JP2016005533A - ステント - Google Patents

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誠 佐々木
達郎 井本
Tatsuro Imoto
達郎 井本
雅 三宅
Masa Miyake
雅 三宅
伸幸 高畠
Nobuyuki Takahata
伸幸 高畠
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Abstract

【課題】本発明は、薬剤の溶出を加速させ、かつ薬剤を長期間安定して溶出し続ける組成物、およびこの組成物を適用した薬剤溶出性医療器具を提供する。
【解決手段】本発明により、外表面と内表面とを有する円筒形状のステント本体と、前記ステント本体の少なくとも外表面および/または内表面を被覆し、具備しており、血管内膜肥厚抑制剤および/またはヒドロキシ酸を含有するポリマーをステント本体にコーティングさせ、該血管内膜肥厚抑制剤および/またはヒドロキシ酸を持続的に一定期間、溶出させることが可能な薬剤溶出性ステント、およびその製造方法が提供される。
【選択図】図3

Description

本発明は、血管内膜肥厚抑制剤の溶出制御組成物などに関し、詳しくは医療器具などに血管内膜肥厚抑制剤の溶出機能を付与する溶出制御組成物およびこれを保持した医療器具、特にステントに関する。
「血管内膜肥厚抑制剤」および「薬剤」、「ヒドロキシ酸」および「クエン酸」という用語は本明細書では互換的に使用される。
近年、新薬のみならず既存の医薬が有効に効力を発揮できるように製剤および投与の技
術開発が進展している。例えば薬剤を特殊な被膜で覆うことにより、一定時間後に薬効成
分を溶出させる製剤技術も登場している。薬物送達システム(DDS)の概念に基づき、
リポソームを始めとするナノスフェア、マイクロカプセルを利用した製剤が盛んに研究さ
れている。そうしたDDSが目指す機能として、溶出制御性、標的指向性、摂取・投与容
易性、または効果増強・副作用低減などが挙げられる。
これまでDDSを視野に入れた薬剤溶出材料として、ポリ乳酸、乳酸/グリコール酸共
重合体などのポリマー材料が幅広く検討されてきた(特許文献1および2、非特許文献1)。しかしながら、これらのポリマーに薬剤を混ぜただけでは、送達された場所において期待通りの薬剤溶出速度が得られないのが常であった。そうしたポリマー中を薬剤が拡散移動する速度が極めて遅く、またはそこから遊離し難いためである(非特許文献1)。かかる問題を解決するために、ポリマーを多孔体化することや、微粒子化することにより接触面積を多くし、薬剤の溶出量を確保、または増大させる技術が研究され、実用化の途にある。上記のポリマーについては、多孔化する際の孔径コントロールが極めて重要であり、かつ高度な条件設定が求められるため、製造コストの上昇は避けられない。
他方、医工学技術の進歩により、主として診断、治療目的のために、生体内に何らかの医療用具、装置、ステントを取り込むか、埋め込むことにより、初期の目的を達成しようとする手法も検討されている。しかしながら、医療用具、例えばカテーテル、ステント、人工血管などの表面に多孔体を形成させることは、生体内において異物反応に起因する生理活性を引き起こすリスクを増大させるため適当であるとは言えない。むしろ生体による異物認識に基づく反応を考慮して平滑平面が求められる分野である。
生体内に適用される医療器具の一つであるステントは、心臓冠動脈閉塞症などの治療に
用いられる。すなわち血管内部に留置されるステントは、切開部分を補綴するとともに血
管の収縮を防止して、動脈閉塞症患者の再狭窄の発生率を有効に減少させようとするもの
である。
これまでも冠状動脈閉塞症をはじめとして、動脈血管閉塞症の治療を目的にステントの材料、形状、術法に関する種々の提案がなされている。もっとも従来の材料にあっては依然として再狭窄、再閉塞のリスクを完全には避け得ないため、このことがステントを使用する血管形成術の適用の隘路となっている。よって再狭窄、再閉塞のおそれの少ないステントが医療現場から強く要望されている。
さらに抗癌剤、免疫抑制剤、抗生剤、抗凝固剤、血管内膜肥厚抑制剤などと、種々の高分子材料とを組み合わせた、薬剤溶出型のステントが研究されてきた(非特許文献2)。しかしながら、このような薬剤溶出型のステントにおいては、溶出される薬剤のタイミングとその溶出速度、溶出量および期間を所望するように調整することは実際問題として容易ではない。例えばバースト的な溶出が留置後の初期に起きてしまい、持続的な溶出が実現できないことや、あるいは薬剤を担持する方式に問題があって、体内に留置したステントから脱落してしまうこともある。
血管内膜肥厚抑制剤として、例えばリムス系薬剤であるシロリムスが知られている。これまでに、抗凝固剤であるアルガトロバンにおいて、ステントが抗凝固性を発現するような薬剤の溶出速度の文献が知られている(特許文献3)。
しかしながら、生分解性金属材料からなるステントにおいて、特許文献3では、母材による分解が起こるため、従来のステントと同等の薬剤溶出性の性能を有せず、また、生体内の留置によりステント母材の石灰化が起こっていたため、改良が必要となった。
特開平9-151136号公報 特開平9-255590号公報 特許第5153340号公報 「高分子加工」第45巻、第5号、222頁、第6号、270頁、1996年 "Drug−Eluting Stent"、医学書院、2003年
背景技術の状況と問題点に鑑み、本発明者らは鋭意検討し、本発明に至った。すなわちある種の親水性低分子化合物を添加することで、血管内膜肥厚抑制剤の溶出が加速されること、また、ステント母材であるコア構造体の腐食に起因する石灰化が抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。本発明は、当該効果を有する組成物、およびこの組成物を適用した医療器具を提供するものである。
さらに本発明者らは、血管内膜肥厚抑制剤の担持の態様もまた、溶出速度および持続的な溶出期間に大きく影響するのではないかと考えて鋭意検討した。その結果、前記血管内膜肥厚抑制剤を一定期間溶出させるには、前記血管内膜肥厚抑制剤が高分子材料に相溶した状態で強く担持させることが望ましいことを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、血管内膜肥厚抑制剤を含有する高分子材料をステントにコーティングさせ、前記血管内膜肥厚抑制剤を持続的に一定期間、溶出させることが可能な薬剤溶出性ステントを提供することを目的とする。
本発明者らは、目的を達成するため鋭意検討した結果、被覆層の構成に着目し、さらに検討した結果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明の第1の構成は、外表面と内表面とを有する円筒形状に形成された金属材料のコア構造体と、前記コア構造体の少なくとも外表面を被覆している第1被覆層と、前記第1被覆層を実質的に完全に覆うように被覆している第2被覆層とを具備しており、前記第1被覆層は、ヒドロキシ酸の一つであるクエン酸を含有するポリマーと、前記第2被覆層は血管内膜肥厚抑制剤を含有するポリマーにより形成されているステントである。前記ポリマーとは、ホモポリマー、コポリマー、またはポリマーの混合物を含む用語として用いられる。また、前記血管内膜肥厚抑制剤は、シロリムス、エベロリムス、バイオリムスA9、ゾタロリムス、タクロリムス、パクリタキセルなどがあげられるが、なかでも、シロリムスが好ましい。また、前記ポリマーは生分解性ポリマーであって、ポリ乳酸、ポリ(乳酸−グリコール酸)、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(乳酸−ε―カプロラクトン)、またはポリ(グリコール酸−ε−カプロラクトン)であることが好ましい。また、前記コア構造体であるステント本体は、生分解性金属材料であって、マグネシウム合金であることが好ましい。さらに、前記コア構造体であるステント本体は金属の溶出を防ぐためのコーティングを行ってもよい。
本発明の第2の構成は、前記第1被覆層または/および前記第2被覆層を、低級アルキルケトン溶剤、低級アルキルエステル溶剤に溶解した溶液を用いて、コア構造体であるステント本体の少なくとも外表面と内表面を被覆し、被覆後、前記溶剤を除去して前記第1被覆層または/および前記第2被覆層を形成する、ステントの製造方法である。
本発明の第3の構成は、本発明の第1の構成のステントを血管内に留置し、前記ステントから血管内膜肥厚抑制剤を溶出させて、血管内膜肥厚を抑制する方法である。
本発明の第4の構成は、本発明の第1の構成のステントを血管内に留置し、前記ステントから前記クエン酸を溶出させて、前記生分解性金属の腐食によって引き起こされるpH値の上昇を抑制する方法である。
本発明の第5の構成は、本発明の第1の構成のステントを血管内に留置し、前記ステントから前記クエン酸を溶出させて、前記ステント母材(前記生分解性金属)の腐食に起因する石灰化を抑制する方法である。
本発明の第1の構成によれば、第1被覆層がポリマーとクエン酸、第2被覆層がポリマーと血管内膜肥厚抑制剤により形成されることにより、前記血管内膜肥厚抑制剤が溶出されるため、血管内膜肥厚抑制効果を発揮できるステントを得ることが出来る。
本発明の第2の構成によれば、前記第1被覆層または/および前記第2被覆層を溶解する溶剤として用いられる低級アルキルケトン、低級アルキルエステルはポリマーまたは/および血管内膜肥厚抑制剤を溶解した溶剤である。この溶剤を用いて形成されたポリマーと血管内膜肥厚抑制剤から形成された第2被覆層の厚み等を制御することにより、薬剤溶出速度の制御が行いやすいという特徴を有する。
本発明の第3の構成によれば、本発明の第1の構成のステントにおいて、とくに、ポリマーとクエン酸を含有した第1被覆層または/およびポリマーと血管内膜肥厚抑制剤を含有した第2被覆層を、適当な厚みに制御することにより、薬剤溶出速度の制御が行いやすく、血管内膜肥厚を抑制する特徴を有する。
本発明の第4の構成によれば、本発明の第1の構成のステントにおいて、コア構造体であるステント本体の材料を生分解性金属とすることにより、クエン酸がステント本体の分解によって引き起こされるpH値の上昇を抑制する特徴を有する。
本発明の第5の構成によれば、本発明の第1の構成のステントにおいて、とくに、ポリマーとクエン酸を含有した第1被覆層を、適当な厚みに制御することにより、薬剤溶出速度の制御が行いやすく、クエン酸を選択することで、石灰化を抑制する特徴を有する。
本発明に基づく金属材料で形成された例示的全リンク型ステントの一部分の平面図。 本発明に基づく例示的ステントの構成要素を示す比較模式図1。 本発明に基づく第1の例示的ステントの構成要素を示す模式図。 本発明に基づく例示的ステントの構成要素を示す比較模式図2。 本発明に基づく例示的ステントの構成要素を示す比較模式図3。 本発明に基づく例示的ステントの構成要素を示す比較模式図4。
以下、本発明の実施形態について図面にて説明する。図1は円筒形状に形成された生分解性材料からなるコア構造体であるステント本体の平面図(隣接するすべてのセルとリンクが連結されたクローズドセル型ステント1)であり、本発明のステントの好適に使用される。図2は本発明に基づく例示的ステントの構成要素を示す比較模式図の一例の断面図であり、コア構造体5の円筒状表面の少なくとも外表面、好ましくは、外表面と内表面の両面に、第1被覆層4がポリマーに血管内膜肥厚抑制剤2とクエン酸3を担持させた層により形成している。図3は本発明に基づく第1の例示的ステントの構成要素を示した断面図であり、コア構造体10の円筒状表面の少なくとも外表面、好ましくは、外表面と内表面の両面に、第1被覆層9がポリマーにクエン酸7を担持させた層、第2被覆層8がポリマーに血管内膜肥厚抑制剤6を担持させた層により形成している。図4は本発明に基づく例示的ステントの構成要素を示す比較模式図の一例の断面図であり、コア構造体15の円筒状表面の少なくとも外表面、好ましくは、外表面と内表面の両面に、第1被覆層14がポリマーに血管内膜肥厚抑制剤12を担持させた層、第2被覆層13がポリマーにクエン酸11を担持させた層により形成している。図5は本発明に基づく例示的ステントの構成要素を示す比較模式図の一例の断面図であり、コア構造体17の円筒状表面の少なくとも外表面、好ましくは、外表面と内表面の両面に、第1被覆層16がポリマーからなる層で形成されている。図6は本発明に基づく例示的ステントの構成要素を示す比較模試図の一例の断面図であり、コア構造体21の円筒状表面の少なくとも外表面、好ましくは、外表面と内表面の両面に、第1被覆層20がポリマーからなる層、第2被覆層19がポリマーに血管内膜肥厚抑制剤18が担持された層で形成されている。
(ステント本体の素材)
コア構造体であるステント本体の素材は、生分解性材料であることが好ましい。具体例として純マグネシウム、マグネシウム合金、純鉄、純合金などからなる生分解性金属があげられる。また、ステント本体を生分解性ポリマーで構成するのも良い。コア構造体であるステント本体の構造としては、外表面と内表面とを有する円筒形状を有しており、バルーン拡張型、自己拡張型、およびそれらの組み合わせであってよい。
(ステント本体への被覆)
本発明においては、図3に示すように上記のようなステント本体10の円筒状表面の少なくとも外表面、好ましくは、外表面と内表面の両面に、第1被覆層9がポリマーにクエン酸7を担持させて形成している層、第2被覆層8がポリマーに血管内膜肥厚抑制剤6からなる被覆層を担持させて形成している。ステント表面に血管内膜肥厚抑制剤を担持させる方法としては、血管内膜肥厚抑制剤とポリマーとを適当な溶剤に溶かして調製したコーティング液中にステントを浸漬し、引き上げて溶剤を乾燥させるディッピング法、血管内膜肥厚抑制剤とポリマーとを溶解した溶液を霧状化してステントに吹き付けるスプレイ法、血管内膜肥厚抑制剤とポリマーを別々な溶剤に溶解し2本のノズルから同時にステントに吹き付ける二重同時スプレイ法などが挙げられ、本発明においては上記のいずれの方法も適用可能であるが、血管内膜肥厚抑制剤を分散させたポリマーのコート層をステント表面に形成する方法が、血管内膜肥厚抑制剤の溶出速度の制御がしやすいので好ましい。
(図3における第1被覆層と第2被覆層)
本発明の図3における第1被覆層9に、ポリマーとクエン酸7を、第2被覆層8に、ポリマーと血管内膜肥厚抑制剤6を強く担持させることにより、血管内膜肥厚抑制剤溶出制御能、耐食性向上、石灰化抑制能が付与されている。前記第1被覆層9の厚み、前記第1被覆層におけるポリマー組成、組織等、クエン酸、前記第2被覆層8の厚み、前記第2被覆層におけるポリマー組成、組織等、血管内膜肥厚抑制剤の選択により、血管内膜肥厚抑制剤の長期間にわたる溶出、コア構造体であるステント本体の耐食性の向上、また、石灰化を抑制することができる。このため、前記第1被覆層9はコア構造体であるステント本体、前記第2被覆層8は前記第1被覆層9を完全に覆うように形成される必要がある。
(図3における第1被覆層を形成する組成物)
本発明の図3における第1被覆層9は、上記のようにポリマーとクエン酸を含む組成物から形成されている。前記組成物において、上記のようにクエン酸がポリマーに強く担持されることにより、血管内膜肥厚抑制剤溶出制御能、耐食性向上、石灰化抑制能が付与される。したがって、ポリマーによるクエン酸の担持を阻害しないように、前記組成物は、クエン酸以外の組成物を含まないことが好ましい。
(図3における第1被覆層の組成物中のクエン酸の担持状態)
本発明の図3におけるステントにおいては、37℃のリン酸緩衝生理食塩水中で前記組成物におけるクエン酸は、ポリマーと相溶していることが好ましい。「相溶」とはポリマーとクエン酸が2種類または多種類の物質が相互に親和性を有し、溶液または混和物を形成している状態である。
(図3における第1被覆層を構成するポリマー)
本発明の図3におけるステントにおいては、生分解性金属材料からなるステント本体の分解によって引き起こされるpH値の上昇抑制にクエン酸を一定時間持続的に拡散させることを主眼としている。そのために、ポリマー層中をクエン酸が拡散しやすいように、柔軟性ポリマーを使用することが好ましい。このような柔軟性ポリマーとして、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素樹脂、ポリブチルアクリレート(−54℃)、ポリブチルメタクリレート(20℃)、アクリルゴム、天然ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレンブロック共重合体などが例示される。上記の柔軟性ポリマーは、血管内に導入されたとき非分解性であるが、本発明においては、ポリマーに起因する慢性炎症から血管組織を早期に回復させることが要求される場合には、生分解性ポリマー、なかでも1年以内に生体内で分解・消失するものを用いて被覆するのが好ましい。生分解性ポリマーの具体例としては、ポリ乳酸、ポリ(乳酸−グリコール酸)、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(乳酸−ε−カプロラクトン)、ポリ(グリコール酸−ε−カプロラクトン)、ポリ−p−ジオキサノン、ポリ(グリコール酸−トリメチレンカーボネート)、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸などが挙げられる。なかでもポリ乳酸は、ガラス転移温度が50〜60℃の範囲にあり、かつ、1年以内に生体内で分解消失する速度であるので、本発明において好ましく用いられる。これらのポリマーの分子量は、コーティング層の強度確保、コーティング作業効率の観点から、30,000〜500,000が適当である。第1被覆層と第2被覆層のポリマーは同じものを使用しても良いし、異なるものを使用しても良い。
(図3における第2被覆層を構成するポリマー)
本発明においては、狭窄抑制に有効な量の血管内膜肥厚抑制剤を一定時間持続的に溶出させることを主眼としているが、そのために、第2被覆層において、血管内膜肥厚抑制剤を担持させるポリマーとして、血管内膜肥厚抑制剤が拡散によりポリマー層中を移動しやすい柔軟性ポリマーを使用することが好ましい。このような柔軟性ポリマーとして、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素樹脂、ポリブチルアクリレート(−54℃)、ポリブチルメタクリレート(20℃)、アクリルゴム、天然ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレンブロック共重合体などが例示される。上記の柔軟性ポリマーは、血管内に導入されたとき非分解性であるが、本発明のように、ポリマーに起因する慢性炎症から血管組織を早期に回復させることが要求される場合には、生分解性ポリマー、なかでも1年以内に生体内で分解・消失するものを用いて被覆するのが好ましい。生分解性ポリマーの具体例としては、ポリ乳酸、ポリ(乳酸−グリコール酸)、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(乳酸−ε−カプロラクトン)、ポリ(グリコール酸−ε−カプロラクトン)、ポリ−p−ジオキサノン、ポリ(グリコール酸−トリメチレンカーボネート)、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸などが挙げられる。なかでもポリ乳酸は、ガラス転移温度が50〜60℃の範囲にあり、かつ、1年以内に生体内で分解消失する速度であるので、本発明において好ましく用いられる。これらのポリマーの分子量は、コーティング層の強度確保、コーティング作業効率の観点から、30,000〜500,000が適当である。第1被覆層と第2被覆層のポリマーは同じものを使用しても良いし、異なるものを使用しても良い。
(図3におけるポリマーの選択と血管内膜肥厚抑制剤の溶出速度)
一般的に、コート層からの血管内膜肥厚抑制剤の溶出速度は、非生分解性ポリマーではポリマー中での血管内膜肥厚抑制剤の拡散速度に依存するが、生分解性ポリマーでは血管内膜肥厚抑制剤の拡散速度とポリマーの分解速度に依存する。したがって血管内膜肥厚抑制剤の溶出速度をコントロールするためには、ポリマーの種類を適切に選択し、必要に応じて異なる種類のポリマーを組み合わせてもよい。よってポリマー中での血管内膜肥厚抑制剤の拡散速度、ポリマーの分解速度という2つのパラメーターを調節することにより血管内膜肥厚血管内膜肥厚抑制剤の溶出速度をコントロールできる。血管内膜肥厚抑制剤のポリマー中での拡散速度を大きくするには非晶性ポリマーを選択するのが適切であり、分解速度を大きくするには、低分子量のポリマーを選択するのが適切である。
(図3における生分解性ポリマーの選択と血管内膜肥厚抑制剤の溶出速度)
本発明の図3における第1被覆層または/および第2被覆層のポリマーとして、生分解性ポリマーを使用する場合、上記の生分解性ポリマーのなかでも、ポリ乳酸が、人体への使用実績があり分解しても乳酸になり毒性も低いので安全性上好ましい。生分解性ポリマーの分解速度は、ポリマーを構成するモノマーの化学構造、共重合比、分子量に依存するので、目標とする薬剤溶出速度に適するように、これらのパラメーターを調節することが好ましい。
(溶出助剤の添加による血管内膜肥厚抑制剤の溶出速度の調整)
本発明の図3における第2被覆層の組成物は、上記のようにポリマーと血管内膜肥厚抑制剤とから構成されるが、第1被覆層に溶出助剤であるクエン酸を含有することにより、拡散速度を制御することができる。本発明に好適に使用できる溶出助剤はヒドロキシ酸であり、そのなかでもpH値上昇抑制能、石灰化抑制能を有するクエン酸が好ましい。クエン酸以外でも、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸でも良い。クエン酸はポリマー1分子に対して1分子であることが望ましい。
(図3における第1被覆層の厚み)
本発明の図3における第1被覆層の厚みは0.5μmから10μmの範囲内にあるのが好ましい。0.5μm未満では、第1被覆層の均一性が確保できなくなり、血管内膜肥厚抑制剤の溶出速度の制御機能が発揮できない。逆に、10μmを超えると、厚みに見合う効果が得られない。また、必要以上に厚みを厚くすることは薬剤溶出としての効果やステントとしての機能を損なう。第1被覆層は単一層であってもよく、上記の範囲内において複数層で形成してもよい。したがって、これらの塗布条件が満たせるように、コーティング液組成およびコーティング条件が選択される。
(図3における第1被覆層)
本発明の図3における第1被覆層は生分解性金属材料からなるステント本体の分解によって引き起こされるpH値の上昇を抑制するための腐食防止層である。前記第1被覆層はヒドロキシ酸のひとつであるクエン酸が好ましいが、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸でも良い。
(図3における第2被覆層を形成する組成物)
本発明の図3における第2被覆層は、ポリマーと血管内膜肥厚抑制剤を含む組成物から形成されている。前記組成物において、上記のように血管内膜肥厚抑制剤がポリマーに強く担持されることにより、血管内膜肥厚抑制剤を長期にわたって溶出することが出来る。したがって、ポリマーによる血管内膜肥厚抑制剤の担持を阻害しないように、前記組成物は、血管内膜肥厚抑制剤以外の薬剤を含まないことが好ましい。
(図3における第2被覆層の厚み)
本発明の図3における第2被覆層の厚みは1μmから20μmの範囲内にあるのが好ましい。ステントの単位表面積(1cm)あたりのコート層の厚みは血管内膜肥厚抑制剤を適当量溶出させる観点から、1〜25μmの範囲内の厚みが必要である。通常2〜20μmの範囲内にあるのが好ましい。第1被覆層を含めて被覆層が20μmを超えると、ステント内狭窄が大きくなる懸念があるので、第2被覆層の厚みとしては、15μmを超えないようにすることが好ましい。第2被覆層は、単一層であってもよく、上記の範囲内において複数層で形成してもよい。したがって、これらの塗布条件が満たせるように、コーティング液組成およびコーティング条件が選択される。
(図3における第1被覆層)
本発明の図3における第1被覆層はポリマーとクエン酸をコア構造体であるステント本体10表面に、そのポリマーとクエン酸を易揮発性溶剤(例えばフッ素系アルコール)に溶解した溶液をコア構造体であるステント本体10表面に噴霧するか、コア構造体であるステント本体10を該溶液に浸漬することにより、コア構造体であるステント本体10に塗布し、乾燥することにより形成される。本発明において、ポリマーとクエン酸を含む第1被覆層9は、円筒状のステント本体の少なくとも外表面(血管壁と接触する面)にスプレイ法によりコーティングされる。この場合には、塗布はポリマーを溶剤に溶解した溶液をステント本体9の外表面に噴霧することにより行うのが好ましい。また、外表面だけでなく内表面にも行う場合には、内外両表面に噴霧を行うか、溶液中にステント本体9を含浸することにより行うのが好ましい。塗布後の溶剤除去は、減圧、送風、加熱などの方法により適宜行われる。
(図3における第2被覆層)
本発明の図3における第2被覆層は血管内膜肥厚抑制剤を担持したポリマーである組成物を前記第1被覆層9がコーティングされたコア構造体であるステント本体表面に、その血管内膜肥厚抑制剤とポリマーである組成物とを易揮発性溶剤(例えばフッ素系アルコール)に溶解した溶液をステント表面に噴霧するか、前記第1被覆層9がコーティングされたコア構造体であるステント本体を前記溶液に浸漬することにより、前記第1被覆層9がコーティングされたコア構造体であるステント本体に塗布し、乾燥することにより形成される。本発明において、ポリマーと血管内膜肥厚抑制剤を含む前記組成物は、円筒状のステント本体の少なくとも外表面(血管壁と接触する面)にスプレイ法によりコーティングされる。この場合には、塗布は前記組成物を溶剤に溶解した溶液をコア構造体であるステント本体の外表面に噴霧することにより行うのが好ましい。また、外表面だけでなく内表面にも行う場合には、内外両表面に噴霧を行うか、溶液中に前記第1被覆層9がコーティングされたコア構造体であるステント本体を含浸することにより行うのが好ましい。塗布後の溶剤除去は、減圧、送風、加熱などの方法により適宜行われる。
(図3における第2被覆層の形成)
本発明の図3における第2被覆層は、ポリマーと血管内膜肥厚抑制剤を溶解した溶液を、第1被覆層上に塗布することにより形成される。塗布方法は第1被覆層の形成と同様である。
(図3における第1被覆層、第2被覆層のための溶剤の選択)
本発明の図3における第1被覆層、第2被覆層の溶剤は、ポリマー、クエン酸、血管内膜肥厚抑制剤を溶解可能で、コーティング後に容易に除去可能な、沸点100℃未満の易揮発性溶剤として、メタノール、エタノール、トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノールと、これらのアルコールを含有する混合溶剤が挙げられる。ポリマーとしては、上記に例示したポリマーが用いられるがなかでも、極性の高いポリ乳酸が上記の溶剤に対する溶解性の点で好ましい。以上のことから、血管内膜肥厚抑制剤の溶出性を付与するのに適した溶剤として、トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノールのほか、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチルなどの低級アルキルエステル(炭素数:6以下)溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどの低級アルキルケトン(炭素数:6以下)溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの低級ハロゲン化炭化水素(炭素数:4以下)溶剤などが例示される。なかでも、クエン酸、血管内膜肥厚抑制剤をポリマーに担持させて、血管内膜肥厚抑制剤の溶出性を与える観点から、低級アルキルエステル、低級アルキルケトン溶剤および低級ハロゲン化炭化水素溶剤が好ましい。これらの溶剤を用いて被覆層を形成して、前記方法により溶剤を除去した場合には、第1被覆層はクエン酸がポリマーに担持され、前記第1被覆層がコーティングされたステント本体の上に前記第2被覆層が形成されると、血管内膜肥厚抑制剤の溶出速度が望ましいものとなる。
(図3におけるクエン酸の選択)
本発明の図3において、所望の薬剤溶出挙動を得るために、クエン酸を用いる。クエン酸はヒドロキシ酸のひとつである。前記ヒドロキシ酸には、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸(2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、γ―ヒドロキシ酪酸)、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、クレオソート酸(ホモサリチル酸、ヒドロキシ(メチル)安息香酸)、バニリン酸、シリング酸、ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸、没食子酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸、グルコン酸があげられるが、pH値の上昇および石灰化を抑制する効果があるクエン酸が好ましい。また、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸でもよい。これらは単独で使用することも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
(図3における第2被覆層を形成する組成物)
本発明の図3における第2被覆層を形成するポリマーまたはポリマーと他の構成成分を含む組成物を形成するための溶剤として、上記第1被覆層の組成物を形成する溶剤を用いることができるが、血管内膜肥厚抑制剤を溶解しないがポリマーやその他の成分は溶解する溶剤(低級アルキルエステル、低級アルキルケトン、低級ハロゲン化炭化水素等)を用いてコーティングする方法が薬剤溶出速度を精密にコントロールできる点で好ましい。この場合、前記組成物はクエン酸を含まない。
(図3における第1被覆層のポリマーとクエン酸の構成比率)
本発明の図3における第1被覆層のポリマーとクエン酸の構成比率はポリマー分子1に対してクエン酸分子0.05から2の範囲であることが好ましい。クエン酸の構成比率が小さくなる(第1被覆層のポリマー構成比率、ポリマー1分子に対してクエン酸の比率が0.05未満である)と、コーティングした層からの血管内膜肥厚抑制剤の溶出量が多くなり、また、クエン酸の構成比率が多くなる(第1被覆層のポリマー構成比率、ポリマー1分子に対してクエン酸比率が2を超える)と、コーティングした層からの血管内膜肥厚抑制剤の溶出量が少なくなり、溶出速度が最適であるとは言い難い。
(図3におけるクエン酸および血管内膜肥厚抑制剤の溶出速度の調整)
本発明のステントがステント内狭窄を顕著に抑制するには、37℃のリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)にステントを浸漬してからの血管内膜肥厚抑制剤の溶出量が1ヶ月目に80%程度、3ヶ月目に100%程度となることが望ましい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の限
定を意図するものではない。実施例中で用いる材料、使用量、濃度、処理時間、処理温度
などの数値的条件、処理方法などはこの発明の範囲内の好適例にすぎない。ここで、実施例中の血管内膜肥厚抑制剤は、「シロリムス」、または、「薬剤」として記載する。
図1に示すデザインを有する加工時の内径=φ1.6mm、拡張後内径=φ3mm、長さ18mm、全表面積=0.80cmのステントを本試験に使用した。また、ステントの材料としてマグネシウム合金を使用した。本試験での加工後のステント本体の幅及び厚みは、200±20μmであった。実施例中に記載した「振盪」はヤマト科学株式会社製 COインキュベーター IP400で行った。ポリマーはポリ乳酸、PLLA(分子量約100,000)を用いた。
(図3における構成層の決定)
[参考製造例1]
ステント1本あたり第1被覆層にクエン酸17μgとPLLA85μg、第2被覆層にシロリムス85μgとPLLA85μgとなるように溶液(コーティング液)を調製した(図3)。図1に示すデザインを有するステント本体をスプレイ式コーティング装置のマンドレルに装着した。前記第1被覆層のコーティング液を0.02mL/分の速度でノズルより噴射し、ノズル下9mmの位置でステント本体を毎分120回転の速度で回転させつつ往復運動させて約70秒間にわたってステント本体の端から中央までの表面にコーティングを行った。コーティング終了後3分間ステントを減圧乾燥し、ついで残りの半分をコーティングした。全面コーティングが終了したステントは減圧乾燥してから、60℃で24時間乾燥して溶剤を完全に除去した。溶剤除去後、前記第2被覆層のコーティング液を、第1被覆層のコーティング方法と同様にコーティングした。この同一条件で12本のステント本体にコーティングを行った。
[参考製造例2]
ステント1本あたり第1被覆層にシロリムス85μgとPLLA85μg、第2被覆層にクエン酸17μgとPLLA85μgとなるように溶液(コーティング液)を調製した(図4)。図1に示すデザインを有するステント本体をスプレイ式コーティング装置のマンドレルに装着した。前記第1被覆層のコーティング液を0.02mL/分の速度でノズルより噴射し、ノズル下9mmの位置でステント本体を毎分120回転の速度で回転させつつ往復運動させて約70秒間にわたってステント本体の端から中央までの表面にコーティングを行った。コーティング終了後3分間ステントを減圧乾燥し、ついで残りの半分をコーティングした。全面コーティングが終了したステントは減圧乾燥してから、60℃で24時間乾燥して溶剤を完全に除去した。溶剤除去後、前記第2被覆層のコーティング液を、第1被覆層のコーティング方法と同様にコーティングした。この同一条件で12本のステント本体にコーティングを行った。
[参考製造例3]
ステント1本あたり第1被覆層にクエン酸17μgとシロリムス85μgとPLLA170μgとなるように溶液(コーティング液)を調製した(図2)。図1に示すデザインを有するステント本体をスプレイ式コーティング装置のマンドレルに装着した。前記第1被覆層のコーティング液を0.02mL/分の速度でノズルより噴射し、ノズル下9mmの位置でステント本体を毎分120回転の速度で回転させつつ往復運動させて約70秒間にわたってステント本体の端から中央までの表面にコーティングを行った。コーティング終了後3分間ステントを減圧乾燥し、ついで残りの半分をコーティングした。全面コーティングが終了したステントは減圧乾燥してから、60℃で24時間乾燥して溶剤を完全に除去した。溶剤除去後、前記第2被覆層のコーティング液を、第1被覆層のコーティング方法と同様にコーティングした。この同一条件で12本のステント本体にコーティングを行った。
[参考製造例4]
ステント1本あたり第1被覆層にPLLA170μgとなるように溶液(コーティング液)を調製した(図5)。図1に示すデザインを有するステント本体をスプレイ式コーティング装置のマンドレルに装着した。前記第1被覆層のコーティング液を0.02mL/分の速度でノズルより噴射し、ノズル下9mmの位置でステント本体を毎分120回転の速度で回転させつつ往復運動させて約70秒間にわたってステント本体の端から中央までの表面にコーティングを行った。コーティング終了後3分間ステントを減圧乾燥し、ついで残りの半分をコーティングした。全面コーティングが終了したステントは減圧乾燥してから、60℃で24時間乾燥して溶剤を完全に除去した。溶剤除去後、前記第2被覆層のコーティング液を、第1被覆層のコーティング方法と同様にコーティングした。この同一条件で12本のステント本体にコーティングを行った。
(図3における構成層決定のための薬剤溶出試験)
参考製造例1〜4に示した4種類の薬剤コーティングステントからの薬剤溶出量を測定した。各ステントは減圧乾燥後、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌を行った。各ステントを清浄な密閉ガラス容器に入れ、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水を加えた。ステント全体が液中で浸漬された状態で、37℃恒温器内で振盪をおこなった。
所定時間毎に溶出液のUV吸収(シロリムス278nm)を紫外可視分光光度計UV−2450(島津製)で測定し、シロリムスの吸光度を測定した。搭載された薬剤の量をもとに溶出量を%で算出した。結果を表1に示す。表1の溶出量は12本の平均値である。
表1より、2層コーティングされた薬剤コーティングステントでは、いずれもバースト様の急激な溶出は見られなかった。参考製造例2ではシロリムスが浸漬1ヶ月で溶出量が43%、浸漬3ヶ月で溶出量が56%となり、所望の構成層ではなく、参考製造例1の構成層で適切なポリマー、薬剤の量を検討した。
(図3におけるポリマー、薬剤の最適量の決定)
上記試験により、ステント表面に第1被覆層にクエン酸とPLLA、第2被覆層にシロリムスとPLLAからなる層が最適な薬剤溶出挙動であることが判明したため、以下でポリマー、薬剤の最適量の決定を行った。
[参考製造例5]
ステント1本あたり第1被覆層にクエン酸1.7μgとPLLA85μg、第2被覆層にシロリムス85μgとPLLA85μgとなるように溶液(コーティング液)を調製した。図1に示すデザインを有するステント本体をスプレイ式コーティング装置のマンドレルに装着した。前記第1被覆層のコーティング液を0.02mL/分の速度でノズルより噴射し、ノズル下9mmの位置でステント本体を毎分120回転の速度で回転させつつ往復運動させて約70秒間にわたってステント本体の端から中央までの表面にコーティングを行った。コーティング終了後3分間ステントを減圧乾燥し、ついで残りの半分をコーティングした。全面コーティングが終了したステントは減圧乾燥してから、60℃で24時間乾燥して溶剤を完全に除去した。溶剤除去後、前記第2被覆層のコーティング液を、第1被覆層のコーティング方法と同様にコーティングした。この同一条件で12本のステント本体にコーティングを行った。
[参考製造例6]
ステント1本あたり第1被覆層にクエン酸8.5μgとPLLA85μg、第2被覆層にシロリムス85μgとPLLA85μgとなるように溶液(コーティング液)を調製した。図1に示すデザインを有するステント本体をスプレイ式コーティング装置のマンドレルに装着した。前記第1被覆層のコーティング液を0.02mL/分の速度でノズルより噴射し、ノズル下9mmの位置でステント本体を毎分120回転の速度で回転させつつ往復運動させて約70秒間にわたってステント本体の端から中央までの表面にコーティングを行った。コーティング終了後3分間ステントを減圧乾燥し、ついで残りの半分をコーティングした。全面コーティングが終了したステントは減圧乾燥してから、60℃で24時間乾燥して溶剤を完全に除去した。溶剤除去後、前記第2被覆層のコーティング液を、第1被覆層のコーティング方法と同様にコーティングした。この同一条件で12本のステント本体にコーティングを行った。
(図3における最適量決定のための薬剤溶出試験)
参考製造例5〜6に示した2種類の薬剤コーティングステントからの薬剤溶出量を測定した。各ステントは減圧乾燥後、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌を行った。各ステントを清浄な密閉ガラス容器に入れ、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水を加えた。ステント全体が液中で浸漬された状態で、37℃恒温器内で振盪をおこなった。
所定時間毎に溶出液のUV吸収(シロリムス278nm)を紫外可視分光光度計UV−2450(島津製)で測定し、シロリムスの吸光度を測定した。搭載された薬剤の量をもとに溶出量を%で算出した。結果を表2に示す。表2の溶出量は12本の平均値である。
表2より、2層コーティングされた薬剤コーティングステントでは、いずれもバースト様の急激な溶出は見られなかった。参考製造例5ではシロリムスが浸漬1ヶ月で溶出量が62%、浸漬3ヶ月で溶出量が68%、参考製造例6ではシロリムスが浸漬1ヶ月で溶出量が72%、浸漬3ヶ月で溶出量が83%となり、所望の構成層ではなかった。この結果をもとに、参考製造例1の構成層が最適な構成層として、pH値の上昇抑制能と石灰化に関する抑制能を確認した。
(pH値の上昇抑制能)
マグネシウムステントの分解によって引き起こされるpH値の上昇を抑制する腐食防止能を調べるために、第1被覆層にクエン酸が含有したポリマー層、第2被覆層にシロリムスが含有したポリマー層で構成されたマグネシウムステント(参考製造例1)と第1被覆層にポリマー層、第2被覆層にシロリムスが含有したポリマー層で構成されたマグネシウムステント(参考製造例7)をPBS溶液(pH7.4)10mLで、37℃、1ヶ月間浸漬振盪し、浸漬振盪前後のpH値を測定した。pH測定に使用したマグネシウムステントは各3本で、振盪はヤマト科学株式会社製 COインキュベーター IP400、pH測定はHORIBA製 pH METER F−51を用いた。結果を表3に示す。表3は3本の平均値である。
[参考製造例7]
ステント1本あたり第1被覆層にPLLA85μg、第2被覆層にシロリムス85μgとPLLA85μgとなるように溶液(コーティング液)を調製した(図6)。図1に示すデザインを有するステント本体をスプレイ式コーティング装置のマンドレルに装着した。前記第1被覆層のコーティング液を0.02mL/分の速度でノズルより噴射し、ノズル下9mmの位置でステント本体を毎分120回転の速度で回転させつつ往復運動させて約70秒間にわたってステント本体の端から中央までの表面にコーティングを行った。コーティング終了後3分間ステントを減圧乾燥し、ついで残りの半分をコーティングした。全面コーティングが終了したステントは減圧乾燥してから、60℃で24時間乾燥して溶剤を完全に除去した。溶剤除去後、前記第2被覆層のコーティング液を、第1被覆層のコーティング方法と同様にコーティングした。この同一条件で12本のステント本体にコーティングを行った。
表3より、構成層にクエン酸が含有していないステントではpH10.5であったが、構成層にクエン酸が含有しているステントではpH9.7であった。これにより、クエン酸がpH上昇抑制に効果があることが示唆された。
(石灰化に関する抑制能)
クエン酸の石灰化抑制能を調べるために、第1被覆層にクエン酸が含有したポリマー層、第2被覆層にシロリムスが含有したポリマー層で構成されたマグネシウムステント(参考製造例1)と第1被覆層にポリマー層、第2被覆層にシロリムスが含有したポリマー層で構成されたマグネシウムステント(参考製造例7)をFBS溶液100mLで、37℃、1ヶ月間浸漬振盪し、誘導結合プラズマ(ICP)分析法によって浸漬振盪前後のカルシウムを定量した。ICP分析に使用したマグネシウムステントは各3本で、振盪はヤマト科学株式会社製 COインキュベーター IP400、ICP分析はサーモフィッシャー株式会社製 iCAP6500を用いた。結果を表4に示す。表4は3本の平均値である。
表4より、構成層にクエン酸が含有していないステントではカルシウムの減少が認められない一方で、構成層にクエン酸が含有しているステントではカルシウムの減少が確認された。これにより、クエン酸が石灰化抑制に効果があることが示唆された。
本発明の特定の実施形態について説明を行ったが、この技術分野における当業者は本明細書において記述された上記の実施形態を容易に修正することが出来ることは明らかである。従って、本発明は、この明細書で示された特定の実施形態に限定されることなく、他のいかなる修正、変更、実施の形態への利用に適用されるものであり、それゆえ、他のすべての修正、変更、実施形態は、本発明の精神および範囲内に入るものとなされるべきである。
1 全リンク型ステント
2,6,12,18 血管内膜肥厚抑制剤
3,7,11 クエン酸
4,9,14 血管内膜肥厚抑制剤または/およびクエン酸を含有するポリマー層からなる第1被覆層
5,10,15,17,21 コア構造体
8,13,19 血管内膜肥厚抑制剤またはクエン酸を含有するポリマー層からなる第2被覆層
16,20 ポリマー層からなる第1被覆層
本発明は、血管内膜肥厚制御剤の溶出を制御し、かつ、血管再形成を確実にするに十分な時間生分解性金属からなるコア構造体の機械的強度を保持させることができるステントに関するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は、外表面と内表面とを有する円筒形状に形成された生分解性金属からなるコア構造体と、前記コア構造体の少なくとも表面を被覆する第一被覆層と、前記第一被覆層を実質的に完全に覆う第二被覆層とを具備しており、
前記第一被覆層は、ポリマーとクエン酸をポリマー1分子に対してクエン酸比率が0.05〜2の厚み0.5〜10μmのポリマー層であって、該ポリマー層の組成物中のクエン酸は37℃のリン酸緩衝生理食塩水中で該ポリマーと相溶しており、
前記第二被覆層は、ポリマーと血管内膜肥厚制御剤を含有する厚み1〜20μmのポリマー層より形成されたことを特徴とするステントである。
前記ポリマーとは、ホモポリマー、コポリマー、または、ポリマーの混合物を含む用語として用いられる。また、前記血管内膜肥厚抑制剤は、シロリムス、エベロリムス、バイオノムスA9、ゾタロリムス、タクロリムス、パクリタキセルなどが挙げられるが、なかでも、シロリムスが好ましい。また、前記ポリマーは生分解性ポリマーであって、ポリ乳酸、ポリ(乳酸−グリコール酸)、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(乳酸−ε−カプロラクトン)、または、ポリ(グリコール酸−ε−カプロラクトン)であることが好ましい。また、前記コア構造体であるステント本体は、生分解性金属材料であって、マグネシウム合金であることが好ましい。さらに、前記コア構造体は金属の溶出を防ぐ為のコーティングを行ってもよい。
[参考製造例3]
ステント1本当たり第1被覆層にクエン酸17μgとシロリムス85μgとPLLA170μgとなるように溶液(コーティング液)を調整した。図1に示すデザインを有するステント本体をスプレイ式コーティング装置のマンドレルに装着した。前記第1被覆層のコーティング液を0.02mL/分の速度でノズルより噴射し、ノズル下9mmの位置でステント本体を毎分120回転させつつ往復運動させて約70秒間にわたってステント本体の端から中央までの表面にコーティングを行った。コーティング終了後3分間ステントを減圧乾燥し、ついで残りの半分をコーティングした。全面コーティングが終了したステントは減圧乾燥してから、60℃で24時間乾燥して溶剤を完全に除去した。溶剤除去後、前記第2被覆層のコーティング液を、第1被覆層のコーティング方法と同様にコーティングした。この同一条件で12本のステント本体にコーティングを行った。
[参考製造例4]
ステント1本当たり第1被覆層にPLLA170μgとなるように溶液(コーティング液)を調整した。図1に示すデザインを有するステント本体をスプレイ式コーティング装置のマンドレルに装着した。前記第1被覆層のコーティング液を0.02mL/分の速度でノズルより噴射し、ノズル下9mmの位置でステント本体を毎分120回転させつつ往復運動させて約70秒間にわたってステント本体の端から中央までの表面にコーティングを行った。コーティング終了後3分間ステントを減圧乾燥し、ついで残りの半分をコーティングした。全面コーティングが終了したステントは減圧乾燥してから、60℃で24時間乾燥して溶剤を完全に除去した。溶剤除去後、前記第2被覆層のコーティング液を、第1被覆層のコーティング方法と同様にコーティングした。この同一条件で12本のステント本体にコーティングを行った。
(図3における構成層決定のための薬剤溶出試験)
参考製造例1〜4に示した4種類の薬剤コーティングステントからの薬剤溶出量を測定した。各ステントは減圧乾燥後、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌を行った。各ステントを清浄な密閉ガラス容器に入れ、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水を加えた。ステント全体が液中に浸漬された状態で、37℃恒温器内で振盪を行った。
(図3における最適量決定のための薬剤溶出試験)
参考製造例5〜6に示した2種類の薬剤コーティングステントからの薬剤溶出量を測定した。各ステントは減圧乾燥後、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌を行った。各ステントを清浄な密閉ガラス容器に入れ、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水を加えた。ステント全体が液中に浸漬された状態で、37℃恒温器内で振盪を行った。

Claims (9)

  1. 外表面と内表面とを有する円筒形状に形成された生分解性材料のコア構造体と、前記コア構造体の表面を被覆する第1被覆層と、前記第1被覆層を実質的に完全に覆う第2被覆層と、を具備しており、
    前記第1被覆層は、(a)溶出助剤であるヒドロキシ酸を含有するポリマー層から構成され、前記第2被覆層は、(b)血管内膜肥厚抑制剤を含有するポリマー層から構成されたステント。
  2. 請求項1において、前記生分解性材料が、生分解性金属であって、その生分解性金属が、純マグネシウム、マグネシウム合金、純鉄または鉄合金であるステント。
  3. 請求項1から請求項2において、前記血管内膜肥厚抑制剤の必須成分が、シロリムス、エベロリムス、バイオリムスA9、ゾタロリムス、タクロリムス、パクリタキセルであるステント。
  4. 請求項1から請求項3において、前記ヒドロキシ酸が前記生分解性金属の分解によって引き起こされるpH値の上昇を抑制することを特徴とするステント。
  5. 請求項1から請求項4において、前記ヒロドキシ酸が、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸(2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、γ−ヒドロキシ酪酸)、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、クレオソート酸(ホモサリチル酸、ヒドロキシ(メチル)安息香酸)、バニリン酸、シリング酸、ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸、没食子酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸、グルコン酸からなる1種または2種以上であるステント。
  6. 請求項1から請求項5において、前記ヒドロキシ酸が石灰化を抑制することを特徴とするステント。
  7. 請求項1から請求項6において、前記ヒロドキシ酸が、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸からなる1種または2種以上であるステント。
  8. 請求項1から請求項7において、前記第1被覆層または/および前記第2被覆層を、低級アルキルケトン溶剤、低級アルキルエステル溶剤に溶解した溶液を用いて、ステント本体の少なくとも外表面を被覆し、被覆後、前記溶剤を除去して前記第1被覆層または/および前記第2被覆層を形成する薬剤溶出性ステントの製造方法。
  9. 請求項1から請求項8において、前記ポリマーは、生分解性ポリマーであって、前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリεカプロラクトン、ポリ(乳酸−グリコール酸)、ポリ(乳酸−ε−カプロラクトン)、ポリ(グリコール酸−ε−カプロラクトン)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリリンゴ酸、ポリα−アミノ酸、コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、コンドロイチン硫酸、およびヒアルロン酸からなる1種または2種以上であるステント。
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