JP5420113B2 - 中空駆動軸 - Google Patents

Description

本発明は動力伝達装置に関し、特に中空駆動軸に関する。

高パワーの内燃機関、発電機およびモーターの出現に伴い、動力伝達のための駆動軸は、大型で、より大きな力を伝達できることが必要となっている。メガワット級大型垂直軸風力発電システムにおける最大の障害は、超高出力風車発電機構の垂直軸が地上に巨大なトルクを伝えることを、どのように可能にするか、ということである。また、これは、垂直軸風力発電システムが大型や超大型になることを妨げる、特有の解決されるべき課題でもある。直径約２メートル且つ高さ１００メートルあるいはそれ以上の中実軸が伝動に用いられる場合、その中実軸の重量によって、高トルクを伝えることはいうまでもなく、その軸体を回転させることも困難になる。中心帆柱構造における駆動軸として中空管が使用される場合、直径数十ミリメートル且つ長さ数メートルの中空鋼管では、数キロワットのトルクしか伝えることができず、大規模垂直軸風力発電システムに対する需要は満たすことができていない。

高トルクを伝えることができる駆動軸がないという課題を解決するために、本発明は、軽量で、耐曲げおよび耐ねじれのような、優れた機械的物性を有しており、大型垂直軸風力発電システムを支えることができる中空駆動軸を提供する。

本発明の実施形態の技術概要は以下の通りである。中空駆動軸は中空鋼管、中空鋼管の中心に軸方向に配置された心棒、および中空鋼管と心棒との間に配置された螺旋状リブプレートを含みうる。螺旋状リブプレートの外径端面は、溶接、鋳造、圧延などにより中空鋼管の管壁の内周面に螺旋状に接合される。螺旋状リブプレートの内径端面は、心棒の外周面に螺旋状に接合される。螺旋状リブプレートのねじれ角は１０〜４５度である。螺旋状リブプレートのねじれ角の方向は、作動トルクＭの伝達方向と反対である。中空鋼管は直径が変化している管であってもよい。

本発明には次の利点がある。中実軸または従来の中空駆動軸と異なり、本発明によって提供される中空駆動軸は、その内部に固定された抗トルク螺旋状リブプレートを有する。本発明の中空駆動軸は、中実軸に代えて用いることができる。あるいは、中空駆動軸の軸壁として必要とされる厚みを減少させる。本発明の中空駆動軸は、大型垂直軸の重量によって生じる軸方向の力を著しく減少させ、駆動軸の重量を減らし、製造コストを下げる。特に、螺旋状リブプレートのねじれ角の方向は、作動トルクＭの伝達方向と反対である。これは、螺旋状リブプレートの耐曲げおよび耐ねじれの特性を最大限に発揮するものであり、それゆえに、同じ直径、太さおよび材質の管状部品より５〜１０倍優れた耐曲げおよび耐ねじれ性能を生じる。計算されるように、螺旋状リブプレートのない中空駆動軸の有する最大トルクは１２００ＫＮ・ｍであるのに対し、抗トルク螺旋状リブプレートが中空駆動軸の中に配置された後では、最大トルクは５８００ＫＮ・ｍに増加する。したがって、本発明は、大きなトルクを伝達する駆動軸における技術的課題を良好に解決し、大型垂直軸風力発電装置の使用促進を保証するものである。

本発明は、様々な種類の船舶のプロペラ伝動や、大型輸送車両における伝動、さらには、鉄鋼、石油、採鉱および他の分野で使用される製造装置の中で用いられる様々な高トルク伝動に適用することができる。本発明は、より大きな装置の製作、および超高パワーの伝動に重要な貢献をすることが予測される。

本発明の実施形態による中空駆動軸の構造を例示する概略図である。 図１のＡ−Ａ線断面図である。 図１のＢ−Ｂ線断面図である。 本発明の別の実施形態による中空駆動軸の構造を例示する概略図である。 図４のＡ−Ａ線断面図である。 図４のＢ−Ｂ線断面図である。

本発明の目的、技術的解決法およびその長所をより明白にするため、実施例および添付の図面でいくつかの例をさらに詳細に説明する。

抗トルク螺旋状リブプレートを有する中空駆動軸は、中空鋼管、中空鋼管の中心に軸方向に配置された心棒、および中空鋼管と心棒との間に配置された螺旋状リブプレートを含みうる。螺旋状リブプレートの外径端面は、中空鋼管の内周面に螺旋状に接合される。螺旋状リブプレートの内径端面は、心棒の外周面に螺旋状に接合される。螺旋状リブプレートのねじれ角の方向は、作動トルクＭの伝達方向と反対である。中空鋼管は直径が変化している管であってもよい。

螺旋状リブプレートの外径端面は、溶接、鋳造、圧延などにより中空鋼管の管壁の内周面に接合されてもよい。

螺旋状リブプレートのねじれ角は１０〜４５度であってもよい。

中空鋼管は直径が変化している鋼管であってもよい。

中実軸または従来の中空駆動軸と異なり、本発明によって提供される中空駆動軸は、その内部に固定された抗トルク螺旋状リブプレートを有する。本発明の中空駆動軸は、中空駆動軸の軸壁として必要とされる厚みを減少させうる。本発明の中空駆動軸は、大型垂直軸の重量によって生じる軸方向の力を著しく減少させ、駆動軸の重量を減らし、製造コストを下げうる。特に、螺旋状リブプレートの上方への巻き方向は、作動トルクＭの伝達方向と反対である。これは、螺旋状リブプレートの耐曲げおよび耐ねじれの特性を最大限に発揮するものであり、それ故に、耐曲げおよび耐ねじれの機能を、同じ直径、太さおよび材質の管状部品より５〜１０倍優れたものとする。計算されるように、螺旋状リブプレートのない中空駆動軸の有する最大トルクは１２００ＫＮ・ｍであるのに対し、抗トルク螺旋状リブプレートが中空駆動軸の中に配置された後では、最大トルクは５８００ＫＮ・ｍに増加する。したがって、本発明は、大きなトルクを伝達する駆動軸における技術的課題を良好に解決し、大型垂直軸風力発電装置の使用の促進を保証するものである。

本発明は、様々な種類の船舶のプロペラ伝動や、大型輸送車両における伝動、さらには、鉄鋼、石油、採鉱および他の分野で使用される製造装置の中で用いられる様々な高トルク伝動に適用することができる。本発明は、より大きな装置の製作、および超高パワーの伝動に重要な貢献をすることが予測される。

以下、本発明を詳細な例でさらに説明する。

図１、２および３は、大型垂直軸風力発電装置の中で使用できる、抗トルク螺旋状リブプレートを有する中空駆動軸を図示している。当該駆動軸の高さは約１００ｍであり、材質はＱ３４５であり、軸体の下端の直径は約３．５ｍであり、軸体の上端の直径は約１．１ｍである。当該軸は、その厚さが下端および上端で等しくなく、直径が変化している中空鋼管３からできている。中空鋼管３の厚さは、下端で約８０ｍｍ、上端で約１５ｍｍである。心棒１は、中空鋼管３の中心に軸方向に配置される。螺旋状リブプレート２は心棒１と中空鋼管３との間に配置される。螺旋状リブプレート２のねじれ角αは約１６．５度である。螺旋状リブプレート２の外径端面は、中空鋼管３の管壁の内周面に十分に溶着されている。螺旋状リブプレート２の内径端面は、心棒１の外周面に十分に溶着されている。螺旋状リブプレート２のねじれ角４の方向は、作動トルクＭの伝達方向と反対である。駆動軸２の最大トルクは約５８００ＫＮ・ｍである。

一実施形態によれば、心棒の直径は、中空鋼管の外径の１／１０より大きいか、または１／１０に等しい。

一実施形態によれば、螺旋状リブプレートの厚さは、中空鋼管の厚さの１／３より厚いか、または１／３に等しい。

図４は、本発明の別の実施形態による中空駆動軸の構造を例示する概略図である。図４に示されるように、中空駆動軸は中空鋼管６および中空鋼管６内に配置された螺旋状リブプレート５を含む。螺旋状リブプレート５の外径端面は、中空鋼管６の管壁の内周面に螺旋状に接合される。螺旋状リブプレート５のねじれ角の方向は、作動トルクＭの伝達方向と反対である。

螺旋状リブプレート５の外径端面は、溶接、鋳造、圧延などにより中空鋼管の管壁の内周面に螺旋状に接合されていてもよい。螺旋状リブプレート５のねじれ角７は約１０〜４５度であってもよい。

中空鋼管６は直径が変化している管であってもよい。

螺旋状リブプレート５の厚さは、中空鋼管６の管壁の厚さの１／３より厚い、または１／３に等しい。

本実施形態では、中空駆動軸はその内部に配置される心棒を有しない。つまり、心棒は本発明の実施に必須ではない。螺旋状リブプレートは、中空鋼管の管壁の内周面上に、ちょうど建物内の螺旋階段のように配置される。

先の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するために用いられるものではない。本発明の原理の下でなされたいかなる変更、等価な置換および改善も、本発明の保護範囲に含まれるべきである。

１ 心棒
２ 螺旋状リブプレート
３ 中空鋼管
４ ねじれ角
５ 螺旋状リブプレート
６ 中空鋼管
７ ねじれ角

Claims (9)

1. 中空鋼管（３）、中空鋼管（３）の中心に軸方向に配置された心棒（１）、および中空鋼管（３）と心棒（１）との間に配置された螺旋状リブプレート（２）を含む中空駆動軸であって、螺旋状リブプレート（２）の外径端面が、中空鋼管（３）の管壁の内周面に接合され、螺旋状リブプレート（２）の内径端面が、心棒（１）の外周面に接合され、螺旋状リブプレート（２）のねじれ角の方向が、作動トルクＭの伝達方向と反対であることを特徴とする中空駆動軸。
2. 螺旋状リブプレート（２）のねじれ角（４）が１０〜４５度であることを特徴とする請求項１に記載の中空駆動軸。
3. 中空鋼管（３）が直径が変化している中空鋼管であることを特徴とする請求項１に記載の中空駆動軸。
4. 心棒（１）の直径が、中空鋼管（３）の外径の１／１０より大きいか、または１／１０に等しいことを特徴とする請求項１に記載の中空駆動軸。
5. 螺旋状リブプレート（２）の厚さが中空鋼管（３）の厚さの１／３より厚いか、または１／３に等しいことを特徴とする請求項１に記載の中空駆動軸。
6. 中空鋼管（６）および中空鋼管（６）の内部に配置された螺旋状リブプレート（５）を含む中空駆動軸であって、螺旋状リブプレート（５）の外径端面が、中空鋼管（６）の管壁の内周面に螺旋状に接合され、螺旋状リブプレート（５）のねじれ角の方向が、作動トルクＭの伝達方向と反対であることを特徴とする中空駆動軸。
7. 螺旋状リブプレート（５）のねじれ角（７）が１０〜４５度であることを特徴とする請求項６に記載の中空駆動軸。
8. 中空鋼管（６）が、直径が変化している中空鋼管であることを特徴とする請求項６に記載の中空駆動軸。
9. 螺旋状リブプレート（５）の厚さが、中空鋼管（６）の厚さの１／３より厚いか、または１／３に等しいことを特徴とする請求項６に記載の中空駆動軸。

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