現在の非選択クラッチのクラッチストロークが非選択クラッチのタッチ点として取得される。図5に示した例では、時刻t4におけるクラッチストロークSt2が第2クラッチC2のタッチ点Stlearnとして取得される。この処理は、「クラッチストロークがタッチ点を通過する時点以降において非選択入力軸がエンジン側から受ける動力がゼロになり、非選択入力軸の回転速度が上述した「小さい値」で一定で推移するであろう」と考えられることに基づく。
このように取得されたタッチ点Stlearnは、非選択クラッチの「ストローク−トルク特性」を規定するマップの補正に供される。例えば、図5に示した例では、第2クラッチC2のタッチ点Stlearnが取得される。図6に示すように、ECU内のROMに現在記憶されている第2クラッチC2の「ストローク−トルク特性」を規定するマップにおけるタッチ点がStmem(<Stlearn)である場合、このマップの特性が、実線で示す特性から破線で示す特性に補正される。この補正以降、第2クラッチC2の目標クラッチストロークが本来決定されるべき値に決定されるようになる。この結果、第2クラッチC2の実際のクラッチトルクが目標クラッチトルクと一致するようになる。
本装置では、上述と同様のタッチ点取得処理が、第1クラッチC1が非選択クラッチとなる場合にも実行される。これにより、第1、第2クラッチC1,C2のそれぞれについて、「ストローク−トルク特性」を規定するマップ(図2を参照)が補正される。
(作用・効果)
以上、本装置によれば、「非選択機構部が開放状態に維持された状態では、車両走行中において非選択クラッチのクラッチストロークを実際に変化させても車両の加速・減速状態に影響を与えることはない」というDCT特有の特徴を有効に活用することで、車両走行中において車両の加速・減速状態に影響を与えることなくクラッチのタッチ点を取得することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、非選択入力軸の回転速度の変化率が「0」と一致する時点での非選択クラッチのクラッチストロークが非選択クラッチのタッチ点として取得されているが、非選択入力軸の回転速度の変化率(の絶対値)が「0」より大きい微小値以下となる時点での非選択クラッチのクラッチストロークが非選択クラッチのタッチ点として取得されてもよい。
加えて、上記実施形態では、非選択クラッチのクラッチストロークが徐々に減少していく過程において非選択入力軸の回転速度の変化率がゼロ以外からゼロに変化したことに基づいて非選択クラッチのタッチ点が取得されているが(図5の時刻t4を参照)、非選択クラッチのクラッチストロークがゼロから徐々に増大していく過程において非選択入力軸の回転速度の変化率がゼロからゼロ以外に変化したことに基づいて非選択クラッチのタッチ点が取得されてもよい(図5の時刻t5を参照)。
クラッチの実際の「ストローク−トルク特性」では、ヒステリシスの影響により、クラッチストロークが増大していく過程での特性とクラッチストロークが減少していく過程での特性との間で差異が生じ得る。従って、クラッチストロークが増大していく過程でのタッチ点(クラッチトルクがゼロからゼロ以外に変化するクラッチストローク)とクラッチストロークが減少していく過程でのタッチ点(クラッチトルクがゼロ以外からゼロに変化するクラッチストローク)との間でもずれが生じ得る。従って、このヒステリシスが考慮される場合、これら2つのタッチ点を区別して扱う必要がある。
T/M…手動変速機、E/G…エンジン、C1,C2…第1、第2クラッチ、Ai1,Ai2…第1、第2入力軸、AO…出力軸、M1,M2…第1、第2機構部、AC1,AC2…クラッチアクチュエータ、AS1〜AS4…スリーブアクチュエータ、V1…車輪速度センサ、V2…アクセル開度センサ、ECU…電子制御ユニット

Claims (2)

  1. 車両の駆動源から動力が入力される第1入力軸と、前記駆動源から動力が入力される第2入力軸と、前記車両の駆動輪へ動力を出力する出力軸と、複数の全変速段のうちの一部である第1グループの1つ又は複数の変速段の何れか1つを選択的に確立して前記第1入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成する確立状態又は前記第1グループの変速段の何れも確立せずに前記第1入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成しない開放状態を選択的に達成する第1機構部と、前記全変速段のうちの残りである第2グループの1つ又は複数の変速段の何れか1つを選択的に確立して前記第2入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成する確立状態又は前記第2グループの変速段の何れも確立せずに前記第2入力軸と前記出力軸との間で動力伝達系統を形成しない開放状態を選択的に達成する第2機構部と、を備えた変速機と、
    前記駆動源の出力軸と前記第1入力軸との間に介装されて、クラッチストロークの調整により、前記駆動源の出力軸と前記第1入力軸との間において伝達可能な最大トルクであるクラッチトルクを調整可能な第1クラッチと、
    前記駆動源の出力軸と前記第2入力軸との間に介装されて、クラッチストロークの調整により、前記駆動源の出力軸と前記第2入力軸との間において伝達可能な最大トルクであるクラッチトルクを調整可能な第2クラッチと、
    前記第1、第2クラッチについてのクラッチストロークとクラッチトルクとの関係を規定するマップを記憶する記憶手段と、
    前記車両のシフト操作部材の操作、及び/又は、前記車両の走行状態に基づいて1つの変速段を選択変速段として選択し、前記第1、第2機構部のうちで前記選択変速段に対応する選択機構部を制御して前記選択変速段が確立された状態で前記第1、第2クラッチのうちで前記選択機構部に対応する選択クラッチのクラッチストロークを前記マップに基づいて制御して前記選択クラッチのクラッチトルクをゼロより大きい目標値に制御し、前記選択クラッチと異なる非選択クラッチのクラッチストロークを制御して前記非選択クラッチのクラッチトルクをゼロに制御する制御手段と、
    を備えた車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記車両の走行中において、前記選択機構部と異なる非選択機構部が前記開放状態に維持された状態において前記非選択クラッチのクラッチストロークを調整して、前記非選択クラッチについて、前記第1、第2入力軸のうちで前記非選択クラッチに対応する非選択入力軸と前記駆動源の出力軸との間の動力伝達系統が形成される接合状態と前記動力伝達系統が形成されない分断状態との境界に対応するクラッチストロークをタッチ点として取得する取得手段を備え、
    前記取得手段は、
    前記非選択機構部が前記開放状態に維持された状態において、前記非選択クラッチのクラッチストロークを圧着方向に向けてゼロから徐々に増大し、前記非選択入力軸の回転速度が前記駆動源の出力軸の回転速度と一致した後に前記非選択クラッチのクラッチストロークを離間方向に向けて徐々に減少し、前記非選択入力軸の回転速度の変化率が所定値以下となったときの前記非選択クラッチのクラッチストロークを前記タッチ点として取得するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記変速機は、
    前記第1グループの複数の変速段として1速を含む複数の奇数段を備え、前記第2グループの複数の変速段として2速を含む複数の偶数段を備えた車両の動力伝達制御装置。
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