JP5419888B2 - アミノカリックスアレーン誘導体とイミンカリックスアレーン誘導体の単分子層に変性されたガラス繊維およびその製造方法と、変性されたガラス繊維にオリゴdnaを固定化したガラス繊維およびその製造方法、ならびにオリゴdnaを固定化したガラス繊維を利用した遺伝子型分析用ストリップ製造方法{modifiedglassfiberswithmonolayersofaminocalixarenederivativesandiminecalixarenederivatives、andoligo−dnamodifiedglassfibersbyfixingoligo−dna’stothemonolayers、andthepreparationmethodofgenotypingstripsusingtheoligo−dnamodifiedglassfibers} - Google Patents
アミノカリックスアレーン誘導体とイミンカリックスアレーン誘導体の単分子層に変性されたガラス繊維およびその製造方法と、変性されたガラス繊維にオリゴdnaを固定化したガラス繊維およびその製造方法、ならびにオリゴdnaを固定化したガラス繊維を利用した遺伝子型分析用ストリップ製造方法{modifiedglassfiberswithmonolayersofaminocalixarenederivativesandiminecalixarenederivatives、andoligo−dnamodifiedglassfibersbyfixingoligo−dna’stothemonolayers、andthepreparationmethodofgenotypingstripsusingtheoligo−dnamodifiedglassfibers} Download PDFInfo
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Description
最近開発されて注目を浴びている、HPVウイルス遺伝型分析用DNAチップは、数十種のヒト乳頭腫ウイルス(HPV;human papiloma virus)の遺伝型分析が可能なDNAチップに開発された。特定遺伝型のウイルスが存在すれば、未来に子宮頸部癌が殆ど90%以上の確率で発病すると知られている。従って、このようなチップは発病可能性を予測することのできる予防医学的バイオチップとして重要性が認められ、その結果、世界で初めて韓国食品医薬品安全庁(Korea Food And Drug Administration)から正式許可が与えられた。
1)人の手は均一に作動しない。これに関し、洗浄過程で洗浄時間または水溶液分注速度における微細な差異等が相当な誤差を引き起こしうる。従って、DNAチップを扱う人の水準によって実験結果が不規則的に示されることがある。
2)50℃程度の高温で30分−2時間程度の長期間にかけて進行されるハイブリダイゼーションにおいて、溶媒が蒸発することによって、溶液上に存在する結合、例えばハイブリダイゼーションに関与しうるDNAの濃度が急激に増加する。このような場合、結果として示される信号の差異が数倍に達することがあり、陽性/陰性判定を難しくする。
3)特に、蛍光が検出されてはならない位置に蛍光信号が示されて、該当DNAが存在するという誤った情報を与える場合がある;即ち、非特異的DNA発現が起こり正確な遺伝型分析を難しくしている。
5)特に、ガラススライドに基づいたDNAチップは、使用が簡便な形態への加工が難しい。従って、加工性に優れた材質から使用が簡便な形態に製造され、DNAチップの性能をそのまま具備する製品を製造することができる技術開発が必要となった。
6)また、DNAチップの普及を妨げる大きな要因のうちの一つは、チップの最終分析結果を確認するために高価なスキャナーを用いなければならないという点である。現在のスキャナーは大部分が数万ドルに達し、多様なウイルスの遺伝型分析を可能とするDNAチップの開発と使用が制限されている。この問題を解決するために、数百から数千ドル程度の低価の分析機を用いての遺伝型分析を可能とする遺伝型分析用ストリップ、およびこのようなストリップの製造に必須なガラス繊維、即ち、DNA固定化が可能で加工性に優れたガラス繊維の変性技術、および変性されたガラス繊維に多様なDNAを固定化して多種遺伝子分析、即ち各種遺伝子の遺伝型分析を可能とする技術の確保が必須である。
ガラス繊維に多様なDNAを固定化するために、本発明はガラス繊維の表面がガラススライドの表面と特性が同一であるという性質を用いる。本発明は、公知の方法(Langmuir、1996年、Vol 12、pp5338−5342)によってガラス繊維表面をアミンで変性する。次に、本発明は化学式1のアミノカリックスアレーン誘導体と化学式2のイミンカリックスアレーン誘導体をアミンで変性されたガラス繊維に適用してそれぞれアミノカリックスアレーン単分子層とイミンカリックスアレーン単分子層を形成する。次に、ガラススライドの場合と同じ方法でDNAを含む溶液をガラス繊維の表面に塗布してDNAが固定化されたガラス繊維を製造することができる。即ち、本発明は多数のDNAが固定化したガラス繊維製造技術、およびこのようなガラス繊維を用いた遺伝型分析用ストリップ製造方法を提供する。特に、本発明は溶液中の一つまたは一つ以上の遺伝子または溶液においてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を経た結果物をガラス繊維に結合されたプローブDNAとハイブリダイゼーションにより結合させることで遺伝型を確認することができる、遺伝型分析ストリップ製造技術を提供する。
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R'1、R'2、R'3、R'4、R'5、R'6、R'7、R'8は互いに独立して−H、−CH3、−C2H5、−C3H7、−OCH3、−Cl、−C6H5、−OH、−OCH2CH3、−Br、−CF3、−OCH2C6H5、−OC6H5、−OC6H4CH3、−OC6H4C(CH3)3、−OC6H4CF3、−OC6H4Cl、−OCOCH3、−NHCOCH3、−CONHCH3、−CN、COOHおよび−COORからなる群より選ばれ、ここで、Rは−CH3または−C2H5を示し;
Y1、Y2、Y3およびY4は互いに独立して−H、−(CH2)n−CH=O、−(CH2)n−SH、−(CH2CH2O)m−CH2CH2−CH=O、−(CH2CH2O)m−CH2CH2−SH、−(CH2)m−C6H4−(CH2)C−Zおよび−CO−(CH2)m−1−C6H4−(CH2)C−Zからなる群より選ばれ、ここで、n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、Zは−SH、−CHO、−COOHおよび−NH2からなる群より選ばれる基、そして−C6H4−と−C6H5はフェニル基として定義される。
式中、
R1、R2、R3およびR4は互いに独立して−H、−CH3、−C2H5、−C3H7、−OCH3、−Cl、−C6H5、−OH、−OCH2CH3、−Br、−CF3、−OCH2C6H5、−OC6H5、−OC6H4CH3、−OC6H4C(CH3)3、−OC6H4CF3、−OC6H4Cl、−OCOCH3、−NHCOCH3、−CONHCH3、−CN、COOHおよび−COORからなる群より選ばれ、ここで、Rは−CH3または−C2H5を示し;
Y1、Y2、Y3およびY4は互いに独立して−H、−(CH2)n−CH=O、−(CH2)n−SH、−(CH2CH2O)m−CH2CH2−CH=O、−(CH2CH2O)m−CH2CH2−SH、−(CH2)m−C6H4−(CH2)C−Z、および−CO−(CH2)m−1−C6H4−(CH2)c−Zからなる群より選ばれ、ここで、n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、Zは−SH、−CHO、−COOHおよび−NH2からなる群より選ばれる基、そして−C6H4−と−C6H5はフェニル基として定義される。
化学式1のアミノカリックスアレーン誘導体および化学式2のイミンカリックスアレーン誘導体は、本願に参照として導入される韓国特許出願10−2005−0096322号、10−2005−0103857号、10−2005−0105340号および10−2005−0110824号に記載の方法により製造することができる。
図4と図5において例示された変性ガラス繊維にDNAを固定化する方法において、60−600mMのイオンが存在する固定化溶液において、連続したグアニン塩基を有するオリゴDNAが自然に固定化してDNAが固定化したガラス繊維を製造する。本発明によるDNAの固定化方法は、連続したグアニン塩基、例えば9個の連続したグアニン塩基を有するオリゴDNAをBMT分注溶液(600mMアンモニウムイオン溶液)に溶解させて固定化溶液を製造する工程;上記固定化溶液を上記アミノカリックスアレーンまたはイミンカリックスアレーンの単分子層に変性されたガラス繊維に分注する工程;およびオリゴDNAを固定化する工程を含む。上記方法は任意に、上記ガラス繊維を洗浄する工程およびオリゴDNAが固定化したところを以外の位置をブロッキング(blocking)する工程を含むことができる。上記方法において、固定化工程は常温で約1乃至4時間の間実施することができる。ブロッキング工程は洗浄されたガラス繊維をブロッキング溶液(1x〜4xSSC、0.1−5.0%カゼイン)に入れて10−30分間処理する工程を含むことができる。
また、本発明は下記工程を含む、特定塩基配列を有する遺伝子の存在有無を確認することができる遺伝型分析方法を提供する:
増幅核酸を有し蛍光標識された遺伝子を含む溶液を本願によるガラス繊維上で展開する工程;および
特定塩基配列、例えば特定ウイルス遺伝型を有する遺伝子を、ハイブリダイゼーションにより、ガラス繊維表面に固定化され上記遺伝子に相補的なプローブオリゴDNAと結合する工程。
また、既存のガラススライドに基づいたDNAチップから得た結果と比べて、本発明は画期的に選択性に優れ、非特異性が減少された変性ガラス繊維、およびこれを用いた速成型分析(genotyping)用ストリップ(例えば、ウイルスの遺伝型分析用ストリップ)の製造および使用技術を提供する。上記遺伝型分析用ストリップは連続したグアニン塩基を有するオリゴDNAを一種類以上含むガラス繊維を含むことができ、オリゴDNAが固定化されていないガラス繊維部分にサンプル注入口を形成することができる。遺伝型分析用ストリップはラピッドストリップ、またはこれを含む遺伝型分析用キットの形態に製造することができる。
本願による遺伝型分析用ストリップのサンプル注入口を通じて、増幅核酸を含み蛍光標識された遺伝子を含む溶液を注入する工程;
上記溶液をガラス繊維上で展開する工程;および
特定塩基配列を有する遺伝子を、ハイブリダイゼーションにより、ガラス繊維の表面に固定化され上記遺伝子に相補的なプローブオリゴDNAに結合する工程。
また、本発明は、本願によるガラス繊維の表面に特定塩基配列を有する遺伝子(RNA、DNA等)が含まれた溶液を塗布する工程;特定塩基配列を有する遺伝子を、ハイブリダイゼーションにより、ガラス繊維の表面に固定化され連続したグアニン塩基を有し上記遺伝子に相補的なオリゴDNAと結合する工程;蛍光、可視光線等を用いる多様な光学的分析法で結合された遺伝子の総量を測定する工程を含む、遺伝型分析方法を提供する。
CHCl3のような有機溶媒に化学式1の誘導体中で5,11,17,23−テトラジベンジルアミノカリックス[4]アレーン−1,3−ヘキサンアルデヒド(TDBACAHA)を0.1〜5.0mM濃度で溶かした溶液を製造した。図1および図2に示されたところのように、アミン作用基が付着されたガラス繊維(アミンガラス繊維基質)を製造された溶液に1−24時間の間浸けた後、ガラス繊維をクロロホルム、アセトンおよび水でそれぞれ洗浄し乾燥してアミノカリックスアレーン単分子層を形成した。同一の方法により他のアミノカリックスアレーン誘導体単分子層を製造した。
CHCl3のような有機溶媒に化学式2の誘導体中で5,11,17,23−テトラベンジルイミンアルコキシカリックス[4]アレーン(TBICOCA)を0.1〜5.0mM濃度で溶かした溶液を製造した。図3に示したところのように、アミン作用基が付着されたガラス繊維(アミンガラス繊維基質)を製造された溶液に1−24時間の間浸けた後、これをクロロホルム、アセトンおよび水でそれぞれ洗浄し乾燥してイミンカリックスアレーン単分子層を形成した。同一の方法により他のイミンカリックスアレーン誘導体単分子層を製造した。
図5に示したオリゴDNA固定化のためにバイオドット(Biodot)分注機装置(モデル名XYZ 3050、アメリカ)を用いた。多種の遺伝子の遺伝型分析のために表1に明記されたように完全に相補的な塩基配列を有するプローブDNAを図5のように固定化した。即ち、連続した9個のグアニン塩基を有するオリゴDNA3−30pmol/μlをBMT分注溶液(600mMアンモニウムイオン溶液)に溶かして、固定化溶液(600mMアンモニウムイオン溶液;製品名BMT spotting solution−9G、(株)バイオマトリックステクノロジー社製、韓国)を8セット製造した。上記固定化溶液を分注ノズルを用いて5−50mm/secの速度で分注した。実施例1および実施例2の方法により、変性されたガラス基質(ガラス繊維)上に、図4に示されたところのようにアミノカリックスアレーン誘導体単分子層またはイミンカリックスアレーン誘導体単分子層を形成した。次に、オリゴDNAを製造されたガラス基質上に幅0.5−5mmの線状に固定化した。常温で1−4時間の間固定化した後、ガラス繊維を洗浄し、オリゴDNAが固定化していない位置をブロッキング(blocking)するために、洗浄されたガラス繊維を250mlのBMTブロッキング溶液(1x〜4xSSC、0.1−5.0%カゼイン(caseine);製品名BMT Blocking solution−9G、(株)バイオマトリックステクノロジー社製、韓国)に10−30分間浸漬させた(immerse)。
蛍光標識された標的DNAとのハイブリダイゼーションのために、1.5mlチューブに表1に明記された蛍光標識した標的DNA5μlとBMT hyb−mixA(6xSSC、20%formamide、0.05%triton X−100、製品名BMT Hyb−solution−9G、(株)バイオマトリックステクノロジー社製、韓国)75μlを入れて80μlの混合溶液を製造した。次に、製造された混合溶液を組立てられたストリップのサンプル注入口に注入した。次に、室温(20±5℃)で5−50分間ハイブリダイゼーションを進行させた。ハイブリダイゼーションが完了した後、ストリップに0.1x〜4xSSC溶液100〜300μlを注入し、ストリップを分離した。次に、ガラス繊維をスライドに付着してマイクロアレイヤースキャナー(GSI Lumonics、アメリカ)または線形(linear)スキャナーを用いて蛍光強度を定量的に分析した。図5は線形スキャナーを用いて得られた実際の結果を例示する。上記結果はオリゴDNAが固定化されたガラス繊維が製造され、多種の遺伝子を表面変性されたガラス繊維上に適用して蛍光標識された標的DNAを含む溶液をガラス繊維を上に流し、溶液中の遺伝子と多種の固定化されたオリゴDNAがハイブリダイズされ、これにより上記ガラス繊維を用いて特定遺伝型が溶液に含まれているか否かを特定できるということを示す。
図6に示されたオリゴDNA固定化でバイオドット(Biodot)分注機装置(モデル名XYZ 3050、アメリカ)を用いた。非特異的蛍光発現を同時に確認するために表2に示したような完全に相補的な塩基配列を有するプローブオリゴDNAと非相補的なプローブオリゴDNAを図4の方法により図6の形態に固定化した。実施例3と同じ組成の固定化溶液と分注方法を用いてDNAが固定化されたガラス繊維を製造した。
蛍光標識されたプライマーあるいはPCR産物を塗布し、ガラス繊維に固定化されたDNAとハイブリダイズされたか否かを確認するために、上記で製造したガラス繊維基質を図10に示したようなストリップに組立てた。ハイブリダイゼーションのために、1.5mlチューブに蛍光標識された標的DNA5μlとBMT hyb−mixA75μlを入れて80μlの混合溶液を製造した。次に、製造された溶液を組立てられたストリップのサンプル注入口に注入した。次に、常温(20±5℃)で5−50分間ハイブリダイゼーションを進行させた。ハイブリダイゼーションが完了した後、ストリップに0.1x〜4xSSC溶液100〜300μlを注入してストリップを分離した。次に、ガラス繊維をスライドに付着してマイクロアレイヤースキャナー(GSI Lumonics、アメリカ)を用いて蛍光強度を定量的に分析した。図6は実際の実験結果を示す。上記結果は所望の塩基配列を有する線でのみ蛍光が発現することとなり、毛細管現像(capillary action)、微細流体力学的流れ(microfludics)、側方流動流れ(lateral flow)等を利用して遺伝子がガラス繊維上を流れると、相補的な塩基配列を有する標的DNAが特異的に検出されることを示す。
ガラス繊維の表面に固定化できるDNAの理論的な最大量との比較実験のために、実施例3のような方法で相補的な塩基配列を有する連続したグアニン塩基を有するプローブDNAを製造して5本の線の形態で変性されたガラス繊維上に適用した。蛍光標識されたプライマーあるいはPCR産物を塗布しガラス繊維に固定化したDNAとハイブリダイズされたか否かを確認するために、上記で製造されたガラス繊維基質を図7の模式図や図10の写真と同様の形態のストリップに組立てた。ハイブリダイゼーションを実施例4と同じ方法で進行した。次に、ハイブリダイゼーションが完了した後、ガラス繊維をストリップから取り外した。次に、マイクロアレイヤースキャナー(GSI Lumonics、アメリカ)を用いて蛍光強度を定量的に分析して実験データを得た。また、この実験データと表面に固定化できる遺伝子の理論的な最大量とを比較するために、蛍光標識された遺伝子を表面に固定化できる理論的な最大量である1xの濃度で含む溶液を製造した。次に、上記溶液を1/3ずつ希釈して1/3、1/9、1/27、1/81倍に希釈された溶液を製造した。次に、それぞれの溶液を分注機を用いてガラス繊維上に線形に適用し、ガラス繊維を乾燥させた。蛍光検出器を用いて結果を読取った。図9は実際の結果を示す。
イ)標準物質を用いてPCRによる結果物を用いる遺伝型確認実験
本実施例において用いられた標準物質はATCC(American Type Culture Collection)から購入し、次のとおりである:
Probe−1(ATCC 45150)
Probe−2(ATCC 45151)
Probe−3(ATCC 45152)
Probe−4(ATCC 45113)
上記の中で鋳型としてプラスミド(plasmid)DNA、および表3のプライマーを用いて、次のようにPCRを行った。PCRに用いられたプライマーは注文によって(株)バイオニア(Bioneer Co.Ltd.;韓国)社で合成された。PCR実験は(株)バイオニア社から購入したPCRバッファー(buffer)10μl、MgCl2 1.5mM、dNTP 250uM、KCl 30mM、Tris−HCl(pH9.0)10mM、Taq重合酵素(1unit)とプライマー1μl(10pmol/μl)、蒸溜水7μl、鋳型DNA1μlを含む反応液を94℃で5分間1回、94℃で1分−45℃で45秒−72℃で1分を35回繰り返し、72℃で5分間1回の条件で進行した。次に、最終反応液5μlをDNAスタンダードマーカー(size standard maker)と共に2%アガロースゲル(agarose gel)に加えて電気泳動した。この際に、電気泳動ゲルを0.00005%エチジウムブロマイド(ethidium bromide)溶液で染色した。ゲルの各経路上で出現したバンドの有効如何は UV を用いて確認した。
図4に示されたプローブDNA固定化にはバイオドット(Biodot)分注機装置(モデル名XYZ 3050、アメリカ)を用いた。表4に明記されているprobe1、probe2、probe3、probe4、HC(Hybridization control)を含み連続した9個のグアニン塩基を有するプローブオリゴDNAを7−30pmol/μlでBMT分注溶液(100mMアンモニウムイオン溶液)に溶かして固定化溶液を製造した。上記固定化溶液を分注ノズルを用いて20mm/sec(0.7ul/Cm)の速度で分注し、(株)バイオマトリックステクノロジー社で製造した変性されたガラス繊維に適用した。プローブオリゴDNAを厚さ0.2−3.0mmの線形バンドに塗布して自然に固定化させた。常温で1−24時間の間固定化を行った。次に、オリゴDNAが固定化していない位置をブロッキング(blocking)するために、ガラス繊維洗浄後、250mlのBMTブロッキング溶液(4xSSC、1% カゼイン、0.5% ポリエチレングリコール含む)に入れて10−30分間処理して40−50℃培養器(incubator)で30分−4時間乾燥させ図10に示したストリップを製造した。
ハ)蛍光標識されたPCR結果物を適用してガラス繊維に固定化したDNAとハイブリダイズした後蛍光を用いて物質分析する方法
蛍光標識されたプライマーまたはPCR産物をガラス繊維に固定化されDNAとハイブリダイズさせた後、特定遺伝子の結合有無を確認するために、実施例2で製造したガラス繊維基質を実施例7−ロ)のような方法でプローブオリゴDNAが固定化したガラス繊維あるいはストリップを図10のような形態のケースに組立てた。次に、PCR産物をガラス繊維に展開させて特定遺伝子の存在有無を確認した。展開溶液の製造のために1.5mlチューブに実施例7−イ)で製造されたPCR結果物5μlとBMT hyb−mix A 75μlを入れて混合溶液80μlを製造した。次に、上記のように製造された溶液を100℃の水で3分間加熱し、氷の上に3分間放置して冷却した。次に、混合溶液80μlを組立てられたストリップのサンプル注入口に注入した。次に、ストリップを常温(20〜30℃)で3−120分間放置して、溶液が展開されてハイブリダイゼーションが進行されるようにした。次に、BMT Wa−B−2(4xSSC)溶液を100μl注入して5分後、ストリップを分離した。次に、ガラス繊維(ストリップ)をスライドに取り付けた後、マイクロアレイヤースキャナー(GSI Lumonics、アメリカ)を用いて蛍光強度を定量的に分析した。分析した結果は図11乃至図16の上側部分にストリップ形態で示されている。図11乃至図16の中間部分のグラフはBMTでストリップ分析用として用いられるBMT HPV strip reader type−1を用いて分析した結果である。図面において明らかに分かるように、プローブDNA遺伝子に相補的な増幅した遺伝子を含んでいるサンプルの場合には、相補的なプローブオリゴDNAが固定化されたバンド(線)で特異的なハイブリダイゼーションが起こり、同時にHC領域でもハイブリダイゼーションが進行されてサンプルの分注有無を確認することができる。一方、他の型のプローブDNAの位置ではハイブリダイゼーションが全く生じなかった。即ち、図面は高い選択性と低い非特異的ハイブリダイゼーションの割合を有する、PCRによって増幅された遺伝子の遺伝型分析を可能とするストリップ型遺伝子チップが開発されて機能する結果を示す。
図3は、実際の製造に用いられたガラス繊維(フュージョン5、イギリスのWhatman社)写真、拡大写真および模式図である。本発明において用いられるガラス繊維(イギリスのWhatman社、アメリカのWater社およびMillipore社の製品等を含む)は、ガラス材質を10nmから数百μmに達する直径を有する細いガラス繊維に紡いだ後、メンブレイン形態に製織して得ることができる。従って、上記繊維は繊維の一端に適用された溶媒が重力、毛細管現像、微細流体力学的流れ(microfluidics)の力またはこれらの2つ以上の組合せにより展開される特性を有している。本特許は、ガラス繊維の上記のような特性を利用するものである。
図5は、実際の実験結果を示す。本実験において、連続したグアニン塩基を有するオリゴDNAが線形に塗布され多数のオリゴDNAが多重線の形態に固定化されたガラス繊維に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって得られ蛍光標識された増幅遺伝子を含む溶液を適用する場合、溶液は自然に展開し、固定化したプローブオリゴDNAと相補的な遺伝型を有する遺伝子がハイブリダイゼーションによって結合される。本実験においては蛍光標識された遺伝子を用いて蛍光強度を測定することで結合された遺伝子を確認した。
図6は、多数のオリゴDNAが線状に塗布され固定化されたガラス繊維に蛍光標識された遺伝子を含む溶液を流した後、蛍光スキャナーを用いて分析することで得られた実際の実験結果である。検出しようとする塩基配列と一致するところにおいては蛍光が強く発現し、そうでないところには蛍光発現が全く示されない。従って、本実験においては塩基配列が一致するところでのみ蛍光標識された遺伝子が検出されることが示された。
図8は、溶液が展開される図7の過程の後、分光分析で結果を分析する方法を示す模式図である。図8は図7と同様に多種のオリゴDNAが線状に固定化されたガラス繊維をストリップ内部に位置させ、サンプル注入口を通じて多様な遺伝子を含む溶液を注入し、一定時間を経た後、目視または光学機器を用いて各線状に付着した遺伝子の量を観察し、これを信号の大きさで表す過程を示す。このような信号の大きさの差異を用いて溶液中に存在する遺伝子の遺伝型を判別することができる。蛍光を検出することで得られる実際の実験結果は図6に示されている。図6から、遺伝型が一致する場合にのみ相当な水準の蛍光が検出されることを確認することができる。
図11乃至図16は、実施例7と同様に、互いに異なる遺伝型のプローブオリゴDNAが固定化されている変性ガラス繊維を図10に示したようなストリップに組立て、蛍光標識された増幅遺伝子をストリップ上で展開した後、結果を蛍光スキャナーで読取った結果である。図11乃至図14は、一つのプローブ遺伝型に相補的な核酸増幅遺伝子を塗布する場合に得られる結果を示し、図15および図16は2つ以上のプローブ遺伝型に相補的な核酸増幅遺伝子を塗布して同一の方法で得られた実際の結果を示す。全ての結果は、変性ガラス繊維を用いる遺伝型分析において、遺伝子が選択的にハイブリダイゼーションされ、非特異的な結合は発生しないということを示す。
Claims (28)
- 下記化学式1のアミノカリックスアレーン誘導体をアミン変性されたガラス繊維表面に結合させて単分子層を形成することで表面−変性されたガラス繊維のメンブレイン:
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R'1、R'2、R'3、R'4、R'5、R'6、R'7、R'8は互いに独立して−H、−CH3、−C2H5、−C3H7、−OCH3、−Cl、−C6H5、−OH、−OCH2CH3、−Br、−CF3、−OCH2C6H5、−OC6H5、−OC6H4CH3、−OC6H4C(CH3)3、−OC6H4CF3、−OC6H4Cl、−OCOCH3、−NHCOCH3、−CONHCH3、−CN、COOHおよび−COORからなる群より選ばれ、ここで、Rは−CH3または−C2H5を示し;
Y1、Y2、Y3およびY4は互いに独立して−H、−(CH2)n−CH=O、−(CH2)n−SH、−(CH2CH2O)m−CH2CH2−CH=O、−(CH2CH2O)m−CH2CH2−SH、−(CH2)m−C6H4−(CH2)C−Zおよび−CO−(CH2)m−1−C6H4−(CH2)C−Zからなる群より選ばれ、ここで、n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、Zは−SH、−CHO、−COOHおよび−NH2からなる群より選ばれる基、そして−C6H4−と−C6H5はフェニル基として定義される。 - 下記化学式2のイミンカリックスアレーン誘導体をアミン変性されたガラス繊維表面に結合させて単分子層を形成することで表面−変性されたガラス繊維のメンブレイン:
R1、R2、R3およびR4は互いに独立して−H、−CH3、−C2H5、−C3H7、−OCH3、−Cl、−C6H5、−OH、−OCH2CH3、−Br、−CF3、−OCH2C6H5、−OC6H5、−OC6H4CH3、−OC6H4C(CH3)3、−OC6H4CF3、−OC6H4Cl、−OCOCH3、−NHCOCH3、−CONHCH3、−CN、COOHおよび−COORからなる群より選ばれ、ここで、Rは−CH3または−C2H5を示し;
Y1、Y2、Y3およびY4は互いに独立して−H、−(CH2)n−CH=O、−(CH2)n−SH、−(CH2CH2O)m−CH2CH2−CH=O、−(CH2CH2O)m−CH2CH2−SH、−(CH2)m−C6H4−(CH2)C−Z、および−CO−(CH2)m−1−C6H4−(CH2)c−Zからなる群より選ばれ、ここで、n=2〜15、m=1〜10、c=0〜10、Zは−SH、−CHO、−COOHおよび−NH2からなる群より選ばれる基、そして−C6H4−と−C6H5はフェニル基として定義される。 - 下記工程を含む、ガラス繊維のメンブレインの表面変性方法:
−アミン作用基が付着したガラス繊維を、メンブレイン形態に製織した後、請求項1に記載の化学式1の化合物を有機溶媒に溶かした溶液に浸漬させる工程;
−ガラス繊維のメンブレインを上記溶媒で洗浄する工程;および
−ガラス繊維のメンブレインを乾燥させてアミノカリックスアレーン誘導体の単分子層を形成する工程。 - 下記工程を含む、ガラス繊維のメンブレインの表面変性方法:
−アミン作用基が付着したガラス繊維を、メンブレイン形態に製織した後、請求項2に記載の化学式2の化合物を有機溶媒に溶かした溶液に浸漬させる工程;
−ガラス繊維のメンブレインを上記溶媒で洗浄する工程;および
−ガラス繊維のメンブレインを乾燥させてイミンカリックスアレーン誘導体の単分子層を形成する工程。 - 連続したグアニン塩基を有するオリゴDNAがアミノカリックスアレーン誘導体の単分子層に固定化された、請求項1に記載のガラス繊維のメンブレイン。
- 連続したグアニン塩基を有するオリゴDNAがイミンカリックスアレーン誘導体の単分子層に固定化された、請求項2に記載のガラス繊維のメンブレイン。
- 下記工程を含む、ガラス繊維のメンブレインの製造方法:
−連続したグアニン塩基を有するオリゴDNAを分注溶液に溶解させて固定化溶液を製造する工程;
−前記固定化溶液を分注して請求項1に記載のアミノカリックスアレーン単分子層により表面変性されたガラス繊維のメンブレイン上に塗布する工程;および
−オリゴDNAを前記ガラス繊維のメンブレインの表面上に固定化する工程。 - 下記工程を含む、ガラス繊維のメンブレインの製造方法:
−連続したグアニン塩基を有するオリゴDNAを分注溶液に溶解させて固定化溶液を製造する工程;
−前記固定化溶液を分注して請求項2に記載のイミンカリックスアレーン単分子層により表面変性されたガラス繊維のメンブレイン上に塗布する工程;および
−オリゴDNAを前記ガラス繊維のメンブレインの表面上に固定化する工程。 - 前記オリゴDNAが、増幅核酸を有し蛍光標識された遺伝子を含む溶液を展開させることにより、特定塩基配列を有する遺伝子の存在を特定可能なオリゴDNAである、請求項5に記載のガラス繊維のメンブレイン。
- 前記オリゴDNAが、増幅核酸を有し蛍光標識された遺伝子を含む溶液を展開させることにより、特定塩基配列を有する遺伝子の存在を特定可能なオリゴDNAである、請求項6に記載のガラス繊維のメンブレイン。
- 前記特定塩基配列がウイルスの遺伝型である、請求項9に記載のガラス繊維のメンブレイン。
- 前記特定塩基配列がウイルスの遺伝型である、請求項10に記載のガラス繊維のメンブレイン。
- 下記工程を含む、特定塩基配列を有する遺伝子の存在有無を確認することができる遺伝型分析方法:
−請求項5に記載のガラス繊維のメンブレイン上に、増幅核酸を含み蛍光標識された遺伝子を含有する溶液を展開する工程;および
−特定塩基配列をもつ遺伝子を、ハイブリダイゼーションによって、ガラス繊維のメンブレインの表面に固定化され前記遺伝子と相補的なプローブオリゴDNAと結合する工程。 - 下記工程を含む、特定塩基配列を有する遺伝子の存在有無を確認することができる遺伝型分析方法:
−請求項6に記載のガラス繊維のメンブレイン上に、増幅核酸を含み蛍光標識された遺伝子を含有する溶液を展開する工程;および
−特定塩基配列をもつ遺伝子を、ハイブリダイゼーションによって、ガラス繊維のメンブレインの表面に固定化され前記遺伝子と相補的なプローブオリゴDNAと結合する工程。 - 前記特定塩基配列がウイルスの遺伝型である、請求項13に記載の遺伝型分析方法。
- 前記特定塩基配列がウイルスの遺伝型である、請求項14に記載の遺伝型分析方法。
- 特定塩基配列を有する遺伝子が4℃乃至60℃の温度でハイブリダイゼーションによって結合される、請求項13に記載の遺伝型分析方法。
- 特定塩基配列を有する遺伝子が4℃乃至60℃の温度でハイブリダイゼーションによって結合される、請求項14に記載の遺伝型分析方法。
- 連続したグアニン塩基を有するオリゴDNAを一種類以上含む請求項5に記載のガラス繊維のメンブレインを含み、オリゴDNAが固定化していないガラス繊維のメンブレインの部分にサンプル注入口が形成された、遺伝型分析用ストリップ。
- 連続したグアニン塩基を有するオリゴDNAを一種類以上含む請求項6に記載のガラス繊維のメンブレインを含み、オリゴDNAが固定化していないガラス繊維のメンブレインの部分にサンプル注入口が形成された、遺伝型分析用ストリップ。
- 請求項19に記載の遺伝型分析用ストリップをラピッドストリップ形態で含む、遺伝型分析用キット。
- 請求項20に記載の遺伝型分析用ストリップをラピッドストリップ形態で含む、遺伝型分析用キット。
- 下記工程を含む、特定塩基配列を有する遺伝子の存在有無を確認することができる遺伝型分析方法:
−請求項19に記載の遺伝型分析用ストリップのサンプル注入口から、増幅核酸を含み蛍光標識された遺伝子を含む溶液を注入する工程;
−前記溶液をガラス繊維のメンブレイン上に展開する工程;および
−特定塩基配列を有する遺伝子を、ハイブリダイゼーションにより、ガラス繊維のメンブレインの表面に固定化され前記遺伝子と相補的なプローブオリゴDNAと結合する工程。 - 下記工程を含む、特定塩基配列を有する遺伝子の存在有無を確認することができる遺伝型分析方法:
−請求項20に記載の遺伝型分析用ストリップのサンプル注入口から、増幅核酸を含み蛍光標識された遺伝子を含む溶液を注入する工程;
−前記溶液をガラス繊維のメンブレイン上に展開する工程;および
−特定塩基配列を有する遺伝子を、ハイブリダイゼーションにより、ガラス繊維のメンブレインの表面に固定化され前記遺伝子と相補的なプローブオリゴDNAと結合する工程。 - 特定塩基配列を有する遺伝子が4℃乃至60℃の温度でハイブリダイゼーションによって結合される、請求項23に記載の遺伝型分析方法。
- 特定塩基配列を有する遺伝子が4℃乃至60℃の温度でハイブリダイゼーションによって結合される、請求項24に記載の遺伝型分析方法。
- 前記方法が光学的分析法を用いて、結合された特定塩基配列を有する遺伝子の総量を測定する工程を更に含む、請求項13に記載の遺伝型分析方法。
- 前記方法が光学的分析法を用いて、結合された特定塩基配列を有する遺伝子の総量を測定する工程を更に含む、請求項14に記載の遺伝型分析方法。
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