JP5422222B2 - シクロオレフィンの製造方法およびそれに用いる選択的水素化触媒 - Google Patents

シクロオレフィンの製造方法およびそれに用いる選択的水素化触媒 Download PDF

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Description

本発明は、シクロオレフィンの製造方法、さらに詳細には、シンプルなプロセス条件により高選択率でシクロオレフィンを製造する方法およびそのための選択的水素化触媒に関する。
単環芳香族炭化水素の部分水素化物であるシクロオレフィン類は、シクロヘキセンに代表されるように、ポリアミド原料などとして工業的価値が高い。ポリアミド樹脂であるナイロン66やナイロン6は、衣類、寝具等の繊維や樹脂シート、ギヤ、カム、軸受け等の工業製品の樹脂材料として幅広く使用されている。ナイロン66はアジピン酸とヘキサンジオールの縮重合により、またナイロン6はカプロラクタムを開重合することにより製造されている。ベンゼンを出発物質として、シクロヘキセン等の中間生成物を経て作られるシクロヘキサノールを経てナイロン66、ナイロン6に至る工業的生産ルートを下記表に示す。
Figure 0005422222
ベンゼンからシクロヘキサノールを経てアジピン酸を作る商業的生産プロセスには、下記に示すように、中間生成物としてフェノールまたはシクロヘキサンを経るルートと、ベンゼンの部分水素化によってできるシクロヘキセンを中間生成物とし、これを水和させてシクロヘキサノールを得る3種類のルートがある。
Figure 0005422222
現在、シクロヘキサノールの大部分は、ベンゼンの完全水素化により生成されるシクロヘキサンを空気酸化する方法を通じて作られるが、この方法では有機酸を含む大量の副生成物の廃棄処理、未反応のシクロヘキサンの回収、循環、液相酸化に対する安全上の配慮の必要性があり、改良が望まれている。
シクロヘキセン経由法は、シクロヘキサンやフェノールを経由するプロセスに比べて高価な水素の使用量が2/3になること、副生成物が利用可能なシクロヘキサンのみであること、水和によりシクロヘキサノールを得ることができる安全なプロセスであることから、工業的に実用化されている(非特許文献1、2参照)。
シクロオレフィンであるシクロヘキセンは、単環芳香族炭化水素であるベンゼンの部分水素化により合成されるが、その技術的な困難度は著しく高い。その理由としては、水素化に使用される触媒は、一般的には芳香族の水素化よりもその生成物であるオレフィンの水素化に強く作用し、シクロヘキサンまでの水素化が速やかに進み、中間生成物としてのシクロへキセンの収率が著しく小さいかまたは全くできないところにある。
上記シクロヘキセン経由法では、シクロヘキセン収率を向上させるために、水を連続相、ベンゼンを分散相とし、激しく攪拌した二相混合系にルテニウム触媒を懸濁させ、ここに加圧水素を共存させる4相からなる反応場が用いられている。触媒は水相に存在し、ベンゼン、水素がシクロヘキセンよりも水に溶け易く、一方、触媒表面で部分水素化されたシクロヘキセンが、水に溶け難く生成後速やかに水相からベンゼン相に移動することによって、逐次水素化が強制的に防止される。すなわち、シクロヘキセン収率の向上に、触媒上での反応に加えて溶解度の差による物質移動過程を利用するプロセスが構築されている(例えば、特許文献1、2、非特許文献1参照)。そして、上記4相系においては、ベンゼンの部分水素化触媒として用いることのできる金属種としては、ルテニウムもしくはそれを修飾したもの以外にはないとされている。
しかし、ルテニウムは、それ自身に強い逐次水素化能やシクロヘキセンをベンゼンとシクロヘキサンに不均化する触媒能があり、ルテニウムだけでは反応の選択性を高めることは難しく、亜鉛化合物などの助触媒添加、硫酸亜鉛などの塩の水相への溶解など触媒や反応系の改善が続けられている。例えば、ルテニウム触媒の性能は、担体の有無や種類、ルテニウムの価数や微視的な形態により反応は大きく影響される(非特許文献1参照)。ルテニウムは金属粒子として担体のない状態で使用することが反応の選択性を高める上で好ましく、また適当な結晶子サイズも存在する(非特許文献1、特許文献1、2参照)。触媒性能は基本的には、金属表面積に依存するために、担体を使用しない場合、高収率を得るためには、多量のルテニウムを必要とする。
また、ルテニウム触媒を用いたベンゼンの部分水素添加によるシクロヘキセンへの転換は、現行プロセスでは水相に存在する触媒表面での反応と、ベンゼン、水素および中間生成物のシクロヘキセンのベンゼン−水の2液相における拡散移動を利用しなければならない。この場合、反応速度と選択性は、触媒表面での反応過程に加えて、ベンゼン−水の2液相間における原料、生成物の溶解、拡散、抽出に伴う物質移動過程に大きく影響を受ける。具体的には、反応は、温度、水素圧力、油水の比率、混合状態などに微妙に影響されることから、定常的な活性と選択性を保ってシクロヘキセンを合成するためには、よりシンプルなプロセスが望まれる。さらに、ルテニウムは資源が偏在する稀少資源であることから、その使用は避けるか、使用量を減ずることが望ましい(非特許文献3参照)。
特開昭62−45541号公報 特開昭62−45544号公報
福岡陽平、永原肇、小西満月男、触媒、35(1)、34−39(1993) 福岡陽平、第29回触媒研究懇談会講演要旨集、平成3年7月29日−31日、23−28頁 田中清一郎編、「貴金属の科学 序編」田中貴金属工業株式会社創立100周年記念出版
単環芳香族炭化水素の部分水素化によりシクロヘキセンに代表されるシクロオレフィンを製造する方法としてベンゼンを部分水素化してシクロヘキセンを製造する方法においてはルテニウム触媒が用いられているが、ルテニウムは上記したように希少資源であり、また高価であることから、これを用いることなくシクロオレフィンを製造する方法が望まれる。また、従来のルテニウム触媒を用いる方法は、水を連続相、ベンゼンを分散相とし、激しく攪拌した二相混合系にルテニウム触媒を懸濁させ、ここに加圧水素を共存させる4相からなる反応場が不可欠であるので、よりシンプルな系、プロセス条件により、シクロオレフィンを製造する方法が望まれる。
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、単環芳香族炭化水素を部分水素化することによりシクロオレフィンを製造する際、ルテニウム触媒を用いることなく、かつシンプルな系、シンプルなプロセス条件で、高選択率でシクロオレフィンを製造する方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、この方法に用いられる触媒を提供することをも目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、従来単環芳香族炭化水素を触媒の存在下に部分水素化してシクロオレフィンを製造する際、その触媒としてルテニウムのみが有効であるとされていたところ、驚くべきことに、金を触媒として用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、この知見にもとづいて本発明をなしたものである。
すなわち、本発明は、以下のシクロオレフィンを製造する方法、およびこの方法に用いられる触媒に関する。
(1)単環芳香族炭化水素を触媒の存在下に部分水素化してシクロオレフィンを製造する方法において、該触媒としてルテニウム触媒を用いずに金微粒子からなる金触媒を用いることを特徴とする単環芳香族炭化水素から部分水素化によりシクロオレフィンを製造する方法。
(2)前記単環芳香族炭化水素がベンゼンであり、前記シクロオレフィンがシクロヘキセンであることを特徴とする上記(1)に記載の方法。
(3)前記単環芳香族炭化水素の部分水素化が、単環芳香族炭化水素溶液中に金触媒を懸濁させ水素加圧下で行われることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記単環芳香族炭化水素の部分水素化が、気体状の単環芳香族炭化水素と水素ガスを金触媒と接触させることにより行われることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の方法。
)前記金触媒が、金属酸化物担体に金微粒子が担持された触媒であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
)前記金触媒において、金が金属酸化物担体に対し0.01重量%〜50重量%担持されていることを特徴とする上記()に記載の方法。
)前記担体の金属酸化物が、3族、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族金属の少なくとも1種からなる金属の酸化物または水酸化物であることを特徴とする上記()または()に記載の方法。
)前記3族、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族金属が、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、スズ、およびセリウム、ランタンであることを特徴とする上記()に記載の方法。
)前記金触媒が、固相混合法、含浸法、共沈法、析出還元法、または析出沈殿法により金微粒子が金属酸化物担体に分散・固定化されたものであることを特徴とする上記()〜()のいずれかに記載の方法。
10)単環芳香族炭化水素を部分水素化してシクロオレフィンを製造する方法に用いられる触媒であって、該触媒としてルテニウム触媒を用いずに金微粒子からなる金触媒を用いることを特徴とする単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
11)前記単環芳香族炭化水素がベンゼンであり、前記シクロオレフィンがシクロヘキセンであることを特徴とする上記(10)に記載の単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
12)前記金触媒が、金属酸化物担体に金微粒子が分散・固定化されたものであることを特徴とする上記(10)または(11)に記載の単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
13)前記金触媒において、金が金属酸化物担体に対し0.01重量%〜50重量%担持されていることを特徴とする上記(12)に記載の単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
14)前記金属酸化物担体が、3族、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族金属の少なくとも1種からなる金属の酸化物または水酸化物からなることを特徴とする上記(12)または(13)に記載の単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
15)前記金触媒が、固相混合法、含浸法、共沈法、析出還元法、または析出沈殿法により金属酸化物担体に金微粒子が分散・固定化されたものであることを特徴とする上記(12)〜(14)のいずれかに記載の単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
従来、単環芳香族炭化水素を触媒の存在下に部分水素化してシクロオレフィンを製造する方法においては、唯一有用な触媒としてルテニウムが知られているが、このルテニウム触媒は高価であるし、希少金属であるのに対し、本発明で用いられる金は、ルテニウムに比べると安価で、希少金属といえるほどのものでもないので、シクロオレフィンを安価に、また希少金属を用いることなく製造することができる。
また、ルテニウムを触媒として用いるシクロヘキセンなどのシクロオレフィンの製造法においては、水を連続相、ベンゼンを分散相とし、激しく攪拌した二相混合系にルテニウム触媒を懸濁させ、ここに加圧水素を共存させる4相からなる反応場が必要とされ、また系の制御も温度、水素圧力、油水の比率、混合状態などを総合的に行うことが必要とされるが、本発明の金触媒を用いるシクロオレフィンの製造方法においては、単環芳香族炭化水素を液相または気相で直接触媒に接触させるのみで部分水素化を高選択率で行うことができることから、よりシンプルな系で、かつシンプルな制御によりシクロオレフィンを高選択率で製造することができる。
本発明のシクロオレフィンの製造方法は、シクロオレフィンの選択率が高く、また反応温度などを適宜制御すれば、シクロオレフィン以外に、原料の単環芳香族炭化水素の水素化物である工業的に有用なシクロアルキル化合物のみが生成され、不必要な副生成物が生成しないことから、工業的に不要な化合物の生成なく反応を進行させることができる。
本発明により、単環芳香族炭化水素を触媒の存在下に部分水素化してシクロオレフィンを製造する際に唯一有用であるとされるルテニウム以外の金属の中にも有用な金属触媒が存在することが分かり、さらに転化率の向上を行うことにより、ベンゼンから部分水素化によりシクロヘキセンを効率よく製造する新しい製造法の可能性が大きく広がるものである。
本発明のシクロオレフィンの気相製造方法を実施するために用いられる固定床流通型反応装置の一例の概要図である。 本発明のシクロオレフィンの液相製造方法を実施するために用いられる加圧反応装置の一例の概要図である。
本発明においては、上記したようにルテニウム触媒を用いずに金微粒子からなる金触媒を用い、単環芳香族炭化水素を部分水素化してシクロオレフィンが製造される。本発明においてシクロオレフィンを製造するために用いられる出発物質の単環芳香族炭化水素として、例えばベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンなどが挙げられる。
また、触媒として用いられる金微粒子からなる金触媒はどのような方法によって製造されたものでもよい。金触媒は金が触媒として機能するものであればどのような形態のものでもよい。無担持の金微粒子単体であってもよいし、金属酸化物などに担持されたものであってもよい。本発明において金微粒子という場合、金微粉体を含み、さらに金ナノ粒子、金クラスターであることが好ましい。金微粒子は、粒径が200nm以下の金微粒子、より好ましくは、20nm以下、さらに好ましくは5nm以下である、すなわち金ナノ粒子または金クラスターが好ましいものである。金微粒子が金属酸化物などに担持される場合、その担持量は、担体に対し通常0.01〜50重量%程度、さらには0.1〜10重量%程度であることが好ましい。
また、本発明において、担体として用いられる金属酸化物としては、3族、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族金属の少なくとも1種からなる金属の酸化物または水酸化物が用いられる。このような金属酸化物としては、例えば、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、スズ、およびセリウム、ランタンなどの、通常担体として用いられる金属の酸化物が挙げられる。また、これら以外の3族、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族金属の単一金属酸化物または水酸化物であってもよいし、シリカ・アルミナ、チタニア・シリカ、酸化スズ・シリカなどのような共酸化物であってもよい。さらに、金属酸化物は、前記酸化物の2種以上の混合物であってもよい。これらの中でも、二酸化セリウム(CeO2)、二酸化チタン(TiO2)、三酸化二ランタン(La23)、シリカ(SiO2)、二酸化スズ(SnO2)、四酸化三コバルト(Co34)、五酸化二タンタル(Ta25)、三酸化モリブデン(MoO3)、チタニア・シリカ(TiO2−SiO2)、二酸化スズ・シリカ(SnO2−SiO2)などが好ましいものとして挙げられ、二酸化セリウム(CeO2)、三酸化二ランタン(La23)、二酸化チタン(TiO2)はより好ましいものである。また、本発明においては、金属酸化物は金属水酸化物をも含む概念として用いられるもので、前記金属の水酸化物、例えば水酸化ランタン(La(OH)3)は本発明の金触媒担体として好ましいものの一つである。
このような金属酸化物担体あるいは金属水酸化物担体などに担持された金微粒子触媒は、ある特定の化合物に対する酸化触媒、あるいは還元触媒などとしては既に知られているものの、単環芳香族炭化水素を触媒の存在下に部分水素化してシクロオレフィンを製造する際の極めて優れた触媒であることについては知られていない。本発明で用いられる前記金属酸化物金微粒子触媒は、従来公知あるいは周知の固相混合法、含浸法、共沈法、析出還元法、析出沈殿法などによって製造することができる。
例えば、固相混合法による場合は、昇華性の金前駆体を用い、これを担体と固相で摩擦を加えながら混合した後、還元処理または焼成処理することにより金微粒子が担体に分散・固定化される。
昇華性の金前駆体としては、例えば、(CH32Au(CH3COCHCOCH3)、(CH32Au(CF3COCHCOCH3)、(CH32Au(CF3COCHCOCF3)、(C252Au(CH3COCHCOCH3)、(CH32Au(C65COCHCOCF3)、ClAuP(CH33、CH3AuP(CH33および下記一般式(1)あるいは(2)で表される金錯体などが用いられる。
Figure 0005422222
(式中、R1は−CH3または−CF3を表す。)
Figure 0005422222

(式中、R2は、−CH3または−CF3を表し、R3は、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、チグロイル基、アンゲロイル基、セネシオイル基、フェニル基、チエニル基、またはフリル基を表す。)
担体としては、前記した3族、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族金属の少なくとも1種からなる金属の酸化物または水酸化物が用いられるが、これら酸化物は、多孔性であってもなくてもよいが、多孔性のものが好ましく、比表面積(BET法)が通常50m2/g以上、特に100m2/g以上であることがより好ましい。また、酸化物は前処理されていても、されていなくてもよい。
固相混合時の金前駆体の量が多くなれば、必然的に担体の金担持量も多くなり、結果として粒径の大きな金微粒子が形成される。前記したように、本発明においては、金微粒子の大きさは5nm以下、担持量は0.1〜10重量%程度が好ましいので、例えばこのような金微粒子の大きさおよび担持量となるような量で用いられればよい。
また、還元方法としては、金前駆体を担持する前記固相混合後の担体を、例えば水素、一酸化炭素、アルコール等の還元性ガスの雰囲気で、50〜150℃程度の温度、10分〜24時間程度処理する方法、あるいは例えば200〜400℃で1〜5時間焼成する焼成還元する方法を用いることができる。
また、含浸法で製造される場合は、例えば、四塩化金酸、四塩化金酸塩、三塩化金、シアン化金、シアン化金カリウム、三塩化ジエチルアミン金酸、エチレンジアミン金錯体、ジメチル金β−ジケトン誘導体金錯体、エチル金β−ジケトン誘導体金錯体などの水溶液あるいは有機溶媒溶液に、多孔性の前記した金属酸化物を加え、十分に攪拌処理を行い、混合物から溶媒を蒸発除去した後、還元性ガスの雰囲気で加熱処理する、あるいは焼成還元することにより、本発明の金属酸化物担体担持金微粒子触媒が得られる。
共沈法による場合は、四塩化金酸、四塩化金酸塩、三塩化金、シアン化金、シアン化金カリウム、三塩化ジエチルアミン金酸、エチレンジアミン金錯体、ジメチル金β−ジケトン誘導体金錯体、エチル金β−ジケトン誘導体金錯体などの水溶性金化合物と上記担体酸化物を構成する金属の水溶性塩とを溶解した溶液をアルカリ性とすることにより、金および金属を水酸化物または炭酸塩などとして沈殿させ、沈殿物をろ過、乾燥した後粉砕し、適宜の温度でか焼することにより、本発明の金属酸化物担体担持金微粒子触媒を得ることができる。
析出還元法による場合は、四塩化金酸、四塩化金酸塩、三塩化金、シアン化金、シアン化金カリウム、三塩化ジエチルアミン金酸、エチレンジアミン金錯体、ジメチル金β−ジケトン誘導体金錯体、エチル金β−ジケトン誘導体金錯体などの水溶液、あるいは有機溶媒溶液に前記した金属酸化物を加え、クエン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤溶液を加えて、金属酸化物表面に金微粒子を析出還元させた後、沈殿物をろ過、乾燥することにより本発明の金属酸化物担体担持金微粒子触媒を得ることができる。
さらに、析出沈殿法による場合は、四塩化金酸、四塩化金酸塩、三塩化金、シアン化金、シアン化金カリウム、三塩化ジエチルアミン金酸、エチレンジアミン金錯体、ジメチル金β−ジケトン誘導体金錯体、エチル金β−ジケトン誘導体金錯体などの水溶液あるいは有機溶媒溶液に、多孔性の前記した金属酸化物を加え、金属酸化物表面にAu(OH)3を析出沈殿させた後、水酸化金が沈着した金属酸化物を遠心ろ過器により母液から分離、回収し、これを十分洗浄した後焼成還元することにより、本発明の金属酸化物担体担持金微粒子触媒を得ることができる。
また、金属水酸化物担体担持金微粒子触媒は、例えば共沈法で製造された沈殿物を乾燥し、300℃以下の温度で空気焼成または水素還元処理することにより製造することができる。
本発明における単環芳香族炭化水素の部分水素化によるシクロオレフィンの製造は、気相あるいは液相のいずれにおいても行うことができる。気相反応においては、単環芳香族炭化水素と水素ガスを気相で金触媒と接触させ、また液相反応においては、水素ガス存在下に単環芳香族炭化水素を金触媒と液状で接触させることにより反応が行われる。液相反応においては、溶媒を特に使用する必要はないが、必要に応じ使用することもできる。使用可能な溶媒は、原料となる炭化水素と均一相をなすものが適しており、例えば、炭化水素、エーテル、エステル、アルコールなどを用いることができる。また、水を一定量添加して液相部を水と炭化水素の2相となすことによって反応性能が向上する場合もある。
以下、本発明の単環芳香族炭化水素の部分水素化によるシクロオレフィンの製造方法を、図1および図2の装置を参照してさらに具体的に説明する。図1は、気相での単環芳香族炭化水素の水素化反応装置の一例を示すものであり、図2は、液相での単環芳香族炭化水素の水素化反応装置の一例を示すものである。本発明における単環芳香族炭化水素の気相または液相反応に用いられる装置は、本発明の反応が適宜進行するように構成された装置であればいずれのものでもよく、図1または図2に記載されたものに限られるものではない。
図1は、気相での単環芳香族炭化水素の水素化に用いられる固定床流通型の反応装置であり、この反応装置は、概略的にいうと、触媒床2を有する反応管1と、水素ガス供給手段である水素ガスボンベ3と、ベンゼンなどの単環芳香族炭化水素供給手段であるベンゼンバブラー7と、反応物と生成物の分離と分析を行うためのガスクロマトグラフィー11と12と、これら各装置を結ぶ配管からなっている。実際の工業的製造においては、反応管から出た反応ガスから、目的とするシクロオレフィンを分離する装置が必要に応じ配置される。
まず、反応管1は、この図の例では、8mmφ、長さ約200mmの円筒状ガラス管により形成されており、反応管内には触媒床2が設置されている。反応管は外側から、抵抗線で輻射加熱され、触媒床には熱電対9が差し込まれ、これにより触媒温度の検知を行うとともに、反応管の外側にあって触媒床の近傍にも、熱電対15が差し込まれており、この熱電対により検知された温度により、自動温度制御装置14(TPC−1000)により電気炉16の抵抗線加熱による温度制御を行い、触媒床の温度制御を行っている。
触媒が設置された反応管は、単環芳香族炭化水素の部分水素化に先立ち、必要に応じ水素ガスを用いての前処理が行われる。この前処理は、水素ガス供給手段である水素ガスボンベ3からマスフローコントローラー4、流量計5を経て反応管に送り込まれる。このとき、三方コック6の位置は、ベンゼンバブラー7、コンデンサー8を通らず、三方コック6、6を直結するルートとされる。前処理を行う場合、使用される担体の種類、金微粒子の製造方法、触媒量、装置の大きさなどにより適宜の水素ガス流量、処理温度、処理時間とすればよく、特にこれら水素ガス流量、温度、処理時間などによって限定されるものではない。図1の装置においては、常圧で水素ガスを57.5ml/min流しながら触媒温度150〜300℃程度の温度で1時間程度前処理が行われているが、水素ガス流量、水素ガス濃度、処理温度、処理時間がこれに限定されるものではない。この前処理により、金触媒表面の酸化的化学種が還元され、触媒活性と安定性が改善される。
一方、単環芳香族炭化水素の部分水素化を行う場合には、三方コック6を切り替え、水素ガスをベンゼンバブラー7に送る。ベンゼンバブラー7には単環芳香族炭化水素、例えばベンゼンが収容されており、送られてきた水素ガスは例えばベンゼン中に常温でバブリングされる。これにより水素ガス中に単環芳香族炭化水素が蒸発含有される。このとき単環芳香族炭化水素は水素ガス中に飽和状態とされてもよいし、不飽和な状態とされてもよい。こうして得られた単環芳香族炭化水素蒸気含有水素ガスは、コンデンサー8に送られる。この装置においては、水素ガス中の単環芳香族炭化水素分圧がコンデンサーの温度設定によってコントロールされ、結果的に水素ガス中の単環芳香族炭化水素の含有量が制御される。例えば、コンデンサーの温度を10℃とすることにより、水素ガス中におけるベンゼン濃度を6%にコントロールすることができる。単環芳香族炭化水素濃度が調整された反応原料ガスは、反応管1に送られる。なお、本発明においては、水素ガス中への単環芳香族炭化水素の混合方法、濃度調整方法は、公知あるいは周知の任意の方法を用いて行われればよい。
図1の装置においては、コンデンサー8の出口から反応管1までの経路、および反応ガスが反応管を出た後、ガスクロクロマトグラフィーの六方コック10、および流量計13までの経路は、管内で芳香族炭化水素が凝縮し、管壁に付着することを防止するため、例えば80℃に加熱されている。反応管には、前記したように触媒がセットされるが、これは反応管のガラス管壁の一部を少し窪ませ、そのくぼみを利用して石英グラスウールを置き、この上に触媒が均等分布するように載せられる。触媒量は、使用する金触媒の種類に応じ適宜の量とされればよく、特に限定されるものではない。触媒量が少ない場合には、触媒を反応に対し不活性な無機微粉末と適宜混合し、これを石英グラスウール上に載せてもよい。触媒温度は、反応が進行する限りどのような温度であってもよいが、例えば40〜150℃程度の温度で行われればよい。また、水素ガス流量、芳香族炭化水素流量も触媒量、装置の大きさなどを勘案して適宜の量とされればよい。反応温度が高くなれば、一般的には、単環芳香族炭化水素の転化率は高くなる。さらに、触媒の設置方法は上記のものに限られず、任意の方法であってよい。
反応後のガスは、通常状態では、六方コック10、流量計13を経由して反応装置から排出される。反応が定常状態になった後、適宜の時期に、六方コック10をガスクロマトグラフィー11側に切り替え、反応混合ガスを一定量蓄積した後、六方コック10を再度流量計側に切り替える。これとともに、蓄積された反応混合ガスをガスクロマトグラフィー11に送り、データ解析、記録装置であるクロマトパック12からデータの出力を行う。
一方、図2は、液相での単環芳香族炭化水素の水素化に用いられるオートクレーブを用いた加圧型の反応装置である。この加圧型の反応装置は、単環芳香族炭化水素液および本発明の触媒が収容され、内部に攪拌子23を有する耐圧容器であるオートクレーブ21とこれを加熱する加熱器やマントルヒーターなどの加熱手段22と、オートクレーブに水素ガスを導入する水素ガス導入管24と水素ガス導入コック25、水素ガス排出コック26および圧力ゲージ27からなっている。この他、排出コックを通して装置外に排出された反応生成物を含む単環芳香族炭化水素溶液から、目的とするシクロオレフィンを分離、回収する装置が必要に応じ配置される。
図2の装置を用い、反応は次のように行われる。すなわち、先ず、オートクレーブ内に反応原料物質である所定量の単環芳香族炭化水素液、例えばベンゼンと、金触媒を入れ、オートクレーブの蓋を閉めた後、水素ガス導入コック25を開いて水素導入管を通してオートクレーブ内に水素ガスを圧入する。その後水素ガス導入コックを閉め、攪拌子でオートクレーブ内の単環芳香族炭化水素および金触媒を攪拌しながら所定の温度まで加熱し、攪拌下に所定の温度で所定時間保持した後放冷する。その後水素ガス排出コック26を開いて、水素ガスを放出し、反応液を取り出し、触媒を分離後、ガスクロマトグラフィーで成分分析を行う。使用される触媒、反応装置によっても異なるが、通常、反応温度は、50〜300℃、より好ましくは100〜250℃、水素ガス圧(初期)は、常圧〜50気圧、より好ましくは2〜20気圧、触媒量は、単環芳香族炭化水素に対し、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、反応時間は、0.1〜50時間、より好ましくは0.5〜10時間とされる。
反応形式は特に限定されない。例えば、液相反応の反応形式においては、回分、半回分、連続のいずれの形態においても実施できる。こうして得られたシクロオレフィンは、適宜の手段で分離され、工業用原料として利用される。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例、比較例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例における金の平均粒径はTEMでの観察によった。
〔触媒の製造〕
実施例1〔Au/CeO2触媒の調製(1wt%、固相混合法)〕
担体酸化物であるCeO2(第一希元素化学工業(株))1gとジメチル金アセチルアセトナト錯体〔Au(acac)(CH2〕(分子量326.1)16.5mgを容量30ccの秤量瓶に入れ、Ar雰囲気で5分間よく振り混ぜた後、内容物をメノウ乳鉢中に移し、乳棒を用いて20分間入念に摺り混ぜた。この間に酸化物表面水酸基との反応によりAu(acac)(CH32がCeO表面に固定される。摺り混ぜ終了後、Au(acac)(CH32を固定化させた酸化物を溶融石英ボートに移し、空気気流中(空気:50ml/分)、180℃まで10℃/minで昇温し、この温度で4時間保持した後、室温まで放冷して、酸化セリウム担体担持金ナノ粒子(Au/CeO2)触媒を得た。金の担持量は1重量%であった。
実施例2〔Au/La23触媒の調製(La/Au=2、共沈法)〕
Au270mgを含むHAuCl4(化学式量340.0)およびLa2(NO3・6H2Oの試薬1.186gを溶かした水溶液1L(pH=2.54)を70℃に加温した。一方、前記の金属塩の中和に必要な化学量論比の1.2倍のNaCOを含む水溶液1Lを作り、これを70℃に加温し、これに上記で製造した塩化金酸水溶液を攪拌下に5分以内に添加し、その後70℃に保温しながら攪拌を1時間続けた。攪拌を止め、自然放冷して沈殿が沈降するまで静置し、デカンテーションにより上澄み液を捨て、蒸留水2Lで洗浄を行った。これを5回以上繰り返し、上澄み液のpHの変化がなくなった後、吸引濾過により沈殿物を分離した。得られた固形物を真空乾燥、または120℃にした乾燥機で半日以上乾燥し、乾燥した固形物を適度に砕き、空気中150℃から300℃の温度の範囲で4時間焼成し、水酸化ランタンまたは酸化ランタン担体担持金ナノ粒子(Au/La(OH)3またはLa23)触媒(以下、Au/La23触媒と略す)を得た。金の平均粒径は1.3nm、金の担持量は1重量%であった。
実施例3〔Au/TiO2触媒の調製(2.7wt%、析出沈殿法)〕
Au270mgを含むHAuCl4(化学式量340.0)水溶液1L(pH=2.54)を70℃に加温し、これに最初1M−NaOH、次に0.1M−NaOHを滴下して、HAuCl4水溶液のpHを7.0とした。この溶液に担体TiO(触媒学会参照触媒 JRC−TIO−4、比表面積60m2/g、)10gを一挙に加え、懸濁液とし、70℃に保ったまま一時間撹拌を続けた。この間に、Au(OH)3のTiO2表面への析出沈殿が生じた。1時間後、遠心ろ過器により触媒(Au(OH)3/TiO2)を母液から分離し、デカンテーションにより出来るだけ母液を取り除いた。残余の触媒にイオン交換水を加え1Lの縣濁液とし、撹拌を行なうことにより触媒の洗浄を行ない、再度遠心ろ過器により触媒を洗浄液から分離し、デカンテーションにより出来るだけ洗浄液を取り除いた。洗浄液の一部に1M−AgNOを加え、白濁の有無を確かめた。洗浄液に1M−AgNO3を添加して、白濁が認められなくなるまで、前記操作を繰り返した。洗浄完結確認後、Au(OH)3/TiO2を凍結乾燥器に移し、一晩乾燥させ、乾燥後の試料を電気炉に移し、400℃で4時間焼成し、酸化チタン担体担持金ナノ粒子(Au/TiO2)触媒を得た。金の平均粒径は3.5nm、金の担持量は2.7重量%であった。
実施例4〔Au/Al23触媒の調製(1wt%、固相混合法)〕
実施例1において、担体酸化物としてAl23を用いることを除き、他は実施例1と同様にして酸化アルミニウム担体担持金微粒子(Au/Al23)触媒を得た。金の平均粒径は2.4nm、金の担持量は1重量%であった。
実施例5〔Au/Ti−SiO2触媒の調製(6%wt%、析出沈殿法)〕
SiO2(キャリアクトQ−10、平均粒径60μm)10gを、チタンイソプロポキドを2−プロパノールに溶解させた液に投入後、攪拌を30分行った後、エバポレーターで溶媒を除去し、100℃で12時間乾燥した。次に、空気中600℃で3時間焼成を行い、Ti−SiO2担体を調製した。
一方、Au270mgを含むHAuCl4(化学式量340.0)水溶液1L(pH=2.54)を70℃に加温し、駒込ピペットを用いて、最初1M−NaOH,次に0.1M−NaOHを滴下し、HAuCl4水溶液のpHを7.0に合わせた。この溶液に上記で製造した担体Ti−SiO2 10gを一挙に加え、懸濁液とし、70℃に保ったまま一時間撹拌を続けた。この間に、Au(OH)3のTiO2表面またはTi4+サイトへの析出沈殿が生じた。1時間後、遠心ろ過器により触媒(Au(OH)3/Ti−SiO2)を母液から分離し、デカンテーションにより出来るだけ母液を取り除き、残余の触媒にイオン交換水を加え1Lの縣濁液とし、撹拌を行うことにより触媒の洗浄を行った。再度遠心ろ過器により触媒を洗浄液から分離し、デカンテーションにより出来るだけ洗浄液を取り除いた。洗浄液の一部に1M−AgNO3を加え、白濁の有無を確かめ、洗浄液に1M−AgNO3を添加した際、白濁が認められなくなるまで、5、6回前記操作を繰り返した。洗浄完結確認後、Au(OH)3/Ti−SiO2を凍結乾燥器に移し、一晩乾燥させ、乾燥後の試料を電気炉に移し、400℃で4時間焼成し、チタニア・シリカ担体担持金微粒子(Au/Ti−SiO2)触媒を得た。金の平均粒径は6.2nm、金の担持量は6重量%であった。
実施例6〔Au/Co34触媒の調製(1wt%、共沈法)〕
実施例2において、La2(NO33に代えてCo(NO32を用い、焼成温度を400℃とすることを除き、実施例2と同様に行い、酸化コバルト担体担持金微粒子(Au/Co34)触媒を得た。金の平均粒径は4.5nm、金の担持量は1重量%であった。
実施例7〔Au/TiO2触媒の調製(1wt%%、析出沈殿法)〕
実施例3において、Au270mgを含むHAuCl4水溶液に代えて、Au100mgを含むHAuCl4水溶液を用いることを除き実施例3と同様にして、金の平均粒径3.1nm、1重量%金を担持する酸化チタン担体担持金ナノ粒子(Au/TiO2)触媒を得た。
実施例8
〔Au/La(OH)3触媒の調製(Au/La=2、共沈法、100℃H2還元)〕
Au270mgを含むHAuCl4(化学式量340.0)およびLa2(NO33・6H2Oの試薬1.186gを溶かした水溶液(水溶液1)1L(pH=2.54)を70℃に加温した。
これとは別に、上記金属塩の中和に必要な化学量論比の1.2倍のNa2CO3を含む水溶液(水溶液2)1Lを作り、これを70℃に加温した。
次に、上記水溶液1を水溶液2に攪拌しながら5分以内に添加し、その後70℃に保温しながら攪拌を1時間続けた後攪拌を止め、自然放冷して沈殿が沈降するまで静置した。デカンテーションにより上澄み液を捨て、蒸留水2Lで洗浄を行った。これを5回以上繰り返し、上澄み液のpHの変化がなくなったら吸引濾過により沈殿物を分離した。得られた固形物を真空乾燥機で半日以上乾燥した後、乾燥した固形物を適度に砕き、水素気流中100℃で4時間還元処理し、水酸化ランタン担体担持金ナノ粒子(Au/La(OH)3)触媒を得た。
実施例9〔Au/Sn−SiO2触媒の調製(5wt%、析出沈殿法)〕
実施例5において、チタンイソプロポキドに代えてスズイソプロポキドを用い、焼成温度を300℃とすることを除き、他は実施例5と同様に行い、酸化スズ・シリカ担体担持金微粒子(Au/Sn−SiO2)を得た。金の平均粒径は6.7nm、金の担持量は5重量%であった。
実施例10〔Auパウダー〕
不活性ガス中蒸発法で製造したAuパウダー(ULVACグループの真空冶金工業(株)の商品名 Au09)。金の平均粒子径100nm。
比較例1〔Ru/CeO2触媒の調製(1wt%、共沈法)〕
Ar雰囲気中で乾燥トルエン約100mlを三角フラスコに採り、これにRu(acac)3(分子量398.4)100mgを加えて攪拌溶解させ、アセチルアセトナートルテニウム(Ru(acac)3)のトルエン溶液を作製した。Ar雰囲気を解除した後これに乾燥CeO22.54gを加え、縣濁液とし、撹拌を続けた。次に、縣濁液を1Lの四つ口フラスコに移し、Ar気流中でトルエンを加熱蒸発除去する。トルエンを蒸発除去したRu(acac)3/CeO2触媒は、平底ビーカーに移し、引き続き乾燥機中、120℃で12時間乾燥した後、溶融石英ボートに移し、空気気流中(Air:50ml/min)、400℃まで10℃/minで昇温し、この温度で4時間保持した。Ru/CeO2は水素化反応への使用に先立ち固定床流通型反応装置内でH気流中(57.5ml/min)、300℃で1時間の還元処理を行なって、酸化セリウム担持金属微粒子ルテニウム(Ru/CeO2)触媒を得た。金属微粒子ルテニウムの平均粒径は1.8nm、ルテニウムの担持量は1重量%であった。
比較例2〔Ru/C触媒の調製(1wt%、含浸法)〕
共栓付三角フラスコに乾燥トルエン100mlを入れ、これにAr雰囲気中でRu(acac)(分子量398.4)100mgを加え、攪拌溶解させ、Ru(acac)3のトルエン溶液を作製した。Ar雰囲気を解除した後、これに十分に乾燥した高比表面積活性炭(関西熱化学(株)、比表面積:2000m2/g以上)2.54gを加えて懸濁液とし、さらに攪拌を続けた。次に、縣濁液を1Lの四つ口フラスコに移し、Ar気流中でトルエンを加熱蒸発除去した後、平底ビーカーに移し、引き続き乾燥機中、120℃で12時間乾燥した。Ru/Cは、水素化反応への使用に先立ち固定床流通型反応装置内でH2気流中(57.5ml/min)、300℃で1時間の還元処理を行って、活性炭担持金属微粒子ルテニウム触媒を調製した。金属微粒子ルテニウムの平均粒径は1.9nm、ルテニウムの担持量は1重量%であった。
比較例3〔Ru/Al23触媒の調製(1wt%、含浸法)〕
乾燥トルエン約100mlを三角フラスコに採り、Ar雰囲気中でこれにRu(acac)3(分子量398.4)100mgを加えて攪拌溶解させ、Ru(acac)3のトルエン溶液を作製した。Ar雰囲気を解除した後、これに十分に乾燥したアルミナ(触媒学会参照触媒 JRC−ALO−6)2.54gを加えて懸濁液とし、さらに攪拌を続けた。次に、縣濁液を1Lの四つ口フラスコに移し、Ar気流中でトルエンを加熱蒸発除去した後、平底ビーカーに移し、引き続き乾燥機中、120℃で12時間乾燥した。次に、溶融石英ボートに移し、空気気流中(Air:50ml/min)、400℃まで10℃/minで昇温し、この温度で4時間保持した。Ru/Al23は、水素化反応への使用に先立ち固定床流通型反応装置内でH2気流中(57.5ml/min)、300℃で1時間の還元処理を行って、酸化アルミニウム担持金属ルテニウム触媒を調製した。金属微粒子ルテニウムの平均粒径は2.5nm、ルテニウムの担持量は1重量%であった。
比較例4〔Ru/Al23触媒の調製(1wt%、含浸法)〕
RuCl3・3H2O 26mgを200mlビーカー中のイオン交換水100mlに溶解し、この水溶液に攪拌下、アルミナ(触媒学会参照触媒 JRC−ALO−6)2.54gを加えて懸濁液とした。この懸濁液を攪拌しながらバーナー直火でビーカーを加熱し、沸騰状態で水を蒸発除去した。乾涸の寸前で加熱を止め、引き続き乾燥機中、120℃で12時間乾燥した。次に、溶融石英ボートに移し、空気気流中(Air:50ml/min)、400℃まで10℃/minで昇温し、この温度で4時間保持した。得られたRu/Al23は、水素化反応への使用に先立ち固定床流通型反応装置内でH気流中(57.5ml/min)、300℃で1時間の還元処理を行って、酸化アルミニウム担持金属微粒子ルテニウム触媒を調製した。金属微粒子ルテニウムの平均粒径は2.1nm、ルテニウムの担持量は1重量%であった。
〔気相での部分水素化反応〕
実施例11および12
図1に示す固定床流通型反応装置を用い、触媒として、実施例1で得られたAu/CeO2触媒を用いて、次のようにして気相でのベンゼンの部分水素化を行った。すなわち、まず、ベンゼンの部分水素化を実施する前に、水素ガスが水素ガスボンベ3から直接反応管1に流入するよう三方コック6を操作し、150℃に加熱された反応管1内の触媒床2に、水素ガスを57.5ml/分で1時間通して前処理を行った。その後、三方コック6を切り替え、前処理と同じ水素ガス流量で水素ガスをベンゼンバブラー7、コンデンサー8(10℃)を経由して送ることにより、ベンゼン6%を含む水素ガスを形成し、これを反応管1の下方から供給して、60℃(実施例11)、または80℃(実施例12)に加熱された触媒床2を通した。触媒床の触媒量は100mgとした。また、コンデンサー以降の全ての配管は80℃に加熱した。反応管1から排出したガスの成分分析は、ガスクロマトグラフィー11(島津製作所製 GC−9A)により行った。分離カラムとしてクロモソルブを用い、温度60℃に設定し、分析はオンラインでバッチ式に行った。結果を表3に示す。
なお、気相におけるベンゼン水素化反応実施に先立って、予想される反応生成物、例えばメタン、1−ヘキセン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、4−メチル−1−シクロヘキセン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、ベンゼンなどのクロモソルブでの保持時間を調べ、これに基づいて反応ガスの解析を行った。
比較例5および6
触媒として、比較例1で得られたRu/CeO2触媒を用いること、水素ガスによる前処理が300℃、1時間であること、触媒量が10mgであることを除き実施例11および12と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表3に示す。
比較例7および8
触媒として、比較例2で得られたRu/C触媒を用いること、触媒量が5mgであることを除き比較例5および6と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表3に示す。
比較例9および10
触媒として、比較例3で得られたRu/Al23触媒を用いることを除き比較例5および6と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表3に示す。
比較例11および12
触媒として、比較例4で得られたRu/Al23触媒を用いることを除き比較例5および6と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005422222
表3から、固相混合法により調製された高分散Au/CeO2触媒は、シクロヘキサンとともに高い選択率でシクロヘキセンを生成することが分かる。これに対し、従来ベンゼンの部分水素化でシクロヘキセンを製造する際に触媒として用いられている、ルテニウムを担体に担持したものは、ベンゼンの転化率は高いもののシクロヘキセン選択率はAu/CeO2触媒に比べがはるかに低いことが分かる。
〔担体の影響〕
上記したように、Au/CeO2は高いシクロヘキセン選択率を示すことから、この高いシクロヘキセン選択率がAu/CeO2系に限られたものであるか否かについて検討するために、以下の実施例に示すように、金触媒について担体の種類をLa23,TiO2、Al23と変化させ、且つ種々の方法により調製されたもの、更に担体無担持のAuパウダー(Au09)と変化させ、ベンゼン水素化反応を行って、金触媒の担体の違いによるシクロヘキセン選択率を調べた。
実施例13、14
触媒として、実施例2で得られたAu/La23触媒(La/Au=2、共沈法)を用いること、前処理を行わないことを除き実施例11および12と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表4に示す。
実施例15、16
触媒として、実施例3で得られたAu/TiO2触媒(2.7wt%、析出沈殿法)を用いること、触媒量が200mgであることを除き実施例11および12と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表4に示す。
実施例17、18
触媒として、実施例4で得られたAu/Al23触媒(1wt%、固相混合法)を用いること、前処理を行わないことを除き実施例11および12と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表4に示す。
実施例19および20
触媒として、実施例10のAuパウダー触媒を用いることを除き、実施例11および12と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表4に示す。
なお、表4には、さらに、実施例11および12についても、結果を載せた。
Figure 0005422222
表4に示されるように、担持金触媒の場合、担体の種類、調製法に関わらず5.7〜23%のシクロヘキセン選択率を示し、一方担体無担持のAuパウダーでも20%という高い選択率を示すことが分かる。これらの結果より、ベンゼン水素化反応で、高いシクロヘキセン選択率が得られるのは金触媒特有の性質であることが分かる。
また、表4から、選択率、転化率の両者を勘案すると、Au/CeO2(1wt%)触媒が選択率、転化率とも高いことから、気相反応ではAu/CeO2(1wt%)触媒がシクロヘキセン生成に対して高性能な触媒であると言える。
〔液相での部分水素化反応〕
実施例21
図2に示される加圧液相反応装置を用い、触媒として実施例2で得られたAu/La23触媒(La/Au=2、共沈法)を用いて、液相でのベンゼンの部分水素化を行った。まずベンゼン4mlおよび触媒50mgをSUS簡易型オートクレーブ21に入れ、密閉し、ガス導入管24、ガス導入コック25を通してオートクレーブ21内に水素ガスを初期圧5気圧で圧入した。攪拌子23により攪拌を行いながら150℃に昇温し、攪拌下2時間150℃で反応を行った。オートクレーブを放冷、冷却した後、反応液を取り出し、ガスクロマトグラフィー(島津製作所社製 GC2014)を用いて、反応液の分析を行った。定量はn−ヘキサンを内部標準物質とし、一定量のn−ヘキサンを含んだベンゼンを原料に用いて反応を実施する内部標準法を用いて行った。分離カラムとしてキャピラリーカラムHR−20M、ワイドボア30mを用い、検出器にはFIDを使用した。GCの昇温プログラムは、初期60℃ 2分、8℃/分で昇温して200℃、10分というパターンとし、その場合の各物質の保持時間は、各々、n−ヘキサン1.6分、シクロヘキサン2.6分、シクロヘキセン4.0分、ベンゼン7.9分であった。結果を表5に示す。
実施例22
触媒として、実施例1で得られたAu/CeO2触媒(1wt%、固相混合法)を用いることを除き実施例21と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表5に示す。
実施例23
触媒として、実施例6で得られたAu/CeO2触媒(1wt%、共沈法)を用いること、ベンゼン量を8mlとすること、触媒量100mgとすることを除き実施例21と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表5に示す。
実施例24
触媒として、実施例7で得られたAu/TiO2触媒(1wt%、析出沈殿法)を用いることを除き実施例23と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表5に示す。
実施例25
触媒として、実施例8で得られたAu/La(OH)3触媒(Au/La=2)を用いることを除き実施例21と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表5に示す。
実施例26
触媒として、実施例9で得られたAu/Sn−SiO2触媒(5wt%%、析出沈殿法)を用いることを除き実施例21と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表5に示す。
比較例13
触媒として、比較例2で得られたRu/C触媒(1wt%、含浸法)を用いること、触媒量を10mgとすることを除き実施例21と同様にして、ベンゼンの部分水素化を行った。結果を表5に示す。
Figure 0005422222
表5から、金触媒はいずれもルテニウム触媒に比べ高い選択率が得られることが分かる。また、Au/La23触媒およびAu/CeO2触媒において極めて高いシクロヘキセン選択率が得られ、これらは中でも好ましい金触媒といえる。さらにAu/Co34触媒において高い収率が得られていることが分かる。また、気相反応と比べ、液相反応においては、選択率がはるかに高い値となっていることが分かる。
なお、ルテニウム触媒に比べ本発明の金触媒の転化率が高い理由は、全てが明確に分かっているわけではないが、次のようなことによるものと考えられる。しかし、本発明は、以下の説明により何ら限定されるものではない。
すなわち、RuはVIII族金属に属し、0価基底状態ではdの電子配置でd軌道に3個の空きがあり、一般的には水素を解離吸着し、また不飽和炭化水素を強く吸着する。これによりシクロヘキサンまでの逐次水素化が進みやすい。したがって、シクロヘキセンを得るためには、水素化活性を抑制するための助触媒添加(Zn等)や水相と油相間の物質移動を含む4相場での反応が不可欠となる。一方、AuはIB族金属であり、0価の基底状態では、ベンゼンの水素化反応活性はない。従って、金触媒は本来的には低活性で逐次水素化も進みにくいと考えられる。しかし、本反応で金がベンゼン水素化反応にわずかな転化率とシクロヘキセンへの部分水素化に高い選択性を示しているのは、金が超微粒子として、酸化物に接合されることにより接合効果、粒子径効果が生じ、バルク状態の金とは異なる性質が発現されていることによっていると考えられる。気相反応でシクロヘキセンの高選択率が得られることから、吸着ベンゼンの水素化がシクロヘキサンまで進行するまでに、シクロヘキセンに水素化された段階で少なくともその一部は脱離すると考えられる。一方、液相では、選択率が極めて高くなることから、ベンゼンとの競争吸着により、その後の水素化が抑止されることが考えられる。
本発明の方法により製造されたシクロオレフィンは種々の化合物の合成中間体として有用であり、特にシクロヘキセンは、ポリアミド樹脂のナイロン66やナイロン6の原料であるアジビン酸の合成中間体として有用である。
1 反応管
2 触媒層
3 水素ガスボンベ
4 マスフローコントローラー
5、13 流量計
6 三方コック
7 ベンゼンバブラー
8 コンデンサー
9、15 熱電対
10 六方コック
11 ガスクロマトグラフィー
12 クロマトパック
14 自動温度制御装置
16 電気炉
21 オートクレーブ
22 加熱器、マントルヒーター
23 攪拌子
24 水素ガス導入管
25 水素ガス導入コック
26 水素ガス排出コック
27 圧力ゲージ

Claims (15)

  1. 単環芳香族炭化水素を触媒の存在下に部分水素化してシクロオレフィンを製造する方法において、該触媒としてルテニウム触媒を用いずに金微粒子からなる金触媒を用いることを特徴とする単環芳香族炭化水素から部分水素化によりシクロオレフィンを製造する方法。
  2. 前記単環芳香族炭化水素がベンゼンであり、前記シクロオレフィンがシクロヘキセンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記単環芳香族炭化水素の部分水素化が、単環芳香族炭化水素溶液中に触媒を懸濁させ水素加圧下で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記単環芳香族炭化水素の部分水素化が、気体状の単環芳香族炭化水素と水素ガスを金触媒と接触させることにより行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記金触媒が、金属酸化物担体に金微粒子が担持された触媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記金触媒において、金が金属酸化物担体に対し0.01重量%〜50重量%担持されていることを特徴とする請求項に記載の方法。
  7. 前記担体の金属酸化物が、3族、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族金属の少なくとも1種からなる金属の酸化物または水酸化物であることを特徴とする請求項またはに記載の方法。
  8. 前記3族、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族金属がチタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、スズ、およびセリウム、ランタンであることを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 前記金触媒が、固相混合法、含浸法、共沈法、析出還元法、または析出沈殿法により金微粒子が金属酸化物担体に分散・固定化されたものであることを特徴とする請求項のいずれかに記載の方法。
  10. 単環芳香族炭化水素を部分水素化してシクロオレフィンを製造する方法に用いられる単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒であって、該触媒としてルテニウム触媒を用いずに金微粒子からなる金触媒を用いることを特徴とする単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
  11. 前記単環芳香族炭化水素がベンゼンであり、前記シクロオレフィンがシクロヘキセンであることを特徴とする請求項10に記載の単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
  12. 前記金触媒が、金属酸化物担体に金微粒子が分散・固定化されたものであることを特徴とする請求項10または11に記載の単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
  13. 前記金触媒において、金が金属酸化物担体に対し0.01重量%〜50重量%担持されていることを特徴とする請求項12に記載の単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
  14. 前記金属酸化物担体が、3族、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族金属の少なくとも1種からなる金属の酸化物または水酸化物からなることを特徴とする請求項12または13に記載の単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
  15. 前記金触媒が、固相混合法、含浸法、共沈法、析出沈殿法により金属酸化物担体に金微粒子が分散・固定化されたものであることを特徴とする請求項1214のいずれかに記載の単環芳香族炭化水素の部分水素化触媒。
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