JP5102200B2 - 生体内留置物 - Google Patents

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Description

本発明は生体内留置物に関する。
本発明の生体内留置物としては、ステント、カテーテル、人工血管、ステントグラフト等、様々なものが挙げられるが、以下においては例としてステントを挙げて説明する。
まず、虚血性心疾患に適用される血管形成術について説明する。
我が国における食生活の欧米化が、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の患者数を急激に増加させていることを受け、それらの冠動脈病変を軽減化する方法として経皮的経血管的冠動脈形成術(PTCA)が施行され、飛躍的に普及してきている。現在では、技術的な発展により適用症例も増えており、PTCAが始まった当時の限局性(病変の長さが短いもの)で一枝病変(1つの部位にのみ狭窄がある病変)のものから、より遠位部で偏心的で石灰化しているようなもの、そして多枝病変(2つ以上の部位に狭窄がある病変)へとPTCAの適用が拡大されている。
PTCAとは、患者の脚又は腕の動脈に小さな切開を施してイントロデューサーシース(導入器)を留置し、イントロデューサーシースの内腔を通じて、ガイドワイヤを先行させながら、ガイドカテーテルと呼ばれる長い中空のチューブを血管内に挿入して冠状動脈の入口に配置した後ガイドワイヤを抜き取り、別のガイドワイヤとバルーンカテーテルをガイドカテーテルの内腔に挿入し、ガイドワイヤを先行させながらバルーンカテーテルをX線造影下で患者の冠状動脈の病変部まで進めて、バルーンを病変部内に位置させて、その位置で医師がバルーンを所定の圧力で30〜60秒間、1回から複数回膨らませる手技である。
これにより、病変部の血管内腔は拡張され血管内腔を通る血流は増加する。しかしながら、カテーテルによって血管壁が傷つけられたりすると、血管壁の治癒反応である血管内膜の増殖が起こり30〜40%程度の割合で再狭窄が報告されている。
ステントは、このような再狭窄を予防する方法において用いるものとして検討され、ある程度の成果をあげている。ここで言うステントとは、血管や他の管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その内腔を確保するためにそこに留置することができる管状の医療用具である。そして、それらの多くは、金属材料又は高分子材料よりなる医療用具であり、例えば金属材料や高分子材料よりなる管状体に細孔を設けたものや、金属材料のワイヤや高分子材料の繊維を編み上げて円筒形に成形したもの等様々な形状のものが提案されている。ステント留置の目的は、PTCA等の手技を施した後に起こる再狭窄の予防及びその低減化を狙ったものであるが、このようなステントの留置のみでは狭窄を顕著に抑制することができていないのが実状であった。
そこで、近年、このステントに免疫抑制剤や抗癌剤等の生物学的生理活性物質を担持させることによって、管腔の留置部位で長期にわたって局所的にこの生物学的生理活性物質を放出させ、再狭窄率の低減化を図る方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、金属(タンタル等)又は生体安定性又は生体吸収性のポリマー(ポリラクティックアシッド等)からなるステント本体の表面に、生分解性高分子と治療のための物質との混合物をコーティングしたステントが記載されている。
また、特許文献2には、金属(ステンレス等)又は高分子からなるステント本体の表面に薬剤層を設け、更にこの薬剤層の表面に生分解性高分子層を設けたステントが記載されている。
しかしながら、これら特許文献1、2に記載されている金属製のステントは、半永久的にステント本体が生体内に留置されることになる。したがって、その表面の生分解性高分子が生体内で分解されて薬剤が放出された後、ステント本体の血管壁に対するメカニカルストレスに起因した慢性的な炎症が起こる可能がある。これは特許文献1、2に記載されている金属製ステントに限定されるものではなく、タンタルやステンレス等の金属材料や生分解し難い高分子を使用している全てのステントにおける問題点である。
これに関連して、非特許文献1には、高分子層が半永久的に生体内に留置されることによって、慢性的に炎症が持続する可能性がある上に、高分子の劣化によって再狭窄が誘発される恐れがあるばかりか、血栓症を併発する恐れさえあることが報告されている。
一方、特許文献1に記載されているポリラクティックアシッド等の生体安定性又は生分解性ポリマーからなるステントや、特許文献3に記載されているような生体吸収性ポリマーであるポリL乳酸からなるステントは、生体内で分解・消失するので、長期間生体内に留置されて血管壁にメカニカルストレスを与えて慢性的な炎症が起こることはほとんどない。また、血管は加齢により徐々に蛇行していくが、ステントが消失すれば残った内皮細胞の層がこの蛇行運動に良好に追随できる。従って、生体への侵襲がない又は小さいステントを提供し得る。
特開平8−33718号公報 特開平9−56807号公報 WO01/067990パンフレット Renu Virmani ect.、Mechanism of Late In-Stent Restenosis After Implantation of a Paclitaxel Derivate-Eluting Polymer Stent System in Humans、「Circulation」、2002、VOL106、p2649−2651
しかし、特許文献1に記載されているポリラクティックアシッド等からなるステントや、特許文献3に記載されているようなポリL乳酸からなるステントは、強度及び伸びが低く、病変部に留置しても何らかの外力により破損する可能性があった。また、ラジアルフォースが低くなるため留置後にステントが病変部から脱落する可能性があった。
更に、ステントへのバルーンカテーテルに対するかしめ力(クリンピングフォース)が低いため、病変部のデリバリー時にステントがバルーンカテーテルから脱落する可能性があった。
上記ではステントを例に挙げたが、このような強度低下等の問題はステントに限らず、生分解性を有する生体内留置物に共通する問題である。
したがって、本発明の目的は、生分解性の材料からなり、生体内に留置後に生体にメカニカルストレス及び慢性的な炎症を発生させず、かつ、生体内で必要な強度及び伸び(伸度)を有し、外力による破損及び亀裂が生じ難い生体内留置物を提供することにある。
また、このような生体内留置物であって、更に、必要なクリンピングフォースやラジアルフォースを有し、病変部へのデリバリー時のバルーンカテーテルからの脱落や留置後の脱落などが生じ難い生体内留置物(生体内に生じた狭窄部や閉塞部等を拡張するために当該部位に挿入し、拡張した上で、その状態を保持するために当該部位に留置するステント、カテーテル、人工血管、ステントグラフト等の生体内留置物)を提供することにある。
本発明者は上記の課題を解決することを目的に鋭意検討し、D体ポリ乳酸とL体ポリ乳酸とを特定の範囲で含有し、更にそれらが特定の構造を形成しているポリ乳酸複合体を主成分とする生分解性物質からなる本体部を有する生体内留置物が、上記の課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明は次の(1)〜(20)である。
(1)D体ポリ乳酸とL体ポリ乳酸とが45:55〜55:45の質量比でステレオコンプレックス構造の複合体を形成しているポリ乳酸複合体を主成分とする生分解性物質からなる本体部を有し、前記ポリ乳酸複合体が、交互積層法により製造されたポリ乳酸複合体である生体内留置物。
(2)前記生分解性物質が、生物学的生理活性物質を含有する上記(1)に記載の生体内留置物。
(3)前記生物学的生理活性物質の少なくとも一部が粉体であり、この粉体の生物学的生理活性物質が前記生分解性物質中で分散している上記(2)に記載の生体内留置物。
(4)前記生物学的生理活性物質の少なくとも一部が前記ポリ乳酸複合体と化学結合している上記(2)又は(3)に記載の生体内留置物。
(5)前記本体部の表面に、前記生物学的生理活性物質を含有する薬剤放出層を有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の生体内留置物。
(6)前記薬剤放出層が更に生分解性ポリマーを含有する上記(5)に記載の生体内留置物。
(7)前記薬剤放出層が2以上の層からなり、それらの層が前記生物学的生理活性物質を含む層及び前記生分解性ポリマーを含む層を含む上記(6)に記載の生体内留置物。
(8)前記ポリ乳酸複合体の重量平均分子量が1,000〜1,000,000である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の生体内留置物。
(9)前記ポリ乳酸複合体が、延伸されたポリ乳酸複合体である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の生体内留置物。
(10)前記ポリ乳酸複合体が、示差走査熱量測定において65〜75℃の間に第1の融解ピークを有し、200〜250℃の間に第2の融解ピークを有するポリ乳酸複合体である上記(1)〜(9)のいずれかに記載の生体内留置物。
(11)前記ポリ乳酸複合体が、JIS K7113に規定される破断強度が70MPa以上であり、破断伸度が15%以上であり、ヤング率が100MPa以上であるポリ乳酸複合体である上記(1)〜(10)のいずれかに記載の生体内留置物。
(12)前記交互積層法が、マイクロオーダー薄膜を形成して行う交互積層法である上記(1)〜(11)のいずれかに記載の生体内留置物。
13)前記マイクロオーダー薄膜の厚さが1μm〜500μmである上記(12)に記載の生体内留置物。
14)前記マイクロオーダー薄膜の間に、前記生物学的生理活性物質を含有する上記(12)又は(13)に記載の生体内留置物。
15)前記本体部の形状が、チューブ状、管状、網状、繊維状、不織布状、織布状又はフィラメント状である上記(1)〜(14)のいずれかに記載の生体内留置物。
16)前記生物学的生理活性物質が、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン及びNO産生促進物質からなる群から選ばれる少なくとも1つである上記(2)〜(15)のいずれかに記載の生体内留置物。
17)前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−アミノ酸、コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ポリカプロラクトン及びこれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つである上記(6)〜(16)のいずれかに記載の生体内留置物。
18)前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸とポリグリコール酸との共重合体である上記(17)に記載の生体内留置物。
19)ステントである上記(1)〜(18)のいずれかに記載の生体内留置物。
20)外径を2.1mmから3.0mmへ拡張した後、1mm圧縮したときのラジアルフォースがステント長10mmあたり130〜500gfである上記(19)に記載のステント。
本発明によれば、生分解性の材料からなり、生体内に留置後に生体にメカニカルストレス及び慢性的な炎症を発生させず、かつ、生体内で必要な強度及び伸びを有し、外力による破損及び亀裂が生じ難い生体内留置物を提供することができる。
また、このような生体内留置物であって、更に、必要なクリンピングフォースやラジアルフォースを有し、病変部へのデリバリー時のバルーンカテーテルからの脱落や留置後の脱落などが生じ難い生体内留置物(生体内に生じた狭窄部や閉塞部等を拡張するために当該部位に挿入し、拡張した上で、その状態を保持するために当該部位に留置するステント、カテーテル、人工血管、ステントグラフト等の生体内留置物)を提供することができる。
図1は、本発明のステントの一態様を示す側面図である。 図2は、図1のA−A線に沿って切断した拡大横断面図である。 図3は、図1のA−A線に沿って切断した他の拡大横断面図である。 図4は、図1のA−A線に沿って切断した他の拡大横断面図である。 図5は、図1のB−B線に沿って切断した拡大横断面図である。 図6は、図1のB−B線に沿って切断した他の拡大横断面図である。 図7は、実施例5のブタ冠動脈内ステント埋め込み後病理像を示す拡大写真(40倍)である。 図8は、比較例9のブタ冠動脈内ステント埋め込み後病理像を示す拡大写真(40倍)である。 図9は、比較例11のブタ冠動脈内ステント埋め込み後病理像を示す拡大写真(40倍)である。
符号の説明
1 ステント(ステント本体)
2 線状部材
11 要素
12 環状ユニット
13 連結部材
10 ステント本体
20 ポリ乳酸複合体
30 粉体の生物学的生理活性物質
32 生物学的生理活性物質を含む層
40 生分解性ポリマー
42 生分解性ポリマーを含む層
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明は、D体ポリ乳酸とL体ポリ乳酸とが45:55〜55:45の質量比でステレオコンプレックス構造の複合体を形成しているポリ乳酸複合体を主成分とする生分解性物質からなる本体部を有する生体内留置物である。
ここで、本発明の生体内留置物は本体部を有するものであるが、本体部そのものであってその他の部分を有さないものであってもよい。つまり、本発明の生体内留置物は、D体ポリ乳酸とL体ポリ乳酸とが45:55〜55:45の質量比でステレオコンプレックス構造の複合体を形成しているポリ乳酸複合体を主成分とする生分解性物質からなる生体内留置物であってもよい。その場合であっても本発明の範囲内である。
したがって、本発明の生体内留置物としては、例えば、前記生分解性物質からなるステントや、前記生分解性物質からなるステント本体(本体部)の表面に薬剤等を塗布したステントが挙げられる。その他の本発明の生体内留置物の態様については後述する。
初めに、本発明で用いるポリ乳酸複合体について説明する。
本発明で用いるポリ乳酸複合体は、D体ポリ乳酸とL体ポリ乳酸との複合体である。そして、この複合体において、これらのポリ乳酸はステレオコンプレックス構造を形成している。
ここでステレオコンプレックス構造とは、D体及びL体のような鏡像異性体の関係にある高分子同士がファンデルワールス力により相互に作用して、構造的フィッティングを生じてなる立体構造である。
ステレオコンプレックス構造は、アイソタクチックとシンジオタクチックとのような立体規則性を持つ高分子においても形成し得る。
ステレオコンプレックスを形成する例としては、ポリ乳酸以外に、ポリ-γ-ベンジルグルタメート,ポリ-γ-メチルグルタメート,ポリ-tert-ブチレンオキサイド,ポリ-tert-ブチルエチレンサルフィド,ポリ-α-メチルベンジルメタクリレート,ポリ-α-メチル-α-エチル-β-プロピオラクトン,β-1,1-ジクロロプロピル-β-プロピオラクトンなどが知られている。
また、本発明で用いるポリ乳酸複合体において、D体ポリ乳酸とL体ポリ乳酸との質量比は45:55〜55:45である。この質量比は50:50であることが好ましい。
このような質量比であって、かつ、上記のようなステレオコンプレックス構造を有するポリ乳酸複合体は強度及び伸度が顕著に高く、これを用いてなる生体内留置物は生体内で破損し難い。また、このようなポリ乳酸複合体は、外力により伸びた後であっても強度を保持するので、前記ポリ乳酸複合体を用いてなるステント等の生体内留置物(生体内に生じた狭窄部や閉塞部等を拡張するために当該部位に挿入し、拡張した上で、その状態を保持するために当該部位に留置するステント、カテーテル、人工血管、ステントグラフト等の生体内留置物)は、例えば病変部へバルーンカテーテル等を用いて挿入し、その部位に留置するために拡張し伸びた後であっても、その形状を保持するために必要なラジアルフォースを有する。
なお、ここでいうD体ポリ乳酸とL体ポリ乳酸との質量比は、前記ポリ乳酸複合体を製造する際に用いた各々の質量比をいう。
また、前記ポリ乳酸複合体の重量平均分子量は1,000〜1,000,000であることが好ましく、2,000〜700,000であることがより好ましく、5,000〜400,000であることが更に好ましい。
また、前記ポリ乳酸複合体が、示差走査熱量測定において65〜75℃の間に第1の融解ピーク(すなわちガラス転移温度)を有し、200〜250℃の間に第2の融解ピーク(すなわち融点)を有するものであることが好ましい。ここで、示差走査熱量測定はNガス気流下、5℃/minの昇温速度で測定するものとする。島津製作所社製DT−50を好ましく用いることができる。
前記ポリ乳酸複合体が、このような範囲の重量平均分子量である場合や、このような融解ピークを有する場合は、このポリ乳酸複合体の強度及び伸度が更に高くなり、これを用いてなる生体内留置物は生体内で更に破損し難くなる。また、このようなポリ乳酸複合体を用いてなるステント等の生体内留置物は、更に高いラジアルフォースを有することとなる。
また、前記ポリ乳酸複合体が、JIS K7113に規定される破断強度が70MPa以上であり、破断伸度が15%以上であり、ヤング率が100MPa以上であるポリ乳酸複合体であることが好ましい。
ここで、破断強度は、75MPa以上であることがより好ましく、80MPa以上であることが更に好ましい。上限は特に限定されないが500MPa以下であることが好ましい。
また、破断伸びは、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましい。上限は特に限定されないが200%以下であることが好ましい。
また、ヤング率は、500MPa以上であることがより好ましく、1,000MPa以上であることが更に好ましい。上限は特に限定されないが50,000MPa以下であることが好ましい。
これらの値がこのような範囲のポリ乳酸複合体を用いてなる生体内留置物は、生体内で更に破損し難くなるので好ましい。また、このようなポリ乳酸複合体を用いてなるステント等の生体内留置物は、更に高いラジアルフォースを有することとなるので好ましい。
なお、以下において「破断強度」、「破断伸度」、「ヤング率」と記した場合、全てJIS K7113に規定された方法(1/5スケールの2号試験片を使用)で測定されたものを意味する。
また、前記ポリ乳酸複合体が、延伸されたポリ乳酸複合体であることが好ましい。
これは、前記ポリ乳酸複合体をそのガラス転移温度以上、融点以下の温度で延伸すると、非晶部分の分子が延伸方向に引き伸ばされ結晶化度が増すとともに、分子が延伸方向に配向するので、延伸方向の引張強度や引張弾性率が大きくなるからである。
また、前記ポリ乳酸複合体は、交互積層法により製造されたポリ乳酸複合体であることが好ましい。更に、この交互積層法は、マイクロオーダー薄膜を形成して行う交互積層法であることが好ましい。更に、前記マイクロオーダー薄膜の厚さは1μm〜500μmであることが好ましく、10μm〜400μmであることがより好ましく、50μm〜300μmであることが更に好ましい。
この交互積層法により製造された前記ポリ乳酸複合体は、強度及び伸びが特に良好となるので、このポリ乳酸複合体を用いてなる生体内留置物は、生体内で更に破損し難くなる。また、このようなポリ乳酸複合体を用いてなるステント等の生体内留置物は、更に高いラジアルフォースを有することとなるので好ましい。
ここで交互積層法とは、基板をD体ポリ乳酸溶液及びL体ポリ乳酸溶液に交互に浸漬することによって薄膜を作製する方法である。このような交互積層法を適用することにより、バルク(溶液)中よりも効率よくステレオコンプレックス構造のポリ乳酸複合体を形成できる。
具体的には、例えば、D体ポリ乳酸をアセトニトリルに溶解させた溶液と、L体ポリ乳酸をアセトニトリルに溶解させた溶液とを準備し、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキビニルエーテル共重合樹脂)等の基板を各溶液に交互に浸漬・乾燥を繰り返す方法が挙げられる。
本発明において前記ポリ乳酸複合体は、従来法であるキャスト法等によって製造することもできる。しかし、この場合、交互積層法と比較してステレオコンプレックス構造が形成される確率が低くなる。キャスト法の場合はステレオコンプレックス構造ではない構造、例えば単独結晶が形成される確率が比較的高くなってしまうが、交互積層法で製造した場合であると、ステレオコンプレックス構造を通常90%以上程度の割合で形成することができる。
本発明において生分解性物質は、このようなポリ乳酸複合体を主成分とする。
ここで「主成分」とは質量%で60質量%以上含有することを意味する。つまり、本発明において生分解性物質は前記ポリ乳酸複合体を60質量%以上含有する。この生分解性物質は前記ポリ乳酸複合体を70質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することが更に好ましい。
また、前記生分解性物質は、生物学的生理活性物質を含有することが好ましい。本発明の生体内留置物を生体内に留置した後、その生体内で分解していく過程で、生物学的生理活性物質を放出し、この生分解に伴う炎症反応や再狭窄をこの生物学的生理活性物質で抑制することができるからである。
また、前記生分解性物質おける前記生物学的生理活性物質の含有率は特に限定されないが、1〜40質量%含有することが好ましく、10〜30質量%含有することが更に好ましい。
また、この生物学的生理活性物質は、少なくともその一部が粉体であることが好ましくい。そして、この粉体の生物学的生理活性物質は前記生分解性物質中で分散していることが好ましい。本発明の生体内留置物が生体内に留置された後、その生体内で分解していく過程で、前記生物学的生理活性物質が一定の速度で放出され易いからである。
また、前記生物学的生理活性物質の少なくとも一部が前記ポリ乳酸複合体と化学結合していることが好ましい。本発明の生体内留置物が生体内に留置された後、その生体内で分解していく過程で、ポリ乳酸複合体の分解と同時に生物学的生理活性物質が、より一定の速度で放出され易いことにより、炎症反応をより抑制することができる。
また、前記生物学的生理活性物質の少なくとも一部が、前記交互積層法により形成した前記マイクロオーダー薄膜の間に含有されていることが好ましい。更に、前記生物学的生理活性物質の少なくとも一部が前記ポリ乳酸複合体と化学結合していることが更に好ましい。本発明の生体内留置物が生体内に留置された後、その生体内で分解していく過程で、ポリ乳酸複合体の分解と同時に生物学的生理活性物質が、より一定の速度で放出され易いからである。
このような生物学的生理活性物質としては、本発明の生体内留置物を生体内の病変部に留置した際に、所望の効果、例えば再狭窄を抑制する効果を奏するものであれば特に限定されない。
例えば、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン及びNO産生促進物質を好ましく例示できる。前記生物学的生理活性物質は、これらからなる群から選ばれる少なくとも1つであることがより好ましい。
ここで、抗癌剤としては、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、イリノテカン、ピラルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、メトトレキサート等が好ましい。
また、免疫抑制剤としては、例えば、シロリムス、エベロリムス、バイオリムス、タクロリムス、アザチオプリン、シクロスポリン、シクロフォスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、グスペリムス、ミゾリビン等が好ましい。
また、抗生物質としては、例えば、マイトマイシン、アドリアマイシン、ドキソルビシン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、アクラルビシン、エピルビシン、ペプロマイシン、ジノスタチンスチマラマー等が好ましい。
また、抗リウマチ剤としては、例えば、メトトレキサート、チオリンゴ酸ナトリウム、ペニシラミン、ロベンザリット等が好ましい。
また、抗血栓薬としては、例えば、へパリン、アスピリン、抗トロンビン製剤、チクロピジン、ヒルジン等が好ましい。
また、HMG−CoA還元酵素阻害剤としては、例えば、セリバスタチン、セリバスタチンナトリウム、アトルバスタチン、ニスバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンナトリウム、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン等が好ましい。
また、ACE阻害剤としては、例えば、キナプリル、ペリンドプリルエルブミン、トランドラプリル、シラザプリル、テモカプリル、デラプリル、マレイン酸エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル等が好ましい。
また、カルシウム拮抗剤としては、例えば、ヒフェジピン、ニルバジピン、ジルチアゼム、ベニジピン、ニソルジピン等が好ましい。
また、抗高脂血症剤としては、例えば、プロブコールが好ましい。
また、抗アレルギー剤としては、例えば、トラニラストが好ましい。
また、抗酸化剤としては、例えば、カテキン類、アントシアニン、プロアントシアニジン、リコピン、β-カロチン等が好ましい。カテキン類の中では、エピガロカテキンガレートが特に好ましい。
また、レチノイドとしては、例えば、オールトランスレチノイン酸が好ましい。
また、チロシンキナーゼ阻害剤としては、例えば、ゲニステイン、チルフォスチン、アーブスタチン等が好ましい。
また、抗炎症剤としては、例えば、デキサメタゾン、プレドニゾロン等のステロイドが好ましい。
更に、生体由来材料としては、例えば、EGF(epidermal growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、HGF(hepatocyte growth factor)、PDGF(platelet derived growth factor)、BFGF(basic fibrolast growth factor)等が好ましい。
このように前記生分解性物質は前記ポリ乳酸複合体を主成分とし、前記生物学的生理活性物質を含有することが好ましいが、これら以外に、生体に安全な生分解する成分(以下、「残部成分」ともいう。)を含有してもよい。
このような残部成分としては、例えば、前記ポリ乳酸複合体のようなステレオコンプレックス構造を有さないポリ乳酸(D体ポリ乳酸の単体、L体ポリ乳酸の単体、D体とL体との(共)重合体等)、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−アミノ酸、コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ポリカプロラクトン及びこれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つである混合物や化合物(共重合体等)が挙げられる。これらの中でもポリ乳酸及び/又はポリ乳酸とポリグリコール酸との共重合体を好ましく用いることができる。
このような生分解性物質を調整する方法は特に限定されない。
例えば、この生分解性物質が粉体の生物学的生理活性物質を含有する場合であれば、前記ポリ乳酸複合体と、この粉体の生物学的生理活性物質と、前記残部成分とを、公知の方法、例えばミキサーを用いた混合方法や、各成分を溶融して混練する方法や、各成分をペースト状にして混練する方法等を適用して混合して調製することができる。
また、例えば、この生分解性物質が生物学的生理活性物質を含有し、この前記生物学的生理活性物質の少なくとも一部が前記ポリ乳酸複合体と化学結合している場合であれば、例えば、予め末端に水酸基やカルボキシル基を持つD体及びL体ポリ乳酸から前記ステレオコンプレックス構造のポリ乳酸複合体を作成し、この末端の官能基をマイクロイニシエーターとして前記生物学的生理活性物質をエステル化やアミド化する方法が挙げられる。他にも、前記生物学的生理活性物質の特定の官能基を開始点としてラクチドを成長させ、前記ステレオコンプレックス構造を有するポリ乳酸複合体を形成する方法を適用して調製することができる。
また、例えば、前記生物学的生理活性物質の少なくとも一部が、前記交互積層法により形成した前記マイクロオーダー薄膜の間に含有されている場合であれば、例えば、D体ポリ乳酸をアセトニトリルに溶解させた溶液と、L体ポリ乳酸をアセトニトリルに溶解させた溶液と、前記生物学的生理活性物質を溶解させた溶液とを準備し、PFA(四ふっ化エチレン・パーフルオロアルコキビニルエーテル共重合樹脂)等の基板を各溶液に順に浸漬し、乾燥を繰り返す方法で調製することができる。
また、例えば、前記生物学的生理活性物質の少なくとも一部が、前記交互積層法により形成した前記マイクロオーダー薄膜の間に含有されており、更に、この生物学的生理活性物質の少なくとも一部が、このマイクロオーダー薄膜の前記ポリ乳酸複合体と化学結合している場合であれば、例えば、D体ポリ乳酸と前記生物学的生理活性物質とをエステル結合やアミド結合で化学結合させたものをアセトニトリルに溶解させた溶液と、L体ポリ乳酸と前記生物学的生理活性物質とをエステル結合やアミド結合で化学結合させたものをアセトニトリルに溶解させた溶液とを準備し、PFA(四ふっ化エチレン・パーフルオロアルコキビニルエーテル共重合樹脂)等の基板を各溶液に交互に浸漬し乾燥させる操作を繰り返す方法で調製することができる。
本発明の生体内留置物はこのような生分解性物質からなる本体部を有する。
この本体部は、後述する本発明の生体内留置物における主要部である。
例えば、本発明の生体内留置物が、前記生分解性物質からなるステント本体の表面に薬剤等を塗布したステントである場合、ここでいうステント本体が本発明でいう本体部に相当する。
この本体部の形状は、チューブ状、管状、網状、繊維状、不織布状、織布状又はフィラメント状であることが好ましい。理由は、血管等の生体内の管腔に容易に留置することができるためである。
また、この本体部の製造方法は特に限定されず、例えば公知の方法によって製造することができる。
例えば、この本体部がステントの本体である場合であれば、前記生分解性物質を繊維状とした後、円筒状に編み上げる方法や、前記生分解性物質から管状体を成形し、これに細孔を設ける方法が挙げられる。
本発明の生体内留置物はこのような生分解性物質からなる本体部を有し、更に、その本体部の表面に、前記生物学的生理活性物質を含有する薬剤放出層を有することが好ましい。
理由は、本発明の生体内留置物が生体内に留置された後、その生体内でこの薬剤放出層が分解していく過程で、生物学的生理活性物質が放出されるので、再狭窄や生分解に伴う炎症反応をこの生物学的生理活性物質で抑制することができるからである。
ここで、生物学的生理活性物質は、前記生分解性物質が含有してもよいものと同様の種類、性状等のものを用いることができる。
また、この薬剤放出層は、更に生分解性ポリマーを含有することが好ましい。理由は、本発明の生体内留置物が生体内に留置された後、その生体内でこの薬剤放出層が分解していく過程で、前記生物学的生理活性物質が放出される速度を適度に調整することが容易になるからである。
ここで、生分解性ポリマーは、前記ポリ乳酸複合体であってもよく、その他のポリ乳酸であってもよく、また、前記生分解性物質が含有してもよい前記残部成分であってもよい。
つまり、この生分解性ポリマーとしては、ポリ乳酸(前記ポリ乳酸複合体を含み、それ以外のポリ乳酸(D体ポリ乳酸の単体、L体ポリ乳酸の単体、D体とL体との(共)重合体等)でもよい)、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−アミノ酸、コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ポリカプロラクトン及びこれらの共重合体を好ましく例示できる。これらからなる群から選ばれる少なくとも1つである生分解性ポリマーであることが好ましい。更に、この生分解性ポリマーが、ポリ乳酸及び/又はポリ乳酸とポリグリコール酸との共重合体であることが更に好ましい。理由は、所望の強度や分解速度を設定することができるからである。
また、前記薬剤放出層は、本発明の生体内留置物の性能を損なわない範囲で、前記生分解性ポリマー及び前記生物学的生理活性物質以外の残部として、その他成分を含有してもよい(以下、「その他成分」ともいう。)。このようなその他成分としては、例えば、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリ乳酸−トリメチレンカーボネート共重合体、ポリグリコール酸−トリメチレンカーボネート共重合体等が挙げられる。
このような薬剤放出層において前記生物学的生理活性物質の含有率は特に限定されず、病変部の状態や用いる前記生物学的生理活性物質の種類等を考慮して調整することができるが、1〜99質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることが更に好ましい。
また、前記薬剤放出層が、更に前記生分解性ポリマーを含有する場合であれば、前記生分解性ポリマーと前記生物学的生理活性物質との含有率の比は、99:1〜1:99であることが好ましく、70:30〜30:70であることが更に好ましい。
また、前記薬剤放出層における前記その他成分の含有率は40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。また、0質量%、つまり含有していなくてもよい。
また、前記薬剤放出層が2以上の層からなり、それらの層が前記生物学的生理活性物質を含む層及び前記生分解性ポリマーを含む層を含むことが好ましい。つまり、前記薬剤放出層は、前記生物学的生理活性物質を含む層及び前記生分解性ポリマーを含む層の2つの層及び他の層からなることが好ましい。
更に、前記薬剤放出層は、前記生物学的生理活性物質を含む層及び前記生分解性ポリマーを含む層の2つの層からなることが好ましい。
更に、前記薬剤放出層において、前記生物学的生理活性物質を含む層が本体部側に存在し、その上面に前記生分解性ポリマーを含む層が存在することが好ましい。
前記薬剤放出層が2以上の層からなる場合、本発明の生体内留置物が生体内に留置された後、その生体内でこの薬剤放出層が分解していく過程で、生物学的生理活性物質が一定速度で放出されやすい。
ここで前記生物学的生理活性物質を含む層は、前記生物学的生理活性物質と、前記生分解性ポリマー及び/又は前記その他成分とからなる層である。ここで前記生物学的生理活性物質と、前記生分解性ポリマー及び/又は前記その他成分との質量比は10:90〜90:10であることが好ましい。
また、前記生分解性ポリマーを含む層は、前記生分解性ポリマー及び前記その他成分からなる層である。ここで前記その他成分の含有率は30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
前記薬剤放出層が、前記生物学的生理活性物質を含む層及び前記生分解性ポリマーを含む層以外の層を有する場合、それらの層は前記その他成分からなる層であってもよい。
なお、これらの層の積層の順は特に限定されない。
また、これらの層は、各々複数存在してもよい。
また、このような薬剤放出層の厚さは特に限定されず、前記本体部の表面に保持させる前記生物学的生理活性物質の量、種類や生体内留置物の種類等、諸条件を考慮して適宜決めることができる。例えば、本発明の生体内留置物がステント、人工血管、ステントグラフトのような、生体外から生体内の病変部へデリバリーする操作が特に必要な生体内留置物である場合であれば、その到達性(デリバリー性)が良好であり、かつ、前記生物学的生理活性物質を所望の量含有させることができる程度の厚さであればよい。この厚さは1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、1〜20μmであることが更に好ましい。
また、前記薬剤放出層が2以上の層からなる場合は、それら全ての層の合計の厚さがこのような範囲であることが好ましい。そして、前記生物学的生理活性物質を含む層の厚さは1〜100μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、3〜7μmであることが更に好ましい。また、前記生分解性ポリマーを含む層の厚さは1〜75μmであることが好ましく、1〜25μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが更に好ましい。
このような薬剤放出層を前記本体部の表面に形成する方法は特に限定されず、例えば公知の方法を適用することができる。
例えば、上記のような比で前記生物学的生理活性物質と前記生分解性ポリマーとを、アセトン、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフランなどの溶媒に、溶液濃度が0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%となるように溶解させ溶液を作る。次に、この溶液をスプレー、ディスペンサー等を用いた従来の方法により前記本体部の表面に塗布するか、又はこの溶液中に前記本体部を浸漬し、その後溶媒を揮発させる。
この方法は、前記生分解性ポリマーと前記生物学的生理活性物質とを容易に溶解させる溶媒(例えばアセトン、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン)が、用いる前記本体部の表面を容易に濡らすことが可能である場合に、好ましく適用することができる。
また、例えば、前記生物学的生理活性物質を融解させて前記本体部の表面に塗布等してもよい。
このような方法で前記薬剤放出層を前記本体部の表面に形成することができる。前記その他成分を含有する場合であっても同様である。各層の厚さは溶液の濃度やスプレー等による塗布量により適宜調整することができる。
このように本発明の生体内留置物は、前記生分解性物質からなる前記本体部を有し、好ましくは前記本体部の表面に前記薬剤放出層を有する生体内留置物である。
このような本発明の生体内留置物の種類は特に限定されない。一定期間生体内に存在した後に消失してもよく、強度や伸びが必要な生体内留置物であればよい。
例えば、ステント、カバードステント、コイル、マイクロコイル、人工血管、人口骨、シールド、ワイヤ編物、クリップ、栓である。
また、例えば、中空器官及び/又は管系(尿管、胆管、尿道、子宮、食道、気管支)内の内腔支持機能を有するものである。
また、例えば、中空空間接続、管系のための閉鎖システムとしての閉鎖部材である。
また、例えば、組織インプラント又は組織トランスプラントを一時的に固定するための固定又は支持装置である。
また、例えば、整形外科用インプラント(ボルト、釘、ワイヤ、プレート、関節等)である。
また、例えば、ステントグラフト、血管吻合デバイス、血管止血デバイス、血管瘤治療デバイス、保持体にステントを使用した体内埋め込み医療器などである。
これらの大きさ等は適用箇所に応じて適宣選択すれば良い。
このような中でも、生体内に生じた狭窄部や閉塞部等を拡張するために当該部位に挿入し、拡張した上で、その状態を保持するために当該部位に留置するステント等の生体内留置物(ステント、カテーテル、人工血管、ステントグラフト等)であることが好ましい。更に、このような中でもステントであることが好ましい。理由は、病変部へのデリバリーや留置が容易に行えるためである。
更に、このステントは、バルーン拡張タイプ、自己拡張タイプのいずれであってもよく、その大きさは適用箇所に応じて適宣選択すれば良い。例えば、心臓の冠状動脈に用いる場合は、拡張前における外径は1.0〜3.0mm、長さは5〜50mmが好ましい。また、ステントの肉厚は、病変部に留置するために必要なラジアルフォースを有し、血流を阻害しない程度であれば特に限定されないが、ステント本体の肉厚として1〜1000μmの範囲が好ましく、10〜500μmの範囲がより好ましく、40〜200μmの範囲が更に好ましい。
また、そのステントの形状は、例えば、図1に示すものが挙げられる。
図1において、ステント本体1は、両末端部が開口し、前記両末端部の間を長手方向に延在する円筒体である。円筒体の側面は、その外側面と内側面とを連通する多数の切欠部を有し、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造になっており、目的部位に留置され、その形状を維持する。
図1に示す態様において、ステント本体1は、線状部材2からなり、内部に切り欠き部を有する略菱形の要素11を基本単位とする。複数の略菱形の要素11が、略菱形の形状がその短軸方向に連続して配置され結合することで環状ユニット12をなしている。環状ユニット12は、隣接する環状ユニットと線状の連結部材13を介して接続されている。これにより複数の環状ユニット12が一部結合した状態でその軸方向に連続して配置される。ステント本体(ステント)1は、このような構成により、両末端部が開口し、前記両末端部の間を長手方向に延在する円筒体をなしている。ステント本体(ステント)1は、略菱形の切り欠き部を有しており、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造になっている。
ステント本体1が線状部材2で構成される場合、ステント本体1を多数の切欠き部を有するように構成する線状部材2の幅方向の長さは、好ましくは0.01〜0.5mmであり、より好ましくは0.05〜0.2mmである。
なお、上記に示したステント1は一態様に過ぎず、線状部材2からなり、両末端部が開口し、前記両末端部の間を長手方向に延在する円筒体であって、その側面上に、外側面と内側面とを連通する多数の切欠部を有し、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造を広く含む。
また、本発明の生体内留置物がステントである場合、外径を2.1mmから3.0mmへ拡張した後、1mm圧縮したときのラジアルフォースが、ステント長10mmあたり、130〜500gfであるステントであることが好ましい。
このようなラジアルフォースを有するステントは、病変部に確実に留置することができるという効果を奏するので好ましい。
なお、通常、ラジアルフォースは、ステント長さに概ね正比例する。
このように、本発明は、前記生分解性物質からなる前記本体部を有し、好ましくは前記本体部の表面に前記薬剤放出層を有する生体内留置物である。
したがって、本発明の生体内留置物の断面を示すと、例えば次に示す図2〜6のようになる。
本発明の生体内留置物が図1に示したステントである場合を例に挙げ、そのA−A線断面図及びB−B線断面図について、いくつかの態様を説明する。
図2〜4は、図1のA−A線に沿って切断した場合の拡大横断面図である。
図2は、図1に示したステント1が、粉体の生物学的生理活性物質30を分散した状態で含むポリ乳酸複合体20からなる生分解性物質からなる生体内留置物である態様の場合の断面図である。
また、図3は、図1に示したステント1が、前記生分解性物質からなるステント本体10を有し、この表面に、生物学的生理活性物質を含む層32と生分解性ポリマーを含む層42とからなる薬剤放出層を有する生体内留置物である態様の場合の断面図である。
また、図4は、図1に示したステント1が、前記生分解性物質からなるステント本体10を有し、この表面に、粉体の生物学的生理活性物質30が分散した生分解性ポリマー40からなる薬剤放出層を有する生体内留置物である態様の場合の断面図である。
次に、図5、6は、図1のB−B線に沿って切断した場合の拡大横断面図である。
図5は、図3で示したものと同様の態様の場合を示すものである。
また、図6は、図4で示したものと同様の態様の場合を示すものである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
L−ポリ乳酸(API社製、100L0105)ペレット(以下、「PLLA」ともいう)と、発酵法により合成したD−ポリ乳酸(以下、「PLDA」ともいう)とを、予め50℃に調整したアセトニトリル溶液中にそれぞれ別々に溶解させ、その後PLLA:PLDA=50:50の割合になるように、それらを混合させた。ここで、PLLAとPLDAとの合計濃度が20mg/mlとなるようにした。
次に、その溶液をPFAシャーレに入れ、厚さ150μmのキャストフィルムを作製した。その後、このフィルムを80℃の温浴中で一軸延伸させた。この時の延伸倍率は4倍とした。延伸により得られたフィルムの厚さは100μmであった。そして、この延伸させたフィルムをJIS K7113(プラスチックの引張試験方法)に基づく引張試験に供し破断強度、破断伸度を求めた。ここでフィルムは1/5スケールの2号形試験片に打ち抜いたものを用いた。
結果を第1表に示す。
<実施例2、3>
実施例2では、実施例1において50:50としたPLLA:PLDAの比を45:55とし、その他は全て同様とした試験を行った。
実施例3では、実施例1において50:50としたPLLA:PLDAの比を55:45とし、その他は全て同様とした試験を行った。
結果を第1表に示す。
Figure 0005102200
<比較例1>
50質量%のL−ポリ乳酸と50質量%のD−ポリ乳酸との共重合体(API社製 100D065)ペレット(以下、「DL−PLA」ともいう)を、予め23℃に調整したアセトン中に溶解させた。ここで、アセトン中の共重合体濃度が5%となるようにした。
次に、その溶液をPFAシャーレに入れ、厚さ150μmのキャストフィルムを作製した。その後、このフィルムを80℃の温浴中で一軸延伸させた。この時の延伸倍率は4倍とした。延伸により得られたフィルムの厚さは100μmであった。そして、この延伸させたフィルムをJIS K7113(プラスチックの引張試験方法)に基づく引張試験に供し破断強度、破断伸度を求めた。ここでフィルムは1/5スケールの2号形試験片に打ち抜いたものを用いた。
結果を第2表に示す。
<比較例2〜7>
比較例2〜7では、実施例1において50:50としたPLLA:PLDAの比を70:30(比較例2)、30:70(比較例3)、60:40(比較例4)、40:60(比較例5)、100:0(比較例6)、0:100(比較例7)とし、その他は全て同様とした試験を行った。
結果を第2表に示す。
Figure 0005102200
<実施例4>
実施例1と同じ方法で作製し、延伸させたキャストフィルムを50mm×7mmの大きさの長方形にカットし、これを直径約2mm、長さ50mmの円筒状に丸めた。そして、これを直径2.4mm、長さ60mmのポリテトラフルオロエチレン製のシュリンクチューブの中に挿入した。次に、そのキャストフィルムからなる円筒の中に、更に、直径1.5mm、長さ70mmのPTFEチューブ(chukoh社製、AWG−17)を挿入した。
このようにして作製した3層構造のチューブ(内側からPTFEチューブ、キャストフィルムからなる円筒、シュリンクチューブ)を、予め200℃に昇温したオーブン内で1時間加熱して、直径2.1mm、肉厚100μmのパイプを得た(なお、この加熱により、パイプにはアニール処理が施された)。
そして、このパイプをエキシマレーザー(住友重機械社製、SPL400H)により、図1と同じ形状であって、外径2.1mm、長さ10mm、厚み(肉厚)100μmであるステントを加工した。
次に、抗癌剤であるラパマイシン(以下、「RM」ともいう)と、生分解性ポリマーであるポリ乳酸−ポリグリコール酸(組成比(質量比):85−15)共重合体(以下、「PLGA」ともいう)とを、質量比が1:1になるように溶解したテトラヒドロフラン(以下、「THF」ともいう)溶液(合計濃度1質量%)を用意し、上記のように加工したステントの表面にスプレー(マイクロスプレーガン−II、NORDSON社製)により噴霧した。そして、溶媒であるTHFを乾燥した後、約600μgのRMとPLGAとの混合物が10μmの厚さで前記ステントの表面に塗布されていることを走査型電子顕微鏡(SEM)にて確認した。
そして、このステントを外径3.0mmまでバルーンカテーテル(テルモ社製、アラシ)で拡張し、その後、このステントを1mm内側へ押し込んだ時の押し込み力(ラジアルフォース)を測定した。
この結果、ラジアルフォースは198kgfであった。
<実施例5>
実施例4のステントを経皮的にブタ冠動脈内に1ヶ月間留置し、病理評価を行なった。
図7に示すように、1ヶ月経過してもそれほど顕著な狭窄は認められず、次の式から求める%Area Stenosis(%AS)は35.5%であった。
<%Area Stenosis(%AS)算出方法>
%AS=(新生内膜面積)/(内弾性板面積) ×100 (%)
<比較例8>
比較例1と同じ方法により作製したキャストフィルムを用い、実施例4と同じステントを作製し、同じ測定を行った。
この結果、ラジアルフォースは103kgfであった。
<比較例9>
比較例8のステントを経皮的にブタ冠動脈内に1ヶ月間留置し、病理評価を行なった。
図8に示すように、1ヶ月経過すると弱いラジアルフォースに起因すると思われるネガティブリモデリングが認められ、%Area Stenosis(%AS)も97.3%であった。
<比較例10>
比較例4と同じ方法により作製したキャストフィルムを用い、実施例4と同じステントを作製し、同じ測定を行った。
この結果、ラジアルフォースは116kgfであった。
<比較例11>
比較例10のステントを経皮的にブタ冠動脈内に1ヶ月間留置し、病理評価を行なった。
図9に示すように、1ヶ月経過すると弱いラジアルフォースに起因すると思われるネガティブリモデリングが認められ、%Area Stenosis(%AS)も95.1%であった。

Claims (20)

  1. D体ポリ乳酸とL体ポリ乳酸とが45:55〜55:45の質量比でステレオコンプレックス構造の複合体を形成しているポリ乳酸複合体を主成分とする生分解性物質からなる本体部を有し、前記ポリ乳酸複合体が、交互積層法により製造されたポリ乳酸複合体である生体内留置物。
  2. 前記生分解性物質が、生物学的生理活性物質を含有する請求項1に記載の生体内留置物。
  3. 前記生物学的生理活性物質の少なくとも一部が粉体であり、この粉体の生物学的生理活性物質が前記生分解性物質中で分散している請求項2に記載の生体内留置物。
  4. 前記生物学的生理活性物質の少なくとも一部が前記ポリ乳酸複合体と化学結合している請求項2又は3に記載の生体内留置物。
  5. 前記本体部の表面に、前記生物学的生理活性物質を含有する薬剤放出層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の生体内留置物。
  6. 前記薬剤放出層が更に生分解性ポリマーを含有する請求項5に記載の生体内留置物。
  7. 前記薬剤放出層が2以上の層からなり、それらの層が前記生物学的生理活性物質を含む層及び前記生分解性ポリマーを含む層を含む請求項6に記載の生体内留置物。
  8. 前記ポリ乳酸複合体の重量平均分子量が1,000〜1,000,000である請求項1〜7のいずれかに記載の生体内留置物。
  9. 前記ポリ乳酸複合体が、延伸されたポリ乳酸複合体である請求項1〜8のいずれかに記載の生体内留置物。
  10. 前記ポリ乳酸複合体が、示差走査熱量測定において65〜75℃の間に第1の融解ピークを有し、200〜250℃の間に第2の融解ピークを有するポリ乳酸複合体である請求項1〜9のいずれかに記載の生体内留置物。
  11. 前記ポリ乳酸複合体が、JIS K7113に規定される破断強度が70MPa以上であり、破断伸度が15%以上であり、ヤング率が100MPa以上であるポリ乳酸複合体である請求項1〜10のいずれかに記載の生体内留置物。
  12. 前記交互積層法が、マイクロオーダー薄膜を形成して行う交互積層法である請求項1〜11のいずれかに記載の生体内留置物。
  13. 前記マイクロオーダー薄膜の厚さが1μm〜500μmである請求項12に記載の生体内留置物。
  14. 前記マイクロオーダー薄膜の間に、前記生物学的生理活性物質を含有する請求項12又は13に記載の生体内留置物。
  15. 前記本体部の形状が、チューブ状、管状、網状、繊維状、不織布状、織布状又はフィラメント状である請求項1〜14のいずれかに記載の生体内留置物。
  16. 前記生物学的生理活性物質が、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン及びNO産生促進物質からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項2〜15のいずれかに記載の生体内留置物。
  17. 前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−アミノ酸、コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ポリカプロラクトン及びこれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項6〜16のいずれかに記載の生体内留置物。
  18. 前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸とポリグリコール酸との共重合体である請求項17に記載の生体内留置物。
  19. ステントである請求項1〜18のいずれかに記載の生体内留置物。
  20. 外径を2.1mmから3.0mmへ拡張した後、1mm圧縮したときのラジアルフォースがステント長10mmあたり130〜500gfである請求項19に記載のステント。
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