JP5419517B2 - 生体吸収性材料およびそれを用いたステント - Google Patents

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Description

本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内に挿入・留置して使用するステントに関する。
一つの例として、虚血性心疾患に適用される血管形成術について説明する。
我が国における食生活の欧米化が、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の患者数を急激に増加させていることを受け、それらの冠動脈病変を軽減する方法として経皮的経血管的冠動脈形成術(PTCA)が施行され、飛躍的に普及してきている。現在では、技術的な発展により適用症例も増えており、PTCAが始まった当時の限局性(病変の長さが短いもの)で一枝病変(1つの部位にのみ狭窄がある病変)のものから、より遠位部で偏心的で石灰化しているようなもの、そして多枝病変(2つ以上の部位に狭窄がある病変)へとPTCAの適用が拡大されている。PTCAとは、患者の脚または腕の動脈に小さな切開を施してイントロデューサーシース(導入器)を留置し、イントロデューサーシースの内腔を通じて、ガイドワイヤを先行させながら、ガイドカテーテルと呼ばれる長い中空のチューブを血管内に挿入して冠状動脈の入口に配置した後ガイドワイヤを抜き取り、別のガイドワイヤとバルーンカテーテルをガイドカテーテルの内腔に挿入し、ガイドワイヤを先行させながらバルーンカテーテルをX線造影下で患者の冠状動脈の病変部まで進めて、バルーンを病変部内に位置させて、その位置で医師がバルーンを所定の圧力で30〜60秒間、1回あるいは複数回膨らませる手技である。これにより、病変部の血管内腔は拡張され、それにより血管内腔を通る血流は増加する。しかしながら、カテーテルによって血管壁が傷つけられたりすると、血管壁の治癒反応である血管内膜の増殖が起こり30〜40%程度の割合で再狭窄が報告されている。
この再狭窄を予防する方法としては、ステントやアテローム切除カテーテル等の器具を用いる方法等が検討され、ある程度の成果をあげている。ここで言うステントとは、血管あるいは他の管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その内腔を確保するためにそこに留置することができる管状の医療器具である。これらステントの多くは、金属材料または高分子材料より形成された医療器具であり、例えば金属材料や高分子材料よりなる管状体に細孔を設けたものや、金属材料のワイヤや高分子材料の繊維を編み上げて円筒形に成形したもの等様々な形状のものが提案されている。ステントの留置の目的は、PTCA等の手技を施した後に起こる再狭窄の予防、およびその低減化を狙ったものであるが、ステントのみでは狭窄を顕著に抑制することができないのが実情であった。
そして近年では、このステントに免疫抑制剤や抗がん剤等の生理活性物質を担持させることによって、管腔の留置部位で長期にわたって局所的にこの生理活性物質を放出させ、再狭窄の低減化を図る試みが盛んに提案されている。例えば、特許文献1にはタンタル製のステント本体の表面に治療のための物質と生分解性高分子材料の混合物とをコーティングしたステントが、また、特許文献2にはステンレス製のステント本体の表面に薬剤層を設け、さらにこの薬剤層に、薬剤を溶出するための生分解性高分子層を設けたステントがそれぞれ開示されている。
しかしながら、上記特許文献1または2で提案されたステントは、ステント本体がステンレスやタンタル等の金属材料で形成されているため、半永久的にステント本体が生体内に留置されることになる。したがって、生分解性高分子が生体内で分解されて生理活性物質が放出された後、ステント本体の血管壁に対するメカニカルストレスに起因した慢性的な炎症が起こる可能性があるという問題点がある。これは上記特許文献1および2で提案されたステントに限定されるものではなく、金属材料を使用している全てのステントにおける問題点である。
さらに、非特許文献1は、高分子層が半永久的に生体内に留置されることによって、慢性的に炎症が持続する可能性がある上に、高分子の劣化によって再狭窄が誘発される虞があるばかりか、血栓症を併発する虞があることを報告している。
そこで、これらの問題点を解決するために、例えば特許文献3ではポリ乳酸でステント本体を形成する技術が記載されている。すなわち、特許文献3のようにポリ乳酸でステント本体を形成した場合は、当該ポリ乳酸が分解し、ステント本体が分解・消失することが可能であり、これにより長期間生体内に留置されて血管壁にメカニカルストレスを与えることに起因する慢性的な炎症が起こる可能性を回避できるというものである。したがって、生体への侵襲がない、もしくは極めて侵襲の小さい血管内留置物を提供できる。
特開平8−33718号公報 特開平9−56807号公報 特許第2842943号明細書
Circulation 2002,2649−2651
しかしながら、上記の特許文献3のように、ポリ乳酸でステントを形成した場合、ポリ乳酸の機械的強度ではラジアルフォースが不十分であり、生体内に留置する際に所望の位置に確実に留置することができないという問題点は未だ解決されていない。そこで、本発明は、高いラジアルフォースを有するステントを作製して確実に病変部に留置することができるステントを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の状況と問題点を鑑み鋭意検討した結果、本発明に至った。本発明は下記(1)〜(11)により達成される。
(1)重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸由来のモノマーユニット、および1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットを、700:1〜40:1のモノマーユニット比の範囲で有するオリゴマーユニットと、
鎖長延長セグメントと、を有し、かつ前記オリゴマーユニットは前記鎖長延長セグメントに結合している、生体吸収性材料。
(2)前記1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットは、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ2−メトキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ3−メトキシ桂皮酸、および3,4−ジヒドロキシ桂皮酸からなる群から選択される少なくとも一つから形成される、(1)に記載の生体吸収性材料。
(3)前記鎖長延長セグメントを介して前記オリゴマーユニットが相互に結合している、(1)または(2)に記載の生体吸収性材料。
(4)前記鎖長延長セグメントは、多官能性のイソシアナート、アミン、またはエポキシのいずれか一つを有する、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の生体吸収性材料。
(5)前記オリゴマーユニットは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、および交互共重合体からなる群から選択される少なくとも一種あるいはそれらの組み合わせである、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の生体吸収性材料。
(6)前記1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットは、さらにヨード基を有する、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の生体吸収性材料。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載した生体吸収性材料により形成されたステント。
(8)前記ステントは、ステント本体および生理活性物質と生分解性高分子とからなる生理活性物質放出層を有する、生理活性物質がステント本体内に包埋または分散している、またはステント本体に生理活性物質を化学結合させている、(7)に記載のステント。
(9)前記生理活性物質放出層は、生理活性物質と当該生理活性物質を覆った生分解性高分子層、または生理活性物質と生分解性高分子とが混合された層である、(8)に記載のステント。
(10)前記生理活性物質は、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン、及びNO産生促進物質からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、(8)〜(9)のいずれか1項に記載のステント。
(11)前記生分解性高分子は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体、ポリカプロラクトン、ポリトリメチレンカーボネート、ポリヒドロキシ酪酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−アミノ酸、コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、桂皮酸、および桂皮酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1つのもの、またはそれらの共重合体である、(7)〜(10)のいずれか1項に記載のステント。
本発明の生体吸収性材料は、重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸由来のモノマーユニット、および1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットを、700:1〜40:1のモノマーユニット比の範囲で有するオリゴマーユニットと、鎖長延長セグメントとを有し、前記オリゴマーユニットは前記鎖長延長セグメントに結合しているため、芳香族化合物に含まれるベンゼン環同士が接近すると安定して結晶化し易く、柔軟で機械的強度に優れ、かつ化学的な分解反応の結果、体内に吸収される生体分解吸収性を示すことができる。さらに、本発明に係る生体吸収性材料を延伸溶融紡糸することで、より高分子鎖同士が配向しやすく柔軟で機械的強度に優れた材料を提供することができる。
当該生体吸収性材料をステントの材料に使用することにより、高いラジアルフォースを有するステントを作製して確実に病変部に留置することができ、またバルーンへのステントを装着する際のかしめ操作を十分に行うことができるため、術中におけるステントの脱落や、コーティング層の剥離といった事故を防止することができる。
図1は、本発明のステントの一態様を示す側面図の一例である。 図2は、図1の線A−Aに沿って切断した拡大横断面図の一例である。 図3は、図1の線B−Bに沿って切断した拡大横断面図の一例である。 図4は、図1の線A−Aに沿って切断した拡大横断面図の一例である。 図5は、図1の線B−Bに沿って切断した拡大横断面図の一例である。 図6は、図1の線A−Aに沿って切断した拡大横断面図の一例である。 図7は、図1の線A−Aに沿って切断した拡大横断面図の一例である。
本発明の第一は、重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸由来のモノマーユニット、および1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットを、700:1〜40:1のモノマーユニット比の範囲で有するオリゴマーユニットと、鎖長延長セグメントとを有し、かつ前記オリゴマーユニットは前記鎖長延長セグメントに結合している生体吸収性材料である。
これにより、芳香族化合物に含まれるベンゼン環同士が接近すると安定して結晶化し易いため、柔軟で機械的強度に優れ、かつ化学的な分解反応の結果、体内に吸収される生体分解吸収性を示す生体吸収性材料を提供することができる。例えば、本発明に係る生体吸収性材料をステントやステント本体に使用した場合、高いラジアルフォースを有するステントを作製して確実に病変部に留置することができ、またバルーンへのステントを装着する際のかしめ操作を十分に行うことができるため、術中におけるステントの脱落や、コーティング層の剥離といった事故を防止することができる。
本発明に係るオリゴマーユニットは、重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸由来のモノマーユニットと、1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットとを有しており、当該オリゴマーユニットは、重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸と1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物とを化学結合させたものが好ましく、また、重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸と1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボンキシル基を有する芳香族化合物とを化学結合させたユニットをさらに1回以上10回以下重合および/または化学結合させた共重合体であってもよい。
なお、上記「化学結合」は、1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物における1つ以上の水酸基および/または1つ以上のカルボキシル基と、(ポリ)乳酸の水酸基および/またはカルボンキシル基とが化学反応により結合していることをいう。また、本明細書において「1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニット」とは、1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物が、他のモノマー等と重合など化学結合することでオリゴマーや重合体の一部を形成する単位を言い、1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物が単量体としての出発物質であり、ポリ乳酸由来のモノマーユニットも同様の意味である。
また、本発明に係るオリゴマーユニットは、重量平均分子量が3100〜50100であることが好ましく、重量平均分子量が10100〜45100であることがより好ましく、重量平均分子量が15100〜40100であることが特に好ましい。
本発明に係るオリゴマーユニットの構造は、特に制限されることはなく、本発明に係るオリゴマーユニットは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、および交互共重合体からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。上記ランダム共重合体およびブロック共重合とは、2種以上のモノマーを重合し、1本のポリマー鎖中にそれらのモノマー単位を含む共重合体のことである。そのモノマー配列により、配列が不規則なランダム共重合体、交互に配列した交互共重合体に大別される。ランダム共重合体や交互共重合体は2種類のモノマーを同時に重合させることで合成される。それらの性質は、一般に各単独共重合体の中間に位置し、そのどちらとも異なる場合が多い。一方、ブロック共重合体は、ランダム共重合体や交互共重合体と同様、1本のポリマー鎖中に2種類以上のモノマー単位を含んでいるが、1段階の重合では合成が難しく、通常は各モノマーを段階的に重合させて得られる。ブロック共重合体の大きな特徴は、各単独重合体の性質を兼ね備え、同時にそれらの発現が可能なことである。従って、相反する性質を有する単独重合体からブロック共重合体を合成すると、1本のポリマーで両者の性質を併せ持つことができる。上記グラフト共重合体は、1本のポリマー鎖(幹ポリマー)より別のポリマー(枝ポリマー)が分岐している共重合体の総称である。グラフト共重合体の性質や挙動は、枝ポリマーの分子量や分岐数により異なり、さらに幹と枝ポリマーより形成される構造がブロック共重合体以上の自由度があるため、新しい物性や機能が期待できる。
本発明に係るオリゴマーユニットは、重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸と1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物とを反応させたものであり、重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸由来のモノマーユニットと、1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットとのユニット比(モル比)が、700:1〜40:1の範囲であることが好ましく、650:1〜120:1の範囲であることが好ましく、600:1〜200:1の範囲であることが特に好ましい。
当該1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボンキシル基を有する芳香族化合物に対する当該重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸の割合が、40ユニット未満になると、鎖延長しても成型性の確保できる高分子量体を合成できない可能性がある。また、逆に当該割合が700超になると、鎖延長したところで対応する直鎖状ポリ乳酸の性質と類似して、機械的強度が向上しない虞がある。
本発明に係る1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットの出発物質である本発明の1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基とを有する芳香族化合物は、下記の一般式(A)または(B):
Figure 0005419517
(上記一般式(A)中、R〜Rは、それぞれ独立して、OH基または水素原子であり、かつR〜Rのうち少なくとも一つはOH基であり、残りは水素原子である。)
Figure 0005419517
(上記一般式(B)中、R〜R10は、それぞれ独立して、OH基、水素原子、またはメトキシ基であり、かつR〜R10のうち少なくとも一つはOH基であり、残りは水素原子またはメトキシ基である。)
で表されるものが好ましく、具体的には、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ2−メトキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ3−メトキシ桂皮酸、および3,4−ジヒドロキシ桂皮酸からなる群から選択される少なくとも一つであることがより好ましい。
本発明に係る重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸由来のモノマーユニットの出発物質である本発明のポリ乳酸の重量平均分子量は、3,000〜50,000が好ましく、10000〜45000がより好ましく、15000〜40000が特に好ましい。重量平均分子量が3,000未満だと、鎖延長しても成型性の確保できる高分子量体を合成できない可能性がある。また、逆に重量平均分子量が50,000超になると、鎖延長したところで対応する直鎖状ポリ乳酸の性質と類似して、機械的強度が向上しない虞がある。尚、重量平均分子量の測定方法は、GPC、光散乱法、粘度測定法、質量分析法(TOFMASSなど)が挙げられ、本発明に係る生分解性高分子は、GPCにより重量平均分子量を測定することが好ましい。また、本発明に係るポリ乳酸(PLA)は、市販のものを購入しても合成してもよく、合成する場合は、例えば、L−乳酸、やD−乳酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、ラクチド法や直接重合法などで脱水重縮合することにより得ることができる。
本発明に係る鎖長延長セグメントは、多官能性のイソシアナート、アミン、またはエポキシのいずれか一つを有することが好ましい。
本発明に係る多官能性のイソシアナートの具体例としては、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、ジアニシジンジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、ピトリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、リジンジイソシアナートメチルエステル、メタキシリレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、イソプロピリデンビス(4−シクロへキシルイソシアナート)、シクロヘキシルメタンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート等のトリイソシアナートなどが挙げられ、これらは1種または2種以上混合してもよい。
本発明に用いられるアミンの具体例としては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,6一ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10一デカンジアミン、1,11一ウンデカンジアミン、1,12一ドデカンジアミン、1−ブチル−1,2一エタンジアミン、1,1−ジメチル−1,4一ブタンジアミン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−1,4一ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,3−ジメチル−1,6一ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,7−へプタンジアミン、2,3一ジメチル−1,7−へプタンジアミン、2,4−ジメチル−1,7−へプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7−へプタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリオキシエチレントリアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミンなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。
本発明に用いるエポキシの具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノポラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂(たとえばジグリシジルブタレート、ジグリシジルテトラヒドロフクレート、ダイマー酸ジグリシジルエステルなど)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えば、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェニルメタン、トリグリシジル−m−アミノフェニルメタン、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなど)、複素環式エポキシ樹脂、ジアリールスルホン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂(例えば、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5一ジ−tert−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテルなど)、アルキレングリシジルエーテル系化合物(例えば、ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルなど)、グリシジル基含有ヒダントイン化合物(例えば、1,3−ジグリシジル−5,5−ジアルキルヒダントイン、1一グリシジル−3−(グリシドキシアルキル)−5,5−ジアルキルヒダントインなど)、グリシジル基含有シロキサン(例えば、1,3一ビス(3一グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,β一ビス(3一グリシドキシプロピル)ポリジメチルシロキサンなど)等が挙げられる。
本発明に用いる鎖長延長セグメントの導入方法は特に制限されることはなく、例えば混練機を用いた固相重合法が好適に用いられる。固相重合とは、一般的に重合された樹脂の重合度をさらに高めると共に、樹脂内に含有されている不純物を除去し、品質を高める工程のことである。
本発明に係る生体吸収性材料の組成における鎖長延長セグメントのユニット比(モル比)は、本発明の生体吸収性材料全体に対して0.14〜2.5質量%の範囲であることが好ましい。上記範囲が0.14質量%未満であると、本発明の生体吸収性材料に十分な柔軟性を付与させることが困難であり、上記範囲が2.5質量%超であると本発明の生体吸収性が柔軟になり過ぎて機械的強度が劣る可能性がある。
本発明に係る生体吸収性材料は、前記鎖長延長セグメントを介して前記オリゴマーユニットが相互に結合していることが好ましい。上述したように、例えば、本発明のオリゴマーユニットである、重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸と1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物とを化学結合させたオリゴマーユニット、または重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸と1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物とを化学結合させたユニットをさらに1回以上重合させた共重合体のオリゴマーユニットが、鎖長延長セグメントに結合する場合、換言すると、いわゆるバインダーとしての役割をもつ鎖長延長セグメントを介して複数の前記オリゴマーユニットが結合することで、当該セグメントによる高分子鎖の鎖長延長の作用を示し高分子鎖に自由度が付与され、例えば芳香族同士が近接しやすくなり、柔軟で機械的強度が高い材料が得られると考えられる。
本発明に係る重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸由来のモノマーユニット、および1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットを、700:1〜40:1のモノマーユニット比の範囲で有するオリゴマーユニットと、鎖長延長セグメントとを有し、前記オリゴマーユニットは前記鎖長延長セグメントに結合されているものの好適な実施形態を以下の化学式(1)〜(3)に挙げる。ただし、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005419517
「化学式(1)
(1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物:3,5−ジヒドロキシ安息香酸、鎖長延長セグメント:ヘキサメチレンジアミン、a:10〜10,000、b:10〜10,000」
Figure 0005419517
「化学式(2)
(1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物:4−ヒドロキシ桂皮酸、鎖長延長セグメント:ヘキサメチレンジアミン、a:10〜10,000、b:10〜10,000)」
Figure 0005419517
「化学式(3)
(1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物:3,4−ジヒドロキシ桂皮酸、鎖長延長セグメント:ヘキサメチレンジアミン、a:10〜10,000、b:10〜10,000」
また、本発明の生体吸収性材料の好ましい一態様として上記化学式(1)で示した、1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物として、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、鎖長延長セグメントとしてヘキサメチレンジアミンを使用した場合の反応スキームを以下の反応式で例示するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない
Figure 0005419517
Figure 0005419517
上記反応式では、3,5−ジヒドロキシ安息香酸の水酸基をキャップした後、塩化チオニルによりクロライド化させて(反応1)、ポリ乳酸の水酸基と結合させオリゴマーユニットを得た後(反応2)、当該オリゴマーユニットをさらに縮重合して共重合体のオリゴマーユニットを得ている(反応3)。次いで、当該共重合体のオリゴマーユニットに鎖長延長セグメントであるヘキサメチレンジアミンを加え最終生成物である本発明の生体吸収性材料を得ている(反応4)。当然、1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物またはポリ乳酸のカルボキシル基をクロライド化以外のハロゲン化してもよく、さらに縮合などの他の合成法により1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物とポリ乳酸とを結合させてもよい。
本発明の1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットおよび/または本発明の1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物は、さらにヨード基を有していることが好ましい。当該モノマーユニットまたは当該モノマーユニットの出発物質における芳香族化合物がヨード基を有することにより、本発明の生体吸収性材料にX線視認性が付与される。ヨード基を有する本発明の1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物は、特に限定されることはないが、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ2−メトキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ3−メトキシ桂皮酸、3,4一ジヒドロキシ桂皮酸のいずれかの少なくとも一つの水酸基をヨード基に置換したものが好ましく、4−ヒドロキシ桂皮酸の水酸基をヨード基に置換した4−ヒドロキシ−3,5−ジヨード桂皮酸が最も好ましい。
1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットの水酸基をヨード基に置換する方法、または1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物をヨード基に置換する方法は特に制限されることはなく、例えば4−ヒドロキシ桂皮酸の水酸基をヨード基に置換して4−ヒドロキシ−3,5−ジヨード桂皮酸にする場合、4一ヒドロキシベンズアルデヒドと塩化ヨウ素とを反応させ、次いでピリジン/アニリン混合溶媒中でさらにマロン酸を反応させ、得られた粗結晶をエタノール/水混合溶媒から再結晶化させる方法が好適に用いられる。
また、本発明の1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物をヨード基で置換した後、ポリ乳酸と反応させても、ポリ乳酸と反応させた後ヨード基で置換してもよい。
本発明の第二は、本発明の生体吸収性材料により形成されたステントである。以下、当該ステントの説明をする。
「ステント」
以下、最初に本発明のステントを添付図面に示す実施形態の一例として詳細に説明するが、当然のことながら本発明のステントの形状はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明のステントの一態様を示す正面図であり、図2、図4、図6および図7は、図1の線A−Aに沿って切断した部分拡大横断面図であり、図3、および図5は、図1の線B−Bに沿って切断した部分拡大縦断面図である。次に、ステント1を構成する他の各構成要素について、以下により詳細に説明する。
ステント1(本体)2は、両末端部が開口し、該両末端部の間を長手方向に延在する円筒体である。円筒体の側面は、その外側面と内側面とを連通する多数の切欠部を有し、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造になっており、血管のような脈管、または胆管等の生体管腔内に留置され、その形状を維持する。
図1に示す態様において、ステント本体は、本発明の生体吸収性材料より形成されており、内部に切欠部を有する略菱形の要素Dを基本単位とする。複数の略菱形の要素Dが、略菱形の形状がその短軸方向に連続して配置され結合することで環状ユニットEをなしている。環状ユニットEは、隣接する環状ユニットと線状の連結部材Fを介して接続されている。これにより複数の環状ユニットEが一部結合した状態でその軸方向に連続して配置される。ステント(本体)は、このような構成により、両末端部が開口し、該両末端部の間を長手方向に延在する円筒体をなしている。そして円筒体の側面は、略菱形の切欠部を有しており、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造になっている。
但し、本発明におけるステントの構造は、図示した態様に限定されず、両末端部が開口し、該両末端部の間を長手方向に延在する円筒体であって、その側面上に、外側面と内側面とを連通する多数の切欠部を有し、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造を広く含む概念であり、コイル形状もまた本発明の概念に含まれる。ステント(本体)を構成する弾性線材の断面形状についても、矩形、円形、楕円形、其の他の多角形等、他の形状であってもよい。
図2における本発明のステント1は、ステント本体2の表面に生理活性物質と生分解性高分子とからなる生理活性物質放出層を有する構造である。さらに、図2では、当該生理活性物質放出層は、ステント本体2の表面に設けた生理活性物質層3と、当該生理活性物質層3を完全に覆った生分解性高分子層4とを有する構造である。
図4における本発明のステント1は、図2と同様ステント本体2の表面に生理活性物質と生分解性高分子とからなる生理活性物質放出層を有する構造であるが、当該生理活性物質放出層は、生理活性物質6と生分解性高分子5とが混合された層である。
図6における本発明のステント1は、生理活性物質6がステント本体2内に包埋または分散している構造である。図示はしていないが、さらにステント本体2の表面に図2および4のような生理活性物質と生分解性高分子とからなる生理活性物質放出層設けてもよい。
図7における本発明のステント1は、ステント本体2に生理活性物質6を化学結合させている。図7に示すように、ステント1を拡大すると、ステント本体2を構成している材料である生体吸収性材料7に生理活性物質6が直接化学結合されており、すなわち、当該生体吸収性材料7の側鎖に生理活性物質を導入する、いわばプロドラックの構造である。また、当然のことながら、図示はしていないが、さらにステント本体2の表面に図2および4のような生理活性物質と生分解性高分子とからなる生理活性物質放出層を設けてもよい。
図3における本発明のステント1は、図2と同様の構造のステント1をB−B線で切断したものであり、ステント本体2を構成する本発明の生体吸収性材料より形成された線状部材Cの表面上に、該線状部材Cの全面を覆うよう生理活性物質放出層(生理活性物質層3および生分解性高分子層4)が形成されており、当該生理活性物質放出層は、ステント本体2の表面を全て覆っても、一部を覆ってもよく、図3ではステント本体2を構成する線状部材Cの表面の全面を覆う模式図のみ記載している。
図5における本発明のステント1は、図4と同様の構造のステント1をB−B線で切断したものであり、ステント本体2を構成する線状部材Cの表面上に、該線状部材Cの全面を覆うよう生理活性物質放出層(生理活性物質6と生分解性高分子5とが混合された層)が形成されており、当該生理活性物質放出層は、ステント本体2の表面を全て覆っても、一部を覆ってもよく、図5ではステント本体2を構成する本発明の生体吸収性材料より形成された線状部材Cの表面の全面を覆う模式図のみ記載している。
さらには、前記生理活性物質放出層は、少なくとも生体組織と直接接触する線状部材C部位に形成されることが好ましい。これにより、前記層から放出される生理活性物質は、例えば血液などの体液中を流れることなく直接生体組織から吸収させることができるので、生理活性物質を局所的に投与することが可能であり、より有効な薬理活性を達成することができる。
また、ステント1は、生体内の病変部に留置された後、生分解性高分子層により、生理活性物質の放出が行われ、血管再狭窄を抑制した後、生分解性高分子は生体内で完全に分解される。
以下、本発明に係るステントの各構成要件について説明する。
「生分解性高分子」
本発明における生分解性高分子は、本発明のステントを病変部に留置した際、徐々に生分解するポリマーであって、人間または動物の生体に悪影響を及ぼさないポリマーであれば特に限定されないが、生体安定性が高いものが好ましく、例えば、本発明に係る生体吸収性材料、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−アミノ酸、コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、桂皮酸、および桂皮酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1つ重合体、前記重合体を構成する単量体が任意に共重合されてなる共重合体、並びに前記重合体および/または前記共重合体の混合物であることが好ましい。これらの中でも、本発明に係る生体吸収性材料、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、あるいは乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)がさらに好ましい。生体内で分解すること考慮すると医学的に安全なものがよいからである。尚、本明細書における「混合物」とは、ポリマーアロイなどの複合物なども含む広い概念である。
本発明に係るポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、あるいは乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)は、市販のものを購入しても合成してもよく、合成する場合は、例えば、L−乳酸、D−乳酸及びグリコール酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリドから必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド及びD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いることができる。
また、本発明に係る生分解性高分子の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000が好ましく、20,000〜500,000がより好ましく、50,000〜200,000が特に好ましい。尚、重量平均分子量の測定方法は、GPC、光散乱法、粘度測定法、質量分析法(TOFMASSなど)が挙げられ、本発明に係る生分解性高分子は、GPCにより重量平均分子量を測定することが好ましい。
「生理活性物質」
本発明に係る生理活性物質は、本発明のステント(例えば、ステント1)を管腔の病変部に留置した際に再狭窄や閉塞を抑制する効果があるものであれば特に限定されず、任意に選択することができるが、例えば、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、抗炎症剤、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、血管平滑筋増殖抑制薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン、およびNO産生促進物質等からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
前記抗癌剤としては、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、イリノテカン、ピラルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、メトトレキサート等が好ましい。
前記免疫抑制剤としては、例えば、シロリムス、エベロリムス、バイオリムス、タクロリムス、アザチオプリン、シクロスポリン、シクロフォスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、グスペリムス、ミゾリビン等が好ましい。
前記抗生物質としては、例えば、マイトマイシン、アドリアマイシン、ドキソルビシン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、アクラルビシン、エピルビシン、ペプロマイシン、ジノスタチンスチマラマー等が好ましい。
前記抗リウマチ剤としては、例えば、メトトレキサート、チオリンゴ酸ナトリウム、ペニシラミン、ロベンザリット等が好ましい。
前記抗血栓薬としては、例えば、へパリン、アスピリン、抗トロンビン製剤、チクロピジン、ヒルジン等が好ましい。
前記HMG−CoA還元酵素阻害剤としては、例えば、セリバスタチン、セリバスタチンナトリウム、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンナトリウム、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン等が好ましい。
前記ACE阻害剤としては、例えば、キナプリル、ペリンドプリルエルブミン、トランドラプリル、シラザプリル、テモカプリル、デラプリル、マレイン酸エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル等が好ましい。
前記カルシウム拮抗剤としては、例えば、ヒフェジピン、ニルバジピン、ジルチアゼム、ベニジピン、ニソルジピン等が好ましい。
前記抗高脂血症剤としては、例えば、プロブコールが好ましい。前記抗アレルギー剤としては、例えば、トラニラストが好ましい。前記インテグリン阻害薬としては、例えば、AJM300が好ましい。前記抗酸化剤としては、例えば、カテキン類、アントシアニン、プロアントシアニジン、リコピン、β−カロチン等が好ましく、当該カテキン類の中では、エピガロカテキンガレートが特に好ましい。前記GPIIbIIIa拮抗薬としては、例えば、アブシキシマブが好ましい。
前記レチノイドとしては、例えば、オールトランスレチノイン酸が好ましい。前記フラボノイドとしては、例えば、エピガロカテキン、アントシアニン、プロアントシアニジンが好ましい。前記カロチノイドとしては、例えば、β―カロチン、リコピンが好ましい。前記脂質改善薬としては、例えば、エイコサペンタエン酸が好ましい。
前記DNA合成阻害剤としては、例えば、5−FUが好ましい。前記チロシンキナーゼ阻害剤としては、例えば、ゲニステイン、チルフォスチン、アーブスタチン等が好ましい。前記抗血小板薬としては、例えば、チクロピジン、シロスタゾール、クロピドグレルが好ましい。前記抗炎症薬としては、例えば、デキサメタゾン、プレドニゾロン等のステロイドが好ましい。
前記生体由来材料としては、例えば、EGF(epidermal growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、HGF(hepatocyte growth factor)、PDGF(platelet derived growth factor)、BFGF(basic fibrolast growth factor)等が好ましい。
前記インターフェロンとしては、例えば、インターフェロン−γ1aが好ましい。前記NO産生促進物質としては、例えば、L−アルギニンが好ましい。
本発明に係る生理活性物質層3を形成する生理活性物質は、再狭窄を確実に抑制するという点を考慮すると、上記物質のうちの少なくとも一種類を含んでいることが好ましい。また、生理活性物質層3を形成する生理活性物質を、一種類の生理活性物質にするのか、もしくは二種類以上の異なる生理活性物質を組み合わせるのかについては、症例に合せて適宜選択されるべきである。
また、本発明に係る生理活性物質と生分解性高分子とからなる生理活性物質放出層における、生理活性物質と生分解性高分子との組成比(質量比)は、1:99〜99:1であることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。生理活性物質放出層の物性と生理活性物質の徐放性とを考慮しつつ、適切な量の生理活性物質を搭載するためである。
「ステント本体」
本発明に係るステント本体の材料としては、上記の本発明の生体吸収性材料を用い、必要により上記生理活性物質、その他バインダーなどの添加物をステント本体内に包埋または分散させることができる。
本発明に係るステント本体内に生理活性物質が包埋または分散されている場合、本発明の生体吸収性材料に対して生理活性物質は、1〜50質量%含有されていることが好ましく、5〜20質量%含有されていることはより好ましい。
上記バインダーなどの添加物は、生体適合性を有する材料であれば特に制限されることはない。本発明の生体吸収性材料に対して、上記バインダーなどの添加物は、0〜10質量%程度含まれることが好ましい。
本発明に係るステント本体は、本発明の生体吸収性材料を主成分として、必要により上記例示した材料から、その適用箇所または拡張手段に応じて適宜選択した材料により好適に形成することができる。本発明の生体吸収性材料により形成されたステント本体は、高いラジアルフォースを有するため所望の位置に確実に留置することができ、かつステントとしての機能を果した後、すなわち、急性期の血管閉塞および再狭窄率を抑制した後にステント自身が生体に分解・吸収され消失してしまうので、晩期における再狭窄や血栓性合併症の危険性が低いという点で優れた効果を発揮する。
本発明に係るステント本体2の形状は、生体内の管腔に安定して留置するに足る強度を有するものであれば特に限定されない。例えば、本発明の生体吸収性材料により形成された繊維を編み上げて円筒状に形成したものや、それら本発明の生体吸収性材料からなる管状体に細孔を設けたものが好適に挙げられる。また、本発明に係るステント本体2は、バルーン拡張タイプ、自己拡張タイプのいずれであっても良い。また、ステント本体の大きさは適用箇所に応じて適量選択すれば良い。例えば、心臓の冠状動脈に用いる場合は、通常拡張前における外径は1.0〜3.0mm、長さは5〜50mmが好ましい。また、本発明のステント本体2の肉厚は、病変部に留置するために必要なラジアルフォースを有し、血流を阻善しない程度であれば特に限定されないが、例えば1〜1000μmの範囲が好ましく、10〜500μmの範囲がより好ましく、40〜200μmの範囲が最も好ましい。
本発明に係るステント本体の製造方法は、特に限定されず、ステント本体の構造に応じて、通常使用される製造方法から適宜選択すればよい。例えば、レーザエッチング、化学エッチング等のエッチング技術、およびレーザーカット技術を利用した製造方法を選択することができる。
本発明に係るステント本体2の表面には、生理活性物質層3とそれを完全に担った生分解性高分子層4が設けられていることが好ましい。また、この場合、当該生理活性物質層3の厚さは、病変部への到達性(デリバリー性)や血管壁への刺激性などステント本体2の性能を著しく損なわない程度であり、なおかつ生理活性物質の効果が確認される厚さで設定されるぺきであることから、好ましくは1〜100μm、より好ましく1〜50μm、最も好ましくは1〜20μmの範囲である。また、当該生分解性高分子層4の厚さは、生理活性物質層3と同様、病変部へのデリバリー性や血管壁への刺激性などステント本体2の性能を著しく損なわない程度に設定されるべきであることから、好ましくは1〜75μm、更に好ましくは1〜25μm、最も好ましくは1〜10μmの範囲である。
本発明に係るステント本体2の表面に生理活性物質層3を設けるための方法は特に限定されないが、例えば、生理活性物質を融解させてステント本体2の表面に被覆する方法、また生理活性物質を溶媒に溶解させて溶液を作製し、この溶液にステント本体2を浸漬し、その後引き上げて、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法、あるいはスプレーを用いて前記溶液をステント本体2に噴霧して、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法等が挙げられる。
また、上記生理活性物質を容易に溶解できる溶媒が、ステント本体2の表面を容易に濡らすことが可能である場合には、生理活性物質のみを溶媒に溶解させた溶液に、ステント本体2を浸漬して乾燥する方法、あるいは前記溶液をスプレーによりステント体2に噴霧して乾燥する方法が最も簡易的であり、最も好ましく適用される。
本発明に係る生理活性物質層3の表面には、少なくとも1種類以上の生分解性高分子により形成された生分解性高分子層4が設けられていることが好ましい。
本発明に係るステント本体2の表面に生分解性高分子層4を設けるための方法は特に限定されないが、例えば、生分解性高分子を融解させた後、上記方法により予め生理活性物質層が形成されたステント本体2の表面に被覆する方法、また生分解性高分子を溶媒に溶解させて溶液を作製し、この溶液にステント本体2を浸漬し、その後引き上げて、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法、あるいはスプレーを用いて前記溶液をステント本体2に噴霧して、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法等が挙げられる。
また、生分解性高分子を容易に溶解させる溶媒が、上記方法により予め生理活性物質層が形成されたステント本体2の表面を容易に濡らすことが可能である場合には、生分解性高分子のみを溶媒に溶解させた溶液に、上記方法により予め生理活性物質層が形成されたステント本体2を浸漬して乾燥する方法、あるいは前記溶液をスプレーによりステント本体2に噴霧して乾燥する方法が最も簡易的であり、最も好ましく適用される。
本発明に係るステント本体2の表面に、生分解性高分子層5に生理活性物質6が分散または包埋された層が設けられていることが好ましい。
本発明に係るステントにおいて、ステント本体2の表面に生分解性高分子層に生理活性物質が分散または包埋された層、すなわち生理活性物質と生分解性高分子とが混合された層において、当該生分解性高分子と、当該生理活性物質との混合比(質量部)は、99:1〜1:99であることが好ましく、90:10〜10:90であることがより好ましく、70:30〜30:70であることが特に好ましい。
本発明に係る生分解性高分子層5に生理活性物質6が分散(混合)された層の厚さは、病変部への到達性(デリバリー性)や血管壁への刺激性などステント本体2の性能を著しく損なわない程度であり、なおかつ生理活性物質の効果が確認される厚さで設定されるべきであることから、好ましくは1〜10μm、よりに好ましくは1〜50μm、最も好ましくは1〜20μmの範囲である。
本発明に係るステント本体2の表面に生分解性高分子層5に生理活性物質6が分散または包埋された層を設けるための方法は特に限定されないが、例えば、生分解性高分子と生理活性物質を融解させてステント本体2の表面に被覆する方法、また生分解性高分子および生理活性物質を溶媒に溶解させて溶液を作製し、この溶液にステント本体2を浸漬し、その後引き上げて、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法、あるいはスプレーを用いて前記溶液をステント本体2に噴霧して、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法等が挙げられる。
また、生分解性高分子と生理活性物質を容易に溶解させる溶媒が、ステント本体2の表面を容易に濡らすことが可能である場合には、生分解性高分子と生理活性物質を溶媒に溶解させた溶液に、ステント本体2を浸潰して乾燥する方法、あるいは前溶液をスプレーによりステント本体2に噴霧して乾燥する方法が最も簡易的であり、最も好ましく適用される。
本発明の生理活性物質放出層は、生理活性物質と生分解性高分子とを含む組成物からなり、生理活性物質層3および生理活性物質層3を完全に担った生分解性高分子層4、または生分解性高分子層5に生理活性物質6が分散された層であり、当該生理活性物質放出層は、ステント本体を構成する線状部材の表面全体を覆うことは必ずしも必要でなく、ステント本体を構成する線状部材Cの表面の少なくとも一部を覆っていればよい。
また、本発明に係る生理活性物質放出層は、ステント本体の全体の表面積の1〜100%を覆うことが好ましく、ステント本体の全体の表面積の50〜100%を覆うことがより好ましい。
本発明に係るステント本体2に生埋活性物質6が包埋又は分散していてもよい。その方法は特に限定されないが、簡易的に作製できる方法が好ましく、例えば溶融成型時にいっしょに練り込むといった方法や、材料ペースト状にして生理活性物質を混合させる方法などがある。それにより、生分解と共に生物学的生理特性物質を放出することが可能となり、ステント本体の生分解に伴う炎症反応を生物学的生理括性物質で抑えることが可能となる。
最終的には、生理活性物質は、生理活性物質3が生分解性高分子層4へ溶解拡散していくか、生分解性高分子層5の生体内での分解により、全ての生理活性物質6が生体内に放出され、さらにはステント本体2の生体内での分解により、全ての留意物が消えてなくなる。
以下、本発明に係るステントの製造方法の一形態を記載するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
「生分解性高分子層5に生理活性物質6が分散された層の調製」
前述したような比で前記生理活性物質と前記生分解性高分子とを、アセトン、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフランなどの溶媒に、溶液濃度(前記溶媒における、前記生理活性物質と前記生分解性高分子との合計濃度)が0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%となるように溶解させて本発明に係る生理活性物質、および生分解性高分子を含む組成物を調製する。
(ステント本体の製造方法)
本発明に係るステント本体の製造方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を用いて作製することができる。
始めに、本発明の生体吸収性材料および、必要により上記生理活性物質、その他バインダーなどの添加物を射出成形機、押出成形機、プレス成形機、真空成形機、ブロー成形機などを用いて、所定の肉厚、外形のパイプに成形する。そしてパイプ表面に開口パターンを貼り付けて、この開口パターン以外のパイプ部分をレーザエッチング、化学エッチング等のエッチング技術で溶かして開口部を形成する。あるいは、コンピュータに記憶させたパターン情報に基づいたレーザーカット技術により、パイプをパターン通りに切断することによって、開口部を形成することもできる。
(ステント本体の表面に生理活性物質放出層を設ける方法)
ステント本体を構成する線状部材(例えば、本発明に係る生体吸収性材料を延伸溶融紡糸したもの)の表面全体、もしくは一部に、スプレー、もしくは微量吐出可能なディスペンサーまたはインクジェットまたはスプレー等を使用して前記溶液を塗布し、その後、溶媒を揮発させればよい。または上記したような溶液中にステント本体を浸漬した後、溶媒を揮発させてもよい。
このような方法で製造した本発明のステント1の拡張手段は、通常のステントと同様であり特に限定されない。例えば、自己拡張型、すなわち細く小さく折り畳んだステントを保持している力を除くことで、自らの復元力で半径方向に拡張するタイプのものであってもよい。但し、本発明のステント1は、好ましくはバルーン拡張型、すなわちステント本体を内側からバルーンを拡張してその外力によってステントを半径方向に拡張するタイプのものである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
3,5−ジヒドロキシ安息香酸(3,5−HA、Aldrich社製)と無水酢酸(関東化学製試薬特級)をピリジン存在下・0℃で2時間反応させ、その後さらに130℃で5時間反応させた。次いで、塩化チオニル(関東化学製)をDMF中で7時間反応させた。
その後、重量平均分子量10,000のポリ乳酸オリゴマー(WAKO製)と反応させ、末端に3,5−ジヒドロキシ安息香酸をひとつ持つポリ乳酸オリゴマー(オリゴマーユニット)を合成した。このポリ乳酸オリゴマーに酢酸ナトリウムと無水酢酸を加え、脱水縮重合して重量平均分子量が87,400の共重合体のオリゴマーユニットを得た(ポリ乳酸由来のモノマーユニット:芳香族化合物由来のモノマーユニット=139:1)。最後に、このポリ乳酸オリゴマーを二軸混練機(東洋精機製ラボブラストミル)でヘキサメチレンジアミン(Aldrich剥)と反応させ(200℃)、重量平均分子量が186,700のP(3,5−HA−LA)共重合体を得た(ポリ乳酸由来のモノマーユニット:芳香族化合物由来のモノマーユニット:鎖状延長セグメント=139:1:1)。そして、この共重合体を120℃で4時間真空乾燥した後、紡糸機に供しメルターにて200℃で溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取って延伸溶融紡糸して、厚み150μmの糸を得た。
その引張強度は153.8MPaで、破断ひずみは76%であった。
その糸を編んで、外径2.1mm、長さ1.0mm、厚み150/μmのステントを作製し、3.0mmまでバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で拡張して、そのステントを1mm押し込んだ時の押し込み力(ラジアルフォース)を、オートグラフ(島津製作所製AG−IS型)を使用した圧縮試験により圧縮速度:10mm/minで測定した。ラジアルフォースは、136kgfであった。
(実施例2)
4−ヒドロキシ桂皮酸(4−HCA、TCI製)と無水酢酸(関東化学製 試薬特級)をピリジン存在下・0℃で2時間反応させ、その後さらに130℃で5時間反応させた。次いで、塩化チオニル(関東化学製)をDMF中で7時間反応させた。その後、重量平均分子量10,000のポリ乳酸オリゴマー(WAKO製)と反応させ、末端に4−ヒドロキシ桂皮酸をひとつ持つポリ乳酸オリゴマー(オリゴマーユニット)を合成した。このポリ乳酸オリゴマーに酢酸ナトリウムと無水酢酸を加え、脱水縮重合して重量平均分子量が93,100の共重合体のオリゴマーユニットを得た(ポリ乳酸由来のモノマーユニット:芳香族化合物由来のモノマーユニット=139:1)。最後に、このポリ乳酸オリゴマーを二軸混練機(東洋精機製ラボブラストミル)でヘキサメテレンジアミン(Aldrich剥)と反応させ(200℃)、重量平均分子量が186,700のP(4−HCA−LA)共重合体を得た(ポリ乳酸由来のモノマーユニット:芳香族化合物由来のモノマーユニット:鎖状延長セグメント=139:1:1)。そして、この共重合体を120℃で4時間真空乾燥した後、紡糸機に供しメルターにて200℃で溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取って延伸溶融紡糸して、厚み150μmの糸を得た。
その引張強度は146.4MPaで、破断ひずみは72%であった。
その糸を編んで、外径2.1mm、長さ1.0mm、厚み150/μmのステントを作製し、3.0mmまでバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で拡張して、そのステントを1mm押し込んだ時の押し込み力(ラジアルフォース)を、オートグラフ(島津製作所製AG−IS型)を使用した圧縮試験により圧縮速度:10mm/minで測定した。ラジアルフォースは、116kgfであった。
(実施例3)
3,4−ジヒドロキシ桂皮酸(3,4−DHCA、Aldrich社製)と無水酢酸(関東化学製 試薬特級)をピリジン存在下・0℃で2時間反応させ、その後さらに130℃で5時間反応させた。次いで、塩化チオニル(関東化学製)をDMF中で7時間反応させた。その後、重量平均分子量30,000のポリ乳酸オリゴマー(WAKO製)と反応させ、末端に3,4−ジヒドロキシ安息香酸をひとつ持つポリ乳酸オリゴマー(オリゴマーユニット)を合成した。このポリ乳酸オリゴマーに酢酸ナトリウムと無水酢酸を加え、脱水縮重合して重量平均分子量が114,800の共重合体のオリゴマーユニットを得た(ポリ乳酸由来のモノマーユニット:芳香族化合物由来のモノマーユニット=139:1)。最後に、このポリ乳酸オリゴマーを二軸混練機(東洋精機製ラボブラストミル)でヘキサメチレンジアミン(Aldrich製)と反応させ(200℃)、重量平均分子量が234,300のP(3,5−HA−LA)共重合体を得た(ポリ乳酸由来のモノマーユニット:芳香族化合物由来のモノマーユニット:鎖状延長セグメント=139:1:1)。そして、この共重合体を120℃で4時間真空乾燥した後、紡糸機に供しメルターにて200℃で溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取って延伸溶融紡糸して、厚み150μmの糸を得た。
その引張強度は152.2MPaで、破断ひずみは68%であった。
その糸を編んで、外径2.1mm、長さ1.0mm、厚み150/μmのステントを作製し、3.0mmまでバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で拡張して、そのステントを1mm押し込んだ時の押し込み力(ラジアルフォース)を、オートグラフ(島津製作所製AG−IS型)を使用した圧縮試験により圧縮速度:10mm/minで測定した。ラジアルフォースは、123kgfであった。
(実施例4)
3,5−ジヒドロキシ安息香酸(3,5−HA、Aldrich社製)と無水酢酸(関東化学製試薬特級)をピリジン存在下・0℃で2時間反応させ、その後さらに130℃で5時間反応させた。次いで、塩化チオニル(関東化学製)をDMF中で7時間反応させた。
その後、重量平均分子量30,000のポリ乳酸オリゴマー(WAKO製)と反応させ、末端に3,5−ジヒドロキシ安息香酸をひとつ持つポリ乳酸オリゴマー(オリゴマーユニット)を合成した。このポリ乳酸オリゴマーに酢酸ナトリウムと無水酢酸を加え、脱水縮重合して重量平均分子量が123,600の共重合体のオリゴマーユニットを得た(ポリ乳酸由来のモノマーユニット:芳香族化合物由来のモノマーユニット=417:1)。最後に、このポリ乳酸オリゴマーを二軸混練機(東洋精機製ラボブラストミル)でヘキサメチレンジアミン(Aldrich剥)と反応させ(200℃)、重量平均分子量が221,100のP(3,5−HA−LA)共重合体を得た(ポリ乳酸由来のモノマーユニット:芳香族化合物由来のモノマーユニット:鎖状延長セグメント=417:1:1)。そして、この共重合体を120℃で4時間真空乾燥した後、紡糸機に供しメルターにて200℃で溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取って延伸溶融紡糸して、厚み150μmの糸を得た。
その引張強度は176.8MPaで、破断ひずみは67%であった。
その糸を編んで、外径2.1mm、長さ1.0mm、厚み150/μmのステントを作製し、3.0mmまでバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で拡張して、そのステントを1mm押し込んだ時の押し込み力(ラジアルフォース)を、オートグラフ(島津製作所製AG−IS型)を使用した圧縮試験により圧縮速度:10mm/minで測定した。ラジアルフォースは、1526kgfであった。
(実施例5)
4−ヒドロキシ桂皮酸(4−HCA、TCI製)と無水酢酸(関東化学製 試薬特級)をピリジン存在下・0℃で2時間反応させ、その後さらに130℃で5時間反応させた。次いで、塩化チオニル(関東化学製)をDMF中で7時間反応させた。その後、重量平均分子量30,000のポリ乳酸オリゴマー(WAKO製)と反応させ、末端に4−ヒドロキシ桂皮酸をひとつ持つポリ乳酸オリゴマー(オリゴマーユニット)を合成した。このポリ乳酸オリゴマーに酢酸ナトリウムと無水酢酸を加え、脱水縮重合して重量平均分子量が111,100の共重合体のオリゴマーユニットを得た(ポリ乳酸:芳香族化合物=417:1)。最後に、このポリ乳酸オリゴマーを二軸混練機(東洋精機製ラボブラストミル)でヘキサメチレンジアミン(Aldrich剥)と反応させ(200℃)、重量平均分子量が199,800のP(4−HCA−LA)共重合体を得た(ポリ乳酸由来のモノマーユニット:芳香族化合物由来のモノマーユニット:鎖状延長セグメント=417:1:1)。そして、この共重合体を120℃で4時間真空乾燥した後、紡糸機に供しメルターにて200℃で溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取って延伸溶融紡糸して、厚み150μmの糸を得た。
その引張強度は180.1MPaで、破断ひずみは68%であった。
その糸を編んで、外径2.1mm、長さ1.0mm、厚み150/μmのステントを作製し、3.0mmまでバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で拡張して、そのステントを1mm押し込んだ時の押し込み力(ラジアルフォース)を、オートグラフ(島津製作所製AG−IS型)を使用した圧縮試験により圧縮速度:10mm/minで測定した。ラジアルフォースは、143kgfであった。
(実施例6)
3,4−ジヒドロキシ桂皮酸(3,4−DHCA、Aldrich社製)と無水酢酸(関東化学製 試薬特級)をピリジン存在下・0℃で2時間反応させ、その後さらに130℃で5時間反応させた。次いで、塩化チオニル(関東化学製)をDMF中で7時間反応させた。その後、重量平均分子量10,000のポリ乳酸オリゴマー(WAKO製)と反応させ、末端に3,4−ジヒドロキシ安息香酸をひとつ持つポリ乳酸オリゴマー(オリゴマーユニット)を合成した。このポリ乳酸オリゴマーに酢酸ナトリウムと無水酢酸を加え、脱水縮重合して重量平均分子量が111,200の共重合体のオリゴマーユニットを得た(ポリ乳酸:芳香族化合物=417:1)。最後に、このポリ乳酸オリゴマーを二軸混練機(東洋精機製ラボブラストミル)でヘキサメチレンジアミン(Aldrich製)と反応させ(200℃)、重量平均分子量が239,000のP(3,4−DHCA−LA)共重合体を得た(ポリ乳酸由来のモノマーユニット:芳香族化合物由来のモノマーユニット:鎖状延長セグメント=417:1:1)。そして、この共重合体を120℃で4時間真空乾燥した後、紡糸機に供しメルターにて200℃で溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取って延伸溶融紡糸して、厚み150μmの糸を得た。
その引張強度は193.5MPaで、破断ひずみは65%であった。
その糸を編んで、外径2.1mm、長さ1.0mm、厚み150/μmのステントを作製し、3.0mmまでバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で拡張して、そのステントを1mm押し込んだ時の押し込み力(ラジアルフォース)を、オートグラフ(島津製作所製AG−IS型)を使用した圧縮試験により圧縮速度:10mm/minで測定した。ラジアルフォースは、145kgfであった。
(比較例1〉
ポリ乳酸(API製 100DO65)を紡糸機に供しメルターにて230℃で溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取って延伸溶融紡糸して得た厚み150μmの糸をステント形状に編んで加工した。外径2.1mm、長き1.Omm、厚み150μmのステントを3.0mmまでバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で拡張し、そのステントを1mm押し込んだ時の押し込み力(ラジアルフォース〉を、オートグラフ(島津製作所製AG−IS型)を使用した圧縮試験により圧縮速度:10mm/minで測定した。ラジアルフォースは、92kgfであった。厚み150μmの糸の引張強度は92.2MPaで、破断ひずみは88%であった。
(比較例2)
ポリカプロラクトン(API製 100C115)を紡糸機に供しメルターにて100℃で溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取って延伸溶融紡糸して得た厚み150μmの糸をステント形状に編んで加工した。外径2.1mm、長き1.Omm、厚み150μmのステントを3.0mmまでバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で拡張し、そのステントを1mm押し込んだ時の押し込み力(ラジアルフォース〉を、オートグラフ(島津製作所製AG−IS型)を使用した圧縮試験により圧縮速度:10mm/minで測定した。ラジアルフォースは、43kgfであった。厚み150μmの糸の引張強度は29.6MPaで、破断ひずみは349%であった。
(比較例3)
ポリ乳酸−ポリカブロラクトン=80−20共重合体(API製 80DC080)を紡糸機に供しメルターにて230℃で溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取って延伸溶融紡糸して得た厚み150μmの糸をステント形状に編んで加工した。外径2.1mm、長き1.Omm、厚み150μmのステントを3.0mmまでバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で拡張し、そのステントを1mm押し込んだ時の押し込み力(ラジアルフォース〉を、オートグラフ(島津製作所製AG−IS型)を使用した圧縮試験により圧縮速度:10mm/minで測定した。ラジアルフォースは、38kgfであった。厚み150μmの糸の引張強度は36.7MPaで、破断ひずみは123%であった。
(比較例4)
3,4−ジヒドロキシ桂皮酸(DHCA)5.4gと4−ヒドロキシ桂皮酸(4HCA)4.9gと触媒である酢酸ナトリウム0.05gとエステル交換剤である無水酢酸50mLを三ロフラスコに入れて10分間窒素バブリングさせ、窒素気流下で200℃のオイルバスに20時間撹拝させ縮重合した。得られた析出物をジメチルホルムアミドに溶解し、メタノール中で再沈殿させた。吸引ろ過後、窒素で二昼夜真空乾燥させ、ポリ(DHCA−4HCA〉共重合体を得た。
このポリ〈DHCA−4HCA〉共重合体を紡糸機に供しメルターにて230℃で溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取って延伸溶融紡糸を試みたが、硬くて脆すぎたため糸を得ることができなかった。
1 ステント
2 ステント本体
3 生理活性物質層
4 生分解性高分子層
5 生分解性高分子
6 生理活性物質
7 本発明の生体吸収性材料
C 線状部材
D 略菱形の要素
E 環状ユニット
F 連結部材

Claims (10)

  1. 重量平均分子量が3000〜50000であるポリ乳酸由来のモノマーユニット、および1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットを、700:1〜40:1のモノマーユニット比の範囲で有するオリゴマーユニットと、
    鎖長延長セグメントと、を有し、
    前記鎖長延長セグメントは、ヘキサメチレンジアミンであり、
    かつ前記オリゴマーユニットは前記鎖長延長セグメントに結合している、生体吸収性材料。
  2. 前記1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットは、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ2−メトキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ3−メトキシ桂皮酸、および3,4−ジヒドロキシ桂皮酸からなる群から選択される少なくとも一つから形成される、請求項1に記載の生体吸収性材料。
  3. 前記鎖長延長セグメントを介して前記オリゴマーユニットが相互に結合している、請求項1または2に記載の生体吸収性材料。
  4. 前記オリゴマーユニットは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、および交互共重合体からなる群から選択される少なくとも一種あるいはそれらの組み合わせである、請求項1〜のいずれか1項に記載の生体吸収性材料。
  5. 前記1つ以上の水酸基と1つ以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物由来のモノマーユニットは、さらにヨード基を有している、請求項1〜のいずれか1項に記載の生体吸収性材料。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載した生体吸収性材料により形成されたステント。
  7. 前記ステントは、ステント本体および生理活性物質と生分解性高分子とからなる生理活性物質放出層を有する、生理活性物質がステント本体内に包埋または分散している、またはステント本体に生理活性物質を化学結合させている、請求項に記載のステント。
  8. 前記生理活性物質放出層は、生理活性物質と当該生理活性物質を覆った生分解性高分子層、または生理活性物質と生分解性高分子とが混合された層である、請求項に記載のステント。
  9. 前記生理活性物質は、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン、及びNO産生促進物質からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項7または8に記載のステント。
  10. 前記生分解性高分子は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体、ポリカプロラクトン、ポリトリメチレンカーボネート、ポリヒドロキシ酪酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−アミノ酸、コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、桂皮酸、および桂皮酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1つのもの、またはそれらの共重合体である、請求項7〜9のいずれか1項に記載のステント。
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