JP6131578B2 - ゴルフボール成形用金型及びゴルフボールの製造方法 - Google Patents

ゴルフボール成形用金型及びゴルフボールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コアに1層又は2層以上のカバーを被覆したゴルフボールの成形、特に表面に多数のディンプルが形成されるカバーの最外層を形成するために好適に使用し得るゴルフボール成形用金型及びゴルフボールの製造方法に関する。
近年、ゴルフボールには、飛距離ばかりでなく、コントロール性や耐久性、打感(フィーリング)等の様々な性能が要求されている。通常、これらの性能の全てを一種類の材料のみで満足させることは難しい。そこで、ゴムや樹脂等を用いて形成されるソリッドコアや糸巻きコアの周囲に1層又は2層以上のカバーを被覆した構造とし、各層にそれぞれの機能を分担させることが一般に行われる。即ち、上記の層の数及び厚さ、並びに各層を構成する材料の配合等を調整することにより、飛距離重視としたり、コントロール性重視としたりするなど、プレーヤーの要求に応じた性能を発揮するようにしてきた。
通常、このような構造を有するゴルフボールの最外層を形成するためには射出成形法を用いることが多い。具体的には、コア又は該コアに1層以上の中間層(カバーの最外層以外の層)を被覆した球体(以下、「芯球体」と表記する。)を所定の金型のキャビティ内に配置し、芯球体とキャビティ内壁面との間にカバー形成用材料を射出注入する方法が採られる。なお、この場合、最外層の形成と同時にキャビティ内壁面に多数設けられたディンプル形成用突起により多数のディンプルが形成される。
従来、上記の方法でゴルフボールを製造する場合、図22に示された構造を有する金型が多く用いられていた。図22は、従来のゴルフボール成形用金型の一例を示す断面図であり、キャビティ内にカバー形成用材料を射出注入する前の状態を示している。
図22において、従来金型10は、ゴルフボールの赤道線を分割基準線(パーティングライン)PLとする分割面で分割される上型20a及び下型20bを分離可能に接合してなり、その内壁面に多数のディンプル形成用突起が突設されているキャビティ3を有する金型本体20と、上記キャビティ3に連通するピン挿通孔50内を進退可能なサポートピン40とを具備するものである。上記サポートピン40は、その先端面に1個のディンプル形成用突起が突設されており、上記キャビティ3内に進出して芯球体31を支持すると共に、後退した状態でその先端面が上記キャビティ3内壁面の一部を構成するようになっている。なお、ここでは特に図示しないが、上記サポートピン40は、いずれも断面円形であり、上型20a及び下型20bにそれぞれ3本ずつ、合計6本がキャビティ3の極Qを中心に120度回転対称となる位置に所定間隔離間して設けられている。
また、上記金型10には、上記金型本体20の分割面に沿って所定開口面積を有するランナー60及び樹脂射出口70が形成され、図示しない公知の射出成形機からキャビティ3内壁面と芯球体31との間に公知のカバー形成用材料が射出注入されるようになっている。そして、上記カバー形成用材料の射出注入と共にキャビティ3内に進出していたサポートピン40が後退した後、冷却されることによりカバーの成形は終了する。その際、サポートピン40の位置におけるディンプルは、該サポートピンの先端面に形成されたディンプル形成用突起によって形成される。この場合、キャビティ3内のガスは、サポートピン40とピン挿通孔50との間に設けられた所定間隔の隙間を通じて排出される。
しかしながら、上記の金型10においては、芯球体31を配置して上下型を閉じた際、上記サポートピン40に無理な力が加わってたわみや位置ずれを生じることが多い。このような場合、サポートピン40はピン挿通孔50の中心から外れた位置に偏り、両者の間の隙間が不均一になる。そのため、成形時には両者の間の隙間が広い部分に対して集中的に材料が入り込むことになり、成形後のボール表面に不均一で偏ったバリが発生していた。ボール表面に不均一なバリができると、ボール全体を均一に研磨することが難しく、きれいな外観を得にくい。また、ディンプルの不均一化を招き、飛びのシンメトリー性に悪影響を及ぼすおそれもある。
更に、サポートピン40とピン挿通孔50とが偏った位置で接触することで特定の箇所に強い摩擦を生じるため、そこから摩擦屑が発生しやすくなる。このような状態で成形サイクルを繰り返すと、発生した摩擦屑がキャビティ3内に入り込んで成形後のボールを汚してしまうことがある。また、サポートピン40と金型本体20との摩擦により、キャビティ3の内壁面側が摩耗してしまい、成形後のボールに外観不良を起こす場合がある。
即ち、上記のサポートピンの位置ずれや摩耗に起因する問題は、製品の品質や、金型のメンテナンス期間及び寿命等に大きく影響するものであり、ひいては製品のコストに直結する問題である。
これに対し、特表2002−542067号公報:特許文献1(これに対応する米国特許第6129881号明細書:特許文献2)、米国特許第7341687号明細書:特許文献3、特開平08−300403号公報:特許文献4及び特開2005−143610号公報:特許文献5には、上記の外観不良等の問題を解決するために、金型本体や大径サポートピンにガス抜きピンを設けることでキャビティの極付近のガス抜き具合を改善した金型が開示されている。しかしながら、これらの金型では、ガス抜きピンとサポートピンとを個別に作製する必要があるため、余分なコストが発生してしまう上、上記の摩耗に起因する問題を解決し得るものではなかった。
このように、ゴルフボールの成形性や金型寿命の向上を目指して、ゴルフボール成形用金型に対して様々な工夫がなされてきたが、上記の課題は未だ根本的な解決には至っていない。従って、ゴルフボールの成形性や金型寿命を更に向上させ、更なる品質向上及びコストダウンを図るためにも、上述した不都合を解消し得る新たな方策が求められている。
特表2002−542067号公報 米国特許第6129881号明細書 米国特許第7341687号明細書 特開平08−300403号公報 特開2005−143610号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、特にゴルフボールのカバーの最外層を形成する場合に、金型本体及びサポートピンの摩耗を可及的に低減して、金型寿命を向上させると共に、前記摩耗に起因する外観不良や不都合なバリの発生を可及的に抑制し得、上述した生産上の不都合を生じることなく安定した成形を可能とするゴルフボール成形用金型及び該金型を用いたゴルフボールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、下記のゴルフボール成形用金型及びゴルフボールの製造方法を提供するものである。
[1]少なくともゴルフボールの赤道線を分割基準線とする分割面を有する複数の割型を分離可能に接合してなり、その内壁面に多数のディンプル形成用突起が突設されているキャビティを有する金型本体と、上記キャビティに進退可能なサポートピンとを具備し、該サポートピンが上記キャビティ内に進出して芯球体を支持すると共に、後退した状態で該サポートピンの先端面が上記キャビティ内壁面の一部を構成するゴルフボール成形用金型において、
上記サポートピンが、上記キャビティ内に進出して芯球体を支持すると共に、後退した状態でその先端面が上記キャビティ内壁面の一部を構成するピン体と、該ピン体の断面よりも大きい断面を有するガイド体とを具備し、上記ピン体が上記ガイド体の先端面に突設されてなるものであり、
上記金型本体には、上記ピン体と嵌合し得るピン挿通部、及び上記ガイド体と嵌合し得るガイド部を有するピン挿通孔が形成され、かつ
上記ガイド体と上記ガイド部との間の隙間が、上記ピン体と上記ピン挿通部との間の隙間よりも小さく設定されると共に、
上記ピン体の先端面が上記キャビティの極を含み、かつその周縁が極から緯度10度の緯線と交差するものであることを特徴とするゴルフボール成形用金型。
[2]上記ガイド体と上記ガイド部との間の隙間が、上記ピン体と上記ピン挿通部との間の隙間の1/2以下に設定された[1]記載のゴルフボール成形用金型。
[3]上記ガイド体の側面に、外部と連通する溝が少なくとも1本形成された[1]又は[2]記載のゴルフボール成形用金型。
[4]上記ガイド部の内壁面に、外部と連通する溝が少なくとも1本形成された[1]〜[3]のいずれか1項記載のゴルフボール成形用金型。
[5]上記ピン体を、先端面に1個以上のディンプル形成用突起が突設された形状とした[1]〜[4]のいずれか1項記載のゴルフボール成形用金型。
[6]上記ピン体を、先端面に2個以上のディンプル形成用突起が突設された形状とした[5]記載のゴルフボール成形用金型。
]少なくともゴルフボールの赤道線を分割基準線とする分割面を有する複数の割型を分離可能に接合してなる金型のキャビティ内に芯球体を配置すると共に、この芯球体を金型に装備されたサポートピンで支持し、芯球体とキャビティ内壁面との間にカバー形成用材料を射出注入すると共に、上記サポートピンを後退させてカバーを成形するゴルフボールの製造方法において、上記金型として[1]〜[]のいずれか1項記載のゴルフボール成形用金型を用いるゴルフボールの製造方法。
本発明のゴルフボール成形用金型によれば、所定の条件を満たす形状を有するサポートピンを設けたことにより、該サポートピンの成形時におけるたわみや位置ずれを抑制することができ、金型本体及びサポートピンの摩耗を可及的に低減することができる。従って、サポートピンのたわみや位置ずれに起因する不均一なバリの発生、キャビティ内壁面側の傷みに起因する成形品の外観不良、及び摩擦屑による成形品の汚染を可及的に防止し得、更には金型のメンテナンス期間及び寿命を伸ばすことができる。そのため、良好な成形品を継続的に得ることができ、ゴルフボールの生産性向上に寄与することができる。また、従来提案されたガス抜きピンを別途作製する必要もなくコスト的にも優位なものである。
本発明の一実施例に係るゴルフボール成形用金型の断面図である。(A)は該金型全体の構造を示した断面図であり、(B)は(A)におけるピン挿通孔近傍を拡大した断面図である。 図1で示したゴルフボール成形用金型のサポートピンの先端部近傍を拡大した斜視図である。 図2で示したサポートピンを先端面側から見た平面図である。 本発明の他の実施例に係るゴルフボール成形用金型のサポートピンを先端面側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のサポートピンを先端面側から見た平面図である。 他の実施例に係るサポートピンの先端部近傍を拡大した斜視図である。 図6で示したサポートピンを先端面側から見た平面図である。 本発明の他の実施例に係るゴルフボール成形用金型のサポートピンを先端面側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のサポートピンを先端面側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のサポートピンを先端面側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のサポートピンを先端面側から見た平面図である。 本発明の一実施例に係るゴルフボール成形用金型の下型の斜視図である。 図12で示した下型のピン挿通孔を金型の外側から見た平面図である。 本発明の他の実施例に係るゴルフボール成形用金型のピン挿通孔を金型の外側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のピン挿通孔を金型の外側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のピン挿通孔を金型の外側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のピン挿通孔を金型の外側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のピン挿通孔を金型の外側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のピン挿通孔を金型の外側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のサポートピンを示す図である。(A)は当該サポートピンの先端部近傍を拡大した斜視図であり、(B)は(A)に示したサポートピンを先端面側から見た平面図である。 本発明の更に別の実施例に係るゴルフボール成形用金型のサポートピンを示す図である。(A)は当該サポートピンの先端部近傍を拡大した斜視図であり、(B)は(A)に示したサポートピンを先端面側から見た平面図である。 従来のゴルフボール成形用金型の一例を示す断面図である。
以下、本発明のゴルフボール成形用金型につき、図面を参照して詳しく説明する。なお、以下の説明において、金型の分割基準線(パーティングライン)と分割面の用語は以下のように定義する。分割基準線とは、金型を複数個に分割する際の基準となる線であり、例えば、2分割型の金型である場合、上型と下型とが接合する基準となる線を意味し、直線状である。一方、金型の分割面とは、上記分割基準線に基づいて分割された各割型が接合する接触部分を意味する。なお、上記分割面に上記分割基準線を跨ぐディンプル形成用突起を具備する場合、分割面は該ディンプル形成用突起による凸部及び該凸部に対応する凹部を有するものとなる。本発明において、上記分割面の形状は、金型の仕様に応じて適宜設定し得るものであり、特に制限されるものではない。
本発明のゴルフボール成形用金型は、少なくともゴルフボールの赤道線を分割基準線とする分割面を有していればよく、その分割数は金型の仕様に応じて適宜設定することができ、特に制限されるものではない。例えば、分割面が1つである2分割金型のように金型の分割面の数を少なくした場合は、金型の製造コストやディンプル配列の制限を減らすことができる。一方、分割面を複数設けて多数の割型に分割した場合は成形品の離型性を向上させることができる。また、本発明の金型は、所定の条件を満たすサポートピンを設けたことを特徴とするものであるが、該サポートピンを設ける個数や位置等については、金型の仕様や成形されるゴルフボールのディンプルデザイン等に応じて適宜設定し得、特に制限されるものではない。そのため、ここでは説明を簡単にするために、金型本体をゴルフボールの赤道線を分割基準線として上型及び下型に分割した2分割型とし、本発明の条件を満足するサポートピンを上型及び下型にそれぞれ1本ずつ設けた場合を例として説明する。
図1に、本発明のゴルフボール成形用金型の一実施例を示す。図1(A)は、本発明の一実施例に係るゴルフボール成形用金型の断面図である。一方、図1(B)は、図1(A)におけるサポートピン及びピン挿通孔の関係を説明するために、ピン挿通孔近傍を拡大した断面図である(この図は、成形時におけるサポートピンの動作を説明する図ではない。また、サポートピン及びピン挿通孔の隙間の縮尺も実際のものとは相違する。)。ここに示された金型1は、ゴルフボールの赤道線を分割基準線PLとする分割面を有する上型2a及び下型2bを分離可能に接合してなり、その内壁面に多数のディンプル形成用突起が突設されているキャビティ3を有する金型本体2と、上記キャビティ3に進退可能なサポートピン4とを具備するものである。該サポートピン4は、上記キャビティ3内に進出して芯球体31を支持すると共に、後退した状態でその先端面が上記キャビティ3内壁面の一部を構成するピン体41と、該ピン体41の断面よりも大きい断面を有するガイド体42とを具備し、上記ピン体41が上記ガイド体42の先端面に一体的に突設されてなるものである。そして、図1(B)に示したように、上記金型本体2には、上記ピン体41と互いに嵌合し得るピン挿通部51、及び上記ガイド体42と互いに嵌合し得るガイド部52を有するピン挿通孔5が形成されている。更に、上記金型本体2の分割面に沿って所定開口面積を有するランナー6及び樹脂射出口7が形成され、図示しない公知の射出成形機からキャビティ3内壁面と芯球体31との間に公知のカバー形成用材料が射出注入されるようになっている。なお、カバー形成用材料が射出注入された際、キャビティ3内のガスは、金型本体2とサポートピン4との間の隙間を通じて外部へ放出される。
図1(B)中の符号t1は、上記の「ピン体41とピン挿通部51との間の隙間」を示し、「ピン体41の側面周囲とピン挿通部51の内壁面との間の全周にわたる隙間」を意味する。一方、符号t2は、上記の「ガイド体42とガイド部52との間の隙間」を示し、「ガイド体42の側面周囲とガイド部52の内壁面との間の全周にわたる隙間」を意味する。以降においても、これらの記載は同様である。
本発明の金型1では、上記ガイド体42と上記ガイド部52との間の隙間t2が、上記ピン体41と上記ピン挿通部51との間の隙間t1よりも狭く設定されることが必要であり、特に上記ピン体41と上記ピン挿通部51との間t1の隙間の1/2以下に設定されることが推奨される。詳細については後述する。
なお、本発明において、ガイド体42が「ピン体41の断面よりも大きい断面を有する」とは、図2を例に説明すると、ピン体41の辺縁mとガイド体42の先端面の周縁nとが、全周にわたって所定間隔離間している状態、即ち、平面視で上記ピン体41が上記ガイド体42の先端面に完全に包含されている状態を意味する。本発明では、上記ピン体41の辺縁mと上記ガイド体42の先端面の周縁nとの間隔は、金型の仕様等に応じて適宜設定することができ、特に制限されるものではない。また、上記ピン体41及びガイド体42の断面形状は、相似形であっても互いに異なるものであってもよい。
図1(A)において、上記ピン体41は、上記サポートピン4が上記キャビティ3内に進出した際に芯球体31を支持すると共に、カバー形成用材料の射出注入後には後退した状態でその先端面が上記キャビティ3内壁面の一部を構成するようになっている。
以下、本発明のゴルフボール成形用金型1に適用し得るサポートピン4の形状について具体的な例を挙げながら詳しく説明する。
図2及び図3に、本発明の条件を満足するサポートピン4の形状の一例を示す。図2は該サポートピン4の先端近傍を拡大した斜視図であり、図3は図2に示したサポートピン4を先端面側から見た平面図である。また、図3中の符号Qは、キャビティ3の極を示し、二点鎖線で描かれる円L1,L2は、それぞれ上記極Qから緯度10度及び8度の緯線を示す。なお、上記の極Q及び円L1,L2は、以降の図においても同様である。
図2及び図3に示したサポートピン4は、先端面に6個のディンプル形成用突起が突設されたピン体41と、該ピン体41の断面よりも大きい断面を有する断面円形のガイド体42とを具備し、上記ピン体41は上記ガイド体42の先端面に一体的に突設された形状を有している。
上記ピン体41は、上記キャビティ3内に進出して芯球体を支持すると共に、後退した状態でその先端面が上記キャビティ内壁面の一部を構成する部分である。その断面形状は、その配設位置に対応してゴルフボール表面に設定された6個のディンプルを先端面に転写した形状を有している。
より具体的に述べると、ピン体41の先端面の断面形状は、3個のティンプル形成用突起43aを正三角形状に配置し、これら3個のティンプル形成用突起43aの外側にそれぞれ1個ずつティンプル形成用突起43bを加え、これら6個のティンプル形成用突起43a,43bと先端面の周縁との間に所定の幅を有する陸部領域44(成形後のボール表面において、ディンプルが形成されない陸部に相当する領域)を設けたものである。そのため、上記ピン体41の周縁は、各ディンプル形成用突起43a,43bの辺縁に沿った湾曲部を有すると共に、互いに隣接するこれら湾曲部がなだらかな曲線によって結ばれた形状を有している。そして、該先端面の周縁と上記各ディンプル形成用突起43a,43bとの間に所定の幅を有する陸部領域44が設けられていることから、上記6個のディンプル形成用突起43a,43bが先端面に完全に包含された状態となっている。
ここで、上記ピン体41の形状は、ディンプルデザインに応じて適宜設定し得るものであり、特に制限されるものではないが、成形時に芯球体を安定して支持する観点から対称性を有していることが好ましく、特に全体として線対称又は回転対称となるようにディンプル形成用突起が配置されるようにすることが好ましい。なお、図2及び図3において、上記ディンプル形成用突起43a,43bはいずれもの平面視円形状であり、その直径は約4mm(ゴルフボールの表面に直径4mmのディンプルが形成される大きさ)である。
また、上記ピン体41は、特に制限されるものではないが、芯球体31を安定して支持する観点から、先端面が上記キャビティの極Qを含んでいることが好ましく、より好ましくは上記極Qと上記ピン体41先端面の中心とを一致させることが推奨される。ピン体41の先端面が上記の条件を満たさない場合は、芯球体31を安定して支持することが困難になるおそれがある。なお、図2及び図3に示した例では、上記ディンプル形成用突起43a,43bは全体として回転対称に配置されており、かつ上記ピン体41先端面の中心がディンプル形成用突起43a,43bの対称中心及び極Qと一致していることから、成形時に芯球体31をより安定して保持できるようになっている。
次に、上記ピン体41先端面の周縁は、特に制限されるものではないが、極Qから緯度10度の緯線L1と交差することが好ましく、より好ましくは極Qから緯度8度の緯線L2と交差することが推奨される。また、上記緯度の下限は、特に制限されるものではないが、極Qから緯度0.5度の緯線(図示せず)とすることができる。上記の条件を満足しない場合は、成形時に極Q付近のガスが抜け難くなり、外観不良を招くおそれがある。図2及び図3に示した例では、ピン体41先端面の周縁は、互いに隣接するディンプル形成用突起43a間において、極Qに向かって大きく内側に湾曲して、緯度10度及び緯度8度の緯線と交差している。そのため、極Q付近のガス抜け具合も良好である。
一方、特に制限されるものではないが、ピン体41先端面の周縁は、上記極Qから緯度40度の緯線を超えないことが好ましく、より好ましくは緯度35度、更に好ましくは緯度30度の緯線を超えないことが推奨される(これらの緯線は特に図示せず)。ピン体41先端面の周縁が上記の緯線を超えた場合、ピン体41の断面が大きくなりすぎるため、成形時にピン体41を後退させることにより生じる空間全体に材料が行き届かないことがあり、充填不良となるおそれがある。また、ピン体41の断面が大きくなりすぎた場合、ガイド体42の断面の大きさもピン体41の大きさに合わせて大きくする必要があるため、金型設計に制限が生じることがある。なお、ここでは特に図示しないが、図2及び図3に示したピン体41の周縁最外部(周縁の中で極Qから最も遠い位置になる部分)は、極Qから緯度23.4度の緯線(図示せず)に一致している。
また、上記陸部領域44の幅は、ディンプルデザインや金型設計等に応じて適宜設定することができ、特に制限されるものではない。即ち、必要に応じてピン体41先端面の周縁とディンプル形成用突起の辺縁とが一致する部分を持たせてもよい。
ピン体41の先端面に形成するディンプル形成用突起の個数は、ディンプルデザインや金型の仕様等に応じて適宜し得る。ここでは、ピン体41の形状の好適な態様の一例として、その先端面に6個のディンプル形成用突起43a,43bが形成された例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、ディンプルデザインによっては、ピン体41の先端面に上記ディンプル形成用突起を形成しない構成とすることもでき、この場合、ピン体41の先端面は、全面が陸部領域となる。ピン体41の先端面にディンプル形成用突起を形成する場合、その個数は好ましくは1個以上であり、より好ましくは2個以上とすることができる。更には、芯球体を保持する際の安定性の観点から、先端面に3個以上のディンプル形成用突起が突設されていることが好ましく、特に4個以上形成されることが推奨される。また、その上限についても特に制限はないが、20個以下とすることが好ましく、より好ましくは10個以下、更に好ましくは7個以下とすることができる。ピン体41先端面に突設されるディンプル形成用突起の個数が多すぎた場合、ピン体41の断面が大きくなりすぎるため、成形時にピン体41を後退させることにより生じる空間全体に材料が行き届かないことがあり、充填不良となるおそれがある。また、ピン体41の断面が大きくなりすぎた場合、ガイド体42の断面もピン体41の大きさに合わせて大きくする必要があるため、金型設計に制限が生じることがある。
上記ガイド体42は、サポートピン4において上記ピン体41を支える土台となる部分であり、成形時における該ピン体41の動きを規制して、その位置ずれを抑制するための部分である。図2及び図3では、上記ガイド体42は断面円形で、その断面は上記ピン体41よりも大きく設定されており、上記ピン体41が上記ガイド体42の先端面に完全に包含された状態となっている。なお、ここでは上記ガイド体42の断面形状を円形とした例を示したが、その断面形状は、加工性の観点から単純な形状であればよく、特に制限されるものではない。例えば、図4に示したように円の一部を切り欠いて直線部分を持たせた形状や、図5に示したように四角形とすることができる。特にガイド体41の形状を、上記のような直線部分を有する形状とした場合は、サポートピン4全体の回転方向のずれを抑制することができ、ピン体41及びピン挿通部51の摩耗を更に低減することができる。また、ガイド体42の断面の大きさは、上記ピン体41の断面の大きさ及び形状に応じて適宜設定されるものであり、上記ピン体41の断面よりも大きくし、該ピン体41が上記ガイド体42の先端面に完全に包含されるように設定すればよく、特に制限されるものではない。
一方、金型本体2には、上記の形状を有するサポートピン4をキャビティ3に対して進退可能なものとするために、ピン体41と相応する形状を有し、互いに嵌合し得るピン挿通部51、及びガイド体42と相応する形状を有し、互いに嵌合し得るガイド部52を有するピン挿通孔5が形成されている。本発明の金型1において、上記ガイド体42と上記ガイド部52との間の隙間は、上記ピン体41と上記ピン挿通部51との間の隙間よりも狭く設定されることが必要であり、特に上記ピン体41と上記ピン挿通部51との間の隙間の1/2以下に設定されることが推奨される。上記ガイド体42と上記ガイド部52との間の隙間が、上記ピン体41と上記ピン挿通部51との間の隙間よりも広く設定された場合は、上記ガイド体42が上記ピン体41の位置ずれを抑制することができず、上記ピン体41及び上記ピン挿通部51の摩耗を早めることになる。
ピン体41及びピン挿通部51との間の隙間、及びガイド体42とガイド部52との間の隙間は、特に制限されるものではないが、上記の関係を満足しつつ、成形時にサポートピン4がなめらかに移動すると共に、バリの発生を最小限にとどめることができ、かつキャビティ3内のガスを速やかに外部へ放出することができる範囲において適宜設定することができる。なお、本発明では、ピン体41及びピン挿通部51との間の隙間は、好ましくは5〜50μm、より好ましくは20〜40μmとすることができ、ガイド体42とガイド部52との間の隙間は、好ましくは2.5〜25μm、より好ましくは10〜20μmとすることができる。上記の隙間が大きすぎた場合は、ピンの位置ずれやバリが大きくなることがあり、一方、隙間が小さすぎた場合は、キャビティ3内のガスが抜け難くなり、外観不良の発生を招くおそれがある。なお、図2及び図3に示した例では、ピン体41とピン挿通部51との間の隙間は40μm、ガイド体42とガイド部52との間の隙間は20μmに設定している。なお、上記の隙間は、全周にわたって一定としても、サポートピン4及びピン挿通孔5の断面形状等に応じて部分的に異なるように設定してもよい。
本発明では、上記ガイド体42と上記ガイド部52との間の隙間を、上記ピン体41と上記ピン挿通部51との間の隙間よりも狭く設定することにより、ピン体41の動きが規制され、成形時における位置ずれが抑制される。そして、サポートピン4を、上記ピン体41が上記ガイド体42の先端面に突設された構成としたことにより、サポートピン4全体としての剛性が高まる。そのため、成形時におけるピン体41のたわみが従来のサポートピン40よりも低減される。本発明の金型では、上記の効果によりピン体41の位置ずれが抑制されるため、ピン体41及びピン挿通部51の摩耗を可及的に低減することができるようになり、成形時における上述した問題が解消される。
サポートピン4に形成されるピン体41の長さは、特に制限されるものではないが、通常、サポートピン4の先端から10〜40mmの範囲とすることができる。サポートピン4の全長に対してピン体41の部分が短すぎた場合は、キャビティ3内壁の厚さが部分的に薄くなるため、金型の強度が低下するおそれがある。一方、ピン体41の部分が長すぎた場合は、成形時におけるピン体41のたわみを低減する効果を得にくくなる。
従来のサポートピンでは、サポートピンの全体をピン体41と同一の形状に加工する必要があるが、本発明ではサポートピン4の先端側から必要とする部分のみとすることができる。これはピン体41が複雑な形状を有する場合において特に有効であり、サポートピン4を作製する際に、難度の高い加工を必要とする範囲を減らすことができ、加工コストを削減することができる。
本発明では、特に制限されるものではないが、成形時にキャビティ内のガスを更に速やかに排出する観点から、上記ガイド体42の側面に外部と連通する溝を少なくとも1本形成することが好ましい。図6及び図7に、サポートピンのガイド体の側面に外部と連通する溝を形成した例を示した。図6は、図2に示したサポートピン4のガイド体42の側面に断面半円形の溝45を形成した例を示す斜視図であり、図7は、図6に示したサポートピン4を先端面側からみた平面図である。また、図7中の符号Qは、上記と同様にキャビティ3の極を示し、二点鎖線で描かれる円L1,L2は、それぞれ上記極Qから緯度10度及び8度の緯線を示す。なお、上記の極Q及び円L1,L2は、以降の図においても同様である。
このサポートピン4では、3本の断面半円形の溝45がガイド体42の側面に均等に形成されている。ここでは特に図示しないが、上記溝45は、上記ガイド体42の先端面から金型の外部と連通する位置まで、サポートピン4の長手方向に沿って形成されている。このサポートピン4では、ガイド体42の側面に溝45が3本形成されていることにより、成形時にキャビティ3内のガスを速やかに排出することができる。
上記溝45の断面形状、大きさ及び形成位置は、ガイド体42の径や断面形状等に応じて適宜設定することができ、特に制限されるものではないが、本発明においては、サポートピン4全体の剛性に影響を及ぼさず、かつ上記ピン体41に干渉しない範囲において設定することが推奨される。なお、上記溝45は、上記ガイド体42の側面に少なくとも1本形成されていればよいが、キャビティ3内のガスを効率よく排出する観点から、複数本の溝をガイド体42の周囲に均等に設けることが好ましい。例えば、ガイド体42の周囲の互いに対向する位置に2本の溝を形成したり、図6及び図7に示したように3本の溝をガイド体42の周囲の均等な位置に設けたりすることもできる。また、溝45の断面形状は、図6及び図7に示した半円形だけでなく、例えば、図8に示したような四角形としてもよい。
一方、上記ガイド体42の断面形状が、図5に示したような四角形である場合においても、上記と同様に溝を形成することができる。以下に図5で示したサポートピン4のガイド体42の側面に溝を形成した例を示す。
図9に、ガイド体42の側面に溝45を形成したサポートピン4を先端面側から見た平面図を示した。図9では、上記ガイド体42の各辺の中央に断面半円形の溝45が形成されている。このサポートピン4では、ガイド体42の側面に溝45が4本形成されていることにより、成形時にキャビティ3内のガスを速やかに排出することができる。なお、この場合も、溝45の断面形状は、特に制限されるものではなく、上記の断面半円形の溝45に換えて、図10及び図11に示したような四角形や三角形等の断面形状を有する溝45を形成することもできる。
また、上述した外部と連通する溝は、サポートピン4のガイド体42に形成するだけでなく、金型本体2に形成されたガイド部52の内壁面に形成することもできる。以下、ガイド部52の内壁面に外部と連通する溝53を形成した場合について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図12は、本発明の一実施例に係る金型における下型2bの斜視図であり、該下型2bに形成されたピン挿通孔5のガイド部52の内壁面には、断面半円形の溝53が形成されている。図13は、図12に示したピン挿通孔5近傍を下方から見た平面図である。なお、上記図12及び図13に示した下型2bに形成されているピン挿通孔5は、上記図2及び図3に示したサポートピン4と互いに嵌合し得る形状を有している。また、図13中の符号Qは、上記と同様にキャビティ3の極を示し、二点鎖線で描かれる円L1,L2は、それぞれ上記極Qから緯度10度及び8度の緯線を示す。なお、上記の極Q及び円L1,L2は、以降の図においても同様である。
図12及び図13では、3本の断面半円形の溝53がガイド部52の内壁面に均等に形成されている。上記溝53は、該ガイド部52の長手方向に沿って、上記ガイド部52の最奥部から下型2bの外面まで形成されており、外部と連通するようになっている。この場合、ガイド部52の内壁面に溝53が3本形成されていることにより、成形時にキャビティ3内のガスを速やかに排出することができる。
上記溝53の断面形状、大きさ及び形成位置は、ガイド部52の径や断面形状等に応じて適宜設定することができ、特に制限されるものではないが、本発明においては、キャビティ3内のガスを効率よく排出し得ると共に、金型の強度に影響を及ぼさず、かつ公知のピン等の他の構成部品に干渉しない範囲において設定することが推奨される。なお、上記溝53は、上記ガイド部52の内壁面に少なくとも1本形成されていればよいが、キャビティ3内のガスを効率よく排出する観点から、複数本の溝を均等な位置に設けることが好ましい。例えば、ガイド部52の内壁面の互いに対向する位置に2本の溝を形成したり、図12及び図13に示したように3本の溝をガイド部52の内壁面の均等な位置に設けたりすることもできる。
上記溝53の断面形状は、上記の断面半円形の溝53に換えて、図14に示したような四角形とすることもできる。また、図15に示したように、ガイド部52の内壁面に形成する溝53を3本から6本に変更することもできる。更に、ガイド部52の断面形状が、円の一部を切り欠いて直線部分を持たせた形状である場合、即ち、上記図4に示した形状のサポートピン4が嵌合し得る形状である場合は、例えば図16に示したように、2本の溝53をその周囲の円形部分に均等に形成することができる。これらは、いずれの場合においても、ガイド部52の内壁面に溝53が複数本形成されていることにより、成形時にキャビティ3内のガスを速やかに排出することができる。
一方、上記ガイド部52の断面形状が、四角形である場合、即ち、上記図5に示した形状のサポートピン4が嵌合し得る形状である場合においても、上記と同様にその内壁面に溝を形成することができる。以下に図5で示したサポートピン4が嵌合し得る形状を有するガイド部52の内壁面に溝を形成した例を示す。
図17に、ガイド部52の内壁面に溝53を形成したピン挿通孔5近傍を図1に示した下型2bの下方から見た平面図を示した。図17では、断面四角形の上記ガイド部52の各辺の中央に断面半円形の溝53が形成されている。この場合、ガイド部52の内壁面に溝53が4本形成されていることにより、成形時にキャビティ3内のガスを速やかに排出することができる。なお、この場合も、溝53の断面形状は、特に制限されるものではなく、上記の断面半円形の溝53に換えて、図18に示したような四角形等の断面形状を有する溝53を形成することもできる。また、図19に示したように、ガイド部52の各辺の中心及び各頂点に断面四角形の溝53を合計8本形成することもできる。これらの場合においても、ガイド部52の内壁面に溝53が形成されていることにより、成形時にキャビティ3内のガスを速やかに排出することができる。
なお、上記ガイド体42の側面に形成される溝45、及び上記ガイド部52の内壁面に形成される溝53は、通常はいずれか一方に1本以上形成されればよいものであるが、ガイド体42及びガイド部52の両方に上記の溝を形成することを妨げることはない。
ここまで本発明のゴルフボール成形用金型の好ましい態様として、金型本体をゴルフボールの赤道線を分割基準線として上型及び下型に分割した2分割型とし、本発明の条件を満足するサポートピンを上型及び下型にそれぞれ1本ずつ設けた場合について具体例を挙げて説明してきたが、該サポートピンを設ける本数や位置は上記の例に限定されるものではない。例えば、図22に示した従来金型10におけるサポートピン40を、図20や図21に示したサポートピンに換えたものとすることもできる。
図20には、ピン体の先端面に1個のディンプル形成用突起が突設されたサポートピンの例を示した。図20(A)は、当該サポートピン4の先端部近傍を拡大した斜視図であり、図20(B)は、図20(A)に示したサポートピン4を先端面側からみた平面図である。一方、図21には、図20に示したサポートピン4のガイド体42の側面に、外部と連通する溝45が形成された例を示した。図21(A)は、当該サポートピン4の先端部近傍を拡大した斜視図であり、図21(B)は、図21(A)に示したサポートピン4を先端面側からみた平面図である。
これらのサポートピン4は、ピン体41の先端面に1個のディンプル形成用突起43cが形成されたものである。そして、上記ピン体41よりも大きい断面を有するガイド体42を具備することにより、サポートピン全体としての剛性が高まり、上記ピン体41のたわみや位置ずれが低減され、これらたわみや位置ずれに起因する生産上の不都合を解消することができる。特に、図21に示したサポートピン4においては、ガイド体42の側面に溝45が形成されており、成形時にキャビティ3内のガスを速やかに排出することができる。
また、この場合においても、ここでは特に図示しないが、必要に応じて上記ガイド体42が嵌合するガイド部の内壁面に外部と挿通する溝を形成することもできる。なお、ディンプルデザインや金型設計の関係で、ピン体41の先端面に突設されるディンプル形成用突起43cを必要としない場合、該ピン体41の先端面は、全面が陸部領域となる。
本発明のゴルフボール成形用金型に使用される材料は、特に制限されるものではなく、公知の材料を使用することができる。
本発明のゴルフボール成形用金型を用いて、ゴルフボールを成形する場合、その方法及び条件等は、従来の金型を用いた場合と同様に行うことができる。より具体的に述べると、図1に示した2分割型の金型1を用いる場合には、まず、該金型1のキャビティ3内に芯球体31を配置すると共に、この芯球体31を金型1に装備されたサポートピン4で支持する。次に、上記芯球体31とキャビティ3内壁面との間に公知のカバー形成用材料をランナー6及び樹脂射出口7を通して射出注入すると共に、上記サポートピン4を後退させて、冷却固化した後、上下型を分離して成形品を取り出す。得られた成形品は、ゲートカットされ、常法による研磨処理を施してバリを除去した後、コアの周囲に1層又は2層以上のカバーが形成されたゴルフボールとなる。なお、ゴルフボールのデザイン性や耐久性を向上させるために、上記で得られたゴルフボールの表面に公知の方法でスタンプや塗装等の種々の処理を行うことは任意である。
ここで上記のカバー形成用材料としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができ、特に限定されるものでないが、アイオノマー樹脂、ウレタン樹脂等を好適に用いることができる。また、形成されるカバーの厚さについては、製造するゴルフボールの構造や材質等に応じて適宜設定することができ、特に制限されるものではない。
上記の方法で製造されるゴルフボールにおいて、表面に形成されるディンプルの形状、個数及び配列等は、ボールの仕様に応じて適宜設定し得るものであり、特に制限されるものではない。例えば、ディンプルの形状については、円形に限られず、非円形の多角形、涙形、楕円形等から適宜選択することができる。また、上記ディンプルの直径については、特に制限されるものではないが、0.5〜6mmの範囲とすることが好ましい。そして、ディンプルの深さについても特に制限されるものではないが、0.05〜0.4mmの範囲とすることが好ましい。
また、ディンプルがボール表面に占める表面占有率については、特に制限されるものではないが、空気力学的特性の観点から70%以上にすることが好ましく、より好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上とされる。本発明の金型を用いることで、高い表面占有率を有するボールを容易に製造することができる。
以上、本発明につき、図面を参照して好適な実施態様について説明したが、本発明のゴルフボール成形用金型は、図面や上記実施態様の内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限りその構成を適宜変更することができる。即ち、金型の分割面の形状や分割数、並びに本発明で規定するサポートピンの配置位置及び個数等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更しても差し支えない。例えば、上記図1に示した金型において、上型2a及び下型2bに設けられたサポートピン4の形状は、必ずしも同一である必要はなく、ディンプルデザイン等に応じて異なる形状とすることができる。より具体的に述べると、図2及び図3に示したサポートピンを上型2aに設け、図4に示したサポートピンを下型2bに設けた構成とすることも任意である。更には、必要に応じて公知のピン等を追加することもできる。
以上説明したように、本発明のゴルフボール成形用金型は、所定の条件を満たす形状を有するサポートピンを設けたことにより、該サポートピンの成形時におけるたわみや位置ずれを抑制することができ、金型本体及びサポートピンの摩耗を可及的に低減し得るものである。従って、サポートピンのたわみや位置ずれに起因する不均一なバリの発生、キャビティ内壁面側の傷みに起因する成形品の外観不良、及び摩擦屑による成形品の汚染を可及的に防止し得、更には金型のメンテナンス期間及び寿命を伸ばすことができる。そのため、良好な成形品を継続的に得ることができ、ゴルフボールの生産性向上に寄与することができる。また、従来提案されたガス抜きピンを別途作製する必要もなくコスト的にも優位なものである。
1 金型
2 金型本体
2a 上型
2b 下型
3 キャビティ
31 芯球体
4 サポートピン
41 ピン体
42 ガイド体
5 ピン挿通孔
51 ピン挿通部
52 ガイド部
6 ランナー
7 樹脂射出口
PL 分割基準線
Q 極

Claims (7)

  1. 少なくともゴルフボールの赤道線を分割基準線とする分割面を有する複数の割型を分離可能に接合してなり、その内壁面に多数のディンプル形成用突起が突設されているキャビティを有する金型本体と、上記キャビティに進退可能なサポートピンとを具備し、該サポートピンが上記キャビティ内に進出して芯球体を支持すると共に、後退した状態で該サポートピンの先端面が上記キャビティ内壁面の一部を構成するゴルフボール成形用金型において、
    上記サポートピンが、上記キャビティ内に進出して芯球体を支持すると共に、後退した状態でその先端面が上記キャビティ内壁面の一部を構成するピン体と、該ピン体の断面よりも大きい断面を有するガイド体とを具備し、上記ピン体が上記ガイド体の先端面に突設されてなるものであり、
    上記金型本体には、上記ピン体と嵌合し得るピン挿通部、及び上記ガイド体と嵌合し得るガイド部を有するピン挿通孔が形成され、かつ
    上記ガイド体と上記ガイド部との間の隙間が、上記ピン体と上記ピン挿通部との間の隙間よりも小さく設定されると共に、
    上記ピン体の先端面が上記キャビティの極を含み、かつその周縁が極から緯度10度の緯線と交差するものであることを特徴とするゴルフボール成形用金型。
  2. 上記ガイド体と上記ガイド部との間の隙間が、上記ピン体と上記ピン挿通部との間の隙間の1/2以下に設定された請求項1記載のゴルフボール成形用金型。
  3. 上記ガイド体の側面に、外部と連通する溝が少なくとも1本形成された請求項1又は2記載のゴルフボール成形用金型。
  4. 上記ガイド部の内壁面に、外部と連通する溝が少なくとも1本形成された請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール成形用金型。
  5. 上記ピン体を、先端面に1個以上のディンプル形成用突起が突設された形状とした請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール成形用金型。
  6. 上記ピン体を、先端面に2個以上のディンプル形成用突起が突設された形状とした請求項5記載のゴルフボール成形用金型。
  7. 少なくともゴルフボールの赤道線を分割基準線とする分割面を有する複数の割型を分離可能に接合してなる金型のキャビティ内に芯球体を配置すると共に、この芯球体を金型に装備されたサポートピンで支持し、芯球体とキャビティ内壁面との間にカバー形成用材料を射出注入すると共に、上記サポートピンを後退させてカバーを成形するゴルフボールの製造方法において、上記金型として請求項1〜のいずれか1項記載のゴルフボール成形用金型を用いるゴルフボールの製造方法。
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