JP5421615B2 - Ni節減型ステンレス鋼製自動車用部材 - Google Patents

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Description

本発明は、Niを必要最小限の含有量に抑制しつつも、素材が300系ステンレス鋼板と同等レベルの衝撃吸収性能を有し、自動車車体、構造部材や補強材などに対し優れた性能を発揮する自動車部材に関する。
自動車分野では最近、衝突時の人体の安全性確保ならびに省エネルギー化といった環境対応を考慮した軽量化が盛んに検討されている。安全面では衝突時に車体の一部の部品が衝撃を吸収し、人体への衝撃を極小化するための構造ならびに素材が検討されている。その衝撃吸収部材の一例としてクラッシュボックスが挙げられる。クラッシュボックスは、その性能として、軽衝突時の際にサイドメンバーを含む車体を損傷防止し、かつ高速衝突時の高エネルギーを吸収することで、衝突時の修理工数を低減するとともに人体損傷を回避することが要求されている。クラッシュボックスで優れた衝撃吸収性能を発現するには、圧壊過程において高い平均荷重を維持する必要があり、その素材自体が優れた衝撃吸収性能を有することが望まれる。
クラッシュボックスを含む自動車車体における鋼板の代表的接合法はスポット溶接であり、衝撃吸収部材の圧壊過程においてはスポット溶接部の強度が吸収エネルギーに大きく影響する。つまり、母材のみならずスポット溶接部においても優れた衝撃吸収性能を有することが重要である。従来より、自動車の車体や補強部材には普通鋼ハイテンが多用されている。しかも、高い衝撃吸収性能を有しつつ薄肉軽量化を図る上で、引張強さ780N/mmあるいはそれ以上の高強度材の適用が検討されている。一方で、加工性ならびに衝撃吸収性能に優れる素材として、SUS301およびSUS304に代表される加工硬化型の準安定オーステナイト系ステンレス鋼の適用も検討されている。
高強度の普通鋼ハイテンにスポット溶接を施した場合、溶着部において一部あるいは全体でマルテンサイトが生成する。このマルテンサイトは溶接部を強化する役割を果たすこともあるが、溶接条件によってはそのマルテンサイト変態に起因して溶着部が脆化することがある。特に、板厚方向に剥離させる応力が外部より作用した場合にはその脆化が現れやすく、母材よりもかなり低い強度で破断することがある。今後、さらに高衝撃エネルギー化・軽量化を図るうえで、従来の普通鋼ハイテンよりもさらに優れた強度ならびに衝撃吸収性能を有する材料、つまりスポット溶接部の強度を向上させた材料、あるいはスポット溶接の省略が可能となるレベルまで加工性を向上させた材料の開発が必要とされてきている。
SUS304、SUS301などの加工硬化型の準安定オーステナイト系ステンレス鋼は、高強度の普通鋼ハイテンに比べ加工性に優れ、スポット溶接強度が高く衝撃吸収性能に優れるなど、特性面では普通鋼ハイテンを凌駕するものである。しかしながら、昨今のNi原料高騰により、Niを6%以上含有するSUS301や8%以上含有するSUS304などでは、コスト面で自動車の車体部材や補強材などへの適用が困難である。
より低廉なオーステナイト系鋼が必要な用途では、特許文献1〜4に記される鋼のように、Ni含有量を減らし、代わりにMn等のオーステナイト生成元素を多量に配合したSUS201、SUS202などのNi節減型オーステナイト系ステンレス鋼(いわゆる200系ステンレス鋼)、あるいはそれらをベースとした高Mnオーステナイト系鋼種の適用が検討されている。しかし、高Mnオーステナイト系鋼は、300系ステンレス鋼に比べ一般に耐食性、熱間加工性、成形性に劣る。また、多量のMnを含有するために製鋼工程では有害なMn酸化物の微粒子(Mnヒューム)が発生し、環境対策が必要となる。冷間圧延、焼鈍、酸洗等の下工程ではMn含有量が高いことに起因して製品の表面品質低下が生じやすい。したがって、高Mnオーステナイト系鋼を300系ステンレス鋼の代替として適用するには、製造性や材料特性の面で問題が多い。
特許文献5、6では、大量のMnを含有させずとも、Niを節減したオーステナイト系ステンレス鋼の技術も提示されている。しかし、これらは強度あるいは加工性が低く、300系ステンレス鋼を代替できるほどの材料特性は得られず、必ずしも優れた衝撃吸収性能が得られないという課題があった。特許文献7には熱間加工性や耐食性がSUS304と同等である、Mn量を比較的低減したNi節減型のオーステナイト系ステンレス鋼が示されている。しかし、そのMn含有量は3質量%以上であり、製造現場での環境劣化や製品の表面性状低下の問題を解消するためには、さらなるMn含有量の低減が望まれる。
特開2006−111932号公報 特開2007−197806号公報 特開平11−241145号公報 特開平7−70700号公報 特公昭60−33186号公報 特開2005−22369号公報 特開2007−63632号公報
本発明者らは、上記問題を踏まえ、低NiおよびMn含量である鋼板を成形加工し、良好な衝撃吸収能を有する自動車部材を得ることを目的に鋭意検討を行った。その結果、特定の組成を有する鋼板を金属組織面から検討して、本発明に至った。
上記目的は、質量%で、0.10%≦C+0.5N≦0.25%(但し、C>0.05%、N>0.05%)、Si≦4.0%、0.5%≦Mn<3.0%、P≦0.06%、S≦0.005%、0.5%≦Ni<5.0%、16.0%<Cr≦19.0%、0.8%≦Cu≦3.5%、を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、平均結晶粒径が80μm以下である鋼板を素材として自動車用部材に成形加工し、加工部に生成するマルテンサイト相が硬さ550HV以下で50体積%以下、残部が硬さ450HV以下のオーステナイト相であり、マルテンサイト相とオーステナイト相の硬さの差が180HV以下であることで達成される。
素材となるステンレス鋼板にδフェライトが残留する場合においては、平均結晶粒径が80μm以下に加えて、δフェライトのL断面(幅方向に垂直な断面)における上位20%の平均長径が200μm以下でかつ2.0体積%以下である。また、素材となるステンレス鋼板は、下記(1)式で示されるオーステナイト安定度指標Md30が0〜80、かつ下記(2)式で示される積層欠陥エナルギー生成指標SFEが0〜40未満となるように成分調整されている。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr…(1)
SFE=6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr+3.2Mn−53…(2)
ここで、上記(1)〜(2)式の元素記号の箇所には質量%で表されたそれぞれの元素の含有値が代入される。
本発明によれば、Ni含有量を5.0質量%未満に節減しつつもMn含有量の多量添加を回避し、優れた熱間加工性および材料特性を兼ね備えたオーステナイト系ステンレス鋼を素材として製造された自動車部材が提供される。この自動車部材は優れた衝撃吸収性能を有し、コストおよび品質の両面で優れたメリットを発揮する。
衝撃吸収性能試験に供した試験体の外観を示す図である。 吸収エネルギーに及ぼす素材の平均結晶粒径の影響を表す図である。
本発明者らは、高い衝撃吸収性能が必要とされる自動車部材ならびにそれに好適な素材について種々検討を重ねてきた。その結果、加工前は比較的軟質で加工性に優れ、加工後高強度を呈する準安定オーステナイト系ステンレス鋼が有効との知見を得た。そこで、コストを考慮しNi含有量を5.0質量%未満に抑制したオーステナイト系ステンレス鋼において、上記課題を達成すべく鋭意研究し、下記の知見を得た。
フレームやインパクトビーム、クラッシュボックス、ヒンジなどに代表される自動車部材において、素材に絞り、張出しに加えて曲げ加工が施されることが多い。つまり素材特性として優れた曲げ性を有することが必須である。それに加え、成形加工された部材で優れた衝撃吸収性能を発現させるためには、加工部が高強度であること、かつ衝撃時の圧壊過程において割れを生じることなく変形が進行することが必要とされる。この要件を満たすべく種々検討した結果、成形加工部において優れた強度を得る上で、加工時にオーステナイトの一部を硬質な加工誘起マルテンサイト(以下、α’と記す)へ変態させる、いわゆる加工誘起変態塑性(TRIP)現象を利用することが有効であると考えられた。ただし、加工部で過度に高強度化すると脆化を招き、圧壊過程での変形量が小さくなる結果として、かえって衝撃吸収性能が低下するという弊害があることが分かった。そこで、本発明者らはさらに鋭意検討を重ねた結果、成形後に優れた衝撃吸収性能を発現させる上で、素材の結晶粒径を細粒化するとともに加工部に生成するマルテンサイトとオーステナイトの相比ならびに各相の硬さレベルとその差を制御することが必要であることが明らかとなった。
以下、本発明鋼に含まれる合金成分ならびに含有範囲限定理由について説明する。
1)CおよびN
C、Nはα’相を固溶強化するために有用な元素である。本発明鋼においてはCに対するNの固溶強化の寄与はおおよそ半分であり、成形加工によりα’相を生成させてSUS301並みの優れた強度を得るには、C、Nともそれぞれ0.05質量%を越える含有量を確保した上で、C質量%+0.5×N質量%(以下、C+0.5Nと略記)が0.10質量%以上となるようにC、Nを含有させることが極めて有効である。一方、C、Nの含有量が多くなると鋼板が硬化し、C+0.5Nが0.25質量%を越えると加工性を阻害する場合があることが分かった。したがって、本発明では、0.10%≦C+0.5N≦0.25%を満たす範囲でCおよびNを含有させる。C含有量は0.12質量%以下、N含有量は0.18質量%以下とすることがより好ましい。
2)Si
Siは、製鋼での脱酸に有用な元素であり、固溶強化にも寄与する。その作用を効果的に得るためには、0.3質量%以上のSi含有させることが好ましい。ただし、過剰に含有させると鋼が硬質化し加工性を損なう要因となる。また、Siはフェライト生成元素であり、その効果はCrよりは小さいものの、過剰添加は高温域でのδフェライト相の多量生成を招き、熱間加工性を阻害する。これらの弊害は、Si含有量が4.0質量%を超えた場合に顕著に現れる。したがって、Si含有量は4.0質量%以下に制限する。
3)Mn
MnはNiに比べて安価で、Niの機能を代替できる有用なオーステナイト形成元素である。本発明ではNiを後述の範囲で節減する場合、0.5質量%以上のMn含有量を確保する必要があり、1.0質量%以上を確保することが一層効果的である。一方、Mn含有量が過剰となると、製鋼工程における環境上の問題、鋼板の表面品質劣化の問題ならびにMnSなどの介在物生成に起因する加工性低下や耐食性低下の問題などが生じやすくなる。このため、Mn含有量は3.0質量%未満に制限する。
4)PおよびS
PおよびSは原料より不可避的不純物として混入するが、その含有量は低いほど望ましい。製造性や加工性その他の材料特性に多大な悪影響を与えない範囲として、P含有量は0.06質量%以下、S含有量は0.005質量%以下の範囲に許容される。
5)Ni
Niはオーステナイト系ステンレス鋼に必須の元素であるが、本発明ではコスト低減の観点からNi含有量を極力節減する成分設計を行い、Ni含有量は5.0質量%未満の範囲とする。ただし、上記Mn含有量の範囲で製造性や加工性を兼備させる成分バランスを実現させるためには、0.5質量%以上のNi含有量を確保する必要があり、1.0質量%以上とすることがより効果的である。
6)Cr
Crはステンレス鋼の耐食性を担保する不動態皮膜の形成に必須の元素である。本発明では、代替対象である従来の300系オーステナイト系ステンレス鋼に要求される耐食性を十分に確保する上で、16.0質量%を超えるCr含有量を確保する。ただし、Crはフェライト生成元素であるため、過度のCr含有により熱延前加熱温度が(γ+δ)2相域となり、加熱後もδフェライトの多量生成を招き、熱間加工性を損なう要因となるため好ましくない。種々検討の結果、本発明ではオーステナイト生成元素の含有量の調整により19.0質量%までCrを含有させることができる。したがって、Cr含有量は16.0質量%超え19.0質量%以下の範囲とする。
7)Cu
Cuはオーステナイト生成元素であることから、Cu含有量の増加に応じてNi含有量の設定自由度が拡大し、Niを抑制した成分設計が容易になる。詳細な検討の結果、上記Ni含有量およびMn含有量の範囲で低Ni・低Mn化を図るためには、Cuを0.8質量%以上含有させる必要がある。ただし、3.5質量%を越えて多量にCuを含有させると熱間加工性が低下しやすい。したがって、Cu含有量は0.8〜3.5質量%とする。
上記以外の元素として、V:0.3質量%以下、Zr:0.3質量%以下、Mo:0.5質量%以下、その他B、Ca、Mg、CoおよびREM(希土類元素):合計0.1質量%以下といった元素の混入が許容される。これらはスクラップ等の原料から不可避的に混入される場合があるが、上記範囲の混入であれば本発明の効果を阻害するものではない。
本発明では上記成分規定に加えて、平均結晶粒径が80μm以下である鋼板を素材として成形加工される。加工前素材の平均結晶粒径は成形加工後の圧壊過程における変形能に影響し、平均結晶粒径が小さいほど変形量は増大し、その結果として衝撃吸収性能が向上する。本発明においてこの効果を有効に得るには平均結晶粒径を80μm以下とする必要があり、60μm以下であることがより望ましい。
成形加工後、加工部に生成するマルテンサイト相は硬さ550HV以下で50体積%以下、残部は硬さ450HV以下のオーステナイト相であり、マルテンサイト相とオーステナイト相の硬さの差が180HV以下であることが要求される。マルテンサイト相、オーステナイト相ともに成形時の加工率が高いほど硬質となるが、その相反特性である延性および靭性は低下する。自動車部材における衝撃吸収性能は高速変形時の変形応力ならびに破断までの延性と相関があり、素材が本発明のように準安定オーステナイト系ステンレス鋼の場合には、加工部が加工誘起マルテンサイト相とオーステナイト相の複相であるために、その両相の機械的性質ならびに相比が延性に影響を与える。本発明者らは衝撃吸収性能を損なわない程度の延性を確保する金属組織について詳細検討した結果、マルテンサイト相を50体積%以下としかつ硬さ550HV以下、残部のオーステナイト相は硬さ450HV以下とすることで延性が維持されることを経験的に明らかとした。さらに、衝撃に対する割れを回避する上で、マルテンサイト相とオーステナイト相の硬さの差を180HV以下にすることが重要であることが明確となった。この理由として、マルテンサイト相とオーステナイト相の硬さの差が180HVを超えて高い場合には、両相の変形能に大きな差が生じるために連携した変形が困難となり、オーステナイト相とマルテンサイト相の界面で大きな応力集中を生じ割れが生じやすくなるためと考えられる。
なお、上記組成、金属組織および硬さを満たすものであれば、素材となる鋼板は焼鈍材であっても調質圧延材であっても良い。
本発明に使用される素材は実質的にオーステナイト単相組織であるが、成分バランスによっては若干のδフェライトを含有することがある。この場合、δフェライト量および形態は、幅方向に垂直な断面(L断面)における上位20%の平均長径が200μm以下でかつ2.0体積%以下に規定されることが望ましい。仕上焼鈍前にδフェライトが分散していると、仕上焼鈍時のピン止め効果によりオーステナイト粒の粗大化を抑制することができ、その後の曲げ加工に有利である。ただし、δフェライトは周囲のオーステナイトならびにマルテンサイトに比べ軟質であるために、平均長径が長い、あるいは量が多い場合には強度や曲げ性、その他加工性の低下を招く。この弊害は、δフェライトの上位20%の平均長径が200μmを超える場合、あるいはδフェライト量が2.0体積%を超える場合に顕著に現れる。
本発明で使用する素材において、強度、延性、耐へたり性などの材料特性をSUS301と同等レベルとするために、下記(1)式で示されるオーステナイト安定度指標Md30が0〜80、かつ下記(2)式で示される積層欠陥エネルギー生成指標SFEが0〜40未満となるように成分調整されていることが望ましい。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr…(1)
SFE=6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr+3.2Mn−53…(2)
オーステナイト安定度指標であるMd30が大きいほどオーステナイト相からα’相への変態が起こり易く、成形加工時軽度の加工ひずみの付与で高強度が得られる。このような効果はMd30が0以上で顕著に現れる。ただし、Md30が80を越えて大きくなると、加工部でのα’量が多くなり過ぎるため、曲げ性が劣化するとともに圧壊過程で割れが生じやすくなり、衝撃吸収性能も低下する。したがって、Md30は0〜80の範囲に規定した。
積層欠陥エネルギー指標であるSFEが大きくなるとオーステナイト相の加工硬化が小さくなるために、加工時に生じた加工誘起マルテンサイト相と母相であるオーステナイト相の硬度差が大きくなり、特にSFEが40以上の場合には曲げ加工時に両相の界面でき裂が生じやすくなる。逆に、SFEが0よりも小さくなるとオーステナイト相の加工硬化が過大となり、延性低下が問題となりやすい。
(実施例1)
表1の組成をもつ鋼を真空溶解炉にて270kg溶製した。表1において、A1〜A5が本発明で規定する化学成分を有する発明対象鋼、B1〜B3が比較鋼、C1〜C3は順に従来鋼であるSUS301、SUS304、980MPa級ハイテンである。なお、B1、B2、B3はそれぞれC+0.5N、Md30、SFEが本発明で規定する範囲を外れる。
Figure 0005421615
従来鋼C3を除くステンレス鋼について板厚120mm、板幅200mm、長さ約150mmの鋼塊を得た後、1230℃で2h大気加熱後リパース式の熱間圧延機を用いて熱間圧延を施すことにより、板厚3.0mmのコイルとした。1080℃で均熱60s加熱し急冷する溶体化処理を行い、表面研磨によるスケール除去後板厚1.05mmまでのリバース式の冷間圧延、1080℃で均熱60s加熱し急冷する仕上焼鈍および表面研磨を通じて、板厚1.0mmの冷延焼鈍板を得た。980MPa級ハイテンであるC3についても焼鈍、冷延を繰り返して引張強さ980N/mmの板厚1.0mm材を作製した。仕上焼鈍後の素材に樹脂埋めおよび研磨、シュウ酸電解エッヂングを施して金属組織を現出し平均結晶粒径を測定した。平均結晶粒径は光学顕微鏡を用いて200倍で30視野におけるオーステナイト粒径を切片法により測定した。
得られた鋼板について衝撃吸収性能を調査するため、角筒形状の試験体を作製した。試験体は図1に示すように、板厚1.0mmの素材に曲げを施した矩形の部材を2つ組み合わせて30mmピッチでスポット溶接し、さらに板厚10mmの440MPa級ハイテンと隅肉溶接を行った。なお、長手方向が素材の圧延方向となるように素材を採取し、曲げRは0.4mmとした(曲げ稜線が素材の圧延方向)。角筒部材の圧壊試験前における曲げ加工部を採取し、金属組織観察ならびに硬さ測定を行った。曲げ部の一部を切り出して樹脂埋めおよび電解研磨後、曲げ部の外面側100μm四方において日本電子製走査型電子顕微鏡(JSM−7000F)およびTSL社製結晶方位解析システムを用いてオーステナイト相およびマルテンサイト相の硬さおよび相比を調査した。それぞれの相における硬さは、MTS社製Nano Indenter XPを用いて、ひずみ速度0.05/secで深さ200nmまで圧子を押し付けることにより測定し、それぞれの相について5点の測定結果を平均化した。
試験体の上方より質量400kgの錘を速度25km/hで衝突させて圧壊させ、変位量が0〜100mmの座屈変形過程における衝撃吸収エネルギーを測定した。また、圧壊後の試験体について目視で加工部の割れ箇所を調査した。割れ評価は、割れ箇所が2箇所以下のものを◎(二重丸)、3〜4箇所のものを○(白丸)、5〜6箇所のものを△(白三角)、7箇所以上を×とした。スポット溶接部が剥離した部分においても割れとみなしてカウントした。調査結果を表2に示す。
Figure 0005421615
表2に示されるように、本発明の対象鋼で平均結晶粒径が80μm以下の素材を使用した場合、加工部に生成するマルテンサイト相は硬さ550HV以下で50体積%以下、残部は硬さ450HV以下のオーステナイト相であり、マルテンサイト相とオーステナイト相の硬さの差が180HV以下を満足し、吸収エネルギーも6.0kJ以上と高く、割れ評価も良好である。一方、比較鋼B1ではマルテンサイト相とオーステナイト相の硬さの差が本発明範囲である180HVを超えており、割れ箇所がやや多く衝撃吸収性に劣る。B2は曲げ加工部で50体積%を超えて多量のマルテンサイトが生成し、それに起因して圧壊過程での割れ箇所が多くなったことに起因して吸収エネルギーが低かったと推定される。B3ではSFEが本発明範囲よりも低いことに起因してオーステナイト相の硬さが高く、圧壊時に割れ箇所が多かったと考えられる。
(実施例2)
表1に示した本発明対象鋼A1について、仕上焼鈍条件を1000〜1200℃の範囲で60s保持した鋼板を素材として、実施例1と同様、素材の平均結晶粒径調査、曲げ加工部の金属組織および硬さ調査、ならびに角筒形状試験体の落錘試験を行った。調査結果を表3に示す。また、吸収エネルギーに及ぼす平均結晶粒径の影響を示したグラフを示す。
Figure 0005421615
表3に示されるように、平均結晶粒径が変化しても曲げ加工部における金属組織および硬さの変化は小さい。一方、吸収エネルギーは平均結晶粒径が粗大化するにともない低下する傾向を示す。特に、平均結晶粒径が80μmを超えたときその傾向が顕著に現れるが、これは圧壊途中での割れ発生箇所が多くなったことに起因すると考えられる。以上より、本発明の規定範囲に平均結晶粒径を調整することで優れた衝撃吸収性能が得られることが明らかとなった。
(実施例3)
表1に示した本発明対象鋼のうち、最もδフェライトの残存しやすいA2について、熱延前加熱条件を1150〜1230℃、保持時間0.5〜5hの範囲で変化させて熱間圧延を行い、その後実施例1と同様の工程および条件で板厚1.0mmの仕上焼鈍板を製造した。仕上焼鈍板の一部を切り出し、板幅方向に垂直な断面(L断面)について樹脂埋めおよび5%水酸化ナトリウムによる電解エッチングを行うことによりδフェライトを現出した。光学顕微鏡を用いて倍率200倍で60視野観察を行い、測定したδフェライトの長径のうち上位20%の長径の平均を算出した。また、仕上焼鈍板についてFishier製FERITSCOPE MP30を用いて測定した5点の平均値をδフェライト量とした。さらに、実施例1と同様の条件で平均結晶粒径調査、曲げ加工部の金属組織および硬さ調査、ならびに角筒形状試験体の落錘試験を行った。調査結果を表3に示す。なお、曲げ加工部におけるマルテンサイト相の硬さは448〜455HV、体積率は46〜48%、オーステナイト相の硬さはHV349〜354と、熱延前加熱条件の影響はほとんど認められなかった。
Figure 0005421615
表4に示されるように、δフェライト量が2.0体積%以下、δフェライトの平均長径が200μmである本発明例では、6.5kJ以上の吸収エネルギーを有し、割れ評価も良好である。一方、δフェライト量が2.0体積%を超えると、平均結晶粒径は小さくなる傾向を示すものの圧壊過程での割れ箇所が多くなり、吸収エネルギーもやや低下する。また、Q4に示されるように、δフェライト量が2.0体積%以下であっても平均長径が大きい場合には吸収エネルギーは低くなる傾向にある。以上より、δフェライトが残存しやすい成分鋼については、本発明で規定する範囲にδフェライト量および平均長径を調整することで、より優れた衝撃吸収能を維持できることが確認された。
(実施例4)
表1に示した本発明対象鋼A1について、1230℃で2h大気加熱後の熱間圧延、1080℃で均熱60s加熱し急冷する溶体化処理、表面研磨によるスケール除去を施した後、コイルの一部をリバース式の冷間圧延を施して板厚1.11mmおよび1.54mmとし、1080℃で均熱60s加熱し急冷する仕上焼鈍および表面研磨を施した。その後、板厚1.0mmまで調質圧延を施すことにより、冷延率が10%および35%の調質圧延鋼板を得た。調質圧延材について、実施例1と同様の条件で平均結晶粒径調査、曲げ加工部の金属組織および硬さ調査、ならびに角筒形状試験体の落錘試験を行った。板厚1.0mmの仕上焼鈍材を素材とした結果も併せて、調査結果を表5に示す。
Figure 0005421615
表5に示されるように、調質圧延率が10%のR2は曲げ加工部の金属組織が本発明範囲であり、吸収エネルギーは仕上焼鈍材を素材としたR1に比べ高かった。これは、調質圧延を施すことにより、素材の強度が高くなったためであると考えられる。一方、調質圧延率が35%であるR3では曲げ加工部のマルテンサイト体積率が本発明範囲を超えており、圧壊過程における割れ箇所が多かったことに起因して吸収エネルギーが低かった。以上のように、曲げ加工部の金属組織および硬さが本発明範囲を満足するよう冷延率を調整した調質圧延鋼板を素材とすることにより、優れた衝撃吸収性能を発現できることが明らかである。

Claims (2)

  1. 質量%で、0.10%≦C+0.5N≦0.25%(但し、C>0.05%、N>0.05%)、Si≦4.0%、0.5%≦Mn<3.0%、P≦0.06%、S≦0.005%、0.5%≦Ni<5.0%、16.0%<Cr≦19.0%、0.8%≦Cu≦3.5%、を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    平均結晶粒径が80μm以下で、下記(1)式で示されるオーステナイト安定度指標Md30が0〜80、下記(2)式で示される積層欠陥エネルギー生成指標SFEが0〜40未満である鋼板を成形加工して得られるNi低減型ステンレス鋼製自動車用部材であって、加工部に生成するマルテンサイト相は硬さ550HV以下で50体積%以下、残部が硬さ450HV以下のオーステナイト相であり、マルテンサイト相とオーステナイト相の硬さの差が180HV以下である、Ni節減型ステンレス鋼製自動車用部材。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr…(1)
    SFE=6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr+3.2Mn−53…(2)
  2. 質量%で、0.10%≦C+0.5N≦0.25%(但し、C>0.05%、N>0.05%)、Si≦4.0%、0.5%≦Mn<3.0%、P≦0.06%、S≦0.005%、0.5%≦Ni<5.0%、16.0%<Cr≦19.0%、0.8%≦Cu≦3.5%、を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    平均結晶粒径が80μm以下で、δフェライトのL断面(幅方向に垂直な断面)における上位20%の平均長径が200μm以下で、かつ2.0体積%以下であり、下記(1)式で示されるオーステナイト安定度指標Md30が0〜80、下記(2)式で示される積層欠陥エネルギー生成指標SFEが0〜40未満である鋼板を成形加工して得られるNi低減型ステンレス鋼製自動車用部材であって、加工部に生成するマルテンサイト相は硬さ550HV以下で50体積%以下、残部が硬さ450HV以下のオーステナイト相であり、マルテンサイト相とオーステナイト相の硬さの差が180HV以下である、Ni節減型ステンレス鋼製自動車用部材。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr…(1)
    SFE=6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr+3.2Mn−53…(2)
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