JP5419672B2 - 炭化水素油の水素化精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は炭化水素油の水素化精製方法に関し、詳細には、水素の存在下に所定の触媒を用いて炭化水素油の水素化精製を行うことにより、炭化水素油中の硫黄を除去すると共にナフサ分の生成を抑制し、セタン価を向上させた軽油基材を収率良く得る炭化水素油の水素化精製方法に関する。
近年、環境に優しいクリーンな液体燃料への要求が急速に高まってきている。例えば、軽油の品質に着目した場合、硫黄分を10質量ppm以下にし、かつセタン指数(またはセタン価)を50以上にする必要がある。そのため石油会社は触媒の改良や設備の増設等によりクリーン燃料を製造する体制をとってきた。
消費者に供給される軽油(ディーゼル)燃料は、製油所において水素化脱硫された軽油基材と水素化脱硫された灯油基材とを規格に合うように混合されて製造されている。
一般に、軽油留分の水素化精製は固定床反応塔に脱硫触媒を充填し、水素気流中、高温高圧の反応条件下で行なわれる。脱硫触媒としてはアルミナを担体として、そこに活性金属であるモリブテンやコバルトが担持されたものがよく用いられる。この時の脱硫活性は担体の種類または調製方法、活性金属の種類や担持量などにより大きく影響され、例えば非特許文献1にはアルミナ以外の担体の脱硫活性に及ぼす影響について報告されている。また、担体にアモルファス固体酸を用いることで、水素化活性が大きく向上するといった報告もある(非特許文献2)。
上述の水素化精製は、石油から分留して得られた軽油留分を中心とした処理方法であるが、将来の石油枯渇を考えると、オイルサンド由来のビチューメン改質油や合成原油などの処理に対応した軽油留分を含有する炭化水素油の水素化精製は重要となる。
石油からの軽油留分と比較して、オイルサンド由来の軽油留分はナフテン分や芳香族分が多いためにセタン価(またはセタン指数)が非常に低い。従って、オイルサンド由来の軽油留分の水素化精製では、単に脱硫するだけではなく、セタン価を向上することも必要となる。
セタン価を向上する手段としては、芳香族の水素化やナフテンの開環が知られている。セタン価を向上させる為に固体酸触媒を用いて軽油留分を主とした炭化水素油の水素化精製を行うと、軽質化が起こる。消費者に供給される軽油(ディーゼル)燃料は、製油所において水素化脱硫された軽油と水素化脱硫された灯油とを規格に合うように混合されているため、炭化水素油が水素化精製において灯油留分(一般に沸点145〜260℃の留分)まで軽質化されることは問題ないが、ナフサ留分(一般に沸点40〜145℃の留分)まで軽質化が起こると軽油基材の収率が減少するため好ましくない。
Applied Catalysis A: General 257 (2004) 157-164 (Elsevier) Journal of Catalysis 252 (2007) 321-334 (Elsevier)
これまでの軽油留分の水素化精製触媒は、原油から分留された軽油留分を処理する為に開発されてきたため、オイルサンド由来の合成原油などから分留されたナフテン分や芳香族分を多く含むセタン価の低い軽油留分を含有する炭化水素油の処理に対応することが出来ない。
このような炭化水素油のセタン価を向上させる為にはナフテン開環が不可欠であり、そのためには触媒として酸性質を有するアモルファス固体酸やゼオライトを活用することが出来る。
しかしながら、ゼオライト触媒はナフテンを開環するものの分解活性が高い為に、炭化水素油が軽質化しナフサ留分を生成するため、その結果セタン価が減少するだけでなく軽油基材の収率が低下するので、その使用が避けられてきた。また、ゼオライト触媒はセタン価が高いノルマルパラフィンやイソパラフィンを容易に分解するのでセタン価向上には不向きであると考えられてきた。
本発明の目的は、原油に限らず、オイルサンド由来の合成原油のようなナフテン分や芳香族分を多く含むセタン価の低い軽油留分を含む炭化水素油に対して、セタン価が向上した軽油基材を収率良く得る為の水素化精製方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題について鋭意検討した結果、ナフテンおよび芳香族を多く含むセタン価の低い原料軽油に対し、ゼオライトを含まない触媒と平均粒子径が0.5μm以下の微結晶USYゼオライトを含む触媒とを組合わせて水素化精製することで、ナフサの生成を抑制すると共に生成油のセタン価が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、沸点範囲が230〜395℃の留分を90容量%以上含み、かつナフテン分および芳香族分をそれぞれ25質量%以上含む炭化水素油を、周期表第6族の金属が担持されたゼオライトを含まない固体酸触媒と周期表第6族の金属が担持された平均粒子径が0.5μm以下のUSYゼオライトを含む触媒とを充填した固定床反応装置にて水素化精製処理することを特徴とする炭化水素油の水素化精製方法に関する。
上記の本発明に係るゼオライトを含まない触媒およびUSYゼオライトを含む触媒を組み合わせて用いることにより、上記炭化水素油の軽質化の抑制が可能となり、具体的には生成油のナフサ収率を1質量%以下とすることができる。
また、本発明は、前記炭化水素油のナフテン分が40質量%以上であることを特徴とする前記記載の炭化水素油の水素化精製方法に関する。
また、本発明は、前記炭化水素油がオイルサンド由来の軽油留分を含有することを特徴とする前記記載の炭化水素油の水素化精製方法に関する。
また、本発明は、触媒が固定床反応装置の入り口からゼオライトを含まない固体酸触媒、USYゼオライトを含む触媒、ゼオライトを含まない固体酸触媒の順に積層して充填されていることを特徴とする前記記載の炭化水素油の水素化精製方法に関する。
また、本発明は、ゼオライトを含まない固体酸触媒とUSYゼオライトを含む触媒とが均一に物理混合されて固定床反応装置に充填されていることを特徴とする前記記載の炭化水素油の水素化精製方法に関する。
また、本発明は、固定床反応装置に充填する全触媒容量に対するUSYゼオライトを含む触媒の割合が5〜50容量%であることを特徴とする前記記載の炭化水素油の水素化精製方法に関する。
また、本発明は、USYゼオライトのシリカ/アルミナ比が30〜100(モル/モル)であることを特徴とする前記記載の炭化水素油の水素化精製方法に関する。
また、本発明は、反応温度が300〜380℃、圧力が2〜10MPa、水素/油比が150〜600Nm/kL、液空間速度が0.2〜4h−1であることを特徴とする前記記載の炭化水素油の水素化精製方法に関する。
本発明に係る触媒を充填した固定床反応装置を使用して、沸点範囲が230〜395℃の留分を90容量%以上含み、かつナフテン分および芳香族分をそれぞれ25質量%以上含む炭化水素油を水素化精製処理することにより、ナフサの生成を抑制し、かつセタン価を向上させた軽油基材を収率良く製造することができる。
以下に本発明を詳述する。
本発明において原料として用いられる炭化水素油は、沸点230〜395℃の範囲にある留分を90容量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは98〜100質量%含み、かつナフテンおよび芳香族をそれぞれ25質量%以上含んだ留分である。この留分の由来は特に限定されないが、石油系の原油、オイルサンド由来の合成原油、ビチューメン改質油、石炭液化油などを挙げることができる。本発明においては、ナフテン分や芳香族分を多く含むセタン価の低い炭化水素油に対してセタン価を向上させることができるため、オイルサンド由来の軽油留分を含有する炭化水素油に対してきわめて有効である。なお、原料として用いられる炭化水素油のセタン価は特に限定されるものではないが、通常50未満である。
原料炭化水素油中のナフテンおよび芳香族の割合が各々25質量%未満の場合、反応による軽質化が起こりやすく、セタン価が著しく低下するので好ましくない。一方、ナフテンの割合が40質量%以上の炭化水素油はセタン価を大きく向上することが出来るので好ましい。また、沸点230〜395℃の範囲にある留分が90容量%未満の場合、軽質化によりナフサが生成しやすい傾向にあるので好ましくない。
なお、ここでいう沸点範囲はJIS K2254「石油製品−蒸留試験方法」に準拠して求められる蒸留性状に基づくものであり、ナフテン分はシリカゲルカラムでパラフィン分を分種した後、質量分析により定量化することで求められる値であり、芳香族分はシリカゲルを用いてカラム分離して求められる値であり、セタン価はJIS K2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」に基づき求められるセタン価のことを意味する。
本発明において原料炭化水素油の水素化精製は、固定床反応装置に触媒を充填して水素雰囲気下、高温高圧条件下で行なわれる。
反応圧力(水素分圧)は2〜10MPaが好ましく、より好ましくは3〜7MPaである。2MPa未満では脱硫活性が低下する傾向にあり、また、10MPaを超えると水素消費が大きくなり運転コストが増加すると共に、ナフサの生成が増加するので好ましくない。
反応温度は300〜380℃の範囲が好ましく、より好ましくは320〜370℃である。300℃未満では脱硫活性およびセタン価が低下する傾向にあり実用的でない。また、380℃を超えるとナフサの生成が顕著になるので好ましくない。
液空間速度は特に制限されないが、0.2〜4h−1が好ましい。0.2h−1未満では処理量が低いので生産性が低くなり実用的ではない。また、4h−1を超えると反応温度が高くなり、軽質化およびセタン価低下が見られる傾向にあるので好ましくない。
水素/油比は150〜600Nm/kLの範囲が好ましく、より好ましくは200〜580Nm/kLである。水素/油比が150Nm/kL未満では脱硫活性が大きく低下する傾向にあるので好ましくない。また、600Nm/kLを超えてもセタン価向上に大きな変化がなく、運転コストが増加するだけなので好ましくない。
本発明における水素化精製は固定床反応装置を用いて行われ、この反応塔にはゼオライトを含まない触媒およびUSYゼオライトを含む触媒が充填される。本発明のように、ゼオライトを含まない触媒およびUSYゼオライトを含む触媒を組み合わせて用いることにより、炭化水素油の軽質化(ナフサの生成)を抑制し、軽油基材の収率を向上させることができる。すなわち、本発明に係る触媒を用いることにより、生成油のナフサ収率を1質量%以下とすることができる。
ゼオライトを含まない触媒の担体は特に限定されず、脱硫触媒でよく使用されるアルミナ、シリカ、チタニアなどの金属酸化物を使用することができる。
また、ゼオライトを含まない触媒は、上記担体に周期表第6族から選ばれる少なくとも1種類以上の金属が担持されて用いられる。担持金属として特に好ましいのはモリブテンおよびタングステンである。触媒全体に対するこの金属担持量は5〜30質量%が好ましい。5質量%未満および30質量%を超えた場合、脱硫活性が大きく減少するので好ましくない。担持方法に特に制限はないが、容易でかつ経済的なIncipient Wetness法が最も良い。
また、助触媒としてコバルト、ニッケルまたは両者を周期表第6族金属と共に担持することはセタン価が向上するので好ましい。触媒全体に対する助触媒の担持量に特に制限はないが、通常0.2〜8質量%の範囲で担持して使用することが出来る。
USYゼオライトを含む触媒の担体は、USYゼオライトおよびバインダーから成る。ここで使用されるUSYゼオライトは平均粒子径が0.5μm以下であり、より好ましくは0.3μm以下である。この平均粒子径が0.5μmを超えるとナフサが生成する傾向にあり、生成軽油のセタン価が低下するので好ましくない。
USYゼオライトのケイバン比(シリカ/アルミナのモル比)に特に制限はないが、30〜100が好ましく、より好ましくは40〜70である。ケイバン比が30未満の場合、軽質化が進行しやすく、結果としてセタン価が低下する傾向にあるので好ましくない。また、ケイバン比が100を超えるとナフテンの開環が起こりにくくなり、結果としてセタン価向上が見られなくなる傾向にあるので好ましくない。担体に対するUSYゼオライトの重量割合に制限はないが、通常5〜70質量%、好ましくは10〜50質量%の範囲で使用することが出来る。5質量%未満ではナフテンの開環が不十分となる傾向にあり、また70質量%を超えると触媒強度が弱くなる傾向にあるので好ましくない。
バインダーは特に制限がなく、アルミナ、シリカ、チタニア、シリカアルミナ、シリカジルコニア、シリカチタニア、アルミナボリアなどを用いることが出来る。
USYゼオライトを含む触媒は、上記担体に周期表第6族から選ばれる少なくとも1種類以上の金属が担持されて用いられる。担持金属として特に好ましいのはモリブテンおよびタングステンである。触媒全体に対するこの金属担持量は5〜25質量%が好ましい。5質量%未満および25質量%を超えた場合、脱硫活性が大きく減少するので好ましくない。担持方法に特に制限はないが、容易でかつ経済的なIncipient Wetness法が最も良い。
また、助触媒としてコバルト、ニッケルまたは両者を周期表第6族金属と共に同時に担持することは脱硫活性およびセタン価の向上に寄与するので好ましい。触媒全体に対する助触媒の担持量に特に制限はないが、通常0.2〜8質量%の範囲で担持して使用することが出来る。
ゼオライトを含まない触媒とUSYゼオライトを含む触媒の充填割合は特に制限はないが、全触媒量に対する後者の割合が5〜50容量%が好ましく、より好ましくは10〜40容量%である。5容量%未満ではナフテンの開環が起こりにくく、セタン価向上が減少する傾向にあるので好ましくない。また、50容量%を超えるとナフサが生成しセタン価が減少する傾向にあるので好ましくない。
ゼオライトを含まない触媒とUSYゼオライトを含む触媒の充填方法は特に制限はないが、両者を均一に物理混合して充填する方法および触媒層が固定床反応装置の入り口からゼオライトを含まない触媒、USYゼオライトを含む触媒、ゼオライトを含まない触媒の順に積層充填する方法とがセタン価向上には有効なので好ましい。
本発明の水素化精製方法により、原料炭化水素油に対しセタン価が向上した生成軽油を得ることができる。得られる生成油のセタン価は好ましくは50以上である。また、生成油の硫黄分は10質量ppm以下であり、好ましくは5質量ppm以下である。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
中東系原油から蒸留により得られた軽油留分(沸点範囲:240〜380℃、ナフテン分:17.7質量%、芳香族分:28.8質量%、セタン価56.7)とシンクルード社(カナダ)製造のオイルサンド合成原油から蒸留により得られた軽油留分(沸点範囲:238〜375℃、ナフテン分:69.6質量%、芳香族分:28.8質量%、セタン価:38.0)を50:50(質量比)の割合で混合して、水素化精製の原料軽油(沸点範囲:238〜380℃、ナフテン分:43.7質量%、芳香族分:28.8質量%、セタン価:47.2)を得た。
ゼオライトを含まない触媒は、アルミナを担体にIncipient Wetness法でコバルトとモリブテンを担持し、550℃で3時間焼成して調製した。この時、触媒に対するコバルトとモリブテンの割合は、酸化物換算でそれぞれ4.6質量%、19.8質量%であった。
USYゼオライトを含む触媒は、アルミナ50質量%と平均粒子径0.3μmでケイバン比30のUSYゼオライト50質量%から成る担体に、Incipient Wetness法でニッケルとタングステンを担持し、550℃で3時間焼成して調製した。この時、触媒に対するニッケルとタングステンの割合は、酸化物換算でそれぞれ3.2質量%、18.7質量%であった。
固定床反応装置に、反応塔入り口から出口に対してゼオライトを含まない触媒、USYゼオライトを含む触媒、ゼオライトを含まない触媒の3層充填を行った。このときのそれぞれの触媒割合は、80:10:10(容量比)である。
水素化精製を行う前に、水素(95容量%)と硫化水素(5容量%)の混合ガスを用いて350℃で24時間、充填した触媒の硫化処理を行い、活性化した。
水素化精製は、反応温度350℃および360℃、圧力6.0MPa、水素/油比200Nm/kL、液空間速度1.5h−1の条件で実施した。
各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(実施例2)
USYゼオライトのケイバン比が50であること以外は実施例1と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(実施例3)
触媒の積層比率を60:30:10(容量比)にしたこと以外は実施例2と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(実施例4)
USYゼオライトを含む触媒の担持金属がコバルトおよびモリブテン(触媒全体に対して酸化物換算で、それぞれ3.9質量%、20.1質量%)であること以外は実施例1と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(実施例5)
ゼオライトを含まない触媒およびUSYゼオライトを含む触媒とを均一に物理混合して充填したこと以外は実施例2と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(実施例6)
圧力を8MPa、水素/油比を250Nm/kL、液空間速度を2.5h−1にしたこと以外は実施例2と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(実施例7)
中東系軽油とオイルサンド合成原油系軽油の混合割合を30:70(質量比)にした混合軽油(沸点範囲:238〜375℃、ナフテン分:54.0質量%、芳香族分:28.8質量%、セタン価:42.1)を原料としたこと以外は実施例1と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(比較例1)
平均粒子径1.1μmのUSYゼオライト(ケイバン比30)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(比較例2)
平均粒子径1.1μmのUSYゼオライト(ケイバン比50)を使用したこと以外は実施例2と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(比較例3)
USYゼオライトの代わりに平均粒子径0.3μmのY型ゼオライト(ケイバン比7)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(比較例4)
中東系軽油とオイルサンド合成原油系軽油の混合割合を95:5(質量比)にした混合軽油(沸点範囲:238〜375℃、ナフテン分:20.3質量%、芳香族分:28.8質量%、セタン価:55.5)を原料としたこと以外は実施例1と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
(比較例5)
中東系原油から蒸留により得られた軽油留分(沸点範囲:290〜415℃、ナフテン分:8.0質量%、芳香族分:39.6質量%、セタン価56.2)とシンクルード社(カナダ)製造のオイルサンド合成原油から蒸留により得られた軽油留分(沸点範囲:280〜415℃、ナフテン分:52.1質量%、芳香族分:39.8質量%、セタン価:36.0)を50:50(質量比)の割合で混合して、水素化精製の原料軽油(沸点範囲:280〜415℃(沸点380℃+留分:32質量%)、ナフテン分:30.0質量%、芳香族分:39.7質量%、セタン価:46.0)を得たこと以外は実施例1と同様にして、水素化精製を行った。各反応温度における生成油のナフサ(沸点40〜145℃)収率およびセタン価を表1に示す。
Figure 0005419672
以上のように、ナフテンおよび芳香族をそれぞれ25質量%以上含み、かつ沸点範囲が230〜395℃の留分を90容量%以上含む軽油留分を原料とし、周期表第6族の金属が担持されたゼオライトを含まない触媒と周期表第6族の金属が担持された平均粒子径が0.5μm以下のUSYゼオライトを含む触媒とを固定床反応装置に充填して水素化精製を行うことで、原料軽油のセタン価を向上させると共に、収率良く軽油基材を製造することが出来る。
本発明の方法により、ナフテン分や芳香族分を多く含むセタン価の低いオイルサンド由来の炭化水素油を水素化精製して、セタン価を向上させた軽油基材を収率良く製造することが出来るため、産業上きわめて有用である。

Claims (8)

  1. 沸点範囲が230〜395℃の留分を90質量%以上含み、かつナフテン分および芳香族分をそれぞれ25質量%以上含む炭化水素油を、周期表第6族の金属が担持されたゼオライトを含まない固体酸触媒と周期表第6族の金属が担持された平均粒子径が0.5μm以下のUSYゼオライトを含む触媒とを充填した固定床反応装置にて水素化精製処理することを特徴とする炭化水素油の水素化精製方法。
  2. 前記炭化水素油のナフテン分が40質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素油の水素化精製方法。
  3. 前記炭化水素油がオイルサンド由来の軽油留分を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭化水素油の水素化精製方法。
  4. 触媒が固定床反応装置の入り口からゼオライトを含まない固体酸触媒、USYゼオライトを含む触媒、ゼオライトを含まない触媒の順に積層して充填されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素油の水素化精製方法。
  5. ゼオライトを含まない固体酸触媒とUSYゼオライトを含む触媒とが均一に物理混合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素油の水素化精製方法。
  6. 固定床反応装置に充填する全触媒容量に対するUSYゼオライトを含む触媒の割合が、5〜50容量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭化水素油の水素化精製方法。
  7. USYゼオライトのシリカ/アルミナ比が30〜100(モル/モル)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の炭化水素油の水素化精製方法。
  8. 反応温度が300〜380℃、圧力が2〜10MPa、水素/油比が150〜600Nm/kL、液空間速度が0.2〜4h−1であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の炭化水素油の水素化精製方法。
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