JP2007301214A - 被覆ステント - Google Patents

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誠 高木
Yoshitaka Tanabe
義貴 田邉
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Abstract

【課題】 留置部位で局所的に血管再狭窄防止薬を放出させ、再狭窄率の低減化を図ることが可能な被覆ステントを提供する。
【解決手段】 ステント基材の外周面および/または内周面が、血管再狭窄防止薬として、トブラマイシンを含むキトサン、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリトリメチレンカーボネートおよびこれらのポリマーの2種以上の混合物からなる群から選択された生分解性ポリマーで被覆されて薬剤担持層を有してなる被覆ステント。
【選択図】 なし

Description

本発明は、血管等の生体内に生じた狭窄部の改善に使用されるステントに関し、具体的には、ステントの外周面および/または内周面が血管再狭窄防止薬、特にα2−マクログロブリンを不活性化する化合物を含む生分解性ポリマーで被覆されて、血管等の再狭窄を有効に防止する被覆ステントに関する。
狭心症や心筋梗塞など冠動脈の狭窄が原因となって引き起こされる虚血性心疾患の治療方法として、侵襲度の高い冠動脈バイパス手術に代わり、冠動脈インターベンションが近年急速に普及している。
代表的な冠動脈インターベンションとして、先端に膨張可能なバルーンを設けたカテーテルを、冠動脈の狭窄部位で膨張させて血管内腔を拡張する、経皮経管的冠動脈形成術(PTCA:Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)がある。しかし、PTCAによる治療のみでは、術後、約40%という高頻度で再狭窄が発生しており、再治療が必要なことから、患者に与える精神的及び肉体的苦痛が大きかった。
この問題を解決するため、近年、金属やプラスチック製のコイル又は網からなるステントと呼ばれる略円筒状の支持体を拡張し、狭窄部位に留置する、いわゆるステント留置術が広く行われるようになり、その結果、血管再狭窄の発生率は半減した。しかし、ステント留置術では、弾性反跳(elastic recoil)や血管再構築(vascular remodeling)は防止できるものの、慢性期における血管再狭窄を完全に防ぐことは難しく、ステント内再狭窄(ISR:In-Stent Restenosis)が術後、約20%の確率で生じており、特に糖尿病患者においてISRの発生頻度が高いことが知られている。前記したISRはステント留置によって血管壁が炎症を起こし、その結果、平滑筋細胞が内膜側に遊走して内膜が過形成されることが原因で発生すると考えられている。
そこで、近年では、ステントに薬剤を担持させることによって、留置部位で所定の期間にわたって局所的に薬剤を放出させ、再狭窄率の低減化を図る試みが提案されている。トラニラスト、パクリタキセル、プロブコール、シロスタゾール、ラパマイシンなどの薬剤の有用性が示唆されており、それらをさまざまなポリマーとともにコーティングするステントも報告されているが、いまだ十分に満足されるものにまでは至っていない。
また、血管再狭窄防止薬として、α1−プロテアーゼインヒビターまたはα2−マクログロブリンを不活性化する化合物を使用するステントも提案されている(特許文献1および特許文献2)。本発明者らは、留置部位で所定の期間にわたって局所的に薬剤を放出させ、再狭窄率の低減化を図る目的で、前処理されたステント基材の外周面および/または内周面が、血管再狭窄防止薬を含むポリアミドエラストマーで被覆され、さらにトップコート層を有してなる被覆ステントを提案している(特許文献3)。しかしながら、これらの薬剤は反応性が高く、留置部位で局所的にかつ所定の期間にわたって薬剤を放出するのは困難であった。
さらに、治療のための物質をコーティングしたステントの製造法として、薬剤を生体吸収性ポリマー、生体安定性ポリマーとともにステントに被覆する方法が公知である(特許文献4および特許文献5)。しかしながら、溶媒と、該溶媒に溶解されたポリマーと、該溶媒に分散された薬剤を含む溶液を利用する特許文献4の方法では、ポリマーを溶解した溶媒に非水溶性薬剤を分散させて、ステント本体に適用するための溶媒の選択が難しい。また、生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーの溶液に薬剤を溶解または懸濁した液でステントを塗布あるいは浸漬し、乾燥させる操作を複数回、繰り返す特許文献5の方法では、操作が煩雑になる。
WO03/043656 特開2003−221347号公報 特開2005−170801号公報 特許第3673973号公報 特許第3476604号公報
本発明は上記事情に鑑み、血管再狭窄防止薬、特にトブラマイシンを使用するステントであって、従来のステントよりも、製造法が簡易であって、留置部位で局所的に薬剤を放出させ、再狭窄率の低減化を図ることが可能な被覆ステントを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々鋭意検討した結果、血管再狭窄防止薬、特にトブラマイシンを不活性化する化合物を含む特定の生分解性ポリマーで、ステント外周面および/または内周面を被覆することによって、所期の目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明はステント基材の外周面および/または内周面が、トブラマイシンを含むキトサン、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリトリメチレンカーボネートおよびこれらのポリマーの2種以上の混合物からなる群から選択された生分解性ポリマーで被覆されて薬剤担持層を有してなる被覆ステントである。
本発明の被覆ステントは、トブラマイシンを含むキトサン、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリトリメチレンカーボネートおよびこれらのポリマーの2種以上の混合物からなる群から選択された特定生分解性ポリマーで、ステント基材の外周面および/または内周面が被覆するものであり、ステント留置後の再狭窄を有効に防止することができる。
本発明の被覆ステントは、管状基材と該基材に被覆される被覆層とからなる。ステントとは血管の狭窄部を拡張した後にその血管内径を保持するものであって、一般に円筒形で、スロット、卵形、円形または他の形状の通路が穿孔されている。また、ステントはらせん状に巻いた、または曲がりくねったワイヤから構成されていてもよい。さらに、ステントは平らで穿孔した構造体を巻いてチューブ状又は円筒状構造体を形成したものでもよく、これを織り、巻き、穴を開け、エッチング又は切って通路を形成したものでもよい。ステントには、拡張機構として自己拡張型あるいはバルーン拡張型などがあるが、本発明においては自己拡張型あるいはバルーン拡張型のいずれであってもよい。
本発明のステント基材は、ステンレス鋼、タンタル、チタン合金(ニチノールを含む)およびコバルト合金(コバルト−クロム−ニッケル合金を含む)などが挙げられる。プラスチック素材としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などが挙げられる。その大きさ、形状は特に制限されない。
ステント基材の外周面および/または内周面への血管再狭窄防止薬を含む生分解性ポリマーの被覆方法は、トブラマイシンと生分解性ポリマーとを溶媒に溶解して混合し、スプレーによる被覆やディッピングによる被覆が可能である。スプレー、ディッピングの回数は1回でも良いが、溶液濃度等により被覆層の厚さを調整するため複数回に分けて行う方法が通常、用いられる。
具体的には、生分解性ポリマーおよびトブラマイシンを含む混合溶液をステント基材にスプレー塗布した後、取り出して、温度50〜100℃、好ましくは70〜80℃で、約5〜60分間、好ましくは10〜30分間加熱し、溶媒を揮発させる。スプレー溶液の濃度は0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.05重量%〜3重量%で、スプレー流量は0.01〜0.1ml/分、好ましくは0.02〜0.05ml/分である。浸漬して塗布する場合、溶液の濃度は0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.05重量%〜3重量%で浸漬時間は1〜30秒、好ましくは5〜10秒である。
本発明に使用されるトブラマイシンは、血管再狭窄防止薬、特にα2−マクログロブリンを不活性化する化合物として公知である。
本発明に使用されるトブラマイシンを含む生分解性ポリマーとは、使用する薬剤と相互に影響を与えないものが好ましく、具体的にはキトサン、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリトリメチレンカーボネートなどが含まれる。これらのポリマーの分子量は1万から1000万、好ましくは10万から500万である。
キトサンとしては、分子量が10万から100万以上である高い吸着能力があり、体内に吸収しにくく、水には溶けない高分子キトサン、体内に吸収されやすいように小さく分解した分子量1万以下の水溶性低分子キトサン、あるいは、高分子のキトサンが種々の酸溶媒(酸性物質)に溶ける性質を利用して、高分子のキトサンと一緒に酸溶媒(酸性物質)を配合し水溶性キトサンなどがある。
本発明では、これらのポリマーを単独あるいは2種以上の混合物として用いる。
これらの生分解性ポリマーの溶媒としては、使用するポリマーに従い、溶解性のよい溶媒を選択するが、例えば、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸などが挙げられる。
トブラマイシンを用いる場合、ポリ−L−乳酸、ポリ−DL−乳酸、乳酸−グリコール酸共重合体、乳酸−ε−カプロラクトン共重合体、乳酸−p−ジオキサノン共重合体を生分解性ポリマーとして用いると、相互作用による生分解性ポリマーの分子量低下が起こり、トブラマイシンの放出量が極端に減少するため、好ましくない。しかし、キトサン、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリトリメチレンカーボネートではこのような現象がみられない。
本発明におけるトブラマイシンと前記生分解性ポリマーの混合割合は、ポリマー10重量部に対して、トブラマイシン1〜10重量部であることが好ましい。トブラマイシンが1重量部より小さいと、再狭窄を防止するのに必要な量の該化合物を固定することができない。トブラマイシンが10重量部より大きいと、血管内への長期留置において基材と被覆層との密着性が悪化する。
本発明の被覆ステントの製造方法は、ステント基材の外周面および/または内周面に、生分解性ポリマーおよびトブラマイシンを含む混合溶液を塗布した後、該塗布された溶液を乾燥する工程を含む。
具体的には、生分解性ポリマー溶液およびトブラマイシンを含む混合溶液を調製し、該溶液を前記ステント基材にスプレー塗布した後、取り出して、温度50〜100℃、好ましくは70〜80℃で、約5〜60分間、好ましくは10〜30分間加熱し、溶媒を揮発させる。スプレー溶液の濃度は0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.05重量%〜3重量%で、スプレーの流量は0.01〜0.1ml/分、好ましくは0.02〜0.05ml/分である。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1
キトサン(和光純薬社製キトサン1000、分子量500万)0.1重量%とトブラマイシン(Balkanpharma社製)0.05重量%の酢酸溶液を調製した。該溶液をステント基材に流量0.02ml/分でスプレー塗布した後、取り出して70℃で15分間加熱し、溶媒を揮発させた。この被覆ステントにはトップコート層は形成しなかった。
実施例2
ポリ−ε−カプロラクトン(分子量143,000)1.0重量%とトブラマイシン(Balkanpharma社製)0.5重量%の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール溶液を調製した。該溶液をステント基材に流量0.05ml/分でスプレー塗布した後、取り出して70℃で15分間加熱し、溶媒を揮発させた。この被覆ステントにはトップコート層は形成しなかった。
実施例3
ポリトリメチレンカーボネート(分子量484,000)1.0重量%とトブラマイシン(Balkanpharma社製)0.5重量%の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール溶液を調製した。該溶液をステント基材に流量0.05ml/分でスプレー塗布した後、取り出して70℃で15分間加熱し、溶媒を揮発させた。この被覆ステントにはトップコート層は形成しなかった。
比較例1
乳酸−グリコール酸共重合体(分子量59,000、共重合比58:42)1.0重量%とトブラマイシン(Balkanpharma社製)0.5重量%の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール溶液を調製した。該溶液をステント基材に流量0.05ml/分でスプレー塗布した後、取り出して70℃で15分間加熱し、溶媒を揮発させた。この被覆ステントにはトップコート層は形成しなかった。
比較例2
乳酸−ε−カプロラクトン共重合体(分子量118,000、共重合比67:33)1.0重量%とトブラマイシン(Balkanpharma社製)0.5重量%の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール溶液を調製した。該溶液をステント基材に流量0.05ml/分でスプレー塗布した後、取り出して70℃で15分間加熱し、溶媒を揮発させた。この被覆ステントにはトップコート層は形成しなかった。
実施例1、実施例2、実施例3、比較例1及び比較例2で作製した5種類の被覆ステントを37℃、pH7.4のリン酸緩衝液中に浸漬し、攪拌しながら放出されるトブラマイシン量を経時的に高速液体クロマトグラフィーで測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007301214
表1から明らかなように、比較例1及び比較例2では生分解性ポリマーとトブラマイシンが相互作用を起こし、放出トブラマイシン量が極端に減少したのに対して、実施例1、実施例2及び実施例3では固定されたトブラマイシン量のほとんど全てが放出された。このことから、トブラマイシンを担持する生分解性ポリマーを選択するときは、トブラマイシンと相互作用を起こさない生分解性ポリマーを選択する必要性が示された。

Claims (2)

  1. ステント基材の外周面および/または内周面が、トブラマイシンを含むキトサン、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリトリメチレンカーボネートおよびこれらのポリマーの2種以上の混合物からなる群から選択された生分解性ポリマーで被覆されて薬剤担持層を有してなる被覆ステント。
  2. 前記トブラマイシンと前記薬剤担持層の生分解性ポリマーの混合割合は、前記生分解性ポリマー10重量部に対して、前記トブラマイシン1〜10重量部である、請求項1記載の被覆ステント。
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