JP2009061021A - 分岐型生分解性ポリエステルを含む生体内留置物 - Google Patents

分岐型生分解性ポリエステルを含む生体内留置物 Download PDF

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Yuichi Oya
裕一 大矢
Tatsuro Ouchi
辰郎 大内
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宏治 長濱
Yotaro Fujita
陽太郎 藤田
Kazuto Ishihara
和人 石原
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Abstract

【課題】本発明の目的は、軟組織適合性があり、かつ延性に優れた生分解性高分子で表面をコートすることにより、拡張操作に追従でき、かつ、コーティング層に亀裂・剥離が生じることのない生体内留置物を提供することにある。
【解決手段】生体内に留置するための生体内留置物であって、前記生体内留置物は、生体内留置物本体と、前記生体内留置物本体の表面に形成された生物学的生理活性物質放出層を有し、前記生物学的生理活性物質放出層は、ポリグリセリンを主鎖として有し、前記ポリグリセリンの水酸基を介して側鎖としてポリエステル鎖を有する分岐型生分解性ポリエステルと、生物学的生理活性物質と、を含む生体内留置物。
【選択図】なし

Description

本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内に挿入・留置して使用する生体内留置物に関する。
一つの例として、虚血性心疾患に適用される血管形成術について説明する。
我が国における食生活の欧米化が、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の患者数を急激に増加させていることを受け、それらの冠動脈病変を軽減化する方法として経皮的経血管的冠動脈形成術(PTCA)が施行され、飛躍的に普及してきている。現在では、技術的な発展により適用症例も増えており、PTCAが始まった当時の限局性(病変の長さが短いもの)で一枝病変(1つの部位にのみ狭窄がある病変)のものから、より遠位部で偏心的で石灰化しているようなもの、そして多枝病変(2つ以上の部位に狭窄がある病変)へとPTCAの適用が拡大されている。PTCAとは、患者の脚または腕の動脈に小さな切開を施してイントロデューサーシース(導入器)を留置し、イントロデューサーシースの内腔を通じて、ガイドワイヤを先行させながら、ガイドカテーテルと呼ばれる長い中空のチューブを血管内に挿入して冠状動脈の入口に配置した後ガイドワイヤを抜き取り、別のガイドワイヤとバルーンカテーテルをガイドカテーテルの内腔に挿入し、ガイドワイヤを先行させながらバルーンカテーテルをX線造影下で患者の冠状動脈の病変部まで進めて、バルーンを病変部内に位置させて、その位置で医師がバルーンを所定の圧力で30〜60秒間、1回或いは複数回膨らませる手技である。これにより、病変部の血管内腔は拡張され、それにより血管内腔を通る血流は増加する。しかしながら、カテーテルによって血管壁が傷つけられたりすると、血管壁の治癒反応である血管内膜の増殖が起こり30〜40%程度の割合で再狭窄が報告されている。
この再狭窄を予防する方法としては、ステントやアテローム切除カテーテル等の器具を用いる方法等が検討され、ある程度の成果をあげている。ここでいうステントとは、血管あるいは他の管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その内腔を確保するためにそこに留置することができる管状の医療用具である。それらの多くは、金属材料または高分子材料よりなる医療用具であり、例えば金属材料や高分子材料よりなる管状体に細孔を設けたものや、金属材料のワイヤや高分子材料の繊維を編み上げて円筒形に成形したもの等様々な形状のものが提案されている。ステント留置の目的は、PTCA等の手技を施した後に起こる再狭窄の予防、およびその低減化を狙ったものであるが、ステントのみでは再狭窄を顕著に抑制することができていないのが実状であった。
そして近年では、このステントに免疫抑制剤や抗癌剤等の薬剤を担持させることによって、管腔の留置部位で長期にわたって局所的にこの薬剤を放出させ、再狭窄率の低減化を図る試みが盛んに提案されている。
例えば、特許文献1には、ステント本体の表面に生体吸収性ポリマーと、治療のための物質との混合物をコーティングしたステントが記載されている。そして、その生体吸収性ポリマーとして、ポリL乳酸、ポリカプロラクトンを用いることができることが記載されている。
また、特許文献2には、薬剤を生体適合性ポリマー等を用いて付着・コーティングしたステントが記載されている。そして、この生体適合性ポリマー等として、ポリDL乳酸(D体とL体との共重合体)、ポリグリコール酸、ポリ乳酸/ポリグリコール酸共重合体を用いることができることが記載されている。
特開平8−33718号公報 特開平9−56807号公報
しかしながら、特許文献1や2のように、薬剤をコーティングするポリマーとしてポリ乳酸やポリカプロラクトンなどの汎用的な生分解性高分子を用いた場合、これらの生分解性高分子は硬くて脆いためバルーンの拡張操作に追従できずコーティング層に亀裂・剥離が生ずることがあった。
なお、上記文献ではステントを例に挙げているが、このような問題はステントに限らず、生体内に生じた狭窄部や閉塞部等を拡張するために当該部位に挿入し、拡張した上で、その状態を保持するために当該部位に留置する生体内留置物に共通する問題である。
本発明の目的は、軟組織適合性があり、かつ延性に優れた生分解性高分子で表面をコートすることにより、拡張操作に追従でき、コーティング層に亀裂・剥離が生じにくい生体内留置物を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
(1)生体内に留置するための生体内留置物であって、
前記生体内留置物は、生体内留置物本体と、前記生体内留置物本体の表面に形成された生物学的生理活性物質放出層を有し、
前記生物学的生理活性物質放出層は、
ポリグリセリンを主鎖として有し、前記ポリグリセリンの水酸基を介して側鎖としてポリエステル鎖を有する分岐型生分解性ポリエステルと、生物学的生理活性物質と、を含む生体内留置物。
(2)前記分岐型生分解性ポリエステルが一般式(A)で表されることを特徴とする上記(1)の生体内留置物。

(式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはポリエステル鎖を示し、Rの50%以上がポリエステル鎖であり、nは2〜20を示す)。
(3)前記一般式(A)におけるRで示されるポリエステル鎖が、一般式(B)で表されることを特徴とする上記(2)の生体内留置物。

(式中、Rはそれぞれ水素原子又はメチル基を表し、mは1〜1000を示す)
(4)前記一般式(A)において、nが5〜20を示し、前記一般式(B)において、mが20〜200を示すことを特徴とする上記(3)の生体内留置物。
(5)前記分岐型生分解性ポリエステルの数平均分子量(Mn)が300〜1,500,000であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかの生体内留置物。
(6)前記分岐型生分解性ポリエステルの数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)が1.05〜3.00であること特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかの生体内留置物。
(7)前記分岐型生分解性ポリエステルのガラス転移温度が−60〜55℃であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかの生体内留置物。
(8)pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(37℃)に28日間浸漬した場合、前記分岐型生分解性ポリエステルの数平均分子量の減少率が30%以下であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかの生体内留置物。
(9)前記分岐型生分解性ポリエステルを厚さ約100μm、幅5.0mm、長さ40mmのダンベル状のフィルムとし、前記ダンベル状のフィルムを引張試験したときの最大引張応力が0.1〜20MPa、ヤング率が0.1〜100MPa、破断時ひずみが50〜1,000%であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかの生体内留置物。
(10)前記生体内留置物本体が金属材料で形成されていることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかの生体内留置物。
(11)前記生体内留置物本体が高分子材料で形成されていることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかの生体内留置物。
(12)前記生物学的生理活性物質放出層が、前記生体内留置物本体の表面に形成された前記生物学的生理活性物質を含む層と、前記生物学的生理活性物質を含む層上に形成された前記分岐型生分解性ポリエステルを含む層と、からなることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかの生体内留置物。
(13)前記生物学的生理活性物質放出層が、前記生物学的生理活性物質と前記分岐型生分解性ポリエステルとを含む層からなることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかの生体内留置物。
(14)前記生物学的生理活性物質が、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症剤、抗炎症剤、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗剤、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、血管平滑筋増殖抑制薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロンおよびNO産生促進物質よりなる群から選ばれた少なくとも1種のものであることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかの生体内留置物。
(15)ステントであることを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれかの生体内留置物。
本発明は、生体内留置物本体の表面に、ポリグリセリンを主鎖として有し、前記ポリグリセリンの水酸基を介して側鎖としてポリ乳酸鎖等のポリエステル鎖を有する分岐型生分解性ポリエステルを含む層を形成することにより、従来用いられていた硬くて脆い材料であるポリ乳酸やそれと類似したポリエステル類よりも柔軟性を付与させて軟組織適合性を付与された生体内留置物を得ることができる。
また、上記分岐型生分解性ポリエステル類は、延性にも優れるため、拡張操作に追従させることができ、かつ、コーティング層に亀裂・剥離を生じることがない生体内留置物を得ることができる。
さらに、原材料の入手が容易で、体外排出が容易な適切な分子量を有し、安全性の高いポリグリセリンをマクロイニシエーターとすることによって、安全で安定性のある生体内留置物の供給が可能となる。
以下、本発明の生体内留置物について、添付図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の生体内留置物は、血管、胆管、気管、尿道などの生体内に挿入・留置して使用される部材または器具を広く含む。
中でも、生体内に生じた狭窄部や閉塞部等を拡張するために当該部位に挿入し、拡張した上で、その状態を保持するために当該部位に留置する部材または器具が好ましい。このような生体内の部材または器具の具体例としては、例えば、ステント、カバードステント、ステントグラフト、血管瘤治療デバイス、保持体にステントを使用した体内埋め込み医療器などがある。
また、例えば、中空器官および/または管系(尿管、胆管、尿道、子宮、食道、気管支)内の内腔支持機能を有する部材または器具がある。
また、例えば、中空空間接続、管系のための閉鎖システムとしての閉鎖部材がある。
これらの中でも本発明の生体内留置物はステントであることが好ましい。理由は、病変部へのデリバリーや留置が容易に行えるためである。
本発明の生体内留置物がステントである場合、バルーン拡張タイプ、自己拡張タイプの何れであってもよい。このステント本体の材料が弾性体であれば、弾性力を利用した自己拡張手段を用いることができる。
本発明の生体内留置物の大きさ、形状は適用箇所に応じて適宜選択すればよい。
例えば、生体内留置物がステントである場合、ステントの大きさは、適用箇所に応じて適宜選択すればよい。例えば、心臓の冠状動脈に用いる場合は、拡張前における外径は1.0〜3.0mm、長さは5〜50mmが好ましい。また、ステントの肉厚は、病変部に留置するために必要なラジアルフォースを有し、例えば、血管内に用いる場合であれば、血流を阻害しない程度であれば限定されないが、ステントの肉厚として5〜1000μmの範囲が好ましく、10〜500μmの範囲がより好ましく、40〜200μmの範囲が最も好ましい。
本発明の生体内留置物は、生体内留置物本体と、前記生体内留置物本体上に形成された生物学的生理活性物質放出層からなる。
生体内留置物本体は、生体内留置物における主要部であり、本発明の生体内留置物がステントである場合、ステント本体を指す。
生体内留置物本体の形状は、血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内の管腔等に生じた病変部に留置することができるものであればよいが、チューブ状、管状、網状、繊維状、不織布状、織布状又はフィラメント状であることが好ましい。理由は、生体内の管腔に容易に留置することができるためである。
生体内留置物本体を形成する材料は、本発明の生体内留置物を血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内の管腔に生じた病変部に留置することができる強度等を有するものであれば特に限定されず、例えば、金属材料、高分子材料、セラミックス等を用いることができる。これらの中でも、金属材料、高分子材料で形成されていることが好ましい。金属材料で形成されている場合は、強度に優れ、本発明の生体内留置物を病変部に確実に留置することが可能である。また、高分子材料で形成されている場合、柔軟性に優れ、拡張した際に生体(血管壁等)に過度の力が加わらない。
ここで、生体内留置物本体を形成する金属材料としては、例えばステンレス鋼、Ni−Ti合金、タンタル、ニッケル、クロム、イリジウム、タングステン、コバルト系合金等が挙げられる。そして、これらの中でも、ステンレス鋼であることが好ましく、その中でも、SUS316Lであることが最も好ましい。耐食性が高いからである。
また、生体内留置物本体を形成する高分子材料は、生分解性を有するものであっても、生分解性を有しないものであってもよい。なお、生体内留置物本体を生分解性を有する高分子材料で形成する場合、所望の一定期間(例えば、数週間〜数ヶ月)以上、生体内で分解せず、形状を保ち、病変部等に留置できるものであればよい。
生分解性を有する高分子材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類またはそれを構成単位とするポリエステル系エラストマー、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド類またはそれを構成単位とするポリアミド系エラストマー、ポリウレタン類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、又はそれらを構成単位とするポリオレフィン系エラストマー、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート等のポリカーボネート、セルロースアセテート、セルロースナイトレート等が挙げられる。
生体内留置物本体の大きさは、本発明の生体内留置物を血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内の管腔等に生じた病変部に留置することができるものであれば特に限定されない。
以下に、本発明の生体内留置物の一例としてステントについて、添付図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明するが、本発明の生体内留置物はこれに限定されない。
図1は、本発明の生体内留置物をなすステントの一態様を示した側面図である。
図1のステント1の生物学的生理活性物質放出層が、ステント本体2の表面に形成された生物学的生理活性物質層(生物学的生理活性物質を含む層)と、前記生物学的生理活性物質層上に形成された生分解性高分子層(生分解性高分子を含む層)と、からなる二層構造である場合、図2は、その図1の線A−Aに沿って横断した拡大断面図、図3は、図1の線B−Bに沿って縦断した拡大断面図である。
図1のステント1の生物学的生理活性物質放出層が、生物学的生理活性物質と、生分解性高分子と、を含む単層構造のものである場合、図4は、その図1の線A−Aに沿って横断した拡大断面図、図5は、図1の線B−Bに沿って縦断した拡大断面図である。
図1に示すステント(生体内留置物)1は、両末端部が開口し、前記両末端部の間を長手方向に延在する円筒体である。円筒体の側面は、その外側面と内側面とを連通する多数の切欠部を有し、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造になっており、目的部位に留置され、その形状を維持する。
図1に示すステント(生体内留置物)1において、ステント本体(生体内留置物本体)2は、線状部材からなり、内部に切欠部を有する略菱形の要素21を基本単位とする。複数の略菱形の要素21が、略菱形の形状がその短軸方向に連続して配置され結合することで環状ユニット22をなしている。環状ユニット22は、隣接する環状ユニット22と線状の連結部材23を介して接続されている。これにより複数の環状ユニット22が、一部結合した状態でその軸方向に連続して配置される。ステント本体2は、このような構成により、両末端部が開口し、前記両末端部の間を長手方向に延在する円筒体をなしている。ステント本体2は、略菱形の切欠部を有しており、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造になっている。
ステント本体2が線状部材で構成される場合、ステント本体2を多数の切欠部を有するように構成する線状部材の幅方向の長さは、好ましくは0.01〜0.5mmであり、より好ましくは0.05〜0.2mmである。
なお、ステント本体の形状は、生体内の管腔に安定して留置するに足る強度を有するものであればよく、図1に示す形状に限定されない。例えば、高分子材料の繊維を編み上げて円筒状に形成したものや、金属材料または高分子材料からなる管状体に細孔を設けたものであってもよい。
生物学的生理活性物質放出層とは、ステント本体(生体内留置物本体)の表面に形成された生物学的生理活性物質と、生分解性高分子と、を含む層である。
ここで、生物学的生理活性物質放出層は、図2および3に示すステント1のように、ステント本体2の表面に形成された生物学的生理活性物質層(生物学的生理活性物質を含む層)3と、前記生物学的生理活性物質層3上に形成された生分解性高分子層(生分解性高分子を含む層)4と、からなる二層構造のものであってもよく、もしくは、図4および5に示すステント1のように、生物学的生理活性物質と生分解性高分子とを含む単層構造のものであってもよい。なお、図4および5では、生分解性高分子層5中に生物学的生理活性物質6が分散されている。
図2および3のステント1の場合、ステント1を血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内の管腔等に生じた病変部に留置した後、生分解性高分子層4を構成する生分解性高分子が生体内に放出され、その後、生物学的生理活性物質層3から、生物学的生理活性物質が放出される。この結果、病変部の再狭窄が適切に抑制される。そして、生分解性高分子層4を構成する生分解性高分子は生体内で完全に分解される。
一方、図4および5のステント1の場合、ステント1を血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内の管腔等に生じた病変部に留置した後、生分解性高分子層5を構成する生分解性高分子が分解することにより、生物学的生理活性物質6が生体内に放出される。これにより、病変部の再狭窄が適切に抑制される。そして、生分解性高分子層5を構成する生分解性高分子は生体内で完全に分解される。
本発明では、生分解性高分子層4、5を構成する生分解性高分子として、分岐型生分解性ポリエステルを用いる。
前記分岐型生分解性ポリエステルとは、ポリグリセリンを主鎖として有し、前記ポリグリセリンの複数の水酸基を介してポリエステル鎖を側鎖として有している。つまり、ポリグリセリンをマクロイニシエーターとして、その水酸基の全部または一部においてエステル結合を介してポリエステル鎖が連結した化合物である。
なお、本発明において、マクロイニシエーターとは、いわゆるマルチファンクショナル・イニシエーター(多官能性開始剤)と同義であり、当業者に容易に理解できる用語である。具体的には、一分子中に重合開始点となる官能基を多数有する分子を意味し、本発明では、重合開始点となる水酸基を多数有するポリグリセリンがこれに相当する。また、本発明の分岐型生分解性ポリエステルでは、マクロイニシエーターであるポリグリセリンが主鎖を構成し、複数の水酸基に結合するポリエステル鎖が側鎖を結合する。
本発明の分岐型生分解性ポリエステルの典型例として、例えば一般式(A):

(式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはポリエステル鎖を示し、Rの50%以上はポリエステル鎖であり、nは2〜20を示す)
で表す式が挙げられる。
一般式(A)において、ポリグリセリンの重合度nは、2〜20が好ましく、5〜20がより好ましく、5〜10が最も好ましい。
Rで示されるポリエステル鎖としては、好ましくは脂肪族ポリエステル鎖であり、より好ましくはヒドロキシ酸を重合してなるポリエステル鎖である。
ヒドロキシ酸の重合体からなるポリエステル鎖のヒドロキシ酸としては、例えば、(D−、L−、またはDL−)乳酸、グリコール酸等が挙げられ、好ましくは、グリコール酸、(D−、L−、またはDL−)乳酸等のα‐ヒドロキシカルボン酸である。
ヒドロキシ酸を重合してなるポリエステル鎖としては、ポリ-L‐乳酸、ポリ-D-乳酸、ポリ-DL-乳酸、ポリグリコール酸、及びそれらの共重合体からなるポリエステル鎖が挙げられる。なお、これらのヒドロキシ酸のうち1種からなるホモポリマーであっても、2種以上からなるコポリマーであってもよい。
上記したように、一般式(A)で表される化合物において、全てのRのうちポリエステル鎖の割合が50%以上、好ましくは、70%以上、より好ましくは、90%以上、特に好ましくは、100%である。例えば、マクロイニシエーターであるポリグリセリンがジグリセリン(n=2)の場合は、4個の水酸基のうち2個以上がポリエステル鎖を有していることが好ましく、トリグリセリン(n=3)の場合は、5個の水酸基のうち3個以上がポリエステル鎖を有していることが好ましい。
ポリエステル鎖としては、ヒドロキシ酸を重合してなるポリエステル鎖が好適である。より具体的には、一般式(B):

(式中、Rはそれぞれ水素原子又はメチル基を示し、mは1〜1000を示す)
で表されるものが好ましい。
一般式(B)において、Rは水素原子またはメチル基のいずれでもよいが、好ましくはメチル基である。重合度mは、1〜1000が好ましく、20〜200がより好ましく、50〜100が最も好ましい。
ヒドロキシ酸を重合してなるポリエステル鎖としては、ポリ乳酸が特に好ましい。乳酸には光学異性体として、L−乳酸とD−乳酸が存在する。本発明で用いるポリ乳酸としては、ポリ-L乳酸、ポリ-D乳酸およびD−乳酸とL−乳酸の共重合体が好ましい。なお、D−乳酸とL‐乳酸の共重合体の場合、それらの共重合比は特に限定はない。本発明で用いるポリ乳酸の好ましい形態は、ポリエステル鎖の柔軟性の観点から、D−乳酸とL−乳酸の共重合体、特にD−乳酸とL−乳酸が等しい共重合比であるD,L−ポリ乳酸である。
上記ポリエステル鎖としてポリ乳酸を含む分岐型生分解性ポリエステルを分岐型生分解性ポリ乳酸という。
分岐型生分解性ポリ乳酸としては、通常の分岐型生分解性ポリ乳酸だけでなく、ハイパーブランチポリ乳酸、ポリ乳酸スターポリマー、ポリ乳酸デンドリマーであることが望ましい。
上記ハイパーブランチポリ乳酸、ポリ乳酸スターポリマー、ポリ乳酸デンドリマーであれば、対応する直鎖状ポリ乳酸よりさらに高い延性を有する。
ハイパーブランチポリマーとは、一分子中に二種類の置換基を合計三個以上もつ、いわゆるABx型分子の自己縮合により合成される多分岐高分子である。
スターポリマーとは、分岐ポリマーの中で最もベーシックな構造をとっており、全ての分子鎖の一端が中心の小さなコア部にグラフトしているため、中心付近のセグメント密度が非常に大きくなり、最外殻層に向かってセグメント密度に関して傾斜構造をとっている。
デンドリマーは、ハイパーブランチポリマーと同様の構造をとっているが、特性や物性が異なっている。ハイパーブランチポリマーは、分子量が同じ線状高分子と比較して粘度が低いが、同一分子量のデンドリマーはさらに低粘度となる傾向がある。
結晶性が高い線状高分子に対応するハイパーブランチポリマーは、溶解性が改善され非晶性となる点も特徴であり、材料設計に向けて有用な場合も多い。ただし、分岐高分子であって末端基の分子間相互作用が強い場合は、上述の傾向とは異なる。
また、ハイパーブランチポリマーもデンドリマーと同様に末端官能基が多いため、多くの機能原子団を導入したい分子設計には有用な骨格となる。このようにハイパーブランチポリマーは、有用な特性をもつ高分子であり、簡便に合成できる。
また、デンドリマーを樹木状に成長させた星型デンドリマーも本発明には有用である。
上記グリセリンは、無色透明の液体で、匂いはないが甘味のある物質である。高等植物や海草、動物などに広く含まれ、人間にも皮下や筋肉などに「脂質」という形で蓄えられている。グリセリン骨格の3個の水酸基すべてに脂肪酸がエステル結合したものが「脂質」あるいは「油脂」と呼ばれている。グリセリンには、ヤシの実などの「油脂」を原料とした天然グリセリンと石油を原料とする合成グリセリンがあるが、天然グリセリンは油脂を加水分解して得られる水溶液(甘水)を精製・濃縮し、粗製グリセリンを製造、さらに蒸留、精製して製品化する方法で生産されている。
分岐型生分解性ポリエステルの数平均分子量(Mn)は、例えば、300から1,500,000であり、15,000〜600,000が好ましく、30,000〜150,000が最も好ましい。
分岐型生分解性ポリエステルの分子量分布、即ち、数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)は、例えば、1.05〜3.00であり、1.05〜2.50が好ましく、1.05〜2.00が最も好ましい。数平均分子量及び重量平均分子量は、例えば、GPC(eluent:DMF、standard:poly(ethylene glycol))等の公知の方法を用いて測定できる。
分岐型生分解性ポリエステルのガラス転移温度は、例えば、−60〜55℃であり、−20〜40℃が好ましく、−20〜30℃が最も好ましい。なお、分岐型生分解性ポリエステルが融点を有する場合には50〜240℃程度、さらに50〜175℃程度を示すことが好ましいが、特に非晶性ポリマーとなり融点とならないことが最も好ましい。
分岐型生分解性ポリエステルは、pH=7.4のリン酸緩衝生理食塩水(37℃)に28日間浸漬した場合、数平均分子量の減少率が30%以下、好ましくは5〜20%、より好ましくは、5〜10%である。
分岐型生分解性ポリエステルは、厚さ約100μm、幅5.0mm、長さ40mmのダンベル状フィルムとし、これを引張試験したときの最大引張応力が0.1〜20MPa、さらに、0.1〜1MPaであり、ヤング率が0.1〜100MPa、さらに、0.1〜80MPaであり、破断時ひずみが50〜1,000%、さらに500〜1,000%である。
分岐型生分解性ポリエステルはポリグリセリンをマイクロイニシエーターとして用い、前記ポリグリセリンの水酸基の全部又は一部にポリエステル鎖を構成するモノマーを反応させてポリエステル鎖を伸長させることにより製造することができる。
ポリエステル鎖の具体例として、一般式(C):

(式中、nは前記に同じ)
で表されるポリグリセリンに対し、一般式(D):

(式中、Rは前記に同じ)
で表される化合物を重合反応させることにより、一般式(A):

(式中、Rはそれぞれ独立して水素原子又は一般式(B):

(式中、R及びmは、前記に同じ)で示されるポリエステル鎖を示し、Rの50%以上は前記ポリエステル鎖であり、nは前記に同じ)
で表される分岐型生分解性ポリエステルを製造することができる。
本発明では、一般式(C)で表されるポリグリセリンに対し、触媒の存在下、一般式(D)で表される化合物を重合させることにより、一般式(A)で表される化合物を製造することができる。
一般式(D)で表される化合物は、グリコール酸の環状二量体、乳酸の環状二量体(例えば、D−ラクチド(D−LA)、L−ラクチド(L−LA)、DL−ラクチド(DL−LA)、又はそれらの混合物)などが挙げられるが、好ましくは、D−LAとL−LAの等量混合物である。一般式(D)で表される化合物の使用量は、一般式(C)で表されるポリグリセリン中の水酸基1モルに対し、10〜100モル、好ましくは、20〜50モルである、通常、上記の使用量であれば、ほぼすべてのポリグリセリンの水酸基の水素がポリエステル鎖に置換される。なお、本発明の効果が発揮される範囲であればポリグリセリンの水酸基が一部残っていても良い。具体的には、Rの50%以上がポリエステル鎖となるようにすればよい。
触媒としては、例えば、2−エチルヘキサン酸スズ(II)、カリウム/ナフタレン等が例示され、その使用量は、一般式(C)で表されるポリグリセリン中の水酸基1モルに対し、0.01〜0.1モル、好ましくは0.02〜0.05モルである。
反応は、一般式(C)で表されるポリグリセリン、一般式(D)で表される化合物及び触媒を、不活性ガス雰囲気(例えば、窒素、アルゴン等)下、重合(バルク重合等)させて行う。なお、一般式(D)で表される化合物及び一般式(C)で表される化合物をともに融解させて反応させることが好適である。反応温度および反応時間は、例えば、120〜180℃、好ましくは、125〜160℃で、2分〜24時間程度反応させればよい。反応後は、反応物を可溶性の溶媒に溶解させて、これに貧溶媒を加えて目的物を析出させる等の方法を用いて目的物を得ることができる。
本発明に用いられる分岐型生分解性ポリエステルは、生分解性および柔軟性を有しており、分岐度を制御することで生分解速度の調節ができる。また、本発明に用いられる分岐型生分解性ポリエステルは、生分解性、延性、伸縮性、柔軟性および弾性を有している。
さらに、上記分岐型生分解性ポリエステルは、軟組織や、血管や筋肉(心筋、骨格筋、平滑筋等)などの弾性が要求される組織に対して、生体適合性を示すため、このような組織の再生に用いることができる。この特性を「軟組織適合性」という。
生物学的生理活性物質層3を構成する生物学的生理活性物質、および生分解性高分子層5に分散される生物学的生理活性物質6は、ステント1を管腔の病変部に留置した際に再狭窄を抑制する効果があるものであれば特に限定されないが、例えば抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症剤、抗炎症剤、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗剤、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、血管平滑筋増殖抑制薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン、NO産生促進物質等が挙げられる。
抗癌剤としては、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、イリノテカン、ピラルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、メトトレキサート等が挙げられる。
免疫抑制剤としては、例えば、シロリムス、エベロリムス、バイオリムス、タクロリムス、アザチオプリン、シクロスポリン、シクロフォスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、グスペリムス、ミゾリビン等が挙げられる。
抗生物質としては、例えば、マイトマイシン、アドリアマイシン、ドキソルビシン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、アクラルビシン、エピルビシン、ペプロマイシン、ジノスタチンスチマラマー等が挙げられる。
抗リウマチ剤としては、例えば、メトトレキサート、チオリンゴ酸ナトリウム、ペニシラミン、ロベンザリット等が挙げられる。
抗血栓薬としては、例えば、へパリン、アスピリン、抗トロンビン製剤、チクロピジン、ヒルジン等が挙げられる。
HMG−CoA還元酵素阻害剤としては、例えば、セリバスタチン、セリバスタチンナトリウム、アトルバスタチン、ニスバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンナトリウム、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン等が挙げられる。
ACE阻害剤としては、例えば、キナプリル、ペリンドプリルエルブミン、トランドラプリル、シラザプリル、テモカプリル、デラプリル、マレイン酸エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル等が挙げられる。
カルシウム拮抗剤としては、例えば、ヒフェジピン、ニルバジピン、ジルチアゼム、ベニジピン、ニソルジピン等が挙げられる。
抗高脂血症剤としては、例えば、プロブコールが挙げられる。
抗アレルギー剤としては、例えば、トラニラストが挙げられる。
レチノイドとしては、例えば、オールトランスレチノイン酸が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、カテキン類、アントシアニン、プロアントシアニジン、リコピン、β-カロチン等が挙げられる。カテキン類の中では、エピガロカテキンガレートが特に好ましい。
チロシンキナーゼ阻害剤としては、例えば、ゲニステイン、チルフォスチン、アーブスタチン等が挙げられる。
抗炎症剤としては、例えば、デキサメタゾン、プレドニゾロン等のステロイドが挙げられる。
生体由来材料としては、例えば、EGF(epidermal growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、HGF(hepatocyte growth factor)、PDGF(platelet derived growth factor)、BFGF(basic fibroblast growth factor)等が挙げられる。
生物学的生理活性物質層3を構成する生物学的生理活性物質、および生分解性高分子層5に分散される生物学的生理活性物質6は、再狭窄を確実に抑制するという点を考慮すると、上記物質のうちの少なくとも一種類を含んでいることが好ましい。また、生物学的生理活性物質層3を構成する生物学的生理活性物質、および生分解性高分子層5に分散させる生物学的生理活性物質6を、一種類の生物学的生理活性物質にするのか、もしくは二種類以上の異なる生物学的生理活性物質を組み合わせるのかについては、症例に合せて適宜選択されるべきである。
図2および図3に示すステント1において、ステント本体2の表面に生物学的生理活性物質層3を形成する方法は特に限定されないが、例えば、生物学的生理活性物質を融解させてステント本体2の表面を被覆する方法、また生物学的生理活性物質を溶媒に溶解させて溶液を作製し、この溶液にステント本体2を浸漬し、その後引き上げて、溶媒を蒸散若しくは他の方法で除去する方法、或いはスプレーを用いて前記溶液をステント本体2の表面に噴霧して、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法等が挙げられる。
また、生物学的生理活性物質を容易に溶解させる溶媒が、ステント本体2の表面を容易に濡らすことが可能である場合には、生物学的生理活性物質のみを溶媒に溶解させた溶液に、ステント本体2を浸漬して乾燥する方法、あるいは前記溶液をスプレーによりステント本体2の表面に噴霧して乾燥する方法が最も簡易的であり、最も好ましく適用される。
なお、前記溶媒として、例えば、アセトン、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられ、前記生物学的生理活性物質を前記溶媒に、溶液濃度が0.0001〜20質量%、好ましくは、0.01〜10質量%となるように溶解させた溶液を使用する。
生物学的生理活性物質層3の厚さは、病変部への到達性(デリバリー性)や血管壁への刺激性などステント本体2の性能を著しく損なわない程度であり、なおかつ生物学的生理活性物質の効果が確認される厚さで設定されるべきであることから、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは1〜50μm、最も好ましくは1〜20μmの範囲である。
生物学的生理活性物質層3上に生分解性高分子層4を形成する方法は特に限定されないが、例えば、分岐型生分解性ポリエステルを融解させて生物学的生理活性物質層3の表面を被覆する方法、分岐型生分解性ポリエステルを溶媒に溶解させて溶液を作製し、この溶液に生物学的生理活性物質層3が形成されたステント本体2を浸漬し、その後引き上げて、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法、あるいはスプレーを用いて上記の溶液を生物学的生理活性物質層3に噴霧して、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法等が挙げられる。
また、分岐型生分解性ポリエステルを容易に溶解させる溶媒が、生物学的生理活性物質層3の表面を容易に濡らすことが可能である場合には、分岐型生分解性ポリエステルのみを溶媒に溶解させた溶液に、生物学的生理活性物質層3が形成されたステント本体2を浸漬して乾燥する方法、あるいは上記の溶液をスプレーを用いて生物学的生理活性物質層3に噴霧して乾燥する方法が最も簡易的であり、最も好ましく適用される。
なお、前記溶媒として、例えば、アセトン、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられ、前記分岐型生分解性ポリエステルを前記溶媒に、溶液濃度が0.0001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%となるように溶解させた溶液を使用する。
生分解性高分子層4の厚さは、生物学的生理活性物質層3と同様、病変部へのデリバリー性や血管壁への刺激性などステント本体2の性能を著しく損なわない程度に設定されるべきであることから、好ましくは1〜75μm、更に好ましくは1〜25μm、最も好ましくは1〜10μmの範囲である。
図4および図5に示すステント1において、ステント本体の表面に生物学的生理活性物質6が分散された生分解性高分子層5を形成する方法は特に限定されないが、例えば、分岐型生分解性ポリエステルと生物学的生理活性物質を融解させてステント本体2の表面を被覆する方法、分岐型生分解性ポリエステルと生物学的生理活性物質を溶媒に溶解させて溶液を作製し、この溶液にステント本体2を浸漬し、その後引き上げて、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法、あるいはスプレーを用いて上記溶液をステント本体2の表面に噴霧して、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法等が挙げられる。
また、分岐型生分解性ポリエステルと生物学的生理活性物質を容易に溶解させる溶媒が、ステント本体2の表面を容易に濡らすことが可能である場合には、分岐型生分解性ポリエステルと生物学的生理活性物質を溶媒に溶解させた溶液に、ステント本体2を浸漬して乾燥する方法、あるいは上記の溶媒をスプレーを用いてステント本体2に噴霧して乾燥する方法が最も簡易的であり、最も好ましく適用される。
なお、前記溶媒として、例えば、アセトン、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられ、前記生物学的生理活性物質と分岐型生分解性ポリエステルを前記溶媒に、溶液濃度が0.0001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%となるように溶解させた溶液を使用する。
生物学的生理活性物質6が分散された生分解性高分子層5の厚さは、病変部への到達性(デリバリー性)や血管壁への刺激性などステント本体2の性能を著しく損なわない程度であり、なおかつ生物学的生理活性物質の効果が確認される厚さで設定されるべきであることから、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは1〜50μm、最も好ましくは1〜20μmの範囲である。
生物学的生理活性物質放出層を構成する生物学的生理活性物質層3および生分解性高分子層4,5は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他に添加剤を含有してもよい。
上記添加剤としては、例えば、生体に害を及ぼさない顔料、染料、X線造影剤(硫酸バリウム、タングステン、酸化ビスマス等)、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ、粘度好物、チタン酸カリウム繊維等)、充填材(カーボンブラック、シリカ、アルミナ、酸化チタン、金属粉、木粉、籾殻等)、耐熱安定剤、酸化劣化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
<分岐型ポリ-DL−乳酸(分岐型PDLLA)の合成>
20mg(40.0μmol)のポリグリセリン(阪本薬品工業株式会社製 ポリグリセリン500)(数平均分子量500 水酸基数8)を溶解させたメタノール溶液を重合管に加え、それをバキュームラインに連結してメタノールをエバポレートした。そこに1,150mg(7.9mmol)のD−ラクチド(D−LA)と1,150mg(7.9mmol)のL−ラクチド(L−LA)を加え、再度バキュームラインに連結した後に5時間凍結乾燥を行い、さらに一晩減圧乾燥を行った。乾燥後、重合管をバキュームラインより取り外し、グローブボックス内(窒素雰囲気下)でテトラヒドロフラン(THF)に溶解した6.48mg(15.9μmol)の2−エチルヘキサン酸スズ(II)を重合管に加えた。この重合管をバキュームラインに連結し、液体窒素により固化させた後に、脱気とアルゴン置換を一セットとし、これを3セット繰り返した。一晩減圧乾燥させた後に重合管の封管を行い、160℃のオイルバス中でD−LAとL−LAを融解させた後、130℃で24時間反応させた。なお、この分岐型PDLLAの合成方法を化11に示す。クロロホルムに溶解した反応物をジエチルエーテル中に滴下し、生じた沈殿物を回収した。得られた白色沈殿物を減圧乾燥し、目的物である分岐型PDLLAを得た。収量は2,080mg、収率は89.4%であった。
DMSO-dを溶媒に用いて得られた分岐型PDLLAのH NMR(JEOL製GSX−400)スペクトルを測定したところ、図6の結果となった。
H NMR(DMSO−d)、δ(ppm); 1.27 (3H,CH(CH)OH)、1.33−1.48(3H, CHCH)、4.12−4.23(1H,CH(CH)OH)、5.07−5.21(1H,CHCH)。
得られた分岐型PDLLAの数平均分子量Mnと分子量分布Mw/Mnをゲルろ過クロマトグラフィー(東ソー製 α−5000カラム)で測定したところ、Mn=62,700、Mw/Mn=1.5であった。
また、この分岐型PDLLAのガラス転移温度を示差走査熱量装置(DSC)で測定したところ、17.5℃であった。なお、ポリ乳酸由来の融点ピークは、検出されず、非晶性であることが示された。
また、この分岐型PDLLAを37℃のリン酸緩衝生理食塩水(pH=7.4)に28日間浸漬したところ、数平均分子量の減少率は7%であった。
また、この分岐型PDLLAを厚さ約100μm、幅5.0mm、長さ40mmのダンベル状のフィルムとし、これを引張試験に供したとき、最大引張応力は0.93MPa、ヤング率は49.0MPa、破断時ひずみは610%であった。
(実施例2)
この分岐型PDLLAとラパマイシン(RM)を重量比が1:1になるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた混合物の濃度が1wt%である溶液をスプレー(マイクロスプレーガン−II NORDSON製)によりステント(外径2.0mm)に噴霧し、溶媒であるTHFを乾燥した。
(実施例3)
実施例1のステントをバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で外径3.0mmに拡張した。ステント拡張後のコーティング層はステントにしっかりと固定されており、拡張により破損している箇所もなかった。
図7は、実施例3におけるステント拡張後の拡大写真(250倍)である。
(比較例1)
<直鎖型ポリDL乳酸>
直鎖型ポリDL乳酸(API製 100D065)を厚さ約100μm、幅5.0mm、長さ40mmのダンベル状のフィルムとし、これを引張試験に供したとき、最大引張応力は3.43MPa、ヤング率は63.5MPa、破断時ひずみは15%であった。
また、この直鎖型ポリDL乳酸の数平均分子量Mnと分子量分布Mw/Mnは、それぞれMn=59,800、Mw/Mn=1.75であった。
また、この直鎖型ポリDL乳酸のガラス転移温度は、28.5℃であった。なお、分岐型PDLLA同様、ポリ乳酸由来の融点ピークは検出されず、非晶性であることが示された。
また、この分岐型PDLLAを37℃のリン酸緩衝生理食塩水(pH=7.4)に28日間浸漬したところ、数平均分子量の減少率は36%であった。
(比較例2)
この直鎖型ポリDL乳酸とラパマイシン(RM)を重量比が1:1になるようにTHFに溶解させた混合物の濃度が1wt%である溶液をスプレー(マイクロスプレーガン−II NORDSON製)によりステント(外径2.0mm)に噴霧し、溶媒であるTHFを乾燥した。
(比較例3)
比較例1のステントをバルーンカテーテル(テルモ製 アラシ)で外径3.0mmに拡張した。ステント拡張後のコーティング層は、ステントから剥離していることが確認された。
図8に示すように、比較例3におけるステント拡張後の拡大写真(250倍)である。
なお、実施例1および比較例1の結果より、本願発明の分岐型生分解性ポリエステル(分岐型ポリ-DL−乳酸)の方が、直鎖型ポリDL乳酸に比べ、ヤング率および最大引張応力が小さく、破断時ひずみが大きいため、直鎖型ポリDL乳酸よりも本願発明の分岐型生分解性ポリエステルの方が、延性に優れていることがわかる。
図1は、本発明のステントの一態様を示す側面図である。 図2は、図1のA−A線に沿って切断した拡大横断面図である。 図3は、図1のB−B線に沿って切断した拡大縦断図である。 図4は、図1のA−A線に沿って切断した拡大横断面図である。 図5は、図1のB−B線に沿って切断した拡大縦断図である。 図6は、実施例1で得られた分岐型PDLLAのH NMR(溶媒:DMSO−d)のチャート及び代表的なプロトンの帰属を示す。 図7は、実施例3におけるステント拡張後の拡大写真(250倍)である。 図8は、比較例3におけるステント拡張後の拡大写真(250倍)である。
符号の説明
1 ステント(生体内留置物)
2 ステント本体(線状部材)
21 略菱形の要素
22 環状ユニット
23 連結部材
3 生物学的生理活性物質層
4 生分解性高分子層
5 生分解性高分子層
6 生物学的生理活性物質

Claims (15)

  1. 生体内に留置するための生体内留置物であって、
    前記生体内留置物は、生体内留置物本体と、前記生体内留置物本体の表面に形成された生物学的生理活性物質放出層を有し、
    前記生物学的生理活性物質放出層は、
    ポリグリセリンを主鎖として有し、前記ポリグリセリンの水酸基を介して側鎖としてポリエステル鎖を有する分岐型生分解性ポリエステルと、生物学的生理活性物質と、を含む生体内留置物。
  2. 前記分岐型生分解性ポリエステルが一般式(A)で表されることを特徴とする請求項1に記載の生体内留置物。

    (式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはポリエステル鎖を示し、Rの50%以上がポリエステル鎖であり、nは2〜20を示す)。
  3. 前記一般式(A)におけるRで示されるポリエステル鎖が、一般式(B)で表されることを特徴とする請求項2に記載の生体内留置物。

    (式中、Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、mは1〜1000を示す)
  4. 前記一般式(A)において、nが5〜20を示し、前記一般式(B)において、mが20〜200を示すことを特徴とする請求項3に記載の生体内留置物。
  5. 前記分岐型生分解性ポリエステルの数平均分子量(Mn)が300〜1,500,000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生体内留置物。
  6. 前記分岐型生分解性ポリエステルの数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)が1.05〜3.00であること特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の生体内留置物。
  7. 前記分岐型生分解性ポリエステルのガラス転移温度が−60〜55℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の生体内留置物。
  8. pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(37℃)に28日間浸漬した場合、前記分岐型生分解性ポリエステルの数平均分子量の減少率が30%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の生体内留置物。
  9. 前記分岐型生分解性ポリエステルを厚さ約100μm、幅5.0mm、長さ40mmのダンベル状のフィルムとし、
    前記ダンベル状のフィルムを引張試験したときの最大引張応力が0.1〜20MPa、ヤング率が0.1〜100MPa、破断時ひずみが50〜1,000%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の生体内留置物。
  10. 前記生体内留置物本体が金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の生体内留置物。
  11. 前記生体内留置物本体が高分子材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の生体内留置物。
  12. 前記生物学的生理活性物質放出層が、前記生体内留置物本体の表面に形成された前記生物学的生理活性物質を含む層と、前記生物学的生理活性物質を含む層上に形成された前記分岐型生分解性ポリエステルを含む層と、からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の生体内留置物。
  13. 前記生物学的生理活性物質放出層が、前記生物学的生理活性物質と前記分岐型生分解性ポリエステルとを含む層からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の生体内留置物。
  14. 前記生物学的生理活性物質が、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症剤、抗炎症剤、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗剤、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、血管平滑筋増殖抑制薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロンおよびNO産生促進物質よりなる群から選ばれた少なくとも1種のものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の生体内留置物。
  15. ステントであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の生体内留置物。
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