JP5420984B2 - スティック状化粧料製造用モールドおよびこれを利用するスティック状化粧料の製造方法 - Google Patents

スティック状化粧料製造用モールドおよびこれを利用するスティック状化粧料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スティック状化粧料製造用モールドに関し、更に詳細には、化粧料の表面状態が良好なスティック状化粧料を得ることのできるスティック状化粧料製造用モールドに関する。
口紅やリップクリームあるいはスティックタイプコンシーラー等として、化粧料を溶融状態で容器等に充填し、その後冷却、固化させるスティック状化粧料が広く使用されている。従来、このスティック状化粧料は、そのスティック状化粧料保持用内筒あるいは該内筒をその内側に摺動させ得る筒状のスリーブ(以下、総称して「スティック状化粧料筒状部形成用部材」といい、更に、「筒状部形成用部材」と略称することがある)の先端に、スティック状化粧料の表面を形成するキャップあるいは封止手段(以下、「スティック状化粧料上面形成用部材」という)を嵌合させ、これを倒立させてモールド空間を形成し、筒状部形成用部材の後部から溶融したスティック状化粧料組成物(以下、「化粧料組成物」という)を充填、冷却固化して製造することが一般的である。また、筒状部形成用部材は、その形状が円筒状であることが多く、またその先端は斜めに切り落とされている場合があり、更に、スティック状化粧料上面形成用部材との嵌合面(筒状部形成用部材の先端部)は、唇等を傷つけないよう研磨し、丸みをもたせてあることが一般的である。
ところで、上記のように溶解状態の化粧料組成物を、スティック状化粧料筒状部形成用部材の先端にスティック状化粧料上面形成用部材を嵌合させて形成されるモールド空間に充填する方法では、溶融された化粧料組成物が冷やされ固化するときに化粧料の体積が収縮するという現象があり、このため歩留まりが悪くなるという問題があった。すなわち、スティック状化粧料の、目につきやすい上面部分をきれいに成形するためには、体積収縮時にスティック状化粧料上面部と、スティック状化粧料上面形成用部材との間に空気が流入し、両者がきれいに離れることが好ましいが、この間に空気がうまく流入せず密着が高いままであると、離型がうまく行かず、これに起因するスティック状化粧料上面部の外観不良など、成型不良が発生しやすかった。
上記問題に対しては、例えば、スティック状化粧料上面形成用部材であるキャップに、離型時の空気流入を目的として空気抜き孔を設けることが行われている(例えば、特許文献1および2)。しかしながら、前記したように筒状部形成用部材の先端部を、研磨により丸みをもたせてある場合、その状態で該先端部にキャップを装着し、化粧料の充填、成型を行うと、筒状部形成用部材先端部とキャップの間のくさび形の隙間に化粧料組成物が入り込み、図1に示すように、スティック状化粧料15の上面にいわゆるバリ11が生じ易い。そして、このバリ11が成型時の空気流入を妨げる要因となって、離型がうまく行かない場合があった。
とりわけ、特許文献2のように、スティック状化粧料上面部に立体的模様、特に文字や図柄などを表示する場合には、立体的模様の細部に化粧料組成物が行きわたらず、スティック状化粧料の上面部に小さな穴が開く成型不良が生じ易い。これを解消するためには、充填温度を上げて化粧料組成物の流動性を高くすることが必要であるが、流動性が高くなると前記くさび形の隙間にさらに化粧料組成物が入り込み易くなり、バリ11が生じ易くなる。したがって、上面部に立体的模様を有するスティック状化粧料については、特に成型時の空気流入が確保しにくく、たとえキャップに特許文献1のようなこの空気抜き孔を設けた場合であっても、成型不良をなくすことは難しかった。
特開2002−291529 特開2007−252787
従って本発明は、成型不良をなくし、しかも従来より優れた外観のスティック状化粧料を製造するための技術を提供することをその課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行っていたところ、研磨により丸みをもたせたスティック状化粧料筒状部形成用部材の先端にまで化粧料を充填させなければ、スティック状化粧料の上端面にバリは生じないこと、そして、このためにはスティック状化粧料上面形成用部材の、スティック状化粧料筒状部形成用部材の先端部に対応する位置に、環状の尖状突起を設ければよいことを見出した。また、そのような尖状突起を設ければこの部分から空気の流入が行われるため、スティック状化粧料上面部の成型不良の発生が著しく減少させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、筒状のスティック状化粧料筒状部形成用部材とスティック状化粧料上面形成用部材とを嵌合されることにより形成されるモールド空間に、溶融したスティック状化粧料組成物を充填、固化せしめるためのスティック状化粧料用モールドであって、前記スティック状化粧料上面形成部材の、前記スティック状化粧料筒状部形成用部材の内周面に相対する位置に、横断面がくさび状で環形の尖状突起を設けたことを特徴とするスティック状化粧料用モールドである。
また本発明は、溶融されたスティック状化粧料組成物を、スティック状化粧料筒状部形成用部材と、前記スティック状化粧料筒状部形成用部材の内周面に相対する位置に横断面がくさび状で環形の尖状突起を設けたスティック状化粧料上面形成用部材とを嵌合することにより形成されるモールド空間に充填し、次いで冷却、固化せしめることを特徴とするスティック状化粧料の成型方法である。
本発明のスティック状化粧料用モールドを用いることにより、充填、固化したスティック状化粧料と、スティック状化粧料上面形成用部材の間が離型し易くなり、スティック化粧料上面部の成型不良が著しく減少する。
特に、溶融した化粧料組成物の流動性が高い場合や、上面部に凹凸の立体模様を有するスティック化粧料等、離型性が問題となるものであっても優れた離型性によって良好な成型性を得ることができる。
また、従来の方法では困難であった、成型時のスティック状化粧料上端面のバリの発生を防ぐことができ、外観が重要なスティック化粧料の商品価値をより高めることができるものである。
従来のスティック状化粧料を成型する際に生じるいわゆるバリを模式的に示した図面。 スリーブ−平坦型キャップ成型での嵌合によるモールド空間の形成を模式的に示した図面。Aは、スティック状化粧料筒状部形成用部材(スリーブ)とスティック状化粧料上面形成用部材とを嵌合する前の状態、Bは嵌合した後の状態。 スリーブと平坦型キャップの嵌合部分周辺の断面を示す図面。 平坦型キャップに設けられた尖状突起を拡大して示す図面。 平坦型キャップの、開口部側よりの一部切り欠き斜視図を示す図面。 従来法で充填、固化を行った場合のスティック状化粧料の状況を示す図面。Aは、モールド空間で充填固化する際の状態、Bはキャップを除去した際の状態を示す。 本発明法で充填、固化を行った場合のスティック状化粧料の状況を示す図面。Aは、モールド空間で充填固化する際の状態、Bはキャップを除去した際の状態を示す。 中皿−突出型キャップ成型での嵌合によるモールド空間の形成を模式的に示した図面。Aは、スティック状化粧料筒状部形成用部材(スティック状化粧料保持用内筒)とスティック状化粧料上面形成用部材とを嵌合する前の状態、Bは嵌合した後の状態を示す。 スリーブ−金型成型で嵌合によるモールド空間の形成を模式的に示した図面。Aは、スティック状化粧料筒状部形成用部材(スリーブ)とスティック状化粧料上面形成用部材とを嵌合する前の状態、Bは嵌合した後の状態を示す。
以下、本発明のいくつかの実施態様を示す図面を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
図2は、筒状のスティック状化粧料筒状部形成用部材としてスリーブを、スティック状化粧料上面形成用部材として平坦型キャップを用いた場合の、スティック状化粧料用モールドを模式的に示す断面図、図3は、その平坦型キャップをより詳細に示した図面であり、図4は上記平坦型キャップに設けられた尖状突起を拡大して示す断面図である。各図中、1は、スティック状化粧料用モールド、2はスティック状化粧料筒状部形成用部材(スリーブ)、3はスティック状化粧料上面形成用部材(平坦型キャップ)、4はモールド空間、5は尖状突起、6はスティック状化粧料保持用の内筒をそれぞれ示す。
本発明のスティック状化粧料用モールド1は、図2に示すように、スティック状化粧料筒状部形成用部材であるスリーブ2と、スティック状化粧料上面形成用部材である平坦型キャップ3より構成される。
上記スリーブ2の、平坦型キャップ3と嵌合する先端は、嵌合前の状態を示す図2Aから明らかなように、研磨等で丸められている。一方、平坦型キャップ3の内側には、同じく図2Aで示すように、尖状突起5が、スリーブ2の上端からこれに近い内周面に対応する位置に、環状に形成されている。そして、スリーブ2と平坦型キャップ3を嵌合させると、平坦型キャップ3に形成された環状の尖状突起5が、その先端またはそのテーパー状の側面の一部において、円筒状でその端部が丸められたスリーブ2の上端(面)ないしそれに近い内周面に当接することになる。
より詳細には、図3に示すように、平坦型キャップ3と、スリーブ2は、スリーブ2の上端(面)ないしそれに近い内周面に、平坦型キャップ3の尖状突起5が接する状態で勘合する。この平坦型キャップ3における尖状突起5は、図4に拡大して示すように、その横断面がくさび形である。そして、この尖状突起5のくさび形は、二等辺三角形型であっても、また、スリーブ2の上端(面)ないし内周面に当接する側が斜辺になる直角三角形型であってもよく、更にくさび形の両辺が、曲率をもって凹んでいても良い。なお、この尖状突起5は、平面的には、嵌合時において、平坦型キャップ3のスリーブ2の上端からそれに近い内周面に相対する位置、すなわち、スリーブ2の上端ないし内周が形成する円にほぼ対応する位置に、図5で示すような連続した環状の突起として形成される。また、この尖状突起の高さは、特に制約されるものではないが、0.05〜0.15mm程度が好ましく、特に0.08〜0.11mm程度であることが好ましい。
上記平坦型キャップ3は、スリーブ2と嵌合する材料で形成されていればよいが、後述するように、尖状突起5が、スリーブ2の内周面と当接して、充填される溶融状態の化粧料組成物が、スリーブ2の内周側先端の丸められた部分まで流入しないようにするものであることおよびスリーブ2先端の丸め加工で加工誤差が生じることなどから、プラスチック材料等の柔軟性のある材料で形成されていることが望ましい。なお、本明細書における平坦型キャップとは、スリーブ(筒状部形成用部材)の先端が形成する面に対し、キャップの裏面が平行であるか、あまり突出していないものを意味する。従って、スリーブの先端が形成する面が平らな場合には、これに対して文字通りの意味での平坦なキャップ(円筒型キャップ)あるいはこれからあまり突出していないものであるが、スリーブの先端が形成する面が斜めな面になる場合は、この面に対して平行あるいはあまり突出していないキャップ(上面が斜めに切り取られた円筒型キャップ)を意味する。
また、「平坦な」というときは、スリーブの径に対し、例えば50%程度まで張り出したものをも含み、表面が緩やかな球面のものや段付きのもの、あるいは内面に図柄や、文字等の立体模様が形成されているものであっても良い。
上記したモールド1の使用方法としては、前記スリーブ2と平坦型キャップ3を嵌合した後、常法に従い、その嵌合部を下に向け、スリーブ2の後端(図示せず)から溶融した化粧料組成物を注入し、モールド1内で冷却固化させる方法が挙げられる。そして、その後、平坦型キャップ3を取り外すことにより、良好な成型性でスティック状化粧料を得ることができるのである。
次に、本発明のモールド1により、優れた離型性が得られる理由について説明する。
図6は従来のモールドを用いてスティック状化粧料を調製した際の、モールドへの充填状態(図6A)およびキャップを取り外した後の状態(図6B)を示す図面である。
従来法でスリーブ12と平坦型キャップ13を嵌合してモールド空間を形成し、スティック状化粧料を調製しようとすると、平坦型キャップ13はスリーブ12と、その最先端の丸められた部分で接触するため、溶融された化粧料組成物は両者の隙間に入り込もうとし、スリーブの内周部に沿い、封止された最先端部まで充填される。そしてその結果、冷却、固化後のスティック状化粧料15は、スリーブの最先端部近傍で、他の部分に比べ、外側に張り出した状態となる。このような状態で、スティック状化粧料15をスリーブ12から繰り出すと、外側に張り出した部分がいわゆる「バリ」として認識されることになる。また、上記のように平坦型キャップ13はスリーブ12の最先端の丸められた部分の一点で接触し、スリーブ内周面からこの部分までスティック状化粧料15が充填されているため、化粧料組成物が冷却・固化されて体積収縮する際に、空気通路14からスリーブ12の内面側や、平坦型キャップ13のスティック状化粧料上面形成部(スリーブ内周に接している以外の部分)に空気が流入しにくく、このため離型性が不十分となって成型不良が生じやすいのである。
これに対して、図7で示す本発明のモールド1を利用した場合は、平坦型キャップ3に尖状突起5が設けられており、これの先端またはそのテーパー状の側面の一部がスリーブ2の先端近傍の丸められた上端面ないしそれに近い内周面(図7では内周面)の少なくとも何処かに当接するため、平坦型キャップ3とスリーブ1で形成されるモールド空間に溶融した化粧料組成物を充填した場合であっても、先端部において外側に張り出した状態で充填されることはない(図7A)。そして、尖状突起5が当接していた部分が空間となり、かつ、該当接部分には空気のみ通すような微視的隙間は確保されているため、化粧料組成物が冷却・固化されて体積収縮する際の空気通路からの空気流入を容易にし、平坦型キャップ3のスティック状化粧料上面形成部の離型性が向上して、成型不良が生じにくいのである。
本発明の上記した機構は、スリーブ2と平坦型キャップ3を用いてモールド空間を構成し、ここに化粧料組成物を充填し、冷却、固化させる場合に限らず、他の態様にも応用することができる。
例えば、本発明の別の態様として、スティック状化粧料保持用の内筒を筒状部形成用部材とし、スティック状化粧料上面形成用のキャップを直接これに装着して倒立させ、溶融した化粧料組成物を該内筒の後部から充填するタイプのスティック状化粧料を挙げ、これを形成するための、内筒−突出型キャップの嵌合によるモールド空間の形成の例を図8に示す。図8中、Aは内筒22と突出型キャップ23の嵌合前の状態を、Bは嵌合後の状態を示し、1、4および5は、上記と同じであり、22はスティック状化粧料筒状部形成用部材(内筒)、23はスティック状化粧料上面形成用部材(突出型キャップ)を示す。
このタイプのモールド1でも、突出型キャップ23の、内皿22の上端ないしこれに近い内周面に対応する位置に、横断面くさび形の尖状突起5が環状に形成されている。この尖状突起5の形状や、設置される位置、材質等は、上記したスリーブ2−平坦型キャップ3を嵌合してモールド空間を形成する場合と同一である。また、この尖状突起5の果たす役割も、上記とほぼ同じである。なお、突出型キャップとは、キャップの少なくとも中央が、内皿の径よりも大きく突出しているものを意味する。この突出の形状は、化粧料に通常の繰り出し式口紅等の形状を付与し得るものであれば何れでもよく、例えば尖端が半球状や、円柱状あるいは丸みをもった三角錐型等であっても良い。また、突出型キャップ23は、弾性を有するゴムやエラストマー等の材料で作製してもよく、その柔軟性から成型後に突出型キャップ23をスティック状化粧料の側面方向に取り外すことが可能となるため、化粧料に立体的模様を付与することも可能となる。
更に本発明の他の別の態様として、1または複数のスティック状化粧料形成用孔を有する金型に、スリーブを挿入し、各スティック状化粧料形成用孔中でこれと嵌合させてモールド空間を形成する場合の例を図9に示す。図9中、Aはスリーブ32と金型33の嵌合前の状態を、Bは嵌合後の状態を示し、1、4および5は、前記と同じであり、32はスティック状化粧料筒状部形成用部材(スリーブ)、33はスティック状化粧料上面形成用部材(金型)、36はスティック状化粧料形成用孔を示す。
このタイプのモールド1も、金型33の、各スティック状化粧料形成用孔36の各々に、スリーブ32の内周面に対応する位置に、横断面くさび形の尖状突起5が環状に形成されている。この尖状突起5の形状や、設置される位置等は、前記したスリーブ2−平坦型キャップ3を嵌合してモールド空間を形成する場合と同一であり、また、この尖状突起5の果たす役割も、前記とほぼ同じである。材質については、金型33の一部として金型33と同材質で形成してもよいし、あるいはプラスチック材料等の柔軟性のある材料などで別途形成し、金型33に固着させてもよい。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれにより何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
スティック状化粧料の成型試験:
外径13mmの先端が斜めに切り落とされ、かつ先端をバフ研磨により丸めた金属製円柱状スリーブを用意し、これに図3に示す構造の、平坦型キャップをに嵌合し、モールド空間を形成した。この平坦型キャップは、その上面内側にダイヤモンドカットおよびJ字の凹み文字が施されているもので、外径15mmΦ、内径13mm、最長部18mm、最短部9mmで、上面内側に、約12mm径の尖状突起(横断面の形状はくさび型で、高さは約0.09mm)を有し、前記スリーブの先端部に密着するものである。
ついで、スリーブを平坦型キャップと嵌合させた状態で倒立させ、その後部から105℃で溶融させた下記組成のスティック化粧料用組成物を充填し、室温まで冷却してスティック状化粧料(本発明品)を調製した。
冷却後、平坦型キャップを外し、スティック状化粧料の上面を観察し、バリの存在や、ダイヤモンドカットやJ字の部分等上面部分あるいは側面部分に成型不良が存在するかどうか調べた。この結果を下表に示す。なお、比較品は、平坦型キャップから尖状突起を除いたものを用いて、同様に成型したものである。
[ スティック状化粧料組成 ]
炭化水素ワックス 8.1%
エステル油 6 %
グリセリン脂肪酸エステル 74 %
炭化水素油 5 %
着色顔料 6.9%
[ 結 果 ]
Figure 0005420984
この結果から明らかなように、尖状突起がない場合は、1割以上の不良品が発生したのに対し、キャップに尖状突起を設けた場合は、不良品が全く発生しなかった。従って、キャップなどへの尖状突起の設置が、成型不良の防止に極めて有効であることが明らかになった。
本発明のスティック状化粧料用モールドは、スティック状化粧料上面形成用部材に設けた尖状突起の作用により、スティック状化粧料上面でのバリの発生を防ぐと共に、化粧料組成物の充填後、冷却・固化されて体積収縮する際の空気の流入を容易にし、優れた成型性を得ることができる。
特に、本発明のモールドは、流動性が高い化粧料組成物を用いる場合や、上面に複雑な模様あるいは文字を有するスティック化粧料など、従来成型が難しいとされていたスティック化粧料についても、極めて高い歩留まりで製造することができるものである。
従って、本発明のモールドは、口紅、リップクリーム、スティックタイプコンシーラー、皮膚美白用スティック、日焼け止めスティック等のスティック状化粧料の製造において、極めて有利に利用することができるものである。
1 … … スティック状化粧料用モールド
2、12、32 … … スリーブ(スティック状化粧料筒状部形成用部材)
3、13 … … 平坦型キャップ(スティック状化粧料上面形成用部材)
4 … … モールド空間
5 … … 尖状突起
6 … … 内筒
7a… … スリーブ保持用内向き凸部
7b… … 空気流入口
11 … … バリ
14 … … 空気流入路
15 … … スティック状化粧料
22 … … 内筒(スティック状化粧料筒状部形成用部材)
23 … … 突出型キャップ
33 … … 金型
36 … … スティック状化粧料形成用孔

Claims (11)

  1. 筒状のスティック状化粧料筒状部形成用部材とスティック状化粧料上面形成用部材とを嵌合させることにより形成されるモールド空間に、溶融したスティック状化粧料組成物を充填、固化せしめるためのスティック状化粧料用モールドであって、前記スティック状化粧料上面形成部材の、前記スティック状化粧料筒状部形成用部材の内周面に相対する位置に、横断面がくさび状で環形の尖状突起を設けたことを特徴とするスティック状化粧料用モールド。
  2. スティック状化粧料筒状部形成用部材の嵌合される側の先端部が丸められているものである請求項1記載のスティック状化粧料用モールド。
  3. 前記尖状突起が、前記スティック状化粧料上面形成部材の内側上端に連続して接するものである請求項1または2記載のスティック状化粧料用モールド。
  4. 前記尖状突起の先端が可撓性を有するものである請求項1ないし3の何れかの項記載のスティック状化粧料用モールド。
  5. 尖状突起の高さが、0.05〜0.15mmである請求項1ないし4の何れかの項記載のスティック状化粧料用モールド。
  6. 筒状のスティック状化粧料筒状部形成用部材が、スティック状化粧料容器のスリーブであり、スティック状化粧料上面形成用部材が該スリーブを嵌合可能なキャップである請求項1ないし5の何れかの項記載のスティック状化粧料用モールド。
  7. 前記キャップの上面内側に、図柄や文字等立体模様を設けた請求項6記載のスティック状化粧料用モールド。
  8. 前記キャップの側面に、空気流入口を設けた請求項6または7記載のスティック状化粧料用モールド。
  9. 筒状のスティック状化粧料筒状部形成用部材が、スティック状化粧料容器保持用の内筒であり、スティック状化粧料上面形成用部材が突出型キャップである請求項1ないし4の何れかの項記載のスティック状化粧料用モールド。
  10. 筒状のスティック状化粧料筒状部形成用部材が、スティック状化粧料容器のスリーブであり、スティック状化粧料上面形成用部材がスティック状化粧料製造用金型である請求項1ないし4の何れかの項記載のスティック状化粧料用モールド。
  11. 溶融されたスティック状化粧料組成物を、筒状のスティック状化粧料筒状部形成用部材と、前記スティック状化粧料筒状部形成用部材の内周面に相対する位置に横断面がくさび状で環形の尖状突起を設けたスティック状化粧料上面形成用部材とを嵌合することにより形成されるモールド空間に充填し、次いで冷却、固化せしめることを特徴とするスティック状化粧料の成型方法。
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